【実施例】
【0018】
  まず、本発明の一実施例である携帯端末機100は、携帯用電話機であり、
図1乃至
図3に示すように、情報を画面表示する携帯表示手段110と、利用者の顔を撮像して化粧前顔画像P1を生成する携帯撮像手段120と、複数の操作キー131を有する携帯入力手段130と、これら各手段を制御する制御部140とを備えている。
【0019】
  なお、化粧前顔画像P1とは、後述する携帯画像合成手段143により仮想的に化粧を施す前の画像のことを意味しており、現実に化粧を施されていない顔の画像、および、現実に化粧を施された顔の画像の両方を含むものとする。
  また、この化粧前顔画像P1は、後述する携帯記憶手段144内に一時記憶または蓄積された画像であれば、携帯表示手段110を用いて撮像した以外の画像であっても何ら構わない。
【0020】
  また、前述した制御部140は、
図3に示すように、ネットワーク経由で外部の管理サーバSに対して情報要求信号を送信するとともに管理サーバSから化粧品情報を受信する携帯送受信手段141と、携帯撮像手段120により撮像された化粧前顔画像P1を解析して顔輪郭情報および顔部品情報を抽出する携帯画像解析手段142と、顔輪郭情報および顔部品情報および化粧品情報を基に化粧前顔画像P1に対して仮想的に化粧を施して化粧後顔画像P2を生成する携帯画像合成手段143と、化粧品情報および化粧前顔画像P1および化粧後顔画像P2を一時記憶または蓄積する携帯記憶手段144を備えている。
  なお、ここで言う顔部品とは、唇、鼻、目、眉毛などの顔を構成する各パーツを意味している。
【0021】
  また、前述した化粧品情報は、化粧品種類情報と化粧品色情報とを含んでいる。
  ここで言う化粧品種類情報とは、口紅、グロス、マスカラ、ファンデーションなどの化粧品ジャンルを識別する情報のことを意味している。
【0022】
  また、前述した顔部品情報は、各顔部品の顔部品種類情報と顔部品輪郭形状情報と顔部品位置情報とを含んでいる。
  ここで言う顔部品種類情報とは、口、鼻、目、眉毛などの顔を構成する各パーツを識別する情報のことを意味している。
  ここで言う顔部品位置情報とは、化粧前顔画像P1内における顔部品の位置を示す情報のことを意味している。
【0023】
  また、前述した顔輪郭情報は、顔輪郭形状情報と顔輪郭位置情報とを含んでいる。
  ここで言う顔輪郭位置情報とは、化粧前顔画像P1内における顔輪郭の位置を示す情報のことを意味している。
【0024】
  以下に、本発明の携帯端末機100を用いたメークアップ支援機能の使用方法を
図1乃至
図4に基づいて説明する。
【0025】
  まず、利用者は、外部の管理サーバSにネットワーク経由でアクセスすることで、化粧品情報を事前に入手し、この化粧品情報を携帯記憶手段144に記憶させておく(第1ステップ)。
  なお、この第1ステップは、後述する第2ステップとの前後を問わない。
【0026】
  次に、利用者は、携帯撮像手段120を用いて自らの顔を撮像し、
図1に示すように、化粧前顔画像P1を携帯表示手段110に画面表示させる(第2ステップ)。
  なお、この第2ステップを省略して、携帯記憶手段144に予め記憶させた自己または他者の顔画像を利用しても何ら構わない。
【0027】
  次に、利用者は、
図4に示すように、第1ステップで携帯記憶手段144に記憶させた化粧品情報の中から1つまたは複数の化粧品情報を選択する(第3ステップ)。
【0028】
  次に、利用者は、化粧品の使い方を選択する(第4ステップ)。
  ここで言う化粧品の使い方とは、唇に対する口紅の塗り方や、まつ毛に対するマスカラの塗り方などのことを意味している。
【0029】
  最後に、利用者は、
図2に示すように、携帯端末機100により画像処理を施された化粧後顔画像P2を携帯表示手段110により確認する(第5ステップ)。
【0030】
  なお、この第5ステップの後、利用者が希望の化粧品を手軽に購入することができるように、化粧品情報に購入先のアドレス情報を含めておいてもよい。
  また、更に利用者の化粧品購入を支援するため、化粧品情報を付帯した化粧後顔画像P2から化粧品情報を抜き出して、この化粧品情報を一覧表示する一覧表示手段を制御部140に設けておいてもよい。
  また、利用者が化粧後顔画像P2の彩度や光度などを調整できるように、画像補正手段を制御部140に設けておいてもよい。
【0031】
  続いて、本発明の携帯端末機100による画像処理工程を図面に基づいて、以下に説明する。
【0032】
  まず、携帯端末機100は、利用者により前述した第4ステップが行われた後、携帯画像解析手段142を用いて、化粧前顔画像P1を解析して顔輪郭情報および顔部品情報を抽出する(第1処理工程)。
【0033】
  次に、携帯端末機100は、携帯画像合成手段143を用いて、化粧品種類情報と顔部品種類情報と顔部品輪郭形状情報と顔部品位置情報と顔輪郭形状情報と顔輪郭位置情報などを基に、化粧前顔画像P1に化粧を施す化粧塗布領域を特定する(第2処理工程)。
【0034】
  なお、この第2処理工程は、利用者により選択された化粧品の種類に応じて、利用する情報がそれぞれ異なる。
  すなわち、顔部品輪郭の内側領域に塗布される口紅やグロスなどの場合、携帯画像合成手段143は、化粧品種類情報と顔部品種類情報と顔部品輪郭形状情報に基づいて、化粧塗布領域を特定する。
  また、顔部品輪郭の外側領域に塗布されるものの、顔輪郭の付近領域に塗布されることのないマスカラやアイシャドウなどの場合、携帯画像合成手段143は、化粧品種類情報と顔部品種類情報と顔部品輪郭形状情報と顔部品位置情報に基づいて、化粧塗布領域を特定する。
  そして、顔部品輪郭の外側領域かつ顔輪郭の内側領域に塗布されるファンデーションやチークなどの場合、携帯画像合成手段143は、化粧品種類情報と顔部品種類情報と顔部品輪郭形状情報と顔部品位置情報と顔輪郭形状情報と顔輪郭位置情報に基づいて、化粧塗布領域を特定する。
【0035】
  次に、携帯端末機100は、携帯画像合成手段143を用いて、前述した化粧塗布領域に化粧品色情報を基に色塗り処理を施す(第3処理工程)。
【0036】
  最後に、携帯端末機100は、
図2に示すように、携帯表示手段110を用いて、化粧後顔画像P2を画面表示する(第4処理工程)。
【0037】
  このようにして得られた本実施例の携帯端末機100は、大掛かりな機器や設備を必要とすることなく、一般に携帯端末機器に装備されている携帯撮像手段120を利用することが可能であるため、場所や時間に制限を受けることなく、利用者の顔写真に仮想的に化粧を施した化粧後顔画像P2を手軽に得ることができる。
【0038】
  また、本実施例の携帯端末機100では、私的情報を含まない情報要求信号および化粧品情報の送受信以外は、端末内部で全ての処理を完遂することが可能であるため、通信中に利用者の私的情報が外部に漏出する危険性を完全に排除できる。
【0039】
  そして、前述したように私的情報、特に、化粧前顔画像P1および化粧後顔画像P2を外部に送信する必要がないとともに、画像撮像の場所に制限を受けないため、他人の居ない自宅などで画像撮像することで、他人に化粧前顔画像P1および化粧後顔画像P2を見られる危険性を完全に排除でき、女性利用者に安心して利用してもらうことができる。
【0040】
  また、化粧品情報を外部の管理サーバSから入手するため、多大な労力を必要とすることなく、最新の状態に更新された化粧品情報を用いた化粧後顔画像P2を得ることができる。
【0041】
  次に、本発明の携帯端末機100の第1変形例を
図5および
図6に基づいて説明する。
  ここで、第1変形例である携帯端末機100における携帯識別子読み取り手段145以外の構成は前述した内容と全く同じであるため、携帯識別子読み取り手段145以外の構成についてはその説明を省略する。
【0042】
  第1変形例の携帯端末機100は、
図5に示すように、制御部140が、
図6に示すような識別子を読み取る携帯識別子読み取り手段145を更に備えている。
  この識別子には、管理サーバS内の特定の化粧品情報に関するアドレス情報が含まれており、このアドレス情報を基に、利用者は、所望の化粧品情報を容易に入手することが可能になる。
  なお、識別子は、一次元コードや二次元コードなどの如何なるものであってもよい。
【0043】
  このようにして得られた第1変形例の携帯端末機100は、携帯識別子読み取り手段145を備えていることにより、化粧品店の店頭、雑誌、電車内広告などに表示された識別子を携帯識別子読み取り手段145により読み取ることで、化粧品情報に関するアドレス情報を容易に入手でき、化粧品情報を掲載したウェブページなどで所望の化粧品情報を探す手間が省けるため、利用者は、興味を頂いた化粧品を用いた化粧後顔画像P2を手軽かつ即座に作成できる。
【0044】
  次に、本発明の携帯端末機100の第2変形例を
図7および
図8に基づいて説明する。
  ここで、第2変形例である携帯端末機100における携帯対応付け手段146以外の構成は前述した内容と全く同じであるため、携帯対応付け手段146以外の構成についてはその説明を省略する。
【0045】
  第2変形例の携帯端末機100は、
図7および
図8に示すように、制御部140が、化粧前顔画像P1または化粧後顔画像P2を複数の部分画像P3に分割して、各操作キー131の操作と各部分画像P3の指定とを1対1の関係でそれぞれ対応付ける携帯対応付け手段146を更に備えている。
【0046】
  本変形例では、
図8に示すように、操作キー131aと部分画像P3aとを相互に対応付けており、操作キー131aを押すことで部分画像P3aを指定するように設定されている。
  操作キー131bおよび部分画像P3bも同様であり、また、その他の操作キー131および部分画像P3も同様である。
【0047】
  このようにして得られた第1変形例の携帯端末機100は、携帯対応付け手段146を備えていることにより、パソコン等のように複雑な入力手段を設けることが難しい携帯端末機であっても、複雑なキー操作を必要とすることなく、利用者が所望の部分画像P3を直感的に指定することが可能であるため、化粧前顔画像P1または化粧後顔画像P2の一部範囲を指定して補正や加工等を容易に施すことができる。