(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726093
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】タンポン・アプリケータユニット
(51)【国際特許分類】
A61F 13/32 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
A61F13/20 351
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-550486(P2011-550486)
(86)(22)【出願日】2010年2月23日
(65)【公表番号】特表2012-518443(P2012-518443A)
(43)【公表日】2012年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2010001109
(87)【国際公開番号】WO2010094507
(87)【国際公開日】20100826
【審査請求日】2013年1月28日
(31)【優先権主張番号】A294/2009
(32)【優先日】2009年2月23日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】511205677
【氏名又は名称】ルークグリ プロジェクツ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100167852
【弁理士】
【氏名又は名称】宮城 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ルカ タンブリン
【審査官】
新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−125321(JP,U)
【文献】
特開平07−000451(JP,A)
【文献】
特開昭59−171551(JP,A)
【文献】
米国特許第05330421(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入端部と後方端部とを備えたタンポン・アプリケータユニットであって、吸収性材料から成るタンポン(1)と、外管(13)及び該外管内をテレスコープ式に摺動可能な内管(7)から成るアプリケータとを有しており、外管(13)が、その挿入端部に一体成形された、少なくとも2つの内向きの閉鎖区分(15)を有しており、外管(13)の閉鎖区分(15)が、外管の挿入端部から出発する複数のスリット(16)によって互いに分離されており、タンポン(1)が、その挿入端部で以て内管(7)の挿入端部から突出しており且つ納品状態では外管内(13)に完全に収容されており、内管(7)が、その挿入端部に一体に成形された少なくとも2つの内向きの閉鎖区分(9)を有しており、これらの閉鎖区分が、内管の挿入端部から出発する複数のスリット(10)によって互いに分離されている形式のものにおいて、
内管(7)は、該内管(7)を外管(13)から引き戻す前は、タンポン(1)のヘッド(4)が外管(13)の閉鎖区分(15)から突出する、押し出された位置を有しており、その際に外管(13)の閉鎖区分(15)の終縁部(17)が、タンポンボデー(2)の外周面と接触面(5)とに係合して、タンポン(1)を外管(13)に関して所定の位置にしっかりと保持するようになっており、次いで内管が引き戻された位置では、内管(7)の閉鎖区分(9)が内側に向かって跳ね戻って、内管(7)がタンポンボデー(2)の背面側の端面の後方に位置して、タンポン(1)を外管(13)から押し出せるようになっており、
外管(13)の内側表面は、前記閉鎖区分(15)から出発して平滑な壁によって、内側に向かって突出してタンポン(1)を保持するような突出部無しで形成されていることを特徴とする、タンポン・アプリケータユニット。
【請求項2】
前記スリット(16)の、挿入端部から遠い方の端部の領域において、2つのスリット(16)間にそれぞれ外管(13)の周方向に延びる切込み部(18)が配置されている、請求項1記載のタンポン・アプリケータユニット。
【請求項3】
外管(13)の、挿入端部から遠い方の端部の領域に、把持領域(14)が形成されており、該把持領域が、外管(13)の外側表面に配置された複数の隆起部及び/又は凹部から成っている、請求項1又は2記載のタンポン・アプリケータユニット。
【請求項4】
内管(7)に設けられたスリット(10)の、挿入端部から遠い方の端部の領域において、2つのスリット(10)間にそれぞれ内管(7)の周方向に延びる切込み部(12)が配置されている、請求項3記載のタンポン・アプリケータユニット。
【請求項5】
内管(7)の、挿入端部から遠い方の端部の領域に、把持領域(8)が形成されており、該把持領域が、内管(7)の外側表面に配置された複数の隆起部及び/又は凹部から成っている、請求項1から4までのいずれか1項記載のタンポン・アプリケータユニット。
【請求項6】
内管(7)及び/又は外管(13)が、繊維を含む材料から製作されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のタンポン・アプリケータユニット。
【請求項7】
タンポンボデー(2)が、その挿入端部に直径を拡径されたヘッド(4)を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載のタンポン・アプリケータユニット。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載のタンポン・アプリケータユニットにおいてタンポンを位置決めするための方法であって、以下のステップ、即ち:
イ)タンポン(1)を内管(7)の後端部から、タンポン(1)のヘッド(4)が内管(7)の挿入端部に設けられた閉鎖区分(9)を外側に向かって押し出し且つタンポン(1)の挿入端部が内管(7)から突出するまで、内管(7)に挿入し、
ロ)内管(7)を、該内管(7)内に収容されたタンポン(1)と一緒に、外管(13)の後端部から挿入し、
ハ)外管(13)から内管(7)を引き戻してタンポン(1)を押し出す前に、内管(7)を外管(13)内で、タンポン(1)のヘッド(4)が外管(13)から突出するまで押し出し、
ニ)外管(13)の閉鎖区分(15)の終縁部(17)が、タンポンボデー(2)の外周面及びタンポン(1)の接触面(5)に係合し、前記閉鎖区分(15)により、タンポン(1)を外管(13)に関して所定の位置にしっかりと保持する
ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のタンポン・アプリケータユニットにおいてタンポンを位置決めするための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入端部と後方端部とを備えたタンポン・アプリケータユニットであって、吸収性材料から成るタンポンと、外管及び該外管内をテレスコープ式に摺動可能な内管から成るアプリケータとを有しており、外管が、その挿入端部に一体成形された、少なくとも2つの内向きの閉鎖区分を有しており、タンポンが、その挿入端部で以て内管の挿入端部から突出しており且つ外管内に完全に収容されている形式のものに関する。
【0002】
吸収性タンポンを体腔に挿入するためのタンポンアプリケータは、ずっと以前から公知である。あるタイプのタンポンアプリケータでは、タンポンが管内に配置されており、このタンポンを管から押し出すために、複数の押し出し手段が設けられている。これらの押し出し手段は、例えば前記の管内でテレスコープ式に摺動可能な別の管から成っていてよい。これらの公知のタンポンアプリケータの1つの問題は、タンポンアプリケータが使用可能な状態で納品される場合に、保管及び搬送に際して比較的長尺であり延いては扱いにくいという点にある。この問題を解決するためには、いわゆる「コンパクトアプリケータ」が開発された。これらのコンパクトアプリケータは、2本のテレスコープ式の管から成っており、この場合、タンポンは納品状態において内管内に配置されており且つこの内管と一緒に外管内に配置されている。使用するためには、まず最初に内管を引き戻さねばならず、これにより、次いで押し出し運動時にタンポン後部に係合し且つこのタンポンを外管から押し出すことができる。タンポンが内管の引き戻しに際して連行はされず、外管内に留まるようにするためには、種々様々な形式の保持手段が公知である。
【0003】
ヨーロッパ特許第1704841号明細書に記載されたコンパクトアプリケータの場合は、タンポンが納品状態において内管に収容されており、しかも、タンポンは内管から挿入方向に突出している。タンポンを備えた内管は外管に収容されており、この外管は挿入端部において、ばね弾性的な閉鎖区分によって球欠状(ドーム状)に閉鎖されている。これらの閉鎖区分の基部付近において、外管には内側に向けられた複数の突出部が配置されており、これらの突出部は、タンポンの、内管から突出している領域に係合して、内管が引き戻される際に、タンポンが挿入方向とは逆方向で外管から引き出されることを防止する。
【0004】
例えば上で説明したような保持手段の製作は、著しい手間と結びついている。プラスチック製のアプリケータの場合には、前記のような保持手段は工具コストを著しく高め、例えばボール紙等の繊維材料から成るアプリケータの場合には、同時に外管の端部に閉鎖区分が存在していると、内側に向かって突出するような突出部の形で保持手段を製作することは事実上不可能である。
【0005】
DE69209085T2に記載されたコンパクトアプリケータは、別個のタンポン保持手段を有してはいない。内管の引き戻しに際するタンポンの保持は、外管の挿入側の縁部と、タンポン先端部のキノコ形状とによって保証される。タンポンの拡大されたヘッドは、アプリケータを使用準備状態にするために内管が引き戻される際に、タンポンが外管に引き込まれることを防止する。しかしこの場合、タンポンの挿入端部は既に納品状態において外管から突出しており、このことは衛生上の観点から好ましくない。
ヨーロッパ特許第0605016号明細書には、外管及び内管を備えたタンポン・アプリケータユニットが記載されている。内管を引き戻す際に、タンポンが外管から引き出されることを防止するためには、外管が内側に向かって突出した1つの突起を有している。
米国特許第4276881号明細書に記載のタンポン・アプリケータユニットの場合は、内管がテレスコープ式に外管内で摺動可能である。内管を引き戻す際に、タンポンが外管から滑り出すことを防止するためには、外管が内側に向かって突出した複数の突出部を有している。
米国特許第4891042号明細書は、互いにテレスコープ式に摺動可能な内管及び外管を備えたタンポン・アプリケータユニットに関する。この構成においても、外管が内側に向かって突出する複数の突出部を有しており、これらの突出部が、内管の引き戻しに際してタンポンを外管内に保持する。
米国特許第4286595号明細書に記載されたタンポン・アプリケータユニットは、外管に対して可動の内管を有している。内管の引き戻しに際してタンポンを保持するためには、外管に、内側に向かって突出した複数の突出部28が設けられている。
米国特許第5330421号明細書には、外管及び内管を備えたタンポン・アプリケータユニットが記載されている。外管は、保持管と、この保持管に接着された管とから形成される。次いで、これらの管の接着部によって、外管の閉鎖区分に、外管内部に突出するエッジが形成される。外管から内側に突出するような突出部を成している前記エッジは、外管内でテレスコープ式に運動可能な内管の引き戻しに際して、タンポンを外管内に保持するために役立つ。
【0006】
この従来技術から出発して、本発明の課題は、簡単且つ廉価に製作可能であり、しかも、使用前のタンポンが完全にアプリケータ内に収容されており、これによって接触から保護されているタンポン・アプリケータユニットを提案することにある。
【0007】
この課題は本発明に基づき、外管の内側の表面が、閉鎖区分から出発して平滑な壁によって、内側に向かって突出するような突出部無しで形成されていることによって解決される。
【0008】
この本発明による解決手段は、内管の引き戻し時にタンポンを外管内に保持するためには、外管に、内側に向かって突出するような突出部を全く配置せずに済む、という利点を有している。使用時にタンポンは、内管の押し出しに基づき、該タンポンが外管の閉鎖区分を外側に向かって押し出して、一部が外管から突出するまで、外管内で押し出される。次いで内管が引き戻されると、タンポンは外管の閉鎖区分によって、外管内で押し出された位置にしっかりと保持される。
【0009】
本発明の1構成では、外管の閉鎖区分が、外管の挿入端部から出発する複数のスリットによって互いに分離されている。このように形成された閉鎖区分は、極めて簡単に製作され得る。
【0010】
別の1構成では、スリットの、挿入端部から遠い方の端部の領域において、2つのスリット間に、それぞれ外管の周方向に延びる切込み部が配置されている。これらの切込み部は、閉鎖区分が、この閉鎖区分を通って進入するタンポンによって半径方向外側に曲げられると、隣接する各閉鎖区分のためにヒンジとして働く。
【0011】
別の1構成では、外管の、挿入端部から遠い方の端部の領域に把持領域が形成されており、この把持領域は、外管の外側表面に配置された隆起部及び/又は凹部から成っている。把持領域は、当該ユニットの取り扱いに際して、指とのスリップを防止する。
【0012】
別の1実施例では、内管がその挿入端部に、一体に成形された少なくとも2つの内向きの閉鎖区分を有しており、これらの閉鎖区分は、内管の挿入端部から出発する複数のスリットによって互いに分離されている。前記閉鎖区分は、ユニットの納品状態では、タンポンをこれらの閉鎖区分間に収容しており且つ内管が、外管内に保持されたタンポンの後方まで引き戻された後に、ばね弾性的に内側に向かうので、次いで内管を押し出すと、タンポンの後端部に当接する。
【0013】
更に別の1構成では、内管に設けられたスリットの、挿入端部から遠い方の端部の領域において、2つのスリット間にそれぞれ内管の周方向に延びる切込み部が配置されている。これらの切込み部は、閉鎖区分がこの閉鎖区分を通って進入するタンポンによって半径方向外側に曲げられると、隣接する各閉鎖区分のためにヒンジとして働く。
【0014】
更に別の1構成では、内管の、挿入端部から遠い方の端部の領域に、把持領域が形成されており、この把持領域は、内管の外側表面に形成された複数の隆起部及び/又は凹部から成っている。把持領域は、特に内管の軸方向摺動時に、指とのスリップを防止する。
【0015】
有利な1構成では、外管及び/又は内管が、繊維を含む材料、特にボール紙から製作されている。この材料は、製作及び加工において廉価であり、更に環境に優しく処分することができる。
【0016】
最後に、更に別の1構成では、タンポンがその挿入端部に、直径を拡径されたヘッドを有している。これにより、内管が引き戻されるときに、特に有利な形式で外管の閉鎖区分によって、押し出されたタンポンが外管内に引き戻されることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるタンポン・アプリケータユニット用のタンポンを示した図である。
【
図2】
図1に示したタンポンを収容するための内管を示した図である。
【
図3】
図2に示した内管を収容するための外管を示した図である。
【
図4】
図1から
図3に示した、複数のコンポーネントから成るタンポン・アプリケータユニットの供給状態における外観を示した図である。
【
図7】内管がタンポンと一緒に押し出された後のユニットの斜視図である。
【
図8】内管が
図7に示した位置から引き戻された後のユニットの斜視図である。
【
図9】タンポンが完全に押し出された後の各コンポーネントの斜視図である。
【0018】
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【0019】
以下の説明では、全てのコンポーネントにおいて、使用時に最初に体腔に挿入されるために規定されている端部を、挿入端部と呼ぶ。この挿入端部は、全ての図面1〜9において右側に描かれている。これに対応して、全てのコンポーネントの、前記挿入端部に対向位置する端部は、後方端部と呼ばれる。
【0020】
図1には、本発明によるユニットで使用するためのタンポン1の1実施例が示されている。このタンポンは、アプリケータを用いてのみ挿入され得る、比較的弱く圧縮されたタンポンであるか、又はアプリケータを用いずに、手で挿入することを可能にする剛性を有する程度の強さで圧縮されている、いわゆるデジタルタンポンであってもよい。タンポン1は、圧縮された、吸収性を有する繊維材料から成るタンポンボデー2と、引き戻しコード3とを有しており、これにより、タンポンを使用後に体腔から引き出すことができるようになっている。本実施例では、タンポンボデー2はほぼ円筒形の部分と、図面右側の挿入端部において丸みを付けられたヘッド4とを有しており、このヘッド4の外径は、タンポンボデー2の円筒形の部分よりもやや大きい。円筒形の部分とヘッド4との間には、環状の接触面5が形成されており、この接触面5の機能については後で説明する。タンポンボデー2は、ヘッド4に対向位置するように背面側の端面6を有している。ここで強調しておくと、本発明によるユニットは、上で説明した、
図1に示したタンポンに限定されるものではない。
【0021】
図2には、本発明によるユニットのための内管7の一例が示されている。この内管7は、有利には引き戻し端部付近の外側表面に、把持領域8を有しており、この把持領域8は、以下に説明する外管13内で内管7を軸方向で摺動させる場合に、指とのスリップを防止する、という課題を有している。把持領域8は、外管13の外側表面に配置された複数の隆起部及び/又は凹部から成っており、これらの隆起部及び/又は凹部は、例えばエンボス加工により形成されていてよい。図示の実施例では、把持領域8は交互に配置された複数の環状の溝とリブとから成っている。内管7は、挿入端部において、所定数の閉鎖区分9によって少なくとも部分的に閉鎖されている。これらの閉鎖区分9は、スリット10によって内管の材料から形成されており、且つ当該閉鎖区分9の表面が、ほぼ球区分の形状を有するように、内側に向かって曲げられている。少なくとも2つのスリット10が設けられており、図示の実施例では8つのスリットが設けられている。閉鎖区分9の自由端部は、有利には完全に尖っているのではなく、内管7の長手方向軸線に対して直角に延びる終縁部11を有している。これにより、挿入端部には円形開口(
図6参照)が残されるので、挿入端部はむしろ1つの球ゾーンの形を有している。閉鎖区分9を、必要な場合にはやや外側に向かって曲げさせるためには、当該閉鎖区分9のベース領域において、内管7に環状の切込み部12が設けられていてよく、この切込み部12は、ヒンジと同様に働く。
【0022】
図3には、本発明によるユニットのための外管13の一例が示されている。この外管13は、原則として内管7と同様に構成されているが、やや短くなっており且つ比較的大きな直径を有しているので、外管13は内管7をテレスコープ式に内部に収容することができる。また、外管13も把持領域14と、挿入端部に配置された、複数のスリット16によって外管13の材料から形成されている閉鎖区分15とを有している。少なくとも2つのスリット16が設けられており、図示の実施例では8つのスリットが設けられている。これらのスリット16は、外管の挿入端部から出発しており且つ図示の実施例では外管の長手方向軸線に対して平行に延びている。但し、スリットは前記長手方向軸線に対して所定の角度で延びていてもよい、即ち、螺旋形状を有していてもよい。このことは、内管7に設けられたスリット10についても同様に当てはまる。内管7の場合と同様に、外管13の場合も閉鎖区分15は終縁部17を有しており且つ切込み部18に基づいて、僅かに可動となっていてよい。
【0023】
内管7及び外管13は、有利にはボール紙から成っており、且つ例えばストリップ形の材料を螺旋状に巻成して接着することにより形成されている。
【0024】
図4及び
図5には、タンポンユニットが組み立てられた状態で示されており、
図4はその外観を、
図5は断面を示している。複数のコンポーネントの組み立ては、まず最初にタンポン1が
内管7の後端部から、タンポンのヘッド4が内管7の挿入端部に設けられた閉鎖区分9を外側に向かって押し出し且つ
タンポン1の挿入端部が内管から突出するまで、内管7に挿入されることによって行われる。
図5から判るように、閉鎖区分9の終縁部11は、その弾性回復特性に基づいて、タンポンボデー2の外面に接触している。次いで、内管7が、この内管7に収容されたタンポン1と一緒に、外管13の後端部からこの外管13に、最大でもタンポンのヘッド4が閉鎖区分15の内側に接触するまで、挿入される。
図4及び
図5に示したようなコンポーネントの相互位置で、当該ユニットは包装されて、納品される。本発明の利点のうちの1つは、タンポンがユニットの納品状態では、アプリケータによって完全に取り囲まれている、という点にある。
【0025】
図6〜
図9には、本発明によるユニットの使用に際する過程が示されている。
図6は、上で
図4及び
図5に関して説明した納品状態におけるユニットを示している。
図6から良好に認識されるように、閉鎖区分15が尖って延びているのではなく、終縁部17を有している場合には、外管13の先端に円形開口が残されている。ユニットの使用時に内管7を外管13から引き戻す前に、
図7に示したように、内管7はまず最初に、タンポン1のヘッド4が外管13から突出するまで、挿入方向に押し出されねばならない。このステップは、体腔内にユニットを挿入する前又は後に行うことができる。後者の方が、衛生上の観点からより好適であり、特に、タンポンがほぼ体内の規定位置に位置している場合に初めて体組織と接触することが望ましい作用物質を有している場合にも、推奨に値する。
【0026】
今、
図7に示した位置から出発して、内管7が引き戻される。この場合、内管に収容されたタンポン1が、このタンポンの外面と外管13の内面との間に生じる摩擦によって、後方に向かって一緒に引っ張られるという傾向が生じる。但し、このことは外管13の閉鎖区分15によって防止され、これらの閉鎖区分15は、タンポンボデー2の外周面と接触面5とに係合して、タンポンを外管13に関して所定の位置にしっかりと保持する。次いで、内管7は、その挿入端部がタンポンボデーの背面側の端面6の後方に位置するまで、後方に向かって運動される。この瞬間に、内管の閉鎖区分9は、その弾性予負荷に基づき内側に向かって跳ね戻る。この過程ははっきりと知覚可能である。なぜならば、内管7の引き戻しに抗して作用する、内管とタンポンとの摩擦によって惹起された抵抗が、突然弱まるからである。これは、内管の引き戻しを終了するためのサインである。体腔に当該ユニットを挿入することが、既に前もって行われていない場合、これは今到達した、
図8に示した位置でもまだ可能である。
【0027】
図8に示した位置から出発して、内管7は挿入方向に運動され、この場合、内管7の前方に向けられた閉鎖区分9が、タンポンボデー2の背面側の端面6に接触し、その結果、
図9に示したように、タンポン1が外管13から押し出される。
【0028】
本発明は、上で図示の実施例に基づき説明したが、この実施例に限定されるものではない。特に、タンポン1が直径を拡径されたヘッド4を有していることは、必ずしも必要ではない。むしろ、外管内へのタンポンの引き戻しを防止するためには、閉鎖区分15の端部がタンポンの表面に係合することができる。この場合、閉鎖区分の端部は尖って形成されていてよく、これにより、タンポンが引き戻されるときに、前記端部がタンポンの表面に侵入する。択一的又は付加的に、タンポンはその表面に複数の凹部を備えていてよく、これらの凹部は、前記閉鎖区分の端部の係合を促進する。前記凹部は、例えば環状の溝として形成されていてよい。
【0029】
最後に指摘しておくと、当該ユニットの構成をより良く理解するために、当該ユニット若しくはそのコンポーネントは、部分的に縮尺通りではなく且つ/又は拡大して且つ/又は縮小して図示された。