(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726503
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】螺旋電極を有するカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
A61B17/39
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-279222(P2010-279222)
(22)【出願日】2010年12月15日
(65)【公開番号】特開2011-125707(P2011-125707A)
(43)【公開日】2011年6月30日
【審査請求日】2013年10月31日
(31)【優先権主張番号】12/639,096
(32)【優先日】2009年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510322649
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
【審査官】
毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0216722(US,A1)
【文献】
特開平10−290805(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0111708(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0187544(US,A1)
【文献】
特表平09−506808(JP,A)
【文献】
米国特許第05876398(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
侵襲的プローブであって、
灌注流体を提供するためのルーメンを収容し、かつ、遠位部分を含む挿入管であって、前記遠位部分は、そこを通って前記ルーメンと前記挿入管の外側表面との間に流体連通を提供する複数の穿孔を有する、挿入管と、
前記挿入管の前記遠位部分を被嵌する少なくとも1つの螺旋電極と、を含み、
前記挿入管は、外側表面および内側表面を有し、前記遠位部分は、前記ルーメンと流体連通している内部リザーバを有し、前記内部リザーバは、内部リザーバ表面を有し、前記内部リザーバは、前記挿入管の前記内側表面と前記内部リザーバ表面との間に形成され、前記複数の穿孔は、前記内部リザーバと前記挿入管の前記外側表面との間に流体連通を提供する、プローブ。
【請求項2】
前記管を通過し、かつ前記少なくとも1つの螺旋電極と電気的に結合される1本又は複数本のワイヤを含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの螺旋電極が前記穿孔のいくつかを覆う、請求項1に記載のプローブ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの螺旋電極が、前記遠位部分に沿って分布する複数の螺旋電極を含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの螺旋電極を被験者の心臓の心内膜組織と接触させるように、前記挿入管が、血管を通って前記心臓の心腔内に挿入されるように構成される、請求項1に記載のプローブ。
【請求項6】
前記複数の穿孔が少なくとも8個の穿孔を含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項7】
前記複数の穿孔が少なくとも50個の穿孔を含む、請求項6に記載のプローブ。
【請求項8】
前記穿孔が0.5mm未満の直径を有する、請求項1に記載のプローブ。
【請求項9】
前記穿孔が0.2mm未満の直径を有する、請求項8に記載のプローブ。
【請求項10】
前記挿入管の長手方向において、遠位側の穿孔の直径は、近位側の穿孔の直径より大きい、請求項1に記載のプローブ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの螺旋電極が、前記挿入管の前記遠位部分の周囲に螺旋巻きされるワイヤコイルを含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの螺旋電極が、螺旋模様に沿って切り抜かれた管を含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項13】
前記複数の穿孔は、前記挿入管の長手方向および前記挿入管の周囲方向の両方に分布しており、前記少なくとも1つの螺旋電極は、前記複数の穿孔の内のいくつかの穿孔を覆うが、前記複数の穿孔の内の他の穿孔は開いたままとなっている、請求項1に記載のプローブ。
【請求項14】
医療器具であって、
被験者の体内へ挿入されるためのプローブであって、
ルーメンを収容し、かつ、遠位部分を含む挿入管であって、前記遠位部分は、そこを通って前記ルーメンと前記挿入管の外側表面との間に流体連通を提供する複数の穿孔を有する、挿入管と、
前記挿入管の前記遠位部分を被嵌し、かつ前記体内の組織と接触するように構成された少なくとも1つの螺旋電極と、を含む、プローブと、
前記少なくとも1つの螺旋電極に電気エネルギーを供給するために前記プローブへ結合するためのエネルギー発生機と、
前記ルーメン及び前記穿孔を介して前記組織に灌注流体を供給するために前記ルーメンと結合するための灌注ポンプと、を含み、
前記挿入管は、外側表面および内側表面を有し、前記遠位部分は、前記ルーメンと流体連通している内部リザーバを有し、前記内部リザーバは、内部リザーバ表面を有し、前記内部リザーバは、前記挿入管の前記内側表面と前記内部リザーバ表面との間に形成され、前記複数の穿孔は、前記内部リザーバと前記挿入管の前記外側表面との間に流体連通を提供する、器具。
【請求項15】
前記組織を焼灼するために、前記エネルギー発生機が結合されて前記少なくとも1つの螺旋電極に電気エネルギーを供給する、請求項14に記載の器具。
【請求項16】
前記プローブが、前記被験者の心臓の心筋組織を焼灼するために、血管を通って前記心臓の中に挿入されるように構成される、請求項14に記載の器具。
【請求項17】
前記複数の穿孔は、前記挿入管の長手方向および前記挿入管の周囲方向の両方に分布しており、前記少なくとも1つの螺旋電極は、前記複数の穿孔の内のいくつかの穿孔を覆うが、前記複数の穿孔の内の他の穿孔は開いたままとなっている、請求項14に記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療装置に関し、特に体内の侵襲的プローブが接触する組織の冷却に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの医療処置では、濃縮した用量でエネルギーが体の組織に局部的に与えられるので、側枝組織の損傷を低減するために、治療領域を冷却することが望ましい。
【0003】
例えば、心臓焼灼療法を用いて、高周波(RF)電気エネルギーで組織を加熱し、心筋に非伝導性病変を引き起こすことにより、不整脈を治療する。焼灼部位の領域を冷却することにより、組織の炭化及び血栓の形成が低下することが見出されている。この目的のために、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar)は、その一体型焼灼システムの一部として、ThermoCool(登録商標)灌注先端カテーテルを提供している。金属のカテーテル先端は、組織を焼灼するためにRF電流でエネルギーを加えられるものであるが、治療部位の灌注のために、先端の周囲に分布している多数の周辺穴を有する。カテーテルに連結しているポンプは、食塩水をカテーテル先端に運び、カテーテル先端及び組織を冷却するために、処置中には穴を通して溶液が流れ出す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下に記載される本発明の実施形態は、RF焼灼に使用する灌注カテーテルなどの侵襲性医療処置のための灌注プローブ、並びにかかるプローブの効率的な製造方法を提供する。
【0005】
したがって、本発明の実施形態によると、灌注流体を供給するためのルーメンを収容し、かつ、遠位部分を含む挿入管であって、この遠位部分は、そこを通ってルーメンと挿入管の外側表面との間に流体連通を提供する複数の穿孔を有する挿入管、を含む侵襲的プローブが提供される。少なくとも1つの螺旋電極は、挿入管の遠位部分を被嵌する。
【0006】
典型的には、プローブは、管を通過し、かつ少なくとも1つの螺旋電極と電気的に結合される1本又は複数本のワイヤを含む。加えて又はあるいは、少なくとも1つの螺旋電極は穿孔のいくつかを覆う。
【0007】
一実施形態において、少なくとも1つの螺旋電極は、遠位部分に沿って分布する複数の螺旋電極を含む。
【0008】
開示された実施形態において、挿入管は、少なくとも1つの螺旋電極を被験者の心臓の心内膜組織と接触させるように、血管を通って心臓の心腔内に挿入されるように構成される。
【0009】
典型的には、複数の穿孔は少なくとも8個の穿孔、及び場合によっては少なくとも50個の穿孔を含む。穿孔は、典型的には、0.5mm未満、及び場合によっては0.2mm未満の直径を有する。穿孔は、穿孔の個別の長手方向位置に応じて変化する個別のサイズを有してもよい。
【0010】
一実施形態において、少なくとも1つの螺旋電極は、挿入管の遠位部分の周囲に螺旋巻きされるワイヤコイルを含む。別の実施形態において、少なくとも1つの螺旋電極は、螺旋模様に沿って切り抜かれた管を含む。
【0011】
本発明の実施形態によると、被験者の体内に挿入するためのプローブを含む医療器具も提供される。当該プローブは、ルーメンを収容し、かつ、遠位部分を含む挿入管であって、この遠位部分は、そこを通ってルーメンと挿入管の外側表面との間に流体連通を提供する複数の穿孔を有する挿入管を含み、少なくとも1つの螺旋電極がこの挿入管の遠位部分を被嵌しており、かつ体内の組織と接触するように構成される。エネルギー発生機は、少なくとも1つの螺旋電極に電気エネルギーを供給するようにプローブと結合される。灌注ポンプは、ルーメン及び穿孔を介して組織に灌注流体を供給するために、ルーメンと結合される。
【0012】
開示された実施形態において、組織を焼灼するために、エネルギー発生機が結合されて、少なくとも1つの螺旋電極に電気エネルギーを供給する。例えば、プローブは、被験者の心臓の心筋組織を焼灼するために、血管を通って心臓の中に挿入されるように構成されてもよい。
【0013】
本発明の実施形態によると、被験者の体内にプローブを挿入することを含む処置方法が更に提供される。プローブは、ルーメンを収容し、かつ、遠位部分を含む挿入管であって、この挿入管は、そこを通ってルーメンと挿入管の外側表面との間に流体連通を提供する複数の穿孔を有する挿入管を含み、少なくとも1つの螺旋電極が挿入管の遠位部分を被嵌している。少なくとも1つの螺旋電極は、体内の組織と接触する。電気エネルギーは、少なくとも1つの螺旋電極を介して組織に印加され、灌注流体は、ルーメン及び穿孔を介して組織に供給される。
【0014】
典型的には、流体は、遠位部分及び組織を冷却するために供給される。
【0015】
本発明の実施形態によると、ルーメンと挿入管の外側表面との間に流体連通を提供するために、ルーメンを収容する挿入管の遠位部分の外側表面を貫通する複数の穿孔を形成することを含む医療機器の製造方法が更に提供される。導電性材料を含む少なくとも1つの螺旋電極は、挿入管の遠位部分の上をスライドされる。次に、少なくとも1つの螺旋電極は、挿入管の遠位部分の外側表面に固定される。
【0016】
本発明は、以下のより詳細な実施形態と、その図面の記述により、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による、心臓焼灼療法のためのシステムの概略絵画図。
【
図2】本発明の実施形態による、有孔カテーテル挿入管の概略側面図。
【
図3】本発明の実施形態による、コイル電極の概略側面図。
【
図4】本発明の実施形態による、コイル電極がその上に被嵌された有孔カテーテルの遠位部分の概略側面図。
【
図5】
図4のカテーテルの線V−Vで切断した概略断面図。
【
図6】本発明の実施形態による、コイル電極を有するラッソカテーテルの概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
高周波(RF)電気的焼灼処置では、上述のように、焼灼部位の領域に灌注することにより、組織の炭化、血栓の形成、及び焼灼電極と組織との間の癒着が低下する。今日までの灌注の方法及び装置は、灌注流体がカテーテルから穿孔を通って治療領域に流れていくように、電極そのものに穿孔することを必要とした。このタイプの有孔電極、及び穿孔の形成方法は、例えば、本出願の譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年7月15日出願の米国特許出願第12/173,150号に記載されている。穿孔の形成には時間がかかり、かつ費用がかかる一方、電極構造を弱体化させる可能性がある。
【0019】
以下に記載される本発明の実施形態は、灌注を備えたリング電極の簡便で安価な製造方法を提供する。カテーテルなどの侵襲的プローブは、リング電極がその中に設置される領域に、その外壁部を貫く複数の穿孔を備えて製造される。穿孔は、灌注流体を穿孔に運ぶ、プローブ内部のルーメンと連通する。典型的にはつる巻きバネの形状及び弾力性を有する導電性コイル電極は、所望の電極位置でプローブに被嵌され、かつ固定される。このコイル電極は、例えば、焼灼治療のためにRF電気エネルギーをコイルに供給するのに使用されてもよい、プローブを通過する1本又は複数本のワイヤに接続される。コイル電極の設置は、典型的には、プローブの壁部にある穿孔のいくつかを覆うことになるが、コイルの巻きの間の隙間にあるその他の穿孔は覆われずに残る。操作中、これらの開いている穿孔は、治療領域全体に灌注を供給する。
【0020】
上記、及び後続の図に示される設計は、製造が簡便で安価である。この設計は、電極に実際に穿孔を形成する面倒と費用を回避しながら、有孔の灌注電極によって達成される利益を提供する。この種の電極構造は、カテーテル又はラッソなどのその他の構造体の長さに沿って複数のリング電極を形成するのに使用され得る。
【0021】
図1は、本発明の実施形態による、心臓焼灼療法のためのシステム20の概略絵画図である。操作者26は、血管を通してカテーテル28を被験者22の心臓24の心腔に挿入し、カテーテルの遠位部分32が治療されるべき領域の心内膜に接触するように、カテーテルを操作する。カテーテルの遠位部分は、以下に示されかつ記載されるように、治療領域の灌注を可能にするために穿孔されている。しかしながら他の観点では、システム20は、上述のBiosense Webster systemのような、当該技術分野において既知である心臓焼灼療法用システムに類似しており、このようなシステムの構成要素はシステム20での使用に適応している場合がある。
【0022】
カテーテル28の遠位部分32を焼灼部位に位置決めして、遠位部分(以下に図示)の上の電極がこの部位の心内膜と接触していることを確実にした後、操作者26は、制御コンソール42の中の高周波(RF)エネルギー発生機44を作動させて、ケーブル38を介してRFエネルギーを電極に供給する。その一方で、灌注ポンプ48は、食塩水などの冷却液を、管40及びカテーテル28の中のルーメンを介して遠位部分まで供給する。RFエネルギー発生機及び灌注ポンプの操作は、灌注流体が心臓に過剰な負荷をかけることなく、電極及び組織を冷却するように、焼灼中適切な体積の灌注を与えるために、協働することができる。遠位部分32の温度センサ(図示せず)は、RFエネルギー用量及び/又は灌注体積の制御に用いるために、コンソール42にフィードバックを提供してもよい。
【0023】
図2は、本発明の実施形態による、カテーテル28の挿入管50の一部分の概略側面図である。この図は、電極が遠位部分32の上にアセンブルされる前の、製造段階における挿入管の遠位部分を示している。管50は、典型的には、ポリウレタンなどの好適な生体適合性プラスチックを含み、典型的には直径約2.3mm、肉厚約0.15mmである。しかしながら、これらの寸法は実例としてのみ提供されており、アプリケーション要件に応じてより大きな又はより小さな寸法を用いてもよい。
【0024】
管50の遠位部分の外側表面は、遠位端の表面全域にわたって、長手方向(即ち、カテーテル28の長手方向軸に平行な方向に沿って)及び周囲方向(軸を中心とした周囲に沿って)の両方に分布している、複数の穿孔52で貫通されている。穿孔は、管の製造時に穿孔を予成形する、又は押出成形後に穿孔を管に打ち抜く又はドリルで穿孔を開ける(レーザ又は機械的手段によって)などの、当該技術分野において既知の任意の好適な方法によって管50に形成されてもよい。
【0025】
遠位部分32は、管50内部のルーメン58によって灌注流体が送り込まれる内部リザーバ56を収容している。穿孔52は、リザーバ56と管50の外側表面との間に延びる。この図で示される実施形態では、リザーバ56は、例えば、管50内部にこれより小さな直径の管を嵌め込むことによって形成され得る内側表面54を有する。あるいは、リザーバは、管50の遠位端の内部空間全体を占めてもよく、その場合、リザーバは、そこを通ってルーメン58が供給される遠位端に近接したプラグ(図示せず)によって閉鎖されてもよい。リザーバの代替構造は当業者には明らかであり、それらは本発明の範囲内であると考慮される。
【0026】
典型的には、冷却液で心臓に過剰な負荷をかけることなく、遠位部分32の領域一面の長手方向及び周囲方向の両方に灌注を分配するために、管50は、直径0.5mm未満の少なくとも8個の穿孔を有する。しかしながら、本発明者らは、直径が0.2mm以下、場合によっては約0.1mmと小さい、少なくとも50個の穿孔を遠位部分に有するのが有利であることを見出した。圧力変動を補償し、かつ全長にわたって均等な流量を確実にするために、穿孔のサイズは遠位端の長さにわたって任意に変えられてもよい。このため、先端の最末端部の穿孔、及び先端の最末端部近くの穿孔を、流体の入り口により近いより近位の穿孔より大きくしてもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施形態による、コイル電極60の概略側面図である。後に続く図で示されるように、この電極は管50に被嵌される。電極60は、典型的には、弾力的な生体適合性導電性材料、例えば、金、プラチナ、若しくはイリジウムワイヤ、又はかかる金属の合金を含む。コイル電極は、図に示されるように、コイルバネに似た螺旋コイルに巻かれたワイヤを含んでもよい。あるいは、コイル電極は、例えば、レーザ切断によって螺旋模様に沿って切り抜かれて螺旋形状を作り出す管で作製されてもよい。コイル電極は、管50の外径と等しいかわずかに小さい内径を有し、その結果、コイルは管にぴったりと被嵌する。
【0028】
ここで、本発明の実施形態に従ってコイル電極60を管50に被嵌することによって作られた、カテーテル28の遠位部分32を概略的に示している
図4及び
図5を参照する。
図4は側面図であり、
図5は、
図4においてV−Vと印の付けられた線に沿って切断された断面図である。電極60は、管50上の所望に位置までスライドされ、次に、接着剤ないしは別の方法で適所に固定される。管50内部の1本又は複数本のワイヤ62は、管の外側表面を(可能であれば穿孔52の1つを通って)貫通し、はんだ付け、ないしは別の方法で電極60に結合される。この目的のために、リング電極に電気的結合するための当該技術分野において既知の任意の好適な技術が同様に用いられてもよい。ワイヤ62はカテーテル28の近位端まで通り、そこで、ケーブル38を介してRFエネルギー発生機44に接続する(
図1)。
【0029】
図4及び
図5を見てわかるように、電極60が管50の上に固定されると、電極60は穿孔のいくつかを覆う(
図5の52B)。しかしながら、電極が接触している領域に適切な灌注を供給するために、十分な数の穿孔(
図5の52A)が開いたままとなっている。この構成は、管50に穿孔52を形成する際に、及び管の上に電極60を設置する際に、高い位置精度の必要性を不要にするという点で有利である。焼灼処置の間、ルーメン58(
図2)は流体を灌注ポンプ48(
図1)からリザーバ56へと運ぶ。流体は、管50を出て穿孔52Aを通って周辺組織に至り、一方で電極60は、組織を焼灼するためにRFエネルギーを供給する。
【0030】
図6は、本発明の実施形態による、コイル電極76を有するラッソカテーテル70の概略側面図である。ラッソカテーテル挿入管は、ほぼ丸い形状のラッソ形状を有する遠位部分74を備えるシャフト72を画成するように形成される。この種のラッソ形状は、例えば、心房細動の治療の際に、肺静脈の口の周囲の円形路に沿った心筋組織を焼灼するときに使用することができる。
【0031】
所望の経路に沿って複数の位置を同時に焼灼するために、電極76は遠位部分74の外周に分布される。各電極は定位置にスライドされ、固定され、かつ、上述したやり方でカテーテル70内部のワイヤに電気的に接続される。遠位部分74はまた、カテーテル28と同様に、灌注のための穿孔(この図には示されず)を有してもよい。複数のコイル電極は、他のタイプのカテーテルの長さに沿って、並びに他の種類の管状プローブ上に、同じように分布されてもよい。
【0032】
上記実施形態は、特に、心臓内のRF焼灼処置で使用されるカテーテルに関するが、本発明の原理は、他の臓器、並びに他のタイプの診断及び治療処置、特に、体内組織にエネルギーを印加することを伴う処置にも同様に適用され得る。例えば、類似の種類の灌注先端を有する装置を、マイクロ波ベースの加熱又は超音波組織加熱を伴う治療において使用することができる。別の例としては、上記のタイプのコイル電極は、他のタイプのカテーテル及び管状プローブで灌注なしに用いられてもよい。
【0033】
上述された実施形態は例示のために引用され、また本発明は、以上に特に示され記述されたものに限定されるものではないことが、したがって理解されるであろう。むしろ本発明の範囲は、以上に記述されたさまざまな特徴の結合及び副結合の両方とともに、当業者が前述の記述を読了後に思いつくであろう、先行技術に開示されていない、それらの変更と修正をも包含する。
【0034】
〔実施の態様〕
(1) 侵襲的プローブであって、
灌注流体を提供するためのルーメンを収容し、かつ、遠位部分を含む挿入管であって、前記遠位部分は、そこを通って前記ルーメンと前記挿入管の外側表面との間に流体連通を提供する複数の穿孔を有する、挿入管と、
前記挿入管の前記遠位部分を被嵌する少なくとも1つの螺旋電極と、を含む、プローブ。
(2) 前記管を通過し、かつ前記少なくとも1つの螺旋電極と電気的に結合される1本又は複数本のワイヤを含む、実施態様1に記載のプローブ。
(3) 前記少なくとも1つの螺旋電極が前記穿孔のいくつかを覆う、実施態様1に記載のプローブ。
(4) 前記少なくとも1つの螺旋電極が、前記遠位部分に沿って分布する複数の螺旋電極を含む、実施態様1に記載のプローブ。
(5) 前記少なくとも1つの螺旋電極を被験者の心臓の心内膜組織と接触させるように、前記挿入管が、血管を通って前記心臓の心腔内に挿入されるように構成される、実施態様1に記載のプローブ。
(6) 前記複数の穿孔が少なくとも8個の穿孔を含む、実施態様1に記載のプローブ。
(7) 前記複数の穿孔が少なくとも50個の穿孔を含む、実施態様6に記載のプローブ。
(8) 前記穿孔が0.5mm未満の直径を有する、実施態様1に記載のプローブ。
(9) 前記穿孔が0.2mm未満の直径を有する、実施態様8に記載のプローブ。
(10) 前記穿孔が、前記穿孔の各々の長手方向位置に応じて変化する個別のサイズを有する、実施態様1に記載のプローブ。
【0035】
(11) 前記少なくとも1つの螺旋電極が、前記挿入管の前記遠位部分の周囲に螺旋巻きされるワイヤコイルを含む、実施態様1に記載のプローブ。
(12) 前記少なくとも1つの螺旋電極が、螺旋模様に沿って切り抜かれた管を含む、実施態様1に記載のプローブ。
(13) 医療器具であって、
被験者の体内へ挿入されるためのプローブであって、
ルーメンを収容し、かつ、遠位部分を含む挿入管であって、前記遠位部分は、そこを通って前記ルーメンと前記挿入管の外側表面との間に流体連通を提供する複数の穿孔を有する、挿入管と、
前記挿入管の前記遠位部分を被嵌し、かつ前記体内の組織と接触するように構成された少なくとも1つの螺旋電極と、を含む、プローブと、
前記少なくとも1つの螺旋電極に電気エネルギーを供給するために前記プローブへ結合するためのエネルギー発生機と、
前記ルーメン及び前記穿孔を介して前記組織に灌注流体を供給するために前記ルーメンと結合するための灌注ポンプと、を含む、器具。
(14) 前記組織を焼灼するために、前記エネルギー発生機が結合されて前記少なくとも1つの螺旋電極に電気エネルギーを供給する、実施態様13に記載の器具。
(15) 前記プローブが、前記被験者の心臓の心筋組織を焼灼するために、血管を通って前記心臓の中に挿入されるように構成される、実施態様13に記載の器具。
(16) 処置方法であって、
被験者の体内にプローブを挿入することであって、前記プローブは、
ルーメンを収容し、かつ、遠位部分を含む挿入管であって、前記遠位部分は、そこを通って前記ルーメンと前記挿入管の外側表面との間に流体連通を提供する複数の穿孔を有する、挿入管と、
前記挿入管の前記遠位部分を被嵌する少なくとも1つの螺旋電極と、を含む、挿入することと、
前記少なくとも1つの螺旋電極を前記体内の組織と接触させることと、
前記少なくとも1つの螺旋電極を介して前記組織に電気エネルギーを印加することと、
前記ルーメン及び前記穿孔を介して前記組織に灌注流体を供給することと、を含む、方法。
(17) 前記プローブを挿入することが、血管を通って前記被験者の心臓の中まで前記プローブを通過させることを含み、前記電気エネルギーを印加することが、前記心臓の心筋組織を焼灼することを含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記流体を供給することが、前記遠位部分及び前記組織を冷却することを含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 医療機器の製造方法であって、
ルーメンと挿入管の外側表面との間に流体連通を提供するために、前記ルーメンを収容する前記挿入管の遠位部分の外側表面を貫通する複数の穿孔を形成することと、
導電性材料を含む少なくとも1つの螺旋電極を、前記挿入管の前記遠位部分の上をスライドさせることと、
前記少なくとも1つの螺旋電極を、前記挿入管の前記遠位部分の前記外側表面に固定することと、を含む、方法。
(20) 1本又は複数本のワイヤを前記管に通すことと、前記ワイヤを前記少なくとも1つの螺旋電極に電気的に結合することと、を含む、実施態様19に記載の方法。
【0036】
(21) 前記少なくとも1つの螺旋電極が前記穿孔のいくつかを覆う、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記少なくとも1つの螺旋電極をスライドさせることが、前記遠位部分に沿って複数の螺旋電極を位置決めすることを含む、実施態様19に記載の方法。