(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1及び特許文献2等の従来技術においては、仮設足場は、建物周囲に地表面より仮設足場を組み上げるため、狭小敷地等において建物を建設しようとした場合、建物周囲に仮設足場を組むスペースが無く、施工性が非常に悪いという問題が生じていた。
また、屋根の改修工事を行う場合、改めて建物周囲に仮設足場を組み上げているため費用面及び工期面において非常に不利な状態であった。
【0007】
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、簡易に足場を構築することを可能とする支持材固定金物及びこれを用いた建築用の足場を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、狭小敷地等においても設置可能であり、費用面及び工期面においても有利な足場を形成するための支持材固定金物及びこれを用いた建築用の足場を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、請求項1に係る支持材固定金物によれば、建物の外壁側に設置される建築用の足場を支持するための支持材固定金物であって、該支持材固定金物は、前記足場を取付ける基礎となる支持材を支持固定するための支持材保持部と、該支持材保持部を前記外壁側へ取付けるための躯体取付部を備え、該躯体取付部
は、物干金物を支持固定するために前記外壁に取付けられた腕木に固定される
ものであり、前記支持材保持部は、略矩形平板状の保持部底壁と、該保持部底壁の相対向する辺から各々起立する第1側壁及び第2側壁と、で構成された断面略コ字形状の部材であり、前記躯体取付部は、前記第2側壁と接続される略矩形状の支持材保持部取付壁と、該支持材保持部取付壁から前記支持材保持部から離隔する方向へ起立する略矩形状の対向壁とを備え、前記腕木は、前記外壁に取付けられる壁取付部と、該壁取付部から前記外壁の外側方向へ、略垂直に一定の間隙を有して突出する2枚の平板である物干金物取付部と、を有して構成されており、前記対向壁が、前記物干金物取付部において挟持されることにより、前記支持材保持部の断面略コ字開口部が上方へ開口する状態に、前記支持材保持部が前記外壁に取付けられることにより解決される。
【0009】
このように構成されていることにより、本発明に係る支持材固定金物は、物干金物を固定するために外壁に設置されている腕木に固定することができる。
よって、もともと存在する腕木を利用して、足場を組み立てる基礎を築くことができる。
そして、この支持材を基礎に足場を組み立てれば、地表面より仮設足場を組み上げる必要が無く、このため、簡易に足場を設置することが可能となるとともに、狭小敷地等において建物を建設しようとした場合の施工性が向上する。
【0010】
また、具体的には
、前記支持材保持部は、略矩形平板状の保持部底壁と、該保持部底壁の相対向する辺から各々起立する第1側壁及び第2側壁と、で構成された断面略コ字形状の部材であり、前記躯体取付部は、前記第2側壁と接続される略矩形状の支持材保持部取付壁と、該支持材保持部取付壁から前記支持材保持部から離隔する方向へ起立する略矩形状の対向壁とを備え、前記支持材保持部の断面略コ字開口部が上方へ開口するように、前記対向壁が前記腕木に取付けられるよう構成されてい
る。
【0011】
このように構成されていると、支持材は、支持材保持部の保持部底壁、第1側壁、第2側壁に囲まれた部分に支持固定することが可能となる。
よって、簡易に足場を形成することができる。
【0012】
また、上記課題は、建物の外壁側に設置される建築用の足場であって、該足場は、略矩形平板状の保持部底壁と該保持部底壁の相対向する辺から各々起立する第1側壁及び第2側壁とで構成された断面略コ字形状の支持材保持部と、該支持材保持部を前記外壁側へ取付けるための躯体取付部を備えた支持材固定金物に保持された前記支持材を介して前記外壁に取付けられており、
前記躯体取付部は、物干金物を支持固定するために前記外壁に取付けられた腕木に固定されるものであり、前記腕木は、前記外壁に取付けられる壁取付部と、該壁取付部から前記外壁の外側方向へ、略垂直に一定の間隙を有して突出する2枚の平板である物干金物取付部と、を有して構成されており、前記支持材固定金物は、前記躯体取付部が、前記物干金物取付部において挟持されることにより、前記支持材保持部の断面略コ字開口部が上方へ開口するように、前記外壁に取付けられた前記腕木に取付けられ、前記支持材は、前記支持材保持部の前記保持部底壁、前記第1側壁、前記第2側壁に囲まれた部分に支持固定されており、前記足場は、前記支持材を基礎として前記外壁面に組立てられることにより解決される。
【0013】
このように、本発明によれば、支持材固定金物の保持部底壁、第1側壁、第2側壁に囲まれた部分(略コ字形状内部)に支持材を固定することができるとともに、躯体取付部を腕木に取付けることによって、支持材を外壁に取付けることができる。
そして、その支持材を基礎として、足場を組上げることが可能となるので、簡易に足場を設置することが可能となるとともに、狭小敷地等において建物を建設しようとした場合の施工性が向上する。
【0014】
具体的には、前記足場は、側面を形成する2個の横枠体と、前面を被覆する前面枠体と、下部を被覆する踏板と、を少なくとも備える略筐体状骨格であって、前記横枠体は、前記支持材固定金物に保持された前記支持材に取付けられた支持バーに固定されており、前記前面枠体及び前記踏板は、前記横枠体に取付けられるよう構成されていると好適である。
【0015】
更に具体的には、請求項
3に記載の発明において、前記横枠体の少なくとも一部は、軒に支持されるよう構成されていると好適である。
【0016】
このように構成されているため、支持バーや軒による支持により、より確実に堅牢な建築用の足場を構築することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、支持材固定金物は、物干金物を固定するために外壁に設置されている腕木に固定することができるよう構成されている。
よって、もともと外壁面に存在する腕木を利用して、足場を組み立てる基礎を築くことができる。
そして、この支持材を基礎に足場を組み立てれば、地表面より仮設足場を組み上げる必要が無く、このため、簡易に足場を設置することが可能となるとともに、狭小敷地等において建物を建設しようとした場合の施工性が向上する。
このため、費用面及び工期面においても有利な足場を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0020】
本実施形態は、簡易に足場を構築することを可能とするとともに、狭小敷地等においても設置可能であり、費用面及び工期面においても有利な足場を形成する支持材固定金物及びこれを用いた足場に関するものである。
【0021】
図1乃至
図9は、本発明に係る一実施形態を示すものであり、
図1は支持材固定金物を示す斜視図、
図2は支持材固定金物を示す4面図、
図3は支持材固定金物の取付方法を示す説明図、
図4は支持材の取付状態を示す説明図、
図5は足場の組立状態を示す正面図、
図6は足場の組立状態を示す側面図、
図7は足場の組立状態を示す上面図、
図8は支持バージョイント金物を示す4面図、
図9は横枠体の取付状態を示す説明図である。
【0022】
まず、
図1及び
図2により、本実施形態に係る支持材固定金物Sの構成について説明する。
ただし、以下説明する支持材固定金物Sは一構成例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
本実施形態に係る支持材固定金物Sは、支持材保持部1、躯体取付部2、補強部3を有して構成されている。
【0023】
本実施形態に係る支持材保持部1は、断面略コ字形状の溝型鋼が使用される。
この支持材保持部1は、保持部底壁11と、保持部底壁11の相対向する長辺から略垂直同方向に起立する第1側壁12及び第2側壁13とにより断面略コ字形状に形成されており、略コ字開口部を上部に向けて配設される。
【0024】
また、第1側壁12には、2個の第1側壁ボルト孔12a,12aが形成されており、この第1側壁ボルト孔12a,12aに連通するように第1側壁ナット12b,12bが溶接されている。
この第1側壁ナット12b,12bは、第1側壁12の外側面側(第2側面13が立設する側と反対側の面)に溶接される。
【0025】
本実施形態に係る躯体取付部2は、断面略L字形状のアングル材であり、2個使用されている。
躯体取付部2は、支持材保持部取付壁21及びこの支持材保持部取付壁21の片側長辺から略垂直に起立した対向壁22により断面略L字形状を構成するアングル材である。
躯体取付部2を構成する支持材保持部取付壁21は、支持材保持部1を構成する第2側壁13の外側面(第1側壁12が配設される側と反対側の面)に溶接される。
このとき、躯体取付部2は、対向壁22が第2側壁13の略中央側に配設されるように溶接される。
【0026】
このようにして、2個の躯体取付部2,2が、第2側壁13の外側面(第1側壁12が配設される側と反対側の面)に溶接される。
つまり、2個の躯体取付部2,2は、両方の対向壁22,22の外側面(支持材保持部取付壁21,21が延出する側と反対側の面)が若干の空隙をもって相対向するように配設された状態で、支持材保持部取付壁21,21が第2側壁13の外側面(第1側壁12が配設される側と反対側の面)に各々溶接される。
【0027】
なお、対向壁22,22には、対向壁ボルト孔22a,22aが同じ高さで連通するように各々形成されており、外側の一面側には、対向壁ボルト孔22aに連通するように対向壁ナット22bが溶接されている。
【0028】
また、対向壁22,22には、対向壁補助ボルト孔22c,22cが同じ高さで連通するように各々形成されており、外側の一面側には、対向壁補助ボルト孔22cに連通するように対向壁補助ナット22dが溶接されている。
この対向壁補助ボルト孔22c,22c及び対向壁補助ナット22d,22dは、本実施形態においては、更に1組(合計2組)形成されている。
これら、対向壁ボルト孔22a、2組の対向壁補助ボルト孔22c,22cは、対向壁22に上下方向(長手方向:支持材保持部1が開口する方向から保持部底壁11に向かう方向)に向けて並列して形成されている。
【0029】
なお、これらの対向壁ボルト孔22a及び対向壁補助ボルト孔22c等の形成個数、形成位置等は、これに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜選択することができるものである。
【0030】
本実施形態に係る補強部3は、断面略L字形状のアングル材である。
補強部3は、保持部底壁11と支持材保持部取付壁21,21とで形成される内隅部に沿うように配設され、支持材保持部1と躯体取付部2との接合を補強する。
【0031】
次いで、以上のように構成された支持材固定金物Sを用いて、建築用の足場Zを形成する方法を説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る支持材固定金物Sは、物干金物K1を取付けるための腕木K2に取り付けられる。
なお、腕木K2は、壁面に少なくとも2個(少なくとも物干竿の両端部を支持するため)取付けられる。
【0032】
本実施形態に係る腕木K2は、壁取付部K21及び物干金物取付部K22を有して構成されている。
壁取付部K21は、矩形平板状体で、建築物の壁に取付けられる。
物干金物取付部K22は、壁取付部K21から略垂直に立上がる2枚の平板で構成されている。
【0033】
この壁取付部K21から略垂直に立上がる2枚の平板は、一定の間隙(平板状の物干金物K1の厚みより若干大きい幅を有し、物干金物K1の基部が嵌合する程度)を有して略平行に相対向して起立している。
このため、壁取付部K21を外壁面に取付けたとき、壁取付部K21から略垂直に立上がる2枚の平板は、外側方向に外壁面から略垂直に突出することとなる。
【0034】
通常、物干金物K1の基部が物干金物取付部K22の間隙に挿入された状態で、ボルト留めすることにより、物干金物K1は腕木K2に取付けられる。
なお、本実施形態においては、腕木K2を上記のように構成したが、これに限られることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができるものである。
【0035】
本実施形態に係る支持材固定金物Sは、物干金物K1に代わって、腕木K2に取付けられる。
つまり、躯体取付部2を構成する対向壁22,22を、物干金物K1に代わって、物干金物取付部K22の間隙に挿入した状態で、ボルト留めすることにより、支持材固定金物Sは腕木K2に取付けられる。
【0036】
このように、本実施形態に係る支持材固定金物Sは、支持材保持部1の略コ字開口部を上部に向けて、腕木K2を介して建物の外壁面に配設される。
腕木K2は、物干竿の両端を支持するために、2箇所設置されている。
本実施形態においては、地表面から同一高さに、一般的な物干竿の長さより若干短い間隔をおいて2個設置されている。
そして、本実施形態に係る支持材固定金物Sは、この2個の腕木K2,K2に各々配設される。
【0037】
このように腕木K2,K2に取付けられた支持材固定金物S,Sに、支持材Tを取付ける。
支持材Tは、断面略矩形の筒状長尺鋼材で、その両端部が、腕木K2,K2に取付けられた支持材固定金物S,Sに支持固定される。
支持材Tの端部は、支持材固定金物Sを構成する支持材保持部1の略コ字部分内に上部より挿入されて、第1側壁ボルト孔12a,12aからボルト留めされる。
【0038】
このように、支持材Tの両端共同様の作業が行われ、支持材Tの両端は支持材固定金物S,Sへ各々固定される。
以上のように、支持材Tは、支持材固定金物S,S及び腕木K2,K2を介して建物の外壁面へと固定される。
【0039】
図4に、支持材Tが支持材固定金物S,Sに取付けられた状態を示す。
このように、本実施形態においては、支持材Tの両端部は、支持材固定金物S,Sに取付けられる。
なお、本実施形態においては、支持材固定金物S,Sが2個である場合を想定している(腕木K2が2個存在するタイプを想定している)が、これに限られることはなく、複数個存在していれば何個であってもよい。
【0040】
次いで、
図5乃至
図9により、足場Zの形成方法を説明する。
図5乃至
図7に示すように、本実施形態に係る足場Zは、支持材Tにより下部側が支持された状態で組み上げられる。
足場Zは、足場下部支持バーZ1,Z1、足場上部支持バーZ2,Z2、横枠体Z3,Z3、前面枠体Z4、踏板Z5,Z5を基本構成とする。
足場Zは、横枠体Z3,Z3、前面枠体Z4、踏板Z5,Z5により構成された略筐体状の枠体を備え、この略筐体状の枠体が、足場下部支持バーZ1,Z1、足場上部支持バーZ2,Z2、軒Nにより支持された状態で建物の外壁に配設される構造をとる。
【0041】
支持材Tには、足場下部支持バーZ1,Z1及び足場上部支持バーZ2,Z2の一端部が、後述する支持バージョイント金物Mを介して取付けられる(
図6参照)。
そして、これら足場下部支持バーZ1,Z1及び足場上部支持バーZ2,Z2の他端側に、足場Zを構成する横枠体Z3,Z3(足場Zの両側部を構成する)が取付けられる。
【0042】
図8及び
図9により、足場下部支持バーZ1及び足場上部支持バーZ2を、支持バージョイント金物Mを介して支持材Tに取付ける方法を説明する。
なお、足場下部支持バーZ1は、全ねじボルトとして構成されている。
また、足場上部支持バーZ2は、全ねじボルトで構成されるとともに、その他端部(支持材Tに取付けられる側と反対側の端部)は、扁平加工された継手Z21が形成されている。
【0043】
支持バージョイント金物Mは、
図8に示すように、支持材固定部M1、ジョイント金物前面部M2、ジョイント金物補強部M3,M3を基本構成として構成される。
支持材固定部M1は、断面略コ字形状の溝型鋼であり、矩形状の底面部(略コ字の底面部分)M11と、その底面部M11の相対向する辺から各々略鉛直上に起立する側壁M12,M12により、断面略コ字形状を構成している。
また、底面部M11には、支持材固定部全ボルト貫通孔M111が形成されている。
【0044】
ジョイント金物前面部M2は、足場下部支持バー固定部M21及び足場上部支持バー固定部M22とで構成される断面略く字形状に屈曲した平板鋼板である。
つまり、足場下部支持バー固定部M21及び足場上部支持バー固定部M22とは、鈍角を成して接続されている。
【0045】
足場下部支持バー固定部M21は、支持材固定部M1を構成する底面部M11と整合する形状(矩形状)であり、その略中央部分には、足場下部支持バー固定部全ボルト貫通孔M211が形成されている。
この足場下部支持バー固定部全ボルト貫通孔M211は、足場下部支持バー固定部M21を底面部M11に形状整合するように積層した際、支持材固定部M1の底面部M11に形成された支持材固定部全ボルト貫通孔M111と連通すように構成されている。
【0046】
また、足場上部支持バー固定部M22には、足場上部支持バー固定部全ボルト貫通孔M221,M221が並列して形成されている。
なお、足場下部支持バー固定部M21は、足場上部支持バー固定部M22の自由端辺側が、足場下部支持バー固定部M21との境界部側に比して支持材固定部M1から離隔する方向に配設されるよう、底面部M11に積層固定される。
【0047】
ジョイント金物補強部M3,M3は台形状の平板鋼板であり、その上底部が支持材固定部M1を構成する側壁M12(下方に配設される側)の下方を向く面に接するとともに、斜辺が足場上部支持バー固定部M22の裏面側(支持材固定部M1が配設される側の面)と接するように配設される。
【0048】
つまり、側壁M12(下方に配設される側)の下方を向く面と、足場上部支持バー固定部M22の裏面側(支持材固定部M1が配設される側の面)と、で形成される内隅部を埋めるように配設される。
このジョイント金物補強部M3,M3は、上記内隅の両端部に各々配設される。
【0049】
このように構成された支持バージョイント金物Mは、支持材Tに取付けられる。
つまり、支持バージョイント金物Mは、断面略コ字形状の支持材固定部M1内に支持材Tを嵌合させて固定することにより支持材Tに取付けられる。
換言すれば、底面部M11及び側壁M12,M12に囲まれた部分に支持材Tを配設するように取付けられる。
【0050】
そして、支持バージョイント金物Mに、足場下部支持バーZ1,Z1及び足場上部支持バーZ2,Z2の一端部が取付けられる(
図6参照)。
そして、これら足場下部支持バーZ1,Z1及び足場上部支持バーZ2,Z2の他端側に、足場Zを構成する横枠体Z3,Z3(足場Zの両側部を構成する)が取付けられることとなる。
【0051】
次いで、横枠体Z3,Z3、前面枠体Z4、踏板Z5,Z5により構成された略筐体状の枠体について説明する。
横枠体Z3,Z3は、足場下部支持バーZ1,Z1及び足場上部支持バーZ2,Z2の端部(支持バージョイント金物Mを介して支持材Tに取付けられた端部と反対側の端部)に取付けられて、足場Zの両側部を構成する。
【0052】
横枠体Z3は、前方縦材Z31、後方下部縦材Z32、後方上部縦材Z33、下部横材Z34、中部横材Z35、上部横材Z36、下部筋交Z37、上部筋交Z38、下部支持バー取付横材Z39とを有して構成されている。
【0053】
前方縦材Z31は、長軸棒状の部材であり、その上下両端部には、前面枠固定部Z311,Z311が形成されている。
前面枠固定部Z311,Z311は、扁平加工された略矩形鋼板で、中央部付近に固定孔が形成されている。
この前面枠固定部Z311,Z311には、後述する前面枠体Z4に形成された横枠体固定部Z411,Z411が、積層されて固定される。
【0054】
後方下部縦材Z32は、前方縦材Z31より短く形成された長軸棒状の部材であり、前方縦材Z31と略平行に配設される。
後方下部縦材Z32の下端部と前方縦材Z31の下端部とは、下部横材Z34が略直交するように架橋固定されている。
また、後方下部縦材Z32の上方(後述する下部支持バー取付横材Z39より上方)には、上部支持バー取付部Z321が形成されている。
【0055】
上部支持バー取付部Z321は、扁平加工された略矩形鋼板で、中央部付近に固定孔が形成されている。
この上部支持バー取付部Z321には、足場上部支持バーZ2に形成された継手Z21が積層されて固定される。
【0056】
中部横材Z35は、下部横材Z34よりも若干長く形成されており、後方下部縦材Z32と略平行となるように配設される。
この中部横材Z35は、一端部が前方縦材Z31に固定されるとともに下部横材Z34の上端部が接するように配設され、よって、他端部側が下部横材Z34よりも外側へ突出するように配設される。
【0057】
上部横材Z36は、前方縦材Z31の上端部に、下部横材Z34及び中部横材Z35と略平行となるように配設される。
後方上部縦材Z33は、中部横材Z35及び上部横材Z36の端部(前方縦材Z31に固定されている側と反対側の端部)を架橋するように、前方縦材Z31と略平行に配設される。
【0058】
なお、後方上部縦材Z33は、中部横材Z35及び上部横材Z36間の距離よりも長く構成されており、よって、中部横材Z35よりも下部側(下部横材Z34が配設される側)へ、その端部が突出している。
この突出している端部を、「軒固定部Z331」と記す。
この軒固定部Z331の自由端(下端)側は、軒Nに支持されるよう構成されている。
【0059】
また、下部筋交Z37は、前方縦材Z31、後方下部縦材Z32、下部横材Z34、中部横材Z35で囲まれた略矩形枠体の一対角を対角線上に架橋するように配設される。
同様に、上部筋交Z38は、前方縦材Z31、後方上部縦材Z33、中部横材Z35、上部横材Z36で囲まれた略矩形枠体の一対角を対角線上に架橋するように配設される。
【0060】
下部支持バー取付横材Z39は、長尺棒状体であり、前方縦材Z31及び後方下部縦材Z32と略直交するとともに、後方下部縦材Z32の中央部付近に接するように取付けられている。
【0061】
これは、足場Zを組上げた際、地表面と水平となるように取付けられることとなる。
更に、下部支持バー取付横材Z39は、その一端部が、後方下部縦材Z32から外側へ突出するように(これは、足場Zを組上げた際建物外壁と近接する側に突出するようになる)取付けられている。
【0062】
この突出部分の端部(以下、「建物外壁側端部Z391」と記す)には、高ナットZ392が埋設されている。
この建物外壁側端部Z391に埋設された高ナットZ392には、足場下部支持バーZ1の端部(支持バージョイント金物Mを介して支持材Tに取付けられた端部と反対側の端部)が螺合されて固定される。
【0063】
次いで、上記横枠3の固定構造を説明する。
図6及び
図9に示すように、横枠3は、支持材Tに取付けられた支持バージョイント金物Mを介して支持材Tに取付けられるとともに、軒Nにもまた固定される。
支持バージョイント金物Mを構成する足場上部支持バー固定部M22には、足場上部支持バーZ2の一端部(継手Z21が形成されている側と反対側の端部)が取付けられている。
【0064】
これは、足場上部支持バー固定部M22に形成された足場上部支持バー固定部全ボルト貫通孔M221に取付けられる。
そして、足場上部支持バーZ2の他端部に形成された継手Z21が、横枠3に形成された上部支持バー取付部Z321に固定される。
【0065】
そして、支持材固定部M1の底面部M11に形成された支持材固定部全ボルト貫通孔M111と、足場下部支持バー固定部M21に形成された足場下部支持バー固定部全ボルト貫通孔M211の連通孔には、足場下部支持バーZ1の一端部が取付けられている。
また、足場下部支持バーZ1の他端部は、下部支持バー取付横材Z39を構成する建物外壁側端部Z391に埋設された高ナットZ392に固定される。
【0066】
このように、横枠3は、支持バージョイント金物Mに取付けられた足場下部支持バーZ1及び足場上部支持バーZ2により支持材Tに取付けられる。
更に、後方上部縦材Z33を構成する軒固定部Z331の自由端(下端)側が、軒Nに支持される。
上記のように横枠3は、3点で建物に固定されることとなる。
なお、本実施形態においては、横枠3は2枚建物に固定される。
【0067】
前面枠体Z4は、
図5に示すように、前面枠縦材Z41,Z41及び前面枠横材Z42,Z42を有して構成された略矩形枠体であり、前面枠縦材Z41,Z41間を前面枠横材Z42,Z42と略平行となるように架橋する4本の横架橋材Z43を備えている。
【0068】
前面枠縦材Z41の両端部(足場Zを組立てた際、上下方向となる両端部)には、横枠固定部Z411,Z411が形成されている。
この横枠固定部Z411は、略矩形板状鋼板であり、中央部付近に固定孔が形成されている。
この横枠固定部Z411,Z411には、前面枠固定部Z311,Z311が、積層されて固定される。
このようにして、前面枠体Z4は、横枠体Z3,Z3に固定される。
【0069】
また、踏板Z5,Z5は、略矩形板体であり、横枠体Z3,Z3を構成する下部横材Z34,Z34にそれら両端部が載置固定される。
また、梯子H1、開口部手摺H2等が、必要に応じて配設される。
【0070】
以上のように、本実施形態においては、建物の外壁面に配設された腕木K2に取付けられる複数の支持材固定金物S,Sに支持材Tが固定される。
この支持材Tに取付けられた複数の支持バージョイント金物M,Mを介して、足場Zが組立てられる。
よって、本実施形態によれば、簡易に足場Zを構築することを可能となり、この足場Zは、狭小敷地等においても設置可能である。
このため、費用面及び工期面においても有利な足場Zを形成することが可能となる。