特許第5726098号(P5726098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726098
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
   A63F7/02 304Z
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 326Z
【請求項の数】4
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2012-19296(P2012-19296)
(22)【出願日】2012年1月31日
(65)【公開番号】特開2013-154116(P2013-154116A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】松永 崇
(72)【発明者】
【氏名】黒木 正輝
(72)【発明者】
【氏名】木股 健二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 臣
(72)【発明者】
【氏名】岡田 淳
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−035913(JP,A)
【文献】 特開2008−295551(JP,A)
【文献】 特開平10−108940(JP,A)
【文献】 特開2013−027572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光装置を備えた遊技機において、
記発光装置毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段と、
前記モード選択手段での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段と、
前記モード記憶手段に記憶されている情報に基づいて各発光装置を個別に発光制御する発光制御手段と
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段および賞球に関する情報を記憶する払出し記憶手段と、
前記主記憶手段および払出し記憶手段を初期化するクリア手段とを備え、
前記モード記憶手段は、前記クリア手段では初期化されないよう構成した
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数の発光装置を備えた遊技機において、
前記発光装置毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段と、
前記モード選択手段での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段と、
前記モード記憶手段に記憶されている情報に基づいて各発光装置を個別に発光制御する発光制御手段と、
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段と、
前記主記憶手段を初期化するクリア手段とを備え、
前記モード記憶手段は、前記クリア手段では初期化されないよう構成した
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記発光制御手段は、発光制御設定情報記憶手段およびモード選択手段を備えた請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
機前面側を構成し、第1の発光装置を備える前面部材と、該前面部材が組み付けられる本体枠に配設され、第2の発光装置を備える遊技盤と、該遊技盤に配設され、第3の発光装置を備える図柄表示装置とを有し、
前記第1〜第3の発光装置の発光制御設定情報が、前記モード記憶手段に第1〜第3の発光装置毎に個別に記憶されるよう構成した請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出を行なう各種発光装置を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の設置枠台に固定される固定枠としての外枠と、該外枠に対して開閉可能に支持されて遊技盤を着脱可能に保持する本体枠としての中枠と、該中枠の前側に開閉可能に支持されてパチンコ機前面を装飾すると共に遊技盤を透視保護する装飾枠としての前枠(前面部材)とを基本的に備えている。またパチンコ機では、前記遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状の装飾部材(所謂センター役物)が配設されて、該装飾部材の開口から液晶式の図柄表示装置を臨ませ、この図柄表示装置で図柄組み合わせゲームやリーチ演出等の遊技演出を行なうよう構成されている。
【0003】
前記パチンコ機では、LED等の発光手段を備えた電飾を前記前枠や遊技盤に配設し、前記図柄表示装置の図柄変動ゲームに合わせて発光手段を点灯・点滅等することで、演出効果の向上を図ることが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−336432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したようにパチンコ機は、前枠や遊技盤に配設された電飾や、図柄表示装置が備えたバックライト等の発光装置を多数備えており、遊技者による遊技中はもとより、遊技が行なわれていない非遊技中においても、客寄せ効果を期待して発光装置を点灯・点滅したり図柄表示装置でデモンストレーション演出を行なっている。このため、電気消費量が増加し、電気コストが嵩む問題があった。
【0006】
ここで、パチンコ機で遊技が行なわれていない非遊技中に、発光装置を消灯したり、発光装置の消費電力を低減することで、電力の浪費を抑えることは可能である。しかるに、遊技店によっては、全ての発光装置を一律に消灯したり、全ての発光装置の消費電力を低減することを望まず、所望とする部分の発光装置のみを消灯したり、または図柄表示装置でのデモンストレーション演出のみを停止する等、必要箇所のみの節電を行ない得る形態が希求されている。
【0007】
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、複数の発光装置を個別に節電モードにし得る遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
複数の発光装置(18,17c,85)を備えた遊技機において、
記発光装置(18,17c,85)毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段(35,36)と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段(65c)と、
前記モード選択手段(35,36)での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段(65c)と、
前記モード記憶手段(65c)に記憶されている情報に基づいて各発光装置(18,17c,85)を個別に発光制御する発光制御手段(65a)と
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段(60c)および賞球に関する情報を記憶する払出し記憶手段(60c)と、
前記主記憶手段(60c)および払出し記憶手段(60c)を初期化するクリア手段(83,83a,84,84a)とを備え、
前記モード記憶手段(65c)は、前記クリア手段(83,83a,84,84a)では初期化されないよう構成したことを要旨とする。
【0009】
請求項1に係る発明によれば、複数の発光装置毎に、通常モードまたは節電モードを選択可能に構成したので、遊技機を遊技店の要望に応じた節電態様に設定することができる。また、遊技に関する記憶や賞球に関する記憶をクリア手段によって初期化する場合であっても、モード記憶手段に記憶している記憶内容は初期化されないので、クリア手段でクリア操作を行なう毎にモードを再び選択設定する操作を必要としない。
【0010】
請求項に記載の発明では、前記発光制御手段(65a)は、発光制御設定情報記憶手段(65c)およびモード選択手段(35,36)を備えたことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、既存の遊技機に対して発光制御手段を交換するだけで、通常モードまたは節電モードを各発光装置毎に個別に選択可能な態様に変更できる。
【0011】
請求項に記載の発明では、機前面側を構成し、第1の発光装置(18)を備える前面部材(13)と、該前面部材(13)が組み付けられる本体枠(12)に着脱自在に配設され、第2の発光装置(85)を備える遊技盤(20)と、該遊技盤(20)に配設され、第3の発光装置(17c)を備える図柄表示装置(17)とを有し、
前記第1〜第3の発光装置(18,85,17c)の発光制御設定情報が、前記モード記憶手段(65c)に第1〜第3の発光装置(18,85,17c)毎に個別に記憶されるよう構成したことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、前面部材、遊技盤および図柄表示装置が備える各発光装置について、個別に通常モードまたは節電モードに選択設定することができる。
【0012】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明は、
複数の発光装置(18,17c,85)を備えた遊技機において、
前記発光装置(18,17c,85)毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段(35,36)と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段(65c)と、
前記モード選択手段(35,36)での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段(65c)と、
前記モード記憶手段(65c)に記憶されている情報に基づいて各発光装置(18,17c,85)を個別に発光制御する発光制御手段(65a)と、
技に関する情報を記憶する主記憶手段(60c)と
前記主記憶手段(60c)を初期化するクリア手段(83,83a,84,84a)とを備え、
前記モード記憶手段(65c)は、前記クリア手段(83,83a,84,84a)では初期化されないよう構成したことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、複数の発光装置毎に、通常モードまたは節電モードを選択可能に構成したので、遊技機を遊技店の要望に応じた節電態様に設定することができる。また、遊技に関する記憶をクリア手段によって初期化する場合であっても、モード記憶手段に記憶している記憶内容は初期化されないので、クリア手段でクリア操作を行なう毎にモードを再び選択設定する操作を必要としない。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る遊技機によれば、発光装置毎に通常モードまたは節電モードに個別に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
図2】実施例に係る遊技盤を示す正面図であって、特図表示器、特図保留表示部、普図表示器、普図保留表示部を拡大して示している。
図3】大当り遊技の種類を示す説明図である。
図4】特図入力処理の流れを示すフローチャートである。
図5】特図開始処理の流れを示すフローチャートである。
図6図5のステップB15に続く処理の流れを示すフローチャートである。
図7図5のステップB19に続く処理の流れを示すフローチャートである。
図8】実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
図9】電力消費モード選択設定処理の流れを示す説明図であって、各工程毎に図柄表示装置に表示される画面を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0017】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行なう演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠(機前面側を構成する前面部材)13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。実施例では、前記中枠12に配設される遊技盤20は、該中枠12に着脱自在に配設される前枠13に対して相対的に着脱自在となっているものであるが、該遊技盤20を前枠12に着脱自在に配設し、遊技盤20を配設した前枠12を中枠12に着脱自在に配設する構成を採用し得る。
【0018】
実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、前記上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0019】
前記前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するよう第1電飾装置(発光装置、第1の発光装置)18が配設されると共に、中枠12の下部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段,ナビゲーション手段)19が配設されている。すなわち、前記第1電飾装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記第1電飾装置18やスピーカ19も演出実行手段として機能している。
【0020】
前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。
【0021】
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、遊技者や遊技場の従業員が操作可能な操作手段としての第1操作ボタン35および第2操作ボタン36が設けられている。実施例では、第1操作ボタン35は、1つのボタンを備えた押しボタン式とされ、第2操作ボタン36は、押しボタン式の左ボタン36aおよび左ボタン36bを備えたものが採用されている。両操作ボタン35,36は、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲーム中や大当り遊技中等)に、その操作が有効とされて、操作ボタン35,36の押下を契機として図表示装置装置17の演出画像が変化したり、後述する可動体37,38が移動するよう構成された演出用の操作ボタンである。また操作ボタン35,36は、パチンコ機10が備える発光装置(17c,18,85)の消費電力に係るモード(通常発光制御モード、節電モード)を変更する際にも操作が有効とされて、該操作ボタン35,36の押下によってモードが選択設定可能に構成されている。前記第1操作ボタン35および第2操作ボタン36は、該ボタン35,36を押下したときに操作信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに出力し、該統括制御CPU65aは操作信号に応じて前記図柄表示制御装置17や可動体37,38の作動機構等を制御すると共に、発光装置(17c,18,85)の消費電力に係るモードを設定するよう構成される。なお、第1操作ボタン35および第2操作ボタン36(左右のボタン36a,36b)の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン35,36の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。具体的には、操作が有効である場合には、ランプ装置が点灯し、操作が無効である場合にはランプ装置が消灯するようになっている。すなわち、操作ボタン35,36の内部に配設されたランプ装置は、ナビゲーション手段としても機能する。
【0022】
前記パチンコ機10の裏側には、パチンコ機10の電源制御を行なう電源基板82、球払出装置75を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)76、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている(図8参照)。電源基板82には、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ83aおよび後述するメイン制御RAM60cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ84aが設けられている。また電源基板82には、前記電源スイッチ83aに接続し、該電源スイッチ83aのON−OFFの切り替えに応じて後述するメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源監視回路83が設けられると共に、前記クリアスイッチ84aに接続するクリア回路84が設けられている。実施例では、クリアスイッチ84aをON操作した状態で電源スイッチ83aをON操作したときに限り、メイン制御基板60にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60がメイン制御RAM60cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では電源監視回路83、電源スイッチ83a、クリア回路84およびクリアスイッチ84aからクリア手段が構成される。なお、クリア回路84とクリアスイッチ84aとからクリア手段を構成し、クリアスイッチ84aをON操作したときにクリア回路84からメイン制御基板60にクリア信号を出力する構成を採用し得る。
【0023】
前記払出制御基板76は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(図8参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60から入力される制御信号に基づいて、払出制御基板76が球払出装置75を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。そして、本実施例のパチンコ機10では、各種の遊技状態に関連付けた賞球数を、後述するメイン制御RAM60cおよび統括制御RAM65cに夫々賞球個数情報として記憶し得るよう構成されている。
【0024】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞装置29等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0025】
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口(始動入賞手段)31a,31bを有する始動入賞装置30および特別入賞口(特別入賞手段)を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。また遊技盤20には、遊技領域20a内に打ち込まれたパチンコ球を検出する打込球検出センサ(図示せず)が配設され、該打込球検出センサの球検出信号が、メイン制御基板60、払出制御基板76および外部端子板77を介してホールコンピュータ78に出力されるようになっている。なお、遊技盤20の裏側に、後述するメイン制御基板60、統括制御基板65および表示制御基板70が配設されている。
【0026】
前記遊技盤20には、発光体としてのLEDを備えた複数の第2電飾装置(発光装置、第2の発光装置)85が配設されている。なお、第2電飾装置85とは、該遊技盤20に直に配設された電飾装置、前記枠状装飾体25に配設された電飾装置、各入賞装置29,30,40に配設された電飾装置等、遊技盤20に直接または関接的に配設された電飾装置を総称している。
【0027】
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材33,33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
【0028】
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31bは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31bに案内されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。
【0029】
また、前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34a,34b(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34a,34bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報(後述する各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50,51において特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34a,34bが始動入賞口31a,31b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31aに対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34aと指称し、第2始動入賞口34bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサ34bと指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bからの検出信号を受信すると、前記払出制御基板76に制御信号を出力して、前記球払出装置75に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置75から払い出される賞球球数は、パチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
【0030】
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材,開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、メイン制御基板60は、前記払出制御基板76に制御信号を出力して、前記球払出装置75に予め設定された数(実施例では15個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
【0031】
なお、前記普通入賞装置29には、該入賞装置29に設けた普通入賞口に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出センサ(図示せず)が設けられている。この普通入賞検出センサは、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該普通入賞検出センサからメイン制御基板60への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。この普通入賞検出センサによるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞装置29に設けた普通入賞口へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では8個)の賞球が払い出されるようになっている。
【0032】
(特図表示器50,51について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する2組の特図表示器(特図表示手段)50,51が設けられている。ここで、2組の特図表示器50,51は、前記第1始動入賞口31aへの入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50と、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示器51とからなり、各特図表示器50,51の何れも複数個(8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50の発光表示部が順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器51の発光表示部が点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、そ他特図表示可能な表示手段を採用できる。
【0033】
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示器50,51では、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50,51において表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示結果としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示結果としての1種類の特図とが設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各第1特図表示器50または第2特図表示器51に確定停止表示される。そして、前記第1特図表示器50または第2特図表示器51に、大当り表示結果としての特図が表示されることで、引き続いて遊技者に大当り遊技が付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示器50で行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器50に確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。また同様に、第2特図表示器51で行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器51に確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
【0034】
(特図保留について)
また、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に、この第1特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
【0035】
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の記憶数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の記憶数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の記憶数には所定の上限数(実施例では「4」ずつ)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の記憶数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の記憶数を遊技者が把握し得るようになっている。
【0036】
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、ラウンド回数が異異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技のラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。このラウンド表示部57は、ラウンド数に対応する複数のLED(実施例では4個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技のラウンド数として、「16回」、「9回」および「5回」の3種類が設定されており、ラウンド表示部57では、左側の2つの発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「16回」の大当り遊技であることが報知され、右側下部の発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「9回」の大当り遊技であることが報知され、右側上部の発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「5回」の大当り遊技であることが報知されるようになっている。
【0037】
(状態報知について)
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、該状態を報知する状態表示部58が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。この状態表示部58は、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成されており、左側の発光表示部の点灯で確変状態であることを報知すると共に、右側の発光表示部の点灯で変短状態であることを報知するよう設定されている。なお、前記ラウンド表示部57および状態表示部58の表示領域は、図柄表示装置17で実行される後述の報知演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、図柄表示装置17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、ラウンド表示部57および状態表示部58での点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。
【0038】
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17は、前記画像表示面17aに飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な表示な液晶パネル17bと、該液晶パネル17bの後方に配置され、液晶パネル17bに後側から光を照射するバックライト(発光装置、第3の発光装置)17cとを備えた液晶表示装置が採用される。なお、図柄表示装置17としては、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得、これら表示装置が備える電飾装置が第3の発光装置となる。
【0039】
実施例に係る図柄表示装置17には、図2に示す如く、前記飾図を変動表示可能な図柄表示列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機として、各図柄表示列26a,26b,26cにおいて飾図が変動開始されるようになっている。また、各図柄表示列26a,26b,26cには、飾図の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄表示列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄表示列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄表示列26a、中図柄表示列26b、右図柄表示列26cと指称する場合がある。
【0040】
また、前記図柄表示装置17の各図柄表示列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示器50および第2特図表示器51に比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
【0041】
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄表示列26a、中図柄表示列26b、右図柄表示列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄表示列26a、右図柄表示列26c、中図柄表示列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
【0042】
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間(実施例では600ms(ミリ秒))に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
【0043】
ここで、前記第1特図表示器50と図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器51と図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1特図表示器50および第2特図表示器51は、特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器50,51で特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
【0044】
実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄表示列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該飾図が各図柄表示列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものでははなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な特定図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な非特定図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後の付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、特定図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を特定図柄とし、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を非特定図柄とした例で説明する。また、実施例の図柄表示装置17には、後述する突然確変大当り遊技を発生させる場合に表示される突確報知用飾図が設定されている。
【0045】
そして、前記図柄表示装置17における各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りの図柄組み合わせとして、各図柄表示列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されると共に、中図柄表示列26bの有効停止位置27に特殊図柄が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「2特殊図柄2」、「7特殊図柄7」、「4特殊図柄7」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、当り表示結果となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、はずれ表示結果となる。
【0046】
また、図柄変動演出において、複数の図柄表示列の内で、特定の図柄表示列(実施例では、左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄表示列(実施例では、中図柄表示列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄表示列(左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄表示列(中図柄表示列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄表示列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
【0047】
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示器50および第2特図表示器51での特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示器50および第2特図表示器51に表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示器50および第2特図表示器51に特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄表示列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
【0048】
(可動演出装置について)
前記パチンコ機10には、図2に示す如く、前記枠状装飾体25における表示窓口25aに臨む図柄表示装置17における画像表示面17aの前に、図2に示す如く、該表示窓口25aを左右方向に横切るように延在する棒状の横可動体37と、該横可動体37と交差するように表示窓口25aを上下方向に横切るように延在する棒状の縦可動体38とを備えた第1可動演出装置86が配設されている。第1可動演出装置86は、横可動体37および縦可動体38が、図示しない作動機構によって夫々独立して移動するよう構成され、該横可動体37および縦可動体38が交差する位置(照準位置)を、図柄表示装置17の画像表示面17aの前側において上下左右に移動自在になっている。また、パチンコ機10には、前記表示窓口25aの上側に臨む位置に第2可動演出装置87が配設されると共に、該表示窓口25aの右側に臨む位置に第3可動演出装置88が配設されている。第2可動演出装置87および第3可動演出装置88は、図示しない作動機構によって所要の動作を行うよう構成される。
【0049】
前記可動演出装置86,87,88の作動機機は、後述する統括制御CPU65aによって駆動制御されて、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出に合わせて所要の動作を行わせることで、遊技の演出効果を向上し得るよう構成される。また、各可動演出装置86,87,88は、図示しないが、LED等の発光体を備えた電飾装置を備え、これら電飾装置によって発光演出が可能に構成されている。
【0050】
(球通過ゲート47について)
図1図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り抽選(後述)が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
【0051】
(普図表示器55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を示している。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様、および左側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、説明の都合上、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
【0052】
(普図保留について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留情報の記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留情報の記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留情報の記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留情報の記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留情報の記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
【0053】
(確変について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
【0054】
本実施例の確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1518/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞口(始動入賞手段)31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
【0055】
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。
【0056】
実施例の変短機能では、大当り遊技終了後の前記普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、1125/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。実施例において普図変動表示の変動時間は、変短状態が付与されていない状態で、普図変動の開始から5000msに設定され、変短状態が付与されている状態で、普図変動の開始から1000msに設定されている。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、600msに設定されている。
【0057】
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行なう。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33は開放してから所定時間(実施例では800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を、所定時間間隔(実施例では980ms)で3回繰り返すようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動入賞装置30(第2始動入賞口31b)の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31bへの入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、開放時間および開放回数を満たす前であっても開閉部材33,33を閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄である場合には、次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた非確変図柄である場合には、所定回数(実施例では80回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。本実施例では、前記変短状態が、入賞率向上状態となる。
【0058】
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図3に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50,51に大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では5ラウンド、9ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバルを挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(以下「ラウンド間インターバル」という)だけ開閉扉43または開閉部材33,33が閉鎖状態で保持されるインターバルが設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
【0059】
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な時間または入賞可能な開放時間であっても前記規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間だけ開放する短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
【0060】
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では11種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、11種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄Fの6つのグループに分類されており、第1特図表示器50に確定停止表示された特図1に応じて6種類の大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示器51に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄eの5つのグループに分類されており、第2特図表示器51に確定停止表示された特図2に応じて5種類の大当り遊技が付与される。
【0061】
ここで、図柄Aには、26種類の特図1が振り分けられている。同様に、図柄Bには、1種類の特図1が振り分けられている。図柄Cには、1種類の大当り図柄としての特図1が振り分けられている。図柄Dには、26種類の特図1が振り分けられている。図柄Eには、18種類の特図1が振り分けられている。図柄Fには、28種類の特図1が振り分けられている。また、図柄aには、42種類の特図2が振り分けられている。同様に、図柄bには、10種類の特図2が振り分けられている。図柄cには、2種類の特図2が振り分けられている。図柄dには、18種類の特図2が振り分けられている。そして、図柄eには、28種類の特図2が振り分けられている。
【0062】
(特別確変大当り遊技について)
ここで、図柄A、図柄Bに分類される特図1が第1特図表示器50に表示されるか、図柄aに分類される種類の特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技,第1当り遊技)が付与されるようになっている。前記特別確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0063】
特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、特別確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、特別確変大当り遊技のラウンド間インターバルは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.6(秒)」に夫々設定されている。すなわち、図柄A、図柄Bおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合に付与される大当り遊技の価値は等しく設定されている。そして、図柄Aおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行し、図柄Bに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
【0064】
(9R特別確変大当り遊技について)
本実施例では、全てのラウンド遊技が、長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成された特別確変大当り遊技(特別当り遊技,第1当り遊技)として、規定ラウンド数が「9回」に設定された9R特別確変大当り遊技が設けられている。この9R特別確変大当り遊技は、図柄dに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合に付与される大当り遊技であって、図柄A、図柄Bまたは図柄aに分類される特図1または特図2が第1特図表示器50または第2特図表示器51に表示された場合に付与される前記特別確変大当り遊技と規定ラウンド数が異なるだけで、その他の設定(各ラウンド遊技の入賞上限個数、ラウンド遊技時間、オープニング演出時間、エンディング演出時間、ラウンド間インターバル等)は同じである。なお、図柄dに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0065】
(第1の特殊確変大当り遊技について)
図柄Cに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として第1の特殊確変大当り遊技(以下、ジャンプアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ジャンプアップ確変大当り遊技(第2当り遊技)は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
【0066】
ジャンプアップ確変大当り遊技では、図3に示す如く、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では16回)開放させ、2ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(16回)の短時間開放動作(長時間開放動作に比較して短かい開放動作)を開閉扉43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(15ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。
【0067】
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放16回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放17回目の開閉扉43の開放時間が「24.36(秒)」に設定されている。また、開放1回目から開放17回目の間の16回分のラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×16+24.36(秒)」からなる「57.0(秒)」に設定されていることになる。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、ジャンプアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が設定されている。また、ジャンプアップ確変大当り遊技のラウンド間インターバルは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。そして、図柄Cに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0068】
(16R突然確変大当り遊技、5R突然確変大当り遊技について)
図柄Dに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として16R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、短縮当り遊技)が付与されるようになっている。また、図柄Eに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として5R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、短縮当り遊技)が付与されるようになっている。前記16R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。16R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0069】
一方で、前記5R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「5回」に設定された5ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、5R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。また、5R突然確変大当り遊技では、前記16R突然確変大当り遊技と同様に、短時間開放動作のみを開閉扉43に行わせるよう構成されている。すなわち、5R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で5回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0070】
ここで、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(2.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このため、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある前記ジャンプアップ確変大当り遊技とは、遊技者に与える価値が異なる遊技である。
【0071】
また、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技におけるオープニング演出時間は、前述したジャンプアップ確変大当り遊技のオープニング演出時間と同一時間に設定されている。また、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技におけるラウンド遊技時間は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目における開放1回目から開放2回目における特別入賞装置40の開閉扉43の開放時間と同一時間に設定されている。そして、突然確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉43が閉鎖してから2ラウンド目で開閉扉43が開放するまでのラウンド間インターバル時間(「2.0(秒)」)は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目におけるラウンド内インターバル時間(「2.0(秒)」)と同一時間とされている。従って、ジャンプアップ確変大当り遊技が開始してから開閉扉43が16回開閉するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R突然確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっており、開閉扉43の開閉動作からジャンプアップ確変大当り遊技か、16R突然確変大当り遊技かを見分けることは不可能になっている。そして、図柄D、図柄Eに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0072】
(通常非確変大当り遊技について)
図柄Fに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記通常非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。なお、通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0073】
また、通常非確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25.0(秒)」が、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。各ラウンド遊技は、入賞上限個数分のパチンコ球が入賞することにより終了する場合もある。このため、通常非確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25.0(秒)」は最大時間となる。なお、通常非確変大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄Fに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
【0074】
(ステップアップ確変大当り遊技について)
図柄bに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として特殊当り遊技としての第2の特殊確変大当り遊技(以下、ステップアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ステップアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ステップアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
【0075】
このステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技および10ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技は、特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では、8回)開放させるように設定されている。すなわち、ステップアップ確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成され、次の1回のラウンド遊技が短時間開放動作および長時間開放動作を開閉扉43に行わせる特殊ラウンド遊技(複合ラウンド遊技)で構成されると共に、該特殊ラウンド遊技以降の残りの回数(7ラウンド分)のラウンド遊技が全開放ラウンド遊技で構成されている。ここで、前記ステップアップ確変大当り遊技の特殊ラウンド遊技(9ラウンド目のラウンド遊技)では、後述する短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技における9ラウンド目〜16ラウンド目となる短時間ラウンド遊技の回数分(8回)だけ、該短時間ラウンド遊技と略同じ開放時間となる短時間開放動作を開閉扉43に行わせた後は該特殊ラウンド遊技終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定される。そして、図柄bに分類される特図2が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0076】
ここで、ステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目および10ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放8回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放9回目の開閉扉43の開放時間が「24.68(秒)」に設定されている。また、開放1回目〜開放8回目の開放後には、ラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×8+24.68(秒)」からなる「41.0(秒)」に設定されていることになる。
【0077】
また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間(「16.32(秒)」)は、後述する16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。なお、ステップアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、ラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。従って、ステップアップ確変大当り遊技が開始してから9ラウンド目において開閉扉43が8回目に閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっている。なお、ステップアップ確変大当り遊技において1ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で該開閉扉43が閉鎖するまでの遊技時間は、「446(秒)」になっている。
【0078】
(16R短縮確変大当り遊技、16R短縮非確変大当り遊技について)
図柄cに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、図柄eに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定される。そして、16R短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。一方、16R短縮非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。
【0079】
この16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。一方で、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放させるものの、8ラウンド目までに開閉扉43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成される一方、残りの回数(8ラウンド分)のラウンド遊技が短時間開放動作を開閉扉43に行わせる短時間ラウンド遊技で構成されている。
【0080】
ここで、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。これにより、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において、9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間(「16.32(秒)」)は、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間と同一時間とされる。そして、図柄c,eに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。なお、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において1ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で該開閉扉43が閉鎖するまでの遊技時間は、「232.32(秒)」になっており、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、ステップアップ確変大当り遊技に対して遊技時間が相対的に短かい大当り遊技である。
【0081】
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では80回)がモード移行条件とされている。
【0082】
実施例に係る遊技演出モードには、遊技状態が非確変状態で、かつ変短状態が付与されていないことを示唆する通常モードと、遊技状態が確変状態で、かつ変短状態が付与されていることを示唆する確変モードと、遊技状態が確変状態または非確変状態で、かつ変短状態が付与されていることを示唆する潜伏モードと、遊技状態が非確変状態で、かつ変短状態が付与されていることを示唆する時短モードとが設定されている。そして、図柄表示装置には、遊技演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が遊技演出モード毎に異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
【0083】
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70,72,73とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)34a,34b,44,48からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70,72,73に出力されるようになっている。
【0084】
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容やバックライト17cの輝度等を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(電飾装置18,85等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている(図8参照)。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(電飾装置18,85等)の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
【0085】
更に、前記パチンコ機10の裏側には、前記払出制御基板76に配線接続される外部端子板(外部出力手段)77が配設され、前記メイン制御基板60は、該外部端子板77を介して遊技場の管理室等に設置されたホールコンピュータ78に電気的に接続されている。そして、メイン制御基板60からは、パチンコ機10の稼働データとして各種の信号が払出制御基板76および外部端子板77を介してホールコンピュータ78に出力される。外部端子板77から出力される信号によって特定される情報としては、大当り遊技の発生確率の設定値情報、打込情報(遊技に使用されたパチンコ球数)、大当り遊技が発生した場合の特図大当り情報(大当り遊技の発生情報)、その大当りが発生したときの特図表示器50,51で確定停止表示された特図に関する情報、特別入賞装置40の開閉扉43が特別入賞口を開放したことに関する情報(特別入賞口開放情報)、確変状態か否かの情報、変短状態か否かの情報(変短状態を特定する信号)、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したことに関する情報(遊技のための動作の実行に関する情報)、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bに入賞したパチンコ球のうち有効に特図表示器50,51で特図変動表示させるために利用された有効始動入賞に関する情報、普図表示器55において当りが発生した場合の普図当り情報、特別入賞装置40の特別入賞口へのパチンコ球の入賞に関する情報(特別入賞口入賞情報)、大当り遊技においてラウンドを継続させるための入賞に関する情報、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したことを表す情報、球通過ゲート47を通過したパチンコ球のうち普図表示器55を有効に可変表示させるのに用いられた有効始動入賞球に関する情報、第2始動入賞口31bが開放したことに関する情報等がある。また、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、普図が確定停止したときに確定停止信号(普図の確定停止情報)を出力し、該確定停止信号も払出制御基板76および外部端子板77を介してホールコンピュータ78に出力している。なお、メイン制御基板60からホールコンピュータ78に出力される特別入賞口,第1始動入賞口31a,31bおよび普通入賞口へのパチンコ球の入賞に関する情報から、ホールコンピュータ78では出球数(獲得出球数)を把握し得るようになっている。
【0086】
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている(図8参照)。そして、前記始動入賞検出センサ34a,34b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48、普通入賞検出センサ等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50,51、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57、状態表示部58等の各表示器や表示部が接続されて、各検出センサ34a,34b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50,51,55や各表示部52,53,56,57,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
【0087】
前述したように、パチンコ機10の遊技を総合的に制御する前記メイン制御CPU60aメイン制御RAM60cは、パチンコ機10の遊技に関する情報を記憶する主記憶手段として機能する。また、前記メイン制御RAM60cは、図示しない球貸しユニットからの貸球信号や前記各種入賞検出センサ34a,34b,44からの入賞信号等に基づく貸球および賞球に関する情報を記憶し、この記憶情報をメイン制御基板60がホールコンピュータ78に出力するよう構成されており、該メイン制御RAM60cは、貸球や賞球に関する情報を記憶す払出し記憶手段として機能する。そして、メイン制御RAM60cに記憶されている遊技に関する情報および貸球や賞球に関する情報は、前記クリア回路84から出力されたクリア信号に基づいて初期化されるように設定されている。
【0088】
(判定用乱数について)
前記メイン制御CPU60aは、判定用乱数としての大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
【0089】
大当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定(当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、大当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器50に確定停止表示させる特図1または第2特図表示器51に確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50に確定停止表示される特図1または第2特図表示器51に確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当りの種類を特定し得るようになっている。また、前述したように、大当りの種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。
【0090】
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、変動パターンとして、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として普図当りを発生するか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
【0091】
実施例のパチンコ機10では、大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31a,31bへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。なお、前記普図当り判定用乱数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したこと(より具体的には通過球検出センサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
【0092】
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1518個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では164個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態のときの大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
【0093】
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、大当り表示結果が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合とで、判定値の設定数が異なっている。また、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否か、および変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。
【0094】
すなわち、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、確変状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非確変状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態ありのときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態なしのときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なしの場合に35個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態ありの場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態ありの場合に4個の演出実行判定値が設定されている。なお、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
【0095】
そして、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態ありのときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態なしのときに設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるよう設定されている。なお、実施例では、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態ありの場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態ありの場合に4個の演出実行判定値が設定されている。また、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なしの場合に演出実行判定値が0個に設定される。なお、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
【0096】
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態あり時に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、変短状態なしの場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態あり時の普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
【0097】
更にまた、前記メイン制御ROM60bには、複数種類の変動内容としての変動パターンが記憶されている。前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなるパターンを特定するものである。また、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間を、演出内容に応じて特定している。
【0098】
そして、メイン制御ROM60bに記憶される変動パターンには、大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されており、変動パターン毎に特定の変動パターン判定値が定められている。なお、大当り演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合に選択可能な変動パターンである。また、はずれ演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が否定の場合に選択される変動パターンである。そして、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出用の変動パターンとがある。
【0099】
なお、大当り演出用の変動パターンに基づき行われる図柄変動演出には、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的に大当りとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチあり大当り演出と、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行することなく、最終的に大当りとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチなし大当り演出とが設けられている。はずれリーチ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的にはずれとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を行うことなく最終的にはずれとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17の飾図による図柄変動演出において、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
【0100】
(統括制御基板65について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM60cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。更に、統括制御CPU65aは、前記図柄表示装置17で実行される表示演出の1種類であるバトル演出に際して出現する敵キャラクタ毎の勝敗情報や、大当り遊技中における獲得出球情報を統括制御RAM65cの設定領域に記憶すると共に、該情報を更新するよう設定される。
【0101】
前記統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、統括制御基板65は、コンデンサ等のバックアップ電源を備え、パチンコ機10の主電源が切られて電気の供給が停止した場合(電源スイッチ83aのOFF)には、バックアップ電源から統括制御RAM65cに電気が供給されて、該統括制御RAM65cに記憶されている各種情報を保持し得るよう構成されている。
【0102】
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0103】
すなわち、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。また、メイン制御CPU60aは、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機としてリーチ演出を行なうか否かを判定するリーチ判定手段として機能する。更に、メイン制御CPU60aは、変動パターンを決定する変動パターン決定手段として機能する。
【0104】
ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞率向上状態)を付与する手段として機能すると共に、該変短状態を付与するか否かを判定する変短状態判定手段(入賞率向上状態判定手段)として機能する。そして、メイン制御CPU60aは、入賞率向上状態を付与する場合に、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、変短状態を付与する期間として決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。
【0105】
(メイン制御について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について具体的に説明する。
【0106】
(特図処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の記憶数が「4」)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
【0107】
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の記憶数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の記憶数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の記憶数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第1特図始動保留情報の記憶数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
【0108】
また、ステップA15では、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31bに対応する第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の記憶数が「4」)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
【0109】
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の記憶数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の記憶数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
【0110】
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン用制御CPU60aは、特図表示器50,51および図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。メイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数>0の場合には)、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB14)、当該第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
【0111】
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第2特図記憶領域MB1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域MB2の情報(乱数)を、前記第2特図記憶領域MB1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域MB3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域MB2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域MB4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域MB3に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の記憶数に対応するように第2特図表示器51の表示を変更させる。
【0112】
前記ステップB15の処理により各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第2特図表示器51に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図2の大当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB25)。
【0113】
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器51にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB29)。
【0114】
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器51にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB31)。
【0115】
ここで、ステップB28,B29,B30,B31において変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示器51を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器51の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0116】
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の記憶数>0の場合には)、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
【0117】
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域M1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域M2の情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域M1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域M3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域M2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域M4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域M3に記憶させる。これにより第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の記憶数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
【0118】
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第1特図表示器50に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB35)。
【0119】
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB39)。
【0120】
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB41)。
【0121】
ここで、ステップB38,B39,B40,B41において変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器50を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器50の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0122】
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の記憶数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモンストレーション演出(以後、デモ演出という)の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
【0123】
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、演出モード毎に分類されており、統括制御基板65に入力される演出モードフラグの設定値に基づいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄表示列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が決定される。そして、前記演出パターンで特定される各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU60aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄表示列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄表示列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄表示列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
【0124】
ここで、大当り図柄が図柄A、図柄a、図柄bまたは図柄dの場合には、特別確変大当り遊技に当選していることを昇格演出や再抽選演出で報知するか否かによって飾図の図柄組み合わせを決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、昇格演出または再抽選演出にて報知する場合には、大当り遊技の終了後に確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定し、昇格演出または再抽選演出にて報知しない場合には、確変状態となることを確定的に遊技者に報知可能な飾図(具体的には奇数図柄)からなる大当りの図柄組み合わせを決定する。そして、大当り図柄が図柄Bまたは図柄cである場合には、大当り遊技の終了後に確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定する。また、大当り図柄が図柄C、図柄Dまたは図柄Eである場合には、突然確変大当り遊技の可能性を示唆する飾図(具体的には突確示唆図柄)を含む図柄組み合わせとなるように決定する。また、大当り図柄が図柄Fまたは図柄eである場合には、確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定する。
【0125】
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
【0126】
前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの種類を決定し、当該決定した演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、演出モードフラグを更新すると、演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
【0127】
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄表示列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された演出モードに対応する背景画像を表示させる。
【0128】
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出内容決定手段としての機能を有している。
【0129】
(遊技検出手段について)
本実施例では、パチンコ機10において遊技が行われていることを検出する遊技検出手段が設けられる。遊技検出手段として、遊技盤20の盤面に設けられた始動入賞検出センサ34a,34b、普通入賞検出センサ、通過球検出センサ48が用いられ、これら検出センサ43a,43b,48による球検出の信号がメイン制御基板60に入力されることで、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、遊技が行われていると判定するよう設定される。またメイン制御CPU60aは、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号が入力されると同時にメインタイマ手段により時間の計時を開始し、該メインタイマ手段が予め設定されたデモ設定時間を計時しても新たな球検出信号が入力しないことを条件(所定条件)として、パチンコ機10をデモ演出モードに移行するよう設定される。すなわち、メイン制御CPU60aが、デモ演出を図柄表示装置17で実行させるデモ演出実行制御手段の機能を有している。
【0130】
(デモ演出モードについて)
前記デモ演出モードにおける図柄表示装置17の表示態様としては、図柄変動演出の変動停止時の背景画面をそのまま継続して表示すると共に、飾図や背景の一部が揺動する演出が実行される。なお、デモ演出モード中において、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号がメイン制御基板60に入力されると、デモ演出モードから直前の遊技演出モードに移行する。また、デモコマンドがメイン制御CPU60aから送信されたときの遊技演出モードからデモ演出モードへの移行条件は、該デモコマンドを統括制御CPU65aが受信したときに前記第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数が無いことが条件とされる。
【0131】
(電力消費モード選択設定に関連する構成について)
本実施例のパチンコ機10では、当該パチンコ機10が備える各種電飾装置18,85やバックライト17cを、消費電力量が所定の値となる通常発光制御モード(通常モード)と、各種電飾装置18,85やバックライト17cの消費電力量を通常発光制御モードで制御した場合より低くし得る節電モードとを選択可能に構成されているので、該モードを選択するための関連構成について以下説明する。
【0132】
前記統括制御RAM65cの所定の記憶領域には、前記前枠13が備える第1電飾装置18、遊技盤20が備える第2電飾装置85および図柄表示装置17が備えるバックライト17cの夫々に関して、通常の仕様で発光制御する前記通常発光制御モードに対応する第1の発光制御設定情報、および前記第1電飾装置18、第2電飾装置85、バックライト17cの夫々に関して通常発光制御モードより消費電力を抑える仕様で発光制御する前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報が個別に記憶されている。なお、統括制御RAM65cにおける発光制御設定情報が記憶される領域については、以後第1記憶領域と指称するものとする。なお、節電モードは、通常発光制御モードで制御した場合より消費電力量が低くなるものであればよく、電飾装置18,85やバックライト17cの発光手段を消灯したり、発光手段の輝度を低くしたり、または複数の発光手段の一部のみが消灯あるいは輝度を低くするよう制御されるもの等、各種の制御態様を採用可能であり、このような態様で発光手段を制御する情報が発光制御設定情報である。
【0133】
前記統括制御CPU65aは、電力消費モード選択設定処理によって第1電飾装置18、第2電飾装置85およびバックライト17cの夫々について通常発光制御モードが選択された場合には、前記第1記憶領域から読み出した第1の発光制御設定情報を所定の記憶領域に個別に記憶し、節電モードが選択された場合には、前記第1記憶領域から読み出した第2の発光制御設定情報を所定の記憶領域に個別に記憶する。なお、統括制御RAM65cにおいて第1記憶領域から読み出した発光制御設定情報が記憶される領域については、以後第2記憶領域と指称するものとする。また、統括制御CPU65aは、電力消費モード選択設定処理によってモードが変更された場合には、第2記憶領域に記憶されている発光制御設定情報を書き換えるよう構成される。そして、統括制御CPU65aは、第2記憶領域に記憶されている発光制御設定情報に基づいて第1電飾装置18、第2電飾装置85およびバックライト17cの夫々を個別に発光制御するための指定コマンド(通常発光制御モード指定コマンドまたは節電モード指定コマンド)を前記ランプ制御基板72および表示制御基板70に出力する。
【0134】
すなわち、第1電飾装置18に関して第2記憶領域に第1の発光制御設定情報が記憶されている場合は、統括制御CPU65aは、第1電飾装置18を第1の発光制御設定情報に基づいて発光制御するための通常発光制御モード指定コマンドをランプ制御基板72に出力し、第1電飾装置18に関して第2記憶領域に第2の発光制御設定情報が記憶されている場合は、統括制御CPU65aは、第1電飾装置18を第2の発光制御設定情報に基づいて発光制御するための節電モード指定コマンドをランプ制御基板72に出力する。また同様に、第2電飾装置85に関して第2記憶領域に第1の発光制御設定情報が記憶されている場合は、統括制御CPU65aは、第2電飾装置85を第1の発光制御設定情報に基づいて発光制御するための通常発光制御モード指定コマンドをランプ制御基板72に出力し、第2電飾装置85に関して第2記憶領域に第2の発光制御設定情報が記憶されている場合は、統括制御CPU65aは、第2電飾装置85を第2の発光制御設定情報に基づいて発光制御するための節電モード指定コマンドをランプ制御基板72に出力する。また、バックライト17cに関して第2記憶領域に第1の発光制御設定情報が記憶されている場合は、統括制御CPU65aは、バックライト17cを第1の発光制御設定情報に基づいて発光制御するための通常発光制御モード指定コマンドを表示制御基板70に出力し、バックライト17cに関して第2記憶領域に第2の発光制御設定情報が記憶されている場合は、統括制御CPU65aは、バックライト17cを第2の発光制御設定情報に基づいて発光制御するための節電モード指定コマンドを表示制御基板70に出力する。
【0135】
このように、前記統括制御RAM65cは、通常発光制御モードに対応する第1の発光制御設定情報および節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段および電力消費モード選択設定処理によって選択された第1の発光制御設定情報および第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段として機能する。また、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cの第2記憶領域に記憶されている発光制御設定情報に基づいて第1電飾装置18、第2電飾装置85およびバックライト17cを個別に発光制御する発光制御手段として機能する。
【0136】
本実施例のパチンコ機10では、前記電源監視回路83からの電源ON信号および前記クリア回路84からのクリア信号がメイン制御CPU60aに入力された場合に、該メイン制御CPU60aは、電源ONコマンドおよびクリアコマンドを統括制御CPU65aに出力し、これによって統括制御CPU65aでは、電力消費モード選択設定処理を開始可能に構成されている。なお、本実施例のパチンコ機10では、当該パチンコ機10に関する環境設定の1つの項目として電力消費モード選択設定があり、統括制御CPU65aに電源ONコマンドおよびクリアコマンドが入力されると、統括制御CPU65aは環境設定に移行する処理および環境設定が可能な項目を選択する処理を行なうようになっている。なお、前記クリア信号がメイン制御CPU60aに入力されると、該メイン制御CPU60aではメイン制御RAM60cを初期化する処理を行なうが、統括制御CPU65aにおいては、統括制御RAM65cを初期化する処理を行なわないよう構成されており、該統括制御RAM65cに記憶されている情報(発光制御設定情報)は保持されるようになっている。
【0137】
前記統括制御基板65には、前記第1操作ボタン35および第2操作ボタン36(36a,36b)からの操作信号が入力されるよう構成されている。また、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから電源ONコマンドおよびクリアコマンドが入力されたタイミングで、前記第1操作ボタン35および第2操作ボタン36の操作を所定時間(有効操作時間)に亘って有効とする操作有効コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。
【0138】
(電力消費モード選択設定処理の具体的な流れについて)
電力消費モード選択設定処理の具体的な流れについて、図9を参照して説明する。なお、図9では、電力消費モード選択設定処理を含む環境設定の各工程毎の図柄表示装置17の画像表示面17aに表示される画面を概略的に示しており、該画像表示面17a上に表示されている操作ボタンの画像について、符号35,36(36a,36b)を付して示している。
【0139】
前記メイン制御CPU60aから電源ONコマンドおよびクリアコマンドが統括制御CPU65aに入力されると、統括制御CPU65aは環境設定移行用コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは環境設定移行画面の画像を図柄表示装置17に表示するよう制御する。図9(a)は、図柄表示装置17に表示される環境設定移行画面の画像を概略的に示すものであって、画面上には、環境設定項目選択画面に移行可能な時間(有効操作時間)が表示されると共に、環境設定項目選択画面を表示するための操作ボタン35,36の押下条件が表示される。本実施例では、第2操作ボタン36を構成する左右のボタン36a,36bを同時に長押しする条件で、環境設定項目選択画面に移行することが表示される。なお、環境設定移行画面が表示されている状態で、環境設定項目選択画面に移行可能な時間(有効操作時間)が経過するまでの間に第2操作ボタン36が前記条件で押下されない(操作信号が入力されない)場合は、統括制御CPU65aは環境設定終了コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、図柄表示装置17の画面をデモ演出用の画像に切替えるように制御する。
【0140】
前述したように、電力消費モード選択設定を行なうためには、環境設定移行画面から環境設定項目選択画面に移行させる必要があることから、前記第1操作ボタン35および第2操作ボタン36の操作を有効とする有効操作時間を設定する統括制御CPU65aが、電源投入時点(電源ON信号がメイン制御CPU60aに入力された時点)から第1操作ボタン35および第2操作ボタン36による操作を有効とするモード選択可能期間を設定するモード選択可能期間設定手段として機能している。
【0141】
前記条件(ボタン36a,36bの同時長押し)で第2操作ボタン36が押下されると、前記統括制御CPU65aは環境設定項目選択用コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは環境設定項目選択画面の画像を図柄表示装置17に表示するよう制御する。図9(b)は、図柄表示装置17に表示される環境設定項目選択画面の画像を概略的に示すものであって、画面上には、当該パチンコ機10で選択可能な環境設定項目が表示される。実施例では、「時間設定」と「電力消費モード選択設定」とが表示されると共に、第2操作ボタン36(左右のボタン36a,36b)で項目が選択可能であることの説明および第1操作ボタン35で選択した項目が決定されることを示唆する説明が表示される。なお、図9において第2操作ボタン36により選択された項目に対応する画像が、他の選択されていない項目に対応する画像に対して明るく表示されて選択されている項目が分かるようになっている。また、環境設定項目選択画面には、環境設定の選択処理を終了する「終了」の項目が表示され、該項目は前記第2操作ボタン36によって選択されるようになっており、「終了」の項目を選択して第1操作ボタン35の押下で決定した場合は、統括制御CPU65aは環境設定項目選択終了コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、図柄表示装置17の画面をデモ演出用の画像に切替えるように制御する。
【0142】
前記環境設定項目選択画面が図柄表示装置17に表示されている状態で、前記第2操作ボタン36の押下により「電力消費モード選択設定」を選択し、第1操作ボタン35の押下により決定すると、前記統括制御CPU65aは、電力消費モード選択設定を行なう設定対象項目(実施例の場合は設定対象項目としては前枠13、遊技盤20および図柄表示装置17となる)を表示するためのモード設定対象項目選択用コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aはモード設定対象項目選択画面の画像を図柄表示装置17に表示するよう制御する。図9(c)は、図柄表示装置17に表示されるモード設定対象項目選択画面の画像を概略的に示すものであって、画面上には、当該パチンコ機10において節電モードを選択可能な「図柄表示装置」、「前枠」および「遊技機」の各項目を示す画象(文字)が表示される。当該「モード設定対象項目選択画面」が表示された初期状態では、中央に表示されている「前枠」が選択された状態となっており、このままの状態で第1操作ボタン35を押下すると、前記統括制御CPU65aは前枠用の節電モード選択用コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは前枠用の節電モード選択画面の画像を図柄表示装置17に表示するよう制御する。なお、モード設定対象項目選択画面には、モード設定対象項目の選択処理を終了する「終了」の項目が表示され、該項目は前記第2操作ボタン36によって選択されるようになっており、「終了」の項目を選択して第1操作ボタン35の押下で決定した場合は、統括制御CPU65aはモード設定対象項目選択終了コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、図柄表示装置17の画面を環境設定項目選択画面に切替えるように制御する。
【0143】
図9(d)は、図柄表示装置17に表示される前枠用の節電モード選択画面の画像を概略的に示すものであって、画面上には、「ON」と「OFF」の項目が表示される。実施例では、節電モード選択画面に切替わったときには「ON」が選択されており、このままの状態で第1操作ボタン35を押下することで前枠13が備える第1電飾装置18のモードは節電モードに設定される。また、第2操作ボタン36によって「OFF」を選択して第1操作ボタン35の押下で決定した場合は、前枠13が備える第1電飾装置18のモードは通常発光制御モードに設定される。そして、統括制御CPU65aは、節電モードに設定されたときには、前記統括制御RAM65cの第2記憶領域に記憶されている発光制御設定情報を第2の発光制御設定情報に書き替えて記憶する。また、統括制御CPU65aは、通常発光制御モードに設定されたときには、統括制御RAM65cの第2記憶領域に記憶されている発光制御設定情報を第1の発光制御設定情報に書き替えて記憶する。なお、第2記憶領域に記憶されている発光制御設定情報が、節電モード選択画面において設定されたモードに対応する場合は、その設定情報を維持する。そして、節電モード選択画面でのモード設定が完了すると、統括制御CPU65aは節電モード選択終了コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、図柄表示装置17の画面をモード設定対象項目選択画面(図9(c))に切替えるように制御する。
【0144】
前記モード設定対象項目選択画面において、前記第2操作ボタン36によって「図柄表示装置」または「遊技盤」の項目を選択した後に、第1操作ボタン35を押下した場合は、前記「前枠」の項目を決定した場合と同様に、図柄表示装置17が備えるバックライト17aの節電モード選択画面(図9(e))または遊技盤20が備える第2電飾装置85の節電モード選択画面(図9(f))に移行する。そして、統括制御CPU65aは、前記統括制御RAM65cの第2記憶領域に記憶されているバックライト17cに関する発光制御設定情報または第2電飾装置85に関する発光制御設定情報を、節電モード選択画面において設定されたモードに対応する発光制御設定情報に夫々書き替えて記憶する。
【0145】
このように、前記第1操作ボタン35および第2操作ボタン36は、電力消費モード選択設定処理において通常発光制御モードおよび節電モードを、電飾装置18,85およびバックライト17c毎に個別に選択可能なモード選択手段としても機能する。
【0146】
なお、前記図柄表示装置17に環境設定項目選択画面、モード設定対象項目選択画面、節電モード選択画面が表示されている状態で、予め設定された時間(操作ボタン35,36の有効操作時間であって、例えば60秒)が経過するまで操作ボタン35,36が操作されない(操作信号が入力されない)場合は、統括制御CPU65aは環境設定終了コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、図柄表示装置17の画面をデモ演出用の画像に切替えるように制御する。すなわち、統括制御CPU65aは、各選択画面に切替わった時点からタイマ手段で計時が開始される所定の選択可能期間を設定し、該選択可能期間中においてのみ操作ボタン35,36の操作を有効とするよう構成されており、該統括制御CPU65aは、操作ボタン35,36による選択可能期間を設定する選択可能期間設定手段として機能する。
【0147】
本実施例のように、パチンコ機10が備える電飾装置18,85やバックライト17cを制御するモードを、通常発光制御モードまたは節電モードから選択し得るよう構成されたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 第1電飾装置18、第2電飾装置85およびバックライト17cの夫々を、通常発光制御モードまたは節電モードに個別に選択し得るように構成したので、パチンコ機10を遊技店の要望に応じた節電態様に設定することができる。例えば、前枠13が備える第1電飾装置18または遊技盤20が備える第2電飾装置85のみを節電モードとしたり、図柄表示装置17が備えるバックライト17cのみを節電モードとする等、各種の組み合わせで節電モードを設定することができる。
(2) 遊技盤20に配設される統括制御基板65に、パチンコ機10が備える電飾装置18,85およびバックライト17cの夫々を通常発光制御モードまたは節電モードに選択設定する機能および該モードに対応する発光制御設定情報を記憶する機能を備えるよう構成したので、既存のパチンコ機10に対して統括制御基板65を交換するだけで、通常発光制御モードまたは節電モードを電飾装置18,85およびバックライト17cの夫々で個別に選択可能な態様に変更できる。
(3) 本実施例では、遊技に関する記憶や貸球および賞球に関する記憶を初期化するクリア回路84からのクリア信号(クリアスイッチ84aをON操作した状態で電源スイッチ83aをON操作するラムクリ操作)によっては、統括制御RAM65cに記憶されている記憶内容(電力消費モードに係る情報)は初期化されないよう構成したので、クリア回路84からクリア信号が出力される毎に、電力消費モード選択設定で選択されたモードを再び選択設定する操作を必要としない。また、統括制御基板65はバックアップ電源を備えているので、電気の供給が停止した場合であっても、前記統括制御RAM65cに記憶されている発光制御設定情報を保持することができ、電気の供給が再開されたときにモード選択によって新ためてモードを設定する作業を不要とし得る。
(4) 本実施例では、図柄変動ゲーム中や大当り遊技中等に図柄表示装置17での演出画像を変化させたり可動体37,38等を移動させる際に用いられる演出用の操作ボタン35,36を利用して電力消費モードの選択を行い得るよう構成したから、専用の操作手段を設ける必要はなく、部品点数の増加やコスト上昇を抑えることができる。
(5) 本実施例では、クリア回路84からのクリア信号がメイン制御CPU60aに入力された条件、および左右のボタン35a,36aの同時長押しの条件が揃わない限り、電力消費モードを選択することはできないので、電力消費モードの選択を行う操作手段として演出用の操作ボタン35,36を利用しても、遊技者が不用意に電力消費モードを変更等してしまう事態を防止し得る。
【0148】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、メイン制御CPUから出力された電源ON信号コマンドおよびクリアコマンドが統括制御CPUに入力されると、先ず環境設定移行画面が図柄表示装置に表示されるよう構成したが、統括制御CPUに電源ON信号コマンドおよびクリアコマンドが入力されたときに、モード設定対象項目選択画面(図9(c))を図柄表示装置に表示するよう構成してもよい。そして、この場合は、統括制御CPUに電源ON信号コマンドおよびクリアコマンドが入力された時点(電源投入時点)から計時されるモード選択可能期間を統括制御CPU(モード選択可能期間設定手段)で設定し、該モード選択可能期間中においてのみ操作ボタンの操作を有効として、既に統括制御RAM(モード記憶手段)に記憶されている発光制御設定情報を、このモード選択可能期間中に操作ボタンで選択されたモードに対応する発光制御設定情報に書き替えて記憶させるようにすればよい。
(2) 実施例では、電力消費モード選択設定に際してモードを選択する操作手段として演出用の操作ボタンを用いた場合で説明したが、専用の操作ボタンを設けたものであってもよい。この場合に、モード選択用の操作ボタンを統括制御基板に設ければ、既存のパチンコ機を、複数の発光装置の夫々について個別に通常発光制御モードまたは節電モードに選択設定し得る態様に変更する場合の作業性がよい。また、統括制御基板は、外枠に対して中枠を開放しない限り機前側からアクセスできない箇所(遊技盤の裏側)に設けられるものであるので、該統括制御基板にモード選択用の操作ボタンを設けておけば、遊技者によって不要に電力消費モードが変更されるのを確実に防止し得る。
(3) 実施例では、統括制御RAMに設定された第1記憶領域および第2記憶領域に、発光制御設定情報を記憶するよう構成したが、統括制御基板に、発光制御設定情報を記憶する専用のRAM(記憶手段)を設けてもよく、この場合はクリア回路からクリア信号が出力された際に統括制御RAMが初期化される構成であってもよい。
(4) 実施例では、クリア回路からのクリア信号によっては統括制御RAMが初期化されないよう構成したが、メイン制御RAMと同様に初期化されるものであってもよい。また、統括制御RAMについて、統括制御基板に切替えスイッチを設け、クリア信号によって初期化する態様と、初期化されない態様とを選択可能な構成を採用することもできる。
(5) 統括制御基板を外部端子板を介してホールコンピュータに電気的に接続し、統括制御RAMの第2記憶領域に記憶されている発光制御設定情報を、統括制御基板(統括制御CPU)からホールコンピュータに出力するよう構成してもよい。この構成によれば、ホールコンピュータにおいて、各パチンコ機の発光装置が現在どのモードで制御されているかを把握することができる。
(6) 実施例では、電力消費モードを選択設定する対象の範囲として、前枠が備える第1電飾装置、遊技盤が備える第2電飾装置および図柄表示装置が備えるバックライトで区分した場合で説明したが、より細かい範囲でモードを選択設定し得るようにしてもよい。例えば、遊技盤に配設した可動演出装置に配設される発光装置と、遊技盤の盤面に配設されるその他の発光装置とを区別して個々にモードを選択する等、モード選択する区分は任意に設定可能である。
(7) 節電モードに関し、消費電力が異なる複数のモードを設定して選択可能に構成してもよい。例えば、通常発行制御モードに対する消費電力の差が異なる第1節電モード、第2節電モード、第3節電モード・・・を設定し、各発光装置の夫々について、第1節電モード、第2節電モード、第3節電モード・・・から選択して設定することも可能である。
(8) 電源起動時のクリア処理後における初期起動時に、可動演出装置や電飾装置等の遊技部品の動作チェックを行うように構成してもよく、環境設定移行画面は、前記動作チェックを行う期間(例えば、20〜30秒程度の動作チェック期間)に対応するように表示期間を設定してもよい。各遊技部品の動作チェック期間は、実質的に遊技を行うことができない期間であるので、該動作チェック期間を利用して環境設定を行えるようにすることで、パチンコ機の稼働可能な期間に影響を与えるのは抑制される。
(9) 通常発光制御モードでの発光制御と、節電モードでの発光制御とについては、遊技者がパチンコ機の遊技を行なっている状態および遊技を行っていないデモ演出中の何れの状態でも、電力消費モードとして設定されたモードで常に各発光装置を制御する構成に限らず、電力消費モードとして節電モードが設定されている状態において、遊技者がパチンコ機の遊技を行っていないデモ演出中の発光制御は節電モードで行い、遊技者によりパチンコ機の遊技が行われているときの発光制御は通常発光制御モードで行う構成を採用可能である。すなわち、電力消費モードとして節電モードが設定されている場合は、デモ演出モードから通常の遊技演出モードへの移行条件の成立、および遊技演出モードからデモ演出モードへの移行条件の成立によって、発光装置の発光制御のモードが対応する節電モードまたは通常発光制御モードに変更されるよう構成されていればよい。
(10) 実施例では、メイン制御RAMに貸球や賞球の情報を記憶するよう構成したが、払出制御基板に払出制御ROMや払出制御RAMを備えるよう構成し、メイン制御RAMには遊技に関する情報のみを記憶すると共に、払出制御RAMに貸球や賞球の情報を記憶するようにしたものであってもよい。
(11) 実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板、表示制御基板、ランプ制御基板、音制御基板)とで分けて各種制御を行うようにしたが、メイン制御基板で行う制御をサブ制御基板で行うようにしたり、逆にサブ制御基板が行う制御をメイン制御基板で行うようにしてもよい。すなわち、メイン制御基板とサブ制御基板とを分けることなく1つの制御基板で、パチンコ機の全体を制御する構成を採用し得る。
(12) なお、発光装置のモードを設定する作業は、基本的には遊技店の従業員が行うものであるが、遊技者によっては発光装置の発光演出が過度で煩わしいと感じる場合も考えられることから、デモ演出時のように遊技を行っていない場合に、図柄表示装置に電力消費モードを選択し得る画像を表示し、遊技者が操作ボタンによって発光装置を通常発光制御モードで制御するか節電モードで制御するかを選択可能を構成を採用し得る。
(13) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
本願には、例えば以下のような技術的思想が含まれている。
(A)複数の発光装置(18,17c,85)を備えた遊技機において、
前記発光装置(18,17c,85)毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段(35,36)と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段(65c)と、
前記モード選択手段(35,36)での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段(65c)と、
前記モード記憶手段(65c)に記憶されている情報に基づいて各発光装置(18,17c,85)を個別に発光制御する発光制御手段(65a)とを備えたことを要旨とする。
このように、複数の発光装置毎に、通常モードまたは節電モードを選択可能に構成したので、遊技機を遊技店の要望に応じた節電態様に設定することができる。
(B)前記(A)の構成を含む遊技機において、
前記発光制御手段(65a)は、発光制御設定情報記憶手段(65c)およびモード選択手段(35,36)を備えたことを要旨とする。
このような構成によれば、既存の遊技機に対して発光制御手段を交換するだけで、通常モードまたは節電モードを各発光装置毎に個別に選択可能な態様に変更できる。
(C)前記(A)または(B)の構成を含む遊技機において、
機前面側を構成し、第1の発光装置(18)を備える前面部材(13)と、該前面部材(13)に着脱自在に配設され、第2の発光装置(85)を備える遊技盤(20)と、該遊技盤(20)に配設され、第3の発光装置(17c)を備える図柄表示装置(17)とを有し、
前記第1〜第3の発光装置(18,85,17c)の発光制御設定情報が、前記モード記憶手段(65c)に第1〜第3の発光装置(18,85,17c)毎に個別に記憶されるよう構成したことを要旨とする。
このような構成によれば、前面部材、遊技盤および図柄表示装置が備える各発光装置について、個別に通常モードまたは節電モードに選択設定することができる。
(D)前記(A),(B),(C)の何れか一項の構成を含む遊技機において、
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段(60c)および貸球や賞球に関する情報を記憶する払出し記憶手段(60c)と、
前記主記憶手段(60c)および払出し記憶手段(60c)を初期化するクリア手段(83,83a,84,84a)とを備え、
前記モード記憶手段(65c)は、前記クリア手段(83,83a,84,84a)では初期化されないよう構成したことを要旨とする。
このような構成によれば、遊技に関する記憶や貸球および賞球に関する記憶をクリア手段によって初期化する場合であっても、モード記憶手段に記憶している記憶内容は初期化されないので、クリア手段でクリア操作を行なう毎にモードを再び選択設定する操作を必要としない。
(E)前記(A),(B),(C),(D)の何れか一項の構成を含む遊技機において、
前記モード選択手段は、演出用の操作手段(35,36)であり、
電源投入時点から計時されるモード選択可能期間を設定するモード選択可能期間設定手段(65a)を備え、
前記発光制御手段(65a)は、前記モード選択可能期間設定手段(65a)で設定したモード選択可能期間中は、前記モード記憶手段(65c)に記憶されている発光制御設定情報を、前記操作手段(35,36)で選択されたモードの発光制御設定情報に書き換えて記憶させ得るよう構成したことを要旨とする。
このような構成によれば、演出用の操作手段によってモードを選択することができる。
【符号の説明】
【0149】
12 中枠(本体枠)
13 前枠(前面部材)
17 図柄表示装置
17c バックライト(発光装置、第3の発光装置)
18 第1電飾装置(発光装置、第1の発光装置)
20 遊技盤
35 第1操作ボタン(操作手段、モード選択手段)
36 第2操作ボタン(操作手段、モード選択手段)
60c メイン制御RAM(主記憶手段、払出し記憶手段)
65a 統括制御CPU(発光制御手段、モード選択可能期間設定手段)
65c 統括制御RAM(発光制御設定情報記憶手段、モード記憶手段)
85 第2電飾装置(発光装置、第2の発光装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9