特許第5726445号(P5726445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726445
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】給紙システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/14 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   B65H1/14 322D
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-151281(P2010-151281)
(22)【出願日】2010年7月1日
(65)【公開番号】特開2012-12183(P2012-12183A)
(43)【公開日】2012年1月19日
【審査請求日】2013年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】岡垣内 泰成
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸生
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−143714(JP,A)
【文献】 特開2002−178610(JP,A)
【文献】 特開2009−066584(JP,A)
【文献】 特開2005−298209(JP,A)
【文献】 特開2003−063673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00− 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不特定多数枚を単位として用紙を処理する処理装置と、
該処理装置の上流側に位置し、該処理装置に用紙を送り出す、給紙装置と、
を備えた、給紙システムであって、
給紙装置が、
用紙が積載される載置台と、
載置台を昇降させる昇降機構と、
載置台に積載された用紙の内の最上の用紙を、給紙ローラと摩擦分離部材との間に挟んで、下流へ向けて送り出す、分離送出部と、
載置台に積載されている用紙を、上から一枚ずつ、自動で且つ連続して、下流へ送り出すように、昇降機構及び分離送出部を制御する、制御部と、
載置台が用紙を載置台に追い積みするために必要な所定距離だけ下降したことを検知する検知部と、を備えており、
制御部は、給紙装置の作動が停止すると、自動的に又は下降ボタンが手操作で押されることにより、昇降機構を作動させて載置台を前記所定距離だけ下降させるようになっており、更に、載置台が所定距離だけ下降したことが検知部によって検知されると、給紙ローラと摩擦分離部材との間に挟まれた状態の用紙を載置台の上方から無くなるように下流に向けて送り出す、用紙追い出し作動を、実行するように、分離送出部を制御するようになっている、
ことを特徴とする給紙システム。
【請求項2】
処理装置が、用紙を細断処理する細断装置である、
請求項1記載の給紙システム。
【請求項3】
給紙ローラと摩擦分離部材とのニップ部の上流側近傍に、その地点における用紙の有無を検知する用紙有無センサーを、備えており、
制御部は、用紙追い出し作動として、用紙有無センサーが用紙の無い状態を検知するまで、給紙ローラを回転させるようになっている、
請求項1又は2に記載の給紙システム。
【請求項4】
制御部は、用紙追い出し作動として、所定回数だけ給紙ローラを回転させるようになっている、
請求項1又は2に記載の給紙システム。
【請求項5】
検知部が、載置台の積載空間の最上位置から上記所定距離だけ下方の位置に設置された、光センサーである、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の給紙システム。
【請求項6】
検知部が、昇降機構の駆動モータの回転数を計測する計測部と、計測された回転数に基づいて載置台の下降距離を算出する算出部と、算出された下降距離が上記所定距離であるか否かを判断する判断部と、からなっている、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の給紙システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置台に積載された用紙を自動で且つ連続して下流の処理装置へ供給する給紙システムに、関するものである。
【背景技術】
【0002】
載置台に積載された用紙を自動で且つ連続して下流の処理装置へ供給する給紙システムにおいては、載置台に積載された用紙を、上から一枚ずつ、給紙ローラと摩擦分離部材との間に挟んで、処理装置へ供給するようになっている給紙装置が、用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平5−18342号公報
【特許文献2】特開2003−63673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記給紙装置において、載置台に用紙を追い積みする場合には、一旦、装置の作動を停止させるとともに載置台を下降させ、その後、用紙を積載する。しかしながら、給紙作業の途中において装置が停止すると、用紙が給紙ローラと摩擦分離部材との間に挟まれた状態となることが、多々発生する。その場合には、挟まれた状態の用紙の一部が、載置台の上方に存在しているために、用紙を積載する際の邪魔になる。そこで、用紙を積載する前に、挟まれた状態の用紙を引き抜いていた。しかし、挟まれた状態の用紙を引き抜く作業は、面倒であった。
【0005】
そこで、上記の面倒な作業を無くすために、特許文献1の技術を利用することが考えられる。その技術では、載置台の下降に連動させて給紙ローラを摩擦分離部材から離間させている。しかしながら、この技術を利用する場合には、給紙ローラを離間させるための機構を設ける必要があるため、生産コストが増大するという問題がある。したがって、この技術を利用するのは現実的ではない。
【0006】
或いは、特許文献2の技術を利用することが考えられる。その技術では、給紙ローラを逆回転させて用紙を載置台に戻している。すなわち、特許文献2の装置では、処理装置が1枚単位で用紙を処理する印刷装置であるため、印刷装置を上位として制御が行われており、したがって、給紙装置を上位として印刷装置を制御することはできず、それ故に、給紙装置において給紙ローラと摩擦分離部材との間に挟まれた状態の用紙は、印刷装置へ送ることはできず、載置台へ戻すしかなかった。しかしながら、戻される用紙は、積載されている用紙との間に摩擦が働くために、元の整列状態には戻りにくい。したがって、この技術を利用することも現実的ではない。
【0007】
本発明は、挟まれた状態の用紙を簡単に無くして、用紙を容易に追い積みすることができる、給紙システムを、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、不特定多数枚を単位として用紙を処理する処理装置と、該処理装置の上流側に位置し、該処理装置に用紙を送り出す、給紙装置と、を備えた、給紙システムであって、給紙装置が、用紙が積載される載置台と、載置台を昇降させる昇降機構と、載置台に積載された用紙の内の最上の用紙を、給紙ローラと摩擦分離部材との間に挟んで、下流へ向けて送り出す、分離送出部と、載置台に積載されている用紙を、上から一枚ずつ、自動で且つ連続して、下流へ送り出すように、昇降機構及び分離送出部を制御する、制御部と、載置台が用紙を載置台に追い積みするために必要な所定距離だけ下降したことを検知する検知部と、を備えており、制御部は、給紙装置の作動が停止すると、自動的に又は下降ボタンが手操作で押されることにより、昇降機構を作動させて載置台を前記所定距離だけ下降させるようになっており、更に、載置台が所定距離だけ下降したことが検知部によって検知されると、給紙ローラと摩擦分離部材との間に挟まれた状態の用紙を載置台の上方から無くなるように下流に向けて送り出す、用紙追い出し作動を、実行するように、分離送出部を制御するようになっている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、給紙ローラと摩擦分離部材との間に挟まれた用紙を、用紙追い出し作動によって、載置台の上方から簡単に無くすことができるので、用紙を容易に追い積みすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の給紙システムの側面断面図である。
図2図1のII矢視図である。
図3図1の要部Aの拡大図である。
図4図1のIV矢視図である。
図5】摩擦分離部材の下方斜視図である。
図6】給紙装置の作動途中又は停止の状態を示す側面断面部分図である。
図7図6に続く状態を示す側面断面部分図である。
図8図7に続く状態を示す側面断面部分図である。
図9】給紙装置の別の作動途中又は停止の状態を示す側面断面部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図を参照しながら、説明する。なお、以下の説明において、「上流」とは、用紙の搬送方向の上流を意味し、「下流」とは、搬送方向の下流を意味している。具体的には、図1の矢印Xの示す方向が「下流」であり、その逆が「上流」である。また、「細断」とは、細かく切り刻むことを意味する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の給紙システムの側面断面図である。図2は、図1のII矢視図である。図3は、図1の要部Aの拡大図である。この給紙システム10は、給紙装置1と、細断装置2と、貯留部3と、給紙装置1及び細断装置2を制御する制御部(図示せず)と、を備えている。細断装置2は、不特定多数枚を単位として用紙を処理する処理装置であり、給紙装置1の下流に位置している。給紙システム10は、給紙装置1の載置台12に設置された用紙を、自動で且つ連続して細断装置2に供給し、細断装置2にて細断し、生成した細断屑を貯留部3に貯留するようになっている。
【0013】
給紙装置1は、用紙が積載される載置台12と、載置台12を昇降させる昇降機構13と、載置台12に積載された用紙から最上の用紙を分離して給紙路15へ送り出す分離送出部14と、を備えている。
【0014】
載置台12は、平面視略矩形の板部材からなっている。
【0015】
昇降機構13は、図1のIV矢視図である図4に示されるように、上部と下部とに配置されたスプロケット131と、両スプロケット131に掛け渡された環状ベルト132と、スプロケット131を駆動させるモータ(図示せず)と、からなっている。載置台12の両縁部は、給紙装置1の本体19の両側壁191、192に形成された縦の長孔133を通ってベルト132に固定されている。これにより、載置台12は、モータによってスプロケット131を駆動してベルト132を回動させることにより、長孔133に沿って昇降するようになっている。なお、昇降機構の構成は、これに限らない。
【0016】
分離送出部14は、給紙ローラ141と、給紙ローラ141に対して下方から当接するよう付勢された摩擦分離部材142と、からなっている。給紙ローラ141は、図4に示されるように、回転軸143に固定されている。ここでは、回転軸143の軸方向中央部に、3個の給紙ローラ141が設けられている。回転軸143は、その両端部にて、両側壁191、192に回転自在に支持されている。
【0017】
図5は、摩擦分離部材142の下方斜視図である。摩擦分離部材142は、給紙ローラ141に下方から当接する当接部材1421と、当接部材1421から受台1427を貫通して下方に延びているロッド部1422と、ロッド部1422を上方へ付勢した状態で支持する支持部1423と、を有している。支持部1423は、受台1427及び規制部1426を一体に有している。ロッド部1422は、スプリング1424によって、上方(矢印Z方向)に付勢されている。スプリング1424は、一端が支持部1423の片部1428に連結され且つ他端がロッド部1422の片部1429に連結されている。なお、図5は、スプリング1424の他端をロッド部1422の片部1429に連結させる前の状態を示している。また、ロッド部1422の下端には、ネジ部1425が固定されている。ロッド部1422は、ネジ部1425が支持部1423の規制部1426に下方から当接することによって、上方への移動距離が制限されている。すなわち、当接部材1421は、上方へ付勢されることによって給紙ローラ141に当接しているが、上方への付勢が一定距離までに制限されている。
【0018】
給紙装置1において、分離送出部14の下流には、細断装置2に至る給紙路15が設けられている。給紙路15には、その途中に、一組の搬送ローラ対150が配置されている。搬送ローラ対150は、上側搬送ローラ151と下側搬送ローラ152とからなっている。給紙路15は、具体的には、板部材からなっている。
【0019】
上記構成を有する給紙装置1は、昇降機構13、分離送出部14、及び搬送ローラ対150が制御部によって制御されて、次のように作動する。図6は作動途中を示している。
まず、載置台12には、用紙100が積載されている。次に、作動を開始すると、昇降機構13が載置台12を上昇させ、それにより、最上の用紙100が分離送出部14の給紙ローラ141に下方から当接する。次に、給紙ローラ141及び搬送ローラ対150が回転し、給紙ローラ141に当接している用紙100が、給紙ローラ141と摩擦分離部材142の当接部材1421とのニップ部149に挟まれて、給紙路15に送り出され、更に、上側搬送ローラ151と下側搬送ローラ152とのニップ部159に挟まれて搬送され、細断装置2へ供給される。このとき、用紙100が給紙路15に送り出される際に、昇降機構13が載置台12を用紙一枚分だけ上昇させる。これにより、次に最上に位置した用紙100が、給紙ローラ141に当接し、上記と同様に、給紙路15に送り出される。このような作動が繰り返されることによって、給紙装置1は、載置台12に積載されている用紙100から、最上の用紙100を、自動で且つ連続して、細断装置2へ供給する。
【0020】
なお、上記作動においては、給紙ローラ141に当接している用紙100の次の用紙100が、上記当接している用紙100と共にニップ部149に挟まれたとしても、ニップ部149において摩擦分離部材142の当接部材1421が給紙ローラ141に下方から当接しているので、上記次の用紙100は、当接部材1421によって分離され、給紙路15に送り出されることはない。したがって、給紙ローラ141に当接している一枚の用紙100のみが、ニップ部149に挟まれて給紙路15に送り出される。すなわち、載置台12に積載されている用紙100の最上の用紙100のみが、分離送出部14によって給紙路15へ送り出される。したがって、給紙装置1は、載置台12に積載されている用紙100を、上から一枚ずつ、自動で且つ連続して、細断装置2へ供給する。
【0021】
細断装置2は、図1に示されるように、二組の搬送ローラ対24、25と、一対の細断刃21、22と、を備えている。二組の搬送ローラ対24、25及び細断刃21、22は、モータ(図示せず)によって回転駆動されるように、設けられている。細断装置2は、給紙装置1の給紙路15から矢印X方向に送り出されて来た用紙100を、差し込み口に受け入れて、搬送ローラ対24、25で搬送して、細断刃21、22の間に受け入れて、細断して、矢印X方向に且つ下向きに、送り出すように、設けられている。細断装置2は、細断刃21、22の下方に、細断されてできた細断屑を下向きに放出するための放出口23を、有している。
【0022】
貯留部3は、放出口23に下方から対向する開口31を有する容器からなっており、放出口23から放出されて来た細断屑を受け入れて貯留するように設けられている。
【0023】
そして、本実施形態の給紙装置1は、更に、次の構成を有している。
(a)載置台12が所定距離Lだけ下降したことを検知する、検知部を、備えている。
(b)制御部は、載置台12が所定距離Lだけ下降したことが検知部によって検知されると、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100を載置台12の上方から無くなるように下流に向けて送り出す、用紙追い出し作動を、実行するように、分離送出部14を制御するようになっている。
【0024】
上記構成(a)は、具体的には、次の構成(a-1)によって、実現されている。
(a-1)検知部が、載置台12の積載空間の最上位置H1から所定距離Lだけ下方の位置H2に設置された、光センサー5である。光センサー5は、載置台12上の用紙100がセンサー前方から無くなった場合を、載置台12が所定距離Lだけ下降したこととして、検知するようになっている。
【0025】
上記構成(b)は、具体的には、次の構成(b-1-1)及び(b-1-2)によって、実現されている。
(b-1-1)ニップ部149の上流側近傍に、その地点における用紙100の有無を検知する用紙有無センサー6を、備えている。用紙有無センサー6は、図6等に示されている。
(b-1-2)制御部は、用紙追い出し作動として、用紙有無センサー6が用紙100の無い状態を検知するまで、給紙ローラ141を回転させるようになっている。
【0026】
本実施形態の給紙システム10においては、作動が開始すると、載置台12に積載されている用紙100が、上から一枚ずつ、自動で且つ連続して、給紙装置1から細断装置2へ供給されて、細断装置2において細断されて、細断屑として貯留部3に貯留されていく。
【0027】
ところで、上記作動の途中において、システム10の作動が停止すると、給紙装置1及び細断装置2の作動が共に停止する。したがって、給紙装置1が作業途中である場合には、載置台12の用紙100の内の最上の用紙100が、図6に示されるように、ニップ部149に挟まれた状態となることがある。ところで、用紙100を載置台12に追い積みする場合には、図7に示されるように、昇降機構13を作動させて、載置台12を下降させる。しかしながら、図7の状態においては、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100が、載置台12の上方に存在しているために、追い積みの邪魔となる。
【0028】
しかるに、本実施形態においては、給紙装置1は、次のように作動する。
【0029】
まず、図7に示されるように、載置台12が所定距離Lだけ下降したことが、光センサー5によって検知される。
【0030】
そして、その検知を受けて、制御部は、分離送出部14に、「用紙追い出し作動」を実行させる。すなわち、図8に示されるように、分離送出部14の給紙ローラ141が回転して、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100を載置台12の上方から無くなるように下流に向けて送り出す。その際、用紙有無センサー6が、ニップ部149の上流側近傍における用紙100の有無を検知し、制御部は、用紙有無センサー6が用紙100の無い状態を検知するまで、給紙ローラ141を回転させるので、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100は、確実に、ニップ部149より下流に送り出される。
【0031】
なお、「用紙追い出し作動」は、載置台12が所定距離Lだけ下降した後に、実行されるので、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100の次の用紙100は、給紙ローラ141に当接していない。したがって、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100の次の用紙100までもが、分離送出部14によって下流へ送り出されることはない。
【0032】
したがって、本実施形態の給紙装置1によれば、用紙100を載置台12に追い積みするために、載置台12を下降させた際に、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100、すなわち、追い積みの邪魔となる用紙100を、確実に、ニップ部149より下流に送り出すことができる。よって、本実施形態の給紙システム10によれば、追い積みの邪魔となる用紙100を、簡単に、載置台12の上方から無くすことができるので、用紙100を容易に追い積みすることができる。
【0033】
なお、システム10の作動が停止する場合としては、手操作によって停止ボタンを任意に又は緊急時に押した場合でもよく、又は、作動に不具合が発生したことにより自動的に停止する場合でもよい。
【0034】
また、システム10の作動が停止する場合としては、図6に示されるように、載置台12に用紙100が未だ積載されている場合でもよく、又は、図9に示されるように、載置台12の用紙100が無くなった場合でもよい。
【0035】
また、載置台12の下降は、システム10の作動が停止すると自動的に実行されてもよく、又は、システム10の作動が停止した後に、手操作で下降ボタンを押すことによって実行されてもよい。
【0036】
[第2実施形態]
本実施形態は、第1実施形態の上記構成(b-1-1)及び(b-1-2)に代えて次の構成(b-2)を採用しており、且つ、その他は第1実施形態と同じ構成を有している。
【0037】
(b-2)制御部は、用紙追い出し作動として、所定回数Nだけ給紙ローラ141を回転させるようになっている。なお、所定回数Nは、当然ながら、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100を載置台12の上方から無くすのに必要な回数であり、具体的には、用紙100の搬送方向の長さ寸法を給紙ローラ141の円周長さで除算して得られた数値であれば、十分である。
【0038】
本実施形態においては、給紙装置1は、次のように作動する。
【0039】
まず、図7に示されるように、載置台12が所定距離Lだけ下降したことが、光センサー5によって検知される。
【0040】
そして、その検知を受けて、制御部は、分離送出部14に、「用紙追い出し作動」を実行させる。すなわち、図8に示されるように、分離送出部14の給紙ローラ141が回転して、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100を載置台12の上方から無くなるように下流に向けて送り出す。その際、給紙ローラ141は所定回数Nだけ回転するので、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100は載置台12の上方から確実に無くなる。
【0041】
したがって、本実施形態の給紙システム10によっても、第1実施形態と同様に、追い積みの邪魔となる用紙100を、確実に且つ簡単に、載置台12の上方から無くすことができるので、用紙100を容易に追い積みすることができる。
【0042】
[第3実施形態]
本実施形態は、第1実施形態の上記構成(a-1)に代えて次の構成(a-2)を採用しており、且つ、その他は第1実施形態と同じ構成を有している。
【0043】
(a-2)検知部が、昇降機構13の駆動モータ(図示せず)の回転数を計測する計測部と、計測された回転数に基づいて載置台12の下降距離を算出する算出部と、算出された下降距離が所定距離Lであるか否かを判断する判断部と、からなっている。
【0044】
本実施形態においては、給紙装置1は、次のように作動する。
【0045】
まず、図7に示されるように、載置台12が所定距離Lだけ下降したことが、上記検知部によって検知される。具体的には、昇降機構13の駆動モータの回転数が、計測部によって計測され、計測された回転数に基づいて載置台12の下降距離が、算出部によって算出され、算出された下降距離が所定距離Lであるか否かが、判断部によって判断され、これにより、載置台12が所定距離Lだけ下降したことが検知される。
【0046】
そして、その検知を受けて、制御部は、分離送出部14に、「用紙追い出し作動」を実行させる。すなわち、図8に示されるように、分離送出部14の給紙ローラ141が回転して、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100を載置台12の上方から無くなるように下流に向けて送り出す。その際、用紙有無センサー6が、ニップ部149の上流側近傍における用紙100の有無を検知し、制御部は、用紙有無センサー6が用紙100の無い状態を検知するまで、給紙ローラ141を回転させるので、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100は、確実に、ニップ部149より下流に送り出される。
【0047】
したがって、本実施形態の給紙システム10によっても、第1実施形態と同様に、追い積みの邪魔となる用紙100を、確実に且つ簡単に、載置台12の上方から無くすことができるので、用紙100を容易に追い積みすることができる。
【0048】
[第4実施形態]
本実施形態は、第1実施形態の上記構成(a-1)に代えて上記構成(a-2)を採用しており、且つ、第1実施形態の上記構成(b-1-1)及び(b-1-2)に代えて上記構成(b-2)を採用しており、且つ、その他は第1実施形態と同じ構成を有している。
【0049】
本実施形態においては、給紙装置1は、次のように作動する。
【0050】
まず、図7に示されるように、載置台12が所定距離Lだけ下降したことが、上記検知部によって検知される。具体的には、昇降機構13の駆動モータの回転数が、計測部によって計測され、計測された回転数に基づいて載置台12の下降距離が、算出部によって算出され、算出された下降距離が所定距離Lであるか否かが、判断部によって判断され、これにより、載置台12が所定距離Lだけ下降したことが検知される。
【0051】
そして、その検知を受けて、制御部は、分離送出部14に、「用紙追い出し作動」を実行させる。すなわち、図8に示されるように、分離送出部14の給紙ローラ141が回転して、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100を載置台12の上方から無くなるように下流に向けて送り出す。その際、給紙ローラ141は所定回数Nだけ回転するので、ニップ部149に挟まれた状態の用紙100は載置台12の上方から確実に無くなる。
【0052】
したがって、本実施形態の給紙システム10によっても、第1実施形態と同様に、追い積みの邪魔となる用紙100を、確実に且つ簡単に、載置台12の上方から無くすことができるので、用紙100を容易に追い積みすることができる。
【0053】
[別の実施形態]
上記実施形態の給紙システム10では、給紙装置1の下流に位置する処理装置として、細断装置2を採用しているが、これに限らず、不特定多数枚を単位として用紙を処理する処理装置であれば、他の装置でもよく、例えば、用紙を貯留するだけの貯留部3を処理装置として採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の給紙システムは、用紙を容易に追い積みすることができるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0055】
1 給紙装置 5 光センサー 6 用紙有無センサー 12 載置台 13 昇降機構 14 分離送出部 141 給紙ローラ 142 摩擦分離部材
図1
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図7
図8
図9