特許第5726194号(P5726194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5726194医療デバイスにおける統合のためのラッチング及び制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726194
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】医療デバイスにおける統合のためのラッチング及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20150507BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   A61M5/31
   A61M5/315
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-529248(P2012-529248)
(86)(22)【出願日】2010年9月15日
(65)【公表番号】特表2013-505037(P2013-505037A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】EP2010063515
(87)【国際公開番号】WO2011032961
(87)【国際公開日】20110324
【審査請求日】2013年9月6日
(31)【優先権主張番号】09170719.0
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ・ブリュッゲマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジョーンズ
【審査官】 姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−516112(JP,A)
【文献】 特表2007−531591(JP,A)
【文献】 特開2007−260400(JP,A)
【文献】 特表2005−536300(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/020026(WO,A1)
【文献】 特開2002−272839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31
A61M 5/315
A61M 5/20
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段による薬剤の注入又は人体からの物質の除去のための医療デバイスの統合のためのラッチング及び制御装置(1)であって、ラッチング及び制御装置は、少なくとも第1の及び第2の可動部材の動きを制御するのに適合し、ラッチング及び制御装置(1)は:
・支持デバイス(20)に対して遠位位置にバイアスしたドライブトレーン(10)、ここでドライブトレーン(10)は、ケース(13)及びラッチング手段(17)を含み、そのラッチング手段は第1の可動部材をラッチし、伸長と後退位置の間でケース(13)内で可動であり、かつそのラッチング位置にバイアスしている、ここでケース(13)は支持デバイス(20)に対して無応力と応力の位置の間で可動であり、そして無応力の位置へバイアスする、ここでラッチング手段(17)をバイアスするための弾性力はケース(13)をバイアスするための弾性力よりも大き
・ケース(13)の応力の位置を検出するための検出デバイス(15)、
・第2の可動部材の少なくとも部分的な動きをケース(13)の動きと連結するための連結手段(13.6)、
・制御デバイス、第1の可動部材との相互作用によるその後退位置におけるラッチング手段(17)の動き、及び第2の可動部材との相互作用によるその応力の位置におけるドライブトレーン(10)の動きを決定するように、ドライブトレーンの応力の位置を決定するための機能を含む検出デバイス(15)に機能的に連結されている制御デバイス、を含んでなる、ラッチング及び制御装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のラッチング及び制御装置(1)であって、第1の可動部材は、医療デバイスのハウジングに連結しているカバー(7)であり、開放状態からスタートするカバー(7)を閉じることにより又は閉鎖状態からスタートするカバー(7)を開けることにより、カバー(7)はラッチング手段(17)と相互作用し、それでラッチング手段(17)がその後退位置に動き、そしてケース(13)が検出デバイス(15)によって検出される応力の位置に動く、ラッチング及び制御装置(1)。
【請求項3】
請求項1に記載のラッチング及び制御装置(1)であって、第1の可動部材は、医療デバイスのハウジングに挿入されるべきカートリッジ又はカートリッジホルダであって、カートリッジ又はカートリッジホルダをハウジングに挿入することにより、カートリッジ又はカートリッジホルダはラッチング手段(17)と相互作用し、それでラッチング手段(17)がその後退位置に動き、そしてケース(13)が検出デバイス(15)によって検出される応力の位置に動く、ラッチング及び制御装置(1)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のラッチング及び制御装置(1)であって、第2の可動部材は、作動手段の事前に定義された動きが、その応力の位置へケース(13)の動きを引き起こし、それにより検出デバイス(15)が、作動手段のトリガ位置を検出するように、その部分がケース(13)の連結手段(13.6)と相互作用する作動手段である、ラッチング及び制御装置(1)。
【請求項5】
作動手段が、薬剤の注入又は人体の物質の除去のための医療デバイスを可能にする実現手段である、請求項4に記載のラッチング及び制御装置(1)。
【請求項6】
作動手段が駆動手段である、請求項4に記載のラッチング及び制御装置(1)。
【請求項7】
請求項6に記載のラッチング及び制御装置(1)であって、駆動手段のトリガ状態は、駆動手段が操作可能ではない状態であり、検出デバイス(15)が駆動手段のトリガ状態を検出するように、検出デバイス(15)は駆動手段に連結される、ラッチング及び制御装置(1)。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のラッチング及び制御装置(1)であって、駆動手段はピストンロッドであり、ピストンロッドはその十分に展開された位置に到達した後にその操作可能な状態外に動くことができ、そしてピストンロッドのトリガ状態はその操作可能な状態外の位置である、ラッチング及び制御装置(1)。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のラッチング及び制御装置(1)であって、駆動手段の操作可能な範囲が、その間で駆動手段が可動である駆動手段の最初の位置及び十分に展開された位置によって画成され、駆動手段は最初の位置を越えてそこからある作動位置において、その十分に展開された位置からモータによって動き、最初の位置から作動位置に動くことにより、ケース(13)はその応力の位置に動く、ラッチング及び制御装置(1)。
【請求項10】
請求項6又は7に記載のラッチング及び制御装置(1)であって、駆動手段は、ピストンロッドの遠位端が、医療デバイスに挿入されたカートリッジの栓と接触する位置へ最初の位置から動くことができるピストンロッドであり、そしてピストンロッドのトリガ状態は、ピストンロッドの遠位端がカートリッジの栓と接触する位置である、ラッチング及び制御装置(1)。
【請求項11】
ピストンロッドが電子機械的に駆動される、請求項6〜10のいずれか1項に記載されるラッチング及び制御装置(1)。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれか1項に記載のラッチング及び制御装置(1)であって、ラッチング及び制御装置(1)は、更にその伸長位置においてケース(13)内のラッチング手段(17)をロッキングするためのロッキング及びロッキング解除デバイスを含み、ロッキング及びロッキング解除デバイスは、スイッチデバイス(15)が、第1の可動部材との相互作用によるその後退位置におけるラッチング手段(17)の動き、及び第2の可動部材との相互作用によるその応力の位置におけるドライブトレーン(10)の動きを検出する場合に、ロッキング及びロッキング解除デバイスがそのロッキング位置にあるように、検出デバイス(15)と機能的に連結する、ラッチング及び制御装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動手段による薬剤の注入又は人体の物質の除去を目的とした医療デバイスの統合のためのラッチング及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、選択用量を調剤する場合に、回転に抗して保持されるペン本体組立体及び親ねじと係合し、そしてそこから係合を外すように設計されたカートリッジホルダ組立体を提供している。カートリッジホルダ組立体は、ペン本体がカートリッジホルダ組立体へ完全にねじ込まれるとき、ピストンロッドを駆動手段に係合するために複数の内歯スプラインを有する。このデバイスが薬剤送達ペン駆動機構のリセットに対する解決策を提供する一方で、それは使用者に、視力障害及び/又は不器用な使用者にとって難しい、ピストンロッドの遠位端にてスロットを備えたカートリッジホルダを調整することを要求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO1997/010864A1
【0004】
本発明の目的は、医療デバイスの機能部材によって決まる安全操作を可能にする、医療デバイスの部材をラッチ(latch)するためのラッチング(latching)及び制御装置を提供することである。
【0005】
本目的は請求項1の機構によって解決される。更なる実施態様は、それに加えて後で参照される下位クレームにおいて記載される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明によれば、駆動手段による薬剤注入又は人体の物質除去を目的とした医療デバイスの統合のためのラッチング及び制御装置が提供され、ラッチング及び制御装置は、支持デバイスに対して操作可能な状態から医療デバイスの少なくとも第1の及び第2の可動部材の動きを制御するのに適合し、ラッチング及び制御装置は:
・支持デバイスに対して遠位位置にバイアスしたドライブトレーン(drive train)、ここでドライブトレーンは、第1の可動部材をラッチするためのケース及びラッチング手段を含み、そして伸長と後退位置間にてケース内で可動であり、そのラッチング位置にバイアスし、ここでケースは、支持デバイスに対して無応力と応力の位置間で可動であり、無応力の位置へバイアスし、ここでラッチング手段をバイアスするための弾性力はケースをバイアスするための弾性力よりも大きく、
・ケースの応力の位置を検出するための検出又はスイッチデバイス、第2の可動部材の少なくとも部分的な動きをケースの動きと連結するための連結手段、及び
・制御デバイスが第1の部材との相互作用によるその後退位置におけるラッチング手段の動き、及び第2の部材との相互作用によるその応力の位置におけるドライブトレーンの動きを決定するために、ドライブトレーンの応力の位置を決定するための機能を含む検出デバイスに機能的に連結されている制御デバイス、
を含んでなる。
【0007】
本発明の例によれば、制御デバイスは、作動条件として第1の又は第2の可動部材の動きによってもたらされるその応力の位置におけるドライブトレーンの動きを検出し、そしてこのケースにおいて、対応する第2の又は第1の部材を操作可能状態に置く機能を含む。本発明のこの実施態様は、薬剤を注入する電気機械医療デバイス内で使用するのに好適な電子制御機構の設計に特に関連することができる。この点で、薬剤カートリッジを該医療デバイスに挿入後、カートリッジを保持するようにドア機構を閉じてラッチする必要がある。また該ドアは、カートリッジホルダとして機能することができ、また閉鎖及びラッチングが必要である。本発明によるラッチング及び制御装置は医療デバイスの状態を追跡可能である。このことは医療デバイス内のカートリッジの存在及び/又はドア状態(閉又は開)の把握を含む。
【0008】
「カートリッジ存在」は、カートリッジが医療デバイスに挿入されているか否かを意味してよく、又はあるいはそれは専用カートリッジ包装の一部として正しいカートリッジが挿入されているか否かを意味してよい。
【0009】
電子作動機構は、特にラッチング及び制御装置を有するドア及びラッチシステムを含む医療デバイスの実施態様により実現することができ、ここでドア及びラッチシステムは浮動ドライブトレーンから物理的に分離され、そして独立したラッチ検出及びバイアスバネを備える。
【0010】
本発明の例によれば、第1の可動部材は医療デバイスのハウジングに連結しているカバーであって、開放状態からスタートするカバーを閉じることにより又は閉鎖状態からスタートするカバーを開けることにより、カバーはラッチング手段と相互作用し、それでラッチング手段がその後退位置に動き、そしてケースはスイッチデバイスによって検出される応力の位置に動く。
【0011】
本発明の更なる例によれば、第1の可動部材は、医療デバイスのハウジングに挿入されるべきカートリッジ又はカートリッジホルダであって、カートリッジ又はカートリッジホルダをハウジングに挿入することにより、カートリッジ又はカートリッジホルダはラッチング手段と相互作用し、それでラッチング手段がその後退位置に動き、そしてケースが検出デバイスによって検出される応力の位置に動く。
【0012】
第2のの可動部材は、作動手段の事前に定義された動きがその応力の位置へケースの動きを引き起こし、それにより検出デバイスが作動手段のトリガ位置を検出するように、その部材がケースの連結手段と相互作用する作動手段であり得る。
【0013】
この点で、作動手段は薬剤の注入又は人体の物質の除去のための医療デバイスを可能にする実現手段であり得る。
【0014】
本発明の例によれば、作動手段は駆動手段である。
【0015】
この点で、駆動手段のトリガ状態は特に、駆動手段が操作可能ではない状態であり得て、ここで検出デバイスが駆動手段のトリガ状態を検出するように、検出デバイスは駆動手段に連結される。医療デバイスは、駆動手段又はピストンロッドがその十分に展開された位置に到達した後にモータによってその操作可能範囲外に位置するように設計することができ、そしてここでピストンロッドのトリガ状態はその操作可能状態外の位置である。
【0016】
本発明の例によれば、医療デバイスは、駆動手段の操作可能な範囲が、その間で駆動手段が可動である駆動手段の最初の位置及び十分に展開(deploy)された位置によって画成されるように設計することができ、ここで駆動手段は最初の位置を越えてそこからある作動位置において、その十分に展開された位置からモータによって動き、ここで最初の位置から作動位置まで動くことにより、ケースは検出又はスイッチデバイスにより検出されるその応力の位置に動く。
【0017】
本発明の例によれば、駆動手段は、ピストンロッドの遠位端が、医療デバイスに挿入されたカートリッジの栓と接触する位置へ最初の位置から動くことができるピストンロッドであり、そしてここでピストンロッドのトリガ状態は、ピストンロッドの遠位端がカートリッジの栓と接触する位置である。
【0018】
一般に、駆動手段又はピストンロッドは、電気機械的に駆動される。この点で、駆動手段の作動状態又はピストンロッドの動きが制御デバイスによって制御されるように制御デバイスを設計することができる。
【0019】
本発明の別の例によれば、ラッチング及び制御装置は、更にその伸長位置においてケース内のラッチング手段をロッキングするためのロッキング及びロッキング解除デバイスを含み、ここでロッキング及びロッキング解除デバイスは、検出デバイスが第1の部材との相互作用によるその後退位置におけるラッチング手段の動き、及び第2の部材との相互作用によるその応力の位置におけるドライブトレーンの動きを検出する場合に、ロッキング及びロッキング解除デバイスがそのロッキング位置にあるように、検出デバイスと機能的に連結される。
【0020】
医療デバイスは一般に薬物送達デバイスで、特に注入器タイプデバイス、又は人体からの体液又は組織の除去用装置の形態であり得る。更に、医療デバイスは針を含むことができる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、医薬品を調剤するために設計される本発明による薬物送達デバイスの使用が提供される。また薬物送達デバイスは、インスリン、成長ホルモン、低分子量ヘパリン、それらの類似体、及びそれらの誘導体から成る群から選択される活性化合物を含む医薬製剤を調剤するために設計することもできる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、本発明により薬物送達デバイスを製作又は組み立てる方法が提供される。本発明の1つの態様は、医薬品を調剤するために、好ましくはインスリン、成長ホルモン、低分子量ヘパリン、それらの類似体、及びそれらの誘導体から成る群から選択される活性化合物を含む医薬製剤(例えば溶液、懸濁液等)を調剤するために、本発明による薬物送達デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
発明の効果
本発明の用語「医療デバイス」及び特に医療送達デバイス又は「薬物送達デバイス」は、医薬品の使用者選択可能又は事前に定義された用量、好ましくは例えばインスリン、成長ホルモン、低分子量ヘパリン、及びそれらの類似体、及び/又はそれらの誘導体等、好ましくは多回の事前に定義された用量を調剤するために設計された、単回若しくは多回又はプリセット若しくは事前に定義された用量、使い捨て又は再使用可能なデバイスを意味するものとする。更に、用語「医療デバイス」は、人体からの組織又は体液除去のためのデバイス又は装置を含む。該デバイスはいずれの形状、例えばコンパクト又はペン型であってもよい。薬物送達デバイスはペン型デバイス又は注入器型デバイスであり得る。更に、薬物送達デバイスは針を含むことができる。
【0024】
加えて、該デバイスは、血糖レベル等生理的特性をモニターするために設計された部材を含んでよい。更に、該デバイスは針を含んでよく又は無針であってよい。加えて、該デバイスは固定針又は交換可能針又は可動針又は遮蔽可動針を含んでよい。特に、用語「薬物送達デバイス」は、患者など正式に医学訓練のない人間による使用のために設計された、機械的及び手動用量送達及び用量選択機構を有する多回の事前に定義された用量を提供する使い捨て針ベースのペン型デバイスを意味するものとする。好ましくは、薬物送達デバイスは注入器型である。
【0025】
医療送達デバイスは、遠位方向における送達デバイスの薬剤レセプタクルから薬剤の用量セットを調剤するための駆動手段又は駆動手段を有する駆動機構を含む。レセプタクル中の液剤若しくは非液剤の選択のため若しくは用量を設定するための用量選択又は用量設定は、医療送達デバイスが、駆動機構によって調剤する予定のレセプタクルに、液剤の選択のため若しくは用量を設定するための用量選択機構又は用量設定機構を更に含むことができるように、投薬機構又は用量設定手段又は用量設定機構を通して提供されてよい。用量機構は、部分的に又は全体的に駆動機構の部材又は機能で実現することができる、又は別個の機構として実現することができる。
【0026】
本発明の用語「遠位端」は、デバイスの調剤端に最近接のデバイス又はデバイスの部材の端部を意味するものとする。本発明の用語「近位端」は、デバイスの調剤端から最も離れたデバイス又はデバイスの部材の端部を意味するものとする。
【0027】
従って「遠位方向」はデバイス又はデバイスの部材の近位端から遠位端に向けられる方向であり、「近位方向」はデバイス又はデバイスの部材の遠位端からに近位端向けられる方向である。
【0028】
本発明に関連する用語「薬剤レセプタクル」は、薬剤を含むカートリッジ又はレセプタクル、並びに薬剤を含むカートリッジを受けるためのカートリッジホルダを含む。更に、用語「レセプタクル」及び「カートリッジ」は交換可能である。これは、用語「レセプタクル」を用いることにより、用語「カートリッジ」のいずれの意味も含まれ、逆の場合も同じであることを意味する。
【0029】
本発明の用語「レセプタクルホルダ」又は「カートリッジホルダ」は、薬物送達デバイスによって送達すべき薬剤を含む薬剤をハウジングするために設計されたいずれかの部材及び/又は複数の部材を意味するものとする。該カートリッジホルダはいずれの形状、例えば円筒状又は管状であってよい。一般に、カートリッジホルダは、円筒状管状又は非管状の単体又はマルチパート部材であってよい。それは当業者に公知のいずれかの好適な材料で作られてもよい。更にカートリッジホルダは、好ましくは係合手段、例えば螺旋ねじ又は部分ねじ又はバヨネット等を、ハウジング及び/又は針組立体の外部及び/又は内部面に位置する対応の係合手段との係合のために設計された、カートリッジホルダの遠位端及び/又は近位端の外側及び/又は内側面に備え付けられてよい。好ましい実施態様では、カートリッジホルダはその近位端に位置して部分ねじを有する単一管状設計となっている。
【0030】
用量送達は、機械的(場合により手動)駆動機構又は駆動手段又は電気駆動機構又は電子機械機構又はバネ等の蓄積エネルギー駆動機構を通して提供されてよい。駆動機構は、特にレセプタクル内の薬剤を移動させるための薬剤レセプタクル中で可動であるピストンを含むことができる。ピストンにピストンロッドを取り付けてよく、ここでピストンロッドは駆動機構の更なる部材によって駆動されてよい。本発明の用語「ピストンロッド」は、薬剤を、好ましくは注射製剤をカートリッジから排出/調剤する目的で、好ましくはカートリッジの駆動スリーブからピストンまで、軸運動を(好ましくは遠位端の方へ)薬物送達デバイスを通して/内へ変換するために設計された、ハウジングを通して/内で作動するように適合させた部材を意味するものとする。該ピストンロッドは可撓性であるか否かであってよい。それは単純ロッド、親ねじ、ラック及びピニオンシステム、ピストンロッド、ウォーム歯車システム等であってよい。更に「ピストンロッド」は、円形又は非円形断面を有する部材を意味するものとする。それは当業者に公知のいずれかの好適な材料で作られてよい。
【0031】
例えば、ピストンロッドは「駆動スリーブ」のよって駆動されてよい。本発明による用語「駆動スリーブ」は、好ましくは基本的に円形断面のいずれかの基本的に管状の部材を意味するものとする。本発明の好ましい実施態様によれば、駆動スリーブは薬剤送達に対して遠位方向でピストンロッドを駆動するための部材である。好ましい実施態様では、駆動スリーブはピストンロッドと係合している。好ましくは、駆動スリーブはピストンの雄ねじを係合するための雌ねじを含む。駆動スリーブは、更に好ましくは用量ダイヤルスリーブに、最も好ましくはクラッチ手段により適切に連結される。
【0032】
本発明の用語「用量機構」は、使用者が調剤するために用量を選択し及び/又は調剤すること、及び/又は薬剤の用量を調剤するのに必要な力を提供することができるように設計された、いずれの部材及び/又は複数の部材及び/又は組立体を意味するものとする。該用量機構は手動機構又は電気機械機構及び/又は電子機構として設計することができ、そして機械及び/又は電気機械及び/又は電子部材から構成されてよい。加えて、用量機構はデバイスハウジングで係合されてよく、又は独立した組立体であってよい。例えば、用量設定は用量機構の一部として用量ダイヤルスリーブにより実現することができる。
【0033】
用量機構は、「動作機構」又は「動作デバイス」によって操作されてよい。本発明の用語「動作機構」又は「動作デバイス」は、駆動機構を制御するために使用者により操作されるように設計されたいずれものモジュール又はいずれもの部材又は部材のセットを意味するものとする。駆動機構を制御する場合に、力は駆動機構に伝達される。力は、手動で又はモータによって発生させることができる。好ましい実施態様では、動作デバイスは作動キーを含む。別の好ましい実施態様では、動作デバイスは用量投薬スリーブ又は用量ダイヤルスリーブを含む。薬剤の用量をセットし又は用量を投与するために、使用者は動作デバイスにより薬剤送達デバイスを作動させる。例えば、使用者がカートリッジから薬剤を送達又は排出したい場合には、「動作機構」を作動する必要があり、そして例えば、動作デバイスの部材である動作ボタン又は「動作機構」が押される必要がある。動作デバイスは機能的に動作機構と連結される。駆動機構は、薬剤がカートリッジから排出されるように薬剤カートリッジ(図示せず)内で動くピストンを駆動する。
【0034】
本発明の用語「ハウジング」は、好ましくは1つ又はそれ以上の螺旋ねじを有するいずれかの外部ハウジング(「メインハウジング」、「ボディー」、「シェル」)又は内部ハウジング(「インサート」、「インナーボディー」)を意味するものとする。ハウジングは、薬物送達デバイス又はその機構のいずれかの安全、正確そして安心な取り扱いを可能にするように設計されてよい。
【0035】
通常、それは、液体、塵埃、ごみ等汚染物への曝露を制限することによって、薬物送達デバイスのいずれかの内部部材(例えば、駆動機構、カートリッジ、プランジャ、ピストンロッド)を、ハウジング、固定、保護、案内、及び/又は係合するように設計されている。一般に、ハウジングは管状又は非管状形の単体又はマルチパート部材であってよい。通常、外部ハウジングは、交換可能又は交換不能であってよいカートリッジをハウジングする機能を果たし、そこから医薬品の多くの用量が調剤されてよい。本発明のより具体的な実施態様では、ハウジングは、作動手段に備えられた放射状及び/又は軸方向止め具によって境を接するように適合された複数の最大用量止め具が備え付けられている。
【0036】
本発明の作動手段は、例えば駆動機構の一部であり、そして特に駆動手段又はピストンロッドであり得る。本発明の作動手段は、医療デバイスの様々な実施態様の様々な機構で、そして機構の部材の保持若しくは案内状態を維持するために又は医療デバイスの機能をアクティブ化するために、一般的にその部材を安定な保持状態にするために使用することができる。この部材との作動手段の相互作用により、この部材が薬物送達デバイス内の動的過程の一部であるように、この部材は所定の状態に至らされそして保持される。
【0037】
この動的過程(例えば薬物送達、用量設定、動作モードの調整又は投与機構のような送達デバイスのモジュールの機能のアクティブ化)は次いで実行することができる。本発明によれば、作動手段による部材の切り離しは、部材を非アクティブ化し、このように前述の動的過程又は機能を非アクティブ化する。例えば、作動手段により係合し又は安定化した場合の部材は、ピストンロッドのようないずれかの動的部材又は用量機構のようないずれかの機構をも動作状態に保持することができ、及び作動手段による保持手段の切り離しにより、動的部材又は機構はその所定の機能において操作可能ではない。
【0038】
一般に作動手段は、薬剤の注入又は人体物質除去を可能にするための実現手段である。実現手段は、例えば医療デバイスの機能を作動させるために、使用者により操作することができる機械的検出であり得る。機能は、駆動手段による薬剤の注入又は人体物質の除去を、医療デバイスに可能にするための機能であり得る。
【0039】
本発明の好ましい実施態様では、部材はカバーそして特にカートリッジホルダのカバーである。
【0040】
本発明の用語「カートリッジホルダ」は薬物送達デバイスによって送達される薬剤を含む薬剤カートリッジをハウジングするために設計されたいずれかの部材及び/又は複数の部材を意味するものとする。該カートリッジホルダはいずれの形状、例えば円筒状又は管状であってよい。一般に、カートリッジホルダは、円筒状管状又は非管状形の単一又はマルチパート部材であってよい。それは当業者に公知のいずれの好適な材料から作られてもよい。更にカートリッジホルダは好ましくは係合手段、例えば螺旋ねじ又はバヨネット等を、ハウジング及び/又は針組立体の外部及び/又は内部面に位置する対応の係合手段との係合のために設計された、カートリッジホルダの遠位端及び/又は近位端の外側及び/又は内側面に備え付けられてよい。好ましい実施態様では、カートリッジホルダはその近位端に位置して部分ねじを有する単一管状設計となっている。
【0041】
一般に、送達デバイス及び/又はその部材又は機構に対して、軸又は縦方向及び半径方向を画成することができる。軸方向は、送達デバイスの遠位方向に広がる送達デバイスの縦方向に対応する。
【0042】
本発明の用語「係合した」は、特に駆動機構/薬物送達デバイスの2つ又はそれ以上の部材、例えばスプライン、ねじ山、又は噛合い歯連結のインターロッキング、好ましくは部材の螺旋ねじのインターロッキング(「ねじ込み係合した」)を意味するものとする。
【0043】
本発明の用語「係合を外した」は、用量機構/薬物送達デバイスの2つ又はそれ以上の部材のロッキング解除を意味するものとする。好ましくは、本発明の用語「係合を外している」は、バイアス手段の力下で用量機構/薬物送達デバイスの2つ又はそれ以上の部材のロッキング解除を意味するものとする。
【0044】
本発明の用語「連結した」は、駆動機構/薬物送達デバイスの2つ又はそれ以上の部材の、例えばフランジ等を用いる連結を意味するものとするが、そこでは互いに対して部材の自由度が制限される。好ましい実施態様では、1つの部材は別の部材に対して1つの軸周りに回転してもよく、そして別の部材に対してすべての他の回転及び/又は並進運動が制限される。本発明のより特定の実施態様では、駆動スリーブは、薬物送達デバイスの主縦軸周りの相対的回転が許容されるがすべての他の相対的回転が基本的に防止されるように、作動手段に連結されるフランジが備え付けられる。
【0045】
本発明の用語「バイアス手段」は、部材及び/又は複数の部材が併せて強制係合されるか、又は係合から強制切り離しされるかを確認するために、好ましくは部材及び/又は複数の部材へ力を加えるいずれかの部材を意味するものとする。好ましくは、バイアス手段は当業者に公知のいずれか好適な可撓性の力貯蔵材料から製作してよく、いずれの好適な形をとり、例えばバネであってよい。
【0046】
本発明は、上述のいずれかの実施態様に記載の医療デバイスの使用に関する。薬物送達デバイスの使用は、インスリン、成長ホルモン、低分子量ヘパリン、それらの類似体、及びそれらの誘導体から成る群から選択される活性物質を含む医薬製剤を調剤するために提供することができる。
【0047】
本発明によれば、上述のいずれかの実施態様に記載の医療デバイスの製作又は組み立て方法に関する。
【0048】
以下の図では、本発明のラッチング及び制御装置の部分的断面図が異なる動作状態で示されており、ここでラッチング及び制御装置は、ハウジング及びカートリッジ、ケースを含むドライブトレーンを含んでなるラッチング及び制御装置、検出デバイス及び伸長と後退位置間にてケース中で可動に配列されるラッチング手段を含む医療送達デバイスに統合するために提供され、ここでケースは送達デバイスのハウジングの支持手段に抗してバイアスし、そして前方及び後方位置間で可動である:
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】カートリッジ又はカートリッジホルダを受けるための凹部のカバーが開放位置から閉鎖位置へ動く場合の、ラッチング及び制御装置の第1の状態を示し、ここでカバーは、ドライブトレーンのケースが支持手段に対して無応力の位置にあるか又は最も前方位置にあり、そしてラッチング手段がドライブトレーンのケースに対して伸長位置である、第1の開放位置にある。
図2】カートリッジホルダのカバーが開放位置から閉鎖位置へ動く場合の、ラッチング及び制御装置の第2の状態を示し、ここでカバーは、ドライブトレーンのケースが支持手段に対して最も後方位置にあるようにカバーがラッチング手段を作動させ、そしてラッチング手段がドライブトレーンのケースに対して伸長位置である、第2のの開放位置にある。
図3】カートリッジホルダのカバーが開放位置から閉鎖位置へ動く場合の、ラッチング及び制御装置の第3の状態を示し、ここでカバーは、ドライブトレーンのケースが支持手段に対して最も後方又は応力の位置にあるようにカバーがラッチング手段を更に作動させ、そしてラッチング手段がドライブトレーンのケースに対して中間又は低伸長位置である、第3の開放位置にある。
図4】カートリッジホルダのカバーがその最近接位置にある場合の、ラッチング及び制御装置の第4の状態を示し、ここでドライブトレーンは支持手段に対して最も無応力又は前方位置にあり、そしてラッチング手段はドライブトレーンのケースに対して伸長位置にある。
図5】そのラッチング解除工程中のラッチング及び制御装置の第5の状態を示し、ここでカートリッジホルダのカバーはラッチング及び制御装置によってラッチされ、ドライブトレーンは送達デバイスの駆動手段によって、支持手段に対してその最も応力又は後方位置へ動き、そしてラッチング手段はドライブトレーンのケースに対して伸長位置にある。
図6】そのラッチング解除工程中のラッチング及び制御装置の第6の状態を示し、ここでカートリッジホルダのカバーはラッチング及び制御装置によってラッチ解除され、ドライブトレーンは送達デバイスの駆動手段によって、支持手段に対して前方位置へ動き、そしてラッチング手段はドライブトレーンのケースに対して後退位置にある。
図7図5に示される状態におけるラッチング及び制御装置の更なる実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明によれば、ラッチング及び制御装置1は、装置のレセプタクルから薬剤を排出するため、又は人体からの体液又は体内組織の除去のための装置に統合するために提供される。ラッチング及び制御装置1は、装置の作動手段に連結されている連結手段の位置に拠り医療器具の第1の可動部材又は部材を通常ラッチング及びラッチング解除するために提供される。
【0051】
特に、作動手段は装置のレセプタクルから薬剤を排出するための、又は人体からの体液又は体内組織の除去のための駆動手段である。レセプタクルは特にカートリッジ3として実現することができ、ここで装置は更にカートリッジ3を受けるためのカートリッジホルダ5を含む。図に示される実施態様では、カートリッジホルダ5は、カートリッジホルダ5の基礎構造物(図示せず)に枢動連結されているカバー7を含む。
【0052】
本発明の態様によれば、装置はカートリッジから薬剤を注入するための医療送達デバイスである。
【0053】
本発明のラッチング及び制御装置1は、ケース13、検出デバイス又はスイッチデバイス15、及び伸長又はラッチングと後退又はラッチング解除位置間でケース13に可動に配列される、第1の可動部材をラッチングするためのラッチング手段17を含む、ドライブトレーン10を含む。図で示されるラッチング及び制御装置1の実施態様では、ラッチング手段17の伸長位置はその遠位位置であり、そしてラッチング手段17の後退位置はその近位位置である。しかしながら一般的に、ラッチング手段17の伸長位置は代わって遠位位置であり得て、そしてラッチング手段17の後退位置は近位位置であり得る。ケース13は送達デバイスのハウジングの支持手段20に抗してバイアスし、そして前方と後方位置間で可動である。
【0054】
ドライブトレーン10はまた、ケース13の動きと第2の可動部材の少なくとも部分的な動きの連結のための連結手段13.6を含む。連結手段13.6は図で示されるように特に位置決め表面であり得る。
【0055】
検出デバイス15は、一般的にドライブトレーン10の少なくとも応力の位置の検出のために設計される。制御デバイスは検出デバイス15に機能的に連結され、そしてドライブトレーンの少なくとも応力の位置及び場合によりドライブトレーンの無応力の位置を測定するための機能を含む。従って、また制御デバイスは、第1の部材との相互作用によりその後退位置でのラッチング手段17の動き、及び第2の部材との相互作用によりその応力の位置でのドライブトレーン10の動きを測定する。検出デバイスの1つの実施態様では、同じものがドライブトレーンの少なくとも応力の位置に対するセンサ、例えば近接センサを含むことができる。図で示される実施態様では、検出デバイス16はスイッチングデバイスとして設計され、そして第1と第2の位置、又は第1と第2のスイッチング位置間で可動の可動部材16を含む。図で示されるラッチング及び制御装置1の実施態様では、第1の位置はドライブトレーン10のケース13に対して可動部材16の伸長位置であり、そして第2の位置はドライブトレーンのケース13に対して可動部材16の後退位置である。
【0056】
ラッチング手段17は、伸長位置においてバイアス手段18によりバイアスされる。ラッチング手段17は中心部材17.1から突き出る中心部材17.1及び戻り止め(detent)17.2を含む。中心部材17.1は、ケース13内に可動に配列される。ケース13はそれらがお互いに向き合うように互いに向かい合った内側壁13.1、13.2を含む。それにより内側壁13.1、13.2は案内デバイス14を形成している。更に、ケース13は開口部13.3を含み、それを通して戻り止め17.2は、レセプタクル又はカートリッジホルダ5又はカートリッジホルダ5のカバー7又は一般的に医療装置の部材に対して、エレメントをラッチするために突き出る。またケース13は連結手段13.6を含むこともでき、それによってケース13は前方及び後方位置間で動くことができる。連結手段13.6は、例えばケース13の一部として形成されている突出又は機械的連結であり得る。
【0057】
図で示される本発明の実施態様では、戻り止め17.2は、カートリッジホルダ5のカバー7と相互作用するように設計される。この点で、カバー7は凹部7.1を含む。カバー7及びラッチング及び制御装置1は、戻り止め17.2の前方部材がその閉鎖位置においてカバー7をラッチするために凹部7.1に位置することができる。更にケース13は、ケース13の内部空間に対して開口部13.3に向かい合っている底壁13.4を含む。底壁13.4と中心部材17.1の末端部17.3間にバイアス手段18が配列される。バイアス手段18は特に螺旋バネであり得る。バイアス手段18は、ラッチング手段17が底壁13.4から離れて動き、そのため戻り止め17.2が伸長位置に押され、ここで戻り止め17.2はケース13から突き出て、そしてカバー7に対して前方位置に位置する。
【0058】
更に、医療デバイスの装置の支持手段20とドライブトレーン10のケーシング13の外壁13.5との間で、更なるバイアス手段19が配列される。更なるバイアス手段19は特に、支持手段20の前方壁に配列される。ドライブトレーン10のケーシング13は前方位置でバイアス手段19によってバイアスし、この手段は可動部材又はカバー7の方向にバイアスする。従って、指示手段20は、ケース13に対してそして特に底壁13.4に対して後方又は近位方向に位置決めされる。
【0059】
その結果として、中心部材17.1の底壁13.4と末端部17.3間で配列されるバイアス手段18、及びケーシング13の支持手段20と外壁13.5間で配列されるバイアス手段19は、駆動手段又は一般的に医療装置若しくは医療デバイスの作動手段に沿って、又は縦軸方向X1又は運動方向に走る同じ方向でそれらが部材を有するように、向けられるバイアス力を各々が発生する。図で示され実施態様では、バイアス手段18、19は、縦軸方向X1に対して前後に位置し、そして両方は縦軸方向X1に向いている。
【0060】
可動部材16は、特にその伸長又は第1の位置にバイアスする。従って、可動部材16は、ドライブトレーン10のケース13が支持デバイス20に対してその前方位置にある場合に、支持デバイス20に対してその後方位置にあるドライブトレーン10のケース13を動かすことにより、可動部材16はその後退位置に動くことができる(図1、4、6)。これは、ケース13がその後方位置においてカバー7によって押されない開放状態にある場合、又はカバーは閉鎖状態にあり(図5)、そしてケース13が駆動手段によりその後方位置に動く場合のケースである。
【0061】
更にラッチング及び制御装置1は、検出デバイス15の可動部材16が連結しているロッキング及びロッキング解除デバイス(図示せず)を含む。可動部材16がその第2の又は後退位置に位置する場合に、ロッキング及びロッキング解除デバイスがロッキング状態に置かれるように、ロッキング及びロッキング解除デバイスは設計される。更に可動部材16がその第1の又は伸長位置に位置する場合に、ロッキング及びロッキング解除デバイスがロッキング解除又は開放状態に置かれるように、ロッキング及びロッキング解除デバイスは設計される。一般的に、可動部材は作動手段であり、可動部材16の後退位置はロッキング及びロッキング解除デバイスをロックするための作動位置であり、そして可動部材16の伸長位置はロッキング及びロッキング解除デバイスの解除又は作動停止位置である。
【0062】
以下では、本発明のラッチング及び制御装置1の操作が図を参照して記載される:
カートリッジホルダ5のカバー7が開放位置(図1)から閉鎖位置(図4)に動くとき、先ずカバー7の突出部分のエッジ7.2は、ドライブトレーン10のケース13を支持手段20に対して最前方位置から、ケース3が支持デバイス20に抗して押される位置へと動かす(図2)。この位置では、ロッキング及びロッキング解除デバイスは検出デバイスによりロック解除状態に置かれる。カバー7の動きの第2の段階で、これはラッチング手段17がカバー7により後退位置に動くようにすることができる(図2及び3)。カバー7の完全閉鎖位置では、可動部材16がその作動停止又は後退位置にあるように、戻り止め17.2は凹部7.1へ動き(図4)、それでラッチング手段17はケース13に対してロックされる。
【0063】
カバー7をロック解除及び開くために、駆動手段(図示せず)は、駆動手段がその後方位置にケースを動かすようにし、それにより可動部材16を作動停止又はロック解除状態にする。この状態では、カバー7は例えばハンドルにより又は操作エレメントにより手動で開放することができる(図7)。
【0064】
詳細には、カバー又はドアの閉鎖操作は以下の段階で生じる:
図1は開放位置でのカバー又はドア7を示す。ラッチング手段17は、その近位端に位置するバイアスバネの結果として医療デバイスの遠位端方向へ位置する。この段階では、ラッチスイッチとして機能する制御デバイス15及び可動部材16は状態1にある。
【0065】
図2は閉鎖されつつあるカバー又はドア7を示す。ドア又はカバー7とラッチング手段17との接触は、ラッチバイアスバネ又はバイアス手段18に抗して、医療デバイスの近位端方向へのラッチング手段の動きをもたらしている。ラッチング手段17がその最近位位置にある点により、スイッチデバイス又はスイッチの形態の可動部材16は状態1から状態2へと変わっている。
【0066】
図4は閉鎖位置でのカバー又はドア7を示す。ラッチバイアスバネは、ラッチング手段17が医療デバイスの遠位端の方へ戻るようにし、ドアが閉鎖位置に引き止められるようにドアの遠位端のプロファイルと係合する。ラッチング手段は医療デバイスの遠位端へ戻るので、ラッチスイッチは状態2から状態1へ元に戻る。
【0067】
この点で、医療デバイス又はラッチング手段は、カートリッジの挿入の次に、一連の事象が起こるように構築される:先ずドア7が手動で閉鎖され、そして可動部材又はラッチスイッチ16が一時的に状態1から2に変わり、そして1に戻る。1から2に、そして1に戻るラッチスイッチ16の該状態変化は、次いで以下に続く一連の電子制御事象をアクティブ化する:医療デバイスは第2のスイッチの使用を通してデバイス内のカートリッジの存在を確認する。この方法はカートリッジが医療デバイスに挿入されているか否かを初めに記載する。またそれは、正しいカートリッジが専用のカートリッジ包装の一部として挿入されているか否かを確認してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7