【文献】
塩谷清司、外3名,オートプシー・イメージング−死後画像所見は死因、蘇生術後変化、死後変化に大別される−,画像診断,日本,2009年12月25日,Vol.30,No.1,P106-120
【文献】
塩谷清司、外12名,診療放射線技師のためのAi(Autopsy imaging)入門 第4回 死後画像所見,日本放射線技師会雑誌,日本,2009年 5月 1日,Vol.56,No.5,P459-469
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記影響度付与部で付与する前記影響度は、前記部位毎の異常陰影の情報、または前記既往症情報と前記既往症情報に関係する前記部位毎の異常陰影の情報のいずれかについて、死因への影響が大きい場合に高く、前記部位毎の異常陰影の情報と前記既往症情報のいずれも死因への影響が小さい場合に低く設定される指標である、
ことを特徴とする請求項5記載の医用画像処理装置。
前記除外度付与部で付与する前記除外度は、前記部位毎の異常陰影の情報と前記蘇生術情報との関連性が高い場合に、死因から除外すべき情報として高く設定される指標である、
ことを特徴とする請求項5記載の医用画像処理装置。
【背景技術】
【0002】
死亡した人間の死因を解明する手法として、近年Ai(Autopsy Imaging:死亡時画像診断)が取り入れられている。Aiとは、CT(Computed tomography:コンピュータ断層撮影)やMRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴イメージング)等によって撮影された死後画像を用いて、生前生じた病変や創傷等の異常を診断し、死因を解明することである。
【0003】
近年のCTやMRIは高速撮影が可能であるので、Aiではより正確な死因を解明するために、CTやMRI等で全身を撮影することが推奨されている。この場合の撮影時間は、通常数分から十数分程度である。しかし、撮影した全身の画像スライス枚数は何千枚と膨大な数になるため、読影医がこれらの画像から死因を判定することは相当困難である。また、これらの膨大な数の画像をモニタ等で表示するのにも時間がかかる。
【0004】
ところで、CTやMRIの画像から異常陰影を検出し、医師の診断の支援をするCAD(Computer-aided Detection/Diagnosis:コンピュータ支援診断装置)が近年実用化されている。CADは、通常は生きている人間に対して用いられ、頭部・胸部・腹部等の、特定の部位における疾患を診断するために、撮影した画像から当該部位に応じたアルゴリズムを用いて異常陰影を検出する。
【0005】
特許文献1には、異なる日時に取得された同一被検体の部位毎における医用画像から、部位毎に異なるアルゴリズムを有するCADを用いて異常陰影を検出し、異常陰影の経時変化を確認することができる技術が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る医用情報システムAの概略構成を示すブロック図である。医用情報システムAは、医用画像処理装置1、画像診断装置2、画像サーバ3、読影医特性データベース4を含む。
【0015】
画像診断装置2は、例えばX線CT装置、MRI装置等であり、遺体Xをスキャンして撮像し画像処理を行う。本実施形態では、画像診断装置2はX線CT装置とする。
【0016】
画像サーバ3は、例えばPACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像保管通信システム)内に備えられる画像サーバであり、画像データ記憶部301と、画像データ処理部302とを含む。画像データ記憶部301は、画像診断装置2で得られる医用画像データと、対応する部位の識別ID(slice h
1,slice c
1等)を格納する。画像データ処理部302は、画像データ記憶部301内の画像データを識別IDに基づいて部位毎に分類し、医用画像処理装置1からの要求に応じて画像データを出力する。
【0017】
医用画像処理装置1は、例えばHIS(Hospital Information System:病院情報システム)の一部として設けられ、画像診断装置2、画像サーバ3と病院内のLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して相互に通信可能に接続される。
【0018】
読影医特性データベース4は、自病院または他の病院における読影医や専門医の、専門部位および読影可能時間を格納する。
図9に格納されている情報の一例を示す。詳細は後述する。
【0019】
医用画像処理装置1は、CADの機能を含むパーソナルコンピュータまたはワークステーションをベースとして構成され、制御部10、表示部12、操作部13、通信部15、記憶部16、情報記憶媒体17、遺体情報記憶部21がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0020】
表示部12はモニタ等であり、後述するスライス画像や画像に対応した情報等を表示する。操作部13はキーボードやマウス等であり、データの入力を行う。通信部15は、病院内LANに接続し、画像診断装置2、または画像サーバ3との通信を行う。記憶部16は、制御部10や通信部15などのワーク領域となるもので、RAM(Random Access Memory)などにより実現できる。情報記憶媒体17(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、ハードディスク、或いはメモリ(Flash Memory、ROM:Read Only Memory)などにより実現できる。また情報記憶媒体17には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)、および異常陰影を検出するCADのプログラムである、部位A、B、C…に対応した部位A用プログラム17A、部位B用プログラム17B、部位C用プログラム17C…等が記憶される。
【0021】
制御部10は、全体の制御を行うとともに、その他の様々な演算処理や制御処理などを行う演算装置である。制御部10の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。制御部10は、情報記憶媒体17に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。また制御部10は、画像取得部101、画像解析部102、情報取得部103、閾値設定部104、異常検出部105、影響度付与部106、除外度付与部107、優先表示決定部108を含む。
【0022】
画像取得部101は、画像サーバ3が格納している医用画像データを取得する。画像解析部102は、画像取得部101で取得した医用画像データを、情報記憶媒体17に記憶される部位毎のプログラム17A、17B、17C…に基づき画像解析する。異常検出部105は、画像解析部102で解析した画像に基づき異常陰影を検出する。情報取得部103は、遺体情報記憶部21に格納される各種情報を取得する。閾値設定部104は、後述する蘇生術の有無情報が「有」の場合に、例えば頭蓋骨内のairの大きさの閾値等といったパラメータを設定する。影響度付与部106および除外度付与部107は、後述する死因への影響度、死因からの除外度をそれぞれ算定する。優先表示決定部108は、表示部12に表示する部位の表示順を決定する。詳細は後述する。
【0023】
遺体情報記憶部21は、部位別の情報として、異常検出部105で検出した異常陰影および対応する画像データの識別IDを部位A、B、C…毎に格納する部位別情報記憶部21aと、部位に関係しない共通情報記憶部21bを含む。
図2は、遺体情報記憶部21に格納される遺体Xの情報の一例を示し、
図2(A)は部位別情報記憶部21aに格納される部位毎の情報、
図2(B)は共通情報記憶部21bに格納される部位共通情報を示す。
図2(A)で、部位Aには「頭部」の情報が格納されており、異常検出部105で検出した異常陰影は「出血」、異常陰影が撮影されている画像データの識別IDはslice h
30〜h
40である。以降、他の部位についても、異常検出部105で検出した異常陰影(異常陰影が無い場合は「特に無し」)と画像データの識別IDがそれぞれ格納されている。
【0024】
図2(B)に示す共通情報記憶部21bに格納される部位共通情報は、遺体Xの情報であり、例えば遺体の氏名、年齢、性別、既往症、既往症発症からの経過時間と死亡直前の症状、死亡時の状況、死亡からの経過時間、蘇生術の有無、行った蘇生術である。これらは部位には直接関係していないので、部位共通情報として別に格納される。
【0025】
<異常陰影の画像を抽出する場合の動作>
次に、上記構成の医用情報システムAにおける、死因解明にあたり異常陰影の画像を抽出する場合の動作について、
図3を参照して説明する。なお、本実施形態では、
図2(B)に示す遺体Xの部位共通情報を用いて説明する。
【0026】
自宅浴室で心肺停止状態となり病院に救急搬送され、結局死亡した遺体Xについて、医師より死亡が確認される(ステップS101)。医師は死因を解明するため、まず同居の家族等から遺体Xの氏名、年齢、死亡時の状況等を聞き取り、医用画像処理装置1に入力する。また医師は、蘇生術の有無と行った蘇生術、死亡からの経過時間も入力する。入力された情報は、部位に関係しない情報であるので、医用画像処理装置1は、操作部13から入力されたこれら遺体Xの部位共通情報を、遺体情報記憶部21の共通情報記憶部21bに格納する(ステップS103)。
【0027】
次に、画像診断装置2は遺体Xの全身を撮影し(ステップS105)、撮影した画像のデータを部位毎に分け、画像識別IDを部位別に付与して画像サーバ3の画像データ記憶部301に格納する(ステップS107)。
【0028】
次に、医用画像処理装置1の情報取得部103は、ステップS103で共通情報記憶部21bに格納された、遺体Xの部位に関係しない部位共通情報を取得する(ステップS109)。なお、遺体情報を取得する際、生前に病院での受診歴があり、遺体Xの該当患者の電子カルテが死亡した病院内の患者情報データベースに有る場合、または他の病院の患者情報データベースに遺体Xの該当患者の電子カルテがあり、ネットワーク経由で取得できる場合、情報取得部103は遺体の氏名、年齢、性別、および既往症を患者情報データベースから取得してもよい。あるいは、紙のカルテが入手できる場合には、直接入力またはOCR(Optical Character Reader:光学式文字読み取り装置)を用いて医用画像処理装置1に入力してもよい。
【0029】
次に画像取得部101は、画像サーバ3の画像データ記憶部301に記憶された、遺体Xの画像データおよび識別IDを部位毎に取得する(ステップS111)。次に画像解析部102は、ステップS111で取得した遺体Xにおける部位毎の画像データについて、情報記憶媒体17に格納されている、部位毎のCADのプログラム(部位A用プログラム17A、部位B用プログラム17B、部位C用プログラム17C、…)を用いてそれぞれ画像解析する(ステップS113)。この画像解析は公知の技術であり、画像解析することにより判明するCT値(Hounsfield number; 単位は、Hounsfield Unit [HU]である)から、air(空気)や骨等と判断することができる。例えば、頭蓋骨のCT値は500HUだが、CT値が500HUの連続した陰影の内側に、−1000HUの陰影がある場合は、それがairであると判断することができる。またCT値が500HUの連続した陰影に不連続の部分がある場合は、骨折していると判断することができる。
【0030】
ここで、蘇生術を行う事で生じた異常陰影は、死因と直接関係しないので、異常陰影を検出する際に除外しなければならない。例えば、心臓マッサージによる蘇生術では、肋骨骨折や頭蓋骨内の微少なair等の異常を生じさせることがあるため、これらの異常は死因から除外する必要がある。そこで情報取得部103は、ステップS109で共通情報記憶部21bから取得した遺体Xの部位共通情報のうち、蘇生術の有無情報を確認する。蘇生術が「有り」の場合(ステップS115で「Yes」)、閾値設定部104は、例えばairの大きさの閾値を設定する(ステップS117)。なお、閾値設定部104は、airの大きさの閾値を設定するだけでなく、情報取得部103がステップS109で共通情報記憶部21bから取得した死亡からの経過時間より、血液就下か出血かを判定するパラメータを設定することも可能である。
【0031】
次に異常検出部105は、ステップS113〜S117で画像解析部102が解析した部位毎の画像データより、閾値設定部104で設定した閾値よりも小さいairを除外して、異常陰影を検出する(ステップS121)。例えば、−1000HUの陰影が設定した閾値より小さい場合はその陰影を除外し、大きい場合はその陰影を異常陰影として検出する。
【0032】
次に制御部10は、異常検出部105で検出した異常陰影の情報と、対応する画像データの識別IDを抽出して遺体情報記憶部21の部位別情報記憶部21aに格納する(ステップS123)。
【0033】
なお、医師がCADによる画像解析を用いず、画像を目視して異常陰影を判定した場合は、医師が異常陰影の情報と対応する画像データの識別IDを医用画像処理装置1に入力してもよい。制御部10は入力された情報を部位別情報記憶部21aに格納する。
【0034】
次に、医師が医用画像処理装置1に、指定した部位の表示を行うよう操作部13を介して指示すると、制御部10は、ステップS123で部位別情報記憶部21aに格納した当該部位の異常陰影に対応する画像データの識別IDに基づき、画像データ処理部302に、画像データ記憶部301内の画像データを出力させ、表示部12に表示させる。また制御部10は、共通情報記憶部21bに格納された遺体Xの部位共通情報も同時に表示部12に表示させる(ステップS125)。
【0035】
ステップS121で異常陰影を検出した画像データの枚数は、ステップS117の閾値設定により相当数限定されているため、これら画像全てが死因解明に重要であると考えてよく、医師はこれら画像全てを確認して死因を判定する。
【0036】
図4に頭部画像の表示部12への表示例を示す。
図4では、右側のボタンで頭部を指定し、頭部の画像のうち異常陰影を検出しているslice h
35の画像と共通情報記憶部21bに格納された遺体Xの部位共通情報を表示している。この頭部画像では、CT値より出血と判断される異常陰影が確認できる。また、蘇生術によるairは異常陰影から除外されているため表示されない。
【0037】
<優先的に表示する部位を決定する場合の動作>
別の例として、上記構成の医用情報システムAにおける、死因解明にあたり優先的に表示する部位を決定する場合の動作について、
図5を参照して説明する。この実施形態においても、
図2(B)に示す遺体Xの部位共通情報を用いる。
【0038】
死亡確認からCADを用いた画像解析までは、上述したステップS101〜S113と同様なので説明を省略する。次に異常検出部105は、ステップS113で画像解析部102が解析した部位毎の画像データより、異常陰影を検出する(ステップS215)。このときの異常陰影は、蘇生術に依るものも含め全て、CADによる所見として検出される。次に制御部10は、異常検出部105で検出した異常陰影と、対応する画像データの識別IDを抽出して遺体情報記憶部21の部位別情報記憶部21aに格納する(ステップS217)。
【0039】
次に制御部10内の影響度付与部106は、情報取得部103がステップS109で取得した、既往症と既往症発症からの経過時間と死亡直前の症状、およびステップS215で検出された部位毎の異常陰影(所見)に基づき、各部位の所見または既往症に対する死因への影響度を付与する(ステップS219)。
図6に影響度の例を示す。影響度は、数々の既往症と、既往症により引き起こす病変(所見)に基づいてあらかじめ設定されており、記憶部16に格納されている。記憶部16内の影響度の設定例として、死因への影響が高い順に5段階評価で「5」から「1」と数値化している。
図6で、例えば共通情報記憶部21bに格納された遺体Xの既往症「高血圧」と、所見「脳内出血」とは、高血圧発症中であったため脳内出血を引き起こしたと考えられ、死因への関連性が高く、影響度付与部106は影響度を「5」と付与する。一方、既往症「肺炎」は20年前に発症し、死亡直前時には完治していたため、死因への影響度は殆ど無く、影響度付与部106は影響度を「1」と付与する。なお、既往症が無くても所見のみで高い影響度が付与される場合もある。例えば交通事故死の遺体で所見が「内臓破裂」といった場合では、既往症が無くても所見のみで死因への影響度が高いので、高い影響度が付与される。
【0040】
次に制御部10内の除外度付与部107は、情報取得部103がステップS109で取得した、行った蘇生術および死亡からの経過時間、およびステップS215で検出された部位毎の異常陰影(所見)に基づき、各部位の所見に対する死因からの除外度を付与する(ステップS221)。
図7に除外度の例を示す。除外度は、病変(所見)と、行った蘇生術または死亡からの経過時間(死因から除外すべき情報)との関連性に基づいてあらかじめ設定されており、記憶部16に格納されている。記憶部16内の除外度の設定例として、関連性の高い順、つまり死因に関係しない順に100、50、10、1点と点数化している。1つの所見に対し、関連する「死因から除外すべき情報」が複数有る場合は、各々の「死因から除外すべき情報」と所見との関連性より設定された除外度の点数を合計する。
図7で、例えば共通情報記憶部21bに格納された、死因から除外すべき情報「心臓マッサージ」、「末梢静脈路確保」、「死後経過2時間」と、頭部の所見「頭蓋骨air」とは、関連性よりそれぞれ「1点」、「10点」、「1点」の除外度である。合計すると12点となり、除外度付与部107は所見「頭蓋骨air」に12点を付与する。また、胸部の所見「肋骨骨折」は、死因から除外すべき情報である「心臓マッサージ」との関連性より、「50点」の除外度であるため、除外度付与部107は所見「肋骨骨折」に対し「50点」を付与する。
【0041】
次に、優先表示決定部108は、ステップS219で付与した影響度と、ステップS221で付与した除外度に基づき、各部位の表示優先度を算出する(ステップS223)。次に優先表示決定部108は、ステップS223で算出した表示優先度の高い部位から順に、表示部12に表示させる(ステップS225)。
【0042】
図8に各部位の表示優先度を算出する一例を示す。遺体Xについて、ステップS219で部位それぞれに付与した死因への影響度(「5」〜「1」)と、ステップS221で部位それぞれに付与した死因から除外する除外度(「100点」、「50点」、「10点」、「1点」)について、例えば以下の数式で表示優先度を算出する。
[数1]
表示優先度=(影響度/除外度)×100 ・・・(1)
【0043】
この表示優先度は、数値が大きいほど該当する部位が死因に関係していると考えられる指標となる。つまり、表示優先度の数値が大きい部位について、医師がその部位を優先的に読影することで、死因を早期に判定する手助けとなる。
図8において、各部位の中で表示優先度の大きい部位は、頭部、胸部であり、優先表示決定部108は表示部12に、頭部、胸部の順で表示させる。医師はこれらの部位の画像を順に診断して死因判定を行う。なお、優先表示決定部108が表示部12に表示する部位は、例えば表示優先度の高い上位3つの部位としてもよいし、表示優先度が所定の値を超えた部位のみとしてもよい。また、複数の部位で表示優先度が同値となった場合、頭部あるいは下肢部のいずれかに近い部位を先に表示させるようにしてもよい。
【0044】
<読影医情報により優先的に画像解析し表示する部位を決定する場合>
ステップS113では、部位毎のCADのプログラムを用いて、例えばそれぞれの部位で並列に、または頭部から下肢部の順に、または下肢部から頭部の順に画像解析をしているが、
図9に示す読影医特性データベース4を参照して、読影医の都合に基づき、先に画像解析を行う部位の順番を設定することも可能である。これは、例えば遠隔読影サービスを利用して遠方の部位専門読影医が読影する場合や、担当医の時間的制約で読影する時間帯が限られる場合に有効である。
図3のフローチャートにおいて、画像解析部102は、ステップS113で画像解析する際、読影医特性データベース4を参照して、読影可能時間が早い読影医の専門部位から画像解析を行い、その部位の異常陰影を表示する。
【0045】
以上により本発明は、死因を解明するために、遺体Xを撮像して部位毎に取得し、部位毎にCADで解析を行って異常陰影を検出する。遺体Xに蘇生術を行っている場合は、閾値を設定し、蘇生術により発生した異常陰影を除外する。そして、異常陰影が検出された画像のみを部位毎に表示する。これにより、効率よく死因を解明することができる。
【0046】
また、既往症と蘇生術を考慮して、部位毎に死因への影響度と死因からの除外度を付与して各部位の表示優先度を求める。これにより、優先的に読影の必要な部位が判明し、死因を早期に判定する手助けとなる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。