特許第5725810号(P5725810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5725810車両用道路案内システム及び道路案内サービス方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5725810
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】車両用道路案内システム及び道路案内サービス方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20150507BHJP
   G08G 1/137 20060101ALI20150507BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20150507BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   G01C21/34
   G08G1/137
   G08G1/13
   G08G1/01 A
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-260344(P2010-260344)
(22)【出願日】2010年11月22日
(65)【公開番号】特開2012-8113(P2012-8113A)
(43)【公開日】2012年1月12日
【審査請求日】2013年10月1日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0059590
(32)【優先日】2010年6月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 致 男
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 秀
(72)【発明者】
【氏名】金 ミン スク
(72)【発明者】
【氏名】馬 永 彦
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−078326(JP,A)
【文献】 特開2009−174855(JP,A)
【文献】 特開2010−107459(JP,A)
【文献】 特開2004−245609(JP,A)
【文献】 特開平10−038594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G08G 1/01
G08G 1/13
G08G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定地域のソース車両から交通情報及び燃費情報を受信する受信部、
前記交通情報及び前記燃費情報を利用して前記特定地域に対する経路情報を生成する中央処理部、
前記中央処理部から前記経路情報提供を受け、ターゲット車両に伝送する送信部、及び
前記特定地域に対する前記交通情報と前記燃費情報を累積して格納するデータベース、を含み、
前記中央処理部は、出発時間から一定時間までは前記ソース車両からリアルタイムで収集された前記交通情報と前記燃費情報を利用して生成された前記経路情報を前記ターゲット車両に提供し、前記一定時間が経過した後には前記データベースに既に格納された前記交通情報と前記燃費情報を利用して生成された前記経路情報を、前記ターゲット車両に提供することを特徴とする車両用道路案内システム。
【請求項2】
前記中央処理部は、
前記交通情報及び前記燃費情報を利用し、前記ソース車両進行方向別に車両速度、進行方向別の平均待機時間及び平均燃費を演算し、演算された情報を利用して前記経路情報を生成することを特徴とする請求項1記載の車両用道路案内システム。
【請求項3】
前記中央処理部は、
出発地から目的地までの平均走行速度に優れた経路と燃費に優れた経路が相違する場合、二つの経路を全て前記ターゲット車両に伝送して運転者が選択できるようにすることを特徴とする請求項2記載の車両用道路案内システム。
【請求項4】
前記中央処理部は、
出発地と目的地までの距離を基準に経路を探索した結果、平均走行速度と燃費が同等の経路がある場合、前記交通情報及び前記燃費情報を利用して最適経路を決めることを特徴とする請求項2記載の車両用道路案内システム。
【請求項5】
前記中央処理部は、
出発地から目的地までの平均走行速度に優れた経路と燃費に優れた経路が相違する場合、二つの経路を全て前記ターゲット車両に伝送して運転者が選択できるようにすることを特徴とする請求項4記載の車両用道路案内システム。
【請求項6】
前記中央処理部は、
前記特定地域に対する地理情報を追加的に反映し、前記経路情報を生成することを特徴とする請求項1記載の車両用道路案内システム。
【請求項7】
前記中央処理部は、
前記交通情報及び前記燃費情報を利用して経路を生成した結果平均走行速度と燃費が同等の経路がある場合、前記地理情報を反映して最適経路を決めることを特徴とする請求項6記載の車両用道路案内システム。
【請求項8】
前記地理情報は、
道路の傾きに対する情報を含むことを特徴とする請求項7記載の車両用道路案内システム。
【請求項9】
前記中央処理部は、
前記ソース車両から前記交通情報及び前記燃費情報がリアルタイムで伝送されない場合、前記データベースに既に格納された前記交通情報及び前記燃費情報を利用し、前記経路情報を生成することを特徴とする請求項1記載の車両用道路案内システム。
【請求項10】
受信部と、中央処理部と、送信部と、データベースと、を備えた道路案内サーバーの車両用案内サービス方法であって、
前記受信部が、ターゲット車両から特定地域に対する経路検索の要請を受ける第1段階、
前記受信部が、前記特定地域内にあるソース車両から交通情報及び燃費情報の提供を受ける第2段階、
前記中央処理部が、前記交通情報及び燃費情報を利用して経路情報を生成する第3段階、
前記送信部が、生成された前記経路情報を前記ターゲット車両に伝送する第4段階、及び
前記データベースが、前記特定地域に対する前記交通情報と前記燃費情報を累積して格納する第5段階、を備え、
前記中央処理部は、出発時間から一定時間までは前記ソース車両からリアルタイムで収集された前記交通情報と前記燃費情報を利用して生成された前記経路情報を前記ターゲット車両に提供し、前記一定時間が経過した後には前記データベースに既に格納された前記交通情報と前記燃費情報を利用して生成された前記経路情報を、前記ターゲット車両に提供することを特徴とする車両用道路案内サービス方法。
【請求項11】
前記第2段階は、
前記特定地域内での前記ソース車両に対する走行速度、交差点待機時間、燃料使用量及び走行距離に対する情報の提供を受けることを特徴とする請求項10記載の車両用道路案内サービス方法。
【請求項12】
前記第3段階は、
前記ソース車両進行方向別の車両速度、進行方向別の平均待機時間及び平均燃費を演算し、演算された情報を利用して前記経路情報を生成することを特徴とする請求項11記載の車両用道路案内サービス方法。
【請求項13】
前記第4段階は、
出発地から目的地までの平均走行速度に優れた経路と燃費に優れた経路が相違する場合、二つの経路を全て前記ターゲット車両に伝送して運転者が選択できるようにすることを特徴とする請求項12記載の車両用道路案内サービス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用道路案内システム及び道路案内サービス方法に係り、より詳しくは、交通情報、燃費情報及び地理情報を用いて燃料消耗を低減しながらも、速やかに目的地に到達できるようにする車両用道路案内システム及び道路案内サービス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用道路案内システムには、リアルタイムで各地域に位置した車両の運行速度を収集し、車両の運行速度に応じて一番運行速度の早い道路に車両の移動経路を案内するものがある。
しかし、従来の車両用道路案内システムでは、等しい区間に対しては車線を区別せずに道路を案内する問題点がある。
例えば、交差点への直進車線、左折車線及び右折車線は車線別に車両の運行速度が変わるが、従来の車両用道路案内システムではこのような差を道路案内に反映することができない。その結果、目的地に到達する早い経路を正確に捜し出すことができないだけでなく、当該区間での燃料消耗量を正確に計算することができないので燃料消費を最小にする経路を捜し出すことができないとの問題点がある。
【0003】
さらに、従来の車両用道路案内システムでは、車両の運行速度のみを考慮して道路を案内するだけで、道路の地理的状態、すなわち上り坂なのか、平地なのか又は下り坂なのかは考慮されていない。したがって、燃料消費を最小にするための車両用道路案内システムが、逆に燃料消耗の多い道路を案内することになる場合が発生する。
例えば、車両の運行速度が遅い下り坂と車両の運行速度が普通の上り坂がある場合、車両の運行速度のみを基準にするシステムは上り坂を案内することになり、燃料消費を増やす結果となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本公開特許2007−284049
【特許文献2】日本公開特許2007−102658
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は交通情報、燃費情報及び地理情報を用いて燃料消耗を低減しながらも、速やかに目的地に到達できるようにする車両用道路案内システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による車両用道路案内システムは、特定地域のソース車両から交通情報及び燃費情報を受信する受信部、前記交通情報及び前記燃費情報を利用して前記特定地域に対する経路情報を生成する中央処理部、前記中央処理部から前記経路情報提供を受け、ターゲット車両に伝送する送信部、及び前記特定地域に対する前記交通情報と前記燃費情報を累積して格納するデータベース、を含み、前記中央処理部は、出発時間から一定時間までは前記ソース車両からリアルタイムで収集された前記交通情報と前記燃費情報を利用して生成された前記経路情報を前記ターゲット車両に提供し、前記一定時間が経過した後には前記データベースに既に格納された前記交通情報と前記燃費情報を利用して生成された前記経路情報を、前記ターゲット車両に提供することを特徴とする。
【0007】
前記中央処理部は、前記交通情報及び前記燃費情報を利用して前記ソース車両進行方向別の車両速度、進行方向別に平均待機時間及び平均燃費を演算し、演算された情報を利用して前記経路情報を生成することを特徴とする。
【0008】
前記中央処理部は、出発地と目的地までの距離を基準に経路を探索した結果同等な経路などがある場合、前記交通情報及び前記燃費情報を利用して前記経路情報を生成することを特徴とする。
【0009】
中央処理部は、出発地から目的地までの平均走行速度に優れた経路と燃費に優れた経路が相違する場合、二つの経路を全て前記ターゲット車両に伝送して運転者が選択するようにすることを特徴とする。
【0010】
前記中央処理部は、前記交通情報及び燃費情報以外に前記特定地域に対する地理情報を追加的に反映して前記経路情報を生成することを特徴とする。この時、前記地理情報は道路の傾きに対する情報を含み、前記中央処理部は前記交通情報及び前記燃費情報を利用して経路を生成した結果同等な経路などのある場合、前記地理情報を反映して最適経路を定めることを特徴とする。
【0011】
この場合、前記中央処理部は前記ソース車両から前記交通情報、及び前記燃費情報をリアルタイムで伝送を受けられない場合、前記データベースに既に格納された前記交通情報及び前記燃費情報を利用して前記経路情報を生成することを特徴とする。
【0013】
本発明による車両用道路案内サービス方法は、受信部と、中央処理部と、送信部と、データベースと、を備えた道路案内サーバーの車両用案内サービス方法であって、前記受信部が、ターゲット車両から特定地域に対する経路検索の要請を受ける第1段階、前記受信部が、前記特定地域内にあるソース車両から交通情報及び燃費情報の提供を受ける第2段階、前記中央処理部が、前記交通情報及び燃費情報を利用して経路情報を生成する第3段階、前記送信部が、生成された前記経路情報を前記ターゲット車両に伝送する第4段階、及び前記データベースが、前記特定地域に対する前記交通情報と前記燃費情報を累積して格納する第5段階、を備え、前記中央処理部は、出発時間から一定時間までは前記ソース車両からリアルタイムで収集された前記交通情報と前記燃費情報を利用して生成された前記経路情報を前記ターゲット車両に提供し、前記一定時間が経過した後には前記データベースに既に格納された前記交通情報と前記燃費情報を利用して生成された前記経路情報を、前記ターゲット車両に提供することを特徴とする。
【0014】
前記第2段階は、前記特定地域内での前記ソース車両に対する走行速度、交差点待機時間、燃料使用量及び走行距離に対する情報の提供を受けることができ、
前記第3段階は、前記ソース車両進行方向別の車両速度、進行方向別の平均待機時間及び平均燃費を演算し、演算された情報を利用して前記経路情報を生成することができ、
そして、前記第4段階は、出発地から目的地までの平均走行速度に優れた経路と燃費に優れた経路が相違する場合、二つの経路を全て前記ターゲット車両に伝送して運転者が選択するようにすることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両の進行方向及び交差点の待機時間を考慮して燃費を計算し、一番効率的な燃費で走行することができる道路を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の車両用道路案内システム(サーバー)を含む全体システムの構造を示す図である。
図2】本発明のターゲット車両の構成を示す図である。
図3】本発明の道路案内サーバーの構成を示す図である。
図4】本発明の道路案内サーバーで経路情報を生成する過程を示す図である。
図5】本発明の道路案内サーバーで交通情報がどのように構成されるのかを示す図である。
図6】進行方向が相違する車両などの形態を示す図である。
図7】道路案内サーバーが交通情報、燃費情報及び地理情報を介して得た情報の数値を例示する図である。
図8】本発明の道路案内サーバーが収集した交通情報、及び燃費情報をパターン化してデータベースに格納する場合を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図を参照しながら本発明の好ましい実施形態をより詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用道路案内システム(サーバー)を含む全体システムの構造を示す図である。
図1のシステムは、ターゲット車両100、道路案内サーバー200、地理情報サーバー300、衛星400及び複数のソース車両500を含む。
複数のソース車両500は、特定地域に位置した車両を意味する。例えば、複数のソース車両500は、江南駅と駅三駅との間で江南駅方向に走行する車両を表す。
【0018】
複数のソース車両500は、衛星400からGPS情報を利用して現在の位置を把握し、その位置情報を道路案内サーバー200へ伝送する。その結果、道路案内サーバー200は、ソース車両500の現在位置をリアルタイムで把握することができる。道路案内サーバー200は、ソース車両500の現在位地に基づき地域(道路区間)別にソース車両を管理することができる。例えば、道路案内サーバー200は、本発明に係るサービスの提供を受ける車両などを地域別に分類し、各地域にある車両から当該地域に対する多様な情報の提供を受ける。
【0019】
道路案内サーバー200は、特定地域に位置した複数のソース車両から交通情報及び燃費情報を受信する。
交通情報は、特定地域で車両の進行方向に従う車両の速度及び交差点の待機時間を表すことができる。このとき、車両の進行方向に従う車両速度は左折車線、直進車線又は右折車線を走行する車両の運行速度に区分される。さらに、左折車線、直進車線又は右折車線は、それぞれ交通信号の長さが異なるため各車線で待機する時間も異なる。したがって、交差点待機時間は車線別に交差点での待機時間を表す。
【0020】
燃費情報は、特定地域を走行しながら消費した燃料の量と当該地域の走行距離を表す。
ソース車両500のそれぞれは、特定地域を走行しながら消費した燃料の量とその走行距離、すなわち燃費情報を道路案内サーバー200に伝送する。
道路案内サーバー200は、リアルタイムで特定地域にある複数のソース車両500から受信される燃費情報を利用し、その地域にあるソース車両500の平均燃費を計算する。このとき、道路案内サーバー200は、車両の種類別に平均燃費を異なるように計算する。
【0021】
道路案内サーバー200は、地理情報サーバー300から地理情報を受信する。
地理情報は、特定地域で複数のソース車両が走行する道路の傾きを意味する。例えば、地理情報は当該道路が上り坂なのか、平地なのか又は下り坂なのかに対する情報を表す。さらには、当該道路が急な上り坂なのか(傾斜度15度以上)、普通上り坂なのか(傾斜度15度未満)、平地なのか、普通下り坂なのか(傾斜度15度未満)、又は急な下り坂なのか(傾斜度15度以上)の可否を表す。
【0022】
このとき、道路案内サーバー200は、交通情報、燃費情報及び地理情報を全て反映して経路を探索することもできるが、交通情報と燃費情報のみを利用して経路を探索し、状況に応じて情報を追加的に反映することができる。
例えば、道路案内サーバー200は、基本的には交通情報及び燃費情報に従って経路を探索し、その結果をターゲット車両100に提供する。しかし、交通情報及び燃費情報に従い経路を探索した結果、同等の経路が複数個探索された場合、道路案内サーバー200は地理情報を追加的に反映して上り坂よりは平地の多い経路を、そして平地よりは下り坂が多い経路を探索してターゲット車両100に提供する。
【0023】
図2は、図1においてターゲット車両100の構成を示す図である。
ターゲット車両100は、ECU(Engine Control Unit)110、受信部120、送信部130及びディスプレイ部140を含む。
ECU110は、ターゲット車両100内部の他の構成要素の動作を制御する。例えば、ECU110は受信部120、送信部130及びディスプレイ部140の動作を制御する。
受信部120は、道路案内サーバー200から経路情報(navigation information)の提供を受けてECU110に伝達する。ECU110は、受信された経路情報をディスプレイ部140を介して運転者に提供する。
さらに、受信部120は、衛星400からGPS情報を受信してECU110に伝達する。ECU110は、GPS情報からターゲット車両100の現在位置を把握する。
【0024】
送信部130は、車両に対する様々な情報を道路案内サーバー200に伝送する。例えば、送信部130はECU110からターゲット車両100の位置情報の提供を受けて道路案内サーバー200に伝送する。さらに、送信部130はECU110から出発地及び目的地に対する情報、車両100で収集した交通情報及び燃費情報の提供を受けて道路案内サーバー200に伝送する。
ディスプレイ部140は、ECU110から経路情報の提供を受けると、これを画面に表示する。
本実施形態では、説明の便宜のため図2の構成要素をターゲット車両100の構成要素で説明したが、ソース車両500も等しい構成要素を含む。
【0025】
図3は、図1の道路案内サーバー200の構成を示す図である。
道路案内サーバー200は、中央処理部210、受信部220、送信部230及びデータベース240を含む。
中央処理部210は、道路案内サーバー200に含まれた各構成要素の動作を制御する。例えば、中央処理部210は受信部220、送信部230及びデータベース240の動作を制御する。
中央処理部210は、受信部220を介して受信された様々な情報を演算して経路情報を生成する。
受信部220は、有無線通信網を介しターゲット車両100、地理情報サーバー300及びソース車両500から様々な情報を受信する。例えば、受信部220はターゲット車両100、又は複数のソース車両500から現在位置に対する情報、交通情報、燃費情報を受信する。さらに、受信部220は、地理情報サーバー300から地理情報を受信する。
【0026】
送信部230は、道路案内サーバー200内部で生成された様々な情報を送信する。例えば、送信部230は中央処理部210で生成された経路情報をターゲット車両100に送信する。さらに、送信部230は、ターゲット車両100及び複数のソース車両500に道路案内のための他の情報、例えば、現在の位置を求める信号を送信する。
データベース240は、受信部220を介し受信された様々な情報及び中央処理部210で生成された様々な情報を格納する。例えば、データベース240は、受信部220を介し受信された車両など100、500の位置情報、交通情報、燃費情報及び地理情報を格納する。
【0027】
データベース240は、様々な情報を累積して格納する。この場合、中央処理部210は累積した情報に基づいてパターン化された経路情報を生成することもできる。例えば、上述した経路情報は、リアルタイム交通情報及びリアルタイム燃費情報に基づいて生成されたものであるが、データベース240に累積された交通情報及び燃費情報を用いて経路情報を生成することもできる。その具体的な過程は後述する。
【0028】
図4は、本発明の一実施形態に係る道路案内サーバー200で経路情報を生成する過程を説明するための図である。
H車両が道路案内サーバー200に出発地(Start)と目的地(End)に対する情報を伝送しながら経路情報を求めると、道路案内サーバー200は優先的に出発地と目的地との間の距離が同等のRoute1及びRoute2を検索する。
例えば、優先的に検索される経路は距離を基準にすることができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0029】
道路案内サーバー200に接続した車両などは、道路案内サーバー200に現在の位置に対する情報を一定周期ごとに伝送する。例えば、車両は10秒、20秒、1分などの周期ごとに衛星400から受信したGPS情報を道路案内サーバー200に伝送する。 道路案内サーバー200は、受信された位置情報を分析して道路案内サーバー200に接続された車両等のうち、H車両が求めた出発地と目的地との間の地域にある車両等をソース車両500に分類する。
道路案内サーバー200は、ソース車両500から経路情報の生成に必要な交通情報及び燃費情報を収集する。
【0030】
次に、図5及び図6を参考して道路案内サーバー200の中央処理部210が収集された交通情報を分析する具体的な過程を説明する。
図5は、道路案内サーバーで交通情報がどのように構成されるのかを示す図である。
図5に示す通り、本発明の実施形態に係る交通情報は、進行方向別の車両の速度及び進行方向別の待機時間を含む。
図6は、本発明の実施形態に係る車両用道路案内システムで進行方向が相違する車両などを示す図である。
図6に示す通り、車両H1は左折車線を走行しており、車両H2は直進車線を走行し、車両H3は右折車線を走行している。
この場合、それぞれの車両は、走行車線に沿って走行速度が変化することになる。
【0031】
例えば、左折車両が多いため車両H1の走行速度が5(km/h)であるが、直進車両は車両H2だけなので走行速度は40(km/h)のこともあり、右折車両は車両が多くはないものの、回転のために減速しなければならないので、車両H3の走行速度は30(km/h)の場合もある。
道路案内サーバー200は、受信された位置情報を介し各車両がいずれの車線に位置したかの可否を判断する。
そして、道路案内サーバー200は、各車両の走行速度を受信して各車線別に車両の走行速度がいくらなのか判断する。
前記の例のように、左折車線の車両は走行速度が5(km/h)であり、直進車線の車両は走行速度が40(km/h)で、右折車線の車両は走行速度が30(km/h)であれば、道路案内サーバー200はそれぞれの進行方向別の車両速度が5(km/h)、40(km/h)、30(km/h)とのことを把握することができる。
【0032】
交通情報は進行方向別の待機時間も含む。
図6に示す通り、道路案内サーバー200は車両の位置が変化する経路を分析し、各車両が交差点で待機する時間を把握する。
例えば、左折車線に位置する車両H1は、交差点近所で初めて停止したあと交差点を抜け出すまで23秒がかかっており、直進車線に位置する車両H2は交差点近所で初めて停止したあと交差点を抜け出すまで15秒がかかっており、右折車線に位置した車両H3は交差点を抜け出すまで6秒がかかったとすれば、これに基づいて道路案内サーバー200はそれぞれの進行方向別に待機時間が23秒、15秒及び6秒とのことを把握する。
【0033】
図6には、各車線を走行する車両が一台の場合を例示したが、各車線を走行する車両が複数であれば、道路案内サーバー200はそれぞれの車両などの待機時間を平均して用いることができる。
さらには、道路案内サーバー200は、各車線を走行する車両の車種別に待機時間を平均して用いることもできる。すなわち、既に登録された車両の車種に対する情報を利用して車両を車種別に区分した後、車種別に待機時間を求めることができる。
【0034】
一方、道路案内サーバー200は、ソース車両500から燃費情報を受信する。
燃費情報は、特定地域を走行しながらそれぞれの車両が消費した燃料の量と走行距離を表す。
道路案内サーバー200は、リアルタイムでソース車両500から伝送される燃費情報を用いてソース車両500の平均燃費を計算する。
例えば、ソース車両500が100台の場合、これらが消耗した燃料が80(l)であり、これらが走行した距離が200(km)であれば、平均燃費は2.5(km/l)となる。
道路案内サーバー200は、車両の種類別に平均燃費が異なるように計算する。
【0035】
例えば、特定地域を走行するHM1車種の車両が10台の場合、これらが消耗した燃料が6(l)であり、これらが走行した距離が20(km)であれば、この車種の平均燃費は3.3(km/l)となる。一方、HM2車種の車両が20台の場合、これらが消耗した燃料が3(l)であり、これらが走行した距離が40(km)であれば、この車種の平均燃費は13.3(km/l)となる。
道路案内サーバー200は、交通情報と同様に燃費情報を進行方向別に区分して用いる。
図6に示す通り、車両H1が交差点に進入する前まで1(km)を走行するとき、消耗した燃料の量が0.2(l)であり、車両H2が交差点に進入する前まで1(km)を走行するとき、消耗した燃料の量が0.1(l)で、車両H3が交差点に進入する前まで1(km)を走行するとき、消耗した燃料の量が0.4(l)であるとする。
この場合、各車線別に左折車線の平均燃費は5(km/l)、直進車線の平均燃費は10(km/l)、右折車線の平均燃費は2.5(km/l)となる。
【0036】
さらに、道路案内サーバー200は、地理情報サーバー300から地理情報を受信する。
地理情報は、特定地域で道路の状態(勾配)を意味する。
例えば、地理情報は道路が上り坂なのか、平地なのか又は下り坂なのかを表す。さらには、当該道路が急な上り坂なのか(傾斜度15度以上)、普通の上り坂なのか(傾斜度15度未満)、平地なのか、普通の下り坂なのか(傾斜度15度未満)又は急な下り坂なのか(傾斜度15度以上)に対する情報を含む。
前記説明の通り、道路案内サーバー200は交通情報及び燃費情報を用いて道路案内に必要な様々な情報を生成するが、地理情報を追加的に考慮することもできる。 例えば、交通情報及び燃費情報に従い同等の経路が探索された場合、上り坂よりは平地を、平地よりは下り坂が多い経路を運転者に提供することができる。
【0037】
図4に再び戻って、道路案内サーバー200の中央処理部210が交通情報、燃費情報及び地理情報から得た情報など(進行方向別の速度、進行方向別の待機時間、進行方向別の平均燃費及び道路の勾配)を利用して出発地から目的地までの最適経路を検索する過程を詳しく説明する。
図4で、Route1とRoute2は、実質的な距離は同一である。この場合、交通情報、燃費情報及び地理情報を考慮しないのであれば、H車両の運転者はどの経路に行っても構わない。
しかし、本発明の道路案内サーバー200は、交通情報、燃費情報及び地理情報から得た情報などを用いて最適経路を判断する。
【0038】
図7は、道路案内サーバー200が交通情報、燃費情報及び地理情報から得た情報の数値などを例示する図である。
図7に示す通り、道路案内サーバー200はRoute1をA交差点区間、AB直進区間、B交差点区間、BD直進区間及びD交差点区間に区分し、Route2をA交差点区間、AC直進区間、C交差点区間、CD直進区間及びD交差点区間に区分する。
道路案内サーバー200は、それぞれの区間で前記過程に従い、進行方向別の車両速度、進行方向別の待機時間、進行方向別の平均燃費及び道路の傾きを演算する。
Route1の場合、例えば、A交差点区間では直進し、直前車線の車両速度は40(km/h)、直進車線の待機時間は15秒、平均燃費は7、5(km/l)、道路の傾きは平地である。
【0039】
Route2の場合、例えば、A交差点区間では右折し、右折車線の車両速度は30(km/h)、右折車線の待機時間は6秒、平均燃費は6(km/h)、道路の傾きは下り坂である。
道路案内サーバー200は、全ての区間で得た車両速度と待機時間を用いて出発地から目的地までの平均車両速度を演算する。
進行方向を考慮しないのであれば、Route1のA交差点区間とRoute2のA交差点区間は等しい値が平均車両の速度演算に用いられる。しかし、本発明では、車線別に相違する値を用いるため、経路によって正確な平均車両速度を得ることができる。
一方、道路案内サーバー200は、全ての区間で得た平均燃費を用いて出発地から目的地までの平均燃費を演算する。
【0040】
同様に進行方向を考慮しないのであれば、Route1のA交差点区間とRoute2のA交差点区間は等しい値が平均燃費演算に用いられる。しかし、本発明では車線別に相違する値を用いるため、経路によって正確な平均燃費を得ることができる。
道路案内サーバー200は、平均速度及び平均燃費によって最適の経路を選択する。
例えば、Route1の平均速度及び平均燃費がRoute2より全て優れるのであれば、Route1を最適経路に選択し、車両100にRoute1を道路案内情報として伝送する。
Route1の平均車両速度はRoute2より優れるが、平均燃費はRoute2がさらに優れる場合、何れの経路が優れているのかは車両100運転者の選択に従い経路を提供することが好ましい。
【0041】
例えば、運転者が早い経路を望む場合は、道路案内サーバー200が平均車両速度に優れたRoute1に対する経路情報をターゲット車両100に伝送し、運転者が燃費に優れた経路を望む場合は、道路案内サーバー200が平均燃費に優れたRoute2に対する経路情報をターゲット車両100に伝送することができる。この時、車両速度を優先的に考慮すべきか、燃費を優先的に考慮すべきかの可否に対する情報はターゲット車両100の運転者から経路情報の要請を受けるとき、共に提供を受けることができる。
【0042】
さらに、道路案内サーバー200は地理情報に従い、前記と異なる経路を提案することもできる。
例えば、Route1とRoute2の平均速度及び平均燃費が10%範囲内で互いに類似すると仮定する。しかし、Route1はAC直進区間及びCD直進区間が下り坂であり、Route2はAB直進区間が上り坂でBD直進区間が下り坂であれば、下り坂が多いRoute1が運転者にさらに有利であり得る。したがって、道路案内サーバー200は、車両100にRoute1を道路案内情報として伝送する。
または、道路案内サーバー200は、Route1及びRoute2を全て提示し、下り坂、平地及び上り坂の分布を共に運転者に提供する。
【0043】
図8は、本発明で道路案内サーバー200が収集した交通情報及び燃費情報をパターン化し、データベース240に格納する場合を示す図である。
前記説明の通り、道路案内サーバー200はサーバー200に接続した全ての車両から交通情報及び燃費情報を収集することができる。
したがって、道路案内サーバー200は、全ての地域に対して全ての車両から交通情報及び燃費情報を収集し、累積してデータベース240に格納する。
図8に示す通り、ソウルの江南駅で良才驛方向の地域に対し、各曜日/時間帯別に進行方向別の車両速度、進行方向別の待機時間及び進行方向別の燃費値を累積して格納する。
【0044】
道路案内サーバー200は、当該地域を車両などが通過するたびに情報を収集し、持続的にデータベース240をアップデートする。
道路案内サーバー200は、原則としては前記説明の通り、リアルタイムで収集された交通情報及び燃費情報により経路情報を生成する。
しかし、経路に選択された区間中にその時間に車両が一台もない場合、例えば、真夜中なので車両が一台もない場合、又は当該地域の気象悪化などで通信が不安定な場合は、リアルタイムで交通情報及び燃費情報を得ることができない。
したがって、このような場合はデータベース240に格納された交通情報及び燃費情報を用いて道路案内情報を生成することができる。
【0045】
さらに、出発地から目的地まで行く途中に時間が多く経過した場合、道路状況は時々刻々変化するため、出発地で検索した最適経路とその時間の最適経路が異る場合がある。
このような場合は出発時間から一定時間まではリアルタイム交通情報及び燃費情報を用い、一定時間が経過した後にはデータベース240に格納された交通情報及び燃費情報を用いて道路案内情報を生成するようにする。
【0046】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0047】
100 ターゲット車両
110 ECU
120、220 受信部
130、230 送信部
140 ディスプレイ部
200 道路案内サーバー
210 中央処理部
240 データベース
300 地理情報サーバー
400 衛星
500 ソース車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8