(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726013
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】伸縮継手及びこれを備えたガスタービンと、伸縮継手の取付方法
(51)【国際特許分類】
F01D 25/00 20060101AFI20150507BHJP
F01D 25/30 20060101ALI20150507BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
F01D25/00 H
F01D25/30 B
F02C7/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-171625(P2011-171625)
(22)【出願日】2011年8月5日
(65)【公開番号】特開2013-36368(P2013-36368A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀行
【審査官】
寺町 健司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−25532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/30,00
F02C 7/00
F16L 51/00−04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の部材間に配置されるブーツと、
前記ブーツを前記一対の部材のうちの一方の部材に支持する第一支持部材と、
前記ブーツを前記一対の部材のうちの他方の部材に支持する第二支持部材とを備え、
これらブーツ、第一支持部及び第二支持部によって囲まれる空間に充填される断熱材と、
前記空間を密閉するように前記一対の部材間にわたって設置される密閉材とを備え、
前記密閉材に切欠部が形成され、
該切欠部の縁部と前記一対の部材のうちの少なくとも一方の部材とがスミ肉溶接されることによって、前記密閉材と前記一対の部材とが結合されていることを特徴とする伸縮継手。
【請求項2】
前記切欠部は、前記一方の部材側から前記他方の部材側に向かってUの字形状に凹むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の伸縮継手。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の伸縮継手を備えることを特徴とするガスタービン。
【請求項4】
一対の部材のうち一方の部材に第一支持部材を設置し、他方の部材に第二支持部材を設置する第一工程と、
前記第一支持部材及び前記第二支持部材によって囲まれる空間に、切欠部が形成された密閉材を挿入して、該密閉材をスミ肉溶接を用いて前記一対の部材間にわたって設置して、前記空間を密閉する第二工程と、
前記密閉材を設置した前記空間に断熱材を充填する第三工程と、
前記第一支持部材及び前記第二支持部材を介して前記一対の部材に支持されるブーツを設置する第四工程とを備えることを特徴とする伸縮継手の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種ガスタービンプラント等において特に高温となるダクト類の連結部に用いられる伸縮継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ガスタービンにおいては、運転時には高温状態に曝されるために、排気室が前部排気室と後部排気室との二室に分割されているとともに、これら二室が伸縮継手によって接続され、ガスタービンの軸方向の熱伸びに対応している。
【0003】
このような伸縮継手は、例えば特許文献1に開示されており、具体的には排気ガスの流入方向上流側に配置される前部排気室と流入方向下流側に配置される後部排気室との接続部分においてこれらを外周側から支持し、接続している。また、この伸縮継手には断熱材が充填されている。
【0004】
さらに、伸縮継手の径方向内側にはボトムシール(密閉材)が設けられている。このボトムシールは、両端部に支持部材を有しており、この支持部材が、例えばプラグ溶接等されることによって排気室の外周側に固定されて断熱材を密閉保持し、排気室内部への断熱材の脱落を防止している
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−25532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ボトムシールを設ける際には、伸縮継手の径方向外側に設けられた開口部を開放し、断熱材の充填前にこの開口部からボトムシールを挿入した後に、溶接棒を挿入してボトムシールにプラグ溶接を施工する。従って、溶接箇所から離れた位置から溶接を行なうため作業性及び視認性が好ましくない。このため溶接不良が発生してしまい、断熱材が排気室に脱落してしまう等の問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、ボトムシール(密閉材)の溶接不良を回避し、ボトムシールを確実に設置可能な伸縮継手及びこれを備えるガスタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係る伸縮継手は、一対の部材間に配置されるブーツと、前記ブーツを前記一対の部材のうちの一方の部材に支持する第一支持部材と、前記ブーツを前記一対の部材のうちの他方の部材に支持する第二支持部材とを備え、これらブーツ、第一支持部及び第二支持部によって囲まれる空間に充填される断熱材と、前記空間を密閉するように前記一対の部材間にわたって設置される密閉材とを備え、前記密閉材に切欠部が形成され、該切欠部の縁部と前記一対の部材のうちの少なくとも一方の部材とがスミ肉溶接されることによって、前記密閉材と前記一対の部材とが結合されていることを特徴とする。
【0009】
このような伸縮継手においては、切欠部を目印として溶接棒をこの切欠部に接近させることができるため、溶接箇所の特定が容易になる。また、切欠部に溶接を施すことによって、溶接作業時に第一支持部材及び第二支持部材の内壁面から離れた位置に溶接を施工でき、溶接棒が干渉することも回避可能となるため、確実に溶接を行なうことができる。さらに、切欠部と一対の部材との結合部分を離れた位置からであっても確認することができ、溶接状態の確認が容易となる。即ち、溶接時の作業性及び視認性を向上できる。また、切欠部の縁部へスミ肉溶接を施すことによって溶接長を長く取ることが可能となり、結合強度の向上につながる。
【0010】
また、本発明に係る伸縮継手の前記切欠部は、前記一方の部材側から前記他方の部材側に向かってUの字形状に凹むように形成されていてもよい。
【0011】
切欠部がUの字形状をなしていることにより、切欠部を目印にし易くなり、さらなる作業性及び視認性を確保しながら溶接作業を行なうことが可能となる。従って、溶接不良の発生を回避できる。また、密閉材を溶接する際には切欠部の縁部を溶接することによって、直交する二つの方向に溶接を施すことができ、溶接強度の向上にもつながる。
【0012】
また、本発明に係るガスタービンは、上記の伸縮継手を備えることを特徴とする。
【0013】
密閉材の切欠部を目印として溶接棒をこの切欠部に接近させることができるため、溶接箇所の特定が容易となる。また、切欠部によって、第一支持部材及び第二支持部材の内壁面から離れた位置に溶接施工が可能となるため、溶接作業時にこの内壁面に溶接棒が干渉することも回避でき、確実に溶接を行なうことができる。さらに、切欠部と一対の部材との結合部分を離れた位置からも確認することができ、溶接状態の確認が容易となる。また、スミ肉溶接によって溶接長を長く取ることができ、溶接強度向上につながる。従って、密閉材を確実に設置することができ、伸縮継手の性能向上によってガスタービンの性能及び信頼性の向上を達成できる。
【0014】
また、本発明に係る伸縮継手の取付方法は、一対の部材のうち一方の部材に第一支持部材を設置し、他方の部材に第二支持部材を設置する第一工程と、前記第一支持部材及び前記第二支持部材によって囲まれる空間に、切欠部が形成された密閉材を挿入して、該密閉材をスミ肉溶接を用いて前記一対の部材間にわたって設置して、前記空間を密閉する第二工程と、前記密閉材を設置した前記空間に断熱材を充填する第三工程と、前記第一支持部材及び前記第二支持部材を介して前記一対の部材に支持されるブーツを設置する第四工程とを備えることを特徴とする。
【0015】
このような伸縮継手の取付方法においては、上記切欠部にスミ肉溶接を施して密閉材を設置する。従って、第一工程で設置した第一支持部材と第二支持部材の内壁面から離れた位置に溶接を施工できるため、溶接棒の干渉回避が可能となり、確実に溶接を行なうことができる。さらに、切欠部と一対の部材との結合部分を離れた位置からも確認することができ、溶接状態の確認が容易となる。また、スミ肉溶接によって溶接長を長く取ることができ、溶接強度向上につながる。従って劣化した密閉材の交換の際にも、新しく密閉材を確実に容易に設置できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の伸縮継手及びガスタービンと、伸縮継手の取付方法によれば、密閉材の切欠部にスミ肉溶接を適用することによって、溶接不良を回避するとともに結合強度向上を達成でき、密閉材の設置を確実に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るガスタービンの概略図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係るガスタービンの伸縮継手の断面図である。
【
図3】伸縮継手における密閉材を拡大して示す図であって、(a)は径方向外側から見た図、(b)は周方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1から
図3を参照して、本発明の第一実施形態に係るガスタービン1について説明する。
図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮機2において生成された圧縮空気と燃料とを燃焼器3で混合した後に燃焼させ、高温ガスを生成するように構成されている。ガスタービン1では、この高温ガスをタービン4へ流入させることによって、このタービン4を軸線P回りに回転させ、回転動力を得ることができる。そして、タービン4は、例えば図示しない発電機に接続されており、このガスタービン1から得られる回転動力によって発電機を回転させることで発電が行なわれるようになっている。
【0019】
タービン4を回転させ仕事を終えた高温ガスは、排気ガスWとなって、タービン4のさらに下流に配置される排気室5より排出される。
以下では、ガスタービン1の圧縮機2側(
図1の紙面左側)を軸線P方向上流側と称し、排気室5側(
図1の紙面右側)を軸線P方向下流側と称する。
【0020】
排気室5は、軸線P方向上流側に配置される前部排気室(一方の部材)5aと、軸線P方向下流側に配置される後部排気室(他方の部材)5bと、これらの間の外周側に設けられる伸縮継手10とを備えている。
【0021】
圧縮機2及び後部排気室5bは各々架台6、8によって支持されており、タービン4は軸線P方向に移動可能な架台7によって支持されている。
【0022】
前部排気室5aは、軸線Pを中心とした略円筒形状をなす部材であり、内部を排気ガスWが流通可能とされている。
【0023】
後部排気室5bは、前部排気室5aと同様に軸線Pを中心とした略円筒形状をなす部材であって、前部排気室5aよりも軸線P方向下流側に配置され、内部を排気ガスWが流通可能とされている。
【0024】
図2に示すように、伸縮継手10は、伸縮可能とされるブーツ21と、このブーツ21の軸線P方向上流側部分に一端が固定されるとともに他端が第一固定部材41を介して前部排気室5aの外周面に固定される第一フレーム(第一支持部材)22と、ブーツ21の軸線P方向下流側部分に一端が固定されるとともに他端が第二固定部材42を介して後部排気室5bの外周面に固定される第二フレーム(第二支持部材)23とによって構成されている。
【0025】
さらに、これらブーツ21、第一フレーム22及び第二フレーム23に内側の領域、即ち、これらブーツ21、第一フレーム22及び第二フレーム23とによって囲まれる領域は、断熱材24が充填される空間Sとされている。そして、空間Sの軸線Pの径方向内側、即ち、第一固定部材41と第二固定部材42との間には第一開口部9が形成されている。
【0026】
上記断熱材24は、排気室5からブーツ21への熱伝達を抑制するものであり、上記空間Sの全域に充填されるように配置されている。
また、この上記空間Sの第一開口部9には、当該空間Sを軸線Pの径方向外側から閉塞するようにボトムシール(密閉材)25が設けられている。これによって、断熱材24が軸線Pの径方向内側に脱落することを回避している。
【0027】
なお、第一固定部材41の径方向内側を向く面には、軸線P方向下流側に向かって延在するフローライナ28がボルト30によって固定されている。このフローライナ28は排気ガスWの流れの整流化を行なうものである。
【0028】
ブーツ21は、径方向外側に向かって突出するように断面形状が凸状をなしており、伸縮性、耐久性、気密性を有する材料、例えばバイトゴムとケブラー繊維とからなるものを用いることができる。
【0029】
第一フレーム22は、径方向外側に位置する一端から前部排気室5aの外周面に固定される他端まで、外形が径方向内側及び軸線P方向上流側に向かうに従って漸次縮径する略円錐形状をなし、内部に空間を有する金属よりなる部材である。また一端には、軸線P方向上流側に折れ曲がるようにフランジ部22aが形成され、このフランジ部22aにブーツ21が載置されてボルト26及びナット27によって固定されている。
【0030】
第二フレーム23は、径方向外側に位置する一端から後部排気室5bの外周面に接続される他端まで、外形が径方向内側及び軸線P方向下流側に向かうに従って漸次縮径する略円錐形状をなし、内部に空間を形成する金属よりなる部材である。また一端には、軸線P方向下流側に折れ曲がるようにフランジ部23aが形成され、このフランジ部23aにブーツ21が載置されてボルト26及びナット27によって固定されている。
【0031】
断熱材24は、前部排気室5a及び後部排気室5bからの熱流入を防止する遮熱性を有する部材であり、例えばセラミックファイバ等の細かい繊維をガラスクロスで包んだ材料が用いられる。
なお、この断熱材24は、第一フレーム22及び第二フレーム23と、ブーツ21との間に設けられたトップシール29によって、トップ断熱材24aと内部断熱材24bとに分離されている。
【0032】
図3に示すように、ボトムシール25は、ステンレス等よりなるブレード31と、その両端に溶接等によって結合される金属製の第一固定板32及び第二固定板33を有している。また、このボトムシール25は前部排気室5a及び後部排気室5bとの間の第一開口部9を径方向外側から閉塞するように、前部排気室5a及び後部排気室5bの周方向に一周して設置される円筒形状をなしている。
【0033】
ブレード31は、ガスタービン1の運転によって軸方向に熱伸びした際に、この熱伸びを吸収するように、ステンレス板及び素線を組み編みしたものとなっている。
【0034】
第一固定板32は、金属製の部材であり、軸線P方向上流側を向く端面から軸線P方向下流側に向かって形成され、径方向外側から見た際にはUの字形状をなす切欠部32aが形成されている。そして、この第一固定板32は、第一固定部材41の径方向外側を向く面上に載置されて、切欠部32aの縁部にスミ肉溶接が施されることによって第一固定部材41に溶接結合されている。
【0035】
第二固定板33は、第一固定板32と同様に金属製の部材であり、第二固定部材42の径方向外側を向く面上に載置された状態で、第二固定板33に形成された切欠部33aの縁部にスミ肉溶接が施されることによって第二固定板33が第二固定部材42に溶接結合されている。
【0036】
次に上記伸縮継手10の取付方法の手順について説明する。
まず第一工程として、第一固定部材41を介して前部排気室5aに第一フレーム22を固定し、第一固定部材42を介して後部排気室5bに第二フレーム23を固定する。このとき、第一フレーム22と第二フレーム23との間には径方向外側に第二開口部11が形成される。
【0037】
第二工程では、ボトムシール25が、ブレード31と第一固定板32と第二固定板33とが予め一体とされた状態で、第二開口部11から空間S内へ挿入され、第一開口部9を閉塞するように第一固定部材41及び第二固定部材42の径方向外側を向く面上に載置される。そして、第二開口部11から溶接棒を空間Sへ挿入し、第一固定板32及び第二固定板33の切欠部32a、33aの縁部に対してスミ肉溶接を施し、ボトムシール25を固定する。
【0038】
第三工程では、上記第二開口部11から空間S内部へ内部断熱材24bを充填した後に、第一フレーム22及び第二フレーム23のフランジ部22a、23aの径方向外側を向く面上に載置するようにトップシール29を設置し、内部断熱材24bを密閉する。さらに、第二開口部11よりトップ断熱材24aを充填する。
【0039】
最後に第四工程として、径方向外側より第二開口部11を閉塞するようにブーツ21を設置し、ボルト26、ナット27によって固定する。
【0040】
このようなガスタービン1においては、運転時には高温環境に曝されるため、軸線P方向の熱伸びが発生する。そして熱伸びが発生した際には伸縮継手10におけるブーツ21が軸線P方向に向かって伸張する。また、運転停止後に温度が低下しガスタービン1が軸線P方向に向かって収縮する際にはブーツ21が収縮する。このようにしてガスタービン1の軸線P方向の熱変位を吸収する。
なお、架台7は軸線P方向に移動可能とされており、ガスタービン1の伸縮に対応している。
【0041】
また、ボトムシール25のブレード31についても、ガスタービン1の熱変位に応じて、ブレード31自身を構成するステンレス板及び素線同士が組み編み角度を調節し、軸線P方向の変位を吸収するように伸縮する。
【0042】
ここで本実施形態では、切欠部32a、33aの縁部を溶接することでボトムシール25を第一固定部材41及び第二固定部材42に結合するため、離れた位置から溶接作業を行なっても、この切欠部32a、33aを目印に溶接棒を接近させることができる。また、溶接作業時には、第一フレーム22及び第二フレーム23の内壁面から離れた位置に溶接施工でき、第一フレーム22及び第二フレーム23の内壁面に溶接棒が干渉することも回避できるため、確実に溶接を行なうことができる。
【0043】
さらに、第一固定部材41及び第二固定部材42の径方向外側を向く面と、切欠部32a、33aとの結合部分を離れた位置からも目視することができ、溶接状態の確認が容易となる。従って、作業性と視認性とを向上しながら溶接作業ができる。
【0044】
そして、切欠部32a、33aの縁部にスミ肉溶接を施すことによって、溶接長を長く取ることができるとともに、周方向と軸線P方向の両方向に溶接することも可能となり、結合強度の向上を図ることができる。
【0045】
本実施形態に係るガスタービン1によれば、伸縮継手10のボトムシール25溶接時の作業性及び視認性を向上でき、また、溶接長の長く取ることができるとともに溶接方向も二つの方向とすることが可能となるため、ボトムシール25の溶接不良を回避し、確実に設置できる。
【0046】
そして、ガスタービン1の熱変位によってボトムシール25のブレード31が伸縮し、切欠部32a、33aに応力が作用した際にも、ボトムシール25の溶接強度の向上によって、これら切欠部32a、33aと第一固定部材41及び第二固定部材42との溶接結合が解除されることを防止できるため、断熱材24の排気室5への脱落を防ぐことができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態についての詳細説明を行なったが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
ボトムシール25のブレード31に形成される切欠部32a、33aは、Uの字形状に限定されることなく、例えば径方向外側より見た時に円弧形状等をなしていてもよい。
【0048】
また、実施形態では、第一固定板32と第二固定板33との両方に切欠部32a、33aを設けスミ肉溶接を行なう例を説明したが、例えば、第一固定板32と第二固定板33のいずれか一方のみをプラグ溶接としてもよい。
【0049】
なお、上記実施形態ではガスタービン1の排気室5に伸縮継手10を適用した例を説明したが、ガスタービン1に限定されることなく、例えば、高温となる各種プラントのダクト等にも用いることができる。
【符号の説明】
【0050】
1…ガスタービン、2…圧縮機、3…燃焼器、4…タービン、5…排気室、5a…前部排気室、5b…後部排気室、6…架台、7…架台、8…架台、9…第一開口部、10…伸縮継手、11…第二開口部、21…ブーツ、22…第一フレーム(第一支持部)、22a…フランジ部、23…第二フレーム(第二支持部)、23a…フランジ部、24…断熱材、24a…トップ断熱材、24b…内部断熱材、25…ボトムシール、26…ボルト、27…ナット、28…フローライナ、29…トップシール、30…ボルト、31…ブレード、32…第一固定板、32a…切欠部、33…第二固定板、33a…切欠部、41…第一固定部材、42…第二固定部材、52…第一固定板、52a…溶接孔、53…第二固定板、53a…溶接孔、55…従来型ボトムシール、P…軸線、W…排気ガス、S…空間