(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5725577
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】線香載置器
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
A47G33/00 C
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-177283(P2013-177283)
(22)【出願日】2013年8月12日
(65)【公開番号】特開2014-36865(P2014-36865A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2013年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】595147216
【氏名又は名称】岩渕 昭次
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 昭次
【審査官】
平田 慎二
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭61−192779(JP,U)
【文献】
実開昭56−176628(JP,U)
【文献】
特開2008−301862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の金属の薄板の長さ方向に、一定間隔で山折り部と谷折り部を交互に形成することにより、長さが一定範囲内で伸縮可能であり、長さ方向の少なくとも片方の端に、角柱形状の部材を接合してなることを特徴とする線香載置器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ての線香載置器、特に墓参などで用いるのに適した線香載置器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に墓参の際には、墓に常設されている香炉、または墓石上面に直接線香を手向けるが、線香が燃え尽きないうちに帰宅する、マナーの欠如が多発している。また、火気使用後の確認の任を怠り、線香の灰及び無燃焼の線香は次回の墓参時までの期間、放置されている現状であり、放置物の散乱で墓前環境を損ねている。
【0003】
また、現在は環境衛生上の理由で墓参時の供物は、墓参が済み次第持ち帰り、処分することは習慣付けられつつあるが、墓参時に生じる線香灰の処分が必須であるにも関わらず、処分対応策がなされていないのが現状である。
【0004】
このような問題に対処するものとして、特許文献1や特許文献2には、容器の上部に線香を載置する板状の部材を設け、当該板状の部材に予め設けられた貫通孔から、線香の灰や燃えカスを容器内部に落下させるようにして、灰などが周囲に飛散せず、後始末も容易にした香炉が開示されている。しかし、これらは、構造がやや複雑で、部品数が比較的多くなるという点で、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 実開昭52−144199号公報
【特許文献2】 実開昭61−192779号公報
【特許文献2】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、墓参マナー向上の一助として、墓地の環境衛生の改善をもたらす墓参用使い捨て線香載置器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記の課題に鑑み、墓前を汚さず手向けた線香を効率良く灯し、前記線香から生じる線香灰や未燃焼線香の処分方法を検討した結果なされたものである。
【0008】
即ち、本発明は、帯状の金属の薄板の長さ方向に、一定間隔で山折り部と谷折り部を交互に形成することにより、長さが一定範囲内で伸縮可能であることを特徴とする線香載置器である。
【0009】
また、本発明は、長さ方向の少なくとも片方の端に、角柱形状の部材を接合してなることを特徴とする、前記の線香載置器である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の線香載置器は、前記のような構成を備えていることから、保管する際や墓参に携行する際は、折り畳むことが可能で、折り畳んだ状態から適宜引き延ばしたり、必要な長さに切断したりして、その上に線香を横置きにして手向けることができる。適当な長さに引き延ばして、線香を横置きにすると、線香は山折り部のみに当接して置かれることになり、線香と線香載置器との接触部が少なく、線香の途中消えを防止し、周囲に対する伝導熱の発散を早めることができる。そして、長さ方向に両端に角柱部材を取り付けることで、墓前に載置する際の安定性を向上できる。
【0011】
また、焼香を終えた後は、本発明の線香載置器を全開状態に引き延ばし、線香灰や未燃焼線香を包んで持ち帰るための、容器として用いることができる。さらに、風が吹いている場合は、本発明の線香載置器を全壊状態に引き延ばした上で、周囲を折り曲げて立ち上げた容器を形成し、当該容器の凹部に線香を置いて、風除けとすることもできる。また、別な使用方法の一つとして、座る際に、本発明の線香載置器を全開状態として敷物とすることも想定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】 本発明の線香載置器の側面図、
図2(a)は開いた状態、
図2(b)は、
図2(a)よりも引き延ばした状態、
図2(c)は一部だけ開いた状態。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の線香載置器について、具体的な図に基づいて説明する。
【0014】
本発明の線香載置器は、基本的に前記のような構成を備えていればよいものであり、両端に接合する角柱部材は、片側だけに接合することも可能で、場合によっては、不要である。また、主材料である帯状の金属の薄板としては、折り曲げ加工が可能であれば、特に限定されないが、価格や入手の容易さを考慮すると、アルミニウム製のクッキングホイルが挙げられる。
【0015】
ただし、使い勝手を考慮すると、市販されているアルミニウム箔の中で、厚めのものを使用するが望ましい。また、銅箔なども使用できるのは、勿論である。
【0016】
図1は、本発明の線香載置器の一例の斜視図である。
図1において、1aはアルミニウム箔製の線香載置器、1a、2bは角柱部材であり、木材や金属箔を重ねて一体化したものなどが用いられる。この上に線香を横置きにして、用いることができる。
【0017】
図2は、本発明の線香載置器の側面図であり、
図2(a)の1aは、
図1と同様に開いた状態の線香載置器、
図2(b)の1bは、
図2(a)に示したよりも引き延ばした状態の線香載置器、
図2(c)の1cは、引き延ばした状態の線香載置器、
図2(c)の1dは、折り畳んだ状態の線香載置器である。ここに示したように、本発明の線香載置器は、様々な態様で使用可能であり、全開状態にすることで、別の使用方法に適用することもできるのは前述の通りである。
【0018】
以上に説明したように、本発明によれば、墓地の環境衛生の改善をもたらす墓参用使い捨て線香載置器を提供することができる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0019】
1a,1b,1c,1d・・・線香載置器
2a,2b・・・角柱部材