(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726470
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】起動時における高電力マイクロ波焼灼システムの状態をチェックするシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
A61B17/36 340
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-206698(P2010-206698)
(22)【出願日】2010年9月15日
(65)【公開番号】特開2011-62519(P2011-62519A)
(43)【公開日】2011年3月31日
【審査請求日】2013年6月4日
(31)【優先権主張番号】12/562,575
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510171885
【氏名又は名称】ヴィヴァン メディカル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ,ディー.ブラナン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー,エル.ジェンセン
(72)【発明者】
【氏名】ダリオン,ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】カイル,アール.リック
【審査官】
井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−136545(JP,A)
【文献】
特開2009−000528(JP,A)
【文献】
特開2002−325772(JP,A)
【文献】
特開2008−114042(JP,A)
【文献】
特表2004−500917(JP,A)
【文献】
特表2002−521098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
H05B 6/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーを出力するように動作可能な発生器と、
前記発生器に接続され、かつ、エネルギーを組織に送達するように動作可能な焼灼プローブと、
前記発生器を制御するように動作可能な制御器と、
前記焼灼プローブおよび前記制御器に接続され、前記焼灼プローブの動作パラメータを検出するように動作可能な少なくとも1つのセンサと、
を備えるマイクロ波焼灼システムであって、
前記制御器は、前記発生器のエネルギー出力を低エネルギーレベルから高エネルギーレベルにランプアップさせることによってシステムチェックを行い、前記システムチェック時に前記少なくとも1つのセンサからの出力を所定の時間間隔で監視して、異常状態を判断し、
前記制御器が異常状態と判断した場合には、前記制御器が前記発生器を制御して前記エネルギー出力を停止するマイクロ波焼灼システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサが、前記焼灼プローブの温度を検出する請求項1に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサが、熱電対、サーミスタ、または光ファイバである請求項2に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサが、放射挙動を検出する請求項1に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサが、受信アンテナまたはレクテナである請求項4に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサが、順電力および/または反射電力を検出する請求項1に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサが、無線周波数電力センサである請求項6に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサが、流圧を検出する請求項1に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサが、圧力センサである請求項8に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサが、気泡を検出する請求項1に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサが、光センサである請求項10に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項12】
マイクロ波焼灼システムにおける異常状態を検出する方法であって、該方法は、
制御器によって、発生器から焼灼プローブに低エネルギーレベルを出力する工程と、
前記制御器によって、監視時間において、前記焼灼プローブの動作パラメータを検出する工程と、
前記制御器によって、前記検出された動作パラメータを前記動作パラメータの所定範囲と比較する工程と、
前記制御器によって、前記検出された動作パラメータが前記所定範囲内にあることに応答して、前記監視時間がランピング時間未満であるかどうかを判断する工程と、
前記制御器によって、前記監視時間が前記ランピング時間未満であることに応答して、前記監視時間を所定の時間間隔だけ増加させ、前記発生器のエネルギーレベル出力を増加させる工程と、
前記制御器によって、前記検出された動作パラメータが前記所定範囲外にあることに応答して、前記発生器からのエネルギー出力を停止する工程と、
を備え、前記ランピング時間は、前記マイクロ波焼灼システムの異常状態を検出するのに十分な時間の値である方法。
【請求項13】
前記動作パラメータが、前記焼灼プローブの温度である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記動作パラメータが、放射挙動である請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記動作パラメータが、順電力または反射電力である請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記動作パラメータが、流圧である請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記動作パラメータが、気泡の存在である請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には、疾患の診断および治療において組織に直接挿入してもよいマイクロ波アンテナを有するマイクロ波手術装置を利用するマイクロ波焼灼手順に関する。より詳細には、本発明は、マイクロ波アンテナによる高電力エネルギーの送達の前に正確なシステム動作を確認するシステムおよび方法に関する。
【0002】
癌などの疾患の治療において、特定の種類の癌細胞は、高温(健常細胞には通常有害となる温度よりわずかに低い)で変性することが分かっている。一般に発熱療法として知られるこれらの種類の治療は、通常、電磁放射線を使用して、隣接する健康細胞を不可逆的な細胞破壊が生じる温度未満に維持しながら、41℃を超える温度まで疾患細胞を加熱する。電磁放射線を用いて組織を加熱する他の手順も、組織の焼灼および凝固を含む。例えば月経過多に実施されるもののようなマイクロ波焼灼手順は、一般に、標的組織を焼灼および凝固してそれを変性させるかまたは殺すために実施される。電磁放射線療法を用いる多くの手順および装置の種類は当該技術分野で知られている。そのようなマイクロ波療法は一般に、前立腺、心臓、腎臓、肺、腎臓、および乳房などの組織ならびに器官の治療に用いられる。
【0003】
1つの非侵襲的手順は、一般に、マイクロ波エネルギーの使用を経由して皮膚の下にある組織(例えば、腫瘍)の治療を含む。このマイクロ波エネルギーは、皮膚を非侵襲的に貫通し、下にある組織に到達することができる。しかしながら、この非侵襲的手順は、健常組織の望まれない加熱を生じ得る。したがって、マイクロ波エネルギーの非侵襲的使用は、多大な制御を必要とする。
【0004】
現在、使用されるいくつかのタイプのマイクロ波プローブには、例えば、単極、双極、およびらせんがある。1つのタイプは、単極アンテナプローブであり、これは、プローブの端部で剥き出る単一の細長いマイクロ波コンダクターからなる。このプローブは、通常、誘電性スリーブによって取り囲まれる。一般に用いられる第2のタイプのマイクロ波プローブは、双極アンテナであり、これは、内側コンダクターおよび外側コンダクターを有する同軸構成からなり、この内部コンダクターの一部分を分離する誘電性接合を有する。内側コンダクターは、第1のダイポール放射部分に対応する部分に接続されてもよく、外側コンダクターの一部分は、第2のダイポール放射部分に接続されてもよい。ダイポール放射部分は、一方の放射部分が誘電接合の近位側に配置され、他方の部分が誘電接合の遠位側に配置されるように構成されていてもよい。この単極および双極アンテナプローブでは、マイクロ波エネルギーは、一般に、コンダクターの軸から垂直に放射する。
【0005】
典型的なマイクロ波アンテナは、プローブの軸に沿って延び、誘電材料によって取り囲まれ、外側コンダクターもプローブの軸に沿って延びるように誘電材料の周りの外側コンダクターによってさらに取り囲まれる、長く細い内側コンダクターを有する。エネルギーまたは加熱のより効率的な外方照射を提供するプローブの別の変形例では、この外側コンダクターの一部分(または複数の部分)は選択的に除去することができる。このタイプの構造は、代表的には、「漏れやすい導波管」または「漏れやすい同軸」アンテナと称される。マイクロ波プローブの別の変形例では、均一な渦巻きパターン(例えば、ヘリックス)で形成された先端部を有しており、効率的な照射のために必要な形態を提供する。この変形例を用いて、エネルギーを特定の方向(例えば、軸に垂直な方向)、前方方向(即ち、アンテナの遠位端に向かう方向)、またはその組み合わせに向けることができる。
【0006】
マイクロ波アンテナプローブを、通常の身体開口部を経由して治療ポイントに直接挿入するか、あるいは、経皮挿入することができる侵襲手順および装置が開発されている。かかる侵襲手順および装置は、潜在的に、治療される組織の温度制御をより良く行う。悪性細胞を変性するのに要する温度と健常細胞に有害な温度との差が小さいため、公知の加熱パターンおよび予測可能な温度制御は、治療される組織に加熱を限定するために重要である。例えば、約41.5℃の閾値温度での温熱治療は、一般に、最も悪性の高い細胞の増殖にほとんど影響を及ぼさない。しかしながら、約43℃〜45℃の範囲よりも僅かに高い高温では、ほとんどのタイプの正常細胞への熱損傷が日常的に観察される。したがって、健常組織においてこれらの温度を超えないように細心の注意を払わなければならない。
【0007】
組織焼灼の場合には、約500mHz〜約10gHzの範囲の高周波電流を標的組織部位に印加して、特定の大きさおよび形状を有し得る焼灼体積を形成する。焼灼体積は、アンテナデザイン、アンテナ性能、アンテナインピーダンス、および組織インピーダンスに相関している。特定のタイプの組織焼灼手順は、所望の手術成績を達成するために特定の焼灼体積を指示してもよい。例えば、限定的ではないが、脊椎の焼灼手順では、より長くより狭い焼灼体積を要するのに対し、前立腺の焼灼手順では、より球形の焼灼体積を要する。
【0008】
マイクロ波焼灼装置は、センサを利用してシステムが適切に働いているかを判断する。しかしながら、マイクロ波エネルギーを送達しないと、センサは、プローブアセンブリ状態が正常であると示す場合がある。さらに、アンテナアセンブリの欠陥は、高電力時を除いては明らかにならないことがある。したがって、低電力ルーチンを用いてマイクロ波焼灼システムを試験する場合、製造後欠陥は明らかにならないことがある。障害が非常な高温度をもたらし得る高電力マイクロ波焼灼装置において、これは特に重要である。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、マイクロ波焼灼システムを提供する。マイクロ波焼灼システムは、エネルギーを出力するように動作可能な発生器と、発生器に接続され、かつ、エネルギーを組織領域に送達するように動作可能な焼灼プローブと、発生器を制御するように動作可能な制御器と、焼灼プローブおよび制御器に接続された少なくとも1つのセンサとを備える。センサは、焼灼プローブの動作パラメータを検出する。制御器は、発生器のエネルギー出力を低エネルギーレベルから高エネルギーレベルにランプアップさせることによってシステムチェックを行い、システムチェック時に少なくとも1つのセンサからの出力を所定の時間間隔で監視して、異常状態を判断する。制御器が異常状態と判断した場合には、制御器が発生器を制御してエネルギー出力を停止する。
【0010】
マイクロ波焼灼システムの別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、焼灼プローブの温度を検出する。
【0011】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、熱電対、サーミスタ、または光ファイバである。
【0012】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、放射挙動を検出する。
【0013】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、受信アンテナまたはレクテナである。
【0014】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、順電力および/または反射電力を検出する。
【0015】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、無線周波数電力センサである。
【0016】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、流圧を検出する。
【0017】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、圧力センサである。
【0018】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、気泡を検出する。
【0019】
マイクロ波焼灼システムのさらに別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは、光センサである。
【0020】
本発明はまた、マイクロ波焼灼システムにおける異常状態を検出する方法を提供する。本方法は、発生器から焼灼プローブに低エネルギーレベルを出力する工程と、焼灼プローブの動作パラメータを低エネルギーレベルで検出する工程とを含む。検出された動作パラメータを動作パラメータの所定範囲と比較し、比較に応じて、発生器のエネルギー出力レベルを増加させる。マイクロ波焼灼システムは、検出された動作パラメータが所定範囲外にあることに応答して、発生器からのエネルギー出力を停止する。
【0021】
さらに別の実施形態において、動作パラメータは、焼灼プローブの温度である。
【0022】
さらに別の実施形態において、動作パラメータは、放射挙動である。
【0023】
さらに別の実施形態において、動作パラメータは、順電力または反射電力である。
【0024】
さらに別の実施形態において、動作パラメータは、流圧である。
【0025】
さらに別の実施形態において、動作パラメータは、気泡の存在である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の前記および他の態様、特徴、および利点は、添付図面と関連させた以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0027】
【
図1】本発明の実施形態によるマイクロ波アンテナアセンブリの変形例の代表図を示す。
【0028】
【
図2】本発明の別の実施形態によるマイクロ波アンテナアセンブリの遠位端の代表的な変形例の断面図を示す。
【0029】
【
図3】本発明の別の実施形態によるマイクロ波アンテナアセンブリの近位端の代表的な変形例の断面図を示す。
【0030】
【
図4A】種々のアセンブリ段階におけるマイクロ波アンテナの遠位部の実施形態の斜視図を示す。
【0031】
【
図4B】種々のアセンブリ段階におけるマイクロ波アンテナの遠位部の実施形態の斜視図を示す。
【0032】
【
図4C】種々のアセンブリ段階におけるマイクロ波アンテナの遠位部の実施形態の斜視図を示す。
【0033】
【
図4D】種々のアセンブリ段階におけるマイクロ波アンテナの遠位部の実施形態の斜視図を示す。
【0034】
【
図5A】本発明の実施形態による時間対電力のグラフを示す。
【0035】
【
図5B】本発明の実施形態による時間対電力のグラフを示す。
【0036】
【
図5C】本発明の実施形態による時間対電力のグラフを示す。
【0037】
【
図6】本発明の実施形態によるシステムブロック図を示す。
【0038】
【
図7】本発明の実施形態によるランピング手順を説明するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の特定の実施形態について添付図面を参照しながら以下に説明するが、開示した実施形態は本発明の具体例に過ぎないものであり、種々の形態で実施できることを理解されたい。周知の機能または構造は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために詳細には記載しない。したがって、本明細書に開示された特定の構造的で機能的な詳細は、限定するものとして解釈されるのではなく、単に特許請求の範囲のための基準として、また当分野の技術者に本発明を実際的に任意の適切に詳述された構造で様々に利用するように教示するための代表的な基準として解釈される。図面の説明全体にわたって、同様の参照符号は同様または同一の要素のことを言う。
【0040】
電磁エネルギーは、一般に、エネルギーが増すことで、すなわち、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、およびγ線に波長を短くすることで分類される。本明細書で使用する「マイクロ波」という用語は、一般に、300メガヘルツ(MHz)(3×10
8サイクル/秒)〜300ギガヘルツ(GHz)(3×10
11サイクル/秒)の周波数範囲における電磁波のことを言う。本明細書で使用する「RF」という用語は、一般に、マイクロ波よりも周波数の低い電磁波のことを言う。「焼灼手順」という字句は、一般に、RFまたはマイクロ波焼灼、もしくはマイクロ波焼灼補助下切除などの任意の焼灼手順のことを言う。「伝送線路」という字句は、一般に、ある点から別の点に信号を伝播するのに用いることが可能な任意の伝送媒体のことを言う。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態によるマイクロ波アンテナアセンブリ100を示す。アンテナアセンブリ100は、フィードライン110(またはシャフト)によってケーブル15を介してコネクタ16に連結される放射部分12を備える。コネクタ16はさらに、アセンブリ10を電力発生源28、例えば、マイクロ波またはRF電気手術用発生器に連結してもよい。図示したように、アセンブリ100は、双極マイクロ波アンテナアセンブリであるが、他のアンテナアセンブリ、例えば、単極または漏れ波アンテナアセンブリも、本明細書に述べられる原理を利用してもよい。放射部分12の遠位放射部分105は、先端部123で終端している先細の端部120を備える。これにより、最小の抵抗で組織に挿入することができる。しかしながら、先細の端部120は、他の形状、限定的ではないが、丸形、平坦、正方形、六角形、シリンドロコニカル、または任意の他の多角形状である先端部123を含んでもよいことを理解されたい。
【0042】
遠位放射部分105と近位放射部分140の間に絶縁パック130が配置されている。パック130は、任意の適当なプロセスによって任意の適当なエラストマー材料または誘電性セラミック材料から形成されてもよい。実施形態において、パック130は、ポリエーテル−ブロック−アミド(例:Arkemaが販売するPebax(登録商標))、ポリエーテルイミド(例:SABIC Innovative Plasticsが販売するUltem(登録商標)および/またはExtem(登録商標))、ポリイミドベースポリマー(例:DuPontが販売するVespel(登録商標))、またはセラミックからオーバーモールドにより形成される。
図2に最もよく示されているように、パック130は、冷却液流入ポート131と冷却液流出ポート133とを備える。これらにより、以下にさらに述べるように、トロカール122の冷却用チャンバ148への冷却液の流れの出入りを容易にする。
【0043】
ここで
図2、
図3、および
図4A乃至4Dを参照すると、遠位放射部分105は、略シリンドロコニカル形状を有するトロカール122を備える。近位放射部分140は、略円筒形を有する近位アンテナ部材128を備える。これに加え、または別の選択肢として、近位アンテナ部材128は、略四角形状または略六角形状を有してもよい。トロカール122および近位アンテナ部材128は、限定的ではないが、ステンレス鋼などの、組織を貫通するのに適当な種々の生体適合性耐熱導体材料から形成されてもよい。アンテナアセンブリ110は、内側同軸コンダクター150、中間同軸誘電体132、および外側同軸コンダクター134を同軸配置で有する同軸伝送線路138を備える。名目上、同軸伝送線路138は、約50オームのインピーダンスを有する。内側同軸コンダクター150および外側同軸コンダクター134は、任意の適当な導電性材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、内側同軸コンダクター150はステンレス鋼から形成され、外側同軸コンダクター132は銅から形成される。同軸誘電体132は、任意の適当な誘電材料から形成されてもよく、限定的ではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例:米国デラウェア州ウィルミントンのE.I.du Pont de Nemours and Company社製のTeflon(登録商標))が挙げられる。内側同軸コンダクター150はトロカール122に電気的に接続されてもよく、外側同軸コンダクター134は近位アンテナ部材128に電気的に接続されてもよい。
【0044】
長手方向開口146は、トロカール122内で画定され、その近位端に向かって開口し、トロカール122内の冷却用チャンバ148およびネジ切り部145を画定する。冷却用チャンバ148は、略円筒形を有してもよく、これに加え、または別の選択肢として、トロカール122の遠位領域に冷却液の流れがより効率的に到達できるようにトロカール122のシリンドロコニカル輪郭の先細の端部120の形状に従って略寸法形成されている階段形状、先細形状、円錐形状、または他の形状を有してもよい。これに加え、または別の選択肢として、冷却用チャンバは、四角形、六角形、または任意の適当な形状を有してもよい。冷却用チャンバ148を流れる滅菌水または生理食塩水の誘電特性は、アンテナ100全体の焼灼パターンを高めることもできる。
【0045】
冷却液流入管126は、その近位端で、冷却液の供給源(明示せず)と流体連通して動作可能であり、冷却液流入管126は、その遠位端で、冷却用チャンバ146と流体連通して、そこに冷却液を提供する。冷却液流入管126は、任意の適当な材料、例えば、ポリマー材料から形成されてもよく、限定的ではないが、ポリイミドが挙げられる。実施形態において、冷却液流入管126は冷却液流入ポート131を通過する。いくつかの実施形態において、冷却用チャンバ146からアンテナアセンブリ100を経由して回収リザーバ(明示せず)への冷却液の除去を容易にするため、冷却液流出チャネル136を設けてもよい。冷却液は、限定的ではないが、水、滅菌水、脱イオン水、および/または生理食塩水などの任意の適当な流体であってもよい。
【0046】
トロカール122のネジ切り部145は、トロカールスクリュ144を受け入れるように構成されている。トロカールスクリュ144は、その近位端で、内側同軸コンダクター150の遠位端を受け入れるように構成されている、近位端に画定された開口部143を備える。実施形態において、内側同軸コンダクター150の遠位端は、限定的ではないが 溶接、蝋付け、および/または圧着などの任意の適当な電気機械的な取り付け方法によって開口部143内に固定される。
図4Aで分かるように、流入溝147および流出溝149は、それぞれ、冷却用チャンバ148への冷却液の流れの出入りを容易にするためにトロカールスクリュ144のネジ切り部を貫通して縦方向に配置される。流入溝147および流出溝149は、冷却液流入管126および/または対応する流出管(明示せず)の挿入を収容するように構成されていてもよい。アンテナアセンブリ内の帰還経路156は、これに加え、または別の選択肢として、冷却液の出口管を提供してもよい。
【0047】
図示の実施形態において、トロカール122および近位アンテナ部材128は、それぞれの外表面上に、それぞれ、誘電体皮膜121、127を備える。誘電体皮膜121、127は、限定的ではないが、セラミック材料などの任意の適当な誘電材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、誘電体皮膜121、127は、二酸化チタンおよび/または二酸化ジルコニウムから形成されてもよい。誘電体皮膜121、127は、限定的ではないが、プラズマ溶射またはフレーム溶射などの任意の適当なプロセスによってトロカール122および/または近位アンテナ部材128に塗布してもよい。実施形態において、誘電体皮膜121、127は、約0.005インチ(0.127mm)〜約0.015インチ(0.381mm)の範囲の厚さを有する。焼灼手順中、誘電体皮膜121、127は、アンテナと組織の間の誘電体マッチングおよび/または誘電体バッファリングの改善をもたらす場合がある。これにより、より高い電力レベルを用いることができ、さらには、外科医がより高い焼灼率を達成することができ、焼灼サイズの増加、手術時間の削減、および/または手術成績の改善をもたらす。
【0048】
外部保護用外装124は、アンテナアセンブリ100、例えば、遠位放射部分105、パック130、および近位放射部分140の外側円筒面のまわりに配置される。外部保護用外装124は、限定的ではないが、ポリマー材料またはセラミック材料を含む任意の適当な材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、外部保護用外装124はPTFEから形成される。外部保護用外装124は、限定的ではないが、熱収縮などの任意の適当な方法によってアンテナアセンブリ100に塗布してもよい。
【0049】
図4A乃至
図4Dを引き続き参照すると、アンテナアセンブリ100を製造する方法について開示しており、ここで、内側同軸コンダクター150は、トロカールスクリュ144の開口部143に挿入される。内側同軸コンダクター150は、限定的ではないが、レーザー溶接、蝋付け、または圧着などの任意の適当な接着方法によってトロカールスクリュ144に電気的に固定される。同軸伝送線路138とトロカールスクリュ144のサブアセンブリは、パック130をオーバーモールドするように構成されている、限定的ではないが、挿入型マイクロ成形金型などの金型(明示せず)に入れる。流入溝147および流出溝149は、冷却液流入ポート131および冷却液流出ポート133に対応する金型特性(明示せず)と一致するのが有利である。これにより、成型した場合、流入溝147と冷却液流入ポート131の間、および流出溝149と流出ポート133の間に、連続的な流体接続が形成される。
【0050】
誘電特性を有するパック材料(例:セラミック、Pebax(登録商標)、Ultem(登録商標)、Extem(登録商標)、Vespel(登録商標)、または任意の適当なポリマー)を金型に噴射し、冷却および/またはセットさせた後、金型から外して、
図4Bに最もよく示されているように、パック130、トロカールスクリュ143、および同軸伝送線路138を備えるアセンブリを形成する。形成されたパック130は、トロカール122(誘電体皮膜121の厚さを含む)および/または近位アンテナ部材128(誘電体皮膜127の厚さを含む)の外径に対応する外径を有する中心部137を含む。パック130は、トロカール122の内径に対応する外径を有する遠位ショルダ141と、近位アンテナ部材128の内径に対応する外径を有する近位ショルダ139とをさらに備える。
【0051】
トロカール122は、トロカールスクリュ144にねじ込まれ、
図4Cに最良に示すように遠位放射部分120を形成してもよい。次いで、流入管126を冷却液流入ポート131に挿入してもよい。次いで、近位アンテナ部材128は、近位アンテナ部材128の遠位端がパック130の近位ショルダと係合するようにパック130に対して配置してもよい。これにより、密閉された近位放射部分140が形成される。
【0052】
内側同軸コンダクター150および/または誘電体132に張力を近位方向において印加してもよい。これにより、遠位放射部分105、パック130、および近位放射部分140を一緒に引っ張り、パック130を圧縮状態にする。内側同軸コンダクター150および/または誘電体132は、限定的ではないが、スポット溶接、蝋付け、接着、および/または圧着などの任意の適当な固定方法によって固定点151で張力状態で固定されてもよい。これにより、アンテナ部は、内側同軸コンダクター150および/または誘電体132の引張力によって一緒に「ロック」され、アンテナアセンブリの強度および剛性の改善をもたらし得る。
【0053】
外部保護用外装124は、例えば、限定的ではないが、熱収縮、オーバーモールド、被覆、吹き付け、浸漬、粉末被覆、焼き付け、および/または膜蒸着などの任意の適当な方法によって放射部分12の外表面に塗布してもよい。
【0054】
本発明による方法の工程は、本明細書に記載されている順序とは異なる順序で行うことができると考えられる。
【0055】
図5Aは、本発明の実施形態によるマイクロ波焼灼システムの動作を示すグラフである。
図5に示すように、t=0で、発生器からのエネルギー出力は、W
Lであり、これは、低ワット数、すなわち、0Wであってもよい。tが増加するにつれて、エネルギー出力も一定の勾配Δで増加する。勾配Δは、臨床医または患者へのあらゆる害を防ぎ、かつ、システムへの損傷を防ぐのに十分である。rampがマイクロ波焼灼システムが誤動作しているかどうかを判断するのに十分な時間の値であるt=rampの場合、エネルギー出力は、マイクロ波焼灼手順を行うのに十分なエネルギーレベル(例:140W)に増加する。ランピング手順(0<t<ramp)中、マイクロ波焼灼システムは、システムが正常に動いているかまたは誤動作しているか判断するためのシステムチェックを行う。システムが誤動作している場合、発生器からのエネルギー出力は停止され、臨床医または患者へのあらゆる害、もしくは、マイクロ波焼灼システムへの任意のさらなる損傷が防止される。
【0056】
あるいは、
図5Bおよび
図5Cに示すように、一連のパルスを開始手順時に用いてもよい。
図5Bに示すように、一連のパルスは、パルス幅T
Wをもつ一定の振幅を有する。パルスのデューティサイクルは、患者または臨床医を害することなくシステムを十分にチェックするために変更することができる。あるいは、
図5Cに示すように、開始手順中の一連のパルスは、パルス幅T
Wを有し、振幅を変更してもよい。パルスの振幅は、マイクロ波焼灼手順を行うのに十分なエネルギーレベルに徐々に到達してもよい。
【0057】
センサ状態を監視しながら装置に対する動作ストレスを徐々に増加させるシステムチェックを利用することによって、マイクロ波焼灼システムは、冷却液ポンプがオンにならないなどのオペレータエラーにより損傷する装置の台数を制限することができる。潜在的な欠陥アセンブリもしくはユーザエラーにより患者および/またはユーザがけがをする可能性も減る。
【0058】
図6を参照すると、本発明の実施形態による全体を600で示すマイクロ波焼灼システムを示す。システム600は、患者にマイクロ波エネルギーを与えるアンテナアセンブリ610を有する。アンテナアセンブリ610は、上述したアンテナアセンブリ100とほぼ同様である。電力発生源28とほぼ同様である発生器620は、アンテナアセンブリ610に接続され、それにエネルギー源を提供する。制御器630は、発生器620に接続され、センサ640からの入力または信号に基づいて発生器620を制御するように構成されている。制御器630は、センサ640からの入力または信号を受信することができ、かつ、発生器620を制御するための出力を提供することができるマイクロプロセッサまたは任意の論理回路であってもよい。センサ640は、マイクロ波焼灼システム600が適切に機能しているかどうか判断するために、アンテナアセンブリ610の動作パラメータを検出するための単一センサまたはセンサのアレイであってもよい。。センサ640が異常値またはレベルを検出すると、制御器630は発生器620を制御してエネルギー出力を停止する。センサ640は、アンテナアセンブリ610または制御器630に組み込まれてもよく、あるいは、アンテナアセンブリ610および/または制御器630に接続されていてもよい。マイクロ波焼灼システム600もアンテナアセンブリ610に組み込まれてもよく、あるいは、2台以上の装置に配置されてもよい。例えば、制御器630および発生器620は、単一の装置に組み込まれてもよく、あるいは、別個の装置であってもよい。
【0059】
センサ640は、アンテナアセンブリ610の温度を検出するための温度センサであってもよい。温度センサは、熱電対、サーミスタ、または光ファイバであってもよい。熱電対は、温度差に関する電圧を生成する2つの異なる金属間の接合部である。熱電対を用いて、熱を電力に変換することもできる。異種金属からなる任意の回路は、温度に関する電圧差を生成する。温度を実際に測定するための熱電対は特殊合金からなり、これらは、組み合わせて、温度と電圧の間の予測可能かつ反復可能な関係を有する。異なる合金は、異なる温度範囲かつ耐腐食性に対して用いる。測定点が測定機器から離れている場合、中間接続は延長ワイヤで作ることができ、これは、センサを作るのに用いた材料よりも低価格である。熱電対は、摂氏0度の基準温度に対して標準化される。電子機器は、熱電対の変動特性を補償して、測定の精密さおよび正確さを改善することもできる。
【0060】
サーミスタは、抵抗が温度とともに変動するタイプの抵抗器である。サーミスタは、突入電流制限器、温度センサ、自己復帰式の過電流保護器、および自己調整式の加熱素子として広く用いられている。サーミスタに用いる材料は、一般に、セラミックまたはポリマーである。サーミスタは、通常、限定された温度範囲内で高精度の温度応答を達成する。
【0061】
センサ640は、放射挙動を監視するために用いてもよい。かかるセンサは、受信アンテナまたはレクテナであってもよい。受信アンテナは、アンテナアセンブリからの放射を受信し、放射レベルを示すための電気信号を提供する。レクテナは、整流アンテナであり、マイクロ波エネルギーをDC電力に直接変換するのに用いられる特殊なタイプのアンテナである。その素子は、通常、網目状の反射素子を備えた多素子フェーズドアレーに配置し、指向性を持たせる。単純なレクテナは、アンテナ双極間に配置したショットキーダイオードから作製することができる。ダイオードは、マイクロ波によってアンテナに誘発された電流を整流する。
【0062】
センサ640は、順電力および反射電力を監視するためのRF電力センサであってもよい。RF電力センサは、アンテナアセンブリ610によって利用される発生器620の電力出力を測定する。該センサは、焼灼された組織領域から反射し、かつ、アンテナアセンブリによって受信されるRFエネルギーである反射電力も測定することができる。
【0063】
センサ640は、流体および/またはガス圧力を監視するための圧力センサであってもよい。圧力センサは、かかった圧力に関する信号を生成する。一般に、かかる信号は電気的であるが、光信号、視覚信号、および聴覚信号も珍しくはない。圧力センサは、測定する圧力範囲、動作の温度範囲、および最も重大なのは測定する圧力タイプにおいて分類することができる。圧力タイプにおいて、圧力センサは5つのカテゴリーに分けることができる。絶対圧力センサは、完全真空圧力(0PSIまたは無圧力)に対する圧力を測定する。ゲージ圧力センサは、所与の位置において所与の大気圧に対する圧力を測定するために校正することができるため種々の用途で用いられる。真空圧力センサは、所与の位置において大気圧よりも低い圧力の測定に用いられる。差圧センサは、検知ユニットへの入力として導入された2つ以上の圧力間の差を測定する。差圧は、圧力容器内の流れまたはレベルの測定にも用いられる。密封圧力センサは、海面気圧に対する圧力を測定するために製造業者によって予め校正される以外はゲージ圧力センサと同様である。
【0064】
センサ640は、気泡または流体の流量を検知するための光センサであってもよい。例えば、光源(図示せず)は、アンテナアセンブリ内の冷却管を通じて光を放出する。放出光は、冷却液によって反射され、光センサによって受信される。この反射光を放出光と比較し、気泡の存在について判断する。
【0065】
図6および7を参照すると、ランピング手順の動作を示す。手順は、マイクロ波焼灼システム600が開始されるS702で始まる。S704で、TをT
0に設定する。ここで、Tは時間であり、T
0は初期開始時間である。S706で、低エネルギーレベルが、発生器620からアンテナアセンブリ610に出力される。センサ640は、S708で上述したように、焼灼プローブの動作パラメータを検出する。S710で、検出された動作パラメータを制御器630に保存された所定範囲の値と比較する。所定範囲の値は、臨床医によって設定されてもよく、制御器に保存されてもよく、あるいは、マイクロ波焼灼システムの製造業者によってマイクロ波またはRFプローブ自体に保存されてもよい。検出された動作パラメータが所定の範囲内である場合、手順はS12に進み、ここで、TがT
RAMP未満であるかどうか判断する。TがT
RAMP未満である場合、手順はS714に進み、ここで、Tは所定間隔で増加する。TはN秒またはN分の間隔で増すことができ、ここで、Nは任意の正の整数である。S716で、発生器620のエネルギーレベル出力は増加し、工程S708、S710、およびS712を繰り返す。TがもはやT
RAMP未満でない場合、手順はS720に進み、ここで、焼灼手順が開始し、患者に用いられる。S708で検出された動作パラメータが所定の範囲内ではないと制御器がS710で判断した場合、手順はS718に進み、ここで、制御器630は発生器620を制御して、エネルギー出力を停止する。
【0066】
上で略述したランピング手順により、アセンブリの故障や、潜在的な臨床医または患者のけがを回避することができる。
図7はランピング手順中にシステムチェックを行うための工程の特定の構成を示しているが、本発明の範囲内でありながら異なる構成の工程を用いてもよいことを理解すべきである。ランピング手順中、および異常センサ情報の検知時に、電力ランプは停止し、0に戻る。ランプは、共通の誤動作機構を確実に検出するために十分に長くてもよい。
【0067】
例えば、冷却液ポンプがオフになり、アンテナアセンブリに流体が流れないと、圧力センサは異常圧力レベルを戻し得る。したがって、電力ランプは停止し、冷却していないために同軸ケーブルが故障するレベルに電力は到達しない。アンテナアセンブリが冷却液で満たされているが、ポンプが動作してない場合、圧力センサから異常測定値、あるいは、熱プローブからの温度上昇により、プローブの冷却がおそらく流量不足により十分でないことが示される。したがって、電力ランプは停止し、循環不足により同軸ケーブルが故障するレベルに電力は到達しない。
【0068】
別の例では、装置を組織に挿入せず、危険な放射パターンが生じると、受信アンテナまたはレクテナなどの放射検知器は、シャフトに沿って、あるいは、アンテナのハンドルのまわりで、異常に高い放射レベルを示す。高い放射レベルを検出することで、臨床医または患者への意図しない熱傷が防がれる。
【0069】
アンテナアセンブリに高電力をかけると、欠陥を容易に明らかにすることができる。ランプアップ時、センサが異常な動作状態を示すことで、破局的な装置故障を引き起こすのに十分なレベルに電力レベルが到達するのを防ぎ、臨床医または患者がけがをすることを回避する。
【0070】
センサ状態を監視しながら装置への動作ストレスを徐々に増やす焼灼プローブのルーチン試験を利用することによって、MWAシステムは、冷却液ポンプがオンにならないなどのオペレータエラーにより損傷する装置の台数を制限することができる。潜在的な欠陥アセンブリもしくはユーザエラーにより患者および/またはユーザがけがをする可能性も減る。故障が非常な高温度をもたらし得る高電力マイクロ波焼灼装置において、これは特に重要である。
【0071】
本発明の前述の実施形態は、限定的なものとしてでなく、例示的なものを目的とするものであり、本発明の全ての実施形態を表わすことを意図するものではない。文字通りかつ法律に認識されたものと同等の以下の特許請求の範囲に記載の本発明の精神または範囲から逸脱するとなく種々の修正物および変更物を作製することができる。