【課題を解決するための手段】
【0008】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、電力を受電する受電部と、前記受電部で受電した電力が供給される配電部と、前記受電部で受電した電力の前記配電部への供給を接点でON/OFF可能に設けられたリレーと、前記リレーを駆動するリレー駆動回路と、前記リレー駆動回路を制御する制御装置と、を備える電力分配装置である。
【0009】
配電部への電力供給をON/OFF可能なリレーを駆動するリレー駆動回路を設け、さらにリレー駆動回路を制御する制御装置を設けることによって、種々の条件に応じて配電部への電力供給のON/OFFを自動的に制御することが可能になる。
これにより本発明の第1の態様によれば、種々の条件に応じて配電を自動的にON/OFF制御することが可能な電力分配装置を提供することができるという作用効果が得られる。
【0010】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、外部装置と前記制御装置との通信インタフェース機能を有する通信装置をさらに備える、ことを特徴とした電力分配装置である。
このような特徴によれば、本発明の第1の態様による作用効果に加えて、さらに外部装置からの遠隔操作によって配電をON/OFF制御することが可能になる。
【0011】
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第2の態様において、前記配電部が複数設けられており、前記リレー及び前記リレー駆動回路が複数の前記配電部の各々に対応して複数設けられている、ことを特徴とした電力分配装置である。
本発明の第3の態様によれば、複数の配電部が設けられた電力分配装置において、前述した本発明の第2の態様による作用効果を得ることができる。
【0012】
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第3の態様において、前記制御装置は、外部装置から全リレー駆動要求を受信したことを条件として、時間差をもって複数の前記リレーの駆動制御を順次実行する、ことを特徴とした電力分配装置である。
【0013】
外部装置から全リレー駆動要求を受信して配電部に接続された機器への電力供給を開始するときには、電力供給の開始直後に、その機器への突入電流による大きな電力消費が瞬間的に生ずることがある。そのため仮に複数のリレーを同時に駆動して複数の機器への電力供給を同時に開始した場合、極めて大きな電力消費が瞬間的に発生する可能性があり、例えば受電部へ電力を供給する電源装置(商用交流電力を直流電力に変換する電力変換装置等)が過電流保護機能等によって停止してしまう虞が生ずる。
【0014】
本発明の第4の態様においては、外部装置から全リレー駆動要求を受信して配電部に接続された機器への電力供給を開始するときに、時間差をもって複数の前記リレーの駆動制御を順次実行するので、極めて大きな電力消費が瞬間的に発生することを未然に防止することができる。したがって本発明の第4の態様によれば、例えば受電部へ電力を供給する電源装置が過電流保護機能等によって停止してしまう虞を低減させることができる。
【0015】
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、前述した本発明の第1〜第4の態様のいずれかにおいて、前記配電部に流れる電流を検出する電流検出回路をさらに備え、前記制御装置は、前記リレーの駆動制御を実行した後、前記配電部に流れる電流を検出し、検出した電流が一定電流未満である場合には前記リレーの駆動を停止し、検出した電流が一定電流以上である場合には前記リレーの駆動状態を維持する配電制御手段を含む、ことを特徴とした電力分配装置である。
【0016】
例えば情報通信設備で複数の同種のサーバーが稼働している状態において、いずれか一のサーバーの稼働率が低い状態である場合には、他のサーバーに処理を集約してそのサーバーを停止させれば、サーバー機能を維持したまま電力消費を削減することが可能になる。
本発明の第4の態様によれば、配電部から電力を供給している機器の稼働状態を配電部に流れる電流から判定し、稼働していない或いは稼働率が低い機器への電力供給を停止することができるので、その機器が担うべき機能を損なうことなく情報通信設備における消費電力を削減することができる。
【0017】
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、前述した本発明の第5の態様において、前記制御装置は、前記配電制御手段による配電制御を定期的に実行する、ことを特徴とした電力分配装置である。
本発明の第6の態様によれば、機器の稼働状態を定期的に判定して、稼働していない或いは稼働率が低い機器への電力供給を停止するので、情報通信設備における消費電力を継続的に削減することができる。
【0018】
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、前述した本発明の第1〜第6の態様のいずれかにおいて、前記受電部で受電した第1直流電圧の直流電力の電圧を第1直流電圧より低い第2直流電圧に変換する直流電圧変換装置をさらに備え、前記リレーは、前記直流電圧変換装置が出力する第2直流電圧が印加されて駆動され、前記リレー駆動回路は、前記リレーに対する第2直流電圧の印加をON/OFFする、ことを特徴とした電力分配装置である。
【0019】
直流給電システムにおいて配電部からプラグを取り外す際には、リレー駆動回路によりリレーをOFFし、配電部への直流電力の供給を遮断した状態で行うことによって、配電部とプラグとの間に持続的にアークが発生することを未然に防止することができる。そして受電した直流電力の電圧を第1直流電圧より低い第2直流電圧に変換する直流電圧変換装置を設け、その第2直流電圧でリレーを駆動する構成とすることによって、リレーをON/OFFさせるリレー駆動回路で持続的にアークが発生する虞を低減させることができる。
【0020】
これにより本発明の第7の態様によれば、直流給電システムにおいて、プラグを取り外す際に持続的にアークが発生する虞が少ない電力分配装置を提供することができる。
【0021】
<本発明の第8の態様>
本発明の第8の態様は、前述した本発明の第7の態様において、前記リレー駆動回路は、手動操作可能なスイッチを含み、前記スイッチの操作によって前記リレーをON/OFF可能である、ことを特徴とした電力分配装置である。
本発明の第8の態様によれば、配電部からプラグを取り外す際には、スイッチを操作してリレーをOFFした状態で行うことによって、配電部とプラグとの間に持続的にアークが発生することを未然に防止することができる。
【0022】
<本発明の第9の態様>
本発明の第9の態様は、前述した本発明の第7の態様又は第8の態様において、前記リレー駆動回路は、前記リレーが駆動状態であるときに点灯する表示灯を含む、ことを特徴とした電力分配装置である。
配電部に対するプラグの挿抜を行う操作者は、リレーの駆動状態、すなわち直流電力が配電部へ供給されている状態であるか否かを表示灯で視覚的に確実に認識することができる。したがって本発明の第9の態様によれば、直流電力が配電部へ供給されている状態で操作者が誤って配電部からプラグを取り外してしまう虞を低減させることができる。