特許第5725557号(P5725557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5725557コネクタ及びそのコネクタの外部シェルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5725557
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】コネクタ及びそのコネクタの外部シェルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20150507BHJP
   H01R 43/16 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   H01R13/6581
   H01R43/16
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-232087(P2011-232087)
(22)【出願日】2011年10月21日
(65)【公開番号】特開2013-89571(P2013-89571A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2014年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091557
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 修
(72)【発明者】
【氏名】中田 孝二
(72)【発明者】
【氏名】岡 敏広
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06699074(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0171468(US,A1)
【文献】 特開2000−150080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/658 − 13/6599
H01R 43/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内部ハウジングと、
前記複数の内部ハウジングをそれぞれ覆う複数の内部シェルと、
前記内部シェルに覆われた前記複数の内部ハウジングを所定方向へ並べて収容する外部ハウジングと、
前記外部ハウジングを覆う外部シェルとを備えているコネクタにおいて、
前記内部シェルが前記内部ハウジングの前記所定方向の両側の近傍に配置される接触部を有し、
前記外部シェルは、前記外部ハウジングの上面を覆う上面板と、前記外部ハウジングの一対の側面を覆う一対の側面板と、前記外部ハウジングの背面を覆う背面板とを有し、
前記背面板は、前記一対の側面板の少なくとも一方の前記側面板から延ばして形成された第1背面部と、前記上面板から延ばして形成された第2背面部とを有し、
隣接する2つの前記内部シェルのうちの一方の前記内部シェルの前記所定方向の一方の側の前記接触部と他方の前記内部シェルの前記所定方向の他方の側の前記接触部とが、前記外部シェルの前記第1、第2背面部の突合せ端部に一体形成された接続体を挟持することによって、前記隣接する2つの内部シェルと前記外部シェルとが導通する
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記複数の内部シェルのうちの前記所定方向の両端に位置する前記内部シェルの前記接続体を挟持する側の前記接触部とは反対側の前記接触部が、前記外部シェルに接触している
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記接続体は第1接触部と第2接触部とで構成され、
前記第1接触部及び前記第2接触部の一方が前記第1背面部に形成され、前記第1接触部及び前記第2接触部の他方が前記第2背面部に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
1つの平板な金属板を所定の形状に打ち抜いた後、曲げ加工して形成される請求項1又は2のコネクタの外部シェルの製造方法において、
前記打抜き後、前記第1背面部を前記一方の側面板に対して所定の角度に折り曲げ、前記第1背面部が前記一方の側面板に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置する第1背面部曲げ工程と、
前記第1背面部曲げ工程後、前記一方の側面板を前記上面板に対して前記所定の角度に折り曲げ、前記一方の側面板が前記上面板に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置するとともに、前記他方の側面板を前記上面板に対して前記所定の角度に折り曲げ、前記他方の側面板が前記上面板に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置する側面板曲げ工程と、
前記側面板曲げ工程後、前記第2背面部を前記上面板に対して前記所定の角度に折り曲げる第2背面部曲げ工程と
を含むことを特徴とするコネクタの外部シェルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタ及びそのコネクタの外部シェルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つのコネクタソケットとこれらのコネクタソケットを覆う金属カバーとを備える電気コネクタが知られている(下記特許文献1参照)。この電気コネクタを図15図17に基づいて説明する。なお、図15図17はそれぞれ下記特許文献1の図1図2図4に対応する。但し、図中の符号は変更され、一部の符号は削除されている。
【0003】
両コネクタソケット905A,905Bはプリント配線基板903の表面に配列されている。各コネクタソケット905A,905Bはモールドコア905aを有する。モールドコア905aの外面は遮蔽シェル905cで覆われている。両コネクタソケット905A,905Bは金属カバー906で覆われる。金属カバー906を介して、各コネクタソケット905A,905Bの遮蔽シェル905cと、シャーシ等に固定される金属製の取付ブラケット901とが導通する。
【0004】
金属カバー906のアンカー片906dはプリント配線基板903のスロット907に挿入され、接地導体箔にはんだ付けされる。金属カバー906の頂部906eには折曲げ部908が曲げ成形されている(図17参照)。折曲げ部908には、ブラケット側ばね片909、ソケット側ばね片910A,910Bが切り起し成形されている。折曲げ部908を介して、取付ブラケット901と金属カバー906とが導通し、コネクタソケット905A,905Bの遮蔽シェル905cと金属カバー906とが導通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−329595号公報(段落0010、0011、0012、図1図2図4等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の電気コネクタでは、コネクタソケット905A,905Bと金属カバー906とは互いに独立した部品であり、それぞれ個別に製造され、それぞれプリント配線基板903に対して個別に取り付けられる。したがって、それらの3つの部品(コネクタソケット905A,905B、金属カバー906)の製造誤差や取付誤差が遮蔽シェル905cと折曲げ部908との接触状態に大きな影響を与え、接触安定性を悪くしてシールド性を不十分にする一因になり得る。また、プリント配線基板903に対して上記3つの部品を個別に取り付ける作業は煩雑である。
【0007】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、基板に対する取付が容易であるとともに、内部シェルと外部シェルの接続体との接触安定性が高く、シールド性に優れたコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため請求項1記載の発明は、複数の内部ハウジングと、前記複数の内部ハウジングをそれぞれ覆う複数の内部シェルと、前記内部シェルに覆われた前記複数の内部ハウジングを所定方向へ並べて収容する外部ハウジングと、前記外部ハウジングを覆う外部シェルとを備えているコネクタにおいて、前記内部シェルが前記内部ハウジングの前記所定方向の両側の近傍に配置される接触部を有し、前記外部シェルは、前記外部ハウジングの上面を覆う上面板と、前記外部ハウジングの一対の側面を覆う一対の側面板と、前記外部ハウジングの背面を覆う背面板とを有し、前記背面板は、前記一対の側面板の少なくとも一方の前記側面板から延ばして形成された第1背面部と、前記上面板から延ばして形成された第2背面部とを有し、隣接する2つの前記内部シェルのうちの一方の前記内部シェルの前記所定方向の一方の側の前記接触部と他方の前記内部シェルの前記所定方向の他方の側の前記接触部とが、前記外部シェルの前記第1、第2背面部の突合せ端部に一体形成された接続体を挟持することによって、前記隣接する2つの内部シェルと前記外部シェルとが導通することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタにおいて、前記複数の内部シェルのうちの前記所定方向の両端に位置する前記内部シェルの前記接続体を挟持する側の前記接触部とは反対側の前記接触部が、前記外部シェルに接触していることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコネクタにおいて、前記接続体は第1接触部と第2接触部とで構成され、前記第1接触部及び前記第2接触部の一方が前記第1背面部に形成され、前記第1接触部及び前記第2接触部の他方が前記第2背面部に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明のコネクタの外部シェルの製造方法は、1つの平板な金属板を所定の形状に打ち抜いた後、曲げ加工して形成される請求項1又は2のコネクタの外部シェルの製造方法において、前記打抜き後、前記第1背面部を前記一方の側面板に対して所定の角度に折り曲げ、前記第1背面部が前記一方の側面板に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置する第1背面部曲げ工程と、前記第1背面部曲げ工程後、前記一方の側面板を前記上面板に対して前記所定の角度に折り曲げ、前記一方の側面板が前記上面板に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置するとともに、前記他方の側面板を前記上面板に対して前記所定の角度に折り曲げ、前記他方の側面板が前記上面板に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置する側面板曲げ工程と、前記側面板曲げ工程後、前記第2背面部を前記上面板に対して前記所定の角度に折り曲げる第2背面部曲げ工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、基板に対する取付が容易であるとともに、内部シェルと外部シェルの接続体との接触安定性が高く、シールド性に優れたコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1はこの発明の第1実施形態のコネクタの外部ハウジングから外部シェルを外した状態を示す斜視図である。
図2図2図1に示すコネクタを後方から見た状態を示す斜視図である。
図3図3図1に示すコネクタの内部シェルと外部シェルと接続体との接触状態を示す概念図である。
図4図4図1に示すコネクタの外部シェルを斜め下方から見たときの斜視図である。
図5図5図4に示す外部シェルの打抜き時の状態を示す概念図である。
図6図6図4に示す外部シェルの第1背面部の曲げ加工時の状態を示す概念図である。
図7図7図4に示す外部シェルの側面板の曲げ加工直後の状態を斜め上方から見た概念図である。
図8図8図4に示す外部シェルの側面板の曲げ加工直後の状態を後方から見た概念図である。
図9図9図4に示す外部シェルの側面板の曲げ工程の終了時の状態を斜め上方から見た概念図である。
図10図10図4に示す外部シェルの側面板の曲げ工程の終了時の状態を後方から見た概念図である。
図11図11図4に示す外部シェルの第2背面部の曲げ加工直後の状態を斜め上方から見た概念図である。
図12図12図11のXII−XII線に沿う断面を示す概念図である。
図13図13図4に示す外部シェルの第2背面部の曲げ工程の終了時の状態を斜め上方から見た概念図である。
図14図14図13のXIV−XIV線に沿う断面を示す概念図である。
図15図15は従来の電気コネクタの分解斜視図である。
図16図16図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。
図17図17図15に示す電気コネクタの水平方向に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
この発明の第1実施形態のコネクタを図1図14に基づいて説明する。なお、図12図14はいずれも断面を示す概念図であるが、ハッチングを省略する。
【0016】
図1図2図3に示すように、コネクタ10は、複数のコンタクト20と2つの内部ハウジング30と2つの内部シェル40と1つの外部ハウジング50と1つの外部シェル60と1つの接続体70とを備える。コネクタ10はプリント基板(図示せず)に実装される。
【0017】
コンタクト20はほぼL字状に形成されている。コンタクト20は接触部20aと接続部20bと連結部20cとを有する。接触部20aは内部ハウジング30の内面に配置され、コネクタ10の嵌合方向DFへ延びている。接続部20bは内部ハウジング30の背面に配置され、コネクタ10の高さ方向DHへ延び、プリント基板のスルーホール(図示せず)に挿入され、半田付けされる。連結部20cは接触部20aと接続部20bとを連結する。連結部20cの一部分(図示せず)は嵌合方向DFへ延び、内部ハウジング30の背面を貫通し、連結部20cの他の部分は内部ハウジング30の背面に配置され、高さ方向DHへ延びる。
【0018】
内部ハウジング30はほぼ角筒状であり、2つのコンタクト20を保持している。
【0019】
内部シェル40は内部ハウジング30の外周面を覆う。なお、図3中には外部ハウジング50が図示省略されている。内部シェル40は1つの金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。内部シェル40はシェル本体41と一対の連結部46,46と一対の接触部47,47と接続部48とを有する。
【0020】
シェル本体41はほぼ角筒状であり、一対の側面部42,42と上面部44と下面部45とを有する。
【0021】
連結部46はほぼ板状であり、側面部42に対してほぼ直角に折れ曲がって側方へ延びている。連結部46は接触部47と側面部42とを連結する。
【0022】
接触部47はほぼ板状であり、高さ方向DHへ延びており、本体47aと第1接点47bと第2接点47cとを有する。本体47aは側面部42に対向する。本体47aの板厚方向と側面部42の板厚方向とはほぼ一致する。第1接点47bは本体47aの上部に連なる。第2接点47cは本体47aの下部に連なる。第2接点47cの下端が側面部42から離れるように、第2接点47cは傾斜している。
【0023】
接続部48はほぼ板状であり、下面部45(図3参照)に連なる。接続部48は下面部45に対してほぼ直角に折れ曲がって下方へ延びている。接続部48はプリント基板のスルーホール(図示せず)に挿入され、半田付けされる。スルーホールはプリント基板のグランド(図示せず)に接続されている。
【0024】
外部ハウジング50はほぼ箱形であり、一対の側面部51,51と上面部53と下面部54と背面部55とを有する。なお、図1において、外部ハウジング50の上面部53のある側が外部ハウジング50の上、外部ハウジング50の下面部54のある側が外部ハウジング50の下、外部ハウジング50の背面部55のある側が外部ハウジング50の後、外部ハウジング50の受容空間57が見える側が外部ハウジング50の前である。
【0025】
両側面部51の一部は削られ、段差面52が形成されている。側面部51と段差面52とは幅方向(所定方向)DWでずれている。側面部51と段差面52との境界部には高さ方向DHへ深さを有する溝部50cが形成されている。溝部50cには外部シェル60の側面板61の下部が挿入される。
【0026】
背面部55にはコネクタ10の幅方向DWに沿って2つの内部シェル挿入部55aが形成されている。内部シェル挿入部55aは後述する受容空間57に通じる。内部シェル挿入部55aには内部シェル40に覆われた内部ハウジング30が挿入され、内部ハウジング30が外部ハウジング50に固定される。また、背面部55には、外部ハウジング50の上方と下方と後方とに開口する収容部55cが形成されている。収容部55cは内部シェル挿入部55a間に位置する。背面部55の幅方向DWの両端部には、外部ハウジング50の上方と後方と側方とに開口する収容部55dが形成されている。
【0027】
外部ハウジング50は、図示しない相手側コネクタを受け容れる受容空間57を有する。
【0028】
外部ハウジング50の下面部54には溝部50cに通じる孔(図示せず)が形成されている。この孔には外部シェル60の第1接続部65が通される。
【0029】
図4に示すように、外部シェル60は一対の側面板61,61と上面板63と背面板64とを有する。外部シェル60は1つの金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。
【0030】
側面板61の下部には第1接続部65が連なる。第1接続部65は側面板61の下端部から下方へ向かって延びている。第1接続部65はプリント基板のスルーホールに挿入され、半田付けされる。スルーホールはプリント基板のグランドに接続されている。
【0031】
上面板63は一対の側面板61,61を連結する。
【0032】
背面板64は第1背面部64aと第2背面部64bとで構成されている。第1背面部64aの一方の側端部は一方の側面板61に連なり、第1背面部64aは側面板61に対してほぼ直角に折り曲げられている。第2背面部64bの上端部は上面板63に連なり、第2背面部64bは上面板63に対してほぼ直角に折り曲げられている。
【0033】
接続体70は第1接触部71と第2接触部72とで構成される。第1接触部71は第1背面部64aの他方の側端部(第1背面部64aの突合せ端部)に連なる。第1背面部64aの他方の側端部は第2背面部64b側の端部である。第1接触部71はほぼU字形に折り曲げられている。第2接触部72は第2背面部64bの一方の側端部(第2背面部64bの突合せ端部)に連なる。第2背面部64bの一方の側端部は第1背面部64a側の端部である。第2接触部72はU字形に折り曲げられている。第1接触部71と第2接触部72とは高さ方向DHでずれており、第1接触部71は第2接触部72の上に位置する。第1接触部71と第2接触部72とは、第1背面部64aと第2背面部64bとに対してそれぞれほぼ直角に折り曲げられ、外部シェル60の内方(前方)へ突出している。第2接触部72の幅方向DWの幅は第1接触部71の幅方向DWの幅よりも狭い(図3参照)。
【0034】
外部ハウジング50の上方から外部シェル60を外部ハウジング50に装着したとき、接続体70の第1接触部71及び第2接触部72は、収容部55cに挿入された2つの接触部47間に入る。このとき、第2接触部72の幅方向DWの幅は第1接触部71の幅方向DWの幅よりも狭いので、第2接触部72は隣接する2つの接触部47の第1接点47b間をそれらに接触することなく通過する。第1接触部71及び第2接触部72が隣接する2つの接触部47間に入ると、第1接触部71は2つの内部シェル40,40のうちの一方の内部シェル40の幅方向DWの一方の側の接触部47の第1接点47bと他方の内部シェル40の幅方向DWの他方の側の接触部47の第1接点47bとによって挟まれ、第2接触部72は一方の内部シェル40の幅方向DWの一方の側の接触部47の第2接点47cと他方の内部シェル40の幅方向DWの他方の側の接触部47の第2接点47cとによって挟まれる。その結果、2つの内部シェル40と外部シェル60とが接続体70を介して導通する。
【0035】
また、2つの内部シェル40の接続体70を挟持する側の接触部47とは反対側の接触部47が、外部シェル60に接触している。その結果、2つの内部シェル40と外部シェル60とが直接導通する。
【0036】
第1、第2背面部64a,64bの下端部にはそれぞれ下方へ向かって延びる第2接続部67が連なる。第2接続部67はプリント基板のスルーホールに挿入され、半田付けされる。
【0037】
次に、外部シェル60の製造方法を図5図14に基づいて説明する。図5図14はいずれも外部シェル60の製造方法を説明するための概念図であり、第1接続部65、第2接続部67や接続体70等の図示を省略した。
【0038】
まず、図5に示すように、1つの平板な金属板を、外部シェル60を展開したときの形状(所定の形状)に打ち抜く。打抜き直後の外部シェル60では、一方の側面板61、上面板63、他方の側面板61の順に、それらがX方向へ連なり、X方向と直交するY方向へ第1背面部64aが一方の側面板61に連なり、Y方向へ第2背面部64bが上面板63に連なる。第1背面部64aと第2背面部64bとはX方向で所定距離(図2の第1背面部64aの幅方向DWの寸法とほぼ同じか若干長い距離)だけ離れている。
【0039】
打抜き後、図6に示すように、板材を直角に曲げ加工する場合にはスプリングバックがあるため、第1背面部64aを一方の側面板61に対してスプリングバック量を考慮してほぼ85度(所定の角度)に折り曲げ、第1背面部64aが一方の側面板61に対してスプリングバックによってほぼ直角の位置に復帰するまで放置する(第1背面部曲げ工程)。なお、後述する側面板曲げ工程、第2背面部曲げ工程においても、スプリングバック量を考慮した曲げ加工(いわゆるオーバーベンド)を行う。
【0040】
第1背面部曲げ工程後、図7図8図9図10に示すように、一方の側面板61を上面板63に対してほぼ85度(所定の角度)に折り曲げ、一方の側面板61が上面板63に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置するとともに、他方の側面板61を上面板63に対してほぼ85度(所定の角度)に折り曲げ、他方の側面板61が上面板63に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置する(側面板曲げ工程)。
【0041】
側面板曲げ工程後、図11図12図13図14に示すように、第2背面部64bを上面板63に対してほぼ85度(所定の角度)に折り曲げ、第2背面部64bが上面板63に対してほぼ直角の位置に復帰するまで放置する(第2背面部曲げ工程)。上述の第1背面部64a、両方の側面板61、第2背面部64bの曲げ加工は図示しないプレス機で行われ、加工方向はすべてZ方向である。
【0042】
以上の工程により、外部シェル60が完成する。この製造方法では、側面板61から延ばして形成された第1背面部64aを折り曲げ、その後上面板63から延ばして形成された第2背面部64bを折り曲げる。したがって、カム機構を備えた複雑な金型設備を用いなくとも、折曲げ加工時の第1背面部64aと第2背面部64bとの干渉を回避でき、高いシールド性を持つ外部シェル60の製造が可能になる。
【0043】
次に、コネクタ10の組立手順の一例を説明する。まず、内部ハウジング30にコンタクト20を組み付け、内部ハウジング30の外周面に内部シェル40を固定する(図2図3参照)。その後、コンタクト20及び内部シェル40を組み付けた内部ハウジング30を外部ハウジング50の内部シェル挿入部55aに外部ハウジング50の後方から挿入し、内部ハウジング30を外部ハウジング50に保持させる(図2参照)。
【0044】
外部ハウジング50の幅方向DWの左端に位置する内部シェル挿入部55aに挿入された内部シェル40(図2において左端に位置する内部シェル40)の右側の接触部47は収容部55cに、左側の接触部47は左側の収容部55dにそれぞれ挿入される。
【0045】
外部ハウジング50の幅方向DWの右端に位置する内部シェル挿入部55aに挿入された内部シェル40(図2において右端に位置する内部シェル40)の左側の接触部47は収容部55cに、右側の接触部47は右側の収容部55dにそれぞれ挿入される。
【0046】
最後に、外部シェル60を外部ハウジング50に被せる。このとき、接続体70を収容部55cの上方から、幅方向DWで隣接する2つの接触部47間に挿入する。このとき、第2接触部72の幅方向DWの幅は第1接触部71の幅方向DWの幅よりも狭いので、第2接触部72は隣接する接触部47の第1接点47b間をそれらに接触することなく通過し得る。
【0047】
また、外部シェル60の両側面板61,61は、それぞれ側面部51と段差面52との間の溝部50cに挿入される。また、外部シェル60の第1接続部65,65が外部ハウジング50の下面部54に形成された孔に挿入されて外部ハウジング50の下面から下方へ突出する。
【0048】
2つの内部シェル40,40のうちの一方の内部シェル40の幅方向DWの一方の側の接触部47と他方の内部シェル40の幅方向DWの他方の側の接触部47とが、外部シェル60に一体に形成された接続体70を挟持するので、2つの内部シェル40と外部シェル60とが接続体70を介して導通する。
【0049】
また、2つの内部シェル40,40のうちの一方の内部シェル40の幅方向DWの他方の側の接触部47(接続体70を挟持する側の接触部とは反対側の接触部)と他方の内部シェル40の幅方向DWの一方の側の接触部47(接続体70を挟持する側の接触部とは反対側の接触部)とが、外部シェル60に接触するので、2つの内部シェル40と外部シェル60とが導通する。
【0050】
コネクタ10をプリント基板に実装するには、コンタクト20の接続部20b、内部シェル40の接続部48、外部シェル60の第1、第2接続部65,67を、それぞれプリント基板の所定のスルーホールに挿入し、リフロー半田付け等によって半田付けすればよい。内部シェル40の接続部48、外部シェル60の第1、第2接続部65,67がそれぞれ挿入されるスルーホールはグランドに接続されている。
【0051】
この実施形態によれば、上述のように内部シェル40に覆われた内部ハウジング30が外部ハウジング50に収容され、その外部ハウジング50を外部シェル60が覆っているので、コネクタ10を構成する部品をそれぞれ個別にプリント基板に実装する必要がなくなり、コネクタ10を構成する部品を一体的に組み付けた状態でプリント基板に実装することができる。したがって、接続体70と内部シェル40との接触安定性が良く、高いシールド性が得られる。また、外部シェル60の背面板64を、側面板61から延ばして形成された第1背面部64aと、上面板63から延ばして形成された第2背面部64bとで構成したので、複雑な金型設備を用いなくとも、高いシールド性を持つ外部シェル60を製造することができる。
【0052】
また、上述のように各内部シェル40の接触部47,47は直接又は接続体70を介して間接に外部シェル60に電気的に接続されるので、接地箇所が多く、高いシールド性が得られる。したがって、実施形態のコネクタ10は高速伝送用シールドコネクタとして好適である。
【0053】
更に、内部シェル40の接続部48及び外部シェル60の第1、第2接続部65,67が、それぞれプリント基板のグランドに電気的に接続されるので、接地箇所が多くなり、シールド性が高くなる。
【0054】
また、接続体70が第1接触部71と第2接触部72とを有し、多点で内部シェル40の接触部47と接触するので、シールド性が高くなる。更に、2つの内部シェル40間で電位差が殆ど無く、電位差によって生じる内部シェル40のアンテナ作用によるノイズの発生を抑制することができる。
【0055】
更に、接続体70の第2接触部72の幅方向DWの幅が第1接触部71の幅方向DWの幅よりも狭く、接続体70を隣接する2つの接触部47間にスムースに挿入することができるので、コネクタ10を容易に組み立てることができる。
【0056】
なお、上述の実施形態では、外部シェル60の背面板64を、側面板61から延ばして形成された第1背面部64aと、上面板63から延ばして形成された第2背面部64bとで構成したが、図示しない別の実施形態として、外部シェルの背面板を、一方の側面板から延ばして形成された第1背面部と、上面板から延ばして形成された第2背面部と、他方の側面板から延ばして形成された第3背面部とで構成してもよい。外部シェルの背面板をこのように構成しても、外部シェルの製造コストを高くせずに、高いシールド性を持つ外部シェルを製造することができる。
【0057】
また、上述の実施形態では、外部シェル60の製造方法において、第1背面部64a、一方の側面板61、他方の側面板61、第2背面部64bを、一方の側面板61、上面板63、上面板63、上面板63に対して、それぞれほぼ85度に折り曲げたが、折曲げ角度はほぼ85度に限定されない。すなわち、折曲げ角度は金属板の厚さ、材料等によって変わり、またスプリングバック量の多少によっても変わるので、折曲げ角度は85度から数度増減することになる。
【0058】
なお、上述の実施形態では、第1背面部64aに第1接触部71を形成し、第2背面部64bに第2接触部72を形成したが、これと反対に、第1背面部64aに第2接触部72を形成し、第2背面部64bに第1接触部71を形成してもよい。更に、別の実施態様として、第1背面部64aに第1接触部71と第2接触部72とを形成し、第2背面部64bにはそれらの接触部71,72のいずれも形成しないようにしてもよいし、これと反対に、第2背面部64bに第1接触部71と第2接触部72とを形成し、第1背面部64aにはそれらの接触部71,72のいずれも形成しないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10:コネクタ
20:コンタクト、20a:接触部、20b:接続部、20c:連結部
30:内部ハウジング
40:内部シェル
41:シェル本体
42:側面部
44:上面部
45:下面部
46:連結部
47:接触部、47a:本体、47b:第1接点、47c:第2接点
48:接続部
50:外部ハウジング、50c:溝部
51:側面部
52:段差面
53:上面部
54:下面部
55:背面部、55a:内部シェル挿入部、55c:収容部、55d:収容部
57:受容空間
60:外部シェル
61:側面板
63:上面板
64:背面板、64a:第1背面部、64b:第2背面部
65:第1接続部
67:第2接続部
70:接続体
71:第1接触部
72:第2接触部
DW:幅方向(所定方向)
DH:高さ方向
DF:嵌合方向
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