(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体管内に搬入可能な円筒状本体の外周面の軸芯方向両側部に、前記流体管の継手部に対して軸芯方向の両側方に偏位した管内周面との間をそれぞれ止水する状態にまで拡径操作可能な一対の環状止水バッグを備えるとともに、前記円筒状本体の軸芯方向両端部に、前記円筒状本体を前記流体管内の管軸方向に沿って走行可能とする一対の車輪を備えた水圧試験機を、前記流体管の管内周面と同径又は略同径に形成された内周面上に載置する円弧状載置部を備え、前記円弧状載置部を、前記管軸方向で前記円弧状載置部の端面と前記流体管の走行対象の管内周面の端面とが近接して対向した状態で配置し、前記円弧状載置部の内周面上に載置された前記円筒状本体を前記流体管の走行対象の管内周面に走行状態で搬入可能に構成してある水圧試験機の管内搬入案内装置。
前記円弧状載置部の一端側には当該円弧状載置部の内周面と同径の内周面を備えた円環状の円環状部を備え、前記円環状部に、前記流体管の端部に嵌合可能な円環状嵌合部を備え、前記水圧試験機は、前記円弧状載置部に載置された前記円筒状本体が前記流体管内の管軸方向に沿って走行することを阻止する走行阻止部を備え、前記走行阻止部が、前記一対の環状止水バッグのうちの前記円環状部の内周面に対向する環状止水バッグを拡径して、当該内周面との間を密着固定するように構成されている請求項1に記載の水圧試験機の管内搬入案内装置。
前記円弧状載置部の外周面には、前記円筒状本体が前記円弧状載置部の内周面上に載置された状態での前記軸芯方向における重心に対応する位置に、一対の吊上げ用フックが突出形成されてなる請求項1〜4の何れか一項に記載の水圧試験機の管内搬入案内装置。
前記円弧状載置部を支持する支持基台と、前記支持基台に対して前記円弧状載置部の高さ位置を調整する高さ調整部とを備えた請求項1に記載の水圧試験機の管内搬入案内装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、流体管の継手部における漏水の有無を検査する水圧試験を行うためには、水圧試験機を流体管の開口管部を介して流体管内に搬入する必要がある。このような搬入作業は、従来、作業員自身が人力で水圧試験機を持上げたり、或いは水圧試験機をクレーンで吊上げながら、流体管の管軸と水圧試験機の円筒状本体の軸芯とを目視で一致させ、水圧試験機を流体管内に搬入することとしていた。なお、水圧試験の終了後、流体管内から水圧試験機を搬出する搬出作業も、基本的には、搬入作業を逆の手順で実行したものとなる。
【0006】
しかしながら、重量物である水圧試験機の搬入作業・搬出作業は、非常に手間が掛かるとともに、流体管が作業用地面よりも比較的上方に離間配設されている場合には、非常に危険な作業となる虞があり、工期の長期化及びコストの高騰化を招く虞がある。
【0007】
すなわち、水圧試験機では、円筒状本体に配設される環状止水バッグは少ない拡径代で管内周面との間を確実且つ容易に密封できることが望まれており、円筒状本体の外周面は流体管の管内周面よりも少しだけ小径に形成されている。
そのため、水圧試験機を開口管部を介して流体管内に搬入或いは流体管内から搬出する際、円筒状本体の軸芯方向両端部において径方向外方に突出配置された一対の車輪等の突出部が、流体管の開口管部の端面に引っ掛かり易く、特に、作業員による持ち上げやクレーンでの吊上げの状態によっては、水圧試験機が円筒状本体の軸芯方向で少なからず傾斜する場合があり、当該円筒状本体が軸芯方向で長尺に構成されていることから、円筒状本体の軸芯と流体管の管軸との軸合わせが困難となり、上記車輪等の突出部と流体管の開口管部の端面とが、より引っ掛かり易い。これら場合、その都度、作業者が水圧試験機の位置を修正する必要があり、搬入作業・搬出作業に非常に手間が掛かる。
【0008】
例えば、流体管の開口管部は、流体管の管内周面よりも拡径した大径管内周面を備えた受口管部の場合と、流体管の管内周面と同径の挿口管部の場合とがあるが、受口管部の大径管内周面には、受口管部に内嵌される挿口管部の外周面との間を密封する密封シール材等を配設するための環状溝等の凹凸部が形成されており、水圧試験機を流体管内に挿入する際、当該凹凸部に上記車輪等の突出部が引っ掛かり、挿入作業に手間取り易くなる場合がある。
【0009】
本発明は、上述の実情に鑑みて為されたものであり、その主たる課題は、水圧試験機を流体管内に搬入或いは流体管内から搬出する際、より簡便、迅速且つ安全に搬入・搬出できる水圧試験機の管内搬入案内装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による水圧試験機の管内搬入案内装置の第1特徴構成は、流体管内に搬入可能な円筒状本体の外周面の軸芯方向両側部に、前記流体管の継手部に対して軸芯方向の両側方に偏位した管内周面との間をそれぞれ止水する状態にまで拡径操作可能な一対の環状止水バッグを備えるとともに、前記円筒状本体の軸芯方向両端部に、前記円筒状本体を前記流体管内の管軸方向に沿って走行可能とする一対の車輪を備えた水圧試験機を、前記流体管の管内周面と同径又は略同径に形成された内周面上に載置する円弧状載置部を備え、前記円弧状載置部を、前記管軸方向で前記円弧状載置部の端面と前記流体管の走行対象の管内周面の端面とが近接して対向した状態で配置し、前記円弧状載置部の内周面上に載置された前記円筒状本体を前記流体管の走行対象の管内周面に走行状態で搬入可能に構成してある点にある。
【0011】
上記構成によれば、水圧試験機の管内搬入案内装置が、流体管の管内周面と同径又は略同径に形成された内周面上に水圧試験機を載置する円弧状載置部を備えて構成されるので、円弧状載置部を、管軸方向で円弧状載置部の端面と流体管の走行対象の管内周面の端面とが近接して対向した状態で配置することで、円弧状載置部の内周面上に載置された円筒状本体を、当該内周面から流体管の走行対象の管内周面に略段差の無い走行状態で円滑に搬入することができる。従って、円弧状載置部の内周面上に載置されている水圧試験機の円筒状本体を、円弧状載置部の内周面上から走行対象の管内周面に連続的に走行させることができるので、車輪等の突出部が流体管の端部に接触し引っ掛かってしまうことがなく、水圧試験機を流体管内に迅速且つ安全に搬入案内することができる。また、同様に、流体管内に搬入された水圧試験機を、走行対象の管内周面から円弧状載置部の内周面上へ迅速且つ安全に搬出することもできる。
さらに、管内搬入案内装置は、少なくとも水圧試験機を載置可能な円弧状載置部を流体管の管内周面と同径又は略同径に形成するだけで、簡便に形成することができるので、製造コスト及び作業コストの増大も抑制することができる。
よって、水圧試験機を流体管内に搬入或いは流体管内から搬出する際、より簡便、迅速且つ安全に搬入・搬出できる水圧試験機の管内搬入案内装置を提供することができた。
【0012】
本発明による水圧試験機の管内搬入案内装置の第2特徴構成は、前記円弧状載置部の一端側には当該円弧状載置部の内周面と同径の内周面を備えた円環状の円環状部を備え、前記円環状部に、前記流体管の端部に嵌合可能な円環状嵌合部を備え、
前記水圧試験機は、前記円弧状載置部に載置された前記円筒状本体が前記流体管内の管軸方向に沿って走行することを阻止する走行阻止部を備え、前記走行阻止部が、前記一対の環状止水バッグのうちの前記円環状部の内周面に対向する環状止水バッグを拡径して、当該内周面との間を密着固定するように構成されている点にある。
【0013】
上記構成によれば、円弧状載置部の一端側には当該円弧状載置部の内周面と同径の内周面を備えた円環状の円環状部を備えているので、基本的に、円弧状載置部に載置された円筒状本体は、円環状部の内周面上も段差の無い状態で走行することができるが、円筒状本体を流体管内の管軸方向に沿って走行することを阻止する走行阻止部が、一対の環状止水バッグのうちの円環状部の内周面に対向する環状止水バッグを拡径して、当該内周面との間を密着固定するように構成されている。このため、円筒状本体を円弧状載置部及び円環状部に亘ってそれらの内周面上に載置した状態で、例えば、円弧状載置部をクレーンで吊上げる等の方法により、管軸方向で円弧状載置部の端面と流体管の走行対象の管内周面の端面とが近接して対向した状態で配置する際に、当該円弧状載置部の軸芯が水平方向に対して傾斜したとしても、予め走行阻止部である環状止水バッグを円環状部の内周面に対して周方向の全周に亘って拡径して密着固定させておくことにより、水圧試験のために装備されている環状止水バッグを利用して、円筒状本体が勝手に走行して円弧状載置部の内周面上から離脱してしまうことを確実に防止することができる。
また、円環状部に、流体管の端部に嵌合可能な円環状嵌合部を備えているので、走行阻止部により円筒状本体が載置固定された状態の円弧状載置部を、当該円環状嵌合部を介して流体管の端部に嵌合させて、円弧状載置部を、管軸方向で円弧状載置部の端面と流体管の走行対象の管内周面の端面とが近接して対向した状態で確実に配置することができるとともに、流体管の管軸に対する円弧状載置部の軸芯の傾動も抑制することができる。
【0014】
本発明による水圧試験機の管内搬入案内装置の第3特徴構成は、前記円筒状本体が搬入される前記流体管の開口管部が、前記走行対象の管内周面よりも拡径した大径管内周面を備えた受口管部であり、
前記円環状嵌合部の内周面が、前記走行対象の管内周面と同径又は略同径で、且つ、前記円環状嵌合部の外周面が、前記大径管内周面の最小内径と同径又は略同径に形成され、前記円環状嵌合部が、前記円筒状本体が前記円弧状載置部の内周面上に載置されたときの荷重を受け止めた状態で、前記受口管部に内嵌保持されて、前記円環状嵌合部の外周面と前記大径管内周面とが管径方向で近接対向し、且つ、前記円環状嵌合部の挿入先端面と前記走行対象の管内周面の端面となる大径管内周面の拡径基端面とが前記管軸方向で近接対向した状態で配設される点にある。
【0015】
上記構成によれば、円筒状本体が搬入される流体管の開口管部が、走行対象の管内周面よりも拡径した大径管内周面を備えた受口管部であり、円環状嵌合部の内周面が、走行対象の管内周面と同径又は略同径で、且つ、円環状嵌合部の外周面が、大径管内周面の最小内径と同径又は略同径に形成されるので、円環状嵌合部を受口管部の大径管内周面に内嵌することができ、内嵌された状態では、円環状嵌合部の内周面は、走行対象の管内周面と略段差が無い状態となるとともに、相対傾動も規制された状態となる。そして、円環状嵌合部の外周面と大径管内周面とが管径方向で近接対向し、且つ、円環状嵌合部の挿入先端面と走行対象の管内周面の端面となる大径管内周面の拡径基端面とが管軸方向で近接対向した状態で配設されると、円環状嵌合部の内周面と走行対象の管内周面とは、略段差が無いことに加え、管軸方向における隙間も殆んどなくなり、より連続的な面となる。しかも、受口管部の大径管内周面に形成された密封シール材等を配設するための環状溝等の凹凸部は、円環状嵌合部により全周に亘って被覆されるため、当該凹凸部に円筒状本体に配設された車輪等の突出部が引っ掛かることもない。
さらには、円環状嵌合部が、円筒状本体が円弧状載置部の内周面上に載置されたときの荷重を受け止めた状態で、受口管部に内嵌保持されるので、円筒状本体を流体管内に搬入或いは流体管内から搬出をする際に、円弧状載置部及び円筒状本体を安定した状態に維持することができ、より安全且つ簡便に搬入作業・搬出作業を行うことができる。
【0016】
本発明による水圧試験機の管内搬入案内装置の第4特徴構成は、前記円筒状本体が搬入される前記流体管の開口管部が、前記走行対象の管内周面と同径の挿口管部であり、
前記円環状嵌合部の内周面が、前記挿口管部の外周面と同径又は略同径に形成され、前記円環状嵌合部が、前記円筒状本体が前記円弧状載置部の内周面上に載置されたときの荷重を受け止めた状態で前記挿口管部に外嵌保持されて、前記円弧状載置部における前記円環状部の挿入先端面と前記挿口管部の前記走行対象の管内周面の端面となる先端面とが前記管軸方向で近接対向した状態で配設される点にある。
【0017】
上記構成によれば、円筒状本体が搬入される流体管の開口管部が、走行対象の管内周面と同径の挿口管部であり、円環状嵌合部の内周面が、挿口管部の外周面と同径又は略同径に形成されるので、円環状嵌合部を挿口管部の外周面に外嵌することができ、外嵌された状態では、円環状嵌合部の内周面は、走行対象の管内周面と略段差が無い状態となるとともに、相対傾動も規制された状態となる。そして、円弧状載置部における円環状部の挿入先端面と挿口管部の走行対象の管内周面の端面となる先端面とが管軸方向で近接対向した状態で配設されると、円弧状載置部及び円環状部の内周面と走行対象の管内周面とは、略段差が無いことに加え、管軸方向における隙間も殆んどなくなり、より連続的な面となる。
また、円環状嵌合部が、円筒状本体が円弧状載置部の内周面上に載置されたときの荷重を受け止めた状態で、挿口管部に外嵌保持されるので、円筒状本体を流体管内に搬入或いは流体管内から搬出をする際に、円弧状載置部及び円筒状本体を安定した状態に維持することができ、より安全且つ簡便に搬入作業・搬出作業を行うことができる。
【0018】
本発明による水圧試験機の管内搬入案内装置の第5特徴構成は、前記円弧状載置部の外周面には、前記円筒状本体が前記円弧状載置部の内周面上に載置された状態での前記軸芯方向における重心に対応する位置に、一対の吊上げ用フックが突出形成されてなる点にある。
【0019】
上記構成によれば、円筒状本体が円弧状載置部の内周面上に載置された状態での軸芯方向における重心に対応する円弧状載置部の外周面の位置に、一対の吊上げ用フックが突出形成されるので、一対の吊上げ用フックのそれぞれにクレーンに接続されたワイヤーを接続して円弧状載置部を吊上げた場合、円弧状載置部は軸芯方向及び一対の吊上げ用フックを結ぶ方向のそれぞれで安定し、上記搬入作業・搬出作業を安全に行うことができる。
【0020】
本発明による水圧試験機の管内搬入案内装置の第6特徴構成は、前記円弧状載置部を支持する支持基台と、前記支持基台に対して前記円弧状載置部の高さ位置を調整する高さ調整部とを備えた点にある。
【0021】
上記構成によれば、円弧状載置部を支持する支持基台と、支持基台に対して円弧状載置部の高さ位置を調整する高さ調整部とを備えているので、例えば、流体管の管内周面と同径又は略同径に形成された内周面上に水圧試験機を載置する円弧状載置部を、管軸方向で円弧状載置部の端面と流体管の走行対象の管内周面の端面とが近接して対向した状態で配置する際、高さ調整部を操作して、円弧状載置部を支持する支持基台に対して円弧状載置部の高さを調整することで、円弧状載置部の内周面上に載置された円筒状本体を、当該内周面から流体管の走行対象の管内周面に略段差の無い走行状態で円滑に搬入することができる。
従って、水圧試験機が円弧状載置部の内周面上に載置されて、その重量が支持されている状態で、円筒状本体に配設された一対の車輪により、円弧状載置部の内周面上から走行対象の管内周面に連続的に走行させるだけで、円筒状本体の軸芯と流体管の管軸とが相互に傾斜して車輪等の突出部が流体管の端部に接触し引っ掛かってしまうことがなく、水圧試験機を流体管内に迅速且つ安全に搬入案内することができる。また、同様に、流体管内に搬入された水圧試験機を、走行対象の管内周面から円弧状載置部の内周面上へ迅速且つ安全に搬出することもできる。
さらに、管内搬入案内装置は、少なくとも水圧試験機を載置可能な円弧状載置部を流体管の管内周面と同径又は略同径に形成し、支持基台及び高さ調整部を設けるだけで、簡便に形成することができるので、製造コスト及び作業コストの増大も抑制することができる。
よって、水圧試験機を流体管内に搬入或いは流体管内から搬出する際、より簡便、迅速且つ安全に搬入・搬出できる水圧試験機の管内搬入案内装置を提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
図1に示すように、本発明に係る水圧試験機Aが水圧試験の対象とする鋳鉄管などの流体管の継手部Bは、例えば、水道管P1(流体管の一例)の挿口管部1Aとそれに嵌合接続される他の水道管P2(流体管の一例)の受口管部2Aとを接続する継手部Bである。この継手部Bには、挿口管部1Aの管外周面1bと受口管部2Aの管内周面2aよりも拡径した大径管内周面2bとの間を密封可能で、当該大径管内周面2bにおいて管径方向外方側に拡径した円環状の弾性シール材装着用溝3に装着される円環状の合成ゴム製の弾性シール材4と、挿口管部1Aと受口管部2Aとが管軸X方向に沿って相対離脱移動したとき、管軸X方向から互いに接当してそれ以上の離脱移動を阻止する連結手段5とが設けられている。
【0024】
連結手段5を構成するに、受口管部2Aの大径管内周面2bに形成された円環状の取付け溝5aに、管軸X方向視において略Cの字状に形成された拡径側に弾性変形可能な金属製の係止部材5bと、これの拡径変形を許容する状態で係止部材5bを受口管部2Aと同軸心状態に保持する弾性保持リング5cとを装着するとともに、挿口管部1Aの管外周面1bの先端部には、地震や不等沈下等に起因して挿口管部1A及び受口管部2Aが一定以上に相対離脱移動したとき、係止部材5bに対して管軸X方向から接当してそれ以上の挿口管部1A及び受口管部2Aの相対離脱移動を阻止する円環状の抜止め突起5dが一体形成されている。
【0025】
継手部Bにおいて、水道管P1の管内周面1a及び他の水道管P2の管内周面2aは、それぞれ内径が略同径に形成され、管軸X方向に沿う方向において、水道管P1の挿口管部1Aにおける挿入先端面1eと他の水道管P2の大径管内周面2bの拡径基端面2cとの間には、管径方向内方側に開口する隙間Sが形成されている。この隙間Sを介して、水道管P1及び他の水道管P2の内部と弾性シール材4が装着される弾性シール材装着用溝3とが連通されている。
なお、特に限定するわけではないが、本実施形態では、両水道管P1,P2は400〜800mm程度の内径に形成され、当該両水道管P1,P2内に作業員が入って挿口管部1Aと受口管部2Aとの継手部Bに配設される弾性シール材4の水圧試験を行うことが困難な構成となっている。
【0026】
また、水道管P1は、管軸X方向の一端側に上述の継手部Bを構成する挿口管部1Aが形成されているが、他端側には、受口管部1Bが形成されている。水道管P1の受口管部1Bは、拡径基端面1cを基端として挿口管部1Aの管内周面1aよりも径方向外方側に拡径した大径管内周面1dを備え、上述の他の水道管P2の大径管内周面2bと同様に、大径管内周面1dにおいて管径方向外方側に拡径し弾性シール材4を取付ける円環状の弾性シール材装着用溝3、係止部材5c及び弾性保持リング5cを取付ける円環状の取付け溝5aを備える。
【0027】
次に、
図1〜
図6、
図11〜
図16に基づいて、水圧試験機Aについて説明する。
図1〜
図4に示すように、水圧試験機Aには、水道管P1,P2内に搬入可能な円筒状本体10の軸芯Y方向両端部に、円筒状本体10を水道管P1,P2内の管軸X方向に沿って走行可能とする一対の車輪51、51を備え、円筒状本体10の外周面11の軸芯Y方向両側部に、水道管P1,P2の継手部Bの隙間Sに対して軸芯Y方向の両側方に偏位した管内周面1a,2aとの間をそれぞれ止水する状態にまで拡径操作可能な一対の環状止水バッグ20を備える。そして、止水状態に拡径操作された両環状止水バッグ20と円筒状本体10の外周面11及び水道管P1,P2の管内周面1a,2aとで形成される環状密封空間V内に水圧試験用の水Wを供給する水供給部30を設けてある。詳細は後述するが、これにより、水圧試験機Aを用いて、水道管P1,P2内を走行して継手部Bに移動し、継手部Bにおける隙間Sを介して弾性シール材4に連通する環状密封空間V内へ水供給部30からの水Wを供給して充填し水圧をかけることで、水道管P1,P2の継手部Bの水圧状態を実現する弾性シール材4周辺からの漏水を検査することができる(
図16参照)。
【0028】
まず、水圧試験機Aの各部の構成について説明する。
図2〜
図6に示すように、水圧試験機Aは、金属製(本実施形態では、アルミ製)で中空の円筒状本体10を備え、円筒状本体10の外径は水道管P1,P2内に搬入可能に水道管P1,P2の管内周面1a,2a(内径)よりも若干小径に形成されている。
円筒状本体10の外周面11には、一対の環状止水バッグ20を外装可能な一対のバッグ装着部位11aが軸芯Y方向両側部に設けられ、両バッグ装着部位11aの軸芯Y方向中央側には端部側から外装される環状止水バッグ20の軸芯Y方向における最大挿入位置を画定する本体側鍔部11bがそれぞれ外径側に突出形成されるとともに、両バッグ装着部位11aの端部側境界箇所には後述する環状移動阻止体12の阻止体側鍔部12Aの内径よりも大径で、阻止体側鍔部12Aが軸芯Y方向から当接して環状移動阻止体12の最大挿入位置を画定する段部11cが形成され、また、当該段部11cよりも軸芯Y方向端部には環状移動阻止体12を外嵌可能な阻止体嵌合部位11dが形成され、さらに、本体側鍔部11bよりもさらに軸芯Y方向中央側には水供給部30の注水管31の取付部位11eが形成される。
【0029】
従って、円筒状本体10の外周面11には、円筒状本体10の両端部側から順に、阻止体嵌合部位11d、当該阻止体嵌合部位11dよりも段部11cの拡径代だけ拡径したバッグ装着部位11a、当該バッグ装着部位11aよりも拡径した本体側鍔部11b、本体側鍔部11bよりも縮径しバッグ装着部位11aよりも拡径した取付部位11eが形成されていることとなる。なお、阻止体嵌合部位11dには、環状移動阻止体12を脱着可能に外嵌状態で固定するボルト13を挿通可能な複数の挿通孔11f(本実施形態では6個)が、内径側から外径側に貫通するように形成されている。
【0030】
図6に示すように、金属製(本実施形態では、アルミ製)で中空の円環状の環状移動阻止体12を備え、環状移動阻止体12には、円筒状本体10の両端部から円筒状本体10の外周面11における両阻止体嵌合部位11dにそれぞれ脱着可能に外嵌された状態で、環状止水バッグ20と軸芯Y方向で対面する部位に、外径側に突出する阻止体側鍔部12Aが形成されている。また、環状移動阻止体12の阻止体側鍔部12Aの外径は、水道管P1,P2内に搬入可能に水道管P1,P2の管内周面1a,2a(内径)よりも若干小径に形成され、内径は、円筒状本体10の外周面11の段部11cの外径よりも小径で阻止体嵌合部位11dの外径と略同径に形成されている。そして、環状移動阻止体12が阻止体嵌合部位11dに外嵌されるに連れて、環状移動阻止体12の阻止体側鍔部12Aの内径よりも大径に形成された段部11cに、阻止体側鍔部12Aが軸芯Y方向から当接して環状移動阻止体12の最大挿入位置が画定されるとともに、環状移動阻止体12の内径側から外径側に貫通形成された複数の挿通孔12a(本実施形態では6個)が、阻止体嵌合部位11dの複数の挿通孔11fと合致する位置に位置合わせされる。これにより、ボルト13・ナット14により、環状移動阻止体12を円筒状本体10における所定の阻止体嵌合部位11dに確実に固定することができる。この際、両環状移動阻止体12の端部の端面及び円筒状本体10の両端部の端面は、管径方向に沿う方向に面一となるように確実に位置決めされる。なお、環状移動阻止体12としては、周方向で一つの部材の円環状部材で構成してもよく、周方向で複数の分割部材で構成してもよい。
【0031】
図2及び
図4に示すように、環状止水バッグ20は、縮径状態では、断面形状が、内径部分は直線状に形成され、外径部分は軸芯Y方向の両端部及び中央部が外径側に膨出し且つ両端部と中央部との間の部分が内径側に窪んだ略波形に形成される。すなわち、縮径状態における環状止水バッグ20の内径部分の内径は、円筒状本体10の外周面11における両バッグ装着部位11aの外径と略同径或いは若干大径として形成され、外径部分の外径は、後述の装着凹部19に装着された状態で、本体側鍔部11b及び阻止体側鍔部12Aの外径よりも小さく或いは同等に設定されている。一方、
図15及び
図16に示すように、環状止水バッグ20は、内部に圧縮空気(流体の一例)が注入された拡径状態では、断面形状が、内径部分は直線状に形成され、外径部分は軸芯Y方向の両端部及び中央部並びに両端部と中央部との間の部分が縮径状態での外径よりも外径側に膨出した略円弧形状に形成される。
【0032】
また、環状止水バッグ20は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)からなるゴムで構成されており、断面視で、ゴムの厚みの中間位置近傍に繊維状又はメッシュ状の形状保持用の芯材が内径部分のみが二重となる状態で、その全周にわたって配設されているとともに、縮径状態における内径部分のゴムの厚み及び中央部のゴムの厚みが他の部分の厚み(例えば、両端部や両端部と中央部との間の部分の厚み)よりも厚くなるように形成されている。これにより、環状止水バッグ20は、その断面形状が、縮径状態から拡径状態に移行する際に、円筒状本体10の径方向における外径側に略円弧形状に膨出して水道管P1,P2の管内周面1a,2aと接触し止水するように構成され、一方で、環状止水バッグ20の軸芯Y方向の両端部側にはほとんど拡径しないように構成されている。そのため、環状止水バッグ20は拡径状態になるに連れて、主として径方向における外径側に効率良く膨出する指向性を備えている。なお、環状止水バッグ20の内径部分には、バッグ内注入管33からの圧縮空気を環状止水バッグ20内に注入させる注入用金具21が取り付けられている。
【0033】
水圧試験機Aの各部の構成をさらに説明する。
図3及び
図5に示すように、円筒状本体10の端部における下部には、水道管P1,P2内に搬入された円筒状本体10を管軸X方向に沿って走行操作可能な操作棒40の取付部材15が配設されている。本実施形態では、取付部材15は、概略L字形状のブラケットで構成され、当該ブラケットの一面に操作棒40の先端部外周に設けられた雄ねじ部40aを螺挿可能な雌ネジ部15aを備えており、操作棒40を軸芯Yに沿う方向に取付け及び取外し可能に構成され、ブラケットの他面に環状移動阻止体12を固定するボルト13を挿通可能な挿通孔15bを備えて構成される。そして、取付部材15は、軸芯Y方向視で円筒状本体10の軸芯Yを含む垂線上における円筒状本体10の下部に配設され、挿通孔15bが貫通形成されるブラケットの他面が円筒状本体10の内周面に当接する状態で、環状移動阻止体12とともにボルト13・ナット14により固定される。なお、操作棒40としては、水道管P1又は他の水道管P2の開口管部から円筒状本体10を継手部Bにまで走行操作可能な構成であれば、複数本の操作棒を適宜連結する構成や一本の操作棒とする構成、或いは伸縮可能な構造の操作棒等、適宜の構成を採用することができる。
【0034】
図5及び
図16に示すように、円筒状本体10の取付部位11eには、内径側から外径側に貫通し下方に開口する注水管用開口16が形成され、この注水管用開口16の内径側に注水管31が水圧に接続されるとともに、内径側から外径側に貫通し上方に開口する排気管用開口17が形成され、この排気管用開口17の内径側に排気管32が気密に接続されている。従って、水供給部30からの水圧試験用の水Wを注水管31及び注水管用開口16を介して環状密封空間V内に供給し、当該環状密封空間V内に存在する空気Q(場合によっては水W)を排気管用開口17及び排気管32を介して外部に排気可能に構成されている。なお、注水管用開口16と排気管用開口17は円筒状本体10の軸芯Yを含む垂線上で対向する位置(周方向において上部と下部)に配置されている。
【0035】
円筒状本体10の両バッグ装着部位11aには、内径側から外径側に貫通し、下方に開口するバッグ取付用開口18がそれぞれ形成され、各バッグ取付用開口18に挿通された注入用金具21にそれぞれ別系統のバッグ内注入管33,33が気密に並列接続されている。そして、バッグ内注入管33は、圧縮空気供給部(図示せず)からの圧縮空気(図示せず)を各注入用金具21へ各別又は両方同時に供給可能に構成されており、当該圧縮空気をバッグ内注入管33、注入用金具21及びバッグ取付用開口18を介して適宜、環状止水バッグ20内に供給し、環状止水バッグ20を縮径状態から拡径操作して拡径状態とし、或いは環状止水バッグ20内から圧縮空気を吸引し、拡径状態から縮径操作して縮径状態とすることが可能に構成されている。
【0036】
図2、
図3及び
図11に示すように、円筒状本体10を水道管P1,P2内の管軸X方向に沿って走行可能とする走行機構Cが、軸芯Y方向視で、円筒状本体10の内径側部位における下半側部位において軸芯Yを通る垂線に対して対称となる位置に、一対配設されている。
走行機構Cは、軸芯Y方向に長い長手部材からなる金属製(例えば、アルミ製)の板状本体50と、板状本体50の両端50Aに垂下状態で配設され、円筒状本体10を水道管P1,P2内の管軸X方向に沿って走行可能とする一対の車輪51と、板状本体50の両端50Aにおいて車輪51よりも軸芯Y方向の中央側に垂下状態で配設される一対の脱落防止部材52とを備えている。
車輪51及び脱落防止部材52は、円筒状本体10の両端部からそれぞれ延設配置させた状態でボルト53・ナット54により固定されている。
脱落防止部材52は、樹脂により構成されて、上方に形成された板状フランジ部が、ボルト53・ナット54により板状本体50に固定され、板状フランジ部の下方で一旦縮径し、さらに、下方に行くに連れて幅広となる概略台形に形成される。これにより、板状フランジ部と概略台形部分との間に、ボルト53・ナット54を螺合操作することができるスペースが確保されている。また、脱落防止部材52の概略台形部分の下端面52aは、水道管P1,P2の管内周面1a,2aと並行に形成され、その下端面52aが車輪51の下端よりも若干上方に位置するように配設され、車輪51が水道管P1,P2の継手部Bにおいて管径方向内方側に開口する隙間Sを通過する際に、この隙間Sに隣接する管内周面1a,2aの少なくとも一方に当接して車輪51が隙間Sへ脱落することを防止するように構成される。
また、走行機構Cには、板状本体50の両端50Aに車輪51及び脱落防止部材52よりも中央側に、径方向位置決め機構Dによる走行機構Cの管径方向への相対移動を、円筒状本体10の両端部の端面10a及び両環状移動阻止体12の端部の端面12bに沿うように案内する一対のガイド部が、板状本体50の下面から径方向外方である下方に垂下する垂下部55として形成されている(
図2参照)。
【0037】
図3及び
図11に示すように、走行機構Cを円筒状本体10に対して管径方向に相対移動可能とする一対の径方向位置決め機構Dが、軸芯Y方向視で、走行機構Cと円筒状本体10とに亘って、円筒状本体10の内径側部位(取付部位11eにおける内周面側)において軸芯Yを通る垂線に対して対称となる位置に、一対配設されている。
【0038】
径方向位置決め機構Dは、先端側が角筒形状に形成された角筒部分60aで、基端側が板状本体50の軸芯Y方向の中央部に形成された雌ねじ部56に螺挿され、円筒状本体10の内径側部位(取付部位11eにおける内周面側)に回転可能な状態で支持された雄ねじ部分60bを備えた雄ねじ棒軸60と、雄ねじ棒軸60の周方向両側方に位置し円筒状本体10の内径側部位(取付部位11eにおける内周面側)に固定支持される一対の支持部材61と、雄ねじ棒部60の先端側の角筒部分60aの下方の円筒部分を回転可能に上方に突出させた状態で軸支するように、支持部材61の上面同士をボルト62により連結固定される板状の連結部材63と、雄ねじ部分60bと円筒部分との間に雄ねじ棒軸60の外径側に突出形成され、連結部材63の下面と当接して雄ねじ棒軸60の径方向外方への抜け出しを防止する円板状部材64とを備えて構成される。
【0039】
次に、
図1、
図7〜
図10、
図12及び
図13に基づいて、水圧試験機Aの管内搬入案内装置Gについて説明する。第1実施形態における管内搬入案内装置Gは、水道管P1の受口管部1Bを介して水圧試験機Aを水道管P1,P2内に搬入或いは水道管P1,P2内から搬出する装置である。
【0040】
管内搬入案内装置Gは、水圧試験機Aの円筒状本体10を、水道管P1の管内周面1aと同径又は略同径に形成された内周面70a上に載置する円弧状載置部70を備えて構成されている。
円弧状載置部70は、内周面70a上に円筒状本体10を載置可能とするため、軸芯Z方向視で走行機構Cの一対の板状本体50の配設角度よりも大きな角度の円弧状(例えば、160度程度)で、軸芯Z方向で円筒状本体10の長さよりも長く所定厚みの長手部材(例えば、金属製)により構成されている。すなわち、外径及び内径は異なるものの、円筒状本体10の曲率と円弧状載置部70の曲率とは略同一に形成されている。
【0041】
円弧状載置部70の一端側には、円弧状載置部70の内周面70aと同径の内周面71aを備えた円環状の円環状部71を備え、円環状部71に、水道管P1の端部に形成された受口管部1Bに内嵌可能な円環状嵌合部72を備える。
円環状嵌合部72の内周面72aは、走行対象の水道管P1,P2の管内周面1a,2aと同径又は略同径で、且つ、円環状嵌合部72の外周面72bは、受口管部1Bの大径管内周面1dの最小内径と同径又は略同径に形成される。すなわち、円弧状載置部70、円環状部71及び円環状嵌合部72の内径及び外径は、それぞれ同一に形成されており、各部分の厚さは一定に形成されている。
【0042】
従って、円環状嵌合部72は受口管部1Bの大径管内周面1dに内嵌可能となり、円環状嵌合部72が、円筒状本体10が円弧状載置部70の内周面70a上に載置されたときの荷重を受け止めた状態で受口管部1Bに内嵌保持されると、円環状嵌合部72の外周面72bと大径管内周面1dとが管径方向で近接対向し、且つ、円環状嵌合部72の挿入先端面72cと走行対象の管内周面1a,2aの端面となる大径管内周面1dの拡径基端面1cとが管軸X方向で近接対向した状態で配設されて、円環状嵌合部72の内周面72aと走行対象の管内周面1a、2aとは、略段差が無いことに加え、管軸X方向における隙間も殆んどなくなり、連続的な面が形成される。
【0043】
また、円弧状載置部70の円環状部71は、その内周面71aが円筒状本体10の外周面11よりも若干小径に形成されており、円筒状本体10を円弧状載置部70及び円環状部71に亘ってそれらの内周面70a,71a上に載置した状態で、一対の環状止水バッグ20のうちの円環状部71の内周面71aに管径方向で対向する環状止水バッグ20のみを拡径して、当該内周面71aとの間を密着固定可能に構成されている。これにより、円弧状載置部70に載置された円筒状本体10が、当該円弧状載置部70及び水道管P1,P2内を管軸X方向に沿って走行することを阻止することができ、当該内周面71a及び当該環状止水バッグ20は走行阻止部として機能する。
【0044】
また、円弧状載置部70の外周面70bには、円筒状本体10が円弧状載置部70の内周面70a上に載置された状態での軸芯Z方向における重心に対応する位置に、一対の吊上げ用フック73が径方向外方側に突出形成されている。吊上げ用フック73にはワイヤー74を挿通可能な貫通孔75が軸芯Zと平行に形成されており、当該貫通孔75にワイヤー74を挿通して、クレーン(図示せず)により円弧状載置部70を吊上げることで、円弧状載置部70は軸芯Z方向及び一対の吊上げ用フック73を結ぶ方向(平面視で軸芯Zに直交する方向)のそれぞれで安定するように構成されている。
【0045】
次に、管内搬入案内装置Gを用いて、水圧試験機Aを水道管P1の受口管部1Bを介して、水道管P1,P2内に搬入して、継手部Bの水圧試験を行う手順について説明する。
【0046】
まず、
図10に示す管内搬入案内装置Gを地面(図示せず)に載置し、
図11(a)に示すように、水圧試験機Aを、管内搬入案内装置Gの円弧状載置部70の内周面70a上に載置する。
【0047】
続いて、一対の径方向位置決め機構DにハンドルHを装着しそれぞれハンドルHを適宜回転操作して、各走行機構Cを円筒状本体10に対して径方向で相対移動させることで、軸芯Yと軸芯Zとが略同芯状態となるように調芯する。この際には、走行機構Cに配設される両車輪51は、円弧状載置部70の内周面70a、円環状部71の内周面71aに当接し、円筒状本体10及び環状止水バッグ20はこれら内周面70a,71aには当接しない状態となっている(
図11(c)参照)。
【0048】
その後、
図13に示すように、環状止水バッグ20のうち円環状部71の内周面71aに径方向で対向する環状止水バッグ20に圧縮空気を供給し、縮径状態から拡径状態に拡径させる。これにより、予め環状止水バッグ20を円環状部71の内周面71aに対して周方向の全周に亘って拡径して密着固定させ、円筒状本体10が円弧状載置部70の内周面70a上から離脱することを防止できる。
【0049】
そして、
図12に示すように、一対の吊上げ用フック73の貫通孔75に挿通されたワイヤー74をクレーンで吊上げて、
図13に示すように、水道管P1の受口管部1Bの大径管内周面1dに、円筒状本体10が載置された円弧状載置部70の円環状嵌合部72を内嵌させ、円環状嵌合部72の外周面72bと大径管内周面1dとが管径方向で近接対向し、且つ、円環状嵌合部72の挿入先端面72cと走行対象の管内周面1a,2aの端面となる大径管内周面1dの拡径基端面1cとが管軸X方向で近接対向した状態で配設する。
【0050】
この際、一対の吊上げ用フック73は、円筒状本体10が円弧状載置部70の内周面70a上に載置された状態での軸芯Z方向における重心に対応する円弧状載置部70の外周面70bの位置に突出形成されているので、一対の吊上げ用フック73のそれぞれにクレーンに接続されたワイヤー74を接続して円弧状載置部70を吊上げても、円弧状載置部70は軸芯X方向及び一対の吊上げ用フック73を結ぶ方向のそれぞれで安定し、上記搬入作業を安全に行うことができる。また、このように円弧状載置部70をクレーンで吊上げた際、円弧状載置部70の軸芯Zが水平方向に対して傾斜したとしても、予め環状止水バッグ20により円環状部71の内周面71aと密着固定されているので、円筒状本体10が勝手に走行して円弧状載置部70の内周面70a上から離脱してしまうことはない。
【0051】
円環状嵌合部72が、上述のように受口管部1Bに内嵌された状態では、円環状嵌合部72の内周面72aと走行対象の管内周面1aとは、略段差が無いことに加え、管軸X方向における隙間も殆んどなくなり、より連続的な面となる。しかも、受口管部1Bの大径管内周面1dに形成された弾性シール材4等を配設するための弾性シール材装着用溝3等の凹凸部は、円環状嵌合部72により全周に亘って被覆されるため、当該凹凸部に円筒状本体10に配設された車輪51等の突出部が引っ掛かることもない。
さらには、円環状嵌合部72が、円筒状本体10が円弧状載置部70の内周面70a上に載置されたときの荷重を受け止めた状態で、受口管部1Bに内嵌保持されるので、円筒状本体10を水道管P1,P2内に搬入する際に、円弧状載置部70及び円筒状本体10を安定した状態に維持することができ、より安全且つ簡便に搬入作業を行うことができる。
【0052】
そして、
図14に示すように、拡径状態にある環状止水バッグ20を縮径状態に戻し、水圧試験機Aの進行方向後側(
図14の左側)において円筒状本体10の端部の下部に配設された取付部材15の雌ねじ部15aに操作棒40の雄ねじ部40aを螺合装着し、操作棒40を管軸X方向に押圧操作することにより、円筒状本体10を介して水圧試験機Aを管軸X方向に沿って継手部B近傍に向けて走行操作させる。この際、円環状嵌合部72の内周面72aと走行対象の管内周面1aとは、略段差が無いことに加え、管軸X方向における隙間も殆んどなくなり、より連続的な面となっているので、円弧状載置部70の内周面70a上に載置された円筒状本体10を、当該内周面70aから管内周面1aに円滑に走行させて搬入することができる。
【0053】
従って、円弧状載置部70の内周面70a上に載置されている水圧試験機Aの円筒状本体10を、円弧状載置部70の内周面70a上から走行対象の管内周面1aに連続的に走行させることができるので、車輪51等の突出部が水道管P1の受口管部1Bに接触し引っ掛かってしまうことがなく、水圧試験機Aを水道管P1内に迅速且つ安全に搬入案内することができる。
【0054】
そして、
図15に示すように、水道管P2の受口管部2Aと水道管P1の挿口管部1Aとの管軸X方向における隙間Sに、進行方向の前方の車輪51が脱落することが当該車輪51の後方に位置する脱落防止部材52により防止されながら、操作棒40による押圧操作により、車輪51を継手部Bの隙間Sを通過させ、水道管P1,P2の継手部Bに対して軸芯Y方向の両側方に偏位した位置に一対の環状止水バッグ20を位置させる。
【0055】
続いて、両バッグ内注入管33からの圧縮空気を、注入用金具21を介して内径側から両環状止水バッグ20内に注入する。これに伴い、両環状止水バッグ20は、内径部分及び両端部は略拡径せずに、外径部分のみが指向性を備えた状態で外径側に効率よく膨出し、円筒状本体10の外周面11の軸芯Y方向両側部に、水道管P1,P2の継手部Bに対して軸芯Y方向の両側方に偏位した管内周面1a,2aとの間をそれぞれ止水する状態にまで拡径操作され、止水状態に拡径操作された両環状止水バッグ20と円筒状本体10の外周面11及び水道管P1,P2の管内周面1a、2aとで環状密封空間Vを形成することができる。
【0056】
そして、
図16に示すように、両環状止水バッグ20を止水状態に拡径操作した状態で、両環状止水バッグ20と円筒状本体10の外周面11及び水道管P1,P2の管内周面1a,2aとで形成される環状密封空間V内に、水供給部30の注水管31から水圧試験用の水Wを供給して充填しつつ、当該環状密封空間V内から排気管32を介して空気Qを排気する。そして、当該環状密封空間V内に水Wが所定の水圧になるまで充填して、所定時間経過した後に、水道管P1,P2の継手部Bの水圧状態を実現する弾性シール材4周辺からの漏水の有無を検査することができる。
【0057】
検査終了後、環状止水バッグ20内の圧縮空気を注入管33を介して排出し、環状止水バッグ20を縮径状態にして、水圧試験機Aを水道管P1,P2内を走行操作させて、外部に搬出する。
この際、上述の搬入作業と逆の作業により、管内搬入案内装置Gを利用して、水道管P1の受口管部1Bを介して外部に水圧試験機Aを搬出することができる。
【0058】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、水道管P1の受口管部1Bを介して水圧試験機Aを水道管P1内に搬入及び搬出する例について説明したが、第2実施形態では、水道管P2の受口管部2Aの他端側に形成された挿口管部2Bを介して水圧試験機Aを水道管P1,P2内に搬入或いは水道管P1,P2から搬出する管内搬入案内装置Gとする。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0059】
具体的には、
図17〜
図23に示すように、第2実施形態に係る水圧試験機Aの管内搬入案内装置Gは、水圧試験機Aの円筒状本体10を、水道管P2の管内周面2aと同径又は略同径に形成された内周面70a上に載置する円弧状載置部70を備えて構成されている。
【0060】
円弧状載置部70の一端側には、円弧状載置部70の内周面70aと同径の内周面71aを備えた円環状の円環状部71を備え、円環状部71に、水道管P2の端部に形成された挿口管部2Bに外嵌可能な円環状嵌合部72を備える。
円環状嵌合部72の内周面72aは、挿口管部2Bの外周面2dと同径又は略同径に形成される。すなわち、円弧状載置部70及び円環状部71の内径及び外径は、それぞれ同一に形成されており、円環状嵌合部72の内径及び外径は、円弧状載置部70及び円環状部71の厚さ分だけそれぞれ拡径した状態となっている。
【0061】
従って、円環状嵌合部72は挿口管部2Bに外嵌可能となり、円環状嵌合部72が、円筒状本体10が円弧状載置部70の内周面70a上に載置されたときの荷重を受け止めた状態で挿口管部2Bに外嵌保持されると、円環状嵌合部72の内周面72aと挿口管部2Bの外周面2dとが管径方向で近接対向し、且つ、円環状部71の挿入先端面71bと走行対象の管内周面2aの端面となる先端面2eとが管軸X方向で近接対向した状態で配設されて、円環状部71の内周面71aと走行対象の管内周面2aとは、略段差が無いことに加え、管軸X方向における隙間も殆んどなくなり、連続的な面が形成される。
【0062】
次に、第2実施形態に係る管内搬入案内装置Gを用いて、水圧試験機Aを水道管P2の挿口管部2Bを介して、水道管P1,P2内に搬入して、継手部Bの水圧試験を行う手順について説明するが、第1実施形態と同様の手順は説明を省略する。
【0063】
図22に示すように、管内搬入案内装置Gの円弧状載置部70の内周面70a上に載置された水圧試験機Aは、ハンドルHを適宜回転操作して軸芯Yと軸芯Zとが略同芯状態となるように調芯され、円環状部71の内周面71aに径方向で対向する環状止水バッグ20に圧縮空気が供給されて、予め環状止水バッグ20を円環状部71の内周面71aに対して周方向の全周に亘って拡径して密着固定させる。その後、
図21に示すように、ワイヤー74をクレーンで吊上げて、水道管P2の挿口管部2Bに、円筒状本体10が載置された円弧状載置部70の円環状嵌合部72を外嵌させ、円環状嵌合部72の内周面72aと挿口管部2Bの外周面2dとが管径方向で近接対向し、且つ、円環状部71の挿入先端面71bと走行対象の管内周面2aの端面となる先端面2eとが管軸X方向で近接対向した状態で配設する。
【0064】
円環状嵌合部72が、上述のように挿口管部2Bに外嵌された状態では、円環状嵌合部72の内周面72aと走行対象の管内周面2aとは、略段差が無いことに加え、管軸X方向における隙間も殆んどなくなり、より連続的な面となる。さらには、円環状嵌合部72が、円筒状本体10が円弧状載置部70の内周面70a上に載置されたときの荷重を受け止めた状態で、挿口管部2Bに外嵌保持されるので、円筒状本体10を水道管P1,P2内に搬入する際に、円弧状載置部70及び円筒状本体10を安定した状態に維持することができ、より安全且つ簡便に搬入作業を行うことができる。その後、継手部Bの水圧試験を行う手順は第1実施形態と同様である。また、水圧試験機Aの搬入作業を逆の手順で行うことにより、水圧試験機Aの搬出作業を行うことができる。
【0065】
〔第3実施形態〕
第1実施形態では、水道管P1の受口管部1Bを介して水圧試験機Aを搬入・搬出する際、円弧状載置部70に円環状部71及び円環状嵌合部72を設ける管内搬入案内装置Gとしたが、第3実施形態の管内搬入案内装置Gとして、これら円環状部71及び円環状嵌合部72を省略した場合の構成例について説明する。
第3実施形態における管内搬入案内装置Gは、水道管P1の受口管部1Bを介して、水圧試験機Aを水道管P1,P2内に搬入或いは水道管P1,P2内から搬出する装置である。
【0066】
具体的には、
図24〜
図30に示すように、管内搬入案内装置Gは、水圧試験機Aの円筒状本体10を、水道管P1の管内周面1aと同径又は略同径に形成された内周面70a上に載置する円弧状載置部70を備えて構成されている。
【0067】
円弧状載置部70の一端部には内周面70aの端面となる挿入先端面70cが形成され、当該挿入先端面70cを前方として、円弧状載置部70を受口管部1Bの大径管内周面1d内に挿入可能に構成されている。
円弧状載置部70の他端側に載置された水圧試験機Aが位置する箇所の下方には、円弧状載置部70を支持する支持基台80と、支持基台80に対して円弧状載置部70の高さ位置を調整する高さ調整部81とが配設されている。
【0068】
支持基台80は、コンクリート等の重量物で形成された平板状直方体により形成され、地面に安定的に載置可能に構成されている。
高さ調整部81は、支持基台80の長方形状の上面80aの四隅に対応した状態で、当該上面80aから突出形成される4本の雄ねじ軸82と、円弧状載置部70の外周面70bから下方に突出し、4本の雄ねじ軸82に外嵌される4本の筒軸83と、各雄ねじ軸82に螺合され各筒軸83の下端に当接して、当該筒軸83の高さ位置を調整して固定可能な調整ナット84とを備える。
【0069】
次に、第3実施形態に係る管内搬入案内装置Gを用いて、水圧試験機Aを水道管P1の受口管部1Bを介して、水道管P1,P2内に搬入して、継手部Bの水圧試験を行う手順について説明するが、第1実施形態と同様の手順は説明を省略する。
【0070】
図28に示すように、管内搬入案内装置Gを支持基台80ごと移動させ、円弧状載置部70の挿入先端面70c側を進行方向前側にして、受口管部1Bの大径管内周面1d内に挿入する。この際、円弧状載置部70の挿入先端面70cが、管軸X方向で大径内周面1dの拡径基端面1cの手前に来る程度にまで挿入する(
図28の2点鎖線参照)。
【0071】
その後、高さ調整部81の調整ナット84を回動させて、円弧状載置部70を、その内周面70aが受口管部1Bの管内周面1aと同じ高さ位置になるまで移動させる(
図28の実線参照)。この位置では、管軸X方向で円弧状載置部70の挿入先端面70cと受口管部1Bの大径管内周面1dの拡径基端面1cとが近接して対向した状態となる。
【0072】
そして、
図29及び
図30に示すように、高さ調整された円弧状載置部70の内周面70a上に、水圧試験機Aの円筒状本体10を載置し、操作棒40を管軸X方向に押圧操作することにより、円筒状本体10を介して水圧試験機Aを管軸X方向に沿って継手部B近傍に向けて走行操作させる。
【0073】
この状態では、円弧状載置部70の内周面70aと走行対象の管内周面1aとは、略段差が無いことに加え、管軸X方向における隙間も殆んどなくなり、より連続的な面となっているので、円弧状載置部70の内周面70a上に載置された円筒状本体10を、当該内周面70aから管内周面1aに円滑に走行させて搬入することができる。その後、継手部Bの水圧試験を行う手順は第1実施形態と同様である。また、水圧試験機Aの搬入作業を逆の手順で行うことにより、水圧試験機Aの搬出作業を行うことができる。
【0074】
〔別実施形態〕
(A)上記実施形態では、流体管として水道管P1及び水道管P2を対象とし、継手部Bとして挿口管部1A及び受口管部2Aの嵌合接続箇所における弾性シール材4の水圧試験を行ったが、例えば、流体管としてその他の流体を通流可能なガス管等を対象とし、また、例えば、継手部Bとして、フランジ接続箇所における弾性シール材の水圧試験を行ったり、挿口管部1A及び受口管部2Aの嵌合接続箇所における弾性シール材が押し輪により押圧固定される構成において、当該弾性シール材の水圧試験を行う構成とすることもできる。
【0075】
(B)上記実施形態では、水道管P1の一端側に挿口管部1Aを備え他端側に受口管部1Bを備え、水道管P2の一端側に挿口管部2Bを備え他端側に受口管部2Aを備える構成としたが、水道管に受口管部及び挿口管部の何れを備えるかは適宜変更することができ、例えば、水道管P1の両端側に挿口管部を備え、水道管P2の両端側に受口管部を備える構成とし、水道管P1の挿口管部と水道管P2の受口管部とが嵌合する継手部Bの水圧試験を行う構成とすることもできる。
【0076】
(C)上記実施形態では、上記の構成の水圧試験機Aを流体管内に搬入又は流体管から搬出する例について説明したが、水圧試験機の構成を適宜変更した場合でも、上記実施形態に係る管内搬入案内装置Gを用いることができる。
【0077】
(D)上記第1及び第2実施形態では、管内搬入案内装置Gをクレーンで吊上げて水道管P1又は水道管P2内に挿入する構成としたが、管内搬入案内装置Gを安全に且つ確実に挿入することができる構成であれば、その他の手段で挿入する構成とすることもできる。
【0078】
(E)上記第1及び第2実施形態では、円弧状載置部70に円筒状本体10を載置した状態で、円弧状載置部70における円環状部71の内周面71aに環状止水バッグ20を拡径させて、当該内周面71aとの間を密着固定する走行阻止部として機能させる構成としたが、走行阻止部としては、円弧状載置部70の内周面70a上に円筒状本体10を固定できる構成であれば、その他の構成を採用することもできる。
【0079】
(F)上記実施形態では、走行機構C及び径方向位置決め機構Dを、軸芯Y方向視で、軸芯Yを含む垂線に対して対称となる位置にそれぞれ一対配設したが、円筒状本体10を円弧状載置部70及び水道管P1,P2内で管軸X方向に沿って走行させることができ、管軸X、軸芯Y、軸芯Zを略同芯の調芯できる構成であれば、それぞれ一つだけであっても、それぞれ三つ以上配設する構成であってもよく、また、当該垂線に対して対称に配設されていなくてもよい。