特許第5726681号(P5726681)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726681
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   A63F7/02 309
   A63F7/02 308G
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-188443(P2011-188443)
(22)【出願日】2011年8月31日
(65)【公開番号】特開2013-48727(P2013-48727A)
(43)【公開日】2013年3月14日
【審査請求日】2014年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 哲也
【審査官】 吉田 綾子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−296571(JP,A)
【文献】 特開2007−143949(JP,A)
【文献】 特開2005−027882(JP,A)
【文献】 特開2000−140229(JP,A)
【文献】 特開2011−147722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技盤が固定される遊技機本体と、
前記遊技機本体に固定され遊技者が操作可能な操作ハンドルと、
前記操作ハンドルの操作に応じた強度で遊技球を前記遊技領域に発射させる発射装置と、を備えた遊技機であって、
前記操作ハンドルは、
前記遊技機本体に固定されるベース体と、
前記ベース体に回転可能に支持される主発射操作体と、
前記主発射操作体に連結されて回転することにより当該主発射操作体の回転角度を前記発射装置に伝達する回転伝達体と、
遊技者の操作に伴って変位動作するとともに、当該変位動作に応じて、前記回転伝達体を、前記主発射操作体との連結を解除して回転させる補助発射操作体と、
前記主発射操作体の回転角度が所定角度未満である場合に、前記補助発射操作体による前記回転伝達体の回転を不可能とする規制手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記規制手段は、
前記主発射操作体の回転角度が、前記発射装置によって発射される遊技球が前記遊技領域に到達するのに必要な角度未満である場合に、前記補助発射操作体による前記回転伝達体の回転を不可能とすることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記規制手段は、
前記主発射操作体の回転角度が所定角度未満である場合に、前記補助発射操作体の変位動作の軌跡上に進入して当該補助発射操作体の変位動作を規制し、前記主発射操作体が所定角度以上回転した場合に、前記補助発射操作体の変位動作の軌跡上から退避して当該補助発射操作体の変位動作を可能とする規制突片を含むことを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ハンドルの操作に応じて遊技領域に遊技球を発射させる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作ハンドルの操作に応じて遊技領域に遊技球を発射させ、当該遊技領域を流下する遊技球が種々の入賞口に入賞すると、大当たりの抽選が行われたり、遊技者に賞球が払い出されたりする遊技機が広く普及している。こうした遊技機に設けられる操作ハンドルには、遊技者が回転操作可能な主発射操作体が設けられており、その操作角度に応じた強度で遊技球が発射される。したがって、遊技中においては、遊技者は、遊技球の流下状況を見ながら最適な発射強度を維持するように主発射操作体を調整することとなる。
【0003】
そして、近年では、例えば、通常の遊技状態においては、遊技領域のうち左側の領域に遊技球を進入させ、特別な遊技状態になると発射強度を最大にして所謂右打ち領域に遊技球を進入させるといった具合に、遊技の進行状況に応じて遊技球を打ち分ける遊技機が広く採用されている。このような遊技機においては、遊技の進行状況に応じて発射強度を変更しなければならないため、遊技状態が変更されるたびに、主発射操作体を最適な操作角度に調整しなければならないといった煩わしさが生じてしまう。
【0004】
そこで、特許文献1に示されるように、遊技者が回転操作可能な従来の主発射操作体に加えて、遊技者が押圧操作可能な補助発射操作体が設けられた操作ハンドルが提案されている。この操作ハンドルによれば、通常の遊技状態においては、主発射操作体を所望の角度に回転操作することで遊技球の発射強度を調整し、右打ち領域に遊技球を発射させる必要が生じた場合には、主発射操作体の操作角度を同じ位置に維持したまま、補助発射操作体を押圧操作することで、遊技球を右打ち領域に発射させることができる。
【0005】
このように、特許文献1に示される操作ハンドルによれば、遊技球の発射強度を変更する必要が生じた場合にも、主発射操作体を最適な操作角度に保持することができるので、遊技状態が変更されるたびに主発射操作体の操作角度を調整し直さなければならないといった煩わしさを解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−143949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の操作ハンドルにおいては、主発射操作体および補助発射操作体の双方が常に操作可能となっている。そのため、遊技者が遊技球を発射させる意思がないにも関わらず、補助発射操作体を誤って操作してしまった結果、遊技球が意図せず発射されてしまうおそれがあり、操作性の更なる向上が望まれている。
【0008】
本発明は、主発射操作体と補助発射操作体とによって遊技球の発射強度を調整可能であって、より操作性を向上した操作ハンドルを備える遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤が固定される遊技機本体と、前記遊技機本体に固定され遊技者が操作可能な操作ハンドルと、前記操作ハンドルの操作に応じた強度で遊技球を前記遊技領域に発射させる発射装置と、を備えた遊技機であって、前記操作ハンドルは、前記遊技機本体に固定されるベース体と、前記ベース体に回転可能に支持される主発射操作体と、前記主発射操作体に連結されて回転することにより当該主発射操作体の回転角度を前記発射装置に伝達する回転伝達体と、遊技者の操作に伴って変位動作するとともに、当該変位動作に応じて、前記回転伝達体を、前記主発射操作体との連結を解除して回転させる補助発射操作体と、前記主発射操作体の回転角度が所定角度未満である場合に、前記補助発射操作体による前記回転伝達体の回転を不可能とする規制手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記規制手段は、前記主発射操作体の回転角度が、前記発射装置によって発射される遊技球が前記遊技領域に到達するのに必要な角度未満である場合に、前記補助発射操作体による前記回転伝達体の回転を不可能とするとよい。
【0011】
また、前記規制手段は、前記主発射操作体の回転角度が所定角度未満である場合に、前記補助発射操作体の変位動作の軌跡上に進入して当該補助発射操作体の変位動作を規制し、前記主発射操作体が所定角度以上回転した場合に、前記補助発射操作体の変位動作の軌跡上から退避して当該補助発射操作体の変位動作を可能とする規制突片を含むとよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】扉が開放された状態を示す遊技機の斜視図である。
図2】遊技機の正面図である。
図3】操作ハンドルの正面側の斜視図である。
図4】操作ハンドルの背面側の斜視図である。
図5】操作ハンドルの正面側の分解斜視図である。
図6】操作ハンドルの背面側の分解斜視図である。
図7】補助発射レバーの組み付け状態を示す図である。
図8】規制突片および規制溝の関係を説明する図である。
図9】フェイスカバーを取り外した状態の操作ハンドルを示す斜視図である。
図10】フェイスカバーおよび主発射操作体を取り外した状態の操作ハンドルを示す斜視図である。
図11】発射ボリューム、センターギヤおよびボリュームギヤの関係を説明する図である。
図12】主発射操作体とセンターギヤとの関係を説明する図である。
図13】フェイスカバーおよび主発射操作体を取り外した状態の操作ハンドルを示す正面図である。
図14】操作ハンドルの操作量と回転伝達体の位置変位とを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
図1は、本実施形態の遊技機本体100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機本体100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104と同様に、ヒンジ機構によって外枠102に開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
【0015】
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機本体100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
【0016】
図2は、遊技機本体1の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機本体100の正面側に突出する操作ハンドル1が設けられている。なお、ここでは前枠106に操作ハンドル1が固定されているが、操作ハンドル1は、例えば中枠104や外枠102等、遊技機本体100のいずれかに固定されていればよい。この操作ハンドル1を遊技者が操作すると、当該操作ハンドル1の操作量に応じた強度で、不図示の発射装置が遊技球を発射する。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
【0017】
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0018】
遊技領域116は、操作ハンドル1の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機本体100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機本体100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、操作ハンドル1によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
【0019】
また、遊技領域116には、遊技球が入賞可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入賞すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0020】
なお、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄の抽選が行われ、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が決定される。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入賞すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0021】
また、第2始動口122は、一対の可動片122bを開閉可能に備えており、この可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、第2始動口122の上方には突起部123が設けられており、一対の可動片122bが閉状態にあるときには、この突起部123によって第2始動口122への遊技球が不可能もしくは困難となっている。
【0022】
これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入賞が容易となる。
【0023】
さらに、第1始動口120および第2始動口122よりも下方にはアタッカー装置126が設けられている。このアタッカー装置126は、遊技球が入賞可能な大入賞口128と、この大入賞口128を開閉する開閉扉128bと、を備えており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉扉して、大入賞口128への遊技球の入賞が不可能となっている。これに対して、所定条件が成立して特別遊技が実行されると、開閉扉128bが遊技盤108の裏面側に没入して、大入賞口128への遊技球の入賞が可能となる。そして、大入賞口128に遊技球が入賞すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0024】
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128のいずれにも入賞しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
【0025】
このように、本実施形態の遊技機本体100は、遊技状態に応じて、第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bのいずれかに遊技球を打ち分ける必要が生じる。したがって、遊技状態が変更されて第1遊技領域116aから第2遊技領域116bへと狙いを変更した後、再度、第2遊技領域116bから第1遊技領域116aへと狙いを変更する場合には、遊技球の発射強度が最適となるように操作ハンドル1の操作角度を再調整しなければならない。
【0026】
そこで、本実施形態においては、操作ハンドル1の操作角度を保持したまま、発射強度を変更することができるように、操作ハンドル1を次のように構成している。
【0027】
図3は、操作ハンドル1の正面側の斜視図であり、図4は、操作ハンドル1の背面側の斜視図である。これらの図に示すように、操作ハンドル1は、前枠106に固定されるベース体10と、このベース体10に押圧操作可能に支持された補助発射レバー30と、ベース体10に回転操作可能に支持され、図示の初期位置から所定角度の範囲内で回転する操作リング50と、操作ハンドル1の前面を被覆するフェイスカバー70と、を備えて構成される。
【0028】
以下では、説明の都合上、遊技機本体100の正面に正対する方向をx方向、遊技機本体100の幅方向をy方向、鉛直方向をz方向とし、また、操作リング50の回転軸に対して、遊技機本体100の正面側から見て時計回り方向をR方向、反時計回り方向をL方向として、操作ハンドル1を構成する各部品について説明する。
【0029】
図5は、操作ハンドル1の正面側の分解斜視図であり、図6は、操作ハンドル1の背面側の分解斜視図である。なお、図5および図6においては、上記のベース体10や操作リング50内に収容される部品を省略している。ベース体10は、略円筒状の基部11と、この基部11の長手方向一端に段部12を介して連続するとともに、基部11よりも大径の略円筒状をなす大径部13と、を備えて構成されている。また、基部11および大径部13の間に位置する段部12には、基部11側と大径部13側とを仕切るように配された仕切面14が設けられている。この仕切面14には、その中心に設けられた支持孔14aをはじめ、各種の構成部品を保持するための孔や突起が形成されている。
【0030】
大径部13は円環状の外周壁部13aを備えており、この外周壁部13aと上記の仕切面14とによって、構成部品を収容するための収容空間15が形成されている。そして、大径部13および段部12には、その一部を切り欠いて形成される切り欠き部16が設けられている。この切り欠き部16は、外周壁部13aにおけるx方向の先端縁に開口する開口部16aと、この開口部16aに連続するとともに、段部12において、ベース体10の径方向に延伸する延伸部16bとからなる。
【0031】
また、基部11の外周面11aには、ベース体10の長手方向に延在する一対のガイド片17が設けられている。この一対のガイド片17は、基部11の周方向に互いに離間して対向配置されており、これら一対のガイド片17間に形成されるガイド溝17aを、段部12に形成される延伸部16bに連続させている。また、一対のガイド片17における段部12とは反対側に位置する端部には、それぞれ凹溝17bが形成されており、この凹溝17bに、補助発射レバー30が回動可能に軸支されている。
【0032】
補助発射レバー30は、x方向に長さを有するとともに、ガイド溝17aおよび切り欠き部16の延伸部16bに進入可能な揺動片31と、この揺動片31の長手方向の先端に設けられ、切り欠き部16の開口部16aに嵌合する押圧部32とが、一体成形された部材で構成される。揺動片31の長手方向の基端には、上記の凹溝17bに回動自在に支持される回動支持片31aが設けられている。また、押圧部32は、補助発射レバー30の揺動方向(ベース体10の径方向)に直交する押圧面32aと、この押圧面32aに対向して収容空間15内に位置する伝達面32bとを備えている。
【0033】
そして、押圧部32には、補助発射レバー30がベース体10に組み付けられたときに、後述する操作リング50の開口縁に対向する規制溝32cが形成されている。詳しくは後述するが、この規制溝32cは、操作リング50の規制突片51bと相俟って、操作リング50の回転角度が所定角度以上となった場合にのみ、補助発射レバー30の押圧操作を許容するものである。換言すれば、規制溝32cは、操作リング50の操作角度が所定角度未満である場合に、補助発射レバー30の押圧操作を規制するものとして機能する。
【0034】
図7は、補助発射レバー30の組み付け状態を示す図である。補助発射レバー30がベース体10に組み付けられた状態では、補助発射レバー30をベース体10の径方向外方に付勢する付勢力が作用している。したがって、補助発射レバー30は、その全体が回動支持片31aを支点としてベース体10の径方向外方に付勢され、押圧部32が切り欠き部16からベース体10の外方に突出した状態に維持されている。そして、上記の規制溝32cによる規制が解除された状態で押圧面32aを押圧すると、補助発射レバー30は回動支持片31aを支点としてベース体10内に埋没することとなる。
【0035】
なお、図5および図6に示すように、押圧部32の伝達面32b側には、押圧面32aよりもベース体10の周方向に突出する抜け止め片33が設けられている。この抜け止め片33は、補助発射レバー30がベース体10に組み付けられたときに、外周壁部13aの内周面に対向する寸法関係を維持している。これにより、補助発射レバー30は、抜け止め片33が外周壁部13aの内周面に接触したところで静止し、補助発射レバー30の抜け止めが防止されるとともに、補助発射レバー30の揺動が一定の角度の範囲内に規制されることとなる。
【0036】
また、図6に示すように、ベース体10の段部12には嵌め込み孔12aが形成されており、この嵌め込み孔12aに、カバー部材35が嵌め込み可能となっている。このカバー部材35は、ベース体10に組み付けられた補助発射レバー30における揺動片31を被覆するものである。
【0037】
操作リング50は、ベース体10に相対回転可能に支持されるものであり、ベース体10の大径部13に対向する円環状のリング部51と、このリング部51内に設けられ、ベース体10の仕切面14と平行に対面する平面部52とを備えて構成される。リング部51には、その外周面から当該リング部51の径方向外方に突出する指掛部51aが一対設けられており、この指掛部51aに遊技者が指を掛けることで、操作リング50の回転操作が容易に行えるようにしている。
【0038】
操作リング50の平面部52には、当該操作リング50の回転軸方向に貫通するとともに、当該操作リング50の周方向に沿って湾曲する長孔状のガイド孔53が一対設けられている。この一対のガイド孔53は、操作リング50の回転軸周りに180度位相をずらして配置されており、ベース体10の仕切面14から垂直に突出するガイド軸18が挿通可能に構成されている。そして、操作リング50がベース体10に支持された状態では、ガイド孔53がガイド軸18にガイドされて操作リング50が回転することとなる。
【0039】
なお、詳しくは後述するが、図5に示すように、平面部52におけるフェイスカバー70側に位置する面には、操作リング50の中心位置においてフェイスカバー70側に垂直に起立する中心突起54が設けられており、また、この中心突起54の近傍には、フェイスカバー70側に突出するバネ受け片55が設けられている。一方、図6に示すように、平面部52におけるベース体10側に位置する面には、操作リング50の中心位置からベース体10側に垂直に起立する円筒部56が設けられており、また、この円筒部56には、ベース体10側に突出する係止部57が設けられている。
【0040】
フェイスカバー70は、操作ハンドル1の最も正面側に位置するものであり、略半球状の部材によって構成されている。フェイスカバー70の背面側には、ガイド孔53を貫通するベース体10のガイド軸18先端に対面するネジ穴71と、操作リング50の中心突起54が相対回転可能に挿入される中心穴72とが設けられており、ネジ穴71に、ガイド軸18内に挿入したネジを螺合することで、フェイスカバー70がベース体10に固定されるようになっている。これにより、操作リング50は、フェイスカバー70とベース体10との間に、回転自在に挟持されることとなる。
【0041】
なお、操作リング50のリング部51におけるベース体10側の開口縁には、その一部をベース体10側に突出させた規制突片51bが設けられている。この規制突片51bは、操作ハンドル1の組み付け状態において、補助発射レバー30の押圧部32に形成された規制溝32cに進入する位置に設けられている。
【0042】
図8は、規制突片51bおよび規制溝32cの関係を説明する図であり、図8(a)は操作リング50および補助発射レバー30の組み付け状態を示す側面図、図8(b)は操作リング50および補助発射レバー30の組み付け状態を示す上面図である。この図からも明らかなように、操作リング50が初期位置にある場合、より詳細には、操作ハンドル1の操作角度が所定の角度未満である場合には、操作リング50の規制突片51bが、押圧部32の規制溝32cに進入し、補助発射レバー30の押圧操作が規制される。
【0043】
一方で、規制突片51bは、操作リング50がベース体10に対して所定角度以上回転した際に、規制溝32cに対して回転方向の位相が異なるように配設されている。したがって、操作リング50の回転角度が所定角度以上になった場合には、規制突片51bによる規制が解除されて、補助発射レバー30の押圧操作が可能となる。
【0044】
次に、上記のようにして組み付けられる操作ハンドル1内に収容される各部品について説明する。
【0045】
図9は、フェイスカバー70を取り外した状態の操作ハンドル1を示す斜視図である。この図に示すように、操作ハンドル1の組み付け状態においては、ベース体10のガイド軸18が操作リング50のガイド孔53を貫通しており、ガイド軸18がガイド孔53の周方向端部に接触したところで、操作リング50のそれ以上の回転が規制される。つまり、ガイド軸18およびガイド孔53は、操作リング50の回転をガイドする機能と、その回転角度を一定範囲内に規制するストッパーとしての機能とを併せ持つこととなる。
【0046】
そして、操作リング50には、中心突起54に貫通支持されるリングスライダー80が設けられている。このリングスライダー80は、中心突起54に支持されており、その外周にコイルスプリング81が巻き回されている。このコイルスプリング81は、その一端が操作リング50のバネ受け片55に掛止されており、このバネ受け片55すなわち操作リング50に対して、図9中、L方向の回転力を常時作用させている。したがって、操作リング50は、通常、コイルスプリング81の弾性力により、ガイド軸18がガイド孔53におけるR方向の端部に接触した図示の初期位置に静止することとなる。
【0047】
なお、操作リング50が図示の初期位置にあるときに、遊技者が図中R方向の力を操作リング50に作用させると、当該操作リング50は、コイルスプリング81の弾性力に抗して図中R方向に回転する。そして、遊技者が操作リング50に対するR方向の付勢を解除すると、操作リング50はコイルスプリング81の弾性力によって初期位置に復帰することとなる。
【0048】
図10は、フェイスカバー70および操作リング50を取り外した状態の操作ハンドル1を示す斜視図である。この図に示すように、ベース体10内に形成される収容空間15には、ウェイトボタン82と、このウェイトボタン82の近傍に配置された停止スイッチ83とが設けられている。ウェイトボタン82は、一端がベース体10に揺動自在に支持されており、他端に設けられた停止操作部82aが、ベース体10の大径部13に設けられた孔部19から外方に突出している。
【0049】
また、停止スイッチ83には、当該停止スイッチ83から離間する方向の弾性力を有するスイッチレバー83aが設けられており、このスイッチレバー83aの弾性力をウェイトボタン82に作用させている。このように、スイッチレバー83aの弾性力によって、ウェイトボタン82の停止操作部82aが孔部19から外方に突出した位置に保持されることとなる。そして、停止操作部82aを遊技者が押圧操作すると、スイッチレバー83aの弾性力に抗して、停止操作部82aがベース体10内に埋没するように揺動し、スイッチレバー83aによってウェイトボタン82の操作が検出されることとなる。
【0050】
なお、停止スイッチ83は、ウェイトボタン82(停止操作部82a)の操作を検出した場合に、遊技機本体100に設けられた発射装置に発射停止信号を送出するものである。ウェイトボタン82が押圧操作されて当該ウェイトボタン82から発射装置に発射停止信号が送出されると、発射装置は、操作リング50や補助発射レバー30の操作状況に関わらず、遊技球の発射を停止することとなる。
【0051】
また、ベース体10には、操作リング50および補助発射レバー30の操作量を検出して発射装置に送出する発射ボリューム84が設けられている。この発射ボリューム84は、回転軸84aの回転角度から操作リング50および補助発射レバー30の操作量を検出して発射装置に伝達するものであり、回転軸84aを収容空間15に位置させた状態で、ベース体10の仕切面14に固定されている。
【0052】
そして、ベース体10の収容空間15には、発射ボリューム84の回転軸84aに、操作リング50および補助発射レバー30の操作を伝達するための回転伝達体が設けられている。本実施形態においては、収容空間15に収容されるセンターギヤ85、ボリュームギヤ86およびリンクレバー87によって回転伝達体が構成されており、この回転伝達体によって回転軸84aが回転することとなる。
【0053】
図11は、発射ボリューム84、センターギヤ85およびボリュームギヤ86の関係を説明する図であり、図12は、操作リング50とセンターギヤ85との関係を説明する図である。なお、図11(a)は、操作ハンドル1の組み付け状態における発射ボリューム84、センターギヤ85およびボリュームギヤ86を示し、図11(b)は、図11(a)におけるA線矢視図を示している。図11に示すように、発射ボリューム84は、回転軸84aの一端を支持するとともに、当該回転軸84aの回転量を検出するボリューム本体84bを備えている。このボリューム本体84bは、発射ボリューム84がベース体10に固定された状態において、ベース体10の基部11内に位置している(図10参照)。
【0054】
センターギヤ85は、ボリュームギヤ86に噛合する歯を有する軸部85aと、この軸部85aの長手方向端部に連続するとともに、軸部85aよりも大径の嵌合部85bとを備えており、この嵌合部85bの先端に開口部85cが形成されている。センターギヤ85は、軸部85aが、仕切面14の中央に形成された支持孔14aに挿通されることによりベース体10に回転自在に支持される(図5参照)。
【0055】
また、操作ハンドル1の組み付け状態では、図12に示すように、操作リング50の円筒部56が、センターギヤ85の開口部85c(図12では不図示)に相対回転自在に挿通されている。これにより、操作リング50は、センターギヤ85を介してベース体10に支持されることとなり、センターギヤ85および操作リング50は、互いに、かつ、ベース体10に対して相対回転自在に支持されることとなる。
【0056】
また、センターギヤ85の嵌合部85bには、その周方向に突出する係合片85dが設けられており、操作ハンドル1の組み付け状態において、係合片85dと、操作リング50の円筒部56に設けられた係止部57とが連結されるように構成されている。すなわち、図11および図12は、操作ハンドル1が初期位置にある状態を示しているが、操作リング50は、図示の状態から図中R方向に回転可能となっており、図12に示すように、係止部57のR方向前方側の面に、センターギヤ85の係合片85dが面接触している。
【0057】
そして、センターギヤ85の嵌合部85bには、コイル状に巻き回されたセンターギヤバネ88が設けられており、このセンターギヤバネ88の一端88aが、嵌合部85bに設けられたバネ受け部85bに掛止されている。一方、センターギヤバネ88の他端88bは、操作ハンドル1の組み付け状態において、円筒部56のバネ受け部56aに掛止される。これにより、係止部57および係合片85dには、これら両者が互いに圧接する方向の回転力がもたらされ、操作リング50とセンターギヤ85とが一体回転することとなる。
【0058】
つまり、遊技者が操作リング50に対してR方向の付勢力を作用させると、この付勢力が、係止部57および係合片85dを介してセンターギヤ85に伝達され、センターギヤ85が操作リング50と一体となってR方向に回転する。そして、センターギヤ85および操作リング50が回転した状態でR方向の付勢力が解除されると、図9において説明したように、操作リング50はコイルスプリング81の弾性力によって初期位置に復帰する。
【0059】
このとき、操作リング50およびセンターギヤ85が一体回転するようにセンターギヤバネ88の弾性力が作用しているため、センターギヤバネ88も操作リング50と一体となって初期位置に復帰することとなる。このように、センターギヤ85が操作リング50と一体回転することにより、操作リング50の操作量すなわち回転角度がセンターギヤ85に伝達されることとなる。
【0060】
そして、センターギヤ85にはボリュームギヤ86が噛合しており、センターギヤ85の回転力がボリュームギヤ86に伝達される。ボリュームギヤ86は、センターギヤ85に噛合する歯を有する本体部86aが、発射ボリューム84の回転軸84aに固定されている。これにより、操作リング50が回転すると、その回転力がセンターギヤ85およびボリュームギヤ86を介して回転軸84aに伝達され、この回転軸84aの回転量に基づいて、発射ボリューム84が操作リング50の回転角度を検出することとなる。
【0061】
また、ボリュームギヤ86は、本体部86aから当該ボリュームギヤ86の径方向外方に突出する突片86bを備えている。この突片86bは、センターギヤ85に噛合する本体部86aに設けられた歯に対して、回転方向に位相をずらした位置に設けられており、上記した補助発射レバー30に対する遊技者の操作を、発射ボリューム84に伝達する機能を担っている。
【0062】
図13は、フェイスカバー70および操作リング50を取り外した状態の操作ハンドル1を示す正面図である。この図に示すように、ベース体10には、補助発射レバー30の押圧部32近傍にリンクレバー87が設けられている。このリンクレバー87は、表裏関係にある被伝達面87aおよび係合面87bを有する薄板状の部材で構成されており、被伝達面87aを、補助発射レバー30の押圧部32における伝達面32bに対面させた状態で、ベース体10の仕切面14に揺動自在に支持されている。
【0063】
このとき、リンクレバー87にはレバー用バネ89が設けられており、リンクレバー87を図中反時計回り方向に回転させる弾性力が常時作用している。このレバー用バネ89の弾性力は、伝達面32bに設けられた伝達突部32bを介して押圧部32に作用しており、押圧部32は、通常、ベース体10の大径部13に形成された開口部16aから外方に突出した図示の状態に維持されることとなる。
【0064】
そして、レバー用バネ89の弾性力に抗して遊技者が押圧面32aを押圧すると、押圧部32が開口部16a内に埋没するとともに、伝達突部32bによって被伝達面87aに押圧力が伝達されて、リンクレバー87が図中時計回り方向に揺動することとなる。
【0065】
ここで、図13からも明らかなように、操作リング50が初期位置にあり、センターギヤ85およびボリュームギヤ86が初期位置にある場合には、リンクレバー87の揺動力がボリュームギヤ86に伝達されない位置に、ボリュームギヤ86の突片86bが設けられている。換言すれば、操作リング50の回転角度が一定の角度未満である場合には、リンクレバー87とボリュームギヤ86とが非係合状態となっており、補助発射レバー30の押圧操作(変位動作)に伴うボリュームギヤ86への動力伝達が不可能となっている。
【0066】
そして、操作リング50が所定角度回転して、センターギヤ85およびボリュームギヤ86が所定角度回転すると、ボリュームギヤ86の突片86bがリンクレバー87の揺動軌跡上に進入する。これにより、ボリュームギヤ86とリンクレバー87とが係合可能となり、補助発射レバー30からボリュームギヤ86への動力伝達が可能となる。
【0067】
次に、上記の構成からなる操作ハンドル1の動作について図14を用いて説明する。図14は、操作ハンドル1の操作量(操作角度)と回転伝達体の位置変位とを説明する図である。この図において、(a−1)〜(a−3)は、操作リング50の正面図を示し、(b―1)〜(b―3)は、ベース体10の正面図を示している。また、図14において、(a−1)と(b−1)、(a−2)と(b−2)、(a−3)と(b−3)は、それぞれ操作ハンドル1の操作量(操作角度)が同じ状態を示している。
【0068】
上記したように、操作リング50には、バネ受け片55を介してコイルスプリング81の弾性力が常時作用しており、操作リング50は図中L方向の回転力を常時受けている。したがって、操作ハンドル1が操作されていない状態、すなわち、操作ハンドル1が初期位置にある場合には、図14(a―1)に示すように、ガイド孔53における図中R方向の端部にガイド軸18が接触した状態で操作リング50が静止している。
【0069】
そして、操作ハンドル1の初期位置をはじめとして、操作リング50の回転角度が所定角度未満である場合には、補助発射レバー30による回転伝達体の回転を不可能とすることで、補助発射レバー30の押圧操作に基づく遊技球の発射を規制するようにしている。本実施形態においては、複数の規制手段によって補助発射レバー30の押圧操作が規制されている。
【0070】
具体的には、操作リング50の回転角度が所定角度未満である場合には、押圧部32の規制溝32cに、図中破線で示す操作リング50の規制突片51bが進入した状態となっている(図8参照)。したがって、図14(a−1)、図14(b−1)に示す操作ハンドル1の初期状態では、補助発射レバー30の押圧操作が規制され、遊技者は操作リング50の回転操作のみを行うことができる。
【0071】
また、図14(a−1)に示すように、操作リング50が所定の回転角度未満にある場合には、補助発射レバー30の押圧部32が、操作リング50よりも遊技機本体100側であって、操作リング50の回転方向に対して、図中右側の指掛部51aと同位相となる位置に設けられている。したがって、補助発射レバー30の押圧部32は、指掛部51aの背面に位置することとなり、指掛部51aによって補助発射レバー30の押圧操作が妨げられる。また、押圧部32が指掛部51aの背面に位置することから、遊技者は押圧部32を操作ハンドル1の正面側から視認することができなくなっており、遊技者の補助発射レバー30に対する意識を低下させることができる。
【0072】
さらに、操作リング50が所定の回転角度未満である場合には、図14(b−1)に示すように、ボリュームギヤ86とリンクレバー87とが非係合状態となっている。したがって、仮に規制突片51bが破損して、補助発射レバー30の押圧操作に伴ってリンクレバー87が揺動したとしても、当該補助発射レバー30の押圧操作がボリュームギヤ86に伝達されることはない。
【0073】
以上のように、本実施形態においては、規制突片51bと規制溝32c、指掛部51aと押圧部32、および、ボリュームギヤ86とリンクレバー87がそれぞれ独立して規制手段として機能している。こうした各規制手段により、操作リング50が初期位置から所定の角度未満にある場合には補助発射レバー30の押圧操作が無効化されるため、遊技者が遊技球を発射する意思がないにも関わらず、意図せずに遊技球が発射されてしまうといった誤操作を防止することができる。
【0074】
そして、上記の初期状態から、図14(a−2)に示す状態となるまで、コイルスプリング81の弾性力に抗して操作リング50を図中R方向に回転させたとする。このとき、センターギヤ85は、その係合片85dが、図中塗り潰しで示す操作リング50の係止部57に連結されているため、操作リング50と一体回転し、これによって、センターギヤ85に噛合するボリュームギヤ86も一体回転して、図14(b−2)に示す状態となる。
【0075】
この状態では、ボリュームギヤ86の突片86bが、リンクレバー87の揺動軌跡上に進入しており、ボリュームギヤ86およびリンクレバー87が係合可能な状態となっている。また、このとき、操作リング50の回転に伴って、当該操作リング50に設けられた規制突片51bが、補助発射レバー30の押圧部32に形成された規制溝32cから退避した状態となっている。さらに、図14(a―2)に示すように、操作リング50の指掛部51aと、補助発射レバー30の押圧部32とが、操作リング50の回転方向に対して位相を異にしており、操作ハンドル1の正面から押圧部32が視認可能となり、補助発射レバー30を容易に押圧操作可能な状態となっている。
【0076】
このように、操作リング50の回転角度が、図14(a―2)に示す角度になったところで、上記した各規制手段による補助発射レバー30の操作規制が全て解除され、補助発射レバー30の押圧操作が有効となる。
【0077】
そして、この状態から、図14(a−3)に示すように、操作リング50の操作角度を維持したまま、遊技者が、補助発射レバー30の押圧部32(押圧面32a)を押圧すると、伝達突部32bによって被伝達面87aが押されて、リンクレバー87が図中時計回り方向に揺動する。このとき、図14(b−3)に示すように、ボリュームギヤ86とリンクレバー87とが係合することから、リンクレバー87の係合面87bが、ボリュームギヤ86の突片86bを図中反時計回り方向に回転させる。
【0078】
このとき、補助発射レバー30の押圧操作に伴ってボリュームギヤ86が回転すると、このボリュームギヤ86に噛合するセンターギヤ85も一体回転する。ただし、遊技者は、操作リング50の回転角度が、図14(a―3)に示す角度に維持されるように、操作リング50に把持力を作用させている。そのため、ボリュームギヤ86と一体となってセンターギヤ85が図中R方向に回転する場合には、センターギヤ85の係合片85dが、センターギヤバネ88の弾性力に抗して、操作リング50の係止部57から離間するように回転することとなる。
【0079】
つまり、操作リング50をR方向に回転操作した場合には、操作リング50の係止部57とセンターギヤ85の係合片85dとが連結されていることから、操作リング50からセンターギヤ85に回転力が伝達されて、操作リング50とセンターギヤ85とがR方向に一体回転する。これに対して、補助発射レバー30を押圧操作した場合には、センターギヤ85の係合片85dと、操作リング50の係止部57との連結が解除されて、センターギヤ85のみがR方向に回転し、操作リング50と相対回転することとなる。
【0080】
このようにして、補助発射レバー30の押圧操作がボリュームギヤ86に伝達されることにより、操作リング50の回転角度を維持したまま、当該操作リング50の回転角度に対応する回転量以上にボリュームギヤ86が回転することとなり、このボリュームギヤ86の回転量に伴う強度で遊技球を発射させることが可能となる。
【0081】
なお、補助発射レバー30を押圧操作せずに、図14(a−3)に示す操作角度以上に操作リング50をR方向に回転させることによっても、図14(b−3)に示す角度までボリュームギヤ86を回転させることができる。これにより、操作リング50の回転角度を維持する必要がない場合には、操作リング50の回転操作のみで、遊技球の発射強度を最大まで変更することができる。
【0082】
また、上記のように、補助発射レバー30によって回転伝達体の回転が可能となる操作リング50の回転角度、すなわち、補助発射レバー30の操作規制が解除されるときの操作リング50の回転角度は特に限定されない。ただし、操作リング50の回転角度が、発射装置によって発射された遊技球が遊技領域116に到達するのに必要な角度以上になったところで、補助発射レバー30の操作規制を解除することが望ましい(図14参照)。その理由は次のとおりである。
【0083】
すなわち、本実施形態において、補助発射レバー30の操作によって遊技球を発射させる場合というのは、主に、操作リング50を操作して第1遊技領域116aに遊技球を進入させて遊技を行っているときに、遊技状態が変更されて第2遊技領域116bに遊技球を進入させる必要が生じた場合である。第1遊技領域116aに遊技球を進入させるとき、遊技者は、まず、遊技球の最適な発射強度を模索しながら、操作リング50の操作角度を調整するとともに、最適な発射強度と思われるところで、操作リング50の操作角度を維持するように操作ハンドル1を把持する。
【0084】
そして、例えば、大当たりに当選して大入賞口128に遊技球を入賞させる等、第2遊技領域116bに遊技球を進入させる必要が生じた場合に、操作リング50の操作角度を最適な角度に維持したまま、補助発射レバー30を押圧操作する。これにより、操作リング50の操作角度を変更することなく、第2遊技領域116bに遊技球を進入させることが可能となる。その後、遊技状態が変更されて、再び第1遊技領域116aに遊技球を進入させる場合には、操作リング50の操作角度を再度調整することなく、補助発射レバー30の押圧操作を終了するだけで、最適な強度で遊技球を発射させることができる。
【0085】
このように、補助発射レバー30が、その機能を発揮する場合というのは、操作リング50の調整が予め行われている場合であり、操作リング50の調整が行われていない場合には、操作リング50の回転角度が変更されても何ら支障を生じることがない。したがって、操作リング50の回転角度が、遊技球が遊技領域116に到達しない範囲内にある場合には、補助発射レバー30が操作できなくとも特段の不都合が生じることがない。したがって、上記したとおり、操作リング50の回転角度が、発射装置によって発射された遊技球が遊技領域116に到達するのに必要な角度以上となったときに、補助発射レバー30を有効化することとすれば、補助発射レバー30の操作を要さない場合における誤操作を一層防止することが可能となる。
【0086】
以上のように、本実施形態の操作ハンドル1によれば、遊技の進行に伴って何度も操作リング50の操作角度を変更しなければならないといった煩わしさが一切なくなり、操作性が向上される。しかも、補助発射レバー30がベース体10に支持されているので、操作リング50を回転操作している際に、補助発射レバー30を誤って操作してしまうおそれが低減される。また、補助発射レバー30がベース体10に支持されているので、補助発射レバー30を操作したときの押圧力が、操作リング50に伝達されにくい。したがって、補助発射レバー30を押圧操作したときの押圧力によって、操作リング50の角度がずれてしまうといった不都合が生じにくい。
【0087】
さらには、補助発射レバー30をベース体10に支持することとしたので、補助発射レバー30の回動支点(回動支持片31a)と、遊技者が押圧する押圧部32とのストロークを長くすることができる。これにより、遊技者は、小さな押圧力で補助発射レバー30を押圧操作することが可能となる。このように、上記の操作ハンドル1によれば、補助発射レバー30がベース体10に支持されることにより、一層の操作性の向上が実現されることとなる。
【0088】
さらに、上記の操作ハンドル1においては、遊技球の発射を停止させるウェイトボタン82の停止操作部82aと、補助発射レバー30の押圧部32とが、操作リング50の回転方向に互いに位相をずらして配されており、このとき、操作リング50を把持する遊技者の異なる指によって、同時操作が可能な位置に設けられている。ウェイトボタン82の停止操作部82aは必須の構成ではなく、また、その位置も特に限定されるものではないが、本実施形態のように、停止操作部82aと補助発射レバー30の押圧部32とを、遊技者の異なる指によって同時操作可能な位置に配することで、操作性を向上するばかりか、遊技者の誤操作を防止することができる。
【0089】
なお、遊技者の異なる指によって同時操作可能な位置とは、少なくとも、同時操作をし得る状態において、操作リング50の回転方向の位相を異にする位置である。具体的には、操作リング50に指掛部51aが設けられている場合には、1つの指掛部51aを境に、操作リング50の回転方向の一方の側に停止操作部82aを位置させ、操作リング50の回転方向の他方の側に補助発射レバー30を位置させるとよく、少なくとも回転方向に30度程度離間していることが望ましい。
【0090】
また、上記実施形態によれば、操作リング50の回転角度が所定角度未満である場合には、規制手段によって補助発射レバー30の操作が不可能となっている。換言すれば、操作リング50の回転角度が所定角度以上になった場合に限り、補助発射レバー30の操作が可能となる。したがって、遊技者が遊技球を発射させる意思がないにも関わらず、補助発射レバー30の誤操作によって意図せずに遊技球が発射されてしまうおそれがなく、高い操作性を実現することができる。
【0091】
なお、上記実施形態においては、3つの規制手段が設けられているが、これらの規制手段のうちのいずれか1つまたは2つの規制手段のみを設けることとしてもよい。また、規制手段の具体的な構成は上記実施形態に限定されるものではない。いずれにしても、操作リング50の回転角度が所定角度未満である場合に、補助発射レバー30に対する押圧操作の発射装置への伝達を不可能とする規制手段を設けることとすればよい。なお、指掛部51aによって補助発射レバー30の押圧操作を規制する場合には、操作ハンドル1の初期位置において、補助発射レバー30の押圧部32が、操作リング50の回転方向に対して、指掛部51aの少なくとも一部と同位相となればよい。
【0092】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0093】
1 操作ハンドル
10 ベース体
30 補助発射レバー(補助発射操作体)
50 操作リング(主発射操作体)
51 リング部
51a 指掛部
51b 規制突片
82a 停止操作部
85 センターギヤ(第1ギヤ)
86 ボリュームギヤ(第2ギヤ)
87 リンクレバー
100 遊技機本体
108 遊技盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14