特許第5727011号(P5727011)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5727011ブラジキニンB1受容体のアンタゴニストとしての二置換テトラヒドロフラニル化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5727011
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】ブラジキニンB1受容体のアンタゴニストとしての二置換テトラヒドロフラニル化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/12 20060101AFI20150514BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20150514BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20150514BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20150514BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20150514BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20150514BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   C07D405/12CSP
   C07D405/14
   A61K31/443
   A61K31/444
   A61K31/506
   A61K31/501
   A61P43/00 111
   A61P29/00
   A61P29/02
   A61P25/04
   A61P19/02
   A61P11/06
   A61P11/00
   A61P37/08
   A61P17/00
   A61P17/06
   A61P17/02
   A61P17/16
   A61P17/04
   A61P29/00 101
【請求項の数】14
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2013-524457(P2013-524457)
(86)(22)【出願日】2011年8月19日
(65)【公表番号】特表2013-534238(P2013-534238A)
(43)【公表日】2013年9月2日
(86)【国際出願番号】EP2011064260
(87)【国際公開番号】WO2012022795
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2013年2月15日
(31)【優先権主張番号】10173489.5
(32)【優先日】2010年8月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100147588
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 浩司
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】キュルツァー ライムント
(72)【発明者】
【氏名】チェチ アンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】ドーツ ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ユンク ビルジット
【審査官】 緒形 友美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−518672(JP,A)
【文献】 特表2013−519710(JP,A)
【文献】 特表2013−534237(JP,A)
【文献】 特表2010−539204(JP,A)
【文献】 特表2010−507643(JP,A)
【文献】 特表2007−526311(JP,A)
【文献】 特表2005−537323(JP,A)
【文献】 特表2005−516979(JP,A)
【文献】 特表2005−517006(JP,A)
【文献】 特表2007−501790(JP,A)
【文献】 特表2010−536930(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/057899(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0173023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/00−421/14
A61K 31/33− 31/554
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの化合物
【化1】
、(I)
(式中、R1は、
【化2】
から選択される基を意味し、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物または塩。
【請求項2】
一般式Iaの化合物
【化3】
、(Ia)
(式中、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物または塩。
【請求項3】
一般式Ibの化合物
【化4】
、(Ib)
(式中、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物または塩。
【請求項4】
一般式Icの化合物
【化5】
、(Ic)
(式中、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物または塩。
【請求項5】
一般式Idの化合物
【化6】
、(Id)
(式中、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物または塩。
【請求項6】
請求項1に記載の一般式Iの以下の化合物:
【化7】



その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物または塩。
【請求項7】
無機または有機の酸または塩基との、請求項1、2、3、4、5または6のいずれか1項に記載の化合物の生理学的に許容される塩。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5または6の少なくとも1項に記載の化合物または請求項7に記載の生理学的に許容される塩を、1つまたは複数の不活性担体および/または希釈剤と場合により一緒に含有する薬剤。
【請求項9】
薬剤としての使用のための、請求項1、2、3、4、5、6または7の1項に記載の一般式Iの化合物。
【請求項10】
急性疼痛、内臓痛、神経障害性疼痛、炎症性/痛覚受容体媒介性疼痛、腫瘍痛および頭痛疾患の急性および予防的治療のための、請求項1、2、3、4、5、6、または7の1項に記載の一般式Iの化合物を含む医薬組成物
【請求項11】
変形性関節炎の急性および予防的治療のための、請求項1、2、3、4、5、6または7の少なくとも1項に記載の一般式Iの化合物を含む医薬組成物
【請求項12】
喘息または慢性気管支炎またはCOPDの急性および予防的治療のための、請求項1、2、3、4、5、6または7の少なくとも1項に記載の一般式Iの化合物を含む医薬組成物
【請求項13】
アレルギー性および非アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、熱傷、サンバーン、細菌性炎症、化学物質または天然物質(植物、昆虫、虫刺され)に誘発される刺激作用および炎症、ならびにそう痒の治療のための、請求項1、2、3、4、5、6または7の少なくとも1項に記載の一般式Iの化合物を含む医薬組成物
【請求項14】
請求項1、2、3、4、5、6または7の少なくとも1項に記載の化合物が、非化学的方法により1つまたは複数の不活性担体および/または希釈剤に組み込まれることを特徴とする、請求項8に記載の薬剤を調製するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式Iの二置換テトラヒドロフラニル化合物
【化1】
、(I)
(式中、変数R1、R2およびXは、本明細書中で以下に記載されている通りに定義される)、その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物および塩、特に有機または無機の酸または塩基との生理学的に許容されるその塩(これらは有益な特性を有する)、これらを調製するための方法、薬理学的に有効な化合物を含有する薬剤ならびにその調製およびその使用に関する。
本発明は、B1受容体アンタゴニストとしての二置換テトラヒドロフラニル化合物およびその使用、これらの化合物を含有する医薬組成物ならびに急性疼痛、内臓痛、神経障害性疼痛、炎症性および痛覚受容体媒介性疼痛、腫瘍痛ならびに頭痛の予防または治療のためにこれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
B1アンタゴニスト活性を有する化合物は、特許出願WO2009/027450およびWO2010/057899にすでに記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、B1受容体により少なくとも部分的に媒介される疾患の治療のために使用することができる薬剤における薬理学的な活性物質として特に適した新規化合物を提供することであった。
【発明を実施するための形態】
【0004】
実施形態1では、上記一般式Iにおいて、
1は、
【化2】
から選択される基を意味し、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味し、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物および塩、特に有機または無機の酸または塩基との生理学的に許容されるその塩。
本発明の実施形態2は、一般式Iaの化合物
【化3】
、(Ia)
(式中、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物および塩、特に有機または無機の酸または塩基との生理学的に許容されるその塩を含む。
【0005】
本発明の実施形態3は、一般式Ibの化合物
【化4】
、(Ib)
(式中、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物および塩、特に有機または無機の酸または塩基との生理学的に許容されるその塩を含む。
【0006】
本発明の実施形態4は、一般式Icの化合物
【化5】
、(Ic)
(式中、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物および塩、特に有機または無機の酸または塩基との生理学的に許容されるその塩を含む。
【0007】
本発明の実施形態5は、一般式Idの化合物
【化6】
、(Id)
(式中、
2は、H、ClまたはFを意味し、
Xは、CHまたはNを意味する)、
その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物および塩、特に有機または無機の酸または塩基との生理学的に許容されるその塩を含む。
【0008】
上記一般式Iのもっとも特に好ましい化合物、その鏡像異性体、ジアステレオマー、混合物および塩、特に有機または無機の酸または塩基との生理学的に許容されるその塩の例として以下を記述する。
【0009】
【化7】
【0010】
(表続き)
【0011】
(表続き)
【0012】
(表続き)
【0013】
使用される用語および定義
本発明の主題は、本明細書中で上記に記述されている一般式Iの新規化合物(その塩を含む)であって、1個または複数の水素原子、例えば1、2、3,4または5個の水素原子が重水素で置き換えられている化合物を包含する。
別途述べられていない限り、明細書または請求項の中で特定されている化学式または名称は、すべての構造的に可能な、および熱力学的に安定した互変異性体だけでなく、すべての立体異性体、光学異性体、幾何異性体(例えば鏡像異性体、ジアステレオマー、E/Z異性体など)、ラセミ体および個々の鏡像異性体の異なる割合の混合物、ジアステレオマーの混合物、または異性体および鏡像異性体が存在する、本明細書中で上記に記述されている各形態の混合物もまた包含する。
一般式Iの化合物の溶媒和物、例えばその水和物もまた本発明の主題により含まれている。
生理学的に許容される塩を含めたそれぞれの場合において記述されている化合物の塩、ならびにその溶媒和物、例えば水和物などもまた本発明の主題に含まれる。
一般式Iの化合物は、これらが適した塩基性官能基、例えばアミノ基などを含有する場合、特に医薬品用途のための、無機または有機の酸との生理学的に許容されるその塩に変換することができる。
【0014】
「生理学的に許容される塩」という用語は、本発明で使用する場合、好ましくは、生理学的に許容される、すなわちヒトおよび/または哺乳動物における使用に特に適した、本発明による化合物の塩を意味するものとみなされる。
「生理学的に許容される」という用語は、本発明において、合理的な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー反応もしくは他の問題または合併症なしに、ヒトまたは動物組織と接触させて使用するのに適しているとみなされ、リスク/ベネフィット比のバランスがとれている化合物、成分、組成物および/または調製物を言及するために使用される。
【0015】
この目的のための無機酸の例として、例えば臭化水素酸、リン酸、硝酸、塩酸または硫酸が挙げられ、一方で有機酸の例として、ギ酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、コハク酸、酢酸、エチレンジアミン四酢酸、フマル酸、グルタミン酸、ヘキサン−1−スルホン酸、炭酸、マレイン酸、マンデル酸、乳酸、モノメチルセバシン酸、ニコチン酸、シュウ酸、5−オキソプロリン、サッカリン酸、スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、エタン−1,2−二スルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸など、酒石酸またはクエン酸が挙げられる("Pharmaceutical salts", Birge, S. M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19を参照)。
さらに、一般式Iの化合物は、これらが適したカルボン酸官能基を含有する場合、特に医薬品用途のための、無機または有機の塩基との生理学的に許容されるその塩に変換することができる。無機塩基の例として、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、または炭酸塩、アンモニア、亜鉛または水酸化アンモニウムなどが挙げられる。有機アミンの例として、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミンまたはジシクロヘキシルアミンが挙げられる。
本発明による生理学的に許容される塩は、適した塩基性または酸性の単位を含有する本発明による化合物から開始して、従来の化学的方法を用いて合成することができる。一般的に、このような種類の塩は、遊離酸または塩基の基を、必要量の塩基または酸と、水または有機溶媒、例えばジエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリルまたはこれら溶媒の混合物の中で反応させることによって調製することができる。
【0016】
本発明による化合物は、これらがキラル要素を1つだけ有するが、これらが純粋な鏡像異性体、すなわち(R)または(S)形態としても得ることができる場合、ラセミ体として生じてもよい。
しかし、本出願はまた、一般式Iの化合物内に2つ以上のキラル要素がある場合存在する個々のジアステレオマーの対の対掌体またはその混合物、ならびに上述のラセミ体を構成する個々の光学活性鏡像異性体も包含する。
炭素二重結合を有する化合物は、EおよびZの両形態で存在し得る。
化合物が異なる互変異性体の形態で存在することができる場合、調製する化合物は、1つの互変異性体形態に制限されることはなく、すべての互変異性体形態を含む。これはまた、特に窒素含有ヘテロアリールにも適用される:
【0017】
【化8】
【0018】
調製方法
本発明によると、一般式Iの化合物は、それ自体知られている方法を用いて、例えば以下の方法により得られる:
(A)アミドカップリング:
【0019】
【化9】
一般式Iのカルボン酸アミド(式中、R1、R2およびXは本明細書中で上記に定義された通りである)を形成するための、一般式IIのカルボン酸(式中、R1は本明細書中で上記に定義された通りである)と、一般式IIIのアミン(式中、R2およびXは本明細書中で上記に定義された通りである)の例示されている連結は、アミド形成の従来の方法により行うことができる。
カップリングは、ペプチド化学(例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, vol. 15/2を参照)からの知られている方法を用いて、例えばカルボジイミド、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)またはエチル−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−カルボジイミド、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N−N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)または−テトラフルオロボレート(TBTU)または1H−ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−tris−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート(BOP)などを用いて行うことが好ましい。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)または3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジ−ヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)の添加により、反応速度を増加させることができる。カップリングは通常、等モル量のカップリング成分およびカップリング試薬を用いて、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)またはこれらの混合物などの溶媒中で行う。必要に応じて、補助の塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、Huenig塩基)などをさらに使用する。
一般式IIのカルボン酸(式中、R1は本明細書中で上記に定義された通りである)を、対応するカルボン酸塩化物に変換し、次いで後者を一般式IIIのアミン(式中、R2およびXは本明細書中で上記に定義された通りである)と反応させることもまた可能である。カルボン酸塩化物は、文献から知られている方法で合成する(例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, vol. E5/1を参照)。
【0020】
(B)ニトリル基の還元:
【0021】
【化10】
一般式IIIのアミン(式中、R2およびXは本明細書中で上記に定義された通りである)を得るための一般式IVのニトリル(式中、R2およびXは本明細書中で上記に定義された通りである)の還元は、触媒の水素化分解の標準的条件下で、例えばアンモニア性メタノールもしくはエタノールなどの溶媒中で例えばラネーニッケルなどの触媒を用いて、または例えばテトラヒドロフランなどの溶媒中で、例えば水素化リチウムアルミニウムまたは水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて、場合により例えば塩化アルミニウムなどのルイス酸の存在下で行われてもよい。
【0022】
(C)求核性芳香族置換または遷移金属触媒によるカップリング:
【0023】
【化11】
アニリンVIと、一般式Vのニトリル(式中、R2およびXは本明細書中で上記に定義された通りであり、Halは、フッ素、塩素または臭素原子を意味する)の反応は、知られている方法により、例えば溶媒なしで、または例えばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドなどの溶媒中で、好都合には、例えばトリエチルアミン、水酸化ナトリウム溶液または炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、20℃〜160℃の温度で行う。
一般式IVの化合物を調製する代替法は、一般式Vのニトリル(式中、Halは、塩素、臭素またはヨウ素を意味する)と、アニリンVIのパラジウム触媒による反応である。Buchwald−Hartwig反応としても知られているこの反応の反応条件は、文献から知られている。
【0024】
cynoBK1受容体の結合方法の説明
カニクイザルB1受容体を発現するCHO細胞を「HAM’S F−12培地」内で培養する。培地をコンフルエントな培養物から取り除き、細胞をPBS緩衝液で洗浄し、削り取るか、またはVerseneを用いて分離し、遠心分離で単離する。次いで細胞を懸濁液中でホモジナイズし、ホモジネートを遠心分離し、再懸濁させる。タンパク質含有量を求めた後、200μlのホモジネート(50〜250μgのタンパク質/アッセイ)を、周囲温度で60〜180分間、0.5〜5.0nMカリジン(DesArg10、Leu9)、[3,4−プロリル−3,43H(N)]および増加する濃度の試験物質と共に総体積250μlでインキュベートする。ポリエチレンイミン(0.3%)で前処理しておいたGF/Bグラスファイバーフィルターを介して急速な濾過を行うことによってインキュベーションを停止する。タンパク質結合放射能を、TopCount NXTで測定する。1.0μMカリジン(DesArg10)の存在下で結合した放射能を、非特異的結合と定義する。コンピュータ支援による非線形カーブフィッティングを用いて、試験物質に対する対応するKi値を求めることによって、濃度結合曲線を分析することができる。
cynoBK1受容体結合アッセイの試験結果:
【0025】
【表1】
【0026】
適応症
これらの薬理学的特性を考慮して、新規化合物およびこれらの生理学的に許容される塩は、少なくともある程度ブラジキニン−B1受容体の刺激に起因する、またはブラジキニン−B1受容体の拮抗作用が、症状の改善をもたらすことができる疾患および疾患の症状を治療するのに適している。
【0027】
さらなる態様において、本発明は、薬剤としての使用のための、本発明による上述の一般式Iの化合物を包含する。
【0028】
これらの薬理学的効果を考慮すると、この物質は、以下の治療に適している:
(a)急性疼痛、例えば歯痛、術中および術後の疼痛、外傷性疼痛、筋痛、熱傷、サンバーンに起因する疼痛、三叉神経痛、仙痛に起因する疼痛ならびに胃腸管または子宮の痙攣など、
(b)内臓痛、例えば慢性の骨盤痛、婦人科痛、月経前痛および月経痛、膵炎、消化性潰瘍、間質性膀胱炎、腎仙痛、胆嚢炎、前立腺炎、狭心症に起因する疼痛、過敏性大腸、非潰瘍性消化不良および胃炎、前立腺炎に起因する疼痛、非心臓性胸郭痛ならびに心筋虚血および心筋梗塞に起因する疼痛など;
(c)神経障害性疼痛、例えば有痛性多発神経障害、糖尿病性神経障害の疼痛、AIDSに伴う神経障害性疼痛、非ヘルペスに伴う神経痛、帯状疱疹後神経痛、神経損傷、脳頭蓋外傷、毒素または化学療法に起因する神経損傷の疼痛、幻影疼痛、多発性硬化症、神経根裂傷および個々の神経の有痛性外傷性損傷の疼痛、ならびに例えば脳卒中、脊髄傷害または腫瘍の後の中心性疼痛など;
(d)以下の疾患と関連のある炎症性/痛覚受容体媒介性疼痛、例えば変形性関節炎、関節リウマチ、リウマチ熱、腱滑膜炎、滑液包炎、腱炎、痛風および痛風関節炎、外傷性関節炎、外陰部痛、筋肉および筋膜の損傷および疾患、若年性関節炎、椎骨炎、乾癬関節炎、筋炎、歯の疾患、インフルエンザおよび他のウイルス感染症、例えば風邪、全身性エリテマトーデスなど、または熱傷に起因する疼痛など、
(e)がんに伴う腫瘍痛、例えばリンパ性または骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、リンパ肉芽腫症、リンパ肉腫、固形悪性腫瘍および広範な転移など;
(f)様々な起源の頭痛疾患、例えば群発性頭痛、片頭痛(前兆を伴うもの、伴わないもの)および緊張性頭痛など、
(g)混合した起源の有痛性状態、例えば腰痛を含めた慢性背痛、または線維筋痛など。
【0029】
化合物はまた、以下を治療するのに適している。
(h)皮膚および粘膜の炎症性および/または浮腫性疾患、例えばアレルギー性および非アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、熱傷、サンバーン、細菌性炎症、化学物質または天然物質(植物、昆虫、虫刺され)に誘発される刺激作用および炎症、そう痒、歯ぐきの炎症、熱傷に起因する外傷後の浮腫、血管性浮腫またはブドウ膜炎など;
(i)気道および肺の疾患に関連した以下の炎症変化、例えばアレルギー性喘息(アトピー性および非アトピー性)を含めた気管支喘息、ならびに激しい活動時の気管支攣縮、職業誘発性喘息、既存の喘息のウイルス性または細菌性悪化および他の非アレルギー性の誘発性喘息疾患など、慢性気管支炎および慢性閉塞性肺疾患(COPD)、例えば肺気腫、慢性気管支炎または慢性閉塞性気管支炎のウイルスまたは細菌による悪化など、急性成人呼吸促拍症候群(ARDS)、気管支炎、肺炎症、アレルギー性鼻炎(季節性および一年中)、血管運動性鼻炎および肺の中のちりに起因する疾患、例えばアルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、石肺症、鉄沈着症、ケイ肺症、タバコ症および綿肺症など、外部からのアレルギー性肺胞炎、肺線維症、気管支拡張症、アルファ1−アンチトリプシン欠損症における肺疾患ならびに咳など;
(j)消化管の炎症性疾患、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、膵炎などを含めたもの;
(k)真性糖尿病およびその作用(例えば糖尿病性脈管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症)および膵島炎における糖尿病の症状(例えば高血糖、利尿、タンパク質尿ならびに亜硝酸塩およびカリクレインの腎臓排泄の増加);
(l)細菌感染後または外傷後の敗血症および敗血症性ショック;
(m)接合部および結合組織の炎症性疾患、例えば結合組織の血管の疾患、捻挫および破断、および炎症性症状を有する筋骨格疾患、例えば急性リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛症、反応性関節炎、関節リウマチ、脊椎関節炎、さらに変形性関節炎、および他の起源の結合組織の炎症、およびすべての起源の膠原病、例えば全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スティル病またはフェルティー症候群、ならびに血管の疾患、例えば結節性汎動脈炎、結節性多発性動脈炎、結節性動脈周囲炎、側頭動脈炎、ウェーグナー肉芽腫症、巨細胞動脈炎、アテローム性動脈硬化症および結節性紅斑など;
(n)中枢神経系の疾患および損傷、例えば脳浮腫、ならびに精神疾患、例えばうつ病などの治療および予防、およびてんかんの治療および予防など;
(o)呼吸器、泌尿生殖器、胆管を含めた消化管または血管の構造および器官の運動性または痙攣の障害など;
(p)術後の発熱;
(q)循環器疾患、例えば高血圧および関係する病気などの治療および予防のため;
(r)アテローム性動脈硬化症および関係する病気の治療および予防のため;
(s)がんおよび関係する病気の治療および予防のため;
(t)泌尿生殖器官の疾患、例えば尿失禁および関係する病気、前立腺肥大および過活動膀胱、腎炎、膀胱炎(間質性膀胱炎)の治療および予防のため;
(u)病的肥満および関係する病気の治療および予防のため。
この物質は、慢性進行性疾患、特に変形性関節炎、関節リウマチおよび脊椎関節炎の進行を遅らせるまたは停止するという点から原因療法に適している。
【0030】
別の態様において、本発明は、上述の適応症における治療的使用のための薬剤を調製するための、本発明による上述の一般式Iの化合物の使用を包含する。
好ましくは、本発明による一般式Iの化合物は、変形性関節炎、関節リウマチまたはCOPDの治療のために使用される。
好ましくは、一般式Iの新規の化合物はまた、皮膚の炎症性疾患、例えばアレルギー性および非アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、熱傷、サンバーン、細菌性炎症、化学物質または天然物質に誘発される刺激作用および炎症(植物、昆虫、虫刺され)またはそう痒などの治療のために使用される。
「治療」または「療法」という用語は、明白な、急性または慢性の適応症を有する患者の治療上の処置を指し、一方では疾患の症状を緩和するための症候性(緩和的)治療を含み、他方では適応症の性質または重大さに応じて、病理学的状態を終結させ、病理学的な状態の重症度を減少させ、または病理学的状態の進行を遅延させるという目的の、適応症の原因療法または治癒的治療を含む。
【0031】
本発明は、急性疼痛、内臓痛、神経障害性疼痛、炎症性/痛覚受容体媒介性疼痛、腫瘍痛、頭痛および混合した原因の疼痛ならびに上述されている他の疾患の、急性および予防的治療のための薬剤を調製するための一般式Iの化合物の使用にさらに関する。本使用は、このような治療を必要とする患者に、一般式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩の有効量を投与することを含むことを特徴とする。
「患者」という用語は、好ましくはヒトを指す。
ヒトのための治療的薬物としてのこれらの適合性に加えて、これらの物質はまた、飼い慣らしたペット、珍しい動物および飼育動物の動物用の医学的治療に有用である。
【0032】
本発明は、少なくとも1つの新規の一般式Iの化合物と、場合により適した添加物および/またはアジュバントおよび/または場合により他の活性物質とを含有する薬剤にさらに関する。
疼痛緩和効果を達成するのに必要な用量は、患者の体重、投与の方法、適応症および病気の重症度に応じて異なる。通常、投与する活性物質の量は、静脈内に投与する場合、0.01〜3mg/kg(体重)、好ましくは0.1〜1mg/kgであり、経口的に投与する場合、0.1〜8mg/kg(体重)、好ましくは0.5〜3mg/kgであり、それぞれの場合において1日1回〜3回である。
【0033】
本発明による薬剤は、本発明による少なくとも1つの一般式Iの化合物に加えて、適した、不活性添加物および/またはアジュバント、例えば、担体材料、充填剤、溶媒、希釈剤、着色剤および/または結合剤などを含有してもよい。これらは、注射用液剤、ドロップ剤またはシロップ剤の形態で液体医薬として、顆粒剤、錠剤、ペレット剤、パッチ剤、カプセル剤、プラスター剤/スプレー式プラスター剤またはエアゾール剤の形態で半固体製剤として投与することができる。
本発明に従い調製した化合物は、静脈内、皮下、筋肉内、直腸内または鼻腔内の経路により、吸入により、経皮的または経口の経路により、経口的に、非経口的に、皮内に、口から、直腸または局所的に、例えば皮膚、粘膜または眼に投与することができるが、エアゾール製剤は吸入に特に適している。これらは、1つまたは複数の不活性な、従来からの担体および/または希釈剤と一緒に、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、ブドウ糖、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロースまたは脂肪性物質、例えば硬化脂肪またはその適した混合物などと共に、従来からのガレヌス製剤、例えば錠剤、コーティング錠剤、カプセル剤、顆粒剤、ドロップ剤、エリキシル剤、シロップ剤、散剤、懸濁剤、液剤、定量エアゾール剤または坐剤に組み込んでもよい。
【0034】
併用
疼痛を治療するために、本発明による化合物を、刺激物質、例えばカフェインまたは他の疼痛軽減活性化合物と併用することが有利となり得る。疼痛の原因を治療するのに適した活性化合物が入手可能な場合、これらを本発明による化合物と併用することができる。
【0035】
例えば、以下の化合物を併用療法に使用することができる:
非ステロイド性リウマチ治療薬(NSAR)、例えばプロピオン酸誘導体など、これは、アルミノプロフェン、ブクロキシン酸、カルプロフェン、フェノプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェンおよびチアプロフェン酸の中から選択することができる;酢酸誘導体、これはインドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、イソキセパク、スリンダクおよびトルメチンの中から選択することができる;フェナム誘導体、これはメクロフェナム酸、メフェナム酸およびトルフェナム酸の中から選択することができる;ビフェニル−カルボン酸誘導体;オキシカム、これはメロキシカム、ピロキシカムおよびテノキシカムの中から選択することができる;サリチル酸誘導体、これはアセチルサリチル酸およびスルファサラジンの中から選択することができる;ピラゾロン、これはアパゾンおよびフェプラゾンの中から選択することができる;ならびにコキシブ、これはセレコキシブおよびエトリコキシブンの中から選択することができる。
オピエート受容体アゴニスト、例えばモルヒネ、Darvon、トラマドールおよびブプレノルフィンの中から選択することができる。
カンナビノイドアゴニスト、例えばGW−1000など。
ナトリウムチャネル遮断剤、例えばカルバマゼピン、メキシレチン、プレガバリン、テクチンおよびラルフィナミドの中から選択される。
N型カルシウムチャネル遮断薬、例えばジコノチドなど。
セロトニン作動性およびノルアドレナリン作動性モジュレーター、例えばデュロキセチンおよびアミトリプチリンの中から選択することができる。
コルチコステロイド、例えばベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンの中から選択することができる。
ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト、例えばブロモフェニラミン、クロロフェニラミン、デキスクロルフェニルアミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、ロラタジン、セチリジン、デスロラタジン、フェキソフェナジンおよびレボセチリジンの中から選択することができる。
ロイコトリエンアンタゴニストおよび5−リポキシゲナーゼ阻害剤、例えばザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカストおよびジレウトンの中から選択することができる。
局所麻酔、例えばアンブロキソールおよびリドカインの中から選択することができる。
TRVP1アンタゴニスト、例えばAZD−1386、JTS−653およびPHE−377の中から選択することができる。
ニコチン受容体アゴニスト、例えばA−366833など。
P2X3受容体アンタゴニスト、例えばA−317491など。
抗NGF抗体およびNGFアンタゴニスト、例えばJNJ−42160443およびPPH207の中から選択することができる。
NK1およびNK2アンタゴニスト、例えばCP−728663など。
NMDAアンタゴニスト、例えばCNS−5161、AZ−756およびV−3381の中から選択される。
カリウムチャネルモジュレーター、例えばCL−888など。
GABAモジュレーター、例えばバクロフェンなど。
抗片頭痛薬物、例えばスマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタンおよびエレトリプタンなど。
【0036】
1つまたは複数の上述の呼吸器の病気を治療するために、本発明による一般式Iの化合物を、呼吸器の病気を治療するための他の活性物質と併用することが有利となり得る。呼吸器の病気の原因を治療するための適した活性物質が入手可能な場合、これらを本発明による化合物と併用することができる。
【0037】
一般式Iの化合物はまた、他の薬理学的活性物質と一緒に使用してもよい。ベータ模倣薬、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、LTD4受容体アンタゴニスト、MAPキナーゼ阻害剤、EGFR阻害剤、H1受容体アンタゴニスト、H4受容体アンタゴニスト、PAFアンタゴニスト、PI3キナーゼ阻害剤、CXCR1および/またはCXCR2受容体アンタゴニストおよび鎮咳薬の中から選択される種類の活性物質を使用することが好ましい。
【0038】
本発明に従い使用されるベータ模倣薬は、好ましくは、アルホルモテロール、カルモテロール、ホルモテロール、インダカテロール、サルメテロール、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、ミルベテロール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、ツロブテロール(tolubuterol)およびジンテロールまたは
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド、
・N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−6−フルオロ−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド、
・N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−6−メトキシ−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド、
・N−(5−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−4,4−ジプロピル−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド、
・8−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[1,1−ジメチル−3−(6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−5−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[1,1−ジメチル−3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・N−[2−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド、
・8−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
・8−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−(6−フェネチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン、
・5−[(1R)−2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
・[3−(4−{6−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−ウレア、
・4−((1R)−2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
・3−(4−{6−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、
・3−(3−{7−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンゼンスルホンアミド、
・4−((1R)−2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
・N−1−アダマンタニル−2−{3−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}アセトアミド、
・(1R)−5−{2−[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニル−エトキシ)−ヘキシルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
・(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシル−メチル)フェノール、
・(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシル−メチル)フェノール、
・(R,S)−4−(2−{[4,4−ジフルオロ−6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシル−メチル)フェノール、
・(R,S)−4−(2−{[6−(4,4−ジフルオロ−4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシル−メチル)フェノール、
・(R,S)−5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン、
・(R,S)−[2−({6−[2,2−ジフルオロ−2−(3−メチルフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、
・4−(1R)−2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシル−メチル)フェノール、
・(R,S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−(1−ヒドロキシ−2−{[4,4,5I5−テトラフルオロ−6−(3−フェニルプロポキシ)−ヘキシル]アミノ}エチル)フェノール、
・(R,S)−[5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシ−フェニル]ホルムアミド、
・(R,S)−4−[2−({6−[2−(3−ブロモフェニル)−2,2−ジフルオロエトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、
・(R、S)−N−[3−(1,1−ジフルオロ−2−{[6−({2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]−ウレア、
・3−[3−(1,1−ジフルオロ−2−{[6−({2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
・(R,S)−4−[2−({6−[2,2−ジフルオロ−2−(3−メトキシフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、
・5−((1R)−2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン、
・4−((1R)−2−{[4,4−ジフルオロ−6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシル−メチル)フェノール、
・(R,S)−4−(2−{[6−(3,3−ジフルオロ−3−フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシルメチル)フェノール、
・(R,S)−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)−4,4−ジフルオロヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、
・(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−3−フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシル−メチル)フェノール、
・3−[2−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−{2−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エチルアミノ]−エチル}−プロピオンアミド、
・N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−{2−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エチルアミノ]−エチル}−3−(2−ナフタレン−1−イル−エトキシ)−プロピオンアミド、
・7−[2−(2−{3−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピルスルファニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オン
の中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。好ましくは、本発明に従い、ベータ模倣薬の酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0039】
本発明に従い使用される抗コリン作用薬は、チオトロピウム塩、好ましくは臭化物塩、オキシトロピウム塩、好ましくは臭化物塩、フルトロピウム塩、好ましくは臭化物塩、イプラトロピウム塩、好ましくは臭化物塩、アクリジニウム塩、好ましくは臭化物塩、グリコピロニウム塩、好ましくは臭化物塩、トロスピウム塩、好ましくは塩化物塩、トルテロジン、(3R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩の中から選択される化合物が好ましい。上述の塩において、カチオンは、薬理学的に活性な成分である。アニオンX-として、上述の塩は、好ましくは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、マレイン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、安息香酸イオンまたはp−トルエンスルホン酸イオンを含有することができ、一方で塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、メタンスルホン酸イオンまたはp−トルエンスルホン酸イオンは、対イオンとして好ましい。すべての塩の中でも、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびメタンスルホン酸塩が特に好ましい。
【0040】
他の抗コリン作用薬は、
・トロペノール 2,2−ジフェニルプロピオネート−メトブロミド、
・スコピン 2,2−ジフェニルプロピオネート−メトブロミド、
・スコピン 2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール 2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール 3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン 3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール 4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン 4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール 3,3’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン 3,3’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール 9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール 9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン 9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン 9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール 9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン 9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン 2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン 9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン 9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン 9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン 9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピンメチル 4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール 9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン 9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール 9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン 9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール 9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール 9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、および
・スコピン 9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド
の中から選択することができる。
【0041】
本発明に従い使用されるコルチコステロイドは、好ましくは、ベクロメタゾンベタメタゾン、ブデソニド、ブチキソコート、シクレソニド、デフラザコート、デキサメタゾン、エチプレドノール、フルニソリド、フルチカゾン、ロテプレドノール、モメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、トリアムシノロンおよびチプレダンまたはプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、6−フルオロ−11−ヒドロキシ−16,17−[(1−メチルエチリデン)−ビス(オキシ)]−21−[[4−[(ニトロキシ)メチル]ベンゾイル]オキシ]、(6−アルファ,11−ベータ,16−アルファ)−(9CI)(NCX−1024)
・16,17−ブチリデンジオキシ−6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−17−(メチルチオ)アンドロスタ−4−エン−3−オン(RPR−106541)、
・(S)−フルオロメチル6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、および
・シアノメチル6−アルファ,9−アルファ−ジフルオロ−11−ベータ−ヒドロキシ−16アルファ−メチル−3−オキソ−17アルファ−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17ベータ−カルボキシレート
の中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマーの形態であってもよく、その塩および誘導体、その溶媒和物および/または水和物の形態であってもよい。全てのステロイドの言及には、存在し得る任意のその塩または誘導体、水和物もしくは溶媒和物の言及が含まれる。ステロイドの可能な塩および誘導体の例は以下であってもよい:アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩またはフロ酸塩など。
【0042】
本発明に従い使用されるPDE4阻害剤は、好ましくは、エンプロフィリン(enprofyllin)、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン、リリミラスト、アプレミラスト、アロフィリン、アチゾラム、オグレミラストおよびテトミラストまたは
・5−[(N−(2,5−ジクロロ−3−ピリジニル)−カルボキサミド]−8−メトキシ−キノリン(D−4418)、
・N−(3,5−ジクロロ−1−オキシド−4−ピリジニル)−カルボキサミド]−8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−キノリン(D−4396(Sch−351591))、N−(3,5−ジクロロピリド−4−イル)−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−インドール−3−イル]グリオキシル酸アミド(AWD−12−281(GW−842470))、9−[(2−フルオロフェニル)メチル]−N−メチル−2−(トリフルオロメチル)−9H−プリン−6−アミン(NCS−613)、
・4−[(2R)−2−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−フェニルエチル]−ピリジン(CDP−840)、
・N−[(3R)−3,4,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−4−オキソ−1−フェニルピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−ピリジンカルボキサミド(PD−168787)、
・4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ナフタレニル]−1−(2−メトキシエチル)−2(1H)−ピリジノン(T−440)、
・2−[4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ナフタレニル]−2−ピリジニル]−4−(3−ピリジニル)−1(2H)−フタラジノン(T−2585)、
・(3−(3−シクロペニルオキシ−4−メトキシベンジル)−6−エチルアミノ−8−イソプロピル−3H−プリン(V−11294A)、
・ベータ−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド(CDC−801)、
・イミダゾ[1,5−a]ピリド[3,2−e]ピラジン−6(5H)−オン、9−エチル−2−メトキシ−7−メチル−5−プロピル−(D−22888)
・5−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−3−[(3−メチルフェニル)メチル]−、(3S,5S)−2−ピペリジノン(HT−0712)、
・4−[1−[3,4−ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]−2−(3−メチル−1−オキシド−4−ピリジニル)エチル]−アルファ,アルファ−ビス(トリフルオロメチル)−ベンゼンメタノール(L−826141)、
・N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンズアミド、
・(−)p−[(4aR*,10bS*)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s]−[1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド、
・(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、
・3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N’−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]−ベンジル)−2−ピロリドン、
・cis[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]、
・2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)−シクロヘキサン−1−オン、
・cis[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]、
・(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンおよび
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
の中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。好ましくは、本発明に従い、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0043】
本発明に従い使用されるLTD4受容体アンタゴニストは、好ましくは、モンテルカスト、プランルカストおよびザフィルルカスト、または(E)−8−[2−[4−[4−(4−フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(MEN−91507)、
・4−[6−アセチル−3−[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルチオ)プロポキシ]−2−プロピルフェノキシ]−酪酸(MN−001)、
・1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、
・1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸および
・[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸
の中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。好ましくは、本発明に従い、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。LTD4受容体アンタゴニストが形成可能であってもよい塩または誘導体とは、例えばアルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩またはフロ酸塩などを意味する。
【0044】
本発明に従い使用されるMAPキナーゼ阻害剤は、好ましくは:
・Bentamapimod(AS−602801)
・Doramapimod、
・5−カルバモイルインドール(SD−169)、
・6−[(アミノカルボニル)(2,6−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−ピリジンカルボキサミド(VX−702)、
・アルファ−[2−[[2−(3−ピリジニル)エチル]アミノ]−4−ピリミジニル]−2−ベンゾチアゾールアセトニトリル(AS−601245)、
・9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’.2’.1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−10−カルボン酸(CEP−1347)、および
・4−[3−(4−クロロフェニル)−5−(1−メチル−4−ピペリジニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリミジン(SC−409)
の中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。
【0045】
本発明に従い使用されるEGFR阻害剤は、好ましくは、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ(=ABX−EGF)、Mab ICR−62、ゲフィチニブ、カネルチニブおよびエルロチニブ、または
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−エチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(モルホリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)−アミノ]−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
・3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、
・4−{[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(モルホリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(モルホリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(4−メチル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{cis−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{cis−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(cis−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[cis−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[cis−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[trans−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン;
・[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(ホモモルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−(2−{4−[(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−5−イル)カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、および
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−[(4−{N−[2−(エトキシカルボニル)−エチル]−N−[(エトキシ−カルボニル)メチル]アミノ}−1−オキソ−2−ブテン−1−イル)アミノ]−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
の中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、溶媒和物および/または水和物の形態であってもよい。好ましくは、本発明に従い、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0046】
本発明に従い使用されるヒスタミンH1受容体アンタゴニストは、好ましくは、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、セキスクロルフェニラミン、フェニラミン、ドキシラミン、クロロフェノキサミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、オロパタジン、デスロラチジンおよびメクロジンの中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。好ましくは、本発明に従い、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0047】
本発明に従い使用されるヒスタミンH4受容体アンタゴニストは、好ましくは例えば(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(4−メチル−1−ピペラジニル)−メタノン(JNJ−7777120)などの化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。好ましくは、本発明に従い、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される酸付加塩が使用される。
【0048】
本発明に従い使用されるPAFアンタゴニストは、好ましくはレキシパファントおよび以下の化合物
・4−(2−クロロフェニル)−9−メチル−2−[3(4−モルホリニル)−3−プロパノン−1−イル]−6H−チエノ−[3,2−f]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピンおよび
・6−(2−クロロフェニル)−8,9−ジヒドロ−1−メチル−8−[(4−モルホリニル)カルボニル]−4H,7H−シクロ−ペンタ−[4,5]チエノ−[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
の中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。好ましくは、本発明に従い、酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩の中から選択される。
【0049】
本発明に従い使用されるPI3キナーゼ阻害剤は、好ましくは
・5−(キノキサリン−6−イルメチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン(AS−605240)、
・2−[(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)メチル]−5−メチル−3−(2−メチルフェニル)−4(3H)−キナゾリノン(C−87114)および
・2−メチル−2−[4−[3−メチル−2−オキソ−8−(キノリン−3−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ−235)
の中から選択される化合物であり、そのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。
【0050】
本発明に従い使用されるCXCR1またはCXCR2アンタゴニストは、好ましくは3−[[3−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−ヒドロキシフェニル]アミノ]−4−[[(R)−1−(5−メチルフラン−2−イル)プロピル]−アミノ]シクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(SCH−527123)の中から選択される化合物であり、そのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。
本発明に従い使用される鎮咳物質は、好ましくはハイドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンおよびデキストロメトルファン(dextramethorphane)の中から選択される化合物であり、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。
【0051】
皮膚および粘膜の炎症性および/または浮腫性疾患を治療するための本発明による一般式Iの化合物は、例えばメトトレキサート、シクロスポリン、局所用ステロイド、局所用カルシニューリン阻害剤、ビタミンD類似体、フマレート(fumurate)、PDE4阻害剤およびTNFアンタゴニストの中から選択される物質などと併用してもよく、これらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態であってもよく、薬理学的に許容されるその酸付加塩、プロドラッグ、溶媒和物または水和物の形態であってもよい。
本発明に従い使用されるカルシニューリン阻害剤は、好ましくはタクロリムスおよびピメクロリムスの中から選択される化合物である。
本発明に従い好ましく使用されるビタミンD類似体は、カルシポトリオールである。
本発明に従い好ましく使用されるフマレート(fumurate)は、BG12(経口フマレート(fumurate))である。
本発明に従い使用されるTNFアンタゴニストは、好ましくはエタネルセプト(Enbrel)、インフリキシマブ(Remicade)およびアダリムマブ(Humira)の中から選択される化合物である。
【0052】
疼痛軽減効果を得るために必要な用量は、静脈内投与の場合、適切には、体重に対して0.01〜3mg/kg、好ましくは0.1〜1mg/kgであり、経口投与の場合、体重に対して0.1〜8mg/kg、好ましくは0.5〜3mg/kgであり、それぞれの場合において1日当たり1回、2回または3回である。本発明に従い調製した化合物は、静脈内、皮下、筋肉内、直腸内、鼻腔内、吸入により、経皮的または経口的に投与することができ、エアゾール製剤は特に吸入に適している。これらは、通例の医薬調製物、例えば錠剤、コーティング錠剤、カプセル剤、散剤、懸濁剤、液剤、定量エアゾール剤または坐剤へと組み込むことができ、適切であれば1つまたは複数の通例の不活性担体および/または希釈剤と一緒に、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、ショ糖、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロースまたは脂肪性物質、例えば硬化脂肪、または適したこれらの混合物などと共に組み込むことができる。
【0053】
実験のセクション
一般的に、調製した化合物に対し質量スペクトルおよび/または1H NMRスペクトルが存在する。溶出液に対して与えられる比は、対象となる溶媒の体積単位で表される。アンモニアでは、与えられる体積単位は、水中アンモニア濃縮溶液に基づく。別途示されていない限り、反応溶液を後処理するために使用される酸、塩基および塩の溶液は、記載の濃度を有する水性の系である。
クロマトグラフィー精製のため、Millipore製のシリカゲル(MATREX(登録商標)、35〜70μm)またはAlox(E.Merck、Darmstadt、Alumina 90標準、63〜200μm、製品No.1.01097.9050)を使用する。
【0054】
実験の記載の中では、以下の略語が使用される:
TLC 薄層クロマトグラフィー
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
Pd2(dba)3 tris(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)
RP 逆相
t 保持時間
tert 第3級
TBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボレート
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
XPhos 2−ジシクロヘキシル−ホスフィノ−2’.4’.6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル
【0055】
以下のHPLC分析法を使用した:
方法1:カラム:Merck Cromolith Flash RP18e、4.6×25mm
溶出液A:水/0.1%ギ酸
溶出液B:アセトニトリル/0.1%ギ酸
勾配:
【0056】
【表2】
方法2:カラム:Waters、Sunfire C18、4.6×30mm;3.5μm
溶出液A:水/0.1%トリフルオロ酢酸
溶出液B:メタノール/0.1%トリフルオロ酢酸
温度:60℃
勾配:
【0057】
【表3】
方法3:カラム:Waters、Xbridge、C18、4.6×30mm;3.5μm
溶出液A:水/0.1%トリフルオロ酢酸
溶出液B:メタノール/0.1%トリフルオロ酢酸
温度:60℃
勾配:
【0058】
【表4】
方法4:カラム:Agilent、StableBond、C18、3×30mm;1.8μm
溶出液A:水/0.1%トリフルオロ酢酸
溶出液B:アセトニトリル
温度:60℃
勾配:
【0059】
【表5】
【0060】
最終化合物の調製
【実施例】
【0061】
(例1)
(S)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−カルボン酸−{3−[2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジルカルバモイル]−テトラヒドロフラン−3−イル}−アミド
【化12】
1a)2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンゾニトリル
【化13】
2−アミノ−5−メトキシ−ベンゾトリフルオリド(10.46mmol)、K3PO4(15.7mmol)、Xphos(1.05mmol)およびPd4(dba)3(0.314mmol)を、窒素下、4−ブロモ−2−フルオロ−ベンゾニトリル(10.46mmol)のトルエン(50mL)中溶液に添加し、110℃の槽温度で20時間この混合物を撹拌した。次いでこの混合物を、グラスファイバーフィルターを介して濾過し、次いで濾液を水(150mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させて減らした。こうして、理論の87%の収率で生成物を得た。
151042O(310.2)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=311
[M−H]−=309
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;石油エーテル/酢酸エチル7:3):
f=0.48
【0062】
1b)2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジルアミン
【化14】
周囲温度で300mgのラネーニッケルを添加後、2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンゾニトリル(2.85g、9.19mmol)を、メタノールアンモニア飽和溶液(40mL)中で水素化した。触媒を濾別し、この混合物を蒸発させて減らした後、理論の99%の収率で生成物を得た。
151442O(314.3)
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/エタノール19:1):
f=0.21
【0063】
1c)n−ブチル(S)−3−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボキシレート
【化15】
6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−カルボン酸(10.5g、74.9mmol)、TBTU(25.3g、78.7mmol)、トリエチルアミン(20.9mL)およびDMF(40mL)のTHF(200mL)中溶液を周囲温度で30分間撹拌した。次いでn−ブチル(S)−3−アミノ−テトラヒドロフラン−3−カルボキシレート(14.0g、74.9mmol)を添加し、この混合物をさらに一晩撹拌した。後処理のため、この混合物を真空中で蒸発乾燥させ、残渣を酢酸エチル(200mL)と共に撹拌した。この溶液を5%炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させて減らした。
理論の90%の収率で生成物をこうして得た。
141935(309.3)
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/エタノール19:1):Rf=0.16
【0064】
1d)(S)−3−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸
【化16】
n−ブチル(S)−3−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボキシレート(21.0g、67.9mmol)を、1Nの水酸化ナトリウム溶液(200mL)中で1時間激しく撹拌した。次いでこの混合物をジエチルエーテル(100mL)で2回抽出し、次いでアルカリ性の水相を4Nの塩酸(50mL)と合わせた。次いでこの混合物を蒸発乾燥させ、残渣をエタノール(150mL)と共に撹拌した。次いで溶解されていない成分を濾別し、濾液を蒸発させて減らした。こうして理論の71%の収率で生成物を得た。こうして得た生成物を精製なしでさらに処理した。
101135(253.2)
1H-NMR(d6-DMSO): δ=2.32(m, 2H); 3.84(t, 2H); 3.95(d, 1H); 4.12(d, 1H); 7.28(s, 1H); 8.10(s, 1H); 9.21(広幅なS; 1H).
【0065】
1e)(S)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−カルボン酸−{3−[2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジルカルバモイル]−テトラヒドロフラン−3−イル}−アミド
【0066】
【化17】
(S)−3−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(0.55mmol)を、テトラヒドロフラン(30mL)、DMF(4mL)およびトリエチルアミン(0.15mL)の混合物中に溶解し、次いでTBTU(0.19g、0.58mmol)を添加し、この混合物を周囲温度で30分間撹拌した。次いで2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジルアミン(0.17g、0.55mMol、1bで生成)を添加し、この混合物をさらに2時間撹拌した。依然としていくらかの未反応アミンが存在したため、さらに10mgの酸および20mgのTBTUを添加し、この混合物をさらに一晩撹拌した。次いで溶媒を蒸発して除去し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかけた(溶出液:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:95/5/0.5)、こうして理論の19%の収率で生成物を得た。
2523455(549.5)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=550
[M−H]−=548
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:9/1/0.1):
f=0.46
【0067】
(例2)
(S)−5−アミノ−N−{3−[2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジルカルバモイル]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−ニコチンアミド
【化18】
【0068】
2a)n−ブチル(S)−3−[(5−アミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボキシレート
【化19】
例1c)と同じように、5−アミノピリジン−3−カルボン酸(72.4mmol)を、n−ブチル(S)−3−アミノ−テトラヒドロフラン−3−カルボキシレート(72.4mmol)と反応させた。理論の96%の収率で生成物を得た。
152134(307.3)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=308
[M−H]−=306
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル/エタノール9:1):
f=0.58
【0069】
2b)(S)−3−[(5−アミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸
【化20】
例1d)と同じように、n−ブチル(S)−3−[(5−アミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボキシレート(69.9mmol)を、水酸化ナトリウム溶液でけん化した。理論の86%の収率で生成物を得た。
111334(251.2)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=252
1H-NMR(d6-DMSO): δ=2.33(m, 2H); 3.82(m, 2H); 5.48(広幅なs, 2H); 7.27(s, 1H); 8.03(s, 1H); 8.18(s, 1H); 8.85(s, 1H); 12.60(広幅なs, 1H) ppm.
【0070】
2c)(S)−5−アミノ−N−{3−[2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジル−カルバモイル]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−ニコチンアミド
【化21】
例1e)と同じように、(S)−3−[(5−アミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(0.55mmol)を、2−フルオロ−4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジルアミン(0.55mMol、1bで生成)と反応させた。理論の27%の収率で生成物を得た。
2625454(547.5)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=548
[M−H]−=546
HPLC:Rt=2.44分(方法1)
【0071】
(例3)
(S)−5−アミノ−N−(3−{[3−フルオロ−5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバモイル}−テトラヒドロフラン−3−イル)−ニコチンアミド
【化22】
【0072】
3a)tert−ブチル(5−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−カルバメート
【化23】
2−アミノメチル−3−フルオロ−5−ブロモピリジン(185mg、0.77mmol)のジクロロメタン(8mL)中溶液を、氷浴で冷却しながらトリエチルアミン(0.32mL)およびジ−tert−ブチル−ジカーボネート(167.2mg、0.77mmol)と合わせ、次いで周囲温度で一晩撹拌した。この反応混合物に標準的後処理を行った後、理論の72%の収率で生成物を得た。
1114BrFN22(305.14)
MS(ESI):[M+H]+=305/7
HPLC:Rt=2.31分(方法1)
【0073】
3b)tert−ブチル[3−フルオロ−5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバメート
【化24】
例1a)と同じように、tert−ブチル(5−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−カルバメート(0.55mmol)を、4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−アニリンと反応させた。粗生成物をクロマトグラフィーで精製した(カラム:Varian Pursuit XRS C18;10μM;41.4×250mm、勾配:アセトニトリル/水/CF3COOH:10/90/0.1→100/0/0.1)。理論の26%の収率で生成物をこうして得た。
1921433(415.4)
MS(ESI):[M+H]+=416
HPLC:Rt=2.77分(方法1)
【0074】
3c)(6−アミノメチル−5−フルオロ−ピリジン−3−イル)−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
【0075】
【化25】
Tert−ブチル[3−フルオロ−5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバメート(0.13mmol)を、準濃塩酸(2mL)とジオキサン(3mL)の混合物中で、60℃で2時間撹拌した。次いでこの混合物を蒸発乾燥させ、次いで残渣をトルエン(3mL)と共に撹拌し、再び蒸発させて減らした。こうして得た粗生成物(理論の89%)を精製なしでさらに使用した。
141343O(315.3)
MS(ESI):[M+H]+=316
【0076】
3d)(S)−5−アミノ−N−(3−{[3−フルオロ−5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバモイル}−テトラヒドロ−フラン−3−イル)−ニコチンアミド
【0077】
【化26】
例1e)と同じように、(S)−3−[(5−アミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(2bで生成)を、(6−アミノメチル−5−フルオロ−ピリジン−3−イル)−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミンと反応させた。理論の34%の収率で生成物を得た。
2524464(548.5)
MS(ESI):[M+H]+=549
HPLC:Rt=2.55分(方法1)
【0078】
(例4)
(S)−5−アミノ−N−{3−[4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジルカルバモイル]−テトラヒドロフラン−3−イル}−ニコチンアミド
【化27】
4a)4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンゾニトリル
【化28】
例1a)と同じように、4−ブロモベンゾニトリルを、2−トリフルオロメチル−4−メトキシ−アニリンと反応させた。シリカゲル(石油エーテルと10〜30%酢酸エチル)を介したクロマトグラフィーでの精製後、理論の60.5%の収率で4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンゾニトリルを得た。
151132O(292.3)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=293
[M−H]-=291
【0079】
4b)(4−アミノメチル−フェニル)−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
【0080】
【化29】
周囲温度でのラネーニッケルの添加により、3.7g(12.7mmol)の4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンゾニトリルを、アンモニアのメタノール(100mL)中7N溶液の中で水素化した。触媒を濾別した後、溶媒を蒸留して不純物を取り除き、こうして得た粗生成物を精製なしでさらに反応させた。
151532O(296.3)
【0081】
4c)(S)−5−アミノ−N−{3−[4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ベンジルカルバモイル]−テトラヒドロフラン−3−イル}−ニコチンアミド
【0082】
【化30】
例1e)と同じように、(S)−3−[(5−アミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(1.00mmol)を、(4−アミノメチル−フェニル)−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン(1.00mMol、例4bで生成))と反応させた。理論の32%の収率で生成物を得た。
2626354(529.5)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=530
[M−H]−=528
HPLC:Rt=0.842分(方法4)
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/エタノール9:1+1%NH4OH):
f=0.25
【0083】
(例5)
(S)−5−アミノ−N−(3−{[5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバモイル}−テトラヒドロフラン−3−イル)−ニコチンアミド
【0084】
【化31】
5a)5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−カルボニトリル
【0085】
【化32】
例1a)と同じように、5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニトリルを2−トリフルオロメチル−4−メトキシ−アニリンと反応させた。シリカゲルを介したクロマトグラフィーでの精製後(石油エーテルと10〜30%酢酸エチル)、理論の97.4%の収率で4−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−ベンゾニトリルを得た。
141033O(293.2)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=294
[M−H]-=292
1H-NMR(d6-DMSO): δ=3.87(s, 3H); 6.88(dd, 1H); 7.31(m, 2H); 7.47(d, 1H);(7.67(d, 1H); 8.11(s, 1H); 8.62(s, 1H) ppm.
【0086】
5b)(6−アミノメチル−ピリジン−3−イル)−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
【化33】
例4bと同様に、周囲温度でのラネーニッケルの添加により、5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−カルボ−ニトリル(1.71mmol)を、アンモニアのメタノール(30mL)中7N溶液の中で水素化した。触媒を濾別し、溶媒を蒸留して不純物を取り除いた後、こうして得た粗生成物を精製なしでさらに反応させた。
141433O(297.3)
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/エタノール9:1):
f=0.11
【0087】
5c)n−ブチル(S)−3−[(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボキシレート
【化34】
5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリジン−3−カルボン酸(2.5mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中懸濁液をN,N−カルボジイミダゾール(2.75mmol)と合わせ、周囲温度で15分間撹拌した。次いでn−ブチル(S)−3−アミノ−テトラヒドロフラン−3−カルボキシレート(2.5mmol)のテトラヒドロフラン(4mL)中溶液を添加し、この反応混合物をさらに一晩撹拌した。次いで溶媒を蒸留して不純物を取り除き、こうして得た粗生成物をクロマトグラフィーで精製した(シリカゲル;ジクロロメタンと1〜25%エタノール)。
収率:理論の31%
202936(407.5)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=408
[M−H]-=406
【0088】
5d)(S)−3−[(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸
【化35】
n−ブチル(S)−3−[(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラ−ヒドロフラン−3−カルボキシレート(29.7mmol)のメタノール(150mL)中溶液を、1Nの水酸化ナトリウム溶液(60mL)と合わせ、周囲温度で3時間撹拌した。次いでメタノールを蒸留して不純物を取り除き、次いでtert−ブチルメチルエーテル(50mL)で溶液を洗浄し、次いで4N塩酸でpHを3に調整した。次いで沈殿した生成物を濾別し、精製なしでさらに反応させた。
収率:理論の94%
162136(351.4)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=352
[M−H]-=350
【0089】
5e)tert−ブチル(S)−[5−(3−{[5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバモイル}−テトラヒドロフラン−3−イルカルバモイル)−ピリジン−3−イル]−カルバメート
【0090】
【化36】
例1e)と同じように、(S)−3−[(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(例5dの生成物、1.7mmol)を、(6−アミノメチル−ピリジン−3−イル)−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン(例5bの生成物、1.7mmol)と反応させた。生成物をクロマトグラフィーで精製した(シリカゲル、ジクロロメタンと0〜10%メタノール)。
収率:理論の69%
3033366(630.6)
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/エタノール9:1):
f=0.46
【0091】
5f)(S)−5−アミノ−N−(3−{[5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバモイル}−テトラヒドロフラン−3−イル)−ニコチンアミド
【0092】
【化37】
tert−ブチル(S)−[5−(3−{[5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバモイル}−テトラヒドロフラン−3−イルカルバモイル)−ピリジン−3−イル]−カルバメート(例5eの生成物、1.2mmol)を、ジオキサン(20mL)中4NのHCl溶液の中で、周囲温度で2時間撹拌した。次いでこの混合物を蒸発乾燥させ、残渣を約20mLのジエチルエーテルで粉砕し、吸引濾過した。
収率:理論の82%
2525364(530.5)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=531
[M−H]-=529
HPLC:Rt=1.014分(方法3)
【0093】
(例6)
(S)−5−アミノ−N−(3−{[3−クロロ−5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イル−メチル]−カルバモイル}−テトラヒドロフラン−3−イル)−ニコチンアミド
【化38】
【0094】
6a)3−クロロ−5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−カルボニトリル
【化39】
5−ブロモ−3−クロロ−ピリジン−2−カルボニトリル(2.3mmol)を、4−メトキシ−2−トリフルオロアニリン(2.3mmol)と、例1a)と同じように反応させた。シリカゲルを介したクロマトグラフィーでの精製後(石油エーテルと15〜30%酢酸エチル)、理論の27%の収率で生成物を得た。
149ClF33O(327.7)
質量スペクトル(ESI):[M+H]+=328
[M−H]-=326
HPLC:Rt=1.558分(方法2)
【0095】
6b)(6−アミノメチル−5−クロロ−ピリジン−3−イル)−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
【化40】
エタノール(10mL)中の3−クロロ−5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−カルボニトリル(0.64mmol)および塩酸(37%)(0.1mL)の溶液を、30mgのPd/木炭(10%)と合わせ、周囲温度で撹拌しながらこれを水素化した。次いで触媒を濾別し、溶液を蒸発させて減らした。こうして得た生成物を精製なしでさらに反応させた。
収率:理論の99%
1413ClF33O(331.7)
HPLC:Rt=1.167min(方法2)
【0096】
6c)(S)−5−アミノ−N−(3−{[3−クロロ−5−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−カルバモイル}−テトラヒドロフラン−3−イル)−ニコチンアミド
【化41】
例1e)と同じように、(6−アミノメチル−5−クロロ−ピリジン−3−イル)−(4−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン(1.3mmol)を、(S)−3−[(5−アミノ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(例2bの生成物、1.3mmol)と反応させた。クロマトグラフィーでの精製後(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール9:1と3〜8%アンモニア)、理論の13%の収率で生成物を得た。
2524ClF364(564.9)
1H-NMR(d6-DMSO): δ=2.27-2.46(m, 2H); 3.78-3.88(m, 2H); 3.85(s, 3H); 3.94(m, 1H); 4.23(m, 1H); 4.24-4.38(m, 2H); 5.49(m 2H); 6.97(d, 1H); 7.27-7.31(m, 3H); 7.35-7.41(m, 1H); 7.85(d, 2H); 7.95(m, 1H); 8.04(d, 1H); 8.23(s, 1H); 8.80(s, 1H) ppm.
【0097】
以下の例は、任意の所望の一般式Iの化合物を活性物質として含有する医薬製剤について記載しているが、ただし、本発明の範囲はこれに制限されない。
【0098】
(例I)
10ml当たり75mgの活性化合物を含む乾燥アンプル
組成:
活性化合物 75.0mg
マンニトール 500mg
注射用水 全量10.0ml
生成:
活性化合物およびマンニトールを水に溶解する。充填したアンプルを凍結乾燥させる。注射用水を使用して溶解することによって、使える状態の溶液を得る。
【0099】
(例II)
50mgの活性化合物を含む錠剤
組成:
(1)活性化合物 50.0mg
(2)ラクトース 98.0mg
(3)トウモロコシデンプン 50.0mg
(4)ポリビニルピロリドン 15.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
215.0mg
生成:
(1)、(2)および(3)を混合し、(4)の水溶液で顆粒状にする。(5)を混和して乾燥顆粒とする。この混合物を圧縮して、両側が斜面で、片側に分割する溝がある2平面の錠剤を得る。
錠剤の直径:9mm。
【0100】
(例III)
350mgの活性化合物を含む錠剤
組成:
(1)活性化合物 350.0mg
(2)ラクトース 136.0mg
(3)トウモロコシデンプン 80.0mg
(4)ポリビニルピロリドン 30.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 4.0mg
600.0mg
生成:
(1)、(2)および(3)を混合し、(4)の水溶液で顆粒状にする。(5)を混和して乾燥顆粒とする。この混合物を圧縮して、両側が斜面で、片側に分割する溝がある2平面の錠剤を得る。
錠剤の直径:12mm。
【0101】
(例IV)
50mgの活性化合物を含むカプセル剤
組成:
(1)活性化合物 50.0mg
(2)乾燥トウモロコシデンプン 58.0mg
(3)ラクトース粉末 50.0mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
160.0mg
生成:
(3)と共に(1)を粉砕する。激しく混合しながらこの粉砕物を(2)と(4)の混合物に添加する。
カプセル充填装置の中でこの粉末混合物をサイズ3の硬質ゼラチンツーピースカプセルの中に充填する。
【0102】
(例V)
350mgの活性化合物を含むカプセル剤
組成:
(1)活性化合物 350.0mg
(2)乾燥トウモロコシデンプン 46.0mg
(3)ラクトース粉末 30.0mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 4.0mg
430.0mg
生成:
(3)と共に(1)を粉砕する。激しく撹拌しながら、この粉砕物を(2)と(4)の混合物に添加する。
カプセル充填機器の中で、この粉末混合物をサイズ0の硬質ゼラチンツーピースカプセルの中に充填する。
【0103】
(例VI)
100mgの活性化合物を含む坐剤
1つの坐剤は、以下を含む:
活性化合物 100.0mg
ポリエチレングリコール(M.W.1500) 600.0mg
ポリエチレングリコール(M.W.6000) 460.0mg
ポリエチレンモノステアリン酸ソルビタン 840.0mg
2000.0mg