(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記目標物は、構造体、くぼみ、隆起部、導管、戻り止め、フランジ、溝、部材、隔壁、段、孔、内腔、空洞、小凹点、管路、間隙、ノッチ、開口部、通路、スリット、穴、又はスロットから成るグループから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
前記整形外科用インプラントは、外側表面、カニューレを形成する内側表面、及びそれらの間に壁部を有し、前記第一磁場センサーが前記壁部内に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のシステム。
前記整形外科用インプラントは、ポケットを更に備え、前記第一センサーは前記ポケット内に配置されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のシステム。
前記整形外科用インプラントはカニューレを更に備え、前記長手方向溝は、前記カニューレに略近接していることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載のシステム。
【背景技術】
【0005】
連結用大腿骨釘は、長骨骨折の髄内(IM)固定に対する作用域を大幅に拡大してきた。髄内釘を固定すると、構成体を長手方向により安定させ、骨内における釘の回転を停止させる。典型的な髄内釘固定外科手術は、治具と、X線画像と、手動による視覚認識との組み合わせを含み、遠位部ネジ穴の位置を決め、且つドリル加工する治具。
【0006】
この外科手術手順において、髄内釘は、骨折した長骨の管の中にハンマーで打たれ、それにより骨折した端部をともに固定する。通常は、近位部の固定が最初に実施され、通常それは治具を使って実行される。しかしながら、髄内への挿入の間の釘の変形は、治具を遠位部ネジに対して不正確にする場合がある。主たる難局は、全体的な埋め込み手順の最も時間を消費し、且つ困難な段階であるので、遠位部固定ネジの位置決め、及び遠位部ネジ穴をドリル加工するドリルの位置合わせに存在する。したがって、遠位部固定における不具合に関する二つの主たる理由は、骨上の不正確な入口点、及びドリルの間違った方向付けにある。これら二つの要因のどちらかが間違っている場合には、よってドリルは釘孔を通って進まなくなる。
【0007】
また、不正確な入口点は、ドリルビットの曲線的な端部がよく滑るので問題を悪化させ、次いで、以前のドリル孔に隣接する他のドリル孔を設けることが困難になる。不正確な遠位部固定は、釘孔を通る釘の破損、ネジの破損、又は骨内のドリルビットの破断を伴う早過ぎる不具合をもたらす場合がある。
【0008】
手動式の技法が、遠位部ネジ孔に照準を合わせるための最も一般的、且つ受け入れられた技法であり、整形外科産業において優位的である。遠位部に目標を定める技法の大部分は、ドリルを案内する軸受け筒(円筒状のスリーブ)を採用している。案内軸受け筒を位置合わせする機構と、適所にそれを維持する機構とは異なる。執刀医は、ドリル加工する間のドリルビットを安定化するため、半スリーブ(長手方向に半分に切断された軸受け筒)を使用する場合がある。いずれかの状態において、執刀医は患者を切開し、その切り口を通じてドリルを挿入する。手動式の技法は、主に執刀医の器用さに基づいており、レントゲン写真のX線画像及び機械的な治具を利用している。
【0009】
長い釘に関してこれを達成する他の方法は、C字状の腕(C-arm)を用いて“完全なる円(perfect circles)”と呼ばれる技法を使用することによる。これは、透視的にインプラントを図示しているとき、ネジが通るべき孔が円形に現れるように、長い釘が、患者及びC字状の腕の方に向いている場合である。C字状の腕が孔に対して垂直でない場合には、長楕円形が見えてくるか、又は何も見えてこないことさえある。
【0010】
当業技術には、医療用インプラントの目標物に目標を定めるシステム及び方法に対する必要性が残存している。さらに、当業技術には、遠位部固定ネジを正確に位置決めし、且つ遠位部ネジ孔のドリル加工のためにドリルを正確に位置合わせする必要性が残存している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
目標物を特定するためのシステムが設けられ、前記システムは、磁場を発生させる磁場発生器と、前記磁場発生器内に配置された整形外科用インプラントであって、少なくとも一つの目標物、及び近位端部並びに遠位端部を有する長手方向溝を備えている前記整形外科用インプラントと、前記長手方向溝の前記遠位端部において前記整形外科用インプラントに取り付けられ、且つ前記少なくとも一つの目標物から規定の距離間隔を空けられた第一磁場センサーと、第二磁場センサーを有する目標物特定器と、前記第一及び第二センサーからのセンサーデータを比較し、且つ前記少なくとも一つの目標物に対して前記目標物特定器の位置を計算するために前記規定の距離を使用する処理装置と、を備えている。
【0013】
幾つかの実施形態によると、前記目標物は、構造体、くぼみ、隆起部、導管、戻り止め、フランジ、溝、部材、隔壁、段、孔、内腔、空洞、小凹点、管路、間隙、ノッチ、開口部、通路、スリット、穴、又はスロットから成るグループから選択される。
【0014】
幾つかの実施形態によると、前記整形用外科インプラントは髄内釘である。
【0015】
幾つかの実施形態によると、前記整形外科用インプラントは、外側表面、カニューレを形成する内側表面、及びそれらの間に壁部を有し、前記第一磁場センサーが前記壁部内に取り付けられている。
【0016】
幾つかの実施形態によると、前記整形外科用インプラントは、ポケットを更に備え、前記第一センサーは前記ポケット内に配置されている。
【0017】
幾つかの実施形態によると、前記整形外科用インプラントは、カバーを更に備えている。
【0018】
幾つかの実施形態によると、前記整形外科用インプラントは、前記カバーを収容するように適合された第二開口部を更に備えている。
【0019】
幾つかの実施形態によると、前記整形外科用インプラントは環状ポケットを更に備えている。
【0020】
幾つかの実施形態によると、前記システムは、前記第一磁場センサーに接続されたリード線を備えている。
【0021】
幾つかの実施形態によると、前記システムは、前記整形外科用インプラントに取り外し可能に取り付けられた挿入ハンドルを備えている。
【0022】
幾つかの実施形態によると、前記システムは、前記処理装置に電気的に接続されたモニターを備えている。
【0023】
幾つかの実施形態によると、前記システムは、前記第一センサーに接続された取り外し可能なリード線を備えている。
【0024】
幾つかの実施形態によると、前記長手方向溝は、前記インプラントの外側表面に沿っている。
【0025】
幾つかの実施形態によると、前記整形外科用インプラントは、カニューレを更に備え、前記長手方向溝は、前記カニューレに略近接している。
【0026】
幾つかの実施形態によると、前記目標物特定器は、ドリルスリーブを備えている。
【0027】
幾つかの実施形態によると、前記目標物特定器は、鋸歯状の先端部を更に備えている。
【0028】
幾つかの実施形態によると、前記目標物特定器は、管を更に備えている。
【0029】
幾つかの実施形態によると、前記目標物特定器は、マーキングセンサーを更に備えている。
【0030】
幾つかの実施形態によると、前記目標物特定器は、ハンドルを更に備えている。
【0031】
幾つかの実施形態によると、前記処理装置は、使用者にフィードバック情報を提供する。
【0032】
目標物を特定するためのシステムが設けられ、前記システムは、磁場を発生させる磁場発生器と、前記磁場発生器内に配置された整形外科用インプラントであって、少なくとも一つの目標物を有している前記整形外科用インプラントと、前記整形外科用インプラントに取り付けられ、且つ前記少なくとも一つの目標物から規定の距離間隔を空けられた磁石と、磁場センサーを有している目標物特定器と、前記磁場センサーからのセンサーデータを比較し、且つ前記少なくとも一つの目標物に対して前記目標物特定器の位置を計算するために前記規定の距離を使用する処理装置と、を備えている。
【0033】
目標物を特定する方法が設けられ、前記方法は、長手方向溝と、前記長手方向溝内に位置するとともにそこに取り付けられる磁気センサーを有している取り外し可能なリード線とを備え、且つ近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部上の少なくとも一つの目標物とを備えている整形外科用インプラントを有する整形外科用インプラント組み立て品を提供するステップと、患者に前記整形外科用インプラント組み立て品を埋め込むステップと、近位端部内に貫通要素を最初に挿入するステップと、目標物特定器を用いて前記少なくとも一つの目標物を特定するステップと、前記近位端部内に貫通要素を最初に挿入した後で、前記遠位端部の前記少なくとも一つの目標物に貫通要素を挿入するステップと、前記取り外し可能なリード線を取り外すステップと、を備えている。
【0034】
インプラントに対してドリル深さを表している第一部分、及び前記インプラント上に配置された目標物に対して目標物特定器の位置を表している第二部分を備えている、グラフィカルユーザーインターフェイスが設けられている。
【0035】
本発明は、従来装置及び従来方法を越える幾つかの利点を有している。第一に、本発明は、X線透視診断とは独立して機能し、貫通要素に目標を定めるX線装置の必要性を排除し、それによって使用者及び患者の放射線被爆を減らしている。第二に、本発明は、使用者が稼動端部を固定した後で、非稼動端部を固定することを可能にする。言い換えれば、本発明はインプラントカニューレの使用を必要とせず、幾つかの実施形態において、遠位部を固定する前に近位部を固定することを可能にする。
【0036】
本発明、及び本発明の様々な実施形態の構造及び操作の特徴、態様、並びに利点が、添付図を参照しつつ以下に詳細に記載されている。
【0037】
添付の図は、明細書の一部に組み込まれ、且つ明細書の一部を形成し、本発明の実施形態を図示するとともに、発明の詳細な説明と共に本発明の原理を説明するのに役立っている。
【発明を実施するための形態】
【0039】
添付図を参照すると、同じ参照番号は同じ要素を示しており、
図1は第一実施形態における目標物を特定するシステム10を図示している。システム10は、処理装置12、磁場発生器16、目標物特定器18、及び整形外科用インプラント組立て品28を含んでいる。幾つかの実施形態において、システム10は、処理装置12に電気的に接続されたモニター14、及び整形外科用インプラント組立て品28に取り外し可能に取り付けられた挿入ハンドル40を更に含んでいる。処理装置12は、
図1においてデスクトップ型コンピューターとして記載されているが、他の型のコンピューター装置が同様に使用されても良い。例として、処理装置12は、デスクトップ型コンピューター、ラップトップ型コンピューター、個人用デジタル補助装置(PDA)、携帯型手動操作装置、又は専用装置であってもよい。記載された実施形態においては、磁場発生器は、アメリカのMilton Vermont, Catamount Drive 107にあるAscension Technology Corporation、カナダのOntario, Waterloo, Randall Drive 103にあるNorthern Digital Inc、又はアメリカのColchester Vermont, Hercules Drive 40にあるPolhemusから入手可能な装置である。もちろん、他の発生器が用いられてもよい。例として、磁場発生器16は、パルス状の直流電磁場、又は交流電磁場を提供し得る。幾つかの実施形態において、システム10は、磁場発生器16に接続された制御ユニット(図示されず)を更に含んでいる。制御ユニットは、磁場発生器を制御し、小型携帯誘導センサーからの信号を受信し、ワイヤーを用いるか、又はワイヤレスのどちらかで処理装置12と通信する。幾つかの実施形態において、制御ユニットは、ハードウェアかソフトウェアのどちらかを介して処理装置12内に組み込まれ得る。
【0040】
システム10は、磁気位置検出システムである。磁気検出システムはよく知られており、幾つかの変形形態が開発されてきた。説明の目的のために、システム10は、空間磁気基準座標系(例えばX、Y、Z)としての役目をする、適切に配置された電磁誘導コイルを備える(compriseです)磁場発生器16を含んでいる。システム10は小型携帯誘導センサーを更に含んでおり、このセンサーは探知される対象に取り付けられている。他の変形形態が容易に適合され得ることは理解されるべきである。小型携帯誘導センサーの位置及び角度方向は、磁場発生器16によって作られた源磁場(source field)へのセンサーの磁気結合から決定されている。
【0041】
磁場発生器16はここに、一連の、又は一揃いの、ここでは六個の異なる空間磁場形態、又は空間磁場分布を発生させ、そのそれぞれが小型携帯誘導センサーによって感知される。一連の空間磁場のそれぞれは、一連の信号が小型携帯誘導センサーによって生成されることを可能にする。一連の信号の処理は、小型携帯誘導センサーの位置及び/又は方向、従って、小型携帯誘導センサーが磁場発生器16に固定された関係にある磁気座標の基準座標系に対して取り付けられている対象物の位置の決定を可能にしている。処理装置12又は制御ユニットは、基準座標システムと検知データとを使用して、位置及び方向情報を有している変換マトリックスを生成している。
【0042】
目標物特定器18は、例えば整形外科用インプラント組立て品28の目標物などに目標を定めるために使用される。目標物特定器18は、一つ以上の小型携帯誘導センサーを含んでいる。記載された実施形態においては、目標物特定器18は第二センサー20を有している。目標物特定器18は、いくつかの装置であってもよい。例として、目標物特定器は、ドリルガイド、ドリルスリーブ、ドリル、ドリル鼻、ドリルバレル、ドリルチャック、又は固定要素であってもよい。
図1に記載された実施形態においては、目標物特定器18は、鋸歯状の先端部22、管24、及びハンドル26を有するドリルである。また、管24は、軸受け筒、シリンダー、ガイド、又はドリル加工/ネジ加工配置ガイドとして参照することもできる。記載された実施形態においては、第二センサー20は管24の軸に対して方向付けされており、管24はドリルを収容し得る。管24からのセンサー20のこのオフセットは、管の位置及び方向が、磁場発生器16又はシステム内の他のセンサーに対して六次元(三つの並進、及び三つの角度)の空間内に配置されることを可能にする。幾つかの実施形態においては、処理装置12は、第二センサー20のオフセット距離を調整するように校正することを必要としてもよい。幾つかの実施形態においては、目標物特定器18及び磁場発生器16は、単一の構成要素内に組み合わされてもよい。例えば、磁場発生器16はハンドル26内に組み込まれてもよい。
【0043】
整形外科用インプラント組立て品28は、インプラント30、及び一つ以上の小型携帯誘導センサーを含んでいる。記載された実施形態においては、整形外科用インプラント組立て品28は第一センサー32を有している。
図1に記載された実施形態において、インプラント30は髄内釘の形態であるが、他のタイプのインプラントが使用されてもよい。例として、インプラントは、髄内釘、骨プレート、人工股関節、又は人工膝であってもよい。第一センサー32はインプラント上の一つ以上の目標物に対して方向付けされ、かつインプラント上の一つ以上の目標物に対して予め決められた位置にある。例として、目標物は、構造体、くぼみ、隆起部、導管、戻り止め、フランジ、溝、部材、隔壁、段、孔、内腔、空洞、小凹点、管路、間隙、ノッチ、開口部、通路、スリット、穴、又はスロットであってもよい。
図1に記載された実施形態においては、目標物は貫通孔31である。目標物から第一センサー32のこのオフセットは、目標物の位置が、磁場発生器16に対して、又は例えば第二センサー等のシステム内の他のセンサーに対して六次元(三つの並進、及び三つの角度)の空間内に配置されることを可能にする。幾つかの実施形態において、処理装置は、第一センサー32のオフセット距離を調整するように校正する必要があってもよい。
【0044】
第一センサー32及び第二センサー20は、処理装置12に接続されている。この接続は、ワイヤーによって、又はワイヤレスで達成され得る。第一センサー32及び第二センサー20は、一般的にX、Y、及びZと呼ばれる三つの並進軸と、一般的にピッチ、ヨー、及びロールと呼ばれる三つの角度方向とに、各センサーの配置を表示するように構成された六自由度センサーであってよい。これらの基準座標系にセンサーを位置付け、各センサーの配置及び方向を知ることによって、目標物特定器18は、インプラント30上の目標物に対して位置づけられ得る。一つの特定の実施形態においては、センサーからの情報によって、執刀医は、固定のための手術経路の計画を立てることができ、ドリルと視覚に代わる機器を使った固定孔とを正確に位置合わせできる。記載された実施形態においては、センサー32及び20は、アメリカのMilton Vermont, Catamount Drive 107にあるAscension Technology Corporation、カナダのOntario, Waterloo, Randall Drive 103にあるNorthern Digital Inc、又はアメリカのColchester Vermont, Hercules Drive 40にあるPolhemusから入手可能な六自由度センサーである。もちろん、他のセンサーが使用されてもよい。
【0045】
第一センサー32は、インプラント30に取り付けられてもよい。例えば、第一センサー32は、外側表面37に取り付けられてもよい。
図1に記載された実施形態においては、インプラント30は、溝34及びポケット36を更に含んでいる。溝34及びポケット36は、インプラント30の壁部に位置付けられている。記載された実施形態においては、第一センサー32はインプラント30に取り付けられ、インプラント30の耐用年数の間、患者に挿入されていることを意図されている。さらに幾つかの実施形態において、整形外科用インプラント組立て品28は、ポケット36及び/又は溝34を覆うためのカバー38を含んでいる。カバー38は、インプラント30の外側表面37と実質的に同一平面であり得る。従って幾つかの実施形態においては、インプラント30は、カバー38を収容するための第二開口部39を含んでいる。
【0046】
第一センサー32は、通信及び電力供給用のリード線に繋がれている。リード線及びセンサーは、インプラント30に固定され得る。リード線50は第一センサー32に接続している。第一コネクター52は、インプラント30に対してリード線50を取り付けるために使用されている。第二コネクター52は、例えば処理装置12又は挿入ハンドル40等の、他の装置にリード線50を接続するために使用され得る。
【0047】
第一センサー32は、一連の高剛性接着剤、又はエポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、紫外線硬化型接着剤、シリコーン、及び医療グレードのシアノアクリレートを含んでいるポリマーを使用して、ポケット36に固定され得る。例として、01821 Massachusetts, Billerica, Fortune Drive 14にあるEpoxy Technologyから入手可能なEPO-TEK 301が使用され得る。リード線50は、同様の方法で溝内に固定され得る。これらのタイプの固定方法は、電気部品の性能に不利に影響を及ぼすことはない。その後、カバー38はインプラント30に取り付けられ、適所に溶着され得る。例えば、カバーはインプラントにレーザー溶着され得る。
【0048】
モニター14は、第一センサー32及び第二センサー20の位置並びに方向を表示するように構成することができ、それによって、表示部は、両センサーの互いに対する位置及び方向を執刀医に示すことができる。処理装置12は、ワイヤーを用いるか、又はワイヤレスのどちらかで位置データをユーザーインターフェイスに送信することができ、該ユーザーインターフェイスは、モニターに目標物特定器及びインプラントの対応する位置を写実的に表示することができる。モニター14は、目標物特定器に対して方向付けられてもよく、それによって、執刀医は目標物特定器の延長としてユーザーインターフェイスを視覚化できる。またユーザーインターフェイスは、執刀医が術野と同時にモニターを見ることができるように方向付けられてもよい。
【0049】
挿入ハンドル40は、整形外科用インプラント組立て品28の挿入に使用されてよく、また、第一センサー32からのリード線の経路を定めるために使用されてもよい。例えば挿入ハンドル40は、インプラント30と処理装置12との間における、通信リード線及び電源供給リード線両方の経路を定めることができる。
【0050】
図1に記載された実施形態においては、目標物特定器18及び挿入ハンドル40それぞれは、センサー20、32から処理装置12に、データをワイヤレスで送受信する通信モジュール21及び25を含んでいるが、例えばワイヤーによってなど、他の方法が用いられてもよいことは、当業者には自明である。記載された実施形態においては、第二コネクター54は通信モジュール25に接続している。代替的には、以下により詳細に説明されるように、インプラント30及び挿入ハンドル40は、構成部品が組み立てられるときに、連結部を形成している嵌合型電気接点を備えてもよく、それによって、第一センサー32は通信モジュール25に接続される。
【0051】
幾つかの実施形態において、インプラント30は、通信回路及びワイヤレス通信用のアンテナを含み得る。第一センサー32及び/又は通信回路用の電源は、挿入ハンドル40内に配置され得る。例えば、第一センサー32及び/又は他の電子機器に電力を伝達するため、挿入ハンドル40内に、バッテリーが配置されてもよい。代替的に、通信回路、アンテナ、及びバッテリーは、挿入ハンドル40内に配置されてもよく、これらの各々は第一センサー32に繋がれてもよい。更に他の実施形態において、インプラント30は、通信回路に誘導的に電力を供給するコイルを含んでもよく、第一センサー32からのデータを通信し得る。電源は、単一の電源形態であってもよいし、又はAC/DC複合電源であってもよい。
【0052】
使用に際して、整形外科用インプラント組立て品28は、患者に設置されている。例えば、内固定の場合、髄内釘は髄内管内に位置付けられている。選択的に、使用者は、例えばネジなどの貫通要素を使用して髄内釘の近位端部を最初に固定することができる。操作者は、目標物31を特定するために、目標物特定装置18及び第一センサー32を使用する。例えば、髄内釘固定の場合、外科医は目標物特定装置18を使用して、見えない貫通孔を特定し、且つ貫通要素を配置するための孔をドリル加工する。
【0053】
図2は、
図1に示されたインプラント30を更に図示している。インプラント30は、第一センサー32、長手方向溝34、ポケット36、カバー38、及び第二開口部39を含んでいる。例として、カバー38は、金箔又はチタン箔を備え得る。幾つかの実施形態においては、インプラント30は、カニューレ33を形成する内側表面35を含んでいる。インプラント30は外側表面37を含んでいる。
【0054】
図3は、第一センサー32の第一実施形態を図示している。第一センサー32は、互いに交差して重ね合わされ、且つ角度αを有している二つのコイルを含んでいる。
【0055】
図4及び5は、第一センサー32の第二実施形態を図示している。第一センサーは互いに略直角な二つのコイルを含み、六自由度の方向及び配置を規定達成している。第一のコイルは、インプラント30の長手方向に沿って方向付けられ得る。第二のコイルは、例えば溝など、インプラントの外周に包み込まれるか、又はインプラント30の放射状範囲に沿って方向付けられてもよい。さらに、互いに直角なコイルを備えていることが好ましい一方で、計算がより複雑になるかもしれないが、他の幾何学的配置が用いられてもよい。さらに、コイルは、インプラント30の周囲に螺旋状に方向付けられてもよい。そのような方向付けは、両方のコイルがインプラントの長手方向に沿って、且つインプラント30の外周に沿って配置された状態で、二つのコイルが互いに直角に位置付けられることを可能にし得る。
【0056】
図6〜8は、整形外科用インプラント組立て品60の第二実施形態を図示している。整形外科用インプラント組立て品60は、インプラント30を含んでいる。
図6に記載された実施形態においては、インプラント30は、貫通孔31の形態の目標物を含んでいる。インプラント30は、長手方向内側溝66及び取り外し可能なリード線64を含んでいる。
図8に記載された実施形態においては、長手方向溝66の直径は、カニューレ33と交わるように示されているが、他の実施形態においては、長手方向内側溝の直径は、外側表面37と内側表面35との間に包含されている。取り外し可能なリード線64は、その遠位端部65に第一センサー32を含んでいる。第一センサー32は、目標物31から既知とされたオフセットを有して位置づけられている。
図6〜8におけるインプラントは、生体適合性のある材料を備えており、金属合金又はポリマーから成り得る。長手方向溝66は、適所に、加工又は成型され得る。
【0057】
使用に際しては、取り外し可能なリード線を有するインプラント30は患者に挿入されている。例えば、内固定の場合、髄内釘は髄内管内に位置付けられている。選択的に、使用者は、例えばネジなどの貫通要素を使用して髄内釘の近位端部を最初に固定することができる。操作者は、目標物31を特定するために、目標物特定装置18及び第一センサー32を使用する。例えば、髄内釘固定の場合、外科医は目標物特定装置18を使用して、見えない貫通孔を特定し、且つ貫通要素を配置するための孔をドリル加工する。インプラント30が固定された後、操作者は取り外し可能なリード線64を取り外し、それは廃棄される。
【0058】
図9は、
図1に示された目標物特定器18を更に図示している。目標物特定器18は、センサー20、鋸歯状の先端部22、管24、及びハンドル26を含んでいる。ドリル90は、管24に近接しているマーキングセンサー19と相互作用する標識92を備えている。相互作用は、標識92及びセンサー19間の位置が距離に等しいという点において、一対のデジタル計測ノギスに類似している。この距離は、骨内のドリルの深さを決定し、最終的には、ドリル加工された孔内に挿入される骨ネジの長さを決定するのに用いられ得る。距離、又はドリル深さの測定値は、センサー92及び19が互いに極めて接近しているとき、すなわちドリル90が管24内にあるときにのみ入手可能である。代表的な測定装置は、2004年1月13日にササキ氏等に特許された特許文献4と、2007年8月7日にMe等に特許された特許文献5とに示されており、これら文献はそれぞれ、参照によって本願に組み込まれている。記載された実施形態においては、マーキングセンサー19は通信モジュール21に接続されている。代替的に、マーキングセンサー19は、処理装置12にワイヤーによって接続されてもよい。
図9においては、通信モジュール21は、処理装置12に電気的に接続するための第三コネクター23を含んでいる。
【0059】
図10〜12は、インプラント30を、対応する電気接点を有する挿入ハンドル40に電気的に接続する代表的な方法を図示している。
図10においては、付勢要素72は、挿入ハンドル40に向かって接触部70を付勢している。
図11において、インプラント30は、エラストマー電気接点74を備えている。
図12においては、リード線50及び別の構成部品間に延在しているワイヤーが、接点76において共にクリンプ止めされている。一つの方法においては、整形外科用インプラント組立て品28の挿入後、ワイヤーは引き裂く必要が無く、接点76において分離されている。更に別の方法において、整形外科用インプラント組立て品28の挿入後、ワイヤーは接点76の上において切断される。
【0060】
図13を参照すると、インプラント30及び/又は挿入ハンドル40は、一つ以上の位置合わせ機構44及び嵌め合いノッチ80、又は位置合わせピン46及び嵌め合い孔82を含み得る。挿入ハンドルは、インプラントの上表面と位置合わせするように構成され得る。一つの実施形態において、挿入ハンドルは、固定部材上の溝孔に合うように構成された楔を備え得る。他の位置合わせガイドが使用されてもよい。更に、ガイドは、固定部材上の電気コネクターに合うように構成された電気コネクターを備え得る。ガイドと固定部材との間の接続部は、電気コネクター間の電気的接触を保証するように負荷を掛けられたバネであってもよい。ガイドと固定部材との間の接続が短絡することを避けるために、電気コネクターは絶縁され得る。挿入ハンドルをインプラントに電気的に接続する別の例として、電気コネクターは、支柱及び集電環を含んでもよい。この環は、インプラント上に配置されてもよく、支柱は挿入ハンドル上に配置されてもよい。支柱は、環に接触するように付勢されている。そのような実施形態において、インプラントの軸に対して、挿入ハンドルの角位置は固定されていない。このことは、挿入ハンドルが、角位置に関係なくインプラントに位置付けられることを可能にする。
【0061】
図14を参照すると、インプラント30及び挿入ハンドル40は、構成部品が組立てられ、又は嵌め合わされているときでさえ、第一コネクター52が使用可能である空間が残るように寸法を決められている。
【0062】
一例として、目標物を特定するシステムは、埋め込まれた髄内釘の見えないネジ穴に目標を定めることに用いられてもよい。髄内釘は、患者に埋め込まれる。電磁場発生器が起動される。処理装置は、髄内釘に取り付けられたセンサーからの信号、及び例えばドリルスリーブ等の目標物特定器に取り付けられたセンサーからの信号を受信する。処理装置において走っているコンピュータープログラムは、少なくとも二つのセンサー情報を用いて、モニター上の対応する位置にそれらを写実的に表示する。外科医は、処理装置によって提供されたフィードバックを用いて、目標物特定器を正しい位置に動かす。目標物特定器が適切な位置にある場合、外科医は骨をドリル加工し、髄内釘がネジ穴を作り上げる。幾つかの実施形態においては、処理装置は、ドリル加工された孔の深さに応じて、フィードバックを提供し得る。次いで外科医は、髄内釘の見えない孔を固定するためにドリル加工された孔を通じて、ネジを配置することができる。
【0063】
図15は、第二実施形態における目標物を特定するためのシステム110を示している。システム110は、処理装置112、目標物特定器118、及び整形外科用インプラント組立て品128を含んでいる。幾つかの実施形態においては、システム110は、モニター114及び挿入ハンドル140を更に含んでいる。
【0064】
目標物特定器118は、目標物に目標を定めるのに用いられる。目標物特定器118は、第二センサー120を含んでいる。
図15に記載された実施形態においては、目標物特定器118は、鋸歯状の先端部122、管124、及びハンドル126を有するドリルスリーブである。記載された実施形態においては、第二センサー120は管の軸に対して方向付けされており、この管はドリルを収容し得る。管からのセンサーのこのオフセットは、管の位置を、送信機又はシステム内のほかのセンサーに対して六次元(三つの並進、及び三つの角度)の空間内に配置することを可能にする。幾つかの実施形態において、処理装置は、第二センサー120のオフセット距離を調整するように校正する必要があっても良い。
【0065】
整形外科用インプラント組立て品128は、インプラント130及び磁石132を含んでいる。磁石は、永久磁石又は電磁石であり得る。磁石132は、整形外科用インプラント130上の目標物に対して予め決められた位置に方向付けされている。目標物からの磁石のこのオフセットは、目標物の位置を、送信機又は例えば第二センサーなどのシステム内のほかのセンサーに対して六次元(三つの並進、及び三つの角度)の空間内に配置することを可能にする。幾つかの実施形態において、処理装置は、磁石132のオフセット距離を調整するように校正する必要があっても良い。
図1に記載された実施形態においては、インプラント130はポケット136及びカバー138を更に含んでいる。電磁石の場合、リード線150は磁石132に接続しており、溝134内に包含されている。
【0066】
一例として、目標物を特定するシステムは、埋め込まれた髄内釘の見えないネジ穴に目標を定めるのに用いられ得る。髄内釘は、患者に埋め込まれている。処理装置は、例えばドリルスリーブ等の目標物特定器に取り付けられたセンサーからの信号を受信する。処理装置を走っているコンピュータープログラムは、センサー情報を用い、モニター上の磁石に対する位置に、センサーを写実的に表示する。外科医は、処理装置によって提供されたフィードバックを用いて、正しい位置に目標物特定器を動かす。目標物特定器が適切な配置にあるとき、外科医は骨をドリル加工し、髄内釘がネジ穴を作り上げる。幾つかの実施形態において、処理装置は、ドリル加工された孔の深さに応じて、フィードバックを提供し得る。次いで外科医は、ドリル加工された孔を通って、ネジを配置して髄内釘の見えない孔を固定することができる。
【0067】
図16は、目標物特定器の位置に対応する視野を選択する方法を示している。幾つかの実施形態において、モニターに表示された視野は、インプラントに対する目標物特定器の位置に依存する。インプラントの直径は、複数の区画又は領域に分割されている。
図16に記載された実施形態においては、直径は、(A)135°〜225°、(B)0°〜135°、及び(C)225°〜360°という三領域に分割されている。最初の図は、インプラントに対する目標物特定器の方向に基づいている。使用者が、目標物特定器をインプラントの方へ、又はインプラントから離す方へ動かすと、モニターは選択された領域をズームイン又はズームアウトして表示する。
【0068】
図17は、視野の選択及び一つの目標物の表示のためのフローチャートである。当該工程は、複数の目標物に対して繰り返されてもよい。処理装置12は、以下の工程ステップにおいて変換マトリックスを使用する。ステップ200において、目標物特定器の位置は、関連するセンサーの位置に基づいてインプラントに対して計算され、目標物特定器に最も近い目標物が画面に選択される。ステップ210において、適切な視野に対して方向付けられた選択された目標物を有するインプラント全体を示すように全体的視野が規定される。全体的視野は、所定の距離でインプラントを視認することに類似している。ステップ220において、同一方向を有している複数の目標物が存在するかどうかの決定をする。もしイエスであれば、次にステップ230において、処理装置は、どの目標物が目標物特定器の位置に最も近いかを計算し、視認のためにそれを選択する。もしノーであれば、ステップ240において、局所的な視野が規定され、選択された目標物に中心合わせがなされる。局所的な視野は、極めて接近しているインプラントを視認することに類似している。幾つかの実施形態においては、局所的な視野が規定される場合に、目標物特定器を隠すことが望ましい場合がある。ステップ250、260、及び270においては、処理装置12が目標物特定器から目標物への距離を特定し、下された決定によって目標物特定器を隠すか又は提供する。ステップ250において、目標物特定器から目標物への距離と比較とが、計算された距離Dと変数T
グローバル(T
Global)及びT
ローカル(T
Local)の組との間においてなされる。D>T
グローバルである場合には、次いで全体的な視野がステップ260において選択され、処理装置はステップ285に進む。D<T
ローカルである場合には、次いでステップ270において居所的な視野が選択され、目標物の中心合わせがなされる。その後、処理装置はステップ275に進む。選択的なステップ275においては、目標物特定器は隠されている。そうでない場合には、ステップ280において中間カメラの位置が距離Dに基づいて計算され、全体的視野から局所的視野への滑らかな移行が可能となる。ステップ285においては、目標物特定器が示される。ステップ290においては、選択されたカメラの位置による画像が提供されている。
【0069】
図18は、目標物特定器を位置合わせする第一の代替的な方法を概略的に図示している。処理装置において走っているコンピュータープログラムは、少なくとも二つのセンサー情報を入手し、モニターにそれらの対応する位置(第一センサーに対する第二センサーの位置)を図示的に表示するのに使用され得る。このことは、使用者が、目標物特定器の配置を案内するためにシステムを利用できるようにする。見えない髄内釘孔をドリル加工する場合、システムは、ドリルスリーブの位置に使用者を案内し、その後、髄内釘の孔を正確にドリル加工するようにガイドする。グラフィカルユーザーインターフェイスは、各自由度に対する位置合わせガイドを含み得る。各自由度が目標物特定器を効果的に位置付けるための最小位置合わせ水準に合致するまで、外科医が目標物特定器を方向付けし続けるように、最小位置合わせ水準が設定され得る。
図18の実施例は、Y方向における配置が、必要とされる最小の追跡配置に合致する事例を示している。しかしながら、他の並進又は回転自由度は、最小限の要求事項とは合致しない。追跡の大きさが棒グラフとして示される一方で、例えばカラーコーディングなどの他の図示的表示が使用されてもよい。
【0070】
図19は、目標物特定器を位置合わせする第二の代替的な方法を概略的に図示している。この実施形態においては、ドリルを位置づけするための複数のLEDを使用するグラフィカルインターフェースは、ドリルスリーブのような目標物特定器に配置することができる。ドリルの追跡軌道に複数のLEDを使用することによって、外科医は見えない固定孔にドリルを位置合わせできる。軌道は、より多くの情報をシステムに提供するために、補助的な表示装置を付加的に使用してもよい。例えば、調整の規模に影響を及ぼすため、軌道はフラッシュLEDを含んでもよく、それによって、低頻度のフラッシュが小さな調整を必要とする一方で、高頻度のフラッシュは大きな調整を必要とする。同様に、色が位置合わせに対する調整に関する情報を付加してもよい。
【0071】
図20は、代表的な視野を有するモニターを図示している。第一部分500は、ドリルがインプラントのそれぞれの側に存在する距離を示している。これは、使用者にドリル深さのより良い理解を提供し、適切なドリル深さが得られたときに、いつ停止すべきかを使用者に警告する。第二部分510は、使用者に位置合わせ情報を提供する。例として、ドリル深さデータは、
図9に示された実施形態を用いて得ることができる。
【0072】
図21は、目標物特定器の代替的な実施形態を図示している。目標物特定器は、適切な位置合わせのための位置情報及び軌道情報を、LEDによって表示するように構成されている。LEDの大きさは、必要とされる調整の大きさに関する付加的な情報を表示し得る。軌道光は、位置合わせされた軌道と不完全に位置合わせされた軌道との間の、単純なオン/オフトグルスイッチを表示し得る。他の例として、軌道LEDはカラーコードとすることができ、適切な位置合わせのために必要とされる調整の大きさを示唆してもよい。
【0073】
図22は、挿入ハンドル700の第一の代替的実施形態を図示している。挿入ハンドル700は、弓形溝710を含んでいる。弓形溝は、操作空間内において、目標物特定器18、118の動きを制限している。見えないネジ穴を特定する場合、弓形溝は、その正常な位置の精細な調整のためドリルスリーブの動きを制限している。幾つかの実施形態において、挿入ハンドル700は、目標物特定器を収容し、溝710に重なる台車712を含んでいる。
【0074】
図23は、第三実施形態において、目標物を特定するシステムを図示している。この実施形態において、整形外科用インプラント800は骨プレートであり、挿入ハンドル810は骨プレートに固定されたガイドである。記載された実施形態においては、誘導センサーは、一つ以上の目標物に関連する整形外科用インプラント800の表面に設けられている。ガイド810は、目標物特定器818をガイドに対して並進及び/又は回転させることを可能とし、目標物特定器と、例えば締結孔などの目標物802とを適切に位置合わせする。さらに、複数の固定孔がインプラント上に存在する場合には、ガイド810上の付加的なガイド孔812は、付加的な固定孔の位置を近似させる。
【0075】
図24は、挿入ハンドルの第二の代替的実施形態を示している。挿入ハンドル900は、小型サーボモーター920、922、及び924の使用を通じた、目標物特定器918の位置における精細な調整を必要とする。サーボモーター920、922、及び924は、目標物特定器918の方向及び位置を調整し得る。サーボ機構の制御は、自動であってもよいし、又は外科医によって制御されてもよい。
【0076】
一つの特定の実施形態においては、提供されたフィードバック情報は、聴覚、視覚、及び触覚から成るグループから選択される。聴覚フィードバックは、スピーカ、ヘッドホン、小型イヤホン、又は補聴装置を通じて出力され得る。聴覚フィーバック信号は、無線周波数又は地上波データ通信を使用して、ワイヤー又はワイヤレスを介して伝達され得る。視覚フィードバックは、ブラウン管、液晶ディスプレイ、又はプラズマディスプレイを通じて出力され得る。視覚フィードバック装置は、例として、テレビモニター、個人用デジタル補助装置、又は個人用メディアプレーヤーを含み得る。視覚フィードバック信号は、無線周波数又は地上波データ通信を使用して、ワイヤー又はワイヤレスを介して伝達され得る。触覚フィードバックは、手袋、器具、又は床マットを通じて出力され得る。触覚フィードバック信号は、無線周波数又は地上波データ通信を使用して、ワイヤー又はワイヤレスを介して伝送され得る。
【0077】
本発明は、目標物を特定する方法を更に含んでいる。この方法は、長手方向溝と、前記長手方向溝内に位置するとともにそこに取り付けられる磁気センサーを有している取り外し可能なリード線とを備え、且つ近位端部と、遠位端部と、遠位端部上の少なくとも一つの目標物とを備えている整形外科用インプラントを有する整形外科用インプラント組立て品を提供するステップと、患者に前記整形外科組立て品を埋め込むステップと、近位端部内に貫通要素を最初に挿入するステップと、目標物特定器を用いて少なくとも一つの目標物を特定するステップと、前記近位端部内に貫通要素を最初に挿入した後で、前記遠位端部の前記少なくとも一つの目標物に貫通要素を挿入するステップと、取り外し可能なリード線を取り外すステップとを含んでいる。この方法は、遠位端部の固定に先立って、インプラントの近位端部を固定することを可能にする。従来の装置が近位端部の固定に先立って遠位端部の固定を必要としていたので、このことは従来技術を越えた重要な利点である。
【0078】
前述を考慮して、本発明の幾つかの利点が達成され、且つ実現されることが理解される。
【0079】
複数の実施形態は、本発明の原理及びその実際の適用例を最良に説明するために選択且つ記載されており、従って、特定の意図された使用に適応されるように、他の当業者は、様々な実施形態且つ様々な修正形態を有する本発明を最良に利用できる。
【0080】
様々な修正形態は、本発明の範囲から逸脱せずに、ここに記載され且つ図示された構造及び方法においてなされるので、前述の記載に含まれ、又は添付図面に示された全ての事項は、制限するというようよりむしろ説明に役立つものとして解釈されるだろう。★例えば、
図1はインプラントに第一センサーを固定する為のポケットを図示している一方で、他の構造及び/又は方法がこれらの成形品を共に固定するために使用されてもよい。★したがって、本発明の広がりと範囲は、上述された代表的な実施形態の何れか一つによって制限されるべきではなく、ここに添付された下記請求項及びそれらと同等のものに関してのみ規定されるべきである。