特許第5727077号(P5727077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5727077
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】展示ケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/00 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   A47F3/00 F
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-150689(P2014-150689)
(22)【出願日】2014年7月24日
【審査請求日】2014年10月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514187774
【氏名又は名称】細見 大作
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】細見 大作
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−262970(JP,A)
【文献】 実開昭59−066478(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体と、戸板と、支持機構と、ばね機構と、位置決め機構とを含む展示ケースであって、
前記戸板は、前記ケース本体の前面に設けられた開口部に対し前後方向に移動して開位置及び閉位置に開閉し、
前記支持機構は、前記ケース本体に対し前記前後方向に移動可能であると共に、前記戸板を前記前後方向と直交する横方向に摺動し得るように支持し、
前記ばね機構は、先端に膨出部を有するガイド棒を、ケース本体に固定した支持片に通した状態で前記支持機構から前記前後方向に突出させ、前記支持片と前記支持機構との間の前記ガイド棒上に第1のコイルばねを配置し、前記支持片と前記膨出部との間の前記ガイド棒上に第2のコイルばねを配置し、
前記位置決め機構は、前記戸板を前記閉位置で拘束する第1拘束位置及び前記開位置で拘束する第2拘束位置でそれぞれ前記支持機構を拘束したことを特徴とする展示ケース。
【請求項2】
前記第1拘束位置では、前記第1のコイルばねが圧縮状態となると同時に前記第2のコイルばねが非圧縮状態となり、前記第2拘束位置では、前記第1のコイルばねが非圧縮状態となると同時に前記第2のコイルばねが圧縮状態となるように前記ガイド棒上に前記第1のコイルばね及び第2のコイルばねを配置したことを特徴とする請求項1に記載の展示ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展示ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、美術館や博物館などで展示品を収容する展示ケースや、小売店などで商品を収納する展示ケースとして、種々の構造のものが提案され、実用に供されている。一例として、特許文献1、2に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1、2に記載された展示ケースは、ケース本体と、ケース本体の前面開口部を略面一に閉止する戸板と、戸板をその厚み方向に沿って出入自在に支持する支持機構と、戸板を幅方向に沿って開閉可能に支持するガイド機構とを具備し、ケース本体の前面において、戸板を、その厚み方向(前後方向)及び左右方向に移動させることができるようになっている。支持機構は、ピニオン部と、このピニオン部の回転運動を直線運動へと変換するラック部とによって構成されている。
【0004】
ところで、この種の展示ケースでは、戸板に前後方向の外力が加わっても、戸板が一旦設定された閉止位置から前後方向に移動しないようにし、隣接する戸板との間で段差が生じたり、或いは展示品に接触したりしないようにする必要がある。
【0005】
また、戸板に前後方向の外力が加わっても、戸板が一旦設定された開放位置から前後方向に移動しないようにし、戸板を幅方向に沿って移動する際に、他の戸板と接触する等の不具合をなくす必要がある。
【0006】
特許文献1、2は、ピニオン部とラック部との組合せを開示するに留まり、上述したような課題についての解決手段が開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−24190号公報
【特許文献2】特開2003−24192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、戸板を前後方向の2つの位置(閉位置、開位置)に拘束し、その位置で戸板を安定に開閉することができ、一旦設定された戸板の位置が、戸板の開閉動作に伴って変動するのを抑止し得る展示ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明に係る展示ケースは、ケース本体と、戸板と、支持機構と、ばね機構と、位置決め機構とを含む展示ケースであって、前記戸板は、前記ケース本体の前面に設けられた開口部に対し前後方向に移動して開位置及び閉位置に開閉し、前記支持機構は、前記ケース本体に対し前記前後方向に移動可能であると共に、前記戸板を前記前後方向と直交する横方向に摺動し得るように支持し、前記ばね機構は、先端に膨出部を有するガイド棒を、ケース本体に固定した支持片に通した状態で前記支持機構から前記前後方向に突出させ、前記支持片と前記支持機構との間の前記ガイド棒上に第1のコイルばねを配置し、前記支持片と前記膨出部との間の前記ガイド棒上に第2のコイルばねを配置し、前記位置決め機構は、前記戸板を前記閉位置で拘束する第1拘束位置及び前記開位置で拘束する第2拘束位置でそれぞれ前記支持機構を拘束したことを特徴とする。
【0010】
上述したように、本発明に係る展示ケースは、ケース本体と、戸板と、支持機構と、ばね機構と、位置決め機構とを含み、戸板はケース本体の前面に設けられた開口部を開閉し、支持機構は、前後方向と直交する横方向に摺動し得るように戸板を支持するから、戸板を、支持機構よって支持しながら、前後方向と直交する横方向に摺動させ、ケース本体の前面に設けられた開口部を開閉することができる。
【0011】
本発明に係る展示ケースは、位置決め機構を含んでおり、この位置決め機構は、前後方向における位置の異なる第1拘束位置及び第2拘束位置で、支持機構を拘束(ロック)し、かつ、その位置で戸板の横方向への摺動を許容する。一般には、第1拘束位置は、戸板閉位置であり、第2拘束位置は戸板開位置である。従って、戸板閉位置及び開位置で、戸板の横方向への摺動が可能であり、戸板の横方向への開閉動作に関わらず、戸板が前後方向への変動が抑止される。
【0012】
しかも、位置決め機構は、第1拘束位置及び第2拘束位置で、互いに逆方向のばね圧を支持機構に加えるから、第1拘束位置から第2拘束位置への移行、及び、第2拘束位置から第拘束位置への移行を、ばね圧を利用して、スムーズに実行することができる。移行した後は、拘束が容易に外れないようなばね圧が支持機構に加わるから、拘束状態を安定に維持することができる。
【0013】
位置決め機構は、具体的には、拘束機構と、ばね機構73,75とを含むことができる。この場合、前記拘束機構は、前記第1拘束位置及び第2拘束位置に前記支持機構を拘束し、その拘束を解除する。前記ばね機構73,75は、前記第1拘束位置及び前記第2拘束位置において互いに逆方向のばね圧を前記支持機構に加える。このような位置決め機構によれば、所期の目的を確実に達成することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、本発明によれば、戸板を前後方向の2つの位置(閉位置、開位置)に容易に拘束し、その位置で戸板を安定に開閉することができ、一旦設定された戸板の位置が、戸板の開閉動作に伴って変動するのを抑止し得る展示ケースを提供することができる。
【0015】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る展示ケースの概略的な構成を示す斜視図である。
図2図1に示した展示ケースの概略的な構成を示す部分断面図である。
図3図2の3−3線拡大部分断面図である。
図4図1図3に示した展示ケースの操作を説明する図である。
図5図1図3に示した展示ケースの操作を説明する図である。
図6図5の位置から更に進んだ動作状態を示す図である。
図7図6の位置から更に進んだ動作状態を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る展示ケースの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1図3を参照すると、本発明に係る展示ケースは、ケース本体1と、戸板3と、第1支持機構51及び第2支持機構52と、位置決め機構7A〜7Dとを含む。
【0018】
ケース本体1は、限定を伴わない一般的な外形形状として、6面体状となっており、6面のうち、前後方向Xで見た一面側の前面に開口部101(図2参照)を有する。その他の面は、底面板102、上面板103及び側面板104で閉じられている。ケース本体1の各面板102〜104は、木質系、金属系、ガラス系、合成樹脂系又はそれらの組合せ等によって構成することができる。
【0019】
戸板3は、ケース本体1の前面に設けられた開口部101を開閉する。戸板3も、木質系、金属系、ガラス系、合成樹脂系又はそれらの組合せ等によって構成することができる。戸板3は、上下方向Zで見た両端縁に沿って、上ガイド部302及び下ガイド部301を設けてある。上ガイド部302及び下ガイド部301は、バー状であって、前後方向X及び上下方向Zと直交する横方向Yに延びている。上ガイド部302及び下ガイド部301は、戸板3の内面、即ち、ケース本体1と向き合う面に、例えば、ネジ等の機械的結合、接着剤を用いた接合又はそれらの組合せによって、固定して取り付けることができる。
【0020】
第1支持機構51及び第2支持機構52は、好ましくは、戸板3の上下方向の両端に設けられ、前後方向Xと直交する横方向Yに摺動し得るように戸板3を支持する。図示の第1支持機構51及び第2支持機構52は、バー状であって、上ガイド部302及び下ガイド部301と対向するように組み合わされる。
【0021】
第1支持機構51は、下ガイド部301と対向する面上に、複数の突片511が、間隔をおいて突設されている。これらの突片511は、下ガイド部301の案内溝の内部に脱落しない状態で、緩くはまり込んで、横方向Yに案内される。
【0022】
第2支持機構52は、上ガイド部302と対向する面上に、複数の突片521が、間隔をおいて突設されている。これらの突片521は、上ガイド部302の案内溝の内部に脱落しない状態で、緩くはまり込んで、横方向Yに案内される。
【0023】
位置決め機構7A〜7Dは、この実施の形態では、図1に図示するように、4つ備えられている。もっとも、その個数は増減できる。位置決め機構7A〜7Dのうち、位置決め機構7A、7Bは、戸板3の横方向Yの一端側において、上下方向Zの相対する位置に設けられており、位置決め機構7C、7Dは、戸板3の横方向Yの他端側において、上下方向Zの相対する位置に設けられている。
【0024】
位置決め機構7A〜7Dは、互いに同様の構造であり、同様の作用を果たすので、以下、位置決め機構7Aの動作に焦点を合わせて説明する。位置決め機構7Aは、前後方向Xで見た位置が互いに異なる第1拘束位置P11及び第2拘束位置P12で、第1支持機構51を拘束し、互いに逆方向のばね圧を第1支持機構51に加え、かつ、戸板3の横方向Yへの摺動を許容する。この動作を実現するため、位置決め機構7Aは、図2及び図3に図示するように、拘束機構71と、ばね機構73,75とを含む。拘束機構71は、第1支持機構51を第1拘束位置P11及び第2拘束位置P12に拘束し、その拘束を解除する。
【0025】
拘束機構71は、より詳しくは、ロッド拘束部材711,712と、ロッド駆動装置713とを備える。ロッド拘束部材711,712は、実施例では、間隔をおいて、2つ備えられており、それぞれは、第1支持機構51に一体的にとりつけられている。ロッド拘束部材711には、第1拘束位置P11となる第1止め孔714と、第2拘束位置P12となる第2止め孔715が、間隔をおいて形成されている。ロッド拘束部材712には、第1拘束位置P11となる第1止め孔716と、第2拘束位置P12となる第2止め孔717が、間隔をおいて形成されている。
【0026】
ロッド駆動装置713は、第1支持機構51から独立し、ケース本体1の例えば底面板102に取り付けられている。ロッド駆動装置713は、その横方向Yの両側に突出する2本のロッド721,722を有しており、これらのロッド721,722は、その先端がロッド拘束部材711,712の第1拘束位置P11となる第1止め孔714または第2拘束位置P12となる第2止め孔715に進入し、または、後退し得るようになっている。ロッド721,722の先端部は、案内部材771,772によって支持してある。
【0027】
第1止め孔714及び第2止め孔715に対するロッド721の進入、後退、及び、第1止め孔716及び第2止め孔717に対するロッド722の進入、後退は、ロッド駆動装置713の操作によって実行される。そのようなロッド駆動装置713は、さまざまな形態として実現できる。その一例として、この実施例では、レンチ等の操作具によって、ロッド駆動装置713に備えられた操作端716を回転させ、それによってロッド721,722を進入させ、又は、後退させる場合を例にとって説明する。
【0028】
ばね機構73,75のそれぞれは、ロッド拘束部材711,712の外側の位置に備えられている。このうち、ばね機構73は、第1拘束位置P11及び第2拘束位置P12において、互いに逆方向のばね圧を第1支持機構51に加える。実施の形態では、第1支持機構51にガイド棒731を設けるとともに、このガイド棒731を、ケース本体1の底面板102に固定して設けた支持片732に緩く通し、第1支持機構51と支持片732との間、及び、支持片732とガイド棒731の先端部との間に、それぞれ、第1コイルばね753及び第2コイルばね734を配置した構造になっている。
【0029】
ばね機構75は、ばね機構73と同様の構造を持ち、第1拘束位置P11及び第2拘束位置P12において、互いに逆方向のばね圧を第1支持機構51に加える。実施の形態では、第1支持機構51にガイド棒751を設けるとともに、このガイド棒751を、ケース本体1の底面板102に固定して設けた支持片752に緩く通し、第1支持機構51と支持片752との間、及び、支持片752とガイド棒751の先端膨出部との間に、それぞれ、第1コイルばね753及び第2コイルばね754を配置した構造になっている。図示は省略するが、位置決め機構7B〜7Dも、位置決め機構7Aと同様の構造をもっている。
【0030】
次に、操作について説明する。図1図3の実施の形態では、位置決め機構7Aの他、位置決め機構7B〜7Dも有するところ、位置決め機構7B〜7Dは位置決め機構7Aと同様の構造であり、同様の作用を果たすので、以下、位置決め機構7Aの動作に焦点を合わせて説明する。
【0031】
図4は、ケース本体1の開口部101が、戸板3によって閉塞されている閉位置を示す。この状態では、位置決め機構7Aのロッド721,722の先端が、第1支持機構51と一体をなすロッド拘束部材711,712の第1止め孔714、716の内部に挿入され、第1支持機構51は、第1拘束位置P11で拘束(ロック)されている。
【0032】
ばね機構73では、第1コイルばね733が、第1支持機構51と支持片732の間で圧縮され、支持片732とガイド棒731,751の先端膨出部735との間の第2コイルばね734は非圧縮状態にある。
【0033】
ばね機構75は、第1コイルばね753が、第1支持機構51と支持片752との間で圧縮され、支持片752とガイド棒751の先端膨出部755の間の第2コイルばね754は非圧縮状態にある。
【0034】
この状態では、第1支持機構51は、前後方向Xへの動きが拘束されているが、横方向へYへの摺動が禁止されているわけではない。従って、図4に示すように、戸板3を横方向Y1に往復摺動させることができる。
【0035】
次に、図4の状態において、図示しないレンチ等の操作具によって、ロッド駆動装置713に備えられた操作端716を、図5に示すように、矢印R1の方向に回転させると、ロッド721,722の先端が、矢印Y11,Y12の方向に移動し、第1止め孔714、716から退出する。すると、ロッド721,722に対する第1止め孔714、716による掛け止め機能(ロック機能)が解除され、ロッド721,722が、第1コイルばね733、753の反発力を受けて、第1支持機構51が矢印X1の方向、つまり、前方に移動する。この移動は中間的な動作であって、第1支持機構51は、第1コイルばね733、753及び第2コイルばね734,754の何れの圧縮力からも自由になる。
【0036】
次に、図6に示すように、レンチ等の操作具によって、ロッド駆動装置713に備えられた操作端716を、図6に示すように、矢印F1の方向に回転させると、ロッド721,722の先端が、第2止め孔715,717にすべるように進入し、第2拘束位置P12に拘束される。この状態では、第2コイルばね734,754が、支持片732,752とガイド棒731,751の先端膨出部735,755との間で圧縮され、その反発力を受けて、第1支持機構51が矢印X1の方向、つまり、前方に移動し、その状態にロックされる。この状態では、戸板3の横方向Yへの摺動は許容されているので、図7に示すように、戸板3を横方向Y1に摺動させることができる。説明は、省略するが、他の位置決め装置7B〜7Dにおいても、同様の動作が起こる。
【0037】
上述したように、本発明に係る展示ケースは、ケース本体1と、戸板3と、第1支持機構51及び第2支持機構52とを含み、戸板3はケース本体1の前面に設けられた開口部101を開閉し、第1支持機構51及び第2支持機構52は、前後方向Xと直交する横方向Yに摺動し得るように戸板3を支持するから、戸板3を、第1支持機構51及び第2支持機構52よって支持しながら、前後方向Xと直交する横方向Yに摺動させ、ケース本体1の前面に設けられた開口部101を開閉することができる。
【0038】
本発明に係る展示ケースは、位置決め機構7A〜7Dを含んでおり、この位置決め機構7A〜7Dは、前後方向Xにおける位置の異なる第1拘束位置P11及び第2拘束位置P12で、第1支持機構51及び第2支持機構52を拘束(ロック)し、かつ、その位置で戸板3の横方向Yへの摺動を許容する。一般には、第1拘束位置P11は、戸板3の閉位置であり、第2拘束位置P12は戸板3の開位置である。従って、戸板3の閉位置及び開位置で、戸板3の横方向Yへの摺動が可能であり、戸板3の横方向Yへの開閉動作に関わらず、戸板3が前後方向Xへの変動が抑止される。
【0039】
しかも、位置決め機構7A〜7Dは、第1拘束位置P11及び第2拘束位置P12で、互いに逆方向のばね圧を第1支持機構51及び第2支持機構52に加えるから、第1拘束位置P11から第2拘束位置P12への移行、及び、第2拘束位置P12から第2拘束位置P12への移行を、ばね圧を利用して、スムーズに実行することができる。移行した後は、拘束が容易に外れないようなばね圧が、第1支持機構51及び第2支持機構52に加わるから、拘束状態を安定に維持することができる。
【0040】
図8を参照すると、上下の位置決め機構7A〜7Dを、連結部材9で連携し、協働的に動作させるようにした形態を示す。即ち、例えば、下側の位置決め機構7A、7Cを操作することによって、上側の位置決め機構7B、7Dを動作させるようにしたものである。連結部材9は、リンク、チェーン、ワイヤ等によって構成することができる。
【0041】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0042】
1 ケース本体
3 戸板
51 第1支持機構材
7A〜7D 位置決め機構
【要約】
【課題】戸板を前後方向の2つの位置(閉位置、開位置)に拘束し、その位置で戸板を安定に開閉することができ、一旦設定された戸板の位置が戸板の開閉動作に伴って変動するのを抑止し得る展示ケースを提供する。
【解決手段】 ケース本体1と、戸板3と、支持機構51,52と、位置決め機構7A〜7Dとを含む。戸板3は、ケース本体1の前面に設けられた開口部101を開閉する。支持機構51,52は、前後方向Xと直交する横方向Yに摺動し得るように戸板3を支持する。位置決め機構7A〜7Dは、前後方向Xにおける位置の異なる第1拘束位置P11及び第2拘束位置P12で、支持機構51,52を拘束し、互いに逆方向のばね圧を支持機構51,52に加え、かつ、戸板3の横方向Yへの摺動を許容する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8