(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記両性ポリマーが、カチオン性基構造単位又はカルボキシル構造単位として分類されない追加的構造単位をさらに含み、60質量%までの構造単位が追加的構造単位である、請求項1に記載の洗浄組成物。
前記追加的構造単位が、複素環式芳香族炭化水素基を有する四級化されたビニル芳香族化合物系モノマー、アミノ基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー又はその塩、ポリアルキレングリコール鎖含有モノマー、イソブチレン、ビニルアセテート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーに由来する、請求項5に記載の洗浄組成物。
前記洗浄組成物が、液体洗濯洗剤組成物、固体洗濯洗剤組成物、硬質表面洗浄組成物、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い組成物、水溶性小袋の中に含有されたタブ又は単位用量型自動食器洗い用組成物、及び水溶性小袋の中に含有された洗濯洗剤組成物からなる群から選択される、請求項1に記載の洗浄組成物。
前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の共界面活性剤を更に含む、請求項11に記載の洗浄組成物。
前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の共界面活性剤を更に含む、請求項13に記載の洗浄組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴及び利益は、特定の実施形態を時折参照して本明細書に記載されるだろう。しかし、本発明が異なる形態で実施されてもよく、本明細書において記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本開示が徹底され、完全な物であり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように、これらの実施形態が提供される。
【0010】
本発明者は、両性ポリマーが、高い抗汚れ再付着能力及び界面活性剤との適合性を有することを見出した。この両性ポリマーは、洗濯洗剤が挙げられる(これに限定されないが)洗浄組成物における使用に好適である。本明細書で使用するとき、用語「両性ポリマー」とは、カチオン性基及びアニオン性基の双方を分子構造内に封入するポリマーを包含するものとする。
【0011】
本発明者はまた、ポリアルキレングリコール鎖などの非イオン性スぺーサによって互いに隔離されたアニオン性基及びカチオン性基を有する両性ポリマーが、洗剤添加剤に有望な候補であることも見出した。この両性ポリマーは、汚れ粒子の分散能力(すなわち、洗浄性能に寄与する因子)を改善することができる。更には、本発明者は、(1)特定のカチオン性基含有モノマーに由来する構造単位並びに(2)カルボキシル基含有モノマーに由来する構造単位、を含有するポリマーが、高い抗汚れ再付着能力及び界面活性剤との適合性を有することを見出した。更には、本発明者は、この構造単位を特定の範囲内で調節されたレベルで含有するポリマーが改善された性能を有すること、並びにこのようなポリマーが洗剤添加剤として好適に使用されることを見出した。
【0012】
例示的実施形態によると、洗浄組成物は、総質量を一緒に画定する複数の構造単位から形成される1つ以上の両性ポリマーを含む。各両性ポリマーは、式(IA)又は(IIA)によって表されるカチオン性基含有モノマーに由来するカチオン性基構造単位:
【化2】
及び
カルボキシル基含有モノマーに由来するカルボキシル構造を含む。このカチオン性基構造単位は、両性ポリマーにおける全てのモノマーに由来する全ての構造単位の100質量%に基づいて、1質量%〜99質量%のレベルで存在し得、並びにこのカルボキシル構造単位は、両性ポリマーにおける全てのモノマーに由来する全ての構造単位の100質量%に基づいて、1質量%〜99質量%のレベルで存在し得る。
【0013】
式(IA)及び(IIA)において、R
0はH又はCH
3を表し、R
1はCH
2、CH
2CH
2、又は直接結合を表し、R
2、R
3、及びR
4は、C
1〜20有機基をそれぞれ表し、R
2、R
3、及びR
4のそれぞれは互いに同一か又は異なってもよく、R
5及びR
6はH又はC
1〜20有機基をそれぞれ表し、かつ互いに同一か又は異なってもよく、Y
1は、C
2〜20アルキレン基を表し、及び各Y
1は互いに同一か又は異なってもよく、nは、オキシアルキレン基(−Y
1−O−)のモルの平均加算数で、かつ1〜300であり、並びにX
−は対アニオンを表す。
【0014】
両性ポリマーは、上記のような式(IA)又は(IIA)によって表されるカチオン性基含有モノマーと、カルボキシル基含有モノマーを重合することを含むプロセスによって調製され得る。このプロセスにおいて、カチオン性基含有のモノマーは、添加される全てのモノマーの100質量%に基づいて1質量%〜99質量%のレベルで添加され、並びにカルボキシル基含有のモノマーは、添加される全てのモノマーの100質量%に基づいて1質量%〜99質量%のレベルで添加される。
【0015】
カチオン性基含有モノマー
両性ポリマーは、式(IA)又は(IIA):
【化3】
(式中、R
0はH又はCH
3を表し、R
1はCH
2、CH
2CH
2、又は直接結合を表し、R
2、R
3、及びR
4は、C
1〜20有機基をそれぞれ表し、並びにR
2、R
3、及びR
4のそれぞれは互いに同一か又は異なってもよく、R
5及びR
6はH又はC
1〜20有機基をそれぞれ表し、かつ互いに同一か又は異なってもよく、Y
1は、C
2〜20アルキレン基を表し、並びに各Y
1は互いに同一か又は異なってもよく、nは、オキシアルキレン基(−Y
1−O−)のモルの平均加算数を表し、かつ1〜300であり、並びにX
−は対アニオンを表す)を有するカチオン性基含有モノマーに由来する1つ以上のカチオン性基構造単位をそれぞれ含有する。
【0016】
両性ポリマーは、式(IA)によって表されるカチオン性基含有モノマーに由来するカチオン性基構造単位の少なくとも1つと、式(IIA)を有する少なくとも1つのカチオン性基含有モノマーに由来するカチオン性基構造単位と、を含有してもよい。すなわち、式(IA)及び(IIA)のモノマー由来の構造単位のただ1つのタイプを含有してもよく、又は式(IA)及び(IIA)のモノマー由来の構造単位の双方のタイプを含有してもよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、「カチオン性基」とは、酸の存在下でカチオンに変換される基を指す。このように、たとえ式(IIA)におけるアミノ基などの基が正電荷を有するように示されなくとも、このアミノ基が酸の存在下でカチオンに変換されるために、これは本明細書ではカチオン性基と呼ばれる。
【0018】
式(IA)又は(IIA)においてR
1が直接結合である場合、式(IA)又は(IIA)における構造H
2C=C(R
0)−R
1−O−は、H
2C=C(R
0)−O−である。これに加えて、基R
0及びR
1の定義に従って、以下の共通部分が式(IA)及び(IIA)中に存在し得る。例えば、式(IA)及び(IIA)は、R
0がCH
3でありかつR
1がCH
2である場合、メタリル基を含有し、R
0がCH
3でありかつR
1がCH
2CH
2である場合、イソプレニル基を含有し、R
0がCH
3でありかつR
1が直接結合である場合、イソプロペニル基を含有し、R
0がHでありかつR
1がCH
2である場合アリル基を含有し、R
0がHでありかつR
1がCH
2CH
2である場合ブテニル基を含有し、並びにR
0がHでありかつR
1が直接結合である場合、ビニル基を含有する。
【0019】
炭素間に重合可能な二重結合を含有する基、すなわち、カチオン性基含有モノマーにおけるH
2C=C(R
0)−R
1−は、イソプレニル基、メタリル基、アリル基、又はビニル基であることが好ましい。イソプレニル、メタリル、及びアリル基がより好ましく、それらが高重合能力をもたらすためにイソプレニル及びメタリル基が更により好ましい。
【0020】
式(IA)において、R
2、R
3、及びR
4は、C
1〜20有機基をそれぞれ表し、R
2、R
3、及びR
4のそれぞれは、互いに同一か又は異なってもよい。式(IIA)において、R
5及びR
6は、C
1〜20有機基をそれぞれ表し、互いに同一か又は異なってもよい。このC
1〜20有機基は特に限定されないが、但し、これらは合計で1〜20個の炭素原子を含有する。この好ましい例としては、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基が挙げられる。有機基がアルキル基、アリール基、及び/又はアルケニル基である場合、その1個又は2個の水素原子は、他の有機基(複数可)で置換されても又は置換されなくともよい。他の有機基の例としては、アルキル基(この場合、R
2、R
3、及び/又はR
4によって表される有機基がアルキル基である場合、置換基(複数可)を有する有機基は、全体として非置換のアルキル基と見なされる)、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、エーテル基、アミド基、エステル基、ケトン基、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、及びスルホネート基が挙げられる。
【0021】
R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6のそれぞれにおける炭素の数は、1〜8個が好ましく、より好ましくは1〜5個であり、更により好ましくは1又は2個である。これらの構造が、カチオン性基含有モノマーを高収率で生成させることを可能にし、これによって、モノマーの重合能力及び得られるポリマーの純度を改善する。加えて、得られるポリマーの抗汚れ再付着能力が改善され得る。
【0022】
R
2、R
3、及びR
4の特定の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、及び2−エチルヘキシル基などのアルキル基;ブチレン基、オクチレン基、及びノニレン基などのアルケニル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、2,3−及び2,4−キシリル基、メシチル基、及びナフチル基などのアリール基;並びに上記の基における水素原子の部分をアルコキシ基、カルボキシルエステル基、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、及びスルホネート基で置換することにより得られる基(例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基)が挙げられる。これらの例の中で、それらが得られるポリマーの抗汚れ再付着能力を改善するために、メチル基及びエチル基が好ましい。
【0023】
式(IA)におけるR
2及びR
3並びに式(IIA)におけるR
5及びR
6は、互いに結合され、一緒に環を形成してもよい。この場合、窒素原子、R
2、及びR
3からなる環、並びに窒素原子、R
5、及びR
6からなる環は、これら環構造が安定しているために3〜7員の環であることが好ましい。即ち、R
2及びR
3における炭素原子の総数並びにR
5及びR
6における炭素原子の総数は、2〜6個であることが好ましい。
【0024】
式(IA)及び(IIA)において、Y
1はC
2〜20アルキレン基であり、各Y
1は、互いに同一か又は異なってもよい。Y
1は、これらがカチオン性基含有モノマーの重合能力を改善するために、C
2〜4アルキレン基であることが好ましく、より好ましくはC
2〜3アルキレン基である。具体的には、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基などのC
2〜4アルキレン基が好ましく、エチレン基及びプロピレン基などのC
2〜3アルキレン基がより好ましい。カチオン性基含有モノマーは、1つ以上の上記アルキレン基を含んでもよい。カチオン性基含有モノマーが、2つ以上のアルキレン基を含む場合、−Y
1−O−によってそれぞれ表される添加されたオキシアルキレン基は、ランダム、ブロック、及び交互の配列が挙げられる任意の様式で配置されてもよいが、これらに限定されない。
【0025】
式(IA)において、nは添加されたオキシアルキレン基(−Y
1−O−)の数の平均を表し、これは1〜300である。好ましくは、nは5以上であり、より好ましくは10以上である。これらの構造によって、得られるポリマーにおけるアニオン性基及びカチオン性基が互いに隔離されることで、ポリマーの抗汚れ再付着能力が著しく改善され得る。カチオン性基含有モノマーの高い重合能力を保証するために、nは200以下が好ましく、より好ましくは150以下であり、更により好ましくは100以下である。
【0026】
カチオン性基含有モノマーが四級窒素原子を含む場合、対アニオンX
−が四級窒素原子の近辺で存在する。対アニオンX
−は特に限定されないが、ハロゲンイオン及びサルフェート又はアルキルサルフェートイオンから選択されることが好ましい。ハロゲンイオンの特定の例としては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、及びフッ素イオンが挙げられる。これらの中で、塩素イオン、臭素イオン、及びヨウ素イオンがより好ましく、塩素イオンがより好ましい。サルフェート又はアルキルサルフェートの特定の例としては、サルフェートイオン、メチルサルフェートイオン、及びエチルサルフェートイオンが挙げられる。これらの中で、メチルサルフェートイオンが好ましい。
【0027】
両性ポリマーは、式(IA)又は(IIA)を有するカチオン性基含有モノマーに由来のカチオン性基構造単位を含有する。一般的に、このカチオン性基構造単位は、式(IB)又は(IIB)によって表され、
【化4】
この中で、カチオン性基含有モノマーにおける炭素原子間の二重結合は、単結合に変換される。式中、R
0はH又はCH
3を表し、R
1はCH
2、CH
2CH
2、又は直接結合を表し、R
2、R
3、及びR
4は、C
1〜20有機基をそれぞれ表し、並びにR
2、R
3、及びR
4のそれぞれは互いに同一か又は異なってもよく、R
5及びR
6はH又はC
1〜20有機基をそれぞれ表し、かつ互いに同一か又は異なってもよく、Y
1は、C
2〜20アルキレン基を表し、並びに各Y
1は互いに同一か又は異なってもよく、nは、オキシアルキレン基(−Y
1−O−)のモルの平均加算数を表し、かつ1〜300であり、並びにX
−は対アニオンを表す。
【0028】
本明細書で使用するとき、表現「両性ポリマーがカチオン性基含有モノマーに由来のカチオン性基構造単位を含有する」とは、最終ポリマー生成物が、式(IB)によって表される構造単位及び/又は式(IIB)によって表される構造単位を含有することを意味する。具体的には、本明細書で使用される用語「カチオン性基含有モノマーに由来のカチオン性基構造単位」とは、重合反応の前又は後の工程で導入される構造単位を有する両性ポリマーを包含することが意図される。例えば、構造単位は、両性ポリマーの主鎖構造が共重合によって形成された後に側鎖を導入することによって、構造重合反応の前又は後に添加され得る。加えて、構造単位は、カチオン性基含有モノマーを合成し、次いでカチオン性基含有モノマーを他のモノマーと共重合することによって、ポリマーに導入されてもよい。
【0029】
両性ポリマーは、両性ポリマーを形成する複数の構造単位によって画定される総質量に基づいて、1質量%〜99質量%のレベルでカチオン性基構造単位を含有することができる。このように、総質量は、両性ポリマーにおける全てのモノマーに由来する全ての構造単位(すなわち、カチオン性基構造単位、カルボキシル構造単位、及び以下に記載された追加的構造単位)の100質量%を表す。この範囲内のレベルでのカチオン性基構造単位によって、ポリマーは改善された抗汚れ再付着能力及び界面活性剤との適合性を呈することができる。カチオン性基構造単位のレベルは、2質量%〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは3質量%〜70質量%であり、更により好ましくは5質量%〜40質量%である。全てのモノマーに由来する全ての構造単位に対するカチオン性基構造単位の質量比(質量%)並びに全てのモノマーに対するカチオン性基含有モノマーの質量比は、任意の対アニオンによって寄与される質量を含めることなく決定される。
【0030】
両性ポリマーにおけるカチオン性基構造単位は、全てが同一構造であってもよく若しくは2つ又はそれ以上の異なる構造であってもよい。両性ポリマーが、式(IA)によって表されるモノマーに由来のカチオン性基構造単位と、式(IIA)によって表されるモノマーに由来のカチオン性基構造単位と、を含有する場合、カチオン性基構造単位の量は、双方の構造単位の総量によって決定される。
【0031】
好ましくは、両性ポリマーは、カチオン性基構造単位として式(IB)によって表される構造単位を含有し、これは、式(IB)を有する構造単位が特に改善された抗汚れ再付着能力をもたらすためである。この両性ポリマーは、両性ポリマーにおける全てのモノマーに由来の全ての構造単位の100質量%に基づいて、1質量%〜99質量%のレベルで、式(IB)によって表される構造単位を含有することが好ましい。
【0032】
実際には、両性ポリマーの好ましい例は、ホルマール四級単位((IB)におけるような)若しくは一級、二級、又は三級アミン((IIB)におけるような)のいずれかである窒素含有部分で終端となるポリアルコキシレート側鎖(例えば、ポリエチレンオキシド)を備えるポリカルボキシレート主鎖(例えば、ポリアクリレート/マレエート主鎖)を有する櫛状ポリマーである。このポリマーはまた、窒素含有部分で終端とはならないポリアルコキシレート側鎖を含有してもよい。理論に束縛されるものではないが、洗浄組成物における両性ポリマーの効力は、窒素含有単位を電荷又は水素結合モードを介して布地又は粘土に結合させる両性ポリマーの能力、並びに比較的長いポリアルコキシレート側鎖によって前記窒素含有単位を主鎖から隔離させる両性ポリマーの能力に由来すると考えられている。更には、主鎖ポリカルボキシレートは、汚れ反撥モチーフとして作用する負の電荷を布地に提供するよう電荷安定化をもたらすか、又は電荷安定化メカニズムを介して粘土及び他の粒子状物質の分散能力を増加させるかのいずれかで作用する。R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6の選択は、配合者に窒素部分が異なる対象とする汚れ又は布地表面に結合する能力を最適化させることを可能にし、更にポリマーをニートな形態又は洗浄溶液のいずれかで粉末又は液体洗剤マトリックスと適応性があるようにさせることが可能である。構造(IB)において、窒素部分はホルマール四級単位であり、粉末洗濯洗剤配合物に特に有効であるが、これは強力型液体洗濯洗剤配合物においてもまた有効であり得る。R
2、R
3、及びR
4部分の長さは、界面活性剤相互作用並びに表面探索及び表面結合特性を管理する。構造(IIB)において、窒素部分は一級、二級、又は三級アミンであり、これは布地又は粒子状物質(例えば粘土)との相互作用の水素結合ドナー及び/又はアクセプタモードを可能にする。更には、中性の、中性付近の、又は酸性のpHを有する生成物において、アミノ部分は、プロトン化するようになり、電荷仲介結合を介して汚れ又は布地探索メカニズムをもたらすカチオン性部分又は擬カチオン性部分として作用する。更には、マトリックス及び所望の利点に基づいて、配合者は、窒素基含有モノマー及びカルボキシル基含有モノマー並びに窒素含有部分で終端とならないポリアルコキシレート含有モノマーの割合を選択することができる。例えば窒素含有部分の数があまりに高いと凝集及び他の不利な点へと導く可能性があるため、最終的には、ポリマー設計者及び配合者の技能がモノマーの正確な割合並びに正確なR
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6部分を選択することが必要とされる。
【0033】
カチオン性基含有モノマーを調製するためのプロセス
上記カチオン性基含有モノマーは、当該技術分野で周知の重合技術によって調製され得る。好ましくは、上記カチオン性基含有モノマーは、式(III)によって表されるポリアルキレングリコール鎖含有モノマーを、
【化5】
(1)触媒の存在下で、又は(2)アルカリ化合物の存在下で、エピハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)と反応させることによって調製され得る。(1)の生成物は、四級アミンと反応して式(IIA)を有するモノマーを形成することができる。(2)の生成物は、二級アミンと反応して、式(IA)を有するモノマーを形成し、これが引き続いて四級化剤と反応して式(IIA)を有するモノマーを形成することができる。あるいは、(2)の生成物は、四級アミンと直接的に反応して式(IIA)を有するモノマーを形成してもよい。
【0034】
カルボキシル基含有モノマー
両性ポリマーは、カルボキシル基含有モノマーに由来する1つ以上のカルボキシル構造単位を更に含む。カルボキシル基含有モノマーは、(1)不飽和二重結合、及び(2)カルボキシル基及び/又はその塩を含有するモノマーである。カルボキシル基含有モノマーの具体的例としては、不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−ヒドロキシルアクリル酸、α−ヒドロキシルメタクリル酸、これらの誘導体)、及びこれらの塩などの不飽和カルボン酸系モノマー;並びに不飽和ジカルボン酸(例えば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、2−メチレングルタル酸)、及びこれらの塩などの不飽和ジカルボン酸系モノマーが挙げられる。両性ポリマーにおけるカルボキシル構造単位は、全てが同一構造であっても若しくは2つ又はそれ以上の異なる構造であってもよい。
【0035】
任意の不飽和ジカルボン酸系モノマーが使用され得るが、但し、これは分子構造内に1つの不飽和基及び2つのカルボキシル基を含有し、この好適な例としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びフマル酸;上記酸の一価の金属塩、アンモニウム塩、及び有機アンモニウム塩(有機アミン塩);並びに上記例の無水物が挙げられる。カルボキシル基含有モノマーのこれら例の中で、アクリル酸、アクリレート、マレイン酸、及びマレエートが好ましい(これらが、得られる両性ポリマーの抗汚れ付着能力を著しく改善するためである)。アクリル酸又はアクリレートを使用することがより好ましい。
【0036】
不飽和モノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸の塩の好適な例としては、金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩が挙げられる。金属塩の例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、及びカリウム塩などの一価のアルカリ金属塩;マグネシウム塩及びカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;並びにアルミニウム塩及び鉄塩などの他の金属の塩が挙げられる。有機アミン塩の例としては、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、及びトリエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、及びトリエチルアミン塩などのアルキルアミン塩;並びにエチレンジアミン塩及びトリエチレンジアミン塩を含むポリアミンなどの有機アミン塩が挙げられる。アンモニウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩がこれらの中で好ましい(これらが、得られる両性ポリマーの抗汚れ付着能力を著しく改善するためである)。ナトリウム塩がより好ましい。
【0037】
上記例に加えて、カルボキシル基含有モノマーの例としては、不飽和ジカルボン酸とC
1〜22アルコールの半エステル、不飽和ジカルボン酸とC
1〜22アミンの半アミド、不飽和ジカルボン酸とC
2〜4グリコールの半エステル、及びマレアミン酸とC
2〜4グリコールの半アミドが挙げられる。
【0038】
カルボキシル基含有モノマーに由来するカルボキシル構造単位において、カルボキシル基含有モノマー内の不飽和二重結合は単結合に変換される。表現「両性ポリマーはカルボキシル基含有モノマーに由来するカルボキシル構造単位を含有する」とは、最終ポリマー生成物が、その中でカルボキシル基含有モノマー内の不飽和二重結合が単結合に変換される構造単位を含有することを意味する。
【0039】
両性ポリマーにおいて、カルボキシル構造単位は、両性ポリマーにおける全てのモノマーに由来の全ての構造単位(すなわち、カチオン性基構造単位、カルボキシル構造単位、及び以下に記載の塚の構造単位)の100質量%に基づいて、1質量%〜99質量%のレベルで存在し得る。この範囲内のレベルにてのカルボキシル構造単位で、ポリマーは改善された抗汚れ再付着能力及び界面活性剤との適合性を呈する。カルボキシル構造単位のレベルは、全てのモノマーに由来の全ての構造単位の100質量%に基づいて、好ましくは10質量%〜95質量%、より好ましくは20質量%〜90質量%、及び更により好ましくは30質量%〜85質量%である。
【0040】
全てのモノマーに由来する全ての構造単位に対するカルボキシル基含有モノマーに由来するカルボキシル構造単位の質量比(質量%)が計算される場合、カルボキシル構造単位は、対応する酸とみなされる。アクリル酸ナトリウムに由来の構造単位−CH
2−CH(COONa)−の例示的場合では、対応する酸のアクリル酸に由来の構造単位の質量比(質量%)、すなわち、構造単位−CH
2−CH(COOH)の質量比(質量%)が計算される。全てのモノマーに対するカルボキシル基含有モノマーの質量比(質量%)が計算される場合、カルボキシル基含有モノマーは、同様に対応する酸とみなされる。例えば、アクリル酸ナトリウムの質量比を決定するために、対応する酸のアクリル酸の質量比(質量%)が代わりに計算される。
【0041】
上記の特定の範囲内のレベルで封入されるカルボキシル構造単位のために、両性ポリマーが洗剤ビルダーとして使用される場合、両性ポリマーは高い水溶性を有し、カチオン性基構造単位との汚れ粒子の相互作用を通して、汚れ粒子を分散させることができる。
【0042】
追加的モノマー及び追加的構造単位
両性ポリマーは、他の1つ以上の追加的モノマーに由来の1つ以上の追加的構造単位を必要に応じて含有してもよい(追加的モノマーのそれぞれは、カチオン性基含有モノマー又はカルボキシル基含有モノマーとして分類されないモノマーである)。両性ポリマーにおける追加的構造単位は、全て同一の構造であっても若しくは2つ又はそれ以上の異なる構造でもよい。
【0043】
追加的モノマー(複数可)は特に限定されないが、但し、これらはカチオン性基含有モノマー及びカルボキシル基含有モノマーと共重合可能である。追加的モノマー(複数可)は、所望の効果をもたらすよう適切に選択される。この特定の例としては、ビニルピリジン及びビニルイミダゾールなどの複素環式芳香族炭化水素基を有する四級化されたビニル芳香族化合物系モノマー;並びにアミノ基含有モノマーが挙げられる。アミノ基含有モノマーの例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、及びアミノエチルメタクリレートなどの四級化されたアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジアリルアミン及びジアリルジメチルアミンなどの四級化されたアリルアミン;三級アミン塩を(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどのエポキシ環に反応させることで得られる四級化されたモノマー;ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミンなどの四級化されたアリルアミン;二級アミンを(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどのエポキシ環に反応させることで得られる四級化されたモノマー;並びにカチオン性基含有モノマー以外の四級化されたアミノ(カチオン性)基含有モノマーが挙げられる。
【0044】
二級アミンの好ましい例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、及びジ−n−ブチルアミンなどのジアルキルアミン;ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン;並びにモルホリン及びピロールなどの環式アミンが挙げられる。既知の四級化剤の例としては、アルキルハライド及び硫酸ジアルキルが挙げられる。三級アミン塩の特定の例としては、トリメチルアミン塩酸塩及びトリエチルアミン塩酸塩が挙げられる。これらの塩は、塩酸塩、有機酸塩などであってもよい。
【0045】
上記例に加えて、追加的モノマー(複数可)の特定の例としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、及びアクリルアミノ−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー及びこれら塩;アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール鎖含有モノマー;並びにアルキレンオキシドを(メタ)アリルアルコール、イソプレノールなどに添加することで得られるモノマー;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、及びN−ビニルオキサゾリドンなどのN−ビニルモノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びN−イソプロピルアクリルアミドなどのアミド含有モノマー;(メタ)アリルアルコール及びイソプレノールなどのヒドロキシル基含有モノマー;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシネオペンチル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;スチレン、インデン、及びビニルアニリンなどのビニルアリールモノマー;並びにイソブチレン、及び酢酸ビニルなどの他のモノマーが挙げられる。
【0046】
追加的モノマーに由来の追加的構造単位のそれぞれにおいて、追加的モノマー内の二重結合は単結合に変換される。表現「両性ポリマーが、追加的モノマーにそれぞれ由来の追加的構造単位を含有する」とは、最終ポリマー生成物が、その中で追加的モノマー内の不飽和二重結合が単結合に変換される追加的構造単位(複数可)を含有することを意味する。
【0047】
両性ポリマーが、追加的モノマー(複数可)に由来する任意の追加的構造単位(複数可)を含有する場合、追加的構造単位(複数可)は、全てのモノマーに由来する全ての構造単位の100質量%(カチオン性基構造単位、カルボキシル構造単位、及び追加的構造単位の100質量%)に基づいて、0質量%〜60質量%のレベルで存在することが好ましく、より好ましくは、全てのモノマー単位の0質量%〜50質量%のレベルで存在する。
【0048】
全てのモノマーに由来する全ての構造単位に対するアミノ基含有モノマーに由来の構造単位の質量比が計算される場合、並びに全てのモノマーに対するアミノ基含有モノマーの質量比が計算される場合、構造単位及びモノマーは、対応する中和されていないアミンとみなされる。例えば、追加的モノマーがビニルアミン塩酸塩である場合、対応する中和されていないアミン(すなわち、ビニルアミン)の質量比(質量%)が代わりに計算される。四級化されたアミノ基含有モノマー及び四級化されたアミノ基含有モノマーに由来の構造単位の質量比(質量%)は、対アニオンの質量を計測することなく計算される。追加的構造単位が酸基含有モノマーに由来する構造単位である場合、全てのモノマーに由来する全ての構造単位に対する追加的構造単位の質量比(質量%)は、構造単位を対応する酸としてみなすことによって計算される。全てのモノマーに対する酸基含有モノマーの質量比(質量%)はまた、モノマーを対応する酸としてみなすことによって計算される。
【0049】
両性ポリマーの他の特徴及び特性
両性ポリマーにおいて、上記のように、カチオン性基構造単位及びカルボキシル構造単位は、特定のレベルで導入され、必要に応じて、追加的構造単位(複数可)が特定のレベルで導入される。これら構造単位は、ランダム又はブロック配列のいずれかで配置され得る。両性ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されず、適切に選択され得る。具体的には、この両性ポリマーは、好ましくは2,000〜200,00の範囲の、より好ましくは3,000〜100,000の範囲の、更により好ましくは4,000〜60,000の範囲の重量平均分子量を有する。本明細書で使用される重量平均分子量はGPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)によって決定され得、以下の実施例に記載される測定条件下での装置で決定され得る。
【0050】
両性ポリマーは、高い抗汚れ再付着能力を呈する。抗汚れ再付着比は、以下の実施例に記載される手順によって測定され得る。
【0051】
両性ポリマーの調製
両性ポリマーは、例えば、(i)カチオン性基含有モノマー、(ii)カルボキシル基含有モノマーを含み、必要に応じて追加的モノマー(複数可)を含むモノマーを共重合することによって、当該技術分野で既知の任意の方法で製造され得る。重合方法の特定の例としては、油中水型エマルジョン重合、水中油型エマルジョン重合、懸濁液重合、分散重合、沈殿重合、溶液重合、水溶液重合、及びバルク重合が挙げられる。これら重合方法の中で、水溶液重合及びエマルジョン重合が好ましい(これらが非常に安全な方法でありかつ低い生産原価(重合原価)を必要とするにすぎないために)。このような製造工程において、モノマーを共重合するために重合開始剤が使用され得る。
【0052】
両性ポリマーを製造するためのプロセスにおいて、全てのモノマー(カチオン性基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、及び追加的モノマー(複数可))に対して重合で使用されるモノマーの比は以下のようである:カチオン性基含有モノマーは、全てのモノマーの100質量%に基づいて1質量%〜99質量%のレベルで使用され;カルボキシル基含有モノマーは、全てのモノマーの100質量%に基づいて1質量%〜99質量%のレベルで使用され;並びに追加的モノマー(複数可)が全てのモノマー(カチオン性基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、及び追加的モノマー(複数可))の100質量%に基づいて0質量%〜60質量%のレベルで存在してもよい。カチオン性基含有モノマーは、好ましくは5質量%〜90質量%のレベルで、より好ましくは10質量%〜80質量%のレベルで、更により好ましくは15質量%〜70質量%のレベルで使用される。カルボキシル基含有モノマーは、好ましくは10%〜95質量%のレベルで、より好ましくは20質量%〜90質量%のレベルで、更により好ましくは30質量%〜85質量%のレベルで使用される。
【0053】
両性ポリマー及び両性ポリマー組成物の用途
両性ポリマー(又は両性ポリマー組成物)は、凝固剤、凝集剤、印刷インキ、接着剤、汚れ制御(修正)剤、消火剤、スキンケア剤、ヘアケア剤、シャンプー用添加剤、ヘアスプレー、石鹸、及び化粧品、アニオン交換樹脂、染料媒染剤、並びに繊維及び写真フィルムのための補助剤、紙製造のため色素スプレッダ、紙補強剤、乳化剤、防腐剤、織物及び紙用の柔軟化剤、潤滑剤用の添加剤、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤用添加剤、スケール制御剤(スケール抑制剤)、金属イオンシーリング剤、粘度改良剤、任意のタイプの結合剤、乳化剤などとして使用され得る。洗剤ビルダーとして使用される場合、両性ポリマー(又は両性ポリマー組成物)は、布地、食卓用食器類、掃除、毛髪、身体、歯磨き、及び自動車用の洗剤などの多様な用途のために洗剤に添加され得る。
【0054】
繊維処理剤
両性ポリマー(又は両性ポリマー組成物)は、繊維処理剤において使用され得る。このような繊維処理剤は、上記の両性ポリマー(又は両性ポリマー組成物)並びに染色剤、過酸化物、及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含有する。繊維処理剤において、両性ポリマーは、総量の好ましくは1重量%〜100重量%、より好ましくは5重量%〜100重量%を構成する。加えて、任意の好適な水溶性ポリマーが、このポリマーの性能及び効果に影響を及ぼさない範囲内で含まれてもよい。このような繊維処理剤の組成物の例が、以下に記載されている。繊維処理剤は、繊維処理において、スカーリング、染色、漂白及び石鹸処理の工程で使用され得る。染色剤、過酸化物、及び界面活性剤の例としては、繊維処理剤で通常使用されるものが挙げられる。
【0055】
両性ポリマーと染色剤、過酸化物、及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つとの間の配合比は、ポリマーの重量部当たりの純度変換された繊維処理剤の量に基づいて決定される。改善された白色度、色均一性、及び織物の染料堅牢度をもたらすための繊維処理剤として使用される組成物の好適な例では、染料剤、過酸化物、及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つが、両性ポリマーの重量部当たり0.1重量部〜100重量部の割合で使用されることが好ましい。
【0056】
繊維処理剤は、綿布及び麻布などのセルロース繊維、ナイロン及びポリエステルなどの合成繊維、羊毛及び絹糸などの動物繊維、レーヨンなどの半合成繊維、並びに織物及びこれらの混合製品が挙げられる任意の好適な繊維のために使用され得る。
【0057】
スカーリング工程で使用される繊維処理剤については、アルカリ剤及び界面活性剤が、上記の両性ポリマーと共に使用されることが好ましい。漂白工程で使用される繊維処理剤については、過酸化物及びアルカリ性の漂白剤のための分解阻害物質としてのケイ酸ナトリウムなどのケイ酸含有剤が、上記の両性ポリマーと共に使用されることが好ましい。
【0058】
洗剤ビルダー又は分散剤
両性ポリマー(又は両性ポリマー組成物)はまた、洗剤ビルダー又は洗剤分散剤としても使用され得る。洗剤ビルダー又は分散剤は、布地、食卓用食器類、掃除、毛髪、身体、歯磨き、及び自動車用の洗剤など多様な用途のために洗剤に添加され得る。
【0059】
洗濯洗剤
上記の実施形態による両性ポリマーは、例えば洗濯洗剤などの洗浄組成物のための汚れ脱離促進添加剤として好適である。これらは、特にグリース性汚れの場合に、高い分解力を呈する。これらが低い洗浄温度でも汚れ分解力を示すことは、特に有利である。
【0060】
上記の実施形態による両性ポリマーは、洗濯洗剤及び洗浄組成物に、洗浄組成物の重量に基づいて、一般的に0.05重量%〜10重量%、0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%、0.3重量%〜10重量%、0.5重量%〜5重量%、より好ましくは0.25重量%〜2.5重量%の量で添加され得る。
【0061】
洗剤で混合され得る酵素の好適な例としては、プロテアーゼ、リパーゼ、及びセルラーゼが挙げられる。これらの中で、アルカリ洗浄液におけるその高い活性のために、プロテアーゼ、アルカリリパーゼ、及びアルカリセルラーゼが好ましい。
【0062】
洗剤組成物において、酵素は、総量の100質量%に基づいて5質量%以下のレベルで使用されることが好ましい。5質量%を超える酵素の使用は、洗浄性能を更に改善することはないであろうし、原価においても不利である可能性がある。
【0063】
更に、洗濯洗剤及び洗浄組成物は、一般に、界面活性剤、並びに適切な場合、洗浄物質、ビルダー及び更に常習的な成分(例えば、コビルダー、錯化剤、漂白剤、標準化剤、灰色化阻害剤、移染阻害剤、酵素及び香料)としての他のポリマーを含む。
【0064】
本明細書に記載の両性ポリマーは、C
10〜C
16アルキルベンゼンスルホネート(LAS)と、非イオン性、カチオン性、アニオン性若しくはこれらの混合物から選択される1つ以上の共界面活性剤を含む界面活性剤系と、を含む洗濯洗剤又は洗浄組成物中で利用されてもよい。あるいは、多重ポリマー系は、所望により双極性イオン性又はいわゆる半極性界面活性剤(使用可能例:C
12〜C
16アルキルジメチルアミンN−オキシド)によって補足された、任意のアニオン性界面活性剤、又は、これらの非イオン性界面活性剤及び/若しくは脂肪酸の混合物を含む界面活性剤系を含む洗濯洗剤及び洗浄組成物中で利用され得る。他の実施形態では、使用される界面活性剤は、専らアニオン性又は専ら非イオン性であることができる。好適な界面活性剤濃度は、洗剤組成物の約0.5重量%〜約80重量%であり、より典型的には約5重量%〜約60重量%である。
【0065】
アニオン性界面活性剤の好ましい部類は、C
10〜C
16アルキルベンゼンスルホネートのナトリウム、カリウム及びアルカノールアンモニウム塩であり、これらはアルキルベンゼンのスルホン化(SO
2又はSO
3を使用)とその後の中和により調製することができる。好適なアルキルベンゼン供給原料は、硫酸及びHFに基づくプロセスを含む任意の好適なアルキル化スキームを使用して、オレフィン、パラフィン、又はこれらの混合物から作製することができる。任意の好適な触媒がアルキル化に使用されてもよく、UOP、ハニーウェル社(Honeywell company)から市販されているDETAL(商標)固体酸触媒などの固体酸触媒が挙げられる。このような固体酸触媒には、DETAL(商標)DA−114触媒、並びにUOP、ペトレーザ(Petresa)、ハンツマン(Huntsman)などの特許出願に記載されている他の酸触媒が挙げられる。的確にアルキル化触媒を変えることにより、ベンゼンの脂肪族炭化水素鎖への共有結合の位置を広く変えることが可能であることが、理解及び評価されるべきである。したがって、本明細書で有用なアルキルベンゼンスルホネートは、2−フェニル異性体及び/又は内部異性体含有量において広く変えることができる。
【0066】
補助界面活性剤は、所望される利益に基づいて選択することができる。1つの実施形態において、共界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、好ましはC
12〜C
18アルキルエトキシレートとして選択される。他の実施形態において、共界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、好ましくはC
10〜C
18アルキルアルコキシサルフェート(AE
xS)(式中、xは1〜30である)として選択される。他の実施形態において、共界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、好ましくはジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドとして選択される。界面活性剤系がC
10〜C
15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む場合、LASは、組成物の約9重量%〜約25重量%、約13重量%〜約25重量%、又は約15重量%〜約23重量%の範囲の濃度で用いられる。
【0067】
1つの実施形態では、界面活性剤系は、組成物の0重量%〜約7重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の、非イオン性補助界面活性剤、カチオン性補助界面活性剤、アニオン性補助界面活性剤及びこれらの任意の混合物から選択される補助界面活性剤を含んでもよい。
【0068】
非イオン性共界面活性剤の非限定例としては、Shell製ネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤のようなC
12〜C
18アルキルエトキシレート;C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位はエチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物);BASF製プルロニック(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートを有するC
12〜C
18アルコール及びC
6〜C
12アルキルフェノール縮合体;米国特許第6,150,322号で論じられるようなC
14〜C
22中鎖分枝状アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号で論じられるようなC
14〜C
22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAE
x(式中xは1〜30);Llenadoの1986年1月26日発行の米国特許第4,565,647号で論じられるようなアルキル多糖類;特に米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられるようなアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号で論じられるようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際特許公開第01/42408号で論じられるようなエーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。また、非イオン性界面活性剤又は共界面活性剤として本明細書で有用であるものは、式R
1C(O)O(R
2O)
nR
3を有するものなどのアルコキシル化エステル界面活性剤である(式中、R
1は、直鎖及び分枝鎖C
6〜C
22アルキル又はアルキレン部分から選択され、R
2は、C
2H
4及びC
3H
6部分から選択され、R
3は、H、CH
3、C
2H
5及びC
3H
7部分から選択され、nは1〜20の値を有する)。このようなアルコキシル化エステル界面活性剤には、脂肪族メチルエステルエトキシレート(MEE)が挙げられ、これらは当該技術分野において周知である(例えば、米国特許第6,071,873号、同第6,319,887号、同第6,384,009号、同第5,753,606号、国際公開第01/10391号、同第96/23049号を参照されたい)。
【0069】
半極性非イオン性共界面活性剤の非限定例としては、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性アミンオキシド、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性ホスフィンオキシド、並びに、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子のアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分1個とを含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。国際公開第01/32816号、米国特許第4,681,704号、及び同第4,133,779号を参照のこと。
【0070】
カチオン性共界面活性剤の非限定的な例としては、米国特許第6,136,769号で論じられるようなアルコキシラート第四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号で論じられるようなジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;国際公開特許第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号及び同第98/35006号で論じられるようなポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号及び同第6,022,844号で論じられるようなカチオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及び国際公開特許第00/47708号で論じられるようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)を含む26個までの炭素原子を有し得る第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。
【0071】
本明細書で有用なアニオン性共界面活性剤の非限定例としては、C
10〜C
20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS);C
10〜C
18二級(2、3)アルキルサルフェート;C
10〜C
18アルキルアルコキシサルフェート(AE
xS)(式中、xは1〜30である);1〜5個のエトキシ単位を含むC
10〜C
18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;国際公開第99/05243号、同第99/05242号及び同第99/05244号に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。本明細書では、アニオン性界面活性剤は、これらのナトリウム、カリウム又はアルカノールアミン塩の形態で使用され得る。
【0072】
例示的実施形態では、洗浄組成物は、上記の実施形態による両性ポリマーと、C
8〜C
18線状アルキルスルホネート界面活性剤及び共界面活性剤を含む界面活性剤系も含む。この組成物は、任意の形態、即ち液体の形態;粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、小袋、棒、ジェル等の固体;エマルション;二区画容器を有する形式;噴霧又は泡洗剤;予め湿らせた拭取り布(即ち、Mackeyらの米国特許第6,121,165号で論じられるような、不織布材を組み合わせた洗浄組成物);消費者により水で活性化される乾燥拭取り布(即ち、Fowlerらの米国特許第5,980,931号で論じられるような、不織布材を組み合わせた洗浄組成物);及び他の均質又は多相の消費者洗浄製品の形態であってもよい。あるいは、組成物は、錠剤又は、多区画小袋などの小袋の形態であってもよい。
【0073】
1つの実施形態では、洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物であることができる。別の実施形態では、洗浄組成物は、硬質表面洗浄組成物であってもよく、好ましくはこの硬質表面洗浄組成物が不織布基材に含浸される。本明細書で使用する時、「含浸」とは、不織布基材の少なくとも一部分に硬質表面洗浄組成物が染み込むように、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に十分に染み渡るように、硬質表面洗浄組成物が不織布基材と接触して置かれることを意味する。洗浄組成物はまた、堅木、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラス等の、様々な表面を洗浄するカーケア組成物で使用されてもよい。また、この洗浄組成物は、界面活性剤が遊離硬度に接触する、シャンプー組成物、身体洗浄剤、液体又は固体の石鹸及び他の洗浄組成物等の、パーソナルケア組成物とペットケア組成物、並びに石油掘削組成物等の、硬度耐性界面活性剤系を必要とする全ての組成物に使用されるように設計することが可能である。
【0074】
別の実施形態では、洗浄組成物は、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い用組成物、及び自動食器洗い用組成物のタブ/単位用量型のような食器洗浄組成物である。
【0075】
非常に典型的には、本明細書の洗浄組成物、例えば、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加剤、硬質表面洗浄剤、合成及び石鹸ベースの洗濯固形物、布地柔軟仕上げ剤、並びに布地処理用の液体、固体及び布地処理用の全ての種類の物品は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤のような単純に処方された特定の製品は、例えば、酸素漂白剤及び本明細書に記載されるような界面活性剤のみを必要とする場合がある。適切な洗濯又は洗浄補助剤物質の包括的なリストは、国際公開特許第99/05242号に見出すことができる。
【0076】
通常の洗浄補助剤としては、ビルダー、酵素、上述されていないポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質等が挙げられ、上に既に定義された物質を除く。本明細書の他の洗浄補助剤としては、起泡促進剤、抑泡剤(消泡剤)等、各種の活性成分若しくは特殊な材料、例えば、前述した以外の分散性ポリマー(例えば、BASF Corp.製、又はRohm & Haas製)、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、曇り防止剤及び/又は耐食剤、染料、フィラー、殺菌剤、アルカリ源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定化剤、プロ香料、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、並びに液体製剤の場合、溶媒、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、増白剤、抑泡剤、染料、構造弾性化剤(structure elasticizing agents)、布地柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、ヒドロトロープ、加工助剤、並びに他の布地ケア剤、表面及び皮膚ケア剤を挙げることができる。このような他の洗浄補助剤及び使用量の好適な例は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号に見出される。
【0077】
使用方法
更なる実施形態は、対象とする表面を洗浄するための方法を包含することができる。本明細書で使用する時、「対象とする表面」としては、布地、食器、ガラス製品及びその他料理用の表面、硬質表面、毛髪又は皮膚等のそのような表面が挙げられてよい。本明細書で使用する時、「硬質表面」としては、堅木、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラス等の典型的な家庭で見られる硬質表面が挙げられる。この方法は、修飾されたポリオール化合物を含む組成物が、適切な形態で、又は洗浄溶液で希釈されて、少なくとも対象とする表面の一部分と接触し、次いで所望により、対象とする表面をすすぐ工程を含む。好ましくは、対象とする表面は、前述した任意のすすぎ工程の前に洗浄工程が実施される。本明細書で使用するとき、用語「洗浄すること」は、擦ること、拭くこと及び機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。
【0078】
当業者には理解されるように、上記の洗浄組成物は、ホームケア(硬質表面洗浄組成物)及び/又は洗濯用途における使用に理想的に適している。
【0079】
組成物溶液のpHは、洗浄される対象とする表面に対して最も相補的になるように、pH約5〜約11の広い範囲にわたって選択される。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアの場合、かかる組成物のpHは、好ましくはpH約5〜約8であり、洗濯洗浄組成物の場合、pH約5〜約11である。組成物は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約100℃の範囲である。
【0080】
洗濯洗浄組成物で使用される場合、組成物は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm〜約10000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約60℃の範囲である。布地に対する水の比は、好ましくは約1:1〜約20:1である。
【0081】
この方法は、上記の組成物の実施形態で含浸された不織布基材を接触させる工程を含んでもよい。本明細書で使用するとき、用語「不織布基材」は、好適な坪量、キャリパー(厚さ)、吸収性及び強さ特性を有する任意の従来通り形作られた不織布シート又はウェブを包含することができる。好適な市販の不織布基材の例としては、DuPontより商品名SONTARA(登録商標)として販売されるもの、及びJames River Corp.より商品名POLYWEB(登録商標)として販売されるものが挙げられる。
【0082】
当業者には理解されるように、本明細書に記載の洗浄組成物は、理想的には、液体食器洗い用組成物で使用するのに適している。液体食器組成物の使用方法は、汚れた食器を、有効量の、通常は約0.5mL〜約20mL(処理される食器25個あたり)の液体食器洗浄組成物と接触させる工程を含む。
【実施例】
【0083】
以降、本発明は、実施例に基づいてより詳細に説明される。これら実施例は、例示に過ぎず、特許請求の範囲に関して限定することを意味していないことを理解されたい。全ての部は、特に言及しない限り重量を基準とし、並びに全てのパーセンテージは、特に言及されない限り質量を基準とする。
【0084】
モノマー及び中間体が、以下に記載の方法によって様々な特性に関して定量化かつ測定された。
【0085】
カチオン性基含有モノマーは、以下に表示される条件下で液体クロマトグラフィーによって定量化された。カチオン性基含有モノマーの収率が、液体クロマトグラフィーによるカチオン性基含有モノマーの中間体の定量化の結果から決定された転化率から計算される。
【0086】
測定器:日立(Hitachi)High−Technologies Corporationの製品
カラム:CAPCELL PAK C18 MGII 4.6mmφ×250mm、5μm(資生堂(Shiseido)Co.,Ltd.の製品)
温度:40.0℃
溶離液:0.1重量%のギ酸:アセトニトリル=6:4(体積比)
流速:1.0mL/分
検出器:RI、UV(検出波長:210nm)
イソプレノールのエチレンオキシド付加物が、以下の条件下で高速クロマトグラフィーで定量化される:
測定器:8020シリーズ(Tosoh Corp.の製品)
カラム:CAPCELL PAK C1 UG120(資生堂(Shiseido)Co.,Ltd.の製品)
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/Lのリン酸一水素二ナトリウム(pH 7(リン酸で制御された))の十二水和物溶液:アセトニトリル=45:55(体積比)
流速:1.0mL/分
検出器:RI、UV(検出波長:215nm)
カルボキシル基含有モノマー及び他の化合物は、以下の条件下で液体クロマトグラフィーによって定量化される:
測定器:L−7000シリーズ(日立(Hitachi)Ltd.の製品)
検出器:UV検出器、L−7400(日立(Hitachi)Ltd.の製品)
カラム:SHODEX RSpak DE−413(昭和電工(Showa Denko)K.K.の製品)
温度:40.0℃
溶離液:0.1%のリン酸水溶液
流速:1.0mL/分
重量平均分子量の測定条件は以下のようである:
測定器:L−7000シリーズ(日立(Hitachi)Ltd.の製品)
検出器:HITACHI RI Detector、L−7490)
カラム:TSKガードカラム+TSK−GEL α−3000+TSK−GEL α−2500(Tosoh Corp.の製品)
カラム温度:40℃
流速:0.4mL/分
検量線:POLYETHYLENE GLYCOL(GL Sciences,Inc.の製品)
溶離液:100mMのホウ酸(pH 9.2):アセトニトリル=4:1(wt/wt)
【0087】
上記記載の実施形態による両性ポリマーを含む1.0gの両性ポリマー組成物と1.0gの水の混合物を、窒素雰囲気中、130℃に加熱されたオーブン内で1時間乾燥させる。固体含量(%)及び揮発性成分(%)を、乾燥工程前後の重量変化から計算する。
【0088】
以下のモノマー合成実施例において、以下の化合物が、上記記載の式(III)によって表されるポリアルキレングリコール鎖含有モノマーとして使用される:
106.5(mgKOH/g)のヒドロキシル値を有するイソプレノールのエチレンオキシド(平均10モル)付加物(以降、「IPN10」とも呼ばれる)
47.3(mgKOH/g)のヒドロキシル値を有するイソプレノールのエチレンオキシド(平均25モル)付加物(以降、「IPN25」とも呼ばれる)
25.5(mgKOH/g)のヒドロキシル値を有するイソプレノールのエチレンオキシド(平均50モル)付加物(以降、「IPN50」とも呼ばれる)
合成実施例1
1Lの4口フラスコ内において、IPN 10(400g)、エピクロロヒドリン(351.4g)、及び水酸化ナトリウムの48重量%水溶液(以降、48% NaOHとも呼ばれる)(94.9g)を、50℃の制御温度で6時間、攪拌下で反応させる。その後、生じた塩を除去し、エピクロロヒドリン及び水を、残存する有機相から除去することで、中間体(IPEG 10)(324.9g)を含有する反応溶液(451.2g)とIPN 10(64.1g)がもたらされる。引き続き、IPEG 10(324.9g)を含有する反応溶液(451.2g)と30質量%の塩化トリメチルアミンの水溶液(268.7g)を、1Lの4口フラスコ内で50℃の制御温度で8時間反応させることで、カチオン化IPN 10(以降、IPEC 10とも呼ばれる)(336.4g)とIPN 10(63.8g)を含有する反応溶液(以降、モノマー組成物(1)と呼ばれる)(719.9g)がもたらされる。
【0089】
合成実施例2
1Lの4口フラスコ内において、IPN 25(500g)、エピクロロヒドリン(233.7g)、及びペレット形状のNaOH(25.3g)を、50℃の制御温度で16時間、攪拌下で反応させる。その後、生じた塩を除去し、エピクロロヒドリン及び水を、残存する有機相から除去することで、中間体(IPEG 25)(389.1g)を有する反応溶液(499.4g)及びIPN 25(43.5g)がもたらされる。引き続き、IPEG 25(389.1g)を含有する反応溶液(499.4g)と30質量%の塩化トリメチルアミンの水溶液(143.6g)を、1Lの4口フラスコ内で50℃の制御温度で12時間反応させることで、カチオン化IPN 25(以降、IPEC 25とも呼ばれる)(376.7g)とIPN 25(41.3g)を含有する反応溶液(以降、モノマー組成物(2)と呼ばれる)(643.0g)がもたらされる。
【0090】
合成実施例3
200mLの4口フラスコ内において、IPN 50(100g)、エピクロロヒドリン(25.0g)、及びペレット形状のNaOH(2.6g)を、50℃の制御温度で16時間、攪拌下で反応させる。その後、生じた塩を除去し、エピクロロヒドリン及び水を残存する有機相から除去することで、中間体(IPEG 50)(71.7g)を含有する反応溶液(102.3g)とIPN 50(10.0g)がもたらされる。引き続き、IPEG 50(71.7g)を含有する反応溶液(102.3g)と塩化トリメチルアミンの30重量%の水溶液(12.6g)を、200mLの4口フラスコ内で50℃の制御温度で12時間反応させることで、カチオン化IPN 50(以降、IPEC 50とも呼ばれる)(67.2g)とIPN 50(9.8g)を含有する反応溶液(以降、モノマー組成物(3)と呼ばれる)(114.9g)がもたらされる。
【0091】
合成実施例4
合成実施例1と同様の方法で合成されたIPEG 10(100.0g)とジエタノールアミン(17.4g)を、80℃の制御温度で8時間攪拌することで、モノマー組成物(4)(117.4g)をもたらす。液体クロマトグラフィー分析は、モノマー組成物(4)が、式(IIA)で表されるIPN 10のアミノ化合物(式中、R
5及びR
6は−CH
2CH
2OHである)(以降、IPEA 10−DEAとも呼ばれる)(80.8g)と、IPN 10(10.2g)を含むことを示す。
【0092】
合成実施例5
合成実施例1と同様の方法で合成されたIPEG 10(100.0g)とジブチルアミン(23.2g)を、100℃の制御温度で8時間攪拌することで、モノマー組成物(5)(123.2g)をもたらす。液体クロマトグラフィー分析は、モノマー組成物(5)が、式(IIA)で表されるIPN 10のアミノ化合物(式中、R
5及びR
6は−C
4H
9である)(以降、IPEA 10−DBuAとも呼ばれる)(83.6g)と、IPN 10(10.2g)と、を含むことを示す。
【0093】
両性ポリマーの調製
(実施例1)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(100.0g)とMohrの塩(0.0057g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のアクリル酸水溶液(以降、80%のAAと呼ばれる)(148.5g)、モノマー組成物(1)(174.2g)、IPN 10(36.2g)、15%の過硫酸ナトリウム水溶液(以降、15%のNaPSと呼ばれる)(90.9g)、35%の亜硫酸水素ナトリウム(以降、35%のSBSと呼ばれる)(16.7g)、及び純水(147.5g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0094】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(1)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、120分、120分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各溶液は、連続して滴加される。15% NaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%の水酸化ナトリウム(以降、48%のNaOHと略記される)(96.3g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(1)を含有するコポリマー組成物(1)が調製される。コポリマー組成物(1)の固体含量は45%である。
【0095】
(実施例2)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(100.0g)とMohrの塩(0.0057g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(150.3g)、モノマー組成物(1)(44.1g)、IPN 10(144.4g)、15%のNaPS(93.5g)、35%のSBS(17.2g)、及び純水(162.4g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0096】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(1)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、120分、120分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(97.4g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(2)を含有するコポリマー組成物(2)が調製される。コポリマー組成物(2)の固体含量は45%である。
【0097】
(実施例3)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(100.0g)とMohrの塩(0.0056g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(270.0g)、モノマー組成物(1)(39.6g)、IPN10(21.7g)、15%のNaPS(61.9g)、35%のSBS(53.0g)、及び純水(82.3g)を別々のノズルを通して滴加する。各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(1)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、150分、150分、190分、180分、及び150分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(175.0g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(3)を含有するコポリマー組成物(3)が調製される。コポリマー組成物(3)の固体含量は45%である。
【0098】
(実施例4)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(100.0g)とMohrの塩(0.0057g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(145.8g)、モノマー組成物(1)(17.1g)、IPN10(161.0g)、15%のNaPS(65.0g)、35%のSBS(55.7g)、及び純水(166.6g)を別々のノズルを通して滴加する。各溶液の滴加は、同時に開始される。
【0099】
80%のAA、モノマー組成物(1)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、120分、120分、190分、180分、及び120分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(94.5g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(4)を含有するコポリマー組成物(4)が調製される。コポリマー組成物(4)の固体含量は45%である。
【0100】
(実施例5)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(100.0g)とMohrの塩(0.0056g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(256.5g)、モノマー組成物(1)(15.0g)、IPN10(39.0g)、15%のNaPS(98.1g)、35%のSBS(84.1g)、及び純水(43.5g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0101】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(1)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、150分、150分、190分、180分、及び150分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(166.3g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(5)を含有するコポリマー組成物(5)が調製される。コポリマー組成物(5)の固体含量は45%である。
【0102】
(実施例6)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた300mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(20.9g)とMohrの塩(0.0009g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(31.5g)、モノマー組成物(1)(2.5g)、IPN10(14.8g)、15%のNaPS(12.7g)、35%のSBS(10.9g)、及び純水(10.0g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0103】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80% AA、モノマー組成物(1)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、150分、150分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(20.4g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(6)を含有するコポリマー組成物(6)が調製される。コポリマー組成物(6)の固体含量は45%である。
【0104】
(実施例7)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた300mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(19.5g)とMohrの塩(0.0009g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(31.5g)、モノマー組成物(1)(18.5g)、IPN10(1.7g)、15%のNaPS(12.6g)、35%のSBS(10.8g)、及び純水(10.0g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0105】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(1)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、150分、150分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各水溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(20.4g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(7)を含有するコポリマー組成物(7)が調製される。コポリマー組成物(7)の固体含量は45%である。
【0106】
(実施例8)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた300mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(26.9g)とMohrの塩(0.0009g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(22.5g)、モノマー組成物(1)(33.0g)、IPN10(0.1g)、15%のNaPS(13.7g)、35%のSBS(2.5g)、及び純水(10.0g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0107】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(1)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、150分、150分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各水溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(14.6g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(8)を含有するコポリマー組成物(8)が調製される。コポリマー組成物(8)の固体含量は45%である。
【0108】
(実施例9)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた300mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(74.9g)、モノマー組成物(1)(33.9g)、マレイン酸(以降、MAと呼ばれる)(10.1g)、及び35%の過酸化水素溶液(以降、35%のH
2O
2と呼ばれる)(0.3g)を、温度を60℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ60℃に制御された重合反応系に、1.5%のL−アスコルビン酸水溶液(以降、1.5%のL−ASと呼ばれる)(7.9g)を全量を一度に滴加する。
【0109】
その後、反応溶液を60℃に60分間維持し(熟成し)、重合を完了させる。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置する。純水(26.0g)と48%のNaOH(13.0g)添加し、重合反応溶液を中和する。これら工程を経て、コポリマー(9)を含有するコポリマー組成物(9)が調製される。コポリマー組成物(9)の固体含量は25%である。
【0110】
(実施例10)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(150.0g)とMohrの塩(0.0057g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(158.4g)、モノマー組成物(2)(55.7g)、IPN 25(189.2g)、15%のNaPS(92.3g)、35%のSBS(17.0g)、及び純水(48.3g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0111】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(2)、IPN 25、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、150分、150分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各水溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(102.7g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(10)を含有するコポリマー組成物(10)が調製される。コポリマー組成物(10)の固体含量は45%である。
【0112】
(実施例11)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(150.0g)とMohrの塩(0.0057g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(288.0g)、モノマー組成物(2)(50.6g)、IPN 25(28.0g)、15%のNaPS(65.5g)、35%のSBS(46.8g)、及び純水(0.4g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0113】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(2)、IPN 25、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、150分、150分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各水溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(186.7g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(11)を含有するコポリマー組成物(11)が調製される。コポリマー組成物(11)の固体含量は45%である。
【0114】
(実施例12)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(150.0g)とMohrの塩(0.0061g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(162.0g)、モノマー組成物(4)(89.9g)、IPN 10(116.6g)、15%のNaPS(99.9g)、35%のSBS(18.3g)、及び純水(126.1g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0115】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(4)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、120分、120分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各水溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(105.0g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(12)を含有するコポリマー組成物(12)が調製される。コポリマー組成物(12)の固体含量は45%である。
【0116】
(実施例13)
還流冷却器及び攪拌棒(パドル羽根)を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(150.0g)とMohrの塩(0.0061g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌することで、重合反応系を調製する。攪拌されかつ70℃に制御された重合反応系に、80%のAA(162.0g)、モノマー組成物(5)(89.9g)、IPN 10(117.9g)、15%のNaPS(120.5g)、35%のSBS(18.3g)、及び純水(120.5g)を別々のノズルを通して滴加する。
【0117】
各溶液の滴加は、同時に開始される。80%のAA、モノマー組成物(5)、IPN 10、15%のNaPS、35%のSBS、及び純水の滴加時間は、それぞれ180分、120分、120分、190分、180分、及び180分である。各溶液の小滴速度は一定であり、各水溶液は、連続して滴加される。15%のNaPSの滴加後に、反応溶液が70℃で更に30分間維持され(熟成され)、重合が完了する。重合の完了後に、重合反応溶液を攪拌し、冷却されるよう放置し、次いで48%のNaOH(105.0g)で中和する。これら工程を経て、コポリマー(13)を含有するコポリマー組成物(13)が調製される。コポリマー組成物(13)の固体含量は45%である。
【0118】
比較実施例1
還流冷却管及び攪拌棒を備えた500mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(75.0g)とMohrの塩(0.0025g)を、温度を70℃まで上昇させながら攪拌した。その後、80%のAA(65.0g)、80%のIPN 25の水溶液(97.5g)、15%のNaPS(26.3g)、及び35%のSBS(22.5g)を別々のノズルを通して滴加した。80%のAA、80%のIPN 25、15%のNaPS、及び35%のSBSの滴加時間は、それぞれ180分、150分、190分、及び180分であった。各溶液の滴加は、同時に開始された。温度を、15%のNaPSの滴加が完了するまで70℃に制御した。15%のNaPSの滴加の完了後、得られた溶液を同一の制御温度で30分間熟成し、重合を完了させた。重合の完了後に、重合反応溶液を冷却させるために放置し、次いで48%のNaOH(42.1g)で中和した。これらの工程を経て、比較ポリマー(1)を含有する比較ポリマー組成物(1)を調製した。比較ポリマー組成物(1)の固体含量は45%であった。
【0119】
比較実施例2
還流冷却管及び攪拌棒を備えた1000mLのガラス製の分離できるフラスコ内で、純水(169.2g)、60%のIPN 50の水溶液(350.0g)、及びMohrの塩(0.0056g)を、温度を90℃まで上昇させながら攪拌した。その後、80%のAA(112.5g)、15%のNaPS(35.8g)、及び35%のSBS(30.7g)を別々のノズルを通して滴加した。80%のAA、15%のNaPS、及び35%のSBSの滴加時間は、それぞれ180分、210分、及び180分であった。各溶液の滴加は、同時に開始された。温度を、15%のNaPSの滴加が完了するまで90℃に制御した。15%のNaPSの滴加の完了後、反応溶液を同一の制御温度で30分間熟成した。重合の完了後に、重合反応溶液を冷却させるために放置し、次いで48%のNaOH(95.8g)で中和した。これらの工程を経て、比較ポリマー(2)を含有する比較ポリマー組成物(2)を調製した。比較ポリマー組成物(2)の固体含量は45%であった。
【0120】
コポリマー特性化
コポリマー組成物(1)〜(13)が、
1H−NMR分析によって評価された。モノマーを表すピークは見られず、このことは、各ポリマーの組成物が、使用された材料の組成物に一致することを示した。実施例1〜13で調製されたコポリマー(1)〜(13)並びに比較実施例1で調製された比較コポリマー(1)及び比較実施例2で調製された比較コポリマー(2)は、以下に記載されるように性能に関して評価された。表1及び2は、この結果を示す。
【0121】
界面活性剤との適合性
それぞれが試験試料(ポリマー又はポリマー組成物)を含有する洗剤組成物が、以下の材料を用いて調製される:
SFT−70H(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、日本触媒(NIPPON SHOKUBAI)Co.,Ltd.の製品):40g
NEOPELEX F−65(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王(Kao)Corp.の製品):7.7g(活性成分:5g)
Kohtamin 86W(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、花王(Kao)Corp.の製品):17.9g(活性成分:5g)
ジエタノールアミン:5g
エタノール:5g
プロピレングリコール:5g
試験試料:1.5g(固体含量に基づいて)
イオン交換水:100gの洗剤組成物をもたらすための残部
混合物を十分に攪拌することで、全ての成分が均一に分散された。混合物の濁度(カオリン濁度、mg/L)が、濁度計(「NDH2000」日本電色(Nippon Denshoku)Co.,Ltd.の製品)で25℃にて測定された濁度によって評価される。
【0122】
表1に要約される評価は、以下の評価基準に基づく:
良い:0以上かつ50mg/L未満のカオリン濁度;相分離、沈殿、及び濁度が目視にて観察されなかった。
中等度:50mg/L以上かつ200mg/L未満のカオリン濁度;わずかな濁度が目視にて観察された。
不良:200mg/L以上のカオリン濁度;濁度が目視にて観察された。
【表1】
【0123】
抗汚れ再付着能力試験
抗汚れ再付着能力が、JIS Z8901試験用粉体Iクラス11(典型的分析、1μm未満〜約8μmの粒子サイズで、34.0〜40.0重量%のSiO
2、26.0〜32.0重量%のAl
2O
3、3.0〜7.0重量%のMgO、17.0〜23.0重量%のFe
2O
3、0.0〜3.0重量%のCaO、0.0〜4.0重量%のTiO
2)を用いて以下の手順により試験される:
(1)新しい白色綿布(Testfabrics,Inc,415 Delaware Avenue,PO Box # 26,West Pittiston,PA 18643,USAから入手可能な、ISO Doc 509シリーズ6、パート1に従って漂白されシルケット加工された綿綾織物)を、5cm×5cmの白色布に切断する。比色分析色差計(SE2000、日本電色(Nippon Denshoku)Industries Co.,Ltd.の製品)で反射率を測定することによって、白色度をこの白色布に関して決定する。
(2)脱イオン水(20L)を塩化カルシウム二水和物(5.88g)に添加することで、硬水を調製する。
(3)脱イオン水(100mL)を、ナトリウム線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(8.0g)、重炭酸ナトリウム(9.5g)、及び硫酸ナトリウム(8.0g)に添加することで、界面活性剤水溶液を調製する。pHを10に調節する。
(4)terg−o−tometer(S.R.Lab Instruments,G−16,M.K.Industrial Premises Co−Op.Soc.,Sonawala「X」Road No.2,Goregaon(East),Mumbai−400 063 Maharashtra,Indiaから入手可能)を25℃にセットする。硬水(2L)、界面活性剤水溶液(5mL)、0.8%(固体含量に基づいて)の試験ポリマー水溶液(5g)、ゼオライト(0.30g)、及びJIS試験用粉体Iクラス11(1.0g)(日本粉体工業技術協会,京都,日本から入手可能な日本工業規格粉体)を混合し、それぞれのterg−o−tometerのポットに添加し、100rpmで1分間攪拌する。続いて、7枚の白色布をそれぞれのポットに配置し、混合物と布を100rpmで10分間攪拌する。
(5)濯ぎ工程最初の上述の洗浄水を廃棄し、白色布を手で絞り、この布をそれぞれのterg−o−tometerポットに戻し、次いで25℃の新しい硬水(2L)をそれぞれのterg−o−tometerのポットに注ぎ、100rpmで2分間攪拌する。
(6)布を白色布の上に置いて白色布にアイロンをかけ(約200℃)、しわを伸ばしながらそれらを乾燥させる。この布を、比色分析色差計で白色度として反射率を再度測定する。
(7)抗汚れ再付着比を、測定結果に基づいて以下の式から決定する。抗汚れ再付着比(%)=(洗浄後の白色布の白色度)/(最初の白色布の白色度)×100選択されたコポリマーに関するデータが表2に提供されている。
【表2】
【0124】
表1及び2に示される結果は、コポリマー(1)〜(13)並びに比較ポリマー(1)及び(2)は、全てが界面活性剤と高い適応性があったが、本発明のコポリマー(2)、(3)、(7)、及び(11)は比較ポリマー(1)及び(2)に比べてより高い抗汚れ再付着能力を有することを示す。これら結果は、特定の構造の両性ポリマーを使用することの技術的重要性を示唆する。
【0125】
粘土分散性試験
調製−粘土分散性手順は、温度を30℃にセットしたジャケット式ガラスビーカー(それぞれ約1L、以降「ポット」と呼ばれる)を使用して、Phipps and Bird PB−700 Standard Jartester(Phipps and Bird Co,1519 Summit Avenue,Richmond,Virginia 23230,USAから入手可能)で実行する。洗浄溶液を調製する。実験は、緩衝剤条件、緩衝剤/界面活性剤比、及び硬度などの選択された洗浄条件を変化させることによって実行され得る。ポリマー組成物は、2,000ppmの濃度の洗剤を用いて評価され、この洗剤は、10.5のpH及び17gpg(Ca/Mg=3/1)も硬度で、15重量%でのLAS(線状アルキルベンゼンスルホン酸塩)、1.5重量%でのAE
3S(平均で3モルのエトキシル化を有するアルキルエトキシサルフェート、10重量%でのゼオライト、及び12重量%での炭酸ナトリウムを含む(全ての重量%は、洗剤組成物の総重量に基づく))。ポリマーの原液は、28,000ppmのポリマーで作製される。
【0126】
参照ポリマーは、4500Daの分子量を有する線状ポリアクリル酸ナトリウムである。US粘土(Empirical Manufacturing Company,7616 Reinhold Drive,Cincinnati,Ohio,45237−3208から入手可能)は、この粘土がそれぞれのポット内の750gの洗浄溶液に加えられる場合、ガラスバイアル瓶のそれぞれのポットが1000ppmの粘土を提供するよう計量される。10mmのパスレングス並びに30℃にセットされた常温循環浴を備える標準規格研究室用UV/VIS分光光度計を特性化に使用する。UV/VIS分光光度計での吸光度値を520nmにセットする。ブランクUV/VIS測定を、洗浄溶液について行う。各ポットを750gの洗浄溶液で充填し、攪拌棒を160rpmにセットする。各ポットにおいて20ppmの最終ポリマー濃度に到達するために、28,000ppmのポリマー溶液の量を計量するよう、ピペットを調整する。UV/VIS測定用のアリコートを取り出すために、別のピペットを4mLに調整する。
【0127】
試験手順−粘土を1分間の間隔で連続して各ポットに添加する。次いで、ポリマーをそれらの指示されたポットに、全てのポリマーが添加されるまで、同様に1分間の間隔で連続して添加する。
【0128】
工程1として、15分間の攪拌後に、各ポットから3つの4mLアリコートを取り出し、ポットを更に攪拌すると同時に、520nmにてのUV/VIS吸光度を、このアリコートから読取る。工程2として、次いでこのアリコートを30分間放置させて、この後に各アリコート(4.0mL×3)の上部からUV/VIS吸光度を測定する。工程3として、工程1において第1のアリコートが取り出されたときから合計で30分後に、攪拌が続けられていたポットから3つの追加のアリコートを取り出す。UV/VIS吸光度を、追加のアリコートの上部から測定する。
【0129】
各工程での粘土「分散性値」Dを、方程式:
D=(各ポリマーのUV吸光度値/LSPAのUV吸光度値)×100を用いて計算する。
【0130】
工程1からの測定値は、「ペプチゼーション短時間」のための分散性値を提供する。工程2からの測定値は、「安定性指数」のための値を提供する。工程3からの測定値は、「ペプチゼーション長時間」のための分散性値を提供する。
【0131】
以下のデータは、本発明による両性ポリマーの利点を示す。本発明による2つの両性ポリマーの値が110及び104であるのに比較して、参照ポリマー(4000DaのM
Wを有するLSPA)の粘土分散性ペプチゼーションは100であった。本発明による同一の2つの両性ポリマーについての値が105及び111であるのに比較して、参照ポリマーの安定性指数は100であった。
【0132】
組成物の配合
(実施例14)
顆粒状の洗濯洗剤
例示された両性ポリマーを含む粒状の洗濯洗剤の例が表3に提供される。
【表3】
1 実施例1〜13のいずれかによる両性ポリマー、又は実施例1〜13による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物。
【0133】
(実施例15)
液体洗濯洗剤
両性ポリマーを含む液体洗濯洗剤配合物の例が、表4、5、及び6に提供されている。
【表4】
1 実施例1〜13のいずれかによる両性ポリマー、又は実施例1〜13による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物。
2 ジエチレントリアミン五酢酸、ナトリウム塩
3 ジエチレントリアミンペンタキス(pentakis)メチレンホスホン酸、ナトリウム塩
4 エチレンジアミン四酢酸、ナトリウム塩
5 アクゾール(Acusol)OP 301
【0134】
【表5】
1 実施例1〜13のいずれかによる両性ポリマー、又は実施例1〜13による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物。
【0135】
【表6】
1 実施例1〜13のいずれかによる両性ポリマー、又は実施例1〜13による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物。
2 PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリ酢酸ビニルに対するポリエチレンオキシドの重量比は約40:60であり、エチレンオキシド単位50個当たりグラフト点は1個以下である。
3 Alco 725(スチレン/アクリレート)
【0136】
(実施例16)
液体食器手洗い用洗剤
例示的液体食器手洗い用洗剤配合物が、表7で提供されている。
【表7】
1 実施例1〜13のいずれかによる両性ポリマー、又は実施例1〜13による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物。
2 非イオン性とは、9個のエトキシル基を含有するC
11アルキルエトキシル化界面活性剤であってもよい。
3 1,3−BACは、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサンである。
4 (N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートホモポリマー
【0137】
(実施例17)
自動食器洗い器用洗剤
例示的自動皿洗い機用洗剤配合物を表8に示す。
【表8】
1 実施例1〜13のいずれかによる両性ポリマー、又は実施例1〜13による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物。
2 Rohm & Haasから入手可能なACUSOL(登録商標)445N、又はAlcoからのALCOSPERSE(登録商標)など
3 Olin CorporationからのSLF−18 POLY TERGENTなど
【0138】
(実施例18)
ポリビニルアルコールのフィルムにより封入されている小袋の形態の液体洗濯洗剤組成物。
小袋内の例示的液体洗濯洗剤組成物が表9に提供される。
【表9】
1 PAP=フタロイル−アミノ−ペルオキシカプロン酸、70%活性湿潤ケーキとして
2 実施例1〜13のいずれかによる両性ポリマー、又は実施例1〜13による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物。
3 PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は約40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
【0139】
特に記載がない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、その構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0140】
割合(%)及び比率は全て、特記のない限り重量で計算される。百分率及び比率は全て、別途記載のない限り組成物全体を基準にして計算される。
【0141】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、あたかもそれらの大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれよりも狭い全ての数値範囲を、あたかもそれらのより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。
【0142】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0143】
本発明の「発明を実施するための形態」の中で引用された全ての文献は、本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0144】
別段に定義されていない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者に共通に理解されるものと同じ意味を有している。本明細書において説明に使用される用語は、単に特定の実施形態を記載するためであり、限定されるものではない。
【0145】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに示さない限り、同様に複数形を含むものとする。
【0146】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「独立して、から選択される」とは、文章の前後関係が別途明らかに指示しない限り、参照された群が同一、異なる、又はそれらの混合であり得ることを意味するものとする。したがって、この定義の下で、表現「X
1、X
2、及びX
3は、独立して、A、B、及びCからなる群から選択される」とは、X
1、X
2、及びX
3は全て同一である場合、X
1、X
2、及びX
3が全て異なる場合、並びにX
1及びX
2が同一であるがX
3が異なる場合のシナリオを包含する。
【0147】
特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。