(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等で物品に価格等を表示したラベルをレバー操作により貼付するハンドラベラーと称する手持ち式のラベル貼付機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示され、
図8に開示されたハンドラベラーは、グリップ2を備えた本体1と、本体1に設けられラベルLが仮着された帯状台紙Dを巻回した供給リール3を保持する供給リール保持部4と、グリップ2に対峙して本体1に揺動可能に設けられるとともにグリップ2から離間した離間位置X及びグリップ2側へ近接した近接位置Yに移動可能なレバー6と、レバー6を常時離間位置X側に付勢するスプリング7と、レバー6が近接位置Yから離間位置Xに移動(図中Rb方向)する際に駆動されて供給リール保持部4に保持した供給リール3から帯状台紙Dを繰り出す繰り出し機構10と、繰り出し機構10が帯状台紙Dを繰り出す過程で剥離板16により帯状台紙Dを折り返して帯状台紙DからラベルLを剥離して本体1から排出し先端のローラ17の押圧によりラベルLを物品に貼付可能にするラベル剥離機構15と、レバー6が離間位置Xから近接位置Yに移動(図中Ra方向)する際にレバー6により駆動されて供給リール3から繰り出された帯状台紙Dに仮着されたラベルLに所用の印字を行なう印字機構18とを備えている。
【0003】
繰り出し機構10は、周面に帯状台紙Dの列状の孔(図示せず)に係合するピン11を有し回転軸12aを中心に回転可能な回転ドラム12と、回転ドラム12とレバー6とを連係しレバー6の揺動により回転ドラム12を回転させるリンク機構13と、回転ドラム12の回転方向を一方向に規制する周知のワンウエイクラッチ(図示せず)とを備えている。これにより、繰り出し機構10においては、レバー6が離間位置Xから近接位置Yに移動(図中Ra方向)する際に、ワンウエイクラッチが空振りして回転ドラム12の停止状態を保持し、レバー6が近接位置Yから離間位置Xに移動(図中Rb方向)する際にワンウエイクラッチが接続されてリンク機構13を介して回転ドラム12を回転させ、帯状台紙Dを繰り出す。
【0004】
そして、このハンドラベラーを用いて、物品にラベルLを貼付するときは、グリップ2に手を掛けてレバー6を握ると、レバー6が離間位置Xから近接位置Yに移動し(図中Ra方向)、先ず、レバー6に保持された印字機構18が情報をラベルLに印字する。このとき、繰り出し機構10の回転ドラム12は停止状態を保持する。次に、レバー6の把持を開放すると、レバー6はスプリング7の付勢力により近接位置Yから離間位置Xに移動(図中Rb方向)させられる。これにより、ワンウエイクラッチが接続されてリンク機構13を介して回転ドラム12が回転させられ、帯状台紙Dが繰り出される。この帯状台紙Dの繰り出し時に、ラベル剥離機構15の剥離板16によりラベルLが帯状台紙Dから剥離して直進して排出される。
【0005】
ところでこの種のハンドラベラーは、ラベルLを貼付する際、ローラ17を物品に押し当て、本体1を手前に引くことにより物品に貼付するが、押し当てる際および本体1を手前に引く際、物品に対して少なからず衝撃(押圧)が加わるという問題があった。すなわち、特売時間に間に合わせるなどの理由で、物品に対してローラ17を叩きつけるように押し当てることもあり、物品(対象物)が手で持ちにくく、かつ、壊れ易い豆腐や、あるいは、メロンのような高級品の場合、傷が付き易いため、本体1を介してラベルLを押圧するハンドラベラーが不向きな物品も多々あるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであり、ガスの噴射によりラベルを対象物まで飛ばしてラベルを貼り付ける手持ち式ラベル貼付機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る手持ち式ラベル貼付機は、ラベルが仮着された帯状台紙を巻回した供給リールを保持する本体と、上記本体に対し着脱自在に設けられるとともに、圧搾ガスを供給するガス供給手段と、上記本体の前面部に設けられるとともに、上記帯状台紙の出入り口および開口が形成された口金部と、上記口金部に設けられ上記帯状台紙の入口から挿通された帯状台紙のみを転向させて上記ラベルを剥離する剥離部と、上記剥離部に近接して設けられ、上記剥離部で剥離されたラベルを上記開口側へ飛ばすべく上記圧
搾ガスを噴出するガス噴出口と、スイッチをオンとすることにより上記転向された帯状台紙を下流側に搬送して上記剥離部においてラベルを剥離させるとともに、上記ガス供給手段よりの圧搾ガスを上記ガス噴出口より噴出させるトリガー部と、
を備え、上記ラベルは、上記口金部の内部において上記帯状台紙との仮着状態から剥離されてガス噴出口方向へ繰出し、剥離されるタイミングと同期をとって上記ガス噴出口からの上記圧搾ガスの噴出により口金部の開口を通じて飛ばされることを特徴とする。
また、上記口金部の上記帯状台紙の出口には、手切り式のカッタ部が設けられる。
さらに、第2の発明に係る手持ち式ラベル貼付機は、
基材の一面側に粘着剤層が露出した台紙なしラベル連続体を巻回した供給リールを保持する本体と、上記本体に対し着脱自在に設けられるとともに、圧搾ガスを供給するガス供給手段と、上記本体の前面部に設けられるとともに、上記
台紙なしラベル連続体の入り口および開口が形成された口金部と、上記口金部に設けられ上記
台紙なしラベル連続体の入口から挿通された
上記台紙なしラベル連続体を支持する支持部材と、上記支持部材において上記
台紙なしラベル連続体を切断して一片のラベルとする切断刃と、上記支持部材の先端部近辺の上流に近接して設けられ、上記支持部材にて切断されたラベルを上記開口側へ飛ばすべく上記圧
搾ガスを噴出するガス噴出口と、スイッチをオンとすることにより上記切断刃を作動して
上記台紙なしラベル連続体を切断してラベルを作製するとともに、上記ガス供給手段よりの圧搾ガスを上記ガス噴出口より噴出させるトリガー部と、
を備え、上記台紙なしラベル連続体は、上記口金部の内部において上記切断部により切断されるとともに、切断された一片のラベルは、切断と同期をとって上記ガス噴出口からの上記圧搾ガスの噴出により口金部の開口を通じて飛ばされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の発明に係る手持ち式ラベル貼付機は、トリガー部を引くことにより転向された帯状台紙を搬送し、剥離部にてラベルを剥離するとともにガス供給手段より圧搾ガスを供給し、剥離されたラベルに向けてガス噴出口より圧搾ガスを噴出することによりラベルを対象物に向けて飛ばすようにしたので、対象物に対し非接触状態でラベルの貼着が可能となるため、対象物の損傷がなくなるという効果がある。
また、口金部の帯状台紙の出口に、手切り式のカッタ部を設けるようにすれば、ラベルが剥離された後の帯状台紙を手で切ることができる。
さらに、第
2の発明に係る手持ち式ラベル貼付機は
、いわゆる台紙なしラベルであっても対象物への貼着が可能になるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態につき、
図1および
図2に基づいて説明する。
なお、以下では、従来と共通する部分については、同一符号を以て示すこととし、重複する説明は省略する。
図1は、手持ち式ラベル貼付機の概略側面図、
図2は、口金部の構造を示す拡大破断側面図である。
同図に示すように、手持ち式ラベル貼付機21は、主に、本体22と、本体22に設けられラベルLが仮着された帯状台紙Dを巻回した供給リール3を保持する供給リール保持部4と、ガス供給手段23と、口金部24と、剥離部25と、ガス噴出口26と、トリガー部27と、「搬送手段」としての回転ドラム12(従来技術を参照)を備えている。
【0012】
ガス供給手段23は、圧搾ガスが注入されたガススプレー缶であり、本体22に対し着脱自在とされている。
【0013】
口金部24は、本体22の前面部(
図1における左側端部)に設けられており、内部が空間部28とされるとともに前面部が開口29とされ、かつ、前記空間部28には、後述する剥離部25やガス噴出口26が設けられている。
【0014】
剥離部25は、先端部が鋭角に形成された剥離板25にて形成されており、先端部にて帯状台紙Dを転向させることにより、帯状台紙Dより剛性の強いラベルLを帯状台紙Dとの仮着状態から剥離して前方へ繰出すようになっている。
【0015】
ガス噴出口26は、剥離部25の先端部に近接して設けられた「ノズル状」の形状を呈しており、前記剥離板25にて剥離されたラベルLに向けて圧搾ガスを噴出するようになっている。なお、ガス噴出口26と前記ガス供給手段23との間には、圧搾ガス通路30(
図2に一部図示)が形成されており、後述のトリガー部27のオン・オフにより圧搾ガス通路30を介してガス供給手段23よりガス噴出口26へ圧搾ガスを供給するようになっている。
【0016】
トリガー部27は、手持ち式ラベル貼付機21の作動・停止を行なう「スイッチ」の役目を果たす「引き金部」であり、前記ガス供給手段23や回転ドラム12(従来技術を参照)と連動しており、トリガー部(引き金部)27を絞る(引く)とスイッチがオンとなってガス供給手段23より圧搾ガスの供給、および図示省略のスプリングを介し回転ドラム12を回転して帯状台紙Dを所定量下流側に搬送するなどの各部の起動を行なうようになっている。
【0017】
なお、31は、口金部24に形成された帯状台紙Dの入口、32は、出口であり、供給リール保持部4より口金部24側に繰出された帯状台紙Dは、入口31より口金部24の空間部28に搬送され、剥離板25における転向を経て出口32より排出されるようになっている。
また、33は、手切り式のカッタ部であり、この手切り式のカッタ部33は、前記出口32に形成されており、剥離板25にてラベルLが剥離されたのち出口33より排出された帯状台紙Dを手で切断する際の「カッタ刃」の役目を果たすようになっている。
【0018】
次に、
図1および
図2に基づき、手持ち式ラベル貼付機1の使用状態を説明する。
供給リール保持部4に供給リール3を装着・保持し、ラベルLが仮着された帯状台紙Dを口金部24側に引出し、帯状台紙Dの入口31より差込み、剥離板25を経て出口32より引出してセットする。
そして、手で本体22を保持し、口金部24側をラベルLを貼り付ける対象物Aに向けトリガー部27を絞る(引く)と、回転ドラム12が所定量回転して供給リール保持部4より帯状台紙Dを所定量繰り出すとともに下流側に搬送し、剥離板25にて帯状台紙Dのみが転向してラベルLが帯状台紙Dより剥離される。
ラベルLが剥離されるタイミングと同期をとってガス供給手段23より圧搾ガス通路30を介して口金部24のガス噴出口26へ圧搾ガスを送り、ガス噴出口26より圧搾ガスを噴射する。
圧搾ガスは、剥離板25にて剥離されたラベルLに向け噴射され、ラベルLが対象物Aに飛ばされて貼着されるものである。
【0019】
なお、ラベルLが剥離されたのちの帯状台紙Dは、出口32より排出されるが、出口32に形成された手切り式のカッタ部33により切断が可能である。すなわち、排出された帯状台紙Dが適宜の長さに達し口金部24の開口29に垂れ下がる虞が出てきた場合、カッタ部33側に手で帯状台紙Dを引っ張ると「カッタ刃」としてのカッタ部33にて切断ができるものである。
【0020】
上述したように、トリガー部27を引く(絞る)ことにより転向された帯状台紙Dを下流側に搬送し、剥離部25にてラベルLを剥離するのと同時にガス供給手段23より圧搾ガスを供給し、剥離されたラベルLに向けてガス噴出口26より圧搾ガスを噴出することによりラベルLを対象物Aに向けて飛ばすので、対象物Aが豆腐のような柔らかいもの、あるいは、メロンなどの高級品であっても、対象物Aに対し非接触状態でラベルLの貼着が可能となるため、対象物Aの損傷が皆無となる。
【0021】
次に、
図3ないし
図6に基づき、第2の実施の形態を説明する。
なお、以下では、従来および先の実施の形態と共通する部分については、同一符号を以て示すこととし、重複する説明は省略する。
主に、
図3および
図4に示すように、手持ち式ラベル貼付機41は、本体42と、本体42に設けられラベルLが仮着された帯状台紙Dを巻回した供給リール3を保持する供給リール保持部4と、ガス供給手段23と、口金部44と、剥離部25と、ガス噴出口46と、トリガー部47と、搬送手段48と、距離測定手段49、圧搾弁部50と、制御部51とを、主に備えている。
【0022】
口金部44は、本体42の前面部(
図3における左側端部)に設けられており、内部が空間部28とされるとともに前面部が開口29とされ、かつ、前記空間部28には、「剥離手段」としての剥離部25や後述するガス噴出口46が設けられている。
また、52は、帯状台紙Dの入口、53は、帯状台紙Dの出口であり、この出入口53、52は、先の実施の形態の口金部24とは真逆の位置に設けられている。すなわち、前面部側(
図4における左端部側)に帯状台紙Dの入口52が、また、背面側(同図の口金部44におけるガス噴射口46側)に出口53が設けられており、前面部側に形成された入口52より搬送された帯状台紙Dは、「剥離部」としてのとしての剥離板25にて転向され、背面側の出口53から排出される。出口53から排出された帯状台紙Dは、供給リール保持部4に形成された排紙通路部54を通って本体42の後方側へと搬送される。このため、先の実施の形態に比し、排出された帯状台紙Dによって口金部44の開口29を塞ぐ虞がなくなる。
なお、本実施の形態では、剥離板25にて剥離されたラベルLは、開口29側が情報が印刷された面であり、後述するガス噴出口46側が粘着剤層Nとなる。
【0023】
ガス噴出口46の先端部(
図4における空間部28側)には、噴出口金部55が形成されており、この噴射口金部55には、主に、
図5に示すように、多数の噴射孔56が形成されている。
この噴射孔56は、平面における中心線Tを挟んだ一方側と他方側(
図5における左半円部と右半円部)で数が異なっており、左半円部を1の割合としたときの右半円部の割合をnとしており、このnの範囲は、「3<n<6」が望ましい。
すなわち、剥離部25の先端部に近接して設けたガス噴出口46の噴射孔56の割合を、中心線Tを挟んだ一方側と他方側(
図5における左半分と右半分)とで変えたことにより、噴射孔56側が粘着剤層Nとなるよう剥離板25にて剥離されたラベルLに対し、左右異なった量の圧搾ガスが噴出されるため、ラベルLは開口29より対象物Aに向けて飛ぶ(飛行する)過程で左右が反転し、粘着剤層N側が対象物A側に向くものである。
【0024】
トリガー部47は、手持ち式ラベル貼付機41の作動・停止を電気的に行なう「スイッチ」の役目を果たす「引き金部」であり、後述する制御部51と接続されている。
【0025】
搬送手段48は、制御部51と接続された回転ドラム57であり、制御部51を介しモーターなどの電気的手段により所望の回転を行って帯状台紙Dを所定量搬送するようになっている。
【0026】
距離測定手段49は、対象物Aと本体42との距離を測定するための「測定器」であり、「照準光」や「マーカー光」を発光する距離測定器の採用が可能であり、照準光Fを照射し対象物Aとの距離が所定の範囲となったとき、
図6に示すように、焦点が合って対象物AにプラスのマークMが鮮明に表示されるようになっている。
また、距離測定手段49は、トリガー部47の「スイッチ」が他の各部(搬送手段48や後述の圧搾弁部50)がオンとはならない、オンとオフとの間となる程度に「引き金部」を軽く引いた状態(半引き状態)で作動(オン)して照準光Fを発するようになっており、「引き金部」より指を離すとオフとなって照準光Fの照射は停止される。
なお、距離測定手段49は、扱うラベルLの種類などにより、本体42側、より詳しくは、剥離板25と対象物Aとの距離を複数段に切り換えて選択できるようになっている。すなわち、ラベルLの大きさや厚さ(重量)により、照準光FのマークMが鮮明に表示される「焦点距離」、換言すると、ラベルLが剥離される剥離板25と対象物Aとの距離、を複数段、切り換えて選択できるようになっているものである。
【0027】
圧搾弁部50は、ガス供給手段23と噴射孔56との間に形成された圧搾ガス通路30(
図4に一部図示)に設けられる「開閉弁」であり、かつ、通過する圧搾ガスの圧搾度を更に増加させる役目を果たしている。すなわち、噴射孔56より圧搾ガスを噴射するときは、圧搾弁部50を開放しガス供給手段23よりの圧搾ガスの圧搾度を増して通過させるものである。
【0028】
制御部51は、前記トリガー部47や搬送手段48、距離測定手段49、圧搾弁部50と信号線S(
図4において、想像線にて図示)を介して接続されており、トリガー部47のオンにより下記の制御を行なう。
1)圧搾弁部50の開閉。
2)搬送手段48の回転ドラム57の回転を行って帯状台紙Dを所定量搬送する。
3)距離測定手段49より照準光Fを照射する。
【0029】
次に、
図3ないし
図6に基づき、手持ち式ラベル貼付機41の使用状態を説明する。
手持ち式ラベル貼付機41を手で支えガス噴出口46側を対象物Aに向け、トリガー部47の「引き金部」を指で軽く絞って(半引き状態として)距離測定手段49より照準光Fを照射しながら、照準光FによるマークMが鮮明に表示される位置となるよう手持ち式ラベル貼付機41と対象物Aとの距離を調整する。
対象物AにマークMが鮮明に表示された時点で、軽く絞っていた「引き金部」を最後まで目一杯に絞ると、圧搾ガス通路30を閉じていた圧搾弁部50が開放され、ガス供給手段23から噴射孔56へ向けて圧搾ガスが供給されるとともに、搬送手段48の回転ドラム57がモーター等を介して電気的に所望の回転をして帯状台紙Dを所定量搬送することにより、剥離板25にて帯状台紙DよりラベルLを剥離する。なお、圧搾弁部50は、開放されてのち直ぐに閉じる、開閉動作を行なう。
剥離板25の先端部にて剥離されたラベルLに対し、圧搾弁部50にて圧搾度を増した圧搾ガスが噴射孔56より噴射されるため、ラベルLは対象物Aに向けて飛ばされる。
圧搾ガスがラベルLに噴射される際、噴出口金部55に形成された噴射孔56の、
図5における左半分と右半分の割合が1:nとなっているため、ラベルLは粘着剤層Nが対象物Aに向くよう半回転しながら飛ばされ対象物Aに貼着される。
ラベルLが対象物Aに向けて半回転して飛ぶ際、距離測定手段49によりラベルLの種類に見合った距離(剥離板25と対象物Aとの距離)が選択されており、ラベルLの反転に必要な適正な距離に切り換えられているため、ラベルLの粘着剤層N側が対象物Aに向いて貼着される。
トリガー部47の「引き金部」から指を離すと、「スイッチ」がオフとなり、照準光Fの照射は停止する。
【0030】
上述したように、トリガー部47のスイッチのオン・オフに連動して各部を制御する制
御部51を介して、ガス供給手段23よりの圧
搾ガスを噴射孔56より噴出させるように
し、電気的な信号により対象物Aに本体42を接触させることなくラベルLを貼着できる
ため、バネを使うとともに、バネに抗してレバーを握り締める従来の手持ち式貼付機に比
し、少ない力でのラベルLの貼着が可能になる。
【0031】
また、距離測定手段49を設け、ラベル剥離部25と対象物Aの距離が所定の距離となったか否かを測定できるようにし、しかも、ラベルLの種類によりラベル剥離部25と対象物Aの距離を複数段、切り換えることができるようにしたので、ラベルLを飛ばす場合でも、ラベル種類に見合う最適な距離が測定できるものである。
【0032】
また、噴射孔56の割合を、1:n(1対n)としたことにより、剥離板25におけるラベルLの剥離が、ラベルLの粘着剤層N側が対象物Aに背を向けた状態で剥離されたとしても飛ばす際に反転できる。そして、先のラベル種類に見合う距離測定手段49の切り換えと相俟って、対象物Aに届く際にラベルLは半回転し粘着剤層Nが対象物Aに向き合って貼着されるようになっている。
まお、噴射孔56が形成された噴射口金部55は交換自在とされており、前記噴射孔56の割合を変える際は、1対nの噴射口金部55に交換できるようになっている。
その他の構成、作用、効果については、先の実施の形態と略同一につき詳説を省略する。
【0033】
次に、
図7に基づき、さらに他の実施の形態を説明する。
なお、以下では、従来および先の実施の形態と共通する部分については、同一符号を以て示すこととし、重複する説明は省略する。
図7は、口金部の内部構造を示す、
図2相当の拡大破断側面図である。
口金部62には、切断支持部材63と、切断刃64と、回転ドラム12と、ガス噴出口26とが設けられ、切断刃64は、図示省略のバネを介して切断支持部材63に対し、進退動自在とされている。
本実施の形態では、帯状台紙D1として、基材60の一面側に粘着剤層Nが露出した、いわゆる、「台紙なしラベル連続体」を用いる。
切断支持部材63は、回転ドラム12との間に搬送された帯状台紙D1を支持するための「支持部材」である。
また、65は、帯状台紙D1の入口、66は、帯状台紙D1のセット調整時の出口である。
【0034】
上記の構成で、トリガー部27を引く(絞る)と、図示省略のバネを介して回転ドラム12が帯状台紙D1を所定量下流側に搬送し、かつ、切断刃64が切断支持部材63側に進出して帯状台紙D1を切断するとともに、この帯状台紙D1の切断と同期をとってガス噴出口26より圧搾ガスを噴出することによりラベルLを対象物Aに向けて飛ばし貼着する。
切断刃67を設けてトリガー部27のオンにより帯状台紙D1を所定量搬送して切断するので、粘着剤層Nが露出した「台紙なしラベル連続体」であっても扱うことができる。また、帯状台紙Dを切断してラベルLを作製するので、剥離した後の帯状台紙Dが邪魔となることがないものである。
その他の構成、作用、効果については、先の実施の形態と略同一につき詳説を省略する。
【0035】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【0036】
例えば、説明の都合上、「剥離部」としては、剥離板25を用いた例で説明したが、これに限定されないことは勿論であり、「剥離ピン」の採用も可能である。