(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
現在、旅館・ホテルなどの宿泊施設(以降「宿泊施設」という。)における宿泊の予約販売は、商品提供者である宿泊施設が宿泊を希望する利用者(以降「ユーザ」という。)から直接連絡を受けて行なうほか、宿泊施設が旅行代理店等の販売代理店(以降「代理店」という。)に予約受付の代理を依頼することが多い。代理店は、宿泊施設から割り当てられた、予約対象の商品(ここでは、宿泊)について、ユーザからの予約依頼を受け付ける。
従来、宿泊施設から代理店への商品の割当てには次のような方法が採られている。
【0003】
(従来例1)
各代理店の過去の販売実績や信用の度合い等に基づいて、予約対象の商品(宿泊)を割り当てる。
この方法では、通常、割り当てられた商品を全て販売すると、その代理店はそれ以上商品を販売できない。このため、代理店は売上増加の機会を逃してしまう。
一方、代理店で商品が売れ残った場合には、宿泊施設に返品される。この場合、宿泊施設が自分で販売するか、他の代理店にあらためて依頼する必要がある。しかしながら、返品は宿泊日間近に発生するため、宿泊施設自らの販売も他の代理店への移管も困難である。その結果、在庫(空き部屋)が残る傾向にある。
【0004】
(従来例2)
一方、商品を効率的に販売する方法として、各代理店に商品を重複して割り当てる方法がある。この方法を用いて、代理店がインターネットを通じてユーザからの予約受付を行なう予約システムのシステム構成例を、
図1に示す。
図1において、宿泊施設A(客室数100室),宿泊施設B(同50室),宿泊施設C(同30室)は、それぞれ、代理店に販売を依頼する部屋を70室,40室,20室と決めているものとする。これらの部屋への宿泊(商品)が、代理店X,代理店Yの各代理店に重複して割り当てられる。
【0005】
代理店Xおよび代理店Yは、それぞれ商品の販売を行なう。例えば、代理店の代理店サーバ120に取扱商品データベース122を用意して、商品の情報(部屋の情報等)や予約状況(空き・予約済み)等の情報を記憶する。
そして、取扱商品データベース122に記憶されている情報を、予約用のウェブサイト等に表示する。ユーザは、インターネット140を通じてユーザ端末130のブラウザから該ウェブサイトを閲覧し、商品(宿泊)の予約を依頼する。なお、インターネット販売と平行して、電話やFAX,来店等による予約を受け付けることもできる。
【0006】
ユーザ端末130から商品の予約依頼を受信すると、代理店の担当者は、その商品が予約可能であるか(まだ空いているか)を、商品提供者である宿泊施設に問い合せる。商品は各代理店に重複して委託されており、最新の予約状況は宿泊施設が一元管理しているためである。問合せには、通常、電話やFAXなど、なるべく早く連絡がとれる手段を用いる。
宿泊施設から予約可能であるとの返答を得た場合には、ユーザの予約依頼を受け付けて、例えば電子メール等でユーザにその旨を通知する。同時に、宿泊施設および代理店ではその商品が販売済みになったことを記録する。代理店では、代理店サーバ120の取扱商品データベース122に記録する。
一方、予約不可である旨の返答を得た場合には、その旨をユーザに通知する。ここで、代理店や宿泊施設の担当者の機転で、ユーザの希望に近い商品を探してユーザに紹介することは可能である。
予約受付処理124は、ユーザからの予約依頼の受信やユーザへの予約完了通知あるいは予約不可通知の送信、取扱商品データベース122の更新等の処理を行なうプログラムである。
【0007】
従来例2の方法によれば、各代理店に予約対象の商品を重複して委託することにより、販売の機会が増え、効率的に商品を販売できる。
しかしながら、代理店は、ユーザから予約依頼を受けた後に、電話やFAX等で宿泊施設に確認を行なう必要があるため、他の代理店との重複予約の可能性が残る。また、確認がとれるまでの間、ユーザを待たせてしまう。また、宿泊施設にとって、代理店販売分と自己販売分とをどの割合とすれば効率がよいのか等を判断するのは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、代理店が予約対象の商品(宿泊)をユーザに販売する予約システムにおいて、商品提供者(宿泊施設)から商品を補充できるシステムを提供して、上述の問題を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明は、代理店サーバにおいて販売により減少した予約対象である商品を、商品提供者の提供者端末から補充する予約システムであって、前記代理店サーバは
、ユーザ端末から一回の予約依頼を受信することに応じて、前記一回の予約依頼で示される予約商品に対応する商品の補充
要求であって、商品の情報を記憶している取扱商品記憶手段に記憶されている前記予約商品が前記一回の予約依頼により減少
する数分だけ要求するための商品の補充要求を
、前記提供者端末に送信する商品要求手段と、
前記商品要求手段により前記補充要求が送信された場合に前記提供者端末から
送信される商品の提供可能通知を受信すると、
当該商品の情報を前記取扱商品記憶手段に記憶する商品確保手段とを備えることを特徴とする予約システムである。
また、本発明は、代理店サーバにおいて販売により減少した予約対象である商品を、商品提供者の提供者端末から補充する予約システムであって、前記代理店サーバは
、ユーザ端末から一回の予約依頼を受信することに応じて、前記一回の予約依頼で示される予約商品に対応する商品の補充
要求であって、商品の情報を記憶している取扱商品記憶手段に記憶されている前記予約商品が前記一回の予約依頼により減少
する数分だけ要求するための商品の補充要求を
、前記提供者端末に送信する商品要求手段と、
前記商品要求手段により前記補充要求が送信された場合に前記提供者端末から
送信される商品の提供可能通知を受信すると、
当該商品の情報を前記取扱商品記憶手段に記憶する商品確保手段とを備え、前記提供者端末は、前記商品の情報を記憶している商品記憶手段と、前記代理店サーバから前記補充要求を受信する
度に、前記商品記憶手段を参照して、提供可能な商品がある場合に該商品の提供可能通知を前記代理店サーバに送信し、提供可能な商品がない場合に提供不可通知を前記代理店サーバに送信する残商品確認手段とを備えることを特徴とする予約システムである。
また、本発明は、代理店サーバにおいて販売により減少した予約対象である商品を、商品提供者の提供者端末から補充する予約システムであって、前記提供者端末は、前記商品の情報を記憶している商品記憶手段と、
ユーザ端末から一回の予約依頼を受信することに応じて前記代理店サーバから送信される、
前記一回の予約依頼で示される予約商品に対応する商品の補充
要求であって、前記予約商品が前記一回の予約依頼により減少
する数分だけ要求するための商品の補充要求を
、前記代理店サーバから受信する
度に、前記商品記憶手段を参照して、提供可能な商品がある場合に該商品の提供可能通知を前記代理店サーバに送信し、提供可能な商品がない場合に提供不可通知を前記代理店サーバに送信する残商品確認手段とを備えることを特徴とする予約システムである。
【0010】
前記補充要求
により要求される商品の情報は、前記代理店サーバで販売された前記予約商品の情報を含んでおり、前記残商品確認手段は、前記予約商品の情報と、前記商品記憶手段に記憶している商品の情報とを比較して、あらかじめ定めた条件により似ている商品であると判断した商品を提供可能な商品とすることを特徴としてもよい。
前記商品の情報は、利用期間に関する情報を含んでおり、前記補充要求により要求される商品の情報
は、前記代理店サーバで販売された前記予約商品の利用期間に関する情報を含んでおり、前記残商品確認手段は、前記予約商品の利用期間と同じ利用期間の商品を提供可能な商品とすることを特徴としてもよい。
前記商品は宿泊施設の部屋であり、前記残商品確認手段は、前記宿泊施設の宿泊日が間近の商品を提供可能な商品としないことを特徴としてもよい。
前記商品記憶手段には、さらに、商品の提供可能期間を記憶しており、前記残商品確認手段は、前記商品記憶手段を参照して、前記提供可能期間内の商品を提供可能な商品とすることを特徴としてもよい。
前記代理店サーバは、前記ユーザ端末から前記一の予約依頼を受信する度に、予約完了通知を前記ユーザ端末に送信する予約完了通知送信手段を更に備えてもよい。
【0011】
また、本発明は、代理店サーバにおいて販売により減少した予約対象である商品を、商品提供者の提供者端末から補充する予約方法であって、前記代理店サーバは
、ユーザ端末から一回の予約依頼を受信することに応じて、前記一回の予約依頼で示される予約商品に対応する商品の補充
要求であって、商品の情報を記憶している取扱商品記憶手段に記憶されている前記予約商品が前記一回の予約依頼により減少
する数分だけ要求するための商品の補充要求を
、前記提供者端末に送信する商品要求ステップと、
前記商品要求ステップにおいて前記補充要求が送信された場合に前記提供者端末から
送信される商品の提供可能通知を受信すると、
当該商品の情報を前記取扱商品記憶手段に記憶する商品確保ステップとを備えることを特徴とする予約方法である。
また、本発明は、代理店サーバにおいて販売により減少した予約対象である商品を、商品提供者の提供者端末から補充する予約方法であって、前記代理店サーバは
、ユーザ端末から一回の予約依頼を受信することに応じて、前記一回の予約依頼で示される予約商品に対応する商品の補充
要求であって、商品の情報を記憶している取扱商品記憶手段に記憶されている前記予約商品が前記一回の予約依頼により減少
する数分だけ要求するための商品の補充要求を
、前記提供者端末に送信する商品要求ステップと、
前記商品要求ステップにおいて前記補充要求が送信された場合に前記提供者端末から
送信される商品の提供可能通知を受信すると、
当該商品の情報を前記取扱商品記憶手段に記憶する商品確保ステップとを備え、前記提供者端末は、前記商品の情報を商品記憶手段に記憶しており、前記代理店サーバから前記補充要求を受信する
度に、前記商品記憶手段を参照して、提供可能な商品がある場合に該商品の提供可能通知を前記代理店サーバに送信し、提供可能な商品がない場合に提供不可通知を前記代理店サーバに送信する残商品確認ステップを備えることを特徴とする予約方法である。
また、本発明は、代理店サーバにおいて販売により減少した予約対象である商品を、商品提供者の提供者端末から補充する予約方法であって、前記提供者端末は、前記商品の情報を商品記憶手段に記憶しており、
ユーザ端末から一回の予約依頼を受信することに応じて前記代理店サーバから送信される、
前記一回の予約依頼で示される予約商品に対応する商品の補充
要求であって、前記予約商品が前記一回の予約依頼により減少
する数分だけ要求するための商品の補充要求を
、前記代理店サーバから受信する
度に、前記商品記憶手段を参照して、提供可能な商品がある場合に該商品の提供可能通知を前記代理店サーバに送信し、提供可能な商品がない場合に提供不可通知を前記代理店サーバに送信する残商品確認ステップを備えることを特徴とする予約方法である。
【0012】
請求項1又は3に記載の予約システムの各手段を前記代理店サーバ又は前記商品提供者の端末に機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0013】
本発明の予約システムでは、代理店において商品提供者から割り当てられた予約対象の商品が販売されると、商品提供者に商品の補充を要求する。
したがって、代理店の売れ残りが非常に少なくなる。ここで、宿泊日が近づくと補充を止めるようにすれば、さらにその効果は大きい。
さらに、販売した商品と同等の商品を補充することにより、その代理店の売れ筋商品の販売の機会が増える。また、代理店の品揃えが保たれるため、ユーザの商品選択の幅が狭まらない。
さらに、代理店が自己の在庫を把握しているので、商品提供者に予約状況を確認しなくても販売できる。すなわち、ユーザを待たせることがない。
一方、商品提供者は、自ら販売する量を多く手元に残しつつ、代理店販売も可能である。しかも、多くの代理店に商品を割り振ることができる。また、各代理店に最初に多くの商品を割り当てなくても、結果として販売能力の大きい代理店に商品を集中させることができる。したがって、効率良く商品を販売できる。
本発明の予約システムは、宿泊施設の宿泊や、チケット等の代理店予約販売において、特に効果的である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以降、本発明の予約システムの実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
ここでは、商品提供者が宿泊施設であり、予約対象の商品が宿泊である場合の例で説明する。
【0016】
<1.システム構成>
図2は、本実施形態の予約システムのシステム構成例を示した図である。
宿泊施設端末210は、宿泊施設に設置され、担当者が使用するパソコン等の端末である。代理店サーバ220は、代理店のサーバである。ユーザ端末230は、ユーザが使用するパソコンや携帯電話等の端末である。宿泊施設端末210と代理店サーバ220,ユーザ端末230と代理店サーバ220は、インターネット240等のネットワークを通じて、本実施形態の予約システムにおける情報のやり取りを行なう。
【0017】
本実施形態において、宿泊施設は自己の商品の在庫(予約状況)を管理し、代理店からの要求に応じて、商品を代理店に補充する。また、自らも商品を販売できる。
宿泊施設端末210において、商品情報データベース212は、宿泊施設の各部屋の情報(収容人数や料金等、部屋に属する情報)を記憶しているデータベースである。商品情報データベース212への情報の登録は、例えば、宿泊施設の担当者があらかじめ行ない、必要に応じて変更する。
図3(a)は、商品情報データベース212の項目の例を示した図である。「ルームナンバー」は、部屋に一意の番号(実際の部屋番号等)である。なお、これは番号に限られず、部屋に一意であれば、例えば「鶴の間」などの部屋の名称でもよい。「タイプ」は、部屋のタイプであり、例えば、スイート、スタンダード(スイート以外)などの別である。「広さ」は、部屋の面積である。「収容人数」は、部屋の収容人数である。「内風呂」「露天風呂」は、風呂に関する情報(宿泊施設における内風呂および露天風呂の有無等)である。
「トイレ」は、その部屋のトイレの有無である。「部屋タイプ」は、和室、洋室等の別である。「食事」は、食事に関する情報(部屋出し、食堂出し、食事無し等)である。「料金」は、宿泊料金である。
なお、上述の「タイプ」から「料金」までの項目は一例であり、必要に応じて自由に決めてよい。また、例えば料金のように曜日や繁忙期・閑散期によって異なる項目については、その旨も登録できるようにするとよい。
【0018】
商品データベース214は、商品(宿泊)の予約状況を記憶しているデータベースである。
図3(b)は、商品データベース214の項目の例を示した図である。ここでは最低限必要な項目を示す。必要に応じて、他の項目を加えてもよい。
「日付」は、宿泊の日付である。「ルームナンバー」は、商品情報データベース212のルームナンバーである。「流通形態」は、その商品の流通形態であり、代理店に割り当てる商品であるか、代理店への補充も宿泊施設自らの販売もできる商品(以降「自由流通商品」という)であるか等を記憶している。「予約状況」は、空きおよび予約済の別である。本実施形態では、最新の予約状況を各宿泊施設の商品データベース214に記憶しているため、本実施形態の予約システムを導入している代理店、導入していない代理店、および宿泊施設自らの予約販売が互いに重複するおそれはない。
なお、本実施形態では、ルームナンバーを用いて部屋を特定するようにしているが、ルームナンバー以外の、部屋に一意の情報を用いて部屋を特定してもよい。また、予約の段階では予約者のルームナンバーを特定しないようにしてもよい。この場合、例えば、代理店も宿泊施設も、部屋のタイプ別に空室数を設定するとともに、予約をその範囲内で受け付ける。そして、実際にユーザが宿泊施設にチェックインする段階で、宿泊施設の管理者が、ユーザに部屋を割り振る。
【0019】
一方、代理店は、宿泊施設から割り当てられた商品をユーザに販売し、販売により商品が減少すると、宿泊施設に商品の補充を要求する。
図2に戻り、代理店サーバ220の取扱商品データベース222は、割り当てられた商品の情報を格納しているデータベースである。
図4は、取扱商品データベース222の項目の例を示した図である。「宿泊施設情報」は、商品の提供元である宿泊施設の情報(例えば、宿泊施設を一意に識別するIDや名称、および宿泊施設の詳細を掲載したウェブページへのリンク等)である。「日付」〜「料金」は、宿泊施設端末210の商品データベース214の各項目と同じであり、宿泊施設端末210から送信された内容を記憶している。「予約状況」は、その商品の予約状況(空きまたは予約済み)である。
なお、本実施形態では、代理店が有する取扱商品データベース222の項目に「ルームナンバー」を設けるようにしているが、必ずしも設けなくともよい。その場合には、例えば、取扱商品データベース222に部屋のタイプ別に空室数を設定し、予約が入る毎に空室数を減らす。ルームナンバーの管理は、宿泊施設が統括して行なう。
代理店サーバ220には予約用のウェブページを用意し、取扱商品データベース222から予約状況が「空き」である商品を読み出して、一覧等の見やすい方法で掲載する。ユーザは、ユーザ端末230から該ウェブページにアクセスして、予約依頼を行なう。
【0020】
予約受付処理224は、ユーザ端末230から予約依頼を受信すると予約の各処理を行なうプログラムである。商品要求処理226は、宿泊施設端末210に商品の補充要求を送信するプログラムである。商品確保処理228は、宿泊施設端末210から補充された商品の情報を取扱商品データベース222に記憶する処理である。
これらの各処理については、後で詳しく説明する。
【0021】
<2.商品の初期割当>
代理店に予約対象の商品を委託するには、まず、商品データベース214において各商品の流通形態の初期値を決定して、各代理店に最初の商品を割り当てる(以降「初期割当」という)必要がある。各代理店への割当数および割当商品は、従来と同様に、宿泊施設側が決める。したがって、代理店の過去の販売実績等に基づいて決めることができる。
商品データベース214の流通形態の初期値の例を、
図5に示す。これは、宿泊施設Aの4月1日分の商品である。各商品の最右列の「流通形態」が、商品データベース214の流通形態に対応している。すなわち、ルームナンバー101,102,901の商品(4月1日の宿泊)を代理店Xに初期割当し、ルームナンバー201,202,203,204,1001,1002の商品を代理店Yに初期割当する。また、それ以外の商品を自由流通商品とする。自由流通商品は、宿泊施設自ら販売したり、各代理店に補充したりできる商品である。
上述により初期割当された商品は、各代理店の代理店サーバ220の取扱商品データベース222に記憶される。
【0022】
宿泊施設端末210から代理店サーバ220に初期割当の商品の情報を送信する例として、本実施形態では次のような方法を用いる。
代理店サーバ220にその宿泊施設がIDとパスワード等でアクセスして商品の情報を入力できる専用のウェブページを用意する。宿泊施設の担当者は、宿泊施設端末210のブラウザ216から該ページにアクセスして商品の情報を入力する。代理店サーバ220では、入力された商品の情報を、自動的に取扱商品データベース222に記憶する。
なお、これ以外の方法(例えば、電子メール等)で商品の情報を代理店サーバ220に送信してもよい。
【0023】
<2.予約システムの全体の流れ>
図8は、本実施形態の予約システム全体の処理(予約受付処理224,商品要求処理226,および商品確保処理228)におけるユーザ端末230,代理店サーバ220,および宿泊施設端末210の情報のやり取りを示した流れ図である。
前提として、宿泊施設から代理店に割り当てられた商品を5部屋とする。
【0024】
ユーザが予約依頼(
図8では5部屋のうちの1部屋を予約)をすると、代理店サーバ220は、ユーザ端末230から予約依頼を受信(S810)して、予約受付を行なう(S820)。これにより、取扱商品データベース222の残商品は4部屋となる。そして、予約完了通知をユーザ端末に送信する(S830)。これらの処理は、予約受付処理224で行なうが、後で詳しく説明する。
次に、代理店サーバ220は、商品を補充して欲しい旨の要求(以降「商品要求」という)を宿泊施設端末210に送信する(S840)。この処理は、商品要求処理226で行なうが、後で詳しく説明する。
【0025】
宿泊施設端末210が商品要求を受信すると、その宿泊施設では、商品データベース214に提供できる商品があるかを確認する(S850)。提供可能な商品があれば、その旨を代理店サーバ220に通知する(S860)。本実施形態では、提供する商品の情報を提供可能通知の内容とする。なお、残商品確認および提供可能通知については、後で詳しく説明する。
提供可能通知を受信した代理店サーバ220は、提供された商品を確保する(S870)。すなわち、その商品の情報を取扱商品データベース222に記憶する。これにより、この代理店の商品は再び5部屋となる。これらの処理は商品確保処理228で行なうが、後で詳しく説明する。
【0026】
一方、宿泊施設に提供可能な商品が残っていない場合の流れ図を
図9に示す。
予約依頼(S910)から商品要求(S940)までは、
図8の予約依頼(S810)から商品要求(S840)までと同じである。
宿泊施設にて残商品確認(S950)の結果、提供できる商品がない場合には、提供不可通知を代理店サーバ220に送信する(S960)。なお、提供不可通知については後で詳しく説明する。
この場合、代理店は商品を確保できず、残商品は4部屋のままとなる。
【0027】
上述したように、本実施形態の予約システムの一連の処理は、代理店端末220の予約受付処理224,商品要求処理226,および商品確保処理228の各処理と、宿泊施設における残商品確認および提供可能通知(または提供不可通知)からなる。以降、それぞれの処理について詳しく説明する。
【0028】
<3.予約受付処理>
図10は、予約受付処理224の流れを示したフローチャートである。
取扱商品データベース222の商品が代理店サーバ220の予約用のウェブサイトに掲載されている。ユーザがユーザ端末2 3 0のブラウザに表示された一覧から予約したい商品をクリックするなどの方法により、代理店に予約を依頼すると、代理店サーバ220に予約依頼が送信される。
代理店サーバ220は、ユーザ端末230から予約依頼を受信する(S1010)と、予約依頼された商品を減少する(S1020)。具体的には、取扱商品データベース222の該当の商品の予約状況を「予約済み」に更新する。
そして、ユーザ端末230のブラウザへの表示や、電子メールの送信等の方法で、ユーザ端末に予約完了通知を送信する(S1030)。
予約受付処理224が終了すると、自動的に、商品要求処理226による宿泊施設への商品要求を行なう。
【0029】
<4.商品要求処理>
図11は、商品要求処理226および商品確保処理228の流れを示したフローチャートである。
まず、宿泊施設端末210に商品要求を送信する(S1110)。ここでは、電子メールにより商品要求を送信するものとするが、他の方法(例えば、上述の専用ページへの表示等)により送信してもよい。
本実施形態では、上述の予約受付処理224で販売した商品の情報(日付とルームナンバー等)を、商品要求の情報として送信する。そうすると、宿泊施設ではどの商品が販売されたかわかるので、商品データベース214の該商品の予約状況を「予約済み」に更新して、商品データベース214の予約状況を最新に保つことができる。また、補充すべき商品(例えば販売された商品に近い商品等)を判断することができる。
【0030】
本実施形態では、次のように宿泊施設における残商品確認を行なう。すなわち、商品要求を受信すると、その宿泊施設の担当者が宿泊施設端末210の商品データベース214を検索して、同日の宿泊であってまだ空いている自由流通商品を探して、代理店に提供する商品を決める。これにより、自由流通商品が残り少ない場合や、宿泊日間近の場合等の補充にも柔軟に対応できる。また、代理店で販売された商品と似た商品(部屋の広さや価格、サービス・設備の内容等が似た商品)を探して補充することもできる。
提供する商品が決まったら、代理店サーバ220に提供可能通知を行なうとともに、商品データベース214の該商品の流通形態を「代理店Xへの割当」に更新する。一方、商品を提供できない場合には、提供不可通知を行なう。
本実施形態では、上述の初期割当と同じ方法で提供可能通知を行なうものとする。すなわち、宿泊施設の担当者が、宿泊施設端末210から代理店サーバ220に用意されている専用ページにアクセスして、補充する商品の情報を入力する。なお、他の方法(例えば、電子メール等)で提供可能通知を代理店サーバ220に送信してもよい。提供不可通知は、専用ページにその旨を登録してもよいし、代理店の担当者宛てに電子メールを送信するなどの方法で通知してもよい。
【0031】
<5.商品確保処理>
代理店サーバ220において、宿泊施設端末210から受信(S1120)した応答が提供可能通知である場合(S1130でYesの場合)には、提供された商品を確保する(S1140)。具体的には、初期割当と同様に、宿泊施設の担当者が専用ページから入力した商品の情報を、自動的に取扱商品データベース222に記憶する。
一方、提供不可通知である場合(S1130でNoの場合)には、何もしないで処理を終了する。
【0032】
<6.応用実施例>
上述したように、本実施形態では、宿泊施設における残商品確認、提供可能または提供不可の判断、どの商品を提供するかは、その宿泊施設の担当者が宿泊施設端末210の商品データベース214を検索して決める。
これにより、担当者の経験等に基づいて、自由流通商品が残り少ない場合や、宿泊日間近の場合等の補充にも柔軟に対応できる。また、代理店で販売された商品と似た商品を探して補充することもできる。
一方、商品データベース214からの商品補充を自動的に行なうことにより、よりリアルタイムで確実な補充が可能となる。ここでは、本実施形態の応用実施例として、宿泊施設端末210にアプリケーションを用意して、代理店サーバ220から商品要求を受信すると、自動的に、商品データベース214の残商品を確認して提供可能通知または提供不可通知を代理店サーバ220に送信することにより、上述の残商品確認の処理を行なう。
【0033】
図12は、宿泊施設端末210における残商品確認処理の流れを示したフローチャートである。
まず、代理店サーバ220から宿泊施設端末210に、商品要求が送信される。ここでは、上述の実施例と同様に、代理店で販売された商品の情報を含む商品要求を、電子メールで送信する。しかし、本実施例では、残商品確認処理が商品要求である旨、および商品要求の内容を自動的に判断できる必要がある。このため、例えば、あらかじめ決めた書式に従って生成した電子メールを、あらかじめ決められたメールアドレスから送信する。
宿泊施設端末210は、代理店サーバ220から商品要求を受信する(S1210)と、商品データベース214を更新して、代理店で販売された商品の予約状況を「予約済み」にする。
次に、商品データベース214を検索して、提供可能な商品が残っているかを確認し(S1220)、提供可能な商品がある場合(S1220でYesの場合)には、該商品について商品データベース214の流通形態を「○○代理店(割り当てた代理店)に割当済み」にして(S1230)、代理店サーバ220に提供可能通知を送信する(S1240)。一方、提供可能商品がない場合(S1220でNoの場合)には、代理店サーバ220に提供不可通知を送信する(S1250)。
【0034】
ここで、代理店で販売された商品と近い商品を補充できるようにするとよい。上述したように、代理店サーバ220からの商品要求には販売された商品の情報が含まれているので、その情報をもとに、近い商品であるかを自動的に判断する。
例えば、上述の
図5に示した宿泊施設Aの4月1日分の商品の例では、ルームナンバー101,102,901の商品(宿泊)を代理店Xに初期割当し、ルームナンバー201,202,203,204,1001,1002の商品を代理店Yに初期割当している。
初期割当された商品は、各代理店の代理店サーバ220の取扱商品データベース222に格納されている。
【0035】
図6(a)〜(e)は、代理店Xの販売・補充による取扱商品の変化の様子を、
図7(a)〜(c)は、代理店Yの販売・補充による取扱商品の変化の様子を示した表である。
図6(a)は、代理店Xに初期割当された3部屋である。その後、ルームナンバー101,901の商品が販売されて、取扱商品データベースの在庫は
図6(b)に示すように、ルームナンバー102の1部屋となったものとする。
そうすると、代理店Xの代理店サーバ220から商品要求が宿泊施設端末210に送信される。宿泊施設端末210の残商品確認処理は、商品データベース214を検索して、宿泊施設Aの商品(空いている自由流通商品)が残っているかを確認するが、このとき、販売した商品に近い商品を検索する。例えば、商品データベース214を参照して、同日の宿泊において、販売された部屋とタイプ、広さ、価格等が同じ部屋を、近い商品であると判断する。なお、近い商品であると判断する項目は、必要に応じてシステムで自由に決めてよい。
【0036】
残商品確認の結果、
図5に示す商品のうち、ルームナンバー101の商品に対してはルームナンバー103の商品を、ルームナンバー901の商品に対してはルームナンバー902の商品を、提供可能な商品と判断して、代理店サーバに提供可能通知を送信する。同時に、代理店Xにて販売された商品の商品データベースの予約状況を「予約済み」とし、補充した商品の商品データベースの流通形態を「代理店Xに割当済み」とする。
一方、代理店サーバ220では商品確保処理を行なって取扱商品データベース222を更新する。取扱商品は
図6(c)のようになる。
同様に、代理店Xにてさらにルームナンバー103および902が販売される(
図6(d))と、
図5のルームナンバー104および1101を補充する(
図6(e))。
【0037】
その後、代理店Yが初期割当の6部屋(
図7(a))からルームナンバー201および1001の商品を販売した場合において、代理店Yの代理店サーバ220から商品要求を宿泊施設端末210に送信しても、宿泊施設Aには、代理店Yで販売された商品と近い商品が残っていない。このため、宿泊施設端末210からは提供不可通知が送信され、代理店Yの取扱商品は補充されない(
図7(b))。さらにルームナンバー203および1002を販売して、商品要求を宿泊施設端末210に送信しても、補充されず代理店Yの取扱商品の残商品は
図7(c)のようになる。
【0038】
さらに、宿泊日間近の商品を代理店に提供しないようにするとよい。例えば、商品データベース214に補充終了日の項目を設ける等により、商品の提供可能期間をあらかじめ定めておく。そして、商品データベース214の補充可能な商品のうち、提供可能期間内の商品に限り、代理店サーバ220に補充する。
このように、宿泊日直前の商品は代理店に補充しないことで、代理店からの返品を減らすことができる。
なお、本実施形態では、宿泊の予約に用いる例で説明したが、例えば、本実施形態を、チケットの予約、ゴルフ場などの施設の予約、商品の購入予約等に適用することもできる。その場合、代理店は、チケットの予約、ゴルフ場の予約、商品の購入予約等が行なわれるたびに、その商品を保管している施設(チケット販売元、ゴルフ場、問屋または商品製造会社)に商品を要求し補充する。