【0015】
「(B)ワセリン 1〜5質量%」
本発明に用いるワセリンは、なじみをよくするために配合される油分である。
ワセリンの配合量は、ジェル状水中油型乳化組成物全量に対して、1〜5質量%であり、好ましくは、1.5〜3質量%である。
ワセリンの配合量が上記配合範囲外であると、使用感が悪化する場合がある。
ワセリンはジェル状水中油型乳化組成物の油相を構成するが、本発明の効果を損なわない範囲で、ワセリン以外に油相を構成する油分を配合してもよく、例えば、ミネラルオイル、コハク酸ジエトキシエチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、コハク酸ジオクチル、トリオクタノイン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、オクタン酸セチル、揮発性ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘプタシロキサン、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、アボカド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、落花生油、グレープシード油、アーモンド油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、メドウフォーム油、胚芽油などの油分が配合可能である。ワセリン以外の油分の配合量は、ジェル状水中油型乳化組成物全量に対して、3〜20質量%が好ましい。
【実施例】
【0021】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、配合量は全量に対する質量%を表す。
【0022】
「表1」に示す処方にて、常法により、ジェル状水中油型乳化組成物であるジェル状乳液を製造し、以下の評価を行った。
【0023】
「使用感」
専門女性パネル5名により、実施例及び比較例のジェル状乳液を腕又は顔面に塗布して実使用試験を行い、みずみずしさ、なじみのよさ、油っぽさのなさのそれぞれについて、以下の評価基準により相対評価した。
【0024】
<みずみずしさ>
◎:4名以上がみずみずしさに最も優れていると回答した。
○:3名がみずみずしさに最も優れていると回答した。
△:2名がみずみずしさに最も優れていると回答した。
×:1名がみずみずしさに最も優れていると回答した。
<なじみのよさ>
◎:4名以上がなじみのよさに最も優れていると回答した。
○:3名がなじみのよさに最も優れていると回答した。
△:2名がなじみのよさに最も優れていると回答した。
×:1名がなじみのよさに最も優れていると回答した。
<油っぽさのなさ>
◎:4名以上が油っぽさのなさに最も優れていると回答した。
○:3名が油っぽさのなさに最も優れていると回答した。
△:2名が油っぽさのなさに最も優れていると回答した。
×:1名が油っぽさのなさに最も優れていると回答した。
【0025】
「安定性」
実施例及び比較例のジェル状水中油型乳化組成物の安定性については、製造直後の均一な乳化組成物からワセリンの微結晶が析出するか否かを目視(肉眼)にて観察し、以下の基準で評価した。
○:目視にてワセリンの微結晶が確認されない。
△:目視にてワセリンの微結晶が若干確認できる。
×:目視にてワセリンの微結晶が確認できる。
【0026】
「ジェル状乳液(ジェル状水中油型乳化組成物)」
【表1】
*1:ペミュレンTR−2
【0027】
上記結果より、本発明の実施例1及び実施例2は、みずみずしさ、なじみのよさ、油っぽさのなさの全ての点で、バランスよく、優れた使用感を発揮していることが分かる。そして、実施例1〜4では、安定性も全く問題がなく、優れた安定性も発揮している。
なお、実施例1と実施例2との比較から、(C)成分にイソドデカンを使用した場合、ワセリンの配合量は3質量%以下であることが、みずみずしさ、油っぽさのなさの点で、さらに優れた使用感を発揮する。一方、比較例5のように、ワセリンの配合量が5質量%を超えると(7質量%)、特にみずみずしさ、油っぽさのなさ、安定性の点が悪化する。
また、比較例1のように、イソドデカンを配合しないと、実施例1と比較して、特に油っぽさのなさの点で使用感が悪化し、同時に安定性も悪化する。
比較例2及び比較例3のように、ワセリンを配合しないと、なじみのよさの使用感がかなり悪化する。そして、比較例3のようにイソドデカンを配合した場合には、イソドデカンを配合しない比較例2と比べて、特に油っぽさのなさの点で使用感が悪化する。
また、比較例4のように、揮発性油分のイソドデカンの代わりに、揮発性油分として通常使用されているデカメチルシクロペンタポリシロキサンを配合すると、安定性が悪化する。
【0028】
以下に本発明のジェル状水中油型乳化組成物からなるジェル状化粧料を例示する。いずれも、油っぽくなく、みずみずしさに優れ、なじみがよいという優れた使用感と、優れた安定性を有するジェル状化粧料である。
【0029】
「実施例5 ジェル状美容液」
原料成分 配合%
(1) (D)精製水(1) 残余
(2) 寒天末 1.5
(3) グリセリン 2
(4) 1,3−ブチレングリコール 5
(5) (D)精製水(2) 15
(6) (A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペミュレンTR−2) 0.05
(7) エデト酸三ナトリウム 0.1
(8) オクタン酸セチル 3
(9) (B)ワセリン 3
(10) (C)イソドデカン 1
(11) ジブチルヒドロキシトルエン 適量
(12) ポリエチレングリコール400 3
(13) クエン酸 0.01
(14) クエン酸ナトリウム 0.1
(15) グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(16) アスコルビン酸グルコシド 2
(17) オウゴンエキス 0.1
(18) ユキノシタエキス 0.1
(19) ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
(20) キサンタンガム 0.3
(21) フェノキシエタノール 適量
<製法>
(1)〜(4)を加熱溶解し、30℃以下に冷却してゲル化させ、十分に固まったところでディスパーを用いてゲルを破砕して予めミクロゲル(平均粒径70μm)相とする。
(5)〜(7)を室温で混合溶解した水相に、(8)〜(11)を加熱混合した油相をディスパーで分散混合し、乳化し、(12)〜(21)をディスパーで攪拌しながら徐々に添加し、十分均一に混合溶解して脱気後、目的のジェル状美容液を得る。
【0030】
「実施例6 ジェル状乳液」
原料成分 配合%
(1) (D)精製水 残余
(2) カルボキシビニルポリマー 0.25
(3) (A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペミュレンTR−2) 0.05
(4) グリセリン 2
(5) 1,3−ブチレングリコール 5
(6) エデト酸−3Na 0.05
(7) パラオキシ安息香酸エステ 適量
(8) ミネラルオイル 5
(9) (B)ワセリン 4
(10) (C)イソドデカン 2
(11) 水酸化カリウム 0.1
<製法>
(1)〜(7)を混合溶解し水相を調整し、(8)〜(10)を加熱混合した油相をディスパーで分散混合し、乳化し、(11)をディスパーで攪拌しながら徐々に添加し、十分均一に混合溶解して脱気後、目的のジェル状乳液を得た。
【0031】
「実施例7 ジェル状日焼け止め化粧料」
原料成分 配合%
(1) (D)精製水 残余
(2) カルボキシビニルポリマー 0.2
(3) (A)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペミュレンTR−2) 0.08
(4) エデト酸−3Na 0.05
(5) 1,3−ブチレングリコール 5
(6) ジプロピレングリコール 3
(7) グリセリン 3
(8) PEG−450 2
(9) メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 6
(10) t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2
(11) コハク酸ジエチルヘキシル 3
(12) (B)ワセリン 3
(13) (C)イソドデカン 3
(14) ベヘニルアルコール 0.1
(15) バチルアルコール 0.1
(16) エタノール 5
(17) フェノキシエタノール 適量
(18) アミノメチルプロパノール 適量
<製法>
(1)〜(8)を混合溶解し水相を調整し、(9)〜(15)を加熱混合した油相をディスパーで分散混合し乳化した後に、(16)(17)(18)を混合し、ディスパーで攪拌しながら徐々に添加し、十分均一に混合溶解して脱気後、目的のジェル状日焼け止めを得た。