(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726230
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】低オン抵抗のMOSデバイス配置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20150507BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20150507BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20150507BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
H01L29/78 301W
H01L27/08 102A
【請求項の数】22
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-98733(P2013-98733)
(22)【出願日】2013年5月8日
(62)【分割の表示】特願2009-544252(P2009-544252)の分割
【原出願日】2007年12月26日
(65)【公開番号】特開2013-179336(P2013-179336A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2013年6月4日
(31)【優先権主張番号】60/882,250
(32)【優先日】2006年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502188642
【氏名又は名称】マーベル ワールド トレード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】スタルジャ、サハット
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナムーシー、ラヴィシャンカール
【審査官】
宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−257360(JP,A)
【文献】
特開2002−110970(JP,A)
【文献】
特開2008−078469(JP,A)
【文献】
特開平03−257969(JP,A)
【文献】
特開昭61−290767(JP,A)
【文献】
特開平11−074505(JP,A)
【文献】
特開2006−120952(JP,A)
【文献】
米国特許第06064088(US,A)
【文献】
特表2002−503034(JP,A)
【文献】
特開平05−082782(JP,A)
【文献】
特開昭57−037875(JP,A)
【文献】
特開平11−251445(JP,A)
【文献】
特開2000−208759(JP,A)
【文献】
特開2004−186511(JP,A)
【文献】
特開平10−214971(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0178454(US,A1)
【文献】
米国特許第5965925(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された金属酸化膜半導体デバイス(MOSデバイス)であって、
正方形または矩形の形状を有するドレイン領域と、
(i)前記ドレイン領域を取り囲み、(ii)前記ドレイン領域の周りに閉ループ状に形成され、前記閉ループが前記ドレイン領域の形状に対応する形状を有するゲート領域と、
(i)前記ゲート領域の周りに配置され、(ii)前記ドレイン領域と対向する複数のソース領域と、
(i)前記ゲート領域の周りに配置され、(ii)前記複数のソース領域を分離する、正方形または矩形の形状を有する複数のバルク領域と
を備え
前記ドレイン領域の対向する2辺と対向するように配置された前記複数のソース領域のうちの2つのソース領域のそれぞれは、前記ドレイン領域の前記対向する2辺のそれぞれと同じ幅を有し、
前記ドレイン領域の対向する他の2辺と対向するように配置された前記複数のソース領域のうちの他の2つのソース領域のそれぞれは、前記ドレイン領域の前記対向する他の2辺のそれぞれより大きい幅を有する、MOSデバイス。
【請求項2】
前記複数のバルク領域のうちの第1のバルク領域は、
前記複数のソース領域のうちの第1のソース領域の表面と隣接する第1の表面と、
前記ゲート領域に隣接する第1の隅と
を有する、請求項1に記載のMOSデバイス。
【請求項3】
前記基板は、前記ドレイン領域の形状に対応する形状を有する、請求項1または2に記載のMOSデバイス。
【請求項4】
前記複数のバルク領域は、前記基板の複数の隅にそれぞれ配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のMOSデバイス。
【請求項5】
前記ゲート領域の下にチャネル領域が形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載のMOSデバイス。
【請求項6】
前記チャネル領域は、電流が前記複数のソース領域の各ソース領域から前記ドレイン領域へ流れるよう構成される、請求項5に記載のMOSデバイス。
【請求項7】
前記MOSデバイスはトランジスタである、請求項1から6のいずれか1項に記載のMOSデバイス。
【請求項8】
前記基板はシリコン基板であり、前記ゲート領域はポリシリコンを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のMOSデバイス。
【請求項9】
前記MOSデバイスは方形型Double−Diffused Metal Oxide Semiconductor(SQDMOS)である、請求項1から8のいずれか1項に記載のMOSデバイス。
【請求項10】
前記ドレイン領域はドレイン端子を有し、
前記複数のソース領域の第1のソース領域は、ソース端子を有し、
前記ドレイン端子と、前記ゲート領域との間の距離は、前記ソース端子と、前記ゲート領域との間の距離より長い、請求項1から9のいずれか1項に記載のMOSデバイス。
【請求項11】
前記MOSデバイスが前記ドレイン領域の周りに閉ループ状に形成された前記ゲート領域を備えることによって、前記MOSデバイスの構造が、前記ゲート領域が前記ドレイン領域の周りに閉ループ状に形成されない場合に比べて、前記MOSデバイスのオン抵抗(Ron)を小さくする、請求項1から10のいずれか1項に記載のMOSデバイス。
【請求項12】
前記ゲート領域の周りの前記複数のソース領域と前記複数のバルク領域との間に配置されている複数の領域をさらに備え、前記複数の領域のそれぞれは、前記ゲート領域に電気的に連結されたゲート端子を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載のMOSデバイス。
【請求項13】
基板上に金属酸化膜半導体デバイス(MOSデバイス)を形成する方法であって、
正方形又は矩形の形状を有するドレイン領域を形成する工程と、
(i)前記ドレイン領域を取り囲み、(ii)前記ドレイン領域の周りに閉ループ状に形成され、前記閉ループが前記ドレイン領域の形状に対応する形状を有するゲート領域を形成する工程と、
(i)前記ゲート領域の周りに配置され、(ii)前記ドレイン領域と対向する複数のソース領域を形成する工程と、
(i)前記ゲート領域の周りに配置され、(ii)前記複数のソース領域を分離する、正方形又は矩形の形状を有する複数のバルク領域を形成する工程と
を備え、
前記ドレイン領域の対向する2辺と対向するように配置された前記複数のソース領域のうちの2つのソース領域のそれぞれは、前記ドレイン領域の前記対向する2辺のそれぞれと同じ幅を有し、
前記ドレイン領域の対向する他の2辺と対向するように配置された前記複数のソース領域のうちの他の2つのソース領域のそれぞれは、前記ドレイン領域の前記対向する他の2辺のそれぞれより大きい幅を有する、方法。
【請求項14】
前記複数のバルク領域のうちの第1のバルク領域は、
前記複数のソース領域のうちの第1のソース領域の表面と隣接する第1の表面と、
前記ゲート領域に隣接する第1の隅と
を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基板は、前記ドレイン領域の形状に対応する形状を有する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のバルク領域は、前記基板の複数の隅にそれぞれ配置されている、請求項13から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記ゲート領域の下にチャネル領域を形成する工程をさらに備える、請求項13から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記チャネル領域は、電流が前記複数のソース領域の各ソース領域から前記ドレイン領域へ流れるよう構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記MOSデバイスはトランジスタである、請求項13から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ドレイン領域はドレイン端子を有し、
前記複数のソース領域の第1のソース領域はソース端子を有し、
前記ドレイン端子と、前記ゲート領域との間の距離は、前記ソース端子と、前記ゲート領域との間の距離より長い、請求項13から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記MOSデバイスが前記ドレイン領域の周りに閉ループ状に形成された前記ゲート領域を備えることによって、前記MOSデバイスの構造が、前記ゲート領域が前記ドレイン領域の周りに閉ループ状に形成されない場合に比べて、前記MOSデバイスのオン抵抗(Ron)を小さくする、請求項13から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記ゲート領域の周りの前記複数のソース領域と前記複数のバルク領域との間に配置される複数の領域を形成する工程をさらに備え、
前記複数の領域のそれぞれは、前記ゲート領域に電気的に連結されたゲート端子を含む、請求項13から21のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年12月28日出願の米国仮特許出願番号第60/882,250の恩恵を享受しており、この内容の全体をここに参照として組み込む。
本発明は、低オン抵抗のデバイスを製造する金属酸化膜半導体(MOS)デバイスの配置に係り、特に、このような配置を有する方形型二重拡散金属酸化物半導体(SQDMOS)デバイスに係る。
【背景技術】
【0002】
比較例として、
図1は、ゲート、ソース、およびボディ(バルク)領域を有する従来の金属酸化膜半導体(MOS)構造の配置の上面図である。MOSチャネル(ゲート領域)の幅がBであり、MOSチャネルの長さがGである。それぞれソースおよびドレイン領域の長さSおよびDは、一定の信頼性および電圧性能を達成する特定のプロセス技術の設計規則に基づいている。MOSの全面積はAxBである。
【0003】
MOSのオン抵抗(Ron)は、MOSチャネルの幅Bおよび長さGに依る。幅Bが大きいと、Ronが小さくなり、長さGが小さいと、Ronも小さくなる。Ronを小さくすることでMOSが一定期間内に切り替わる回数が増えるので、切り替えイベント毎の処理速度がより速くなり、利用されるエネルギーがより低くなりうる。
【0004】
しかし、Ronを小さくする際にもしもMOSチャネルの幅Bが大きくなると、MOSの面積も大きくなることが考えられる。MOSの面積が大きくなると、同じ面積におけるチップの演算能力が低くなり、チップを大きくすることになるので製造コストが増加する。故に、MOSの面積を大きくせずにRonを小さくすると有益である。
【0005】
Ronを小さくする技術の1つには、
図2の配置に示すように、2つの基本的なMOS構造をミラーリングして、各構造のドレイン領域同士が重なるようにする方法がある。この技術によれば、実効幅Bは二倍になり(つまり、各々が幅Bを有する2つのMOSチャネルが存在する)、Ronが低減され、一方で、構造の全面積は単一のMOS構造のものの二倍よりも小さい(つまり、AxBの二倍より小さい)。この構造を
図3のように繰り返すと、さらに小さいRonを得ることができる。
【0006】
本発明は、通常はデバイスの領域増加を伴わず、デバイスのRonをさらに低減させることのできるMOSデバイスの配置を提供する。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、ゲート領域(チャネル領域の上に形成される)がドレイン領域を取り囲むループ状に形成された場合、任意のMOS面積に対してチャネル幅が増大する、という発明者達の認識を具現化(capitalize)するものである。このようにすると、チャネルの実効幅が広がるので、MOSのRonはMOSの面積をさらに増やすことなく低減される。
【0008】
故に、1側面においては、本発明は、基板上に形成された金属酸化膜半導体(MOS)デバイス、およびMOSデバイスを形成する方法を提供する。MOSは、ドレイン領域と、ドレイン領域をループ状に取り囲むゲート領域と、ゲート領域の周りに、ドレイン領域と対向するよう配置された複数のソース領域と、ゲート領域の周りに、複数のソース領域を分離するよう配置された複数のバルク領域と、を備える。
【0009】
このようにすると、MOSのRonが低減される。ループ状のゲート領域は、MOSの面積をさらに増やすことなくゲート幅を広げることができる。Ronを低減させることで、MOS切り替え時間は増加しうるので、切り替えイベント毎の処理速度がより速くなり、利用されるエネルギーがより低くなりうる。
【0010】
複数のバルク領域をゲート領域の周りに、複数のソース領域を分離するよう配置することで、MOSの面積は従来の構造と比してさらに小さくなりうる。バルク領域がゲート領域の周りに配置されるので、追加的なバルク領域を、ソース領域を取り囲むよう配置する必要はないと思われる。MOSの通常動作においては、バルク領域に含まれるバルク端子は、帯電しない。バルク端子は、MOSのバルク領域に電圧バイアスを供給する。故に、MOSの性能に影響を及ぼさずにバルク端子の数を低減することができる。バルク領域がソース領域から取り除かれてもよいことから、ソース領域のサイズを低減することができる。MOSの面積を低減させることで、同じ面積に提供されうる消費電力が増え、あるいは、製造するチップがより小さくなりうるので、製造コスト低減につながる。
【0011】
ゲート領域は閉ループ状に形成されてもよく、ゲート領域の形状は、ドレイン領域の形状に対応していてよい。ドレイン領域は円形状であっても、または、正方形、矩形、六角形、および八角形のうちいずれかを含む多面多角形状を有していてもよい。
【0012】
ゲート領域の下にチャネル領域が形成されてよく、チャネル領域において、電流は各ソース領域からドレイン領域へ流れてよい。基板の形状は、ドレイン領域の形状に対応していてよく、複数のバルク領域は基板の隅にそれぞれ配置されていてよい。複数のバルク領域を基板の隅にそれぞれ配置することで、実効チャネル幅が最大化されうる。
【0013】
MOSデバイスはトランジスタであってよく、基板はシリコン基板であってよい。ゲート領域はポリシリコンを含んでよく、MOSデバイスは方形型DMOS(SQDMOS)であってよい。ドレイン領域と、複数のソース領域の少なくとも1つは、それぞれ端子を有し、ドレイン領域のそれぞれの端子と、ゲート領域との間の距離を、複数のソース領域のそれぞれの端子と、ゲート領域との間の距離より長くすることで、ドレイン領域からソース領域へのブレークダウン電圧を大きくしてよい。
【0014】
別の側面においては、本発明は、基板上にアレイ状に形成された複数のMOSトランジスタセルを備える金属酸化膜半導体(MOS)デバイスと、対応するMOSデバイス形成方法とを提供する。各MOSトランジスタセルは、ドレイン領域と、ドレイン領域を取り囲み、ループ状に形成されたゲート領域と、ゲート領域の周りに、ドレイン領域と対向するよう配置された複数のソース領域と、ゲート領域の周りに、複数のソース領域を分離するよう配置された複数のバルク領域と、を有し、複数のソース領域は、隣接するMOSトランジスタセルにおいて対応する複数のソース領域と重なる。
【0015】
本発明の概要は、本発明の性質の理解を促すことを目的としている。添付図面との関連で、以下に記すその好適な実施形態の詳細な説明を参照することで、本発明はより完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】比較例である金属酸化膜半導体(MOS)構造または1アレイのMOSセルの上面図である。
【
図2】比較例である金属酸化膜半導体(MOS)構造または1アレイのMOSセルの上面図である。
【
図3】比較例である金属酸化膜半導体(MOS)構造または1アレイのMOSセルの上面図である。
【0017】
【
図4】本発明の第1実施形態によるMOS構造の上面図である。
【0018】
【
図5A】本発明の第2実施形態による1アレイのMOSセルの上面図である。
【
図5B】本発明の第2実施形態による1アレイのMOSセルの上面図である。
【0019】
【
図6A】ハードディスクドライブ内の、本発明のブロック図である。
【0020】
【
図6B】DVDドライブ内の、本発明のブロック図である。
【0021】
【
図6C】高精細テレビ(HDTV)内の、本発明のブロック図である。
【0022】
【
図6D】車両制御システム内の、本発明のブロック図である。
【0023】
【
図6E】セルラー式または携帯電話機内の、本発明のブロック図である。
【0024】
【
図6F】セットトップボックス(STB)内の、本発明のブロック図である。
【0025】
【
図6G】メディアプレーヤ内の、本発明のブロック図である。
【0026】
【
図6H】VoIPプレーヤ内の、本発明のブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図4は、本発明の1実施形態による単一のMOSセル400の金属酸化膜半導体(MOS)構造の上面図である。
図4に示すように、MOSセル400は、正方形状に形成されるが、他の実施形態においては、MOSセル400は円形状または任意の多面多角形状(例えば、矩形、六角形、または八角形)であってよい。MOSセル400は、例えば、NMOSおよびPMOSトランジスタを含むMOSトランジスタであってよく、MOSセル400は方形型DMOS(SQDMOS)であってよい。MOSセル400においては、基板(例えば、シリコン基板または任意の他の適切な種類の基板)上に、少なくともドレイン領域401、ゲート領域402、ソース領域404および405、およびバルク領域406が形成されていてよい。
【0028】
図4に示すように、ドレイン領域401は正方形状に形成されるが、他の実施形態においては、ドレイン領域401は円形状または任意の多面多角形状(例えば、矩形、六角形、または八角形)であってよい。ドレイン領域401はドレイン端子409を含む。図では2つのドレイン端子409が示されているが、他の実施形態においては、例えば電流要件等の動作要件に部分的に基づいて、他の数のドレイン端子が利用されてよい。ドレイン端子409は、任意の電流機能において領域を最適化するよう当接(butted)される。例示されている実施形態では、ドレイン端子409とゲート領域402との間の距離D1からD4は、実質的に類似しているが、他の実施形態においては、ドレイン領域401の形状に部分的に基づいて距離D1からD4が異なっていてもよい。
【0029】
ゲート領域402はドレイン領域401を取り囲む。ゲート領域402は、ドレイン領域401の形状に対応する形状を有する閉ループとして、ドレイン領域401の周りに形成されてよい。図示されたゲート領域402は正方形状であるが、他の実施形態においては、ゲート領域402は、ドレイン領域401の形状に部分的に基づいて、円形状または任意の多面多角形状(例えば、矩形、六角形、または八角形)であってよい。ゲート領域402は、例えば、ポリシリコン、または任意の他の適切な種類の導電性または半導体性材料を含みうる。ゲート領域402の下にはチャネル領域408が形成されてよく、チャネル領域408は、電流が各ソース領域405および405からドレイン領域401へ流れるように構成されてよい。ゲート端子(不図示)は、ゲート領域402に電気的に結合された領域407に取り付けられてよい。領域407は、ゲート領域402と同じ材料を含みうる。
【0030】
ゲート領域402の周りには、ソース領域404および405、バルク領域406、および領域407が設けられる。ソース領域404または405は、ゲート領域402の各辺に設けられ、ドレイン領域401の各辺がそれと同じかそれより大きい幅を有するソース領域と整列する。このようにして、チャネル領域408の電流の流れが最大化されうる。バルク領域406および領域407は、ゲート領域402の周りに、ドレイン領域401の一辺と整列しないように設けられる。特に、バルク領域406は、MOSセル400の隅に配置されて、ゲート領域402(およびチャネル408)との接触が避けられてよく、領域407は、ゲート領域402の各部分と接触するように設けられてよい。
【0031】
従来のMOSセルのように(
図1)バルク領域406はソース領域404および405内には設けられないので、ソース領域404および405のサイズは、従来のMOSセルのソース領域のサイズより小さくてよい。
【0032】
図示されているソース領域404および405は矩形形状に形成されており、バルク領域406および領域407は正方形状に形成されている。しかし他の実施形態においては、ソース領域404および405、バルク領域406、および領域407は、MOSセル400の形状、および/または、ソース領域404および405、およびバルク領域406および領域407の配置および/または形状に部分的に基づいて、円形状または任意の多面多角形状(例えば、三角形、正方形、矩形、六角形、または八角形)であってよい。
【0033】
上述のように、領域407は、ゲート領域402に電気的に連結された不図示のゲート端子を含みうる。バルク領域406は、バルク端子411を含み、ソース領域404および405は、ソース端子410を含む。他の実施形態においては、例えば電流要件等の動作要件に部分的に基づいて、例示した数とは異なる数のソース端子410およびバルク端子411が採用されてもよい。
【0034】
図示されているソース端子410とゲート領域402との間の距離S1は、ドレイン端子409とゲート領域402との間の距離D1からD4よりも短いが、他の実施形態においては、ブレークダウン電圧に部分的に基づいて、距離S1と距離D1からD4との関係が異なってもよい。
【0035】
図5Aは、本発明の1例示的実施形態による、4つのMOSセルのアレイ500の上面図である。各セルは
図4のMOSセル400の構造を有する。セル501から504は、それぞれのソース領域404および405が互いに重なるように配置される。このようにして、セルアレイ500の全面積は、個々のMOSセル400の領域を4倍したものよりも小さくなりうる。
【0036】
ゲート領域402を、ドレイン領域401の周りにループ形状に配置することで、チャネル幅が、ゲート領域部分510、511、520、521、530、531、540、および541だけ広くなりうる(
図5B参照)。領域407下には有効なチャネルがない場合があるので幾らかのチャネル幅は失われるかもしれないが(つまり、領域407がソース領域およびドレイン領域を分離していない場合がある)、この損失よりもチャネル幅において得られる利得のほうが大きいであろう。
【0037】
このようにして、MOSセル400(およびMOSセルアレイ500)の構造は、従来のMOSセル(またはセルアレイ)のRonより低いRonを有しうる。ゲート領域402がドレイン領域401の周りにループ形状に設けられることで、実効チャネル幅(net channel width)を、MOS構造の面積を増加させずに増やすことができる。Ronを低減させることで、MOS切り替え時間は増加しうるので、切り替えイベント毎の処理速度がより速くなり、利用されるエネルギーがより低くなりうる。
【0038】
バルク領域がゲート領域の周りに配置されるので、追加的なバルク領域を、ソース領域を取り囲むよう配置する必要はなくなると思われる。バルク領域はソース領域内に含まれない場合もあるので、ソース領域のサイズを低減させることができる。MOSの面積を低減させることで、同じ面積に提供されうる消費電力が増え、あるいは、製造するチップがより小さくなりうるので、製造コスト低減につながる。
【0039】
図6A−6Hには、本発明の様々な例示的実装例が示されている。
図6Aでは、本発明は、ハードディスクドライブ1500のMOSデバイスとして具現化されうる。本発明は、
図6Aで概して1502として特定される信号処理および/または制御回路のいずれかまたは両方を実装しうる。幾らの実装例においては、信号処理および/または制御回路1502および/またはHDD1500の他の回路(不図示)は、磁気記憶媒体1506へ出力および/または磁気記憶媒体1506から受信するデータの、データ処理、符号化および/または暗号化、計算、および/またはフォーマッティングを行ってよい。
【0040】
HDD1500は、コンピュータ、情報携帯端末、セルラー式電話機、媒体、またはMP3プレーヤ等の携帯コンピュータデバイス、および/または他のデバイスなどのホストデバイス(不図示)と、1以上の有線または無線通信リンク1508を介して通信しうる。HDD1500は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ等の低レイテンシー不揮発性メモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、および/または他の適切な電子データ記憶装置などのメモリ1509に接続されてよい。
【0041】
図6Bを参照すると、本発明はデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブ1510のMOSデバイスとして具現化されうる。本発明は、概して
図6Bでは1512として示される信号処理および/または制御回路のいずれかまたは両方、および/またはDVDドライブ1510の大容量データ記憶装置1518を実装してよい。信号処理および/または制御回路1512および/またはDVDドライブ1510の他の回路(不図示)は、光学記憶媒体1516から読み出す、および/または光学記憶媒体1516へ書き込むデータの、データ処理、符号化、および/または暗号化、計算、および/またはフォーマッティングを行ってよい。幾らかの実装例においては、信号処理および/または制御回路1512および/またはDVDドライブ1510の他の回路(不図示)は、さらに、エンコードおよび/またはデコード、および/またはDVDドライブに関する任意の他の信号処理機能を行うこともできる。
【0042】
DVDドライブ1510は、コンピュータ、テレビ、または他のデバイス等の出力デバイス(不図示)と、1以上の有線または無線の通信リンク1517を介して通信してよい。DVDドライブ1510は、不揮発にデータを記憶する大容量データ記憶装置1518と通信してよい。大容量データ記憶装置1518は、
図6Aに示すようなハードディスクドライブ(HDD)を含みうる。HDDは、直径が約1.8"より小さい1以上のプラッタを含むミニHDDであってもよい。DVDドライブ1510は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの低レイテンシー不揮発性メモリ、および/または他の適切な電子データ記憶装置などのメモリ1519に接続されてもよい。
【0043】
図6Cを参照すると、本発明は高精細テレビ(HDTV)1520のMOSデバイスとして具現化されうる。本発明は、概して
図6Cでは1522で示される信号処理および/または制御回路のいずれかまたは両方、HDTV1520のWLANインタフェースおよび/または大容量データ記憶装置を実装してよい。HDTV1520は、有線または無線形式でHDTV入力信号を受信して、HDTV出力信号をディスプレイ1526用に生成する。幾らかの実装例においては、信号処理回路および/または制御回路1522および/またはHDTV1520の他の回路(不図示)は、データ処理、符号化、および/または暗号化、計算、データフォーマッティング、および/または、必要でありうる任意の他の種類のHDTV処理を行ってよい。
【0044】
HDTV1520は、光学および/または磁気記憶デバイスなどの、不揮発式にデータを記憶する大容量データ記憶装置1527と通信してよい。少なくとも1つのHDDが
図6Aに示す構成を有してよく、および/または、少なくとも1つのDVDが
図6Bに示す構成を有してよい。HDDは、直径が約1.8"より小さい1以上のプラッタを含むミニHDDであってもよい。HDTV1520は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの低レイテンシー不揮発性メモリ、および/または他の適切な電子データ記憶装置などのメモリ1528に接続されてもよい。HDTV1520はさらに、WLANネットワークインタフェース1529を介してWLANとの接続をサポートしてよい。
【0045】
図6Dを参照すると、本発明は車両1530の制御システム、車両制御システムのWLANインタフェースおよび/または大容量データ記憶装置のMOSデバイスとして具現化されうる。幾らかの実装例においては、本発明は、温度センサ、圧力センサ、回転センサ、気流センサ、および/または任意の他の適切なセンサなどの1以上のセンサから入力を受信し、および/または、エンジン動作パラメータ、トランスミッション動作パラメータ、および/または他の制御信号など1以上の出力制御信号を生成する、パワートレイン制御システム1532を実装してよい。
【0046】
本発明は、さらに、車両1530の他の制御システム1540に具現化されうる。制御システム1540は、同様に、入力センサ1542からの信号を受信し、および/または、制御信号を1以上の出力デバイス1544に出力しうる。幾らかの実装例においては、制御システム1540は、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)、ナビゲーションシステム、テレマティックスシステム、車両テレマティックスシステム、車線逸脱システム、車間距離適応走行制御システム、ステレオ、DVD、コンパクトディスクなどの車両娯楽システムなどの一部であってよい。さらに他の実装例も考えられる。
【0047】
パワートレイン制御システム1532は、データを不揮発式に記憶する大容量データ記憶装置1546と通信してよい。大容量データ記憶装置1546は、例えばハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDなどの光学および/または磁気記憶デバイスを含んでよい。少なくとも1つのHDDが
図6Aに示す構成を有してよく、および/または、少なくとも1つのDVDが
図6Bに示す構成を有してよい。HDDは、直径が約1.8"より小さい1以上のプラッタを含むミニHDDであってもよい。パワートレイン制御システム1532は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの低レイテンシー不揮発性メモリ、および/または他の適切な電子データ記憶装置などのメモリ1547に接続されてもよい。パワートレイン制御システム1532はさらに、WLANネットワークインタフェース1548を介してWLANとの接続をサポートしてもよい。制御システム1540はさらに大容量データ記憶装置、メモリ、および/またはWLANインタフェース(全て不図示)を含んでよい。
【0048】
図6Eを参照すると、本発明は、セルラー式アンテナ1551を含みうるセルラー式電話機1550のMOSデバイスとして具現化されうる。本発明は、概して
図6Eでは1552で示される信号処理および/または制御回路のいずれかまたは両方、セルラー式電話機1550のWLANインタフェースおよび/または大容量データ記憶装置を実装してよい。幾らかの実装例においては、セルラー式電話機1550は、マイクロフォン1556、スピーカおよび/または音声出力ジャックなどの音声出力1558、ディスプレイ1560および/またはキーパッド、ポインティングデバイス、音声駆動および/または他の入力デバイスなどの入力デバイス1562を含む。信号処理および/または制御回路1552および/またはセルラー式電話機1550の他の回路(不図示)は、データ処理、符号化、および/または暗号化、計算、データフォーマッティング、および/または他のセルラー式電話機能を行ってよい。
【0049】
セルラー式電話機1550は、例えばHDDおよび/またはDVDなどの光学および/または磁気記憶デバイスなどの、データを不揮発式に記憶する大容量データ記憶装置1564と通信してよい。少なくとも1つのHDDが
図6Aに示すような構成を持ってよく、および/または少なくとも1つのDVDが
図6Bに示す構成をもってよい。HDDは、直径が約1.8"より小さい1以上のプラッタを含むミニHDDであってもよい。セルラー式電話機1550は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの低レイテンシー不揮発性メモリ、および/または他の適切な電子データ記憶装置などのメモリ1566に接続されてもよい。セルラー式電話機1550はさらに、WLANとの接続を、WLANネットワークインタフェース1568を介してサポートしてもよい。
【0050】
図6Fを参照すると、本発明は、セットトップボックス1580のMOSデバイスとして具現化されうる。本発明は、概して
図6Fでは1584で示される信号処理および/または制御回路のいずれかまたは両方、セットトップボックス1580のWLANインタフェースおよび/または大容量データ記憶装置を実装してよい。セットトップボックス1580は、ブロードバンドソースなどのソースから信号を受信し、テレビおよび/またはモニタおよび/または他のビデオおよび/または音声出力デバイスなどのディスプレイ1588に適した標準および/または高精細音声/ビデオ信号を出力する。信号処理回路および/または制御回路1584および/またはセットトップボックス1580の他の回路(不図示)は、データ処理、符号化および/または暗号化、計算、データフォーマッティング、および/または任意の他のセットトップボックス機能を行ってよい。
【0051】
セットトップボックス1580は、データを不揮発式に記憶する大容量データ記憶装置1590と通信してよい。大容量データ記憶装置1590は例えばHDDおよび/またはDVDドライブである、光学および/または磁気記憶デバイスを含んでよい。少なくとも1つのHDDが
図6Aに示すような構成を持ってよく、および/または少なくとも1つのDVDが
図6Bに示す構成をもってよい。HDDは、直径が約1.8"より小さい1以上のプラッタを含むミニHDDであってもよい。セットトップボックス1580は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの低レイテンシー不揮発性メモリ、および/または他の適切な電子データ記憶装置などのメモリ1594に接続されてもよい。セットトップボックス1580はさらに、WLANとの接続を、WLANネットワークインタフェース1596を介して支援してもよい。
【0052】
図6Gを参照すると、本発明は、メディアプレーヤ600のMOSデバイスとして具現化しうる。本発明は、概して
図6Gでは604として示される信号処理および/または制御回路のいずれかまたは両方、メディアプレーヤ600のWLANインタフェースおよび大容量データ記憶デバイスを実装しうる。幾らかの実装例においては、メディアプレーヤ600は、ディスプレイ607および/またはキーパッド、タッチパッド等のユーザ入力608を含む。幾らかの実装例においては、メディアプレーヤ600は、通常、メニュー、ドロップダウンメニュー、アイコン、および/またはポイントアンドクリックインタフェースを、ディスプレイ607および/またはユーザ入力608を介して利用するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を利用してよい。メディアプレーヤ600は、さらに、スピーカおよび/または音声出力ジャックなどの音声出力609を含む。信号処理および/または制御回路604および/またはメディアプレーヤ600の他の回路(不図示)は、データ処理、符号化、および/または暗号化、計算、データフォーマッティング、および/または任意の他のメディアプレーヤ機能を行ってよい。
【0053】
メディアプレーヤ600は、圧縮音声および/またはビデオコンテンツなどのデータを不揮発式に記憶する大量データ記憶装置610と通信してよい。幾らかの実施例においては、圧縮音声ファイルは、MP3形式あるいは他の適切な圧縮音声および/またはビデオ形式に準拠するファイルを含む。大容量データ記憶装置は、例えばハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDドライブなどの、光学および/または磁気記憶デバイスを含んでよい。少なくとも1つのHDDが
図6Aに示すような構成を持ってよく、および/または少なくとも1つのDVDが
図6Bに示す構成をもってよい。HDDは、直径が約1.8"より小さい1以上のプラッタを含むミニHDDであってもよい。メディアプレーヤ600はRAM、ROM、フラッシュメモリなどの低レイテンシー不揮発性メモリ、および/または他の適切な電子データ記憶装置などのメモリ614に接続されてもよい。メディアプレーヤ600はさらに、WLANとの接続を、WLANネットワークインタフェース616を介して支援してもよい。さらに他の実施例が、上述されたものに加えて考えられる。
【0054】
図6Hを参照すると、本発明は、アンテナ621を含みうるボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)電話機620のMOSデバイスとして具現化しうる。本発明は、概して
図6Hでは622として示される信号処理および/または制御回路のいずれかまたは両方、VoIP電話機620の無線インタフェースおよび/または大容量データ記憶装置を実装してよい。幾らかの実装例においては、VoIP電話機620は、一部に、マイクロフォン624、スピーカおよび/または音声出力ジャックなどの音声出力625、ディスプレイモニタ626、キーパッド、ポインティングデバイス、音声駆動および/または他の入力デバイスなどの入力デバイス627、および、ワイヤレスフィデリティ(Wi−Fi)通信モジュール628を含む。信号処理および/または制御回路622および/またはVoIP電話機620の他の回路(不図示)は、データ処理、符号化、および/または暗号化、計算、データフォーマッティングおよび/または他のVoIP電話機能を行いうる。
【0055】
VoIP電話機620は、例えばハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDなどの光学および/または磁気記憶デバイスなどの、データを不揮発式に記憶する大容量データ記憶装置623と通信してよい。少なくとも1つのHDDが
図6Aに示すような構成を持ってよく、および/または少なくとも1つのDVDが
図6Bに示す構成をもってよい。HDDは、直径が約1.8"より小さい1以上のプラッタを含むミニHDDであってもよい。VoIP電話機620は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの低レイテンシー不揮発性メモリ、および/または他の適切な電子データ記憶装置などのメモリ629に接続されてもよい。VoIP電話機620は、Wi‐Fi通信モジュール628を介してVoIPネットワーク(不図示)との通信リンクを構築するよう構成される。
【0056】
これまで本発明を特定の例示的実施形態に関して記載してきた。本発明は、上述の実施形態に限定されず、当業者であれば本発明の精神および範囲を逸脱せずに様々な変形例および変更例に想到するであろうことを理解されたい。