特許第5726197号(P5726197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5726197アノード再循環を制御する方法および配置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726197
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】アノード再循環を制御する方法および配置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20060101AFI20150507BHJP
   H01M 8/06 20060101ALI20150507BHJP
   H01M 8/12 20060101ALN20150507BHJP
【FI】
   H01M8/04 J
   H01M8/06 W
   H01M8/04 X
   !H01M8/12
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-535890(P2012-535890)
(86)(22)【出願日】2010年9月14日
(65)【公表番号】特表2013-509681(P2013-509681A)
(43)【公表日】2013年3月14日
(86)【国際出願番号】FI2010050704
(87)【国際公開番号】WO2011051544
(87)【国際公開日】20110505
【審査請求日】2013年8月6日
(31)【優先権主張番号】20096128
(32)【優先日】2009年10月30日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】513042506
【氏名又は名称】コンヴィオン オサケユキチュア
【氏名又は名称原語表記】CONVION OY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ハカラ,トゥオマス
【審査官】 前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−500758(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0131912(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0106429(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0039673(US,A1)
【文献】 特開2009−230926(JP,A)
【文献】 特開2006−318938(JP,A)
【文献】 特開2004−152539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00 − 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池を用いて電気を生成する燃料電池システムにおける酸素対炭素(O/C)関係を制御する配置であって、
前記燃料電池システムの各燃料電池セルは、アノード側、カソード側、および前記アノード側とカソード側の間の電解質を有し、
前記燃料電池システムは、前記アノード側に燃料として使用されるガスを供給する手段と、当該配置に水を提供する手段と、水の流れを容易化するため、前記提供された水をポンプ排出する少なくとも一つの水ポンプと、前記容易化された水の流れから水を気化し、少なくとも水蒸気ジェット排出器用の駆動圧力を有する加圧水蒸気を発生する手段と、を有し、
酸素対炭素(O/C)関係を制御する当該配置は、
−実質的に低圧のアノード排ガスの水蒸気の少なくとも一部を液体に凝縮する凝縮器であって、前記液体当該配置に水を提供する前記手段に提供する凝縮器
−冷却され実質的に乾燥したガスとして、前記アノード側ガスの一部を再循環する手段、および
−前記燃料電池システムに、前記加圧された水蒸気の少なくとも一部を放出する、前記少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器であって、前記アノード側のガス再循環に、実質的に低圧のアノード排ガスストリームの一部を取り込み、前記混合ガスを、前記燃料供給ストリームの中間圧力まで加圧し、前記燃料電池システムの前記燃料側における酸素対炭素(O/C)関係を制御する、水蒸気ジェット排出器
を有することを特徴とする配置。
【請求項2】
当該配置に水を提供する手段を提供するため、前記アノード排ガスのうち、アノードの下流で酸化されることになる部分に含まれる前記水蒸気の少なくとも一部を液体に凝縮する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項3】
前記燃料電池システムの起動および過渡的な作動モードに対して十分な水源を有することを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器は、前記凝縮器による少なくとも一部の水の分離後に、前記凝縮器からの前記加圧水蒸気に、前記再循環ガスを取り込むことを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器は、前記凝縮器による凝縮の前に、アノード排ガスストリームからの前記加圧水蒸気に、前記再循環ガスを取り込むことを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器は、前記アノード排ガスのうち、アノードの下流で酸化されることになる部分が酸化される前に、アノード排ガスストリームからの水蒸気ストリームに、前記再循環ガスを取り込むことを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項7】
燃料電池を用いて電気を生成する燃料電池システムにおける酸素対炭素(O/C)関係を制御する方法であって、
当該方法では、燃料として使用されるガスはアノード側に供給され、前記燃料電池システムに水が提供され、水の流れを容易化するため、前記提供された水量がポンプ排出され、前記容易化された水の流れから水が気化され、少なくとも水蒸気ジェット排出器用の駆動圧力を有する加圧水蒸気が発生し、
酸素対炭素(O/C)関係は、
−実質的に低圧のアノード排ガスの水蒸気の少なくとも一部を液体に凝縮することにより、前記燃料電池システムに水を提供し、
−冷却され実質的に乾燥したガスとして、前記アノード側ガスの一部を再循環し、
−前記少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器を用いて、前記燃料電池システムに、前記加圧された水蒸気の少なくとも一部を放出し、前記アノード側ガス再循環に前記実質的に低圧のアノード排ガスストリームの一部を取り込み、前記混合ガスを、前記燃料供給ストリームの中間圧力まで加圧し、前記燃料電池システムの燃料側における酸素対炭素(O/C)関係を制御する
ことにより制御される方法。
【請求項8】
水は、前記アノード排ガスのうち、アノードの下流で酸化されることになる部分に含まれる前記水蒸気の少なくとも一部を液体に凝縮することにより、再循環に提供されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
当該方法は、燃料電池システムの起動および過渡的な作動モードに対して十分な水源を利用することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記再循環ガスは、少なくとも一部の水が凝縮により分離された後、凝縮器から前記水蒸気ストリームに取り込まれることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記再循環ガスは、凝縮の前に、アノード排ガスストリームからの水蒸気ストリームに取り込まれることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記再循環ガスは、前記アノード排ガスのうち、アノードの下流で酸化されることになる部分が酸化される前に、アノード排ガスストリームからの前記水蒸気ストリームに取り込まれることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特に環境問題のため、環境に優しく、良好な効率を有する新たなエネルギー源が開発されている。燃料電池装置は、将来、エネルギー変換装置となることが期待されており、この装置では、環境に優しいプロセスにおける化学反応を介して、バイオガスのような燃料が直接電気に変換される。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、燃料電池は、アノード側100と、カソード側102と、両者の間の電解質材料104とを有する。固体酸化物型燃料電池(SOFC)では、カソード側102に酸素が供給され、これは、アノードからの電子を受領することにより、負の酸素イオンに還元される。負の酸素イオンは、電解質材料104を通り、アノード側100に達し、ここで、使用燃料と反応して、水が生成されるとともに、通常二酸化炭素(CO2)が生成される。アノード100とカソード102の間には、燃料電池の負荷110を構成する外部電気回路111がある。
【0003】
図2には、高温燃料電池装置の一例として、SOFC装置が示されている。SOFC装置は、燃料として、例えば、天然ガス、バイオガス、メタノール、または他の炭化水素含有化合物を利用することができる。図2において、SOFC装置システムは、通常、1または2以上のスタック構成103(SOFCスタック)中に、2以上の複数の燃料電池セルを備える。大型のSOFC装置システムは、いくつかのスタック103中に、多数の燃料電池セルを備える。各燃料電池セルは、図1に示すようなアノード100およびカソード102の構造体を有する。使用燃料の一部は、フィードバック配置109において再循環される。また、図2に示すSOFC装置は、燃料熱交換器105、および改質器107を有する。熱交換器は、燃料電池プロセスにおける熱状態を制御するために使用され、SOFC装置の異なる位置に、2以上の熱交換器が存在しても良い。循環ガス中の余分な熱エネルギーは、1または2以上の熱交換器105において回収され、SOFC装置または外部で利用される。改質器107は、例えば、天然ガスのような燃料を、燃料電池に適した組成に変換する装置であり、例えば、燃料を以下の全てまたは少なくともいくつかを含む組成に変換する:水素、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素、不活性ガス、および水。なお、各SOFC装置は、必ずしも改質器を有する必要はない。
【0004】
SOFC装置の作動に必要な測定は、測定手段115(流量計、電流計、および温度計など)を使用することにより実施される。アノード排ガスの一部のみが、フィードバック配置109において再循環され、ガスの他の部分は、バーナーのような後段の酸化装置で酸化される。
【0005】
燃料電池は、反応体の化学エネルギーを直接電気および熱に変換する電気化学的装置である。燃料電池システムは、従来の同等サイズのエネルギー生成技術の電気およびCHP(熱および電力の複合生成)効率を大きく凌ぐ可能性を有する。燃料電池システムは、エネルギー生成技術のキー技術として、広く期待されている。
【0006】
固体酸化物型燃料電池(SOFC)システムでは、燃料電池のアノード側に、例えば、部分改質された水素リッチな混合燃料ガスが供給され、カソード側には空気が供給される。燃料の酸化反応が生じ、水素および他の酸化可能化合物が水と二酸化炭素に変換され、電流が発生する。炭化水素燃料の改質には、水蒸気が必要なため、前記燃料の酸化による生成物として生じた水を回収し、該水を、改質器107での燃料改質に使用することは有益である。これにより、システムがいったん起動し、電気が発生すると、外部からシステムに水を供給する必要性が排除される。燃料電池セルにおいて、燃料の酸化反応の生成物として生じた水を改質する実際の方法は、アノードオフガス再循環法である。この方法は、燃料電池の単一パスの動作に比べて、全体の燃料利用率が改善されるという、追加の利点を有する。
【0007】
従来の方法では、アノードオフガス再循環法には、圧縮機または他の圧力形成装置が必要となり、燃料電池システムでの圧力低下を克服し、燃料水蒸気改質に適切な水蒸気の質量流量を供給することが可能となるよう圧力を十分に高める必要がある。キーとなる制御パラメータは、混合燃料ガスの酸素対炭素(O/C)比である。
【0008】
ある従来のシステムの実施例では、ジェット排出器の水蒸気駆動力として、高圧燃料供給が使用され、アノード排ガスが搬送されて混合燃料ガスの圧力が高められ、燃料電池システム部材における圧力ロスが抑制あれる。例えば、日本国特許出願第2008-282599(A)号には、この種のシステム技術が開示されている。この種のシステム技術では、高圧の燃料フィードストックが要求され、ジェット排出器の特定の形状のため、これらの幾何形状では、再循環比および得られる酸素対炭素(O/C)比の制御に限界がある。
【0009】
ファンまたは圧縮機によって実施される再循環は、システムに追加の自由度および制御性を提供するものの、入り組んだ、複雑で、潜在的に信頼性の劣る機構が必要となる。前述の両方法は、しばしば、推論に基づいており、高温ガスストリーム組成の測定は、難しく複雑であるため、酸素対炭素(O/C)比の算定精度が劣る場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−282599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来のシステム部材を用いて、燃料電池システムにおける実用的な酸素対炭素(O/C)関係の管理を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、
燃料電池を用いて電気を生成する燃料電池システムにおける酸素対炭素(O/C)関係を制御する配置であって、
前記燃料電池システムの各燃料電池セルは、アノード側、カソード側、および前記アノード側とカソード側の間の電解質を有し、
前記燃料電池システムは、前記アノード側に燃料として使用されるガスを供給する手段と、前記アノード側ガスの一部を再循環する手段とを有し、
酸素対炭素(O/C)関係を制御する当該配置は、
−当該配置に水を提供する手段、
−水の流れを容易化するため、前記提供された水をポンプ排出する少なくとも一つの水ポンプ、
−前記容易化された水の流れから水を気化し、少なくとも水蒸気ジェット排出器用の駆動圧力を有する加圧水蒸気を発生する手段、および
−前記燃料電池システムに、前記水蒸気の少なくとも一部を放出する、前記少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器であって、前記アノード側のガス再循環中に、実質的に低圧のアノード排ガスストリームの一部を搬送し、前記混合ガスを、前記燃料供給ストリームの中間圧力まで圧縮し、前記燃料電池システムの前記燃料側における酸素対炭素(O/C)関係を制御する、水蒸気ジェット排出器
を有することを特徴とする配置によって達成される。
【0013】
また、本発明は、
燃料電池を用いて電気を生成する燃料電池システムにおける酸素対炭素(O/C)関係を制御する方法であって、
当該方法では、燃料として使用されるガスはアノード側に供給され、前記ガスの一部は再循環され、
酸素対炭素(O/C)関係は、
−前記再循環に水を提供するステップと、
−水の流れを容易化するため、前記提供された水量をポンプ排出するステップと、
−前記容易化された水の流れからの水を気化し、少なくとも水蒸気ジェット排出器用の駆動圧力を有する加圧水蒸気を生成するステップと、
−前記少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器を用いて、前記燃料電池システムに、前記水蒸気の少なくとも一部を放出し、前記アノード側ガス再循環中に前記実質的に低圧のアノード排ガスストリームの一部を搬送し、前記混合ガスを、前記燃料供給ストリームの中間圧力まで加圧し、前記燃料電池システムの燃料側における酸素対炭素(O/C)関係を制御するステップと、
により制御される方法に関する。
【0014】
本発明は、アノード再循環中の水の流れを容易化するため、提供された水がポンプ排出され、前記容易化された水の流れから水が気化し、少なくとも水蒸気ジェット排出器用の駆動圧力を有する加圧された水蒸気を発生し、燃料電池システムに前記水蒸気の少なくとも一部を放出し、前記アノード側ガス再循環に、実質的に低圧のアノード排ガスストリームの一部を搬送し、混合ガスを燃料供給ストリームの中間圧力まで加圧し、燃料電池システムの燃料側での酸素対炭素(O/C)関係を制御することに基づく。
【0015】
本発明の利点は、従来のシステム部材を利用して、酸素対炭素(O/C)関係の連続的な制御が可能となることであり、これにより燃料電池システムの利用率が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】単一の燃料電池構造を示す図である。
図2】SOFC装置の一例を示す図である。
図3】本発明による第1の好適実施例を示す図である。
図4】本発明による第2の好適実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図3および図4を参照して、本発明の好適実施例について説明する。図3には、本発明による第1の好適実施例が示されている。この実施例では、既知の温度および水分含有量で冷却され、乾燥されたアノードガスの一部が循環される。図4には、本発明による第2の好適実施例を示す。この実施例では、高温アノードガスが循環される。
【0018】
少なくとも燃料電池システムの起動の際には、本発明による配置は、当該配置に水を提供するための手段112として、外部水源112としての水タンク112を有する。また、燃料電池反応の酸化生成物である水を含むアノード排ガスストリームも、水源112として使用されることが好ましい。アノード排ガスストリームまたはその一部は、凝縮器116に接続され、液体の水が形成される。従って、この配置は、一度システムが起動すると、他から水を供給する必要はなく、独立であり、ほとんどの状況において、水は、燃料電池反応において生成される。この種の好適実施例では、外部からシステムへの水供給がなく、O/C管理が容易となるが、凝縮器116は、配置の一部として必要となる。
【0019】
凝縮器116は、アノード排ガスの水蒸気の少なくとも一部を液体に凝縮し、および/または後工程で酸化されたアノード排ガスの少なくとも一部の水蒸気の少なくとも一部を、液体に凝縮するように作動する。また、この配置は、水貯蔵器112を有し、この水貯蔵器112は、燃料電池システムの起動および過渡的な作動モードにおいて必要となる十分な量の水を保管する。
【0020】
本発明による配置は、少なくとも、水ポンプ118、水を気化する手段120としての、高圧水蒸気発生器であることが好ましい水蒸気発生器120、および例えばジェットポンプのような水蒸気ジェット排出器122を有する。また、水蒸気発生器120として、ボイラを使用しても良い。ジェット排出器は、最も広い意味に解釈され、駆動水蒸気と推進水蒸気の間の交互交換推進の原理で作動し、少なくとも、流速を高め圧力を低下するように設計されたノズルを有する流体ダイナミック装置として、解釈される。その後、この流れは、流速を低下させ、圧力を高めるように設計された、拡散器の方に誘導される。
【0021】
水ポンプ118は、既知の質量流量値で水をポンプ排出し、本発明によるアノードガス再循環中の水の流れが容易となる。質量流量値は、燃料電池システムが作動する前に行われる測定、または燃料電池システムの作動中に、オンラインで行われる測定に基づいて把握される。次に、水蒸気発生器120は、水を気化させることにより、前記水の流れの加圧された水蒸気を発生する。この水蒸気は、少なくとも、駆動水蒸気として前記水蒸気を使用する水蒸気ジェット排出器122の駆動圧力を、水蒸気ジェット排出器のエントレイメント比による前記加圧水蒸気の少なくとも一部を放射する、水蒸気ジェット排出器に提供する。少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器(122)は、前記水蒸気の少なくとも一部を燃料電池システムに放出し、前記アノード側ガス循環中の、実質的に低圧のアノード排ガスストリームの部分を搬送し、混合ガスを燃料供給ストリームの中間圧力まで圧縮し、燃料電池システムの燃料側における酸素対炭素(O/C)関係を制御する。
【0022】
少なくとも一つの水蒸気ジェット排出器122は、前記再循環ガスを、少なくとも一部の水を前記手段116で凝縮分離した後の凝縮手段116からの水蒸気ストリームに搬送する。また、前記水蒸気ジェット排出器122は、凝縮手段(116)による凝縮の前に、または酸化手段による後段の酸化の前に、前記再循環ガスを、アノード排ガスストリームからの水蒸気ストリームに搬送する。
【0023】
SOFCと同様、本発明は、MCFC(溶融炭酸塩型燃料電池)および他の燃料電池にも適用することができる。MCFCは、高温燃料電池であり、多孔質で化学的に不活性なセラミックマトリクスに含浸された、混合溶融炭酸塩で構成された電解質が使用される。
【0024】
添付図面および詳細な説明を参照して、本発明について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明は、特許請求の範囲に示された範囲内で、様々なバリエーションがなされても良い。
図1
図2
図3
図4