(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記維持抽選が行われるたびに、前記カウンターの前記計数値が減算され、この減算は移行する前記遊技形態によって異なるように設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の遊技機では、AT移行抽選の不当選回数に応じて、ART付与率を段階的に変化させているだけで、遊技者の不利益を補填しようとするものに過ぎず、遊技者の利益を維持、或いは拡大することができないという問題点があった。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
【0005】
すなわち、請求項1に記載の発明は、役抽選とは別に所定の特定抽選を行わせ、当該特定抽選に当選する都度、特定のカウンターに計数し、当該計数値を参酌して維持抽選を行い、維持の場合には有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させるようにすることで、計数値に基づいて遊技者の利益を維持、或いは拡大することができるようしたものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0006】
すなわち、請求項2に記載の発明は、維持抽選の抽選結果が維持でない場合に、モード抽選により遊技形態を決定することができるようしたものである。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
すなわち、請求項3に記載の発明は、計数値と維持確率とを関連付けることができるようしたものである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明と目的を共通にし、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項4に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明と同様に、計数値に基づいて遊技者の利益を維持、或いは拡大することができるようしたものである。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項4に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
すなわち、請求項5に記載の発明は、計数値と維持確率とを関連付けることができるようしたものである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項6に記載の発明は、移行する遊技形態によって、カウンターの減算が異なるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、通常遊技と、当該通常遊技より遊技者に有利な特別遊技があり、それらの遊技間を所定の契機で移行しながら遊技が実行される遊技機(10)であって、当選役を決定する役抽選を実行する役抽選手段(210)と、前記通常遊技において、有利性
が異なった複数の遊技形態(例えば
図8に図示した第1〜第3遊技形態(モードA〜C))を制御する遊技形態制御手段(420)と、所定の特定抽選を実行する特定抽選手段(400)と、前記特定抽選手段(400)による前記特定抽選に当選したときに、カウンターの計数値に
所定の加算値を加算する計数手段(410)と、前記複数の遊技形態の中から移行する前記遊
技形態をモード抽選により決定するモード抽選手段(430)と、前記計数手段(410)により加算された前記計数値に対応して維持確率が設定された維持抽選テーブル(例えば
図10参照)を用い、前記特別遊技の終了後に次回の前記通常遊技に移行する場合において、前回の前記通常遊技を維持するか否かを維持抽選により決定する維持抽選手段(440)と、前記次回の通常遊技に移行する場合に、前記前回の通常遊技で選択された前記遊技形態の前記有利性の高低を判定する遊技形態判定手段(450)と、前記遊技形態判定手段(450)による判定の結果、前記前回の通常遊技の有利性が低いと判定された場合(例えば
図8に図示した第1、第2遊技形態(モードA、B)に該当する場合)に、前記モード抽選手段(430)による前記モード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態において前記次回の通常遊技を実行させ、前記前回の通常遊技の有利性が高いと判定された場合(例えば
図8に図示した第3遊技形態(モードC)に該当する場合)に、前記維持抽選手段(440)による前記維持抽選を実行させ、当該維持抽選の抽選結果が維持の場合には、前記有利な遊技形態のまま前記次回の通常遊技を実行させ、又、維持でない場合には
前記モード抽選手段による前記モード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態に移行させる遊技形態移行手段(460)と、を備える、ことを特徴とする。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、遊技形態移行手段(460)が、維持抽選手段(440)による維持抽選の抽選結果が維持でない場合に、モード抽選手段(430)によるモード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態において次回の通常遊技を実行させる、ことを特徴とする。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、維持抽選テーブルが、例えば
図10に示すように、計数手段(410)による計数値が多いほど、維持確率が高く設定されている、ことを特徴とする。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、通常遊技と、当該通常遊技より遊技者に有利な特別遊技があり、それらの遊技間を所定の契機で移行しながら遊技が実行される遊技機(10)であって、前記通常遊技においては、有利性が異なった複数の遊技形態(例えば
図8に図示した第1〜第3遊技形態(モードA〜C))が存在するとともに、当選役を決定する役抽選とは別に、所定の特定抽選が行われ、当該特定抽選に当選すると特定のカウンターに都度、計数され、前記特別遊技の終了後に次回の前記通常遊技に移行する場合においては、前記前回の通常遊技で選択された前記遊技形態の前記有利性が低い場合(例えば
図8に図示した第1、第2遊技形態(モードA、B)に該当する場合)には、前記複数の遊技形態の中から移行する前記遊技形態をモード抽選で決定し、決定した遊技形態において前記次回の通常遊技を実行させ、前記前回の通常遊技で選択された前記遊技形態の前記有利性が高い場合(例えば
図8に図示した第3遊技形態(モードC)に該当する場合)には、前記カウンターの計数値を参酌して、前記有利な遊技形態を維持するか否かの維持抽選を行い、維持の場合には前記有利な遊技形態のまま前記次回の通常遊技を実行させ、又、維持でない場合には
前記モード抽選手段による前記モード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態に移行させるように設定されていることを特徴とする遊技機(10)である、ことを特徴とする。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項4に記載の発明の特徴点に加え、維持抽選が、当該維持抽選の確率が異なる複数の段階を備え、カウンターの計数値が多いほど、当該維持抽選において維持する確率が高くなるように設定されている、ことを特徴とする。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、維持抽選が行われるたびに、カウンターの計数値が減算され、この減算は移行する遊技形態によって異なるように設定されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、役抽選とは別に所定の特定抽選を行わせ、当該特定抽選に当選する都度、特定のカウンターに計数し、当該計数値を参酌して維持抽選を行い、維持の場合には有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させるようにすることで、計数値に基づいて遊技者の利益を維持、或いは拡大することができる。
【0011】
例えば、請求項1に記載の発明によれば、カウンターの計数値に応じ、有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させることができ、これにより利益を拡大できる機会を遊技者に継続して付与できる。
また、請求項1に記載の発明によれば、遊技者にとって、計数値の高い遊技機はどれか思考するようになり、遊技者に対して新たな遊技機選択の指標を提供できる。
一方、従来、ホールに設置されたデータ表示器を見て、遊技回数が多い割に当たり回数が少ない台は期待が持てずに空台となることが多かったが、請求項1に記載の発明によれば、カウンターを設け、当たりの回数だけではなく、遊技回数と当該カウンターにカウントされた「見えない計数値」を遊技者に意識させ台選択を行わせることができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0012】
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、維持抽選の抽選結果が維持でない場合に、モード抽選により遊技形態を決定することができる。
換言すると、請求項2に記載の発明によれば、前回の通常遊技の有利性が低いと判定された場合に加え、維持抽選の抽選結果が維持でない場合においても、モード抽選手段を併用することできる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0013】
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、計数値と維持確率とを関連付けることができる。
例えば、請求項3に記載の発明によれば、カウンターの計数値が増加するほど、維持確率が高くなることから、長期に通常遊技にとどまり、特別遊技に移行した場合に、有利な遊技形態を維持できる機会が向上しているという期待感を遊技者に抱かせることができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明と目的を共通にし、次のような効果を奏する。
【0014】
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明と同様に、計数値に基づいて遊技者の利益を維持、或いは拡大することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明によれば、上記した請求項4に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項5に記載の発明によれば、計数値と維持確率とを関連付けることができる。
(請求項6)
請求項6に記載の発明によれば、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0015】
すなわち、請求項6に記載の発明によれば、移行する遊技形態によって、カウンターの減算が異なるようにしたものである。
例えば、請求項6に記載の発明によれば、移行する遊技形態が有利な場合に、カウンターの減算を増加させることで、遊技者に公平に利益を分配できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
【0018】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を、図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる演出装置70が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。なお、回転リール62は、通常、遊技進行のために用いられるが、遊技の進行を停止している状態において、通常の回転動作とは異なる挙動による演出(いわゆるリール演出)を示すことにより演出装置70の一種としても使用される。
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0019】
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
【0020】
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
(ストップスイッチ50)
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
(マックスベットスイッチ34)
このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。なお、後述するCBB中には上記3枚投入が2枚投入に設定されている。
【0021】
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けてもよい。
(貯留払出手段24等)
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御手段200の各遊技状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0022】
なお「有効ライン86」は後述の停止図柄判定手段230の判定対象となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64及び中回転リール66の上段と、右回転リール68の中段とを結んだ折れ線状の1本のみからなるものである。
(図柄61)
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤7」、「ボーナス」、「ベル」、「リプレイ」、「チェリー1」、「チェリー2」、「スイカ」、「バー」、「二連上段」、「二連下段」の複数の種々の図柄61が形成されている。
【0023】
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
(制御装置100)
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御手段300とを備えている。
【0024】
ここで、メイン制御手段200の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御手段300の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われ、サブ制御手段300からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御手段300は、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段300の出力側には、演出装置70としてのスピーカー72、表示装置84、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0025】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御手段200及びサブ制御手段300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0026】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われる通常遊技が設けられている。この通常遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が通常遊技よりも高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)状態と、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組合せを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態とが設けられている。なお、RT状態は、メイン制御手段200により制御され、AT状態は、サブ制御手段300により制御される。上記アシストタイム(AT)状態は、通常状態よりも遊技者に利益となる特典を付与する可能性が高い特典遊技となるように形成されている。
【0027】
ここで、RT状態で行われている遊技をリプレイタイム遊技(RT遊技)、AT状態で行われている遊技をアシストタイム遊技(AT遊技)としている。
特典遊技としてのAT遊技は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、特典遊技としてのAT遊技は、役抽選の抽選結果、所定の移行役に当選した場合や、後述する移行抽選手段331により所定の移行抽選に当選した場合に開始可能であり、所定の遊技回数到達により終了可能なものである。なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、他の内容の条件に設定してもよいものである。
【0028】
特典遊技としてのAT遊技は、所定の移行抽選の結果に応じて所定の遊技回数だけ実行可能であるが、この実行可能な遊技回数は、所定の抽選により上乗せ可能に設定されている。この上乗せを決定する際には、特典遊技の遊技回数に上乗せするときの演出、いわゆる上乗せ演出が実行可能であり、この上乗せ演出としては、回転リール62を用いたリール演出と、表示装置84を用いた表示演出との両方が実行可能に形成されている。
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、送信手段260の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0029】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。なお、本実施の形態では、後述するボーナス遊技(CBB)中のみ上記規定数が2に設定されている。
【0030】
本実施の形態では、役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0031】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0032】
本実施の形態に係る遊技機10では、遊技状態として、通常に行われる(一般的な遊技である)通常状態と、この通常状態において役抽選手段210の役抽選によりボーナス(CBB)に当選したにもかかわらず当該ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止しなかった場合に、通常状態から移行するRT1状態(CBB当選中状態)と、このRT1状態(CBB当選中状態)においてボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行し、通常状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得るボーナス状態(CBB状態)が設けられている(
図4参照)。
【0033】
さらに、再遊技役(リプレイ役)の抽選状態として、再遊技役(リプレイ役)の抽選確率が異なる複数の状態が設けられている。遊技状態として、再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が通常遊技状態での遊技よりも高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム状態(RT状態)が設けられている。このRT状態は、メイン基板を有するRT制御手段252により制御される。
ボーナス状態は、移行役としてのボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組合せ(例えば、「青7、青7、BAR」)が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。なお、ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃うまでボーナス移行役に当選した状態が有効である。その他の役は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組合せが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。ボーナス状態は、ボーナス状態中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数を超えたときに終了する。
【0034】
本実施の形態では、ボーナス状態として、主にメイン制御手段200により制御されるチャレンジボーナス状態(CBB状態)が設けられている。チャレンジボーナス状態は、全ての小役を当選状態にすることで小役の入賞を容易にしているものである。なお、チャレンジボーナス状態中は所定の場合にストップスイッチ50の操作時から75ms以内に停止させることになっており、通常状態よりもいわゆる滑りコマ数が少なくなっている。具体的には、本実施の形態に係るチャレンジボーナス状態では、右回転リール68は、右ストップスイッチRを停止操作したときのタイミングで表示位置にある図柄61と、その図柄61の1コマ上の図柄61との2コマの範囲内の中から停止可能な、いわゆる「1コマすべり」の状態となっている。本実施の形態に係るチャレンジボーナス状態は28枚を超える払出枚数で終了する。もちろん、この終了条件は28枚に限定されるものではなく、他の枚数でもよいものである。
【0035】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類として通常状態用、ボーナス状態(CBB状態)用、RT1状態(CBB当選中状態)用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による処理は、後述するステップS11(
図11参照)において行われる。
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順番)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段220による処理は、後述するステップS13(
図11参照)において行われる。
【0036】
リール制御手段220は、後述する上乗せ演出種類決定手段190が上乗せ演出を決定した場合、表示演出の実行の前に当該上乗せ演出のリール演出を実行するものである。
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップS14(
図11参照)において行われる。
(遊技制御手段250)
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
【0037】
具体的には、遊技制御手段250は、
図4に示すように、通常遊技制御手段251、RT制御手段252及びボーナス遊技制御手段253の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
(通常遊技制御手段251)
通常遊技制御手段251は、通常遊技の進行を制御するものである。ここで、通常遊技とは、後述するRT制御手段252によるリプレイタイム(RT)や、ボーナス遊技制御手段253によるCBB以外の遊技状態をいう。なお、通常遊技中における再遊技役の当選確率は、リプレイタイム(RT)遊技中よりも低く設定されている。
(RT制御手段252)
RT制御手段252は、本実施の形態では、リプレイタイム(RT)状態を制御するものである。
(ボーナス遊技制御手段253)
ボーナス遊技制御手段253は、ボーナス遊技、具体的には、CBB状態を制御するものである。
(送信手段260)
送信手段260は、サブ制御手段300へ信号を送信するためのものである。
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、受信手段310、前兆演出制御手段320及びAT制御手段330、特定抽選手段400、計数手段410及び遊技形態制御手段420の各手段を有する。AT制御手段330は、移行抽選手段331を有する。各手段の詳細については後述する。
【0038】
なお、これらの手段はメイン制御手段200に配置してもよいものであり、特に、AT制御手段330の移行抽選手段331は、サブ制御手段300ではなくメイン制御手段200に配置してもよい。また、AT制御手段330それ自体を、サブ制御手段300ではなくメイン制御手段200に配置してもよい。さらに、特定抽選手段400、計数手段410及び遊技形態制御手段420の各手段を、サブ制御手段300に設置したが、これらのいずれか少なくとも1個以上の手段をメイン制御手段200に配置してもよい。
以上の構成をもって、サブ制御手段300は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
(受信手段310)
受信手段310は、送信手段260からの信号を受信するものである。
(前兆演出制御手段320)
前兆演出制御手段320は、
図7に示す各種の前兆演出を制御するものである。なお、前兆演出については、
図7を用いて後述する。
(AT制御手段330)
AT制御手段330は、AT状態の演出状態を制御するものである。具体的には、AT制御手段330は、移行抽選手段331を備えている。
【0039】
移行抽選手段331は、AT状態へ移行するか否かを抽選(移行抽選)で決定するものである。
(特定抽選手段400)
特定抽選手段400は、所定の特定抽選を実行するものである。
(計数手段410)
計数手段410は、特定抽選手段400による特定抽選に当選したときに、カウンターの計数値に所定の加算値を加算するものである。
(遊技形態制御手段420)
遊技形態制御手段420は、通常遊技において、有利性が異なった複数の遊技形態(
図8参照)を制御するものである。
【0040】
遊技形態制御手段420は、
図5に示すように、モード抽選手段430、維持抽選手段440、遊技形態判定手段450、遊技形態移行手段460の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
(モード抽選手段430)
モード抽選手段430は、複数の遊技形態の中から移行する遊技形態をモード抽選により決定するものである。
(維持抽選手段440)
維持抽選手段440は、計数手段410により加算された計数値に対応して維持確率が設定された維持抽選テーブル(
図10参照)を用い、特別遊技の終了後に次回の通常遊技に移行する場合において、前回の通常遊技を維持するか否かを維持抽選により決定するものである。
【0041】
上記維持抽選テーブルは、
図10に示すように、計数手段410による計数値が多いほど、維持確率が高く設定されている。なお、維持抽選テーブルについては、
図10を用いて後述する。
(遊技形態判定手段450)
遊技形態判定手段450は、次回の通常遊技に移行する場合に、前回の通常遊技で選択された遊技形態の有利性の高低を判定するものである。
(遊技形態移行手段460)
遊技形態移行手段460は、遊技形態判定手段450による判定の結果、前回の通常遊技の有利性が低いと判定された場合に、モード抽選手段430によるモード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態において次回の通常遊技を実行させものである。
【0042】
また、遊技形態移行手段460は、遊技形態判定手段450による判定の結果、前回の通常遊技の有利性が高いと判定された場合に、維持抽選手段440による維持抽選を実行させ、当該維持抽選の抽選結果が維持の場合には、有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させ、又、維持でない場合には有利な遊技形態以外の遊技形態に移行させるものである。
さらに、遊技形態移行手段460は、維持抽選手段440による維持抽選の抽選結果が維持でない場合に、モード抽選手段430によるモード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態において次回の通常遊技を実行させるようにしている。
(解除ゲーム数抽選手段461)
遊技形態移行手段460には、
図5に示すように、解除ゲーム数抽選手段461を備える。
【0043】
解除ゲーム数抽選手段461は、決定された遊技形態(モ―ド)による解除ゲーム数を抽選により決定するものである。解除ゲーム数抽選手段461が用いる解除ゲーム数抽選テーブルは、
図8に示すように、遊技形態(モード)毎に設定されている上限ゲーム数となるように、それぞれの解除ゲーム数の抽選値が設定されている。
なお、解除ゲーム数抽選手段461により決定された解除ゲーム数は、上限ゲーム数を超えることはないが、上限ゲーム数より少ない解除ゲーム数が抽選により決定される場合もあり、「上限ゲーム数」は即ちいわゆる「最大天井ゲーム数」を意味する。
【0044】
解除ゲーム数は、特別遊技の終了後、通常遊技や前兆遊技を経て、次回の特別遊技に移行する間のゲーム数をいう。解除ゲーム数に、前兆遊技の前兆ゲーム数を含んでもよいし、含まなくてもよい。解除ゲーム数に、前兆遊技の前兆ゲーム数を含まない場合には、解除ゲーム数を消化した後、数ゲームの前兆遊技を経て次回の特別遊技に移行する。前兆遊技の前兆ゲーム数は、抽選により決定してもよいし、或いは上限ゲーム数以下の予め一定のゲーム数を設定しておいてもよい。また、解除ゲーム数に、前兆遊技の前兆ゲーム数を含む場合には、前兆ゲーム数の分だけ、通常遊技のゲーム数が減る。このときも、前兆遊技の前兆ゲーム数は、抽選により決定してもよいし、或いは上限ゲーム数以下の予め一定のゲーム数を設定しておいてもよい。
(
図6を用いた遊技状態の説明)
図6に示すように、メイン制御手段200における遊技状態は、通常状態と、RT1状態(CBB当選中状態)と、ボーナス状態(CBB状態)とがある。
【0045】
通常状態は、通常遊技制御手段251により制御される通常遊技が行われる遊技状態である。通常状態において役抽選手段210による役抽選によりボーナス(CBB)に当選した場合に、通常状態からRT1状態(CBB当選中状態)に移行する。なお、このRT1状態(CBB当選中状態)では、通常状態よりも再遊技の抽選確率が高いリプレイタイム状態(RT状態)となっている。
なお、本実施の形態において、通常状態中では数ゲーム以内にボーナス(CBB)に当選するように設定されており、遊技状態は、RT1状態(CBB当選中状態)で遊技される割合が大きいように設定されている。
【0046】
このRT1状態(CBB当選中状態)におけるRT状態は、RT制御手段252により制御される再遊技が高確率で当選する遊技状態である。RT状態において、CBBのボーナス移行役の図柄61の組合せ(青7、青7、BAR)が揃った場合に、CBB当選中状態、いわゆるRT状態からボーナス状態(CBB状態)に移行する。このボーナス状態(CBB状態)は、ボーナス遊技制御手段253により制御される。
ボーナス状態(CBB状態)において所定枚数、例えば、28枚の払出がされた場合に、CBB状態から通常状態に移行する。
(
図7を用いた演出状態の説明)
図7に示すように、サブ制御手段300における演出状態は、通常遊技と、特典遊技とがある。
【0047】
通常遊技の演出状態としては、通常状態と、第1、第2前兆状態とがある。
通常状態は、後述する第1、第2前兆状態等の特殊な状態を除いた状態である。
第1前兆状態は、いわゆるゲーム数管理によるものであり、後述する特典遊技への移行時や特典遊技の終了時に、次回の通常遊技に用いるために選択した遊技形態(モ―ド)に応じた解除ゲーム数を抽選により決定し、当該通常ゲーム数を消化すると、図示しないが、数ゲームの前兆遊技に経由して、特典遊技に移行する状態である。
第2前兆状態は、当該第2前兆状態として付与される複数の遊技間において、通常遊技より特典遊技への期待度が高い遊技区間であり、チェリー(強弱や中段チェリー)やスイカ(強弱)、チャンスリプレイ等のいわゆる「レア役」の当選を契機として、移行抽選が行われ、当選を条件として、図示しないが、数ゲーム間の前兆遊技を経由して特典遊技に移行する状態である。第2前兆状態において、移行抽選に当選しない場合には、通常状態へ戻る。
【0048】
また、上記第1前兆状態には、いわゆる「本前兆」と、偽りのいわゆる「ガセ前兆」との2種類があり、「ガセ前兆」の場合には所定ゲーム数を消化した後、通常状態へ戻る。
特典遊技の演出状態としては、第1、第2特典状態がある。
第1特典状態は、アシストタイム遊技(AT遊技)ともいい、当該第1特典状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ47を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。第1特典状態は、その初期G数或いは当該特別遊技状態中に実行された上乗せG数抽選で加算されたG数を消化した後は、通常状態へ戻ったり、或いは後述する第2特典状態を経由して通常状態へ戻る。
【0049】
第2特典状態は、いわゆる疑似ボーナスともいい、ATで疑似的に行うゲーム数やセット数管理の遊技状態をいう。第2特典状態は、所定のゲーム数を消化した後、通常状態へ戻ったり、或いは第1特典状態を経由して通常状態へ戻る。
(
図8を用いた遊技形態の説明)
遊技形態は、
図8に示すように、有利性が異なった複数のものが設定されている。有利性としては、
図8に示すように、遊技形態(モード)毎に通常遊技における上限ゲーム数が設定されている。すなわち、遊技形態(モード)毎に設定されている上限ゲーム数となるように、それぞれの解除ゲーム数の抽選値が設定されている。
【0050】
各遊技形態と上限ゲーム数との関係は、
図8に示すように、次の通り設定されている。
(1)第1遊技形態(「モードA」ともいう。):上限ゲーム数=700ゲーム(以下、「ゲーム数」を「G」という。)
(2)第2遊技形態(「モードB」ともいう。):上限ゲーム数=500G
(3)第3遊技形態(「モードC」ともいう。):上限ゲーム数=99G
なお、遊技形態は、上記した3種類に限定されず、2種類或いは4種類以上としてもよい。また、第1〜第3の遊技形態の上限ゲーム数も、例示した数値に限定されない。
【0051】
第1〜第3の遊技形態を比較すると、第1遊技形態の上限ゲーム数が最も大きな数値に、第3の遊技形態が最も少ない数値に、第2遊技形態は第1遊技形態と第3の遊技形態との間に数値にそれぞれ設定され、各上限ゲーム数となるようにそれぞれ解除ゲーム数の抽選値が設定されている。遊技者に対する有利性から比較すると、第3の遊技形態が最も有利性が高く、第1遊技形態が最も有利性が低く、第2遊技形態は第1遊技形態と第3の遊技形態との中間にそれぞれ設定されている。
(
図9を用いたモード抽選テーブルの説明)
モード抽選テーブルについて、
図9を用いて説明する。
【0052】
モード抽選テーブルは、モード抽選手段430によるモード抽選に用いられるテーブルであり、遊技形態の抽選確率が設定されている。また、各遊技形態に応じて、カウンターの減算値が設定され、有利性の高い遊技形態ほど、減算値を大きく設定し、公平性を担保している。
各遊技形態とカウンターの減算値、並びに抽選確率との関係は、
図9に示すように、次の通り設定されている。
(1)第1遊技形態(モードA):カウンターの減算値=−1、抽選確率=60%
(2)第2遊技形態(モードB):カウンターの減算値=−1、抽選確率=30%
(3)第3遊技形態(モードC):カウンターの減算値=−2、抽選確率=10%
なお、カウンターの減算値や抽選確率は、例示した数値に限定されない。
【0053】
第1〜第3の遊技形態のカウンターの減算値を比較すると、第1、第2遊技形態の減算値が低く、第3の遊技形態の減算値が高く設定されている。第3の遊技形態の減算値が高く設定したのは、第3の遊技形態の有利性が高いためである。なお、第1、第2遊技形態の減算値を等しく設定したが、両者の減算値を異ならせてもよい。例えば、第1遊技形態の減算値を、「−1」、第2遊技形態を「−2」、第3の遊技形態を「−3」のように、全て異ならせてもよい。
また、第1〜第3の遊技形態の抽選確率を比較すると、第1遊技形態が最も高く、第3遊技形態が最も低く、第2遊技形態は第1遊技形態と第3の遊技形態との中間にそれぞれ設定されている。
(
図10を用いた維持抽選テーブルの説明)
維持抽選テーブルについて、
図10を用いた説明する。
【0054】
維持抽選テーブルは、維持抽選手段440による維持抽選に用いるテーブルであり、第3遊技形態(モードC)についてのみ設定されている。維持抽選テーブルは、カウンターの計数値に応じて、抽選確率が設定されている。
カウンターの計数値は、複数に区分けされ、当該区分けされた計数値毎に抽選確率をそれぞれ設定している。なお、
図10には、カウンターの減算値についても、参考までに記入した。
各区分けされたカウンターの計数値と抽選確率との関係は、
図10に示すように、次の通り設定されている。
【0055】
(1)カウンターの計数値=0:抽選確率=10%
(2)カウンターの計数値=1〜5:抽選確率=20%
(3)カウンターの計数値=6〜10:抽選確率=50%
(4)カウンターの計数値=11〜(「11」以上の場合):抽選確率=100%
なお、カウンターの計数値の区分けは、上記した4種類に限定されず、2〜3種類或いは5種類以上としてもよい。また、各区分けされたカウンターの計数値の抽選確率も、例示した数値に限定されない。
【0056】
区分けされたカウンターの計数値と抽選確率との関係を比較すると、計数値が少ないほど、抽選確率が低く設定され、逆に計数値が多いほど、抽選確率が高く設定されている。例えば、計数値が「7」の場合には、50%の抽選確率で維持抽選に当選する。仮に維持抽選に当選すると、カウンターの計数値が「7」から「−2」され、その結果、「5」となる。このため、カウンターの計数値の区分けが、「カウンターの計数値=6〜10」から「カウンターの計数値=1〜5」に移行し、抽選確率が「50%」から「20%」に減少する。このように、維持抽選に当選続けると、抽選確率が段階的に減少するように、維持抽選テーブルを設定している。
(
図11を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図11に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0057】
ステップS10において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(2又は3)に達しているか否かの判定が行われる。
【0058】
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
なお、特典遊技(AT)中は、この役抽選処理の結果に基づいて、上乗せ獲得抽選処理が行われ、上乗せ獲得抽選に当選した場合には、さらに上乗せ演出の種類の抽選処理が行われる等の一連の処理が行われる。
ステップS12において、特定抽選手段400により、特定抽選処理が行われる。特定抽選処の詳細については、
図12を用いて後述する。特定抽選処が終了すると、次のステップS13に進む。
【0059】
ステップS13において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御手段200により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する停止操作順番は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0060】
また、全ての停止操作終了後、メイン制御手段200の送信手段260からサブ制御手段300の受信手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、全ての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS14に進む。
ステップS14において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS15に進む。
【0061】
ステップS15において、払出制御手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
(
図12を用いた特定抽選処理の説明)
図11の特定抽選処理の詳細について、
図12を用いて説明する。
ステップS20において、特定抽選手段400により、特定抽選が実行される。特定抽選が終了すると、次のステップS21に進む。
【0062】
ステップS21において、特定抽選に当選したか否かの判定が行われる。ここで、特定抽選に当選したと判定された場合には、次のステップS22に進む。なお、判定は、計数手段410により行われる。
ステップS22において、計数手段410により、カウンターの計数値に「1」が加算され、当該処理が終了する。
これに対し、先のステップS21において、特定抽選に当選していない場合、すなわち「ハズレ」の場合には、当該処理が終了する。すなわち、「ハズレ」の場合には、カウンターの計数値に「1」が加算されることがない。
(
図13を用いた特別遊技の終了後の処理の説明)
特別遊技の終了後の処理について、
図13を用いて説明する。
【0063】
なお、本実施の形態においては、特別遊技は、
図7において、演出状態が特典遊技に移行した遊技状態をいう。
ステップS30において、前回の遊技形態が「有利」か、すなわち、前回の遊技形態が第3遊技形態(モードC)であったか否かが判定される。ここで、前回の遊技形態が「有利」すなわち、第3遊技形態(モードC)であったと判定された場合には、次のステップS31に進む。なお、判定は、遊技形態制御手段420により行われる。
ステップS31において、維持抽選手段440により、維持抽選が実行される。維持抽選には、
図10を用いて先に説明した維持抽選テーブルが用いられる。すなわち、維持抽選に先だって、カウンターの計数値が参照され、当該計数値に応じて抽選確率が変化する。例えば、カウンターの計数値が「11」以上の場合には、抽選確率が「100%」となり、維持抽選に「100%」の抽選確率で当選する。維持抽選が実行されると、次のステップS32に進む。
【0064】
ステップS32においては、維持抽選に当選したか否かが判定される。ここで、維持抽選に当選、すなわち維持すると決定された場合には、次のステップS33に進む。なお、判定は、遊技形態制御手段420により行われる。
ステップS33において、計数手段410により、カウンターの計数値から「2」が減算され、次のステップS34に進む。
ステップS34において、遊技形態移行手段460により、前回の遊技形態が維持、すなわち第3遊技形態(モードC)が維持され、次のステップS35に進む。
【0065】
ステップS35においては、解除ゲーム数抽選手段461により、第3遊技形態(モードC)による解除ゲーム数の抽選が実行される。すなわち、
図8に示すように、第3遊技形態(モードC)に設定されている上限ゲーム数となるように、解除ゲーム数の抽選値が設定されている解除ゲーム数抽選テーブルを用いて、解除ゲーム数が決定される。
その後、当該処理が終了し、決定された解除ゲーム数を用いて次回の通常遊技が開始される。
一方、先のステップS30において、前回の遊技形態が「有利」でないと判定された場合、すなわち、前回の遊技形態が第1遊技形態(モードA)か、第2遊技形態(モードB)の場合には、分岐して、次のステップS40に進む。
【0066】
ステップS40においては、モード抽選手段430によるモード抽選が実行される。モード抽選には、
図9を用いた説明したモード抽選テーブルが用いられる。すなわち、第1〜第3遊技形態(モードA〜C)のうちから、1つの遊技形態(モード)が決定される。モード抽選が実行されると、次のステップS41に進む。
ステップS41においては、決定された1つの遊技形態(モード)に応じて、カウンターの計数値から「1」又は「2」が減算され、次のステップS42に進む。すなわち、第1遊技形態(モードA)か、第2遊技形態(モードB)かのいずれかに決定された場合には、
図9のモード抽選テーブルのカウンターの減算値を参照し、「1」が減算される。これに対し、第3遊技形態(モードC)に決定された場合には、「2」が減算される。なお、減算は、計数手段410により行われる。減算後、次のステップS42に進む。
【0067】
ステップS42においては、遊技形態移行手段460により、モード抽選により決定された遊技形態(モード)に移行し、次のステップS43に進む。
ステップS43においては、解除ゲーム数抽選手段461により、決定された遊技形態(モード)による解除ゲーム数の抽選が実行される。すなわち、
図8に示すように、遊技形態(モード)毎に設定されている上限ゲーム数となるように、それぞれ解除ゲーム数の抽選値が設定されている解除ゲーム数抽選テーブルを用いて、解除ゲーム数が決定される。
その後、当該処理が終了し、決定された解除ゲーム数を用いて次回の通常遊技が開始される。
【0068】
一方、先のステップS32においては、維持抽選に当選しなかったと判定された場合、すなわち「ハズレ」の場合には、分岐し、先に説明したステップS40に進む。このとき、第1〜第3遊技形態(モードA〜C)のうちから、1つの遊技形態(モード)が決定される。例えば、第1遊技形態(モードA)に決定された場合には、ステップS41を経て、ステップS42において、第3遊技形態(モードC)から第1遊技形態(モードA)に移行する。また、第2遊技形態(モードB)に決定された場合には、第3遊技形態(モードC)から第2遊技形態(モードB)に移行する。さらに、第3遊技形態(モードC)に決定されることもあり、第3遊技形態(モードC)から第3遊技形態(モードC)に移行し、結局は第3遊技形態(モードC)が維持される。ステップS42から次のステップS43に進み、決定された遊技形態(モード)による解除ゲーム数の抽選が実行され、その後、当該処理が終了し、決定された解除ゲーム数を用いて次回の通常遊技が開始される。
(実施の形態の補足的な説明)
上記実施の形態は、以下の技術思想を包含する特徴点を含むものである。
【0069】
(1)第1の特徴点
(1−1)第1の特徴点の構成
第1の特徴点としては、次の構成を備える。
(a)通常遊技と、当該通常遊技より遊技者に有利な特別遊技があり、それらの遊技間を所定の契機で移行しながら遊技が実行される遊技機(10)である。
(b)遊技機(10)には、例えば
図3及び
図5に示すように、次の手段を備える。
(b−1)役抽選手段(210)
役抽選手段(210)は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。
【0070】
(b−2)遊技形態制御手段(420)
遊技形態制御手段(420)は、通常遊技において、有利性が異なった複数の遊技形態を制御するものである。
(b−3)特定抽選手段(400)
特定抽選手段(400)は、所定の特定抽選を実行するものである。
(b−4)計数手段(410)
計数手段(410)は、特定抽選手段(400)による特定抽選に当選したときに、カウンターの計数値に所定の加算値を加算するものである。
【0071】
(b−5)モード抽選手段(430)
モード抽選手段(430)は、複数の遊技形態の中から移行する遊技形態をモード抽選により決定するものである。
(b−6)維持抽選手段(440)
維持抽選手段(440)は、計数手段(410)により加算された計数値に対応して維持確率が設定された維持抽選テーブル(例えば
図10参照)を用い、特別遊技の終了後に次回の通常遊技に移行する場合において、前回の通常遊技を維持するか否かを維持抽選により決定するものである。
【0072】
(b−7)遊技形態判定手段(450)
遊技形態判定手段(450)は、次回の通常遊技に移行する場合に、前回の通常遊技で選択された遊技形態の有利性の高低を判定するものである。
(b−8)遊技形態移行手段(460)
遊技形態移行手段(460)は、遊技形態判定手段(450)による判定の結果、前回の通常遊技の有利性が低いと判定された場合に、モード抽選手段(430)によるモード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態において次回の通常遊技を実行させ、
前回の通常遊技の有利性が高いと判定された場合に、維持抽選手段(440)による維持抽選を実行させ、当該維持抽選の抽選結果が維持の場合には、有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させ、又、維持でない場合には
前記モード抽選手段による前記モード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態に移行させるものである。
【0073】
(1−2)第1の特徴点と実施の形態との対応関係
第1の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで「通常遊技」は、例えば
図7において、演出状態が特典遊技に移行していない遊技状態をいい、「特別遊技」は、特典遊技に移行した遊技状態をいう。特別遊技、すなわち特典遊技に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ(50)を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができるという、「有利さ」をもっている。
【0074】
ここで「遊技形態」は、例えば
図8に例示した、第1〜第3遊技形態(モードA〜C)が相当し、上限ゲーム数を異ならせることで、各遊技形態(モード)の有利性を異ならせている。
ここで「有利性の高低」としては、例えば
図8に例示した上限ゲーム数が少ないほど、有利性が「高い」ものと判定し、最も有利性が「高い」ものとして、上限ゲーム数「99ゲーム」の第3遊技形態(モードC)を例示した。また、上限ゲーム数が多いほど、有利性が「低い」ものと判定し、有利性が「低い」ものとして、上限ゲーム数「700ゲーム」の第1遊技形態(モードA)と、上限ゲーム数「500ゲーム」の第2遊技形態(モードB)を例示した。
【0075】
ここで、「当該モード抽選により決定された遊技形態において前記次回の通常遊技を実行させ、」とは、例えば
図13のステップS43に例示したように、モード抽選後、更に決定された遊技形態(モード)による解除ゲーム数の抽選が実行される。すなわち、
図8に示すように、遊技形態(モード)毎に設定されている上限ゲーム数となるように、それぞれ解除ゲーム数の抽選値が設定されている解除ゲーム数抽選テーブルを用いて、解除ゲーム数が決定され、決定された解除ゲーム数を用いて次回の通常遊技が開始される。
(1−3)第1の特徴点のバリエーション
第1の特徴点は、次のバリエーションを含む。
【0076】
ここで、「特別遊技」として、「特典遊技」(AT)を例示したが、いわゆる「BB」(メイン管理のビッグ・ボーナス)、「RB」(メイン管理のレギュラー・ボーナス)、「RT」(メイン管理のリプレイ・タイム)、「ART」(サブ管理のアシスト・リプレイ・タイム)或いは疑似ボーナス(サブ管理のゲーム数或いはセット数管理のART)でもよい。
ここで、遊技形態制御手段(420)、特定抽選手段(400)、計数手段(410)、モード抽選手段(430)、維持抽選手段(440)、遊技形態判定手段(450)及び遊技形態移行手段(460)を、例えば
図3に示すように、サブ制御手段(300)側に配置したが、これに限定されず、いずれか少なくとも1個以上の手段をメイン制御手段(200)に配置してもよい。
【0077】
ここで、「遊技形態」として、「第1〜第3遊技形態(モードA〜C)」の3種類の遊技形態(モード)を例示したが、2種類或いは4種類以上としても良い。
(1−4)第1の特徴点の作用効果
第1の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第1の特徴点では、役抽選とは別に所定の特定抽選を行わせ、当該特定抽選に当選する都度、特定のカウンターに計数し、当該計数値を参酌して維持抽選を行い、維持の場合には有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させるようにすることで、計数値に基づいて遊技者の利益を維持、或いは拡大することができる。
【0078】
例えば、第1の特徴点では、カウンターの計数値に応じ、有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させることができ、これにより利益を拡大できる機会を遊技者に継続して付与できる。
また、第1の特徴点では、遊技者にとって、計数値の高い遊技機はどれか思考するようになり、遊技者に対して新たな遊技機選択の指標を提供できる。
一方、従来、ホールに設置されたデータ表示器を見て、遊技回数が多い割に当たり回数が少ない台は期待が持てずに空台となることが多かったが、第1の特徴点では、カウンターを設け、当たりの回数だけではなく、遊技回数と当該カウンターにカウントされた「見えない計数値」を遊技者に意識させ台選択を行わせることができる。
【0079】
(2)第2の特徴点
(2−1)第2の特徴点の構成
第2の特徴点としては、前記遊技形態移行手段(460)
が、前記維持抽選手段(440)による前記維持抽選の抽選結果が維持でない場合に、前記モード抽選手段(430)による前記モード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態において前記次回の通常遊技を実行させる、ことを特徴とし、且つ第1の特徴点を備える遊技機(10)である。
(2−2)第2の特徴点と実施の形態との対応関係
第2の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
【0080】
ここで、「前記維持抽選手段(440)による前記維持抽選の抽選結果が維持でない場合に、前記モード抽選手段(430)による前記モード抽選を実行させ、」は、例えば
図13に例示した「ステップS30」から「ステップS40」への流れを意味する。
すなわち、「ステップS30」において、前回の遊技形態が「有利」か、すなわち、前回の遊技形態が第3遊技形態(モードC)であったか否かが判定される。
「ステップS30」における判定の結果、前回の遊技形態が「有利」でないと判定された場合、すなわち、前回の遊技形態が第1遊技形態(モードA)か、第2遊技形態(モードB)の場合には、分岐して、次の「ステップS40」に進む。
【0081】
「ステップS40」においては、モード抽選手段(430)によるモード抽選が実行される。モード抽選には、例えば
図9に例示したモード抽選テーブルが用いられる。すなわち、第1〜第3遊技形態(モードA〜C)のうちから、1つの遊技形態(モード)が決定される。
(2−3)第2の特徴点の作用効果
第2の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第2の特徴点では、維持抽選の抽選結果が維持でない場合に、モード抽選により遊技形態を決定することができる。
【0082】
換言すると、第2の特徴点では、前回の通常遊技の有利性が低いと判定された場合に加え、維持抽選の抽選結果が維持でない場合においても、モード抽選手段を併用することできる。
(3)第3の特徴点
(3−1)第3の特徴点の構成
第3の特徴点としては、前記維持抽選テーブル
が、前記計数手段(410)による計数値が多いほど、前記維持確率が高く設定されている、ことを特徴とし、且つ第1又は第2の特徴点を備える遊技機(10)である。
【0083】
(3−2)第3の特徴点と実施の形態との対応関係
第3の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「維持抽選テーブル」としては、例えば
図10を例示している。本テーブルによれば、「カウンターの計数値」が多いほど、「第3遊技形態(モードC)」が維持される抽選確率を高く設定している。
(3−3)第3の特徴点のバリエーション
第3の特徴点は、次のバリエーションを含む。
【0084】
ここで、「維持抽選テーブル」としては、例えば
図10を例示したが、当該
図10に例示した数値に限定されない。
(3−4)第3の特徴点の作用効果
第3の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第3の特徴点では、計数値と維持確率とを関連付けることができる。
例えば、第3の特徴点では、カウンターの計数値が増加するほど、維持確率が高くなることから、長期に通常遊技にとどまり、特別遊技に移行した場合に、有利な遊技形態を維持できる機会が向上しているという期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0085】
(4)第4の特徴点
(4−1)第4の特徴点の構成
第4の特徴点としては、次の構成を備える。
(a)通常遊技と、当該通常遊技より遊技者に有利な特別遊技があり、それらの遊技間を所定の契機で移行しながら遊技が実行される遊技機(10)である。
(b)通常遊技においては、有利性が異なった複数の遊技形態が存在するとともに、当選役を決定する役抽選とは別に、所定の特定抽選が行われ、当該特定抽選に当選すると特定のカウンターに都度、計数される。
【0086】
(c)特別遊技の終了後に次回の通常遊技に移行する場合においては、前回の通常遊技で選択された遊技形態の有利性が低い場合には、複数の遊技形態の中から移行する遊技形態をモード抽選で決定し、決定した遊技形態において次回の通常遊技を実行させるように設定されている。
(d)前回の通常遊技で選択された遊技形態の有利性が高い場合には、カウンターの計数値を参酌して、有利な遊技形態を維持するか否かの維持抽選を行い、維持の場合には有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させ、又、維持でない場合には
前記モード抽選手段による前記モード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態に移行させるように設定されている。
【0087】
(4−2)第4の特徴点と実施の形態との対応関係
第4の特徴点と実施の形態との対応関係は、先に第1の特徴点で説明した通りである。
(4−3)第4の特徴点のバリエーション
第4の特徴点のバリエーションも、先に第1の特徴点で説明した通りである。
(4−4)第4の特徴点の作用効果
第4の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第4の特徴点では、上記した第1の特徴による作用効果と同様に、計数値に基づいて遊技者の利益を維持、或いは拡大することができる。
【0088】
(5)第5の特徴点
(5−1)第5の特徴点の構成
第5の特徴点としては、前記維持抽選が、当該維持抽選の確率が異なる複数の段階を備え、前記カウンターの前記計数値が多いほど、当該維持抽選において維持する確率が高くなるように設定されていることを特徴とし、且つ第4の特徴点を備える遊技機(10)である。
(5−2)第5の特徴点と実施の形態との対応関係
第5の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
【0089】
ここで、「維持抽選」に用いられるテーブルは、先に第3の特徴点で説明した通りである。
(5−3)第5の特徴点のバリエーション
第5の特徴点のバリエーションも、先に第3の特徴点で説明した通りである。
(5−4)第5の特徴点の作用効果
第5の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第5の特徴点では、計数値と維持確率とを関連付けることができる。
【0090】
(6)第6の特徴点
(6−1)第6の特徴点の構成
第6の特徴点としては、前記維持抽選が行われるたびに、前記カウンターの前記計数値が減算され、この減算は移行する前記遊技形態によって異なるように設定されている
ことを特徴とし、且つ第1〜5のうち、いずれか1つの特徴点を備える遊技機(10)である。
(6−2)第6の特徴点と実施の形態との対応関係
第6の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
【0091】
ここで、「この減算は移行する前記遊技形態によって異なるように設定されている」は、例えば
図9に例示した「カウンターの減算値」の設定の通りである。すなわち、「第1、第2遊技形態(モードA、B)」に移行する場合は、「−1」とし、「第3遊技形態(モードC)」に移行する場合は、「−2」とし、両者の減算値を異ならせている。
(6−3)第6の特徴点のバリエーション
第6の特徴点は、次のバリエーションを含む。
ここで、例えば
図9に例示した「カウンターの減算値」を用いて説明したが、当該
図9に例示した数値に限定されない。
【0092】
(6−4)第6の特徴点の作用効果
第6の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第6の特徴点では、移行する遊技形態によって、カウンターの減算が異なるようにしたものである。
例えば、第6の特徴点では、移行する遊技形態が有利な場合に、カウンターの減算を増加させることで、遊技者に公平に利益を分配できる。
【解決手段】遊技機には、役抽選とは別に、所定の特定抽選を実行する特定抽選手段400、特定抽選手段400による特定抽選に当選したときに、カウンターの計数値に所定の加算値を加算する計数手段410、遊技形態判定手段による判定の結果、前回の通常遊技の有利性が低いと判定された場合に、モード抽選手段によるモード抽選を実行させ、当該モード抽選により決定された遊技形態において次回の通常遊技を実行させ、前回の通常遊技の有利性が高いと判定された場合に、維持抽選手段による維持抽選を実行させ、当該維持抽選の抽選結果が維持の場合には、有利な遊技形態のまま次回の通常遊技を実行させ、又、維持でない場合には有利な遊技形態以外の遊技形態に移行させる遊技形態移行手段を備える。