(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(試験装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る試験装置50を含むシステムの構成を示すブロック図である。このシステムは、移動体通信端末10と、試験装置50とを含む。本実施形態では、移動体通信端末10及び試験装置50の間の通信方式として、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA:Wideband - CDMA)方式を用いる場合について説明する。
【0022】
移動体通信端末10は、携帯電話機、データ通信端末機、またはこれらに用いられる移動体通信用の半導体デバイス等であり、試験装置50による通信試験の対象となる機器である。試験装置50は、疑似基地局として機能し、移動体通信端末10を試験する。
【0023】
試験装置50は、操作部43、表示部41及び表示制御部42を備える。
【0024】
操作部43は、試験者等を含む操作者による操作が入力されるデバイスである。操作部43は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等のデバイスである。
【0025】
表示部41は、表示制御部42により生成された表示画像を表示する。表示部41は、例えば液晶等のデバイスである。
【0026】
表示制御部42は、表示部41で表示される画像を生成する。また、表示制御部42は、操作者が操作部43を介して入力した操作情報を受け、その操作情報に基づいた処理を行う。表示制御部42は、後述するようにログ表示制御部421及び割当状況表示制御部422を備える。
【0027】
これら操作部43、表示部41、表示制御部42及び後述するログ記憶部57は、例えば試験装置50の本体とは別体の装置として設けられ、この別体の装置が試験装置50の本体に接続されてもよい。この別体の装置として、典型的にはPC(Personal Computer)等が用いられる。
【0028】
試験装置50は、設定情報取得部51、シナリオ処理部52、通信部54、ログデータ生成部56、ログデータ記憶部57を備える。
【0029】
シナリオ処理部52は、移動体通信端末10との間で通信試験を行うための試験シナリオのデータであるシナリオファイルを図示しない外部装置から取得して、このシナリオファイルに記述された試験装置50の動作シーケンスや通信シーケンスに従って、試験装置50の各部を制御し、後述するメッセージ処理部543に送信メッセージの生成を指示し、メッセージ処理部543から受けた応答メッセージの処理結果を受けて、これに対する動作の判断を行う。上記外部装置は、例えば図示しない記憶装置や、上記したPC等であり、このシナリオファイルを記憶している。試験装置50は、その試験シナリオに従って疑似基地局として動作して移動体通信端末10と通信する。
【0030】
通信部54は、各種の、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルを設定し、移動体通信端末機10との間で通信を行う機能を備える。具体的には、通信部54は、メッセージ処理部543、レイヤ処理部541及び送受信部542を有する。
【0031】
メッセージ処理部543は、シナリオ処理部52からの指示に従って、移動体通信端末10に送信すべき送信メッセージを生成する。また、メッセージ処理部543は、移動体通信端末10から送信され、送受信部542及びレイヤ処理部541を介して受信された応答メッセージを処理し、その結果をシナリオ処理部52に通知する。
【0032】
試験シナリオに用いられる送信メッセージは、移動体通信端末10の制御に関連する送信メッセージと、移動体通信端末10の制御に関連しない送信メッセージとを含む。制御に関連する送信メッセージとしては、例えば、送信電力制御情報や報知情報等がある。制御に関連しない送信メッセージとしては、例えば、動画データや、静止画データ、音声データ、メール内容のデータ等の各種のユーザデータがある。
【0033】
レイヤ処理部541は、送信メッセージ及び応答メッセージをレイヤ毎に処理する。レイヤ処理部541は、メッセージ処理部543により生成された送信メッセージに対して、所定の通信規格(ここではW−CDMA)に対応した通信プロトコル処理を行い、通信プロトコル処理された送信メッセージを送受信部542へ出力する。また、レイヤ処理部541は、送受信部542を介して受信された応答メッセージに対して通信プロトコル処理を行い、通信プロトコル処理された応答メッセージをメッセージ処理部543へ出力する。
【0034】
レイヤ処理部541は、各レイヤで処理を行う毎に、その通信内容をログデータ生成部56に出力する。レイヤとしては上位から、RRC(Radio Resource Control)、PDCP(Packet Data Control Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Media Access Control)、PHY(PHYsical)がある。
【0035】
これら各レイヤは、ダウンリンクでは、上位から受けた通信データにこのレイヤ特有の処理を行い、下位に渡す。各レイヤは、アップリンクでは、下位から受けた通信データにこのレイヤ特有の処理を行い上位に渡す。
【0036】
送受信部542は、レイヤ処理部541から出力されたダウンリンクのデータを、D/A変換、変調、周波数変換等を行って、移動体通信端末10へ送信し、また、移動体通信端末10から送信されたアップリンクの信号に周波数変換、復調、A/D変換等を行い、それにより得たデータを、レイヤ処理部541に入力する。送受信部542は、RF信号の送受信機や、IQデータ等のベースバンド信号を送受信するデジタルインターフェースを備えている。
【0037】
ログデータ生成部56は、レイヤ処理部541の各レイヤから出力される通信データから、ログデータを生成する。具体的には、ログデータ生成部56は、各レイヤから得られる通信データにログヘッダを付加することにより得られるデータを、ログデータとして生成する。ログデータ生成部56は、時刻生成部561、ID生成部562を有する。時刻生成部561は、ログ発生時の時刻を記録するための時刻情報をログヘッダ内に生成する。ID生成部562は、生成された個々のログレコードを識別する識別子をログヘッダ内に生成する。
【0038】
ログヘッダは、例えば、上記ID及び時刻の他、送信元レイヤ、宛先レイヤ、また、後述するように、チャネル情報、BTS(Base Transceiver Station)番号、プリミティブ(Primitive)名、通信データ長等を含む。
【0039】
ログデータ記憶部57は、ログデータ生成部56で生成されたログデータを記憶する。ログデータ記憶部57は、HDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ等の大容量記憶媒体である。ログデータ記憶部57は、この試験装置50とは別体の外部記憶装置であってもよい。
【0040】
ログ表示制御部421は、ログデータ記憶部57に記憶されているログデータを予め定められた表示フォーマットに従い、表示部41に表示させる。
【0041】
設定情報取得部51は、接続状態判定部511を備える。接続状態判定部511は、試験装置50が、今現在、移動体通信端末10と通信途中である場合、試験装置50と移動体通信端末10との接続状態(接続の段階)を判定する。この場合、接続状態判定部511は、シナリオ処理部52からメッセージ処理部543へ渡される送信メッセージの生成指示や、メッセージ処理部543からシナリオ処理部52へ渡される応答メッセージの処理結果に基づいて、現在の接続状態をリアルタイムに判定する。
【0042】
また、接続状態判定部511は、試験装置50と移動体通信端末10とが通信していない場合(通信終了後)、ログデータ記憶部57に記憶された通信のログデータに基づき、試験装置50と移動体通信端末10との接続状態を判定することもできる。この場合、後述するように、接続状態判定部511は、操作者により指定されたログデータに基づき、過去の通信時の接続状態を判定する。
【0043】
設定情報取得部51は、主にシナリオ処理部52からメッセージ処理部543へ渡される送信メッセージの生成指示から、物理チャネルの割当に関連する設定情報を取得する。また、設定情報取得部51は、ログデータ記憶部57に記憶されているログデータから、物理チャネルの割当に関連する設定情報を取得することも可能である。これにより、設定情報取得部51は、チャネル割当を特定する。具体的には、この設定情報は、CDMA系の通信方式においてスペクトラム拡散処理を行うための、物理チャネルに対する拡散率及びチャネライゼーションコードの割り当てを示す情報である。
【0044】
割当状況表示制御部422は、設定情報取得部51で取得された設定情報に基づくチャネル割当の情報に基づき、物理チャネルの割当の状況を、予め定められた後述する表示フォーマット45(
図2参照)に従い、表示部41に表示させる。また、割当状況表示制御部422は、チャネル割当の他、接続状態判定部511により判定された接続状態を示す情報を、上記表示フォーマットに従い、物理チャネルの割当とともに、表示部41に表示させる。
【0045】
なお、図示していないが、試験装置50は、通信部54を複数組、備える構成であってもよい。一組の通信部54は、1台の基地局の動作を模擬する。このため、試験装置50がこの組合せを複数備えることにより、例えば、移動体通信端末10が通信先の基地局を切り替えるハンドオーバ動作の試験を、1台の試験装置50で行うことができる。なお、この場合は、試験装置50は、各組から送信される信号を結合して移動体通信端末10に出力するとともに、移動体通信端末10から受信した信号を各組に分配する結合器(不図示)を備える。
【0046】
試験装置50は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のハードウェアを主に備えている。試験装置50は、CPUに加え、または、CPUに代えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)を備えていてもよいし、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備えていてもよい。
【0047】
試験装置50の構成は、上記ハードウェアのみで実現されてもよいし、または、ハードウェア及びソフトウェアの両方で実現されてもよい。後者の場合、上記CPU等のプロセッサであるハードウェアと、例えば上記ROMや他の記憶デバイスに記憶されたソフトウェアとの協働により、図に示した試験装置50の各機能ブロックの機能を実現する。
【0048】
(割当状況の表示フォーマット)
図2は、上記した割当状況表示制御部422によって生成される割当状況を示す画像の表示フォーマットである。この表示フォーマット45は、固定表示領域451と、これに隣接する可変表示領域452とを有する。固定表示領域451は、横軸に拡散率領域453、縦軸にチャネライゼーションコード領域454を有し、これら各領域の配置及び領域内に示された数字の表示は固定である。可変表示領域452は、接続状態領域455と、その下に配置されたチャネル領域456とを有する。
【0049】
W−CDMAの規格上、拡散率(SF)の値として、SF=1、2、4、8、16、32、64、128、256が定められている。SF=1、2、4についての物理チャネルの割当は実質的に固定であるため、この表示フォーマット45にはSF=1、2、4の領域を表示していない。しかし、表示フォーマット45は、これらSF=1、2、4の領域を含んでいてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、この表示フォーマット45に割り当てられて表示される物理チャネルは、すべてダウンリンクの物理チャネルである。アップリンクの物理チャネルの配置のほとんどは、ダウンリンクによる拡散率に応じて決められるので、ここでは表示されない。しかしながら、後述するように、アップリンクデータ用のチャネルのうち一部を表示するようにしてもよい。
【0051】
拡散率領域453に表示される拡散率(SF8、16、32、64、128、256)ごとに、チャネライゼーションコード領域454にはそれぞれ以下のチャネライゼーションコードの番号が表示されている。
SF8 :0〜7
SF16 :0〜15
SF32 :0〜31
SF64 :0〜63
SF128:0〜127
SF256:0〜255
【0052】
固定表示領域451では、拡散率ごとに異なる色が付されている。後述するように、拡散率ごとに固定表示領域451に付される色と、その拡散率に対応する物理チャネル(その拡散率を用いて拡散処理される物理チャネル)を示す領域に付される色とが同じとなるように表示されることによって、物理チャネルと拡散率とが割当状況が表示される。
【0053】
拡散率ごとに異なる色が付されることに代えて、拡散率ごとに異なる模様(ドットやハッチング等)が付されてもよい。この場合、もちろん色付きの模様でもよい。あるいは、例えば、SF8に対応する領域は単一色が付され、SF16に対応する領域はドット模様が付されるなど、色と模様の組み合わせでもよい。
【0054】
接続状態領域455には、上記したように、接続状態判定部511により判定された可変の接続状態を示す情報が表示される。接続状態領域455の配置は、図の例のように右上に限られず、画面の上や下であってもよい。
【0055】
(試験装置による割当状況の表示処理1)
図3は、試験装置による割当状況の表示処理を示すフローチャートであり、通信中にリアルタイムに割当状況を表示する例を示すものである。
【0056】
シナリオ処理部52が試験シナリオを読み込み、その試験シナリオに従って、試験装置と移動体通信端末10との間の通信を開始する(ステップ101)。
【0057】
設定情報取得部51は、試験シナリオのデータから、物理チャネル及び拡散率に関連する設定情報を取得し、拡散率及びこれへの物理チャネルの割当位置(チャネル割当)を特定する(ステップ102)。具体的には、以下のようにして拡散率及びチャネル割当が特定される。
【0058】
図4は、試験シナリオのうち、ある特定の物理チャネル、例えば破線で囲まれた部分に記載されているように、P?CCPCH(Primary Common Control Physical Channel)に関連する項目の記載例を示す。設定情報取得部51は、この試験シナリオの記載に含まれる多数のパラメータのうち、以下の項目(1)及び(2)(
図4で一点鎖線で囲まれた項目)を参照して、物理チャネルの割当位置を特定する。
【0059】
(1)SymbolRate = SYMRATE15K :シンボルレートが15Kspsであることを示す。
(2)ChCode = 1 :チャネルの割当位置が、1であることを示す。
【0060】
(1)から、シンボルレートが15Kspsであることが分かる。そうすると、チップレートが3.84Mcpsの場合、3.84Mcps/15Ksps =256となり、SF=256であることが分かる。また、(2)から、SF=256における0〜255のチャネライゼーションコードのうち1に、チャネルが割り当てられることが分かる。
【0061】
そして、接続状態判定部511は、シナリオ処理部52で読み込まれた試験シナリオのデータや、メッセージ処理部543との間でやりとりされる送信メッセージ及び応答メッセージのデータから、現在の接続状態をリアルタイムに判定する(ステップ103)。後でも述べるが、例えば現在の接続状態、移動体通信端末10が位置登録された状態や、あるいは、CELL#FACH(Forward Access Channel)という共通チャネルが割り当てられた状態等が個々に判定される。なお、接続状態の判定(ステップ103)を、ステップ102より先に実行してもよい。
【0062】
割当状況表示制御部422は、ステップ102で特定された拡散率及びチャネル割当を、ステップ103で特定された接続状態とともに、
図5〜9で具体的に説明するように、
図5に示した表示フォーマット45に表形式で表示する(ステップ104)。
【0063】
図5〜9は、当該表示フォーマットで表示されるそれぞれ別の接続状態における、チャネルチャネル割当状況表示画面46の例を示す。これらの図は、実際の多数の接続状態のうち、ごく一部を示すものである。これらの各図において、表の縦方向の一部が途切れているが、これは説明の便宜のためであり、実際には、表示制御部42は、画面の縦方向のスクロール等の機能によってすべての項目を表示することができる。
【0064】
図5に示すIdle状態は、移動体通信端末10が位置登録された状態である。この接続状態において、上の例で説明したように、P?CCPCHのチャネルが、拡散率(SF)=256の領域に同色の付加によって対応付けられ、且つ、チャネライゼーションコード番号1の位置に割り当てられている。
また、この接続状態では、設定情報取得部51及び割当状況表示制御部422による同様の処理によって、チャネライゼーションコード番号0,2,3に、P−CPICH(Primary Common Pilot Channel)、AICH(Acquisition Indication Channel)、PICH(Paging Indication Channel)がそれぞれ割り当てられる。
さらに、このidle接続状態では、
図5で示される範囲内では、例えば、
SF=128、チャネライゼーションコード番号2、11、17、、、125に、所定間隔でOCNS(Orthogonal Channel Noise Simulator)が割り当てられ、
SF=64、チャネライゼーションコード番号2に、S−CCPCH(Secondary Common Control Physical Channel)#FACHが割り当てられる。
【0065】
図6は、
図5で示した位置登録後、上記したように、CELL#FACHが割り当てられた状態(この状態では、連続して通信をしていない。)を示している。例えば、この状態と、
図5の状態とでは物理チャネルの割当が変わっていないが、物理チャネル及び論理チャネル間の経路の割当の状態は変更されている。
【0066】
図7は、
図6で示した接続状態の後、Non HSPA(High Speed Downlink Packet Access) (Audio)の状態、すなわち高速通信でないW−CDMAでの通話状態を示している。この接続状態では、
図7で示される範囲内では、例えば、SF=128、チャネライゼーションコード番号12に、DPCH#AMR(Dedicated Physical Channel # Adaptive Multi Rate)が割り当てられる。
【0067】
図8は、
図7で示した接続状態の後、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)(Cat. 1-8, 11-12)の接続状態、つまり、高速通信での接続状態(UE(User Equipment)のHSDPAカテゴリが1-8, 11-12)を示している。カテゴリとは、移動体通信端末のHSDPA接続時の性能を示す区分である。この接続状態では、
図8に示される範囲内では、例えば、
SF=128、チャネライゼーションコード番号2に、HS−SCCH(High Speed - Shared Control Channel)が割り当てられ、
SF=256、チャネライゼーションコード番号12に、DPCH#HSDPAが割り当てられ、
SF=16、チャネライゼーションコード番号1〜(例えば10まで)に、HS−PDSCH(High Speed - Physical Downlink Shared Channel)が割り当てられ、
SF=128、チャネライゼーションコード番号122〜127に、OCNSが割り当てられている。
【0068】
図9は、
図8で示した接続状態の後、HSDPA(Cat. 9-10, 13-20)+HSUPA(High Speed - Uplink Packet Access)の接続状態であって、ダウンリンク及びアップリンクの両方が高速通信している状態(UEのHSDPAカテゴリが9-10, 13-20)を示している。この接続状態では、
図9に示される範囲内では、例えば、
SF=128、チャネライゼーションコード番号3に、E−HICH(E(Enhanced) - DCH Hybrid ARQ(Automatic Repeat Request)(or E−RGCH(E - Relative Grant Channel))が割り当てられ、
SF=256、チャネライゼーションコード番号15に、E−AGCH(E - DCH Absolute Grant Channel)が割り当てられ、
SF=16、チャネライゼーションコード番号16〜(例えば15まで)に、HS−PDSCH(High Speed - Physical Downlink Shared Channel)が割り当てられる。
【0069】
ステップ101〜105の一連の処理が繰り返されることにより、接続状態ごとに、リアルタイムで割当状況を表示することができる。
【0070】
なお、割当状況表示制御部422は、以上のようなチャネル割当状況表示画面46を、表示部41の画面全体に表示させてもよいし、当該画面全体のうちの一部に表示させてもよい。チャネル割当状況表示画面46を一部に表示させる場合、他の画面と並列させてまたは重ねて表示させてもよい。
【0071】
図3の説明に戻る。試験実行中、つまり、通信部54により移動体通信端末との間で通信が行われている間、ログデータ生成部56は、通信部54による通信のシーケンスのログを生成している。具体的には、ログデータ生成部56は、各レイヤ間の通信データを取得し(ステップ105)、各通信データにログヘッダを付加して、これをログデータとしてログデータ記憶部57に記憶している(ステップ106)。これらのステップ105及び106は、後述するログデータからチャネル割当状況の表示画面を生成する「表示処理2」の前提の処理となる。なお、ステップ106において、ログデータを記憶するとともにログ表示を行ってもよい。
【0072】
以上のように、割当状況表示制御部422は、設定情報取得部51で取得され特定された拡散率及びチャネル割当の情報に基づき、接続状態ごとに、物理チャネルを示す情報と、拡散率を示す情報との対応付けを表すチャネル割当状況表示画面46を生成する。したがって、操作者は、接続状態ごとに、その割当の状況を容易に確認することができる。その結果、操作者の手間及び割当状況の確認のための時間を減らすことができ、操作者の労力を軽減することができる。これにより、デバッグ等の作業を容易化し、移動体通信に用いられる機器の開発の効率を高めることができる。
【0073】
また、割当状況表示制御部422は、拡散率ごとのチャネライゼーションコードを示す情報に、物理チャネルを示す情報が割り当てられるので、操作者は物理チャネルの割当状況を2次元で見ることができ、直感性を向上させることができる。
【0074】
また、
図5〜9に示したように、割当状況の画像を表形式で表示するので、操作者による割当状況の認識の直感性を高めることができる。
【0075】
また、チャネル割当状況表示画面46内において、拡散率ごとに異なる色を付し、物理チャネルを示す領域にこの物理チャネルと対応する拡散率の領域に付された色と同じ色を付している。したがって、物理チャネルを示す領域と、拡散率を示す領域との対応付けが明瞭になり、また直感的にその対応付けを理解できるので、操作者は、物理チャネルの割当状況を容易に確認することができる。
【0076】
また、本実施形態では、接続状態判定部511により現在の接続状態が判定され、その接続状態ごとに、試験中にリアルタイムで割当状況が表示される。したがって、操作者は、現在の接続状態をリアルタイムで確認することができ、また、その接続状態と現在の割当の状況との対応付けをリアルタイムで確認することができる。
【0077】
(試験装置による割当状況の表示処理2)
次に、上記のようにログデータを生成して記憶した後、特に試験後において、ログの解析時における割当状況の表示処理について説明する。
図10は、その処理を示すフローチャートである。
【0078】
ログ表示制御部421は、ログデータ記憶部57に記憶されたログデータを基に、表示部41にログを表示させる(ステップ201)。この表示の形式は任意であり、例えば
図11に示すように、ログを一覧で示している。
【0079】
このログ表示画面21は、ログデータに含まれる上記ログヘッダ内の情報を、上から下へ時系列に並べて表示するログヘッダ情報表示エリア24と、通信データの内容を表示する通信データ情報表示エリア25とを含む。
図11では、大量に生成されるログデータのうちごく一部のログデータを示しており、例えば画面の上領域(符号28で示す)を操作者がスクロール操作することによって、現在表示されていない他のログデータも表示可能となっている。
【0080】
ログヘッダ情報表示エリア24は、上記したログヘッダ内に含まれるデータのうちのいくつかに対応した、「No.」、「PHY」〜「RRC」、「Primitive」、「Channel」、「Progress Time」の表示領域を含む。これらはログヘッダに含まれる情報である。
【0081】
「No.」は、個々のログデータのシーケンシャルな識別番号であり、本実施形態では、上記ID生成部562によって生成される番号である。
「PHY」〜「RRC」は、どのレイヤ間でのデータの通信方向かを矢印で示す。これは、上記の送信元レイヤ、宛先レイヤの情報に基づいて表示される。図の例では、No.91、93、96、99及び100のログデータがダウンリンクデータであり、No.92、94、95、97及び98のログデータがアップリンクデータである。また、例えばNo.96及び98のログデータは、RRCレイヤ及びMACレイヤ間での信号の要求及び確認を示している。
「Primitive」は、各レイヤ間の設定命令を示す。この図の例では、無線リンクをセットアップする時の設定を示している。
「BTS」は、BTS番号である(疑似)基地局の番号を示す。この試験装置50は、ハンドオーバ関連の試験用に複数の基地局の機能を持つ。
「Channel」は、上記したチャネル情報に基づいて表示され、どの通信チャネルを用いた通信か示す。図の例では、P?CCPCHが用いられている。
「Progress Time」は、時刻生成部561によって付加された時刻である。
【0082】
通信データ情報表示エリア25は、「Message」の項目を含む。これは、メッセージ名またはメッセージタイプ(以下、単にメッセージ名という。)を示す。メッセージ名は、上記メッセージ処理部543において、例えば試験シナリオから抽出され、あるいは試験シナリオに基づき作成される情報である。この図の例では、「Message」はどのログデータについても示されていないが、例えば、この
図11に示したログデータは、すべて同じメッセージを持ち、代表の1つのログについてメッセージ名が表示され得る。
【0083】
また、通信データ情報表示エリア25は、このログ表示画面21の下方の2段のエリア26及び27を含み、これらのエリアは、操作者による操作部43を介した操作により指定されたログ(後述)の通信データを表示するエリアである。この図の例では、未だ操作者による指定が行われておらず、エリア26及び27には、何も表示されていない。
【0084】
図10のフローチャートの説明に戻る。操作者は、上記のようなログ表示画面21を参照しながら、所望のログデータ、例えば
図11に示したNo.91のログデータを指定する(ステップ202のYES)。そうすると、
図12に示すように、例えばNo.91のログデータの欄が強調表示される。この際、通信データ情報表示エリア25のうち上段のエリア26に、操作者により指定されたログデータ内の通信データの変換表示が行われる。例えば、上段エリア26には、CPHY-RL-SETUP-DL-PAR…というように表示され、それ以下には、そのセットアップに関する各種のパラメータが表示される。なお、下段のエリア27はHEX表示(例えば、00 00 1E 00 00 00 00…といように表示される)である。
【0085】
図12に示した例では、指定されたNo.91のログに含まれる通信データ内に、一点鎖線で囲まれる部分に示すように、物理チャネルの割当に関連する設定情報が含まれる。各種のログのうち物理チャネルの割当に関連する設定情報を含むログは、その「Message」(メッセージ名)によって予め決まっている。あるいは、それはメッセージ名でなく「Primitve」(プリミティブ名)よって予め決まっていてもよい。本技術についての知見を持つ操作者であれば、当該設定情報を含むログに対応するメッセージ名またはプリミティブ名を知っており、設定情報を持つログを指定することができる。
例えば、S−CCPCH、PICH等の共通チャネルに関連する情報は、SIB5(System Information Block Type5)という報知情報に関するメッセージ内に含まれる。
一方、例えばDPCH、HS−PDSCH等の専用チャネルに関連する情報は、以下に示す多数のメッセージ内に含まれ、状況によって使い分けされる。
メッセージ名:RRC Connection Setup / Radio Bearer Setup / Radio Bearer Release / Radio Bearer Reconfiguration / Transport Channel Reconfiguration / Physical Channel Reconfiguration / Cell Update Confirm
【0086】
設定情報取得部51は、指定されたログに含まれる当該設定情報を取得し、この設定情報から(
図12で一点鎖線で囲まれるパラメータ)から、拡散率及びそのチャネル割当を特定する(ステップ203)。
【0087】
接続状態判定部511は、それら指定されたログの時刻以前、且つ、その時刻の直近の時刻を持つログに基づいて接続状態を判定する(ステップ204)。接続状態の種別は、メッセージ名と関連付けられているため、あるいはログの通信データ内のパラメータと関連付けられているため、接続状態判定部511は、その接続状態を判定することができる。接続状態が判定されると、割当状況表示制御部422は、
図5〜9で示したようにチャネル割当及び判定された接続状態を、表形式で表示部41に表示させる(ステップ205)。
【0088】
ステップ201〜205の一連の処理が繰り返されることにより、接続状態ごとに、割当状況を表示することができる。
【0089】
以上のように、本実施形態では、操作者により指定されたログに含まれる設定情報に基づいて、チャネル割当状況表示画面46を表示することができる。したがって、例えば試験後に、操作者は所望のログを任意に指定して、その直近の接続状態におけるチャネル割当状況表示画面46を表示させ、その内容を容易に確認することができる。このことは特に、試験の結果の解析時において、ある接続状態における異常の発生の原因を究明したりする場合などに有効である。
【0090】
また、任意のログデータを指定できることから、操作者は、任意のレイヤの通信データを指定することができ、各レイヤの処理と、チャネル割当状況表示画面46との関連性を考慮しつつ、また、その関連性に基づく異常の原因の究明を行うことができる。
【0091】
[第2の実施形態]
図13は、本発明の第2の実施形態に係る、試験後における表示処理(表示処理3)を示すフローチャートである。これ以降の説明では、上記第1の実施形態に係る装置やその処理と同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態に係る試験装置の構成は、
図1に示した試験装置50の構成と同様でよい。
【0092】
図13に示す表示処理は、各種ログのうち、拡散率及びチャネル割当に関連する設定情報が含まれるログがどのログであるのかを、たとえ操作者が知らない場合であっても、操作者が指定した任意のログデータに基づいて、抽出対象となる設定情報が含まれるログデータを特定することを特徴とする。
【0093】
ログ表示制御部421は、上記ステップ201と同様にログを表示する(ステップ301)。操作者は、各種ログのうち、例えば
図11に示したNo.92のログを指定したとする(ステップ302のYES)。そうすると、設定情報取得部51は、その指定されたログの時刻以前で、チャネル割当に関連する設定情報を含む直近のログであるNo.91のログを特定する(ステップ303)。設定情報取得部51は、抽出対象とされる設定情報が含まれるログデータのメッセージ名(またはプリミティブ名でもよい)の種類を予め記憶しておくことにより、そのメッセージ名と同じまたは対応するメッセージ名の情報を含み、且つ、抽出対象となる設定情報を含むログデータを特定することができる。つまり、設定情報取得部51は、指定されたログに関連するログデータを特定し、そのログデータから抽出対象となる設定情報を取得することができる。
【0094】
また、表示部41に表示されたあるログを操作者が指定した場合、表示部41には表示されていない、メッセージ名が対応する直近のログが特定される場合ももちろんある。
【0095】
設定情報取得部51は、特定されたログの設定情報から拡散率及びそのチャネル割当を特定する(ステップ304)。ステップ305及び306は、ステップ204及び205とそれぞれ同様の処理である。
【0096】
以上のように、本実施形態に係る処理では、操作者が、拡散率及びチャネル割当に関連する設定情報を含むログを知らない場合であっても、それを含む直近のログを特定し、それらに基づく割当状況を表示することができる。また、操作者が、当該設定情報を含むログを知っていたとしても、操作者はわざわざ当該設定情報を含むログを指定する必要がなく、当該設定情報を含むログの時刻近傍にある任意のログを指定することにより、自動的に当該設定情報を含むログを特定することができ、操作者の労力を軽減することができる。
【0097】
[第3の実施形態]
図14は、本発明の第3の実施形態に係る、試験後における表示処理(表示処理4)を示すフローチャートである。本実施形態の特徴は、例えば
図10及び13にそれぞれ示したステップ205及び306で表示されたチャネル割当状況表示画面46で示された接続状態の時点を基準とした過去または未来のチャネル割当状況表示画面の表示処理を行うことである。なお、本実施形態に係る試験装置の機能ブロックの構成は、
図1に示した試験装置50の構成と同様でよい。
【0098】
ステップ401、402、・・・501は、
図11で示したステップ201〜205、また、
図13で示したステップ301〜306と、同様の処理である。
【0099】
図15は、例えばステップ501で表示された、CELL#FACHが割り当てられた状態(
図6に示したものと同様の割当状況)におけるチャネル割当状況表示画面46を示す。この画面の下方には、現在表示されている(ステップ501で表示された)チャネル割当状況表示画面46を生成するための設定情報を含むログデータの時刻より、過去のログの接続状態及び未来のログの接続状態におけるチャネル割当状況表示画面46を、表示部41で表示するためのボタン48、49が設けられている。
【0100】
設定情報取得部51は、操作者によるこれらの履歴表示のための操作入力を監視する(ステップ502)。具体的には、設定情報取得部51は、操作者により操作部43を介して、これらの過去(前)の接続状態を示すボタン48及び未来(後)の接続状態を示すボタン49のうちいずれか一方が押されるか否かを判定する。
【0101】
現在表示されているチャネル割当状況表示画面46を生成するための設定情報を含むログより前の接続状態の画面を表示するためのボタン48が押された場合(ステップ503のYES)、接続状態判定部511は、以下の処理を実行する。すなわち、現在表示されているチャネル割当状況表示画面46を生成するための設定情報を含むログの時刻より過去の直近のログデータに基づいて、接続状態を判定する(ステップ504)。設定情報取得部51は、当該過去の直近のログ(上記判定された接続状態の時のログ)を特定し、そのログから拡散率及びチャネル割当に関連する設定情報を取得して、その設定情報からチャネル割当を特定する(ステップ505)。そして、割当状況表示制御部422は、それら特定された拡散率及びチャネル割当の状況を表す画面を、チャネル割当状況表示画面として表示する(ステップ506)。この場合、
図6で示された画面の1つ前の接続状態のチャネル割当状況表示画面が表示される。
【0102】
ステップ508でNOの場合、つまり、現在表示されているチャネル割当状況表示画面46を生成するための設定情報を含むログの時刻より後の接続状態の画面を表示するためのボタン49が押された場合、次のような処理が実行される。すなわち、ステップ508〜510では、設定情報取得部51は、現在表示されているャネル割当状況表示画面46を生成するための設定情報を含むログの時刻より未来の直近のログ群から、接続状態、拡散率及びチャネル割当を特定し、割当状況表示制御部422は、それらの状況を表す画面をチャネル割当状況表示画面として表示する。この場合、
図6で示された画面の1つ後の接続状態のチャネル割当状況表示画面が表示される。
【0103】
また、現在表示されているチャネル割当状況表示画面46を基準として、試験装置50は、ステップ502からの処理を繰り返し実行することも可能である。これにより、操作者は、現在表示されているチャネル割当状況表示画面の接続状態から、次々に過去または未来への接続状態を辿りながら、チャネル割当状況表示画面の履歴を確認することができる。
【0104】
以上のように、現在表示されているチャネル割当状況表示画面46の接続状態より過去または未来のログの設定情報に基づいて、当該過去または未来の接続状態におけるチャネル割当状況表示画面を表示することにより、操作者は、ステップ402で指定したログの時刻の近辺のチャネル割当状況表示画面を容易に確認することができる。これにより、そのログの時刻の近辺で発生した異常の原因の特定が容易になる。
【0105】
なお、ステップ501でチャネル割当状況表示画面46が表示される時、その表示された接続状態の時点より過去分または未来分の1つ以上の接続状態におけるチャネル割当状況表示画面を、表示制御部が図示しない表示用のバッファメモリに蓄積しておいてもよい。これにより、上記ボタン48または49が押された時に、そのチャネル割当状況表示画面の履歴の表示速度を高めることができる。したがって、操作者が指定したログの時刻近辺で発生した異常の原因の特定作業の時間を短縮することができる。
【0106】
過去及び未来の接続状態を示すための操作インタフェースは、上記のようにGUIによるボタンに限られず、試験装置50の本体に設けられまたは接続された機械的な操作部であってもよい。
また、ボタンに限られず、チャネル割当状況表示画面46に設けられたスクロール等の機能によって、現在表示されているチャネル割当状況表示画面の接続状態より過去または未来の接続状態におけるチャネル割当状況表示画面を表示することも可能である。その場合、例えば、可変表示領域452の画面を横方向にスクロールする機能を持つGUIが設けられていてもよい。
【0107】
なお、
図14において、ステップ504の処理が、ステップ506の後に実行されてもよいし、同様に、ステップ508の処理が、ステップ510の後に実行されてもよい。
【0108】
[第4の実施形態]
図16は、本発明の第4の実施形態に係る試験装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
【0109】
本実施形態に係る試験装置150は、上記リアルタイムの表示処理1において、割当状況表示制御部422で生成すべきチャネル割当状況表示画面46の画像データのデータ量を間引く間引き処理部65を備える。間引き処理部65は、間引き処理の設定を登録する設定登録部651を有する。間引き処理の設定は、操作者による操作部43を介した操作入力によって行われ、設定登録部651は、その設定内容を記憶する。
【0110】
割当状況表示制御部422は、間引き処理部65の設定登録内容に基づく処理により抽出されたデータに基づいて、チャネル割当状況表示画面46を生成し、これを表示部41に表示させる。
【0111】
図8〜10に示したチャネル割当状況表示画面46を基本割当画面として、間引き処理部65によるその基本割当画面からの間引き処理のいくつかの設定内容の例を、以下に挙げる。
【0112】
(a)各種の物理チャネルのうち、操作者により予め選択された任意の1以上の物理チャネルの割当の表示
(b)各拡散率のうち、操作者により予め選択された任意の1以上の拡散率への物理チャネルの割当の表示
(c)操作者により予め選択された任意のチャネライゼーションコードへの物理チャネルの割当の表示
(d)各種の接続状態のうち、操作者により予め選択された任意の1以上の接続状態での割当状況の表示
(e)上記(a)〜(d)のうち少なくとも2つの組み合わせの割当による表示
【0113】
操作者は、(a)〜(e)のうちいずれか1つの間引き処理の設定を行った場合、設定登録部651は、その設定内容を登録する。
【0114】
図17は、この間引き処理を含むリアルタイムでのチャネル割当状況表示画面46の表示処理(表示処理5)を示すフローチャートである。
【0115】
操作者による間引き処理による設定の操作があった場合(ステップ601のYES)、設定登録部651は、この設定内容を登録する(ステップ602)。設定の操作がない場合(ステップ601のNO)、試験装置150は、間引き処理を行わずにリアルタイムの表示処理(例えば
図3に示した表示処理1)を実行する(ステップ603)。
【0116】
ステップ604〜606は、
図6におけるステップ101〜103と同様の処理である。
【0117】
ステップ606の後、間引き処理部65は、設定情報取得部51で取得された設定情報(接続状態の情報も含む)から、設定内容に基づいて、表示に必要なデータを抽出する(ステップ607)。つまり、表示に不要なデータを省く間引き処理を行う。そうすると、割当状況表示制御部422は、その間引き処理に応じてデータ量が削減されたチャネル割当状況表示画面46a(
図18参照)を表示部41に表示させる(ステップ608)。
【0118】
図18は、上記各種の間引き処理の設定内容のうち、上記(b)による間引き処理によって生成されたチャネル割当状況表示画面のうち、例えばCELL#FACHが割り当てられた状態(
図6に対応)の例を示す。この設定内容では、SF=16、8の表示が省略されている。
【0119】
なお、各拡散率のうち少なくとも1つの拡散率の表示が省略された場合、それに応じて、その省略された拡散率に割り当てられるべき物理チャネルの表示も自動的に省略されるようにしてもよい。あるいは、拡散率のうち少なくとも1つの拡散率の表示が省略された場合でも、その省略された拡散率に割り当てられるべき物理チャネルを表示してもよい。
【0120】
以上のような間引き処理により、表示制御部42による、リアルタイムで変わるチャネル割当状況表示画面の生成処理、つまり表示処理の負荷、また、操作者のその画面の監視負荷を軽減することができる。
【0121】
具体的には、リアルタイムの表示処理では、チャネル割当状況表示画面46が刻々と変わるので、上記設定内容の例のうち、例えば(d)のように、すべての種類の接続状態における割当状況を表示するのではなく、操作者により選択された接続状態でのチャネル割当状況表示画面46aを表示することにより、表示処理の負荷が大幅に軽減され、また、試験者としての操作者による画面の監視負荷も軽減される。特に操作者にとっては、不必要な項目を表示させることなく、操作者が確認したい項目のみをチャネル割当状況表示画面46aとして表示することができるので、操作者は割当状況を容易に確認することができ、またこれにより、確認対象とする項目の確認ミスを減らすことができる。
【0122】
本実施形態に係る間引き処理は、リアルタイムの表示処理の場合に限られず、表示処理2〜4に示したような、試験後のログの指定による割当状況の表示処理にも適用可能である。この場合、特に、上記のような操作者によって確認したい項目のみをチャネル割当状況表示画面として表示し、不要な項目を減らすことができるので、割当状況を容易に確認することができ、確認対象とする項目の確認ミスを減らすことができる。
【0123】
[その他の実施形態]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0124】
上記実施形態では、W−CDMAの通信方式が用いられる場合について説明したが、FDD且つCDMA方式であれば、W−CDMAに限られることはない。
【0125】
上記実施形態では、
図2に示したようにチャネル割当状況の表示フォーマット45では、固定表示領域451は、拡散率領域453及びチャネライゼーションコード領域454を含んでいたが、拡散率領域453のみでもよい。その場合、割当状況表示制御部は、その拡散率領域453の下側の領域に、各拡散率にそれぞれ割り当てるように、物理チャネルを示す領域を、接続状態ごとに当てはめていけばよい。
【0126】
上記実施形態に係る割当状況表示制御部422は、ダウンリンクのみの物理チャネルの割当を表すチャネル割当状況表示画面46を生成したが、同様にアップリンクの物理チャネルの少なくとも一部の割当を表すチャネル割当状況表示画面を生成してもよい。この場合、アップリンクの物理チャネルの少なくとも一部の割当を、ダウンリンクの物理チャネルの割当を示すチャネル割当状況表示画面46内に生成してもよいし、あるいは、別画面として生成してもよい。
【0127】
上記実施形態に係るチャネル割当状況表示画面46は、チャネル領域456を1つの領域として表したが、例えば拡散率ごとに異なる領域にそれぞれチャネル領域を設け、それらのチャネル領域ごとに、対応する1以上の物理チャネルを示す情報が当てはめられればよい。
【0128】
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。