特許第5727104号(P5727104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5727104
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】食用油の酸化防止方法
(51)【国際特許分類】
   A23D 9/06 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   A23D9/06
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-528775(P2014-528775)
(86)(22)【出願日】2014年2月17日
(86)【国際出願番号】JP2014000794
【審査請求日】2014年6月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512217787
【氏名又は名称】新エネルギー産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】新納 清憲
【審査官】 木原 啓一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−069476(JP,A)
【文献】 特開2012−161734(JP,A)
【文献】 山名利三郎,特集 食品加工と新技術 3 電場処理による食品の品質改善,食品と開発,1993年 8月,Vol.28, No.8,p.16-19
【文献】 金津恭夫,新しい油の酸化防止方法,食品と科学,1976年,Vol.18, No.4,p.110-112
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D
C11B
C11C
CAplus/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Food Science and Tech Abst(FSTA)(ProQuest Dialog)
Foodline Science(ProQuest Dialog)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の出力端子を接地した出力周波数2Hz〜200Hzの交流電源と、当該交流電源の他方の非接地側出力端子に直列に接続した出力周波数2kHz〜2000kHzのLC並列回路とからなり、当該LC並列回路の他端を出力端子として、前記交流電源の出力電圧vと外部電磁波により前記LC並列回路に誘導された誘導起電力v’との重畳波voを出力する電源装置と、当該電源装置の前記出力端子にリード線を介して接続され、金属製容器に収容し食用油内へ直接浸漬するか若しくは前記金属製容器の外側面に配置した導電体製電極板とから構成され、前記電源装置からの重畳波の出力電圧により導電体製電極板の電位を変動させて電場変動を生じさせ、食用油を変動電場にさらすようにした金属製容器内の食用油の酸化防止方法において、前記導電体製電極板をチタン合金製又はチタン合金粉を含有するゴム若しくはプラスチック製の導電体製電極板とすると共に、前記LC並列回路の他端と電源装置の出力端子との間に、LC並列回路側から前記導電体製電極板側への電流の流通を阻止する第1の整流素子を、また、電源装置の出力端子と前記交流電源の接地側端子との間に、交流電源の接地側からリード線を通して導電体製電極板側への電流流通を阻止する第2の整流素子を夫々設け、電源装置により導電体製電極板にマイナス電位の変動を与えることにより、導電体製電極板を構成する素材原子の外殻電子軌道の変動及びこれに基づく陽子の振動により量子波を発生させ、食用油に量子波を照射すると共に食用油を変動電場にさらす構成としたことを特徴とする食用油の酸化防止方法。
【請求項2】
第1及び第2の整流素子をPN型ダイオードとした請求項1に記載の食用油の酸化防止方法。
【請求項3】
金属製容器をステンレス鋼製容器とした請求項1に記載の食用油の酸化防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種食用油の酸化防止方法の改良に関するものであり、食用油内又はその近傍に設置した導電体製電極板に負の電位変動や電界変動を発生させて食用油に電子を付与し、食用油を構成する原子や分子の電子の状態に影響を及ぼすことにより食用油の物性を変化させ、その酸化防止のみならず熱伝導率の向上や粘度の引下等を可能にした食用油の酸化防止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食用油等は、一般に空気と接触することにより酸化され、その品質が低下する。そのため、食用油等は非通気性の密閉容器に保管され、必要量の食用油を取出しした後は、容器を再び密閉するようにしている。しかし、食用油の取出し時に密閉容器内への空気が侵入するのを防止することは困難であり、その結果、容器内に貯留中の食用油は、酸化により品質劣化が促進されることになる。
尚、上記貯留中の食用油の酸化防止策として、空気抽出器や空気吸収剤の使用、不活性ガス充填等の方策が存在するが、何れも設備費等の点から小規模工場や一般家庭等では容易に採用することが困難である。
【0003】
一方、使用後の食用油、例えば、一般家庭で食品の揚げ物作りに使用した後の食用油は、高温加熱によって酸化の進行が比較的早く、2〜3回の重複使用によってその品質が著しく劣化し、再使用に耐えなくなる。
又、食用油は、繰返し使用するとその粘度が上昇する傾向にあり、その結果、揚げ物作成時の油の浸透性が悪くなり、短時間で所謂高品質な揚げ物(所謂「かりっとした食感の揚げ物」)を作ることが出来ない等の難点がある。
【0004】
ところで、使用中の食用油の酸化や粘度上昇を防止し、これ等に起因する上記の如き問題を解決するために、ろ過装置や酸化防止剤等を用いた各種の技術が開発されている(特開2013−81426号、特開平9−100489号等)。
しかし、従前のこの種の食用油の酸化防止装置等は何れも大型で高価なものであり、小規模企業や一般家庭等では簡単に使用することができないうえ、十分な酸化防止効果が得られないと云う難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−81426号公報
【特許文献2】特開平9−100489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従前の食用油類等の酸化防止技術等における上述の如き問題を解決せんとするものであり、簡単な構造の小型設備を用い、少量のエネルギー消費でもって高能率で簡便に食用油類等の酸化や粘度上昇を防止することができ、これによって、長期に亘って食用油類を繰返し使用することを可能にし、また、低温度で短時間内に食感の良い揚げ物を効率よく作れるようにした、食用油の酸化防止方法を提供することを発明の主目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、 一方の出力端子を接地した出力周波数2Hz〜200Hzの交流電源と、当該交流電源の他方の非接地側出力端子に直列に接続した出力周波数2kHz〜2000kHzのLC並列回路とからなり、当該LC並列回路の他端を出力端子として、前記交流電源の出力電圧vと外部電磁波により前記LC並列回路に誘導された誘導起電力v’との重畳波voを出力する電源装置と、当該電源装置の前記出力端子にリード線を介して接続され、金属製容器に収容し食用油内へ直接浸漬するか若しくは前記金属製容器の外側面に配置した導電体製電極板とから構成され、前記電源装置からの重畳波の出力電圧により導電体製電極板の電位を変動させて電場変動を生じさせ、食用油を変動電場にさらすようにした金属製容器内の食用油の酸化防止方法において、前記導電体性電極板をチタン合金製又はチタン合金粉を含有するゴム若しくはプラスチック製の導電体性電極板とすると共に、前記LC並列回路の他端と電源装置の出力端子との間に、LC並列回路側から前記導電体製電極板側への電流の流通を阻止する第1の整流素子を、また、電源装置の出力端子と前記交流電源の接地側端子との間に、交流電源の接地側からリード線を通して導電体製電極板側への電流流通を阻止する第2の整流素子を夫々設け、電源装置により導電体製電極板にマイナス電位の変動を与えることにより、導電体製電極板を構成する素材原子の外殻電子軌道の変動及びこれに基づく陽子の振動により量子波を発生させ、食用油に量子波を照射すると共に食用油を変動電場にさらす構成としたことを発明の基本構成とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、第1及び第2の整流素子をPN型ダイオードとするようにしたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、金属製容器をステンレス鋼製容器としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、一方の出力端子を接地した交流電源と、当該交流電源の非接地出力端子側に直列に一端が接続されて非接地出力端子からの電流の流出を阻止する整流素子とを備えた電源装置を用い、当該電源装置の前記非接地出力端子にリード線を介して導電体製電極板を接続すると共に、当該導電体製電極板を金属製容器内の食用内に直接浸漬するか又は食用油を収容した金属製容器の外側面に配置して、前記交流電源の印加によって前記導電体製電極板にマイナスの電位変動を与えて電場変動を発生させることにより、金属製容器内の食用油の酸化防止を図る構成としている。
【0011】
即ち、電源装置の交流電源を印加することにより、導電体製電極板にマイナス方向の電位変動が加わることになり、電源装置から導電体製電極板へ電子が供給され、導電体製電極板の電子が増加すると共に、マイナス方向の振動波が加わらない時には電子の一部が放電により消滅し、これによって導電体製電極板はマイナス方向の電位変動を生ずることになる。
【0012】
又、電源装置から導電体製電極板に交番電圧v、若しくは交番電圧vと誘起起電力v’との重畳波出力電圧voが印加されることにより、導電体製電極板の電位が変動すると共に、導電体製電極板の表面やその近傍の電場が変動し、食用油は変動電場にさらされることになる。
【0013】
上記導電体製電極板のマイナス方向の電位変動によりその電場が変動すると、導電体製電極板のマイナスイオンが増加し、導電体製電極板を構成する素材の原子の外殻電子軌道に変動が生じる。そして、これによって生じた陽子(プラスイオン)の振動に基づく量子波が放射され、食用油を構成する分子や原子の集団が振動をくり返し、分子間力の低減や還元性が高まること等により食用油の耐酸化性や粘度、熱伝導率等の物性が変化する。
【0014】
より具体的には、食用油に電子が付加されることによりその還元性が高まり、食用油の酸化が仰制されて耐久性が向上する。そのためまた、食用油の鮮度を長期に亘って高鮮度に保持することができる。
又、低周波の交流電圧vを使用することにより、食用油の粘度が低下し、その浸透性が高まって、より短時間で食感の良い揚げ物がれあれる。
【0015】
更に、低周波交流電圧vとLC共振回路の誘起起電力v’との重畳波出力電圧voの場合には、変動電場によって油の分子間力が低減されるとともに熱伝導率が上昇し、30〜50℃程度の低温度でも揚げ物を作ることができる。
加えて、食用油の種類に応じて、交流電源の基本周波数とLC共振回路の共振周波数を適宜に選定することにより、より高い酸化防止効果をエルことができる。
【0016】
上述のように、本発明に係る食用油の酸化防止方法は、実作動テストによってその高い効用が現実に確認されており、優れた実用的効用を有するものである。
【0017】
しかし、本発明に係る食用油の酸化防止方法の効果、即ち、食用油の酸化防止や粘度低下等の効用が得られることについての理論的な解析は、未だ十分に行なわれていない。
そのため、電場変動等に起因して本願方法発明が奏する食用油の酸化防止作用の原因や機構については、不明な点が多く存在するのが実情であるが、本発明は上述の通り、現実に優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態を示す説明図である。
図2】本発明の第2実施形態を示す説明図である。
図3】本発明の第3実施形態を示す説明図である。
図4】本発明の第4実施形態を示す説明図である。
図5】本発明の第5実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の各実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示す説明図であり、金属製容器内に収納した食用油の酸化防止処理を行う方法の説明図である。
【0020】
図1を参照して、本発明で使用する食用油の酸化防止処理装置は、電源装置1と、リード線7を介してこれに接続した導電体製電極板4等と、食用油8を収納した金属製容器5とからその主要部が構成されている。又、前記導電体製電極板4は、設置された金属製容器5内へ浸漬されている。
【0021】
前記電源装置1は、交流電源2と、これに直列に接続した第1の整流素子3とから形成されており、整流素子3は、導電体製電極板4側から交流電源2側へのみ通電が可能なように接続されており、交流電源2の非接地側出力端子2aから導電体製支持体4側への通電は阻止されている。
【0022】
尚、図1において、1aはケース、2aは交流電源の非接地側出力端子、2bは交流電源の接地側出力端子、3aは整流子3の交流電源側端子、3bは出力端子、4aは端子、6は接地点、7リード線、vは交流電源の電圧波形、iは電流波形、eは電子、C’は漂遊容量である。又、食用油は使用前の新品であっても、或いは使用中や使用後のものであっても良い。
【0023】
正弦波交流電源2を作動させ、端子2a,2b間に正弦波交流電圧vを発生させると、導電体製電極板4と対地間に形成された漂遊容量 C’を介して、導電体製電極板4から交流電源2の端子2a側へ、整流素子3により半波整流された電流iがリード線7を介して流通する。
これにより、上記電流iとは逆に、交流電源2側から導電体製電極板4側へリード線7を通して電子eが流入し、導電体製電極板4の電子量(マイナス電荷)が増加方向に変動することになり、これにより導電体製電極板4のマイナス電位が変動する。
【0024】
同様に、整流素子3によって電流の流通が阻止されることにより、リード線7を通して電子eが導電体製支持体4へ供給されない間は、マイナス電荷(電子)の一部が放電により消滅して電子量が減少することになり、これによっても導電体製電極板4のマイナス電位が変動する。
【0025】
上述のように、導電体製電極板4に生じたマイナス電位の変動、即ち電子量の変動は、必然的に導電体製電極板4の電位変動や電場変動を生ずることになる。その結果、導電体製電極板4や食用油8を構成する原子の電子配列等が影響を受けて変化する事になり、前述の如く、食用油8に電子が付与されることでその還元性が高まって食用油8の酸化が仰制され、耐久性の向上や鮮度の長期保持等が可能となる。
【0026】
尚、前記電源装置1の交流電源2の周波数は、2から200Hz程度が最適である。また、導電体製電極板4にはステンレス鋼やチタン合金の使用が望ましい。更に、金属製容器5はフライパンや鍋等であっても良いが、接地されている方が望ましい。
【0027】
また、上記導電体製電極板4の電位変動や電場変動、即ち、食用油8のへの電子の付加による酸化防止作用については、現時点でも理論的に完全に解明されているとは言えない実情にあるが、本願発明の奏する効用は、何れも試験や実験によって現実に確認されているものである。
【0028】
図2は、本発明の第2実施形態を示すものであり、図1における整流素子3に変えて、PN型ダイオード9を使用すると共に、導電体製電極板4を食用油内へ浸漬せずに、金属製容器5の側壁面へ固定するようにしたものである。
【0029】
尚、当該図2では、導電体製電極板4を金属製容器5の側壁面へ密着固定するようにしているが、導電体製電極板4と金属製容器5の側壁面との間に僅かな隙間を設けて、導電体製電極板4を金属製容器5の近傍に設置するようにしても良い。
【実施例1】
【0030】
電源装置1として、交流電源2の周波数が2Hzから200Hz・最大発信出力10ワットのものを用いると共に、導電体製電極板4をステンレス鋼製(100mm×100mm×100mm(高さ)とし、これを直径200mmΦ・深さ200mmのステンレス鋼製容器5内へ縦向きに吊下げ固定した。
そして、当該容器5内へ未使用の新しい食用油(植物性てんぷら用油)1500CCを入れ、約30分間の酸化防止処理を行った。処理中の電源装置1の平均出力は、5ワットであった。
【0031】
酸化防止処理の完了後、処理後の食用油と、これと同種の未処理の食用油を用いて、原料食品の種類や量、加熱温度等の条件を同一にして、天婦羅の作成時間、天婦羅の食感、食用油の濁り状態、使用に耐える天婦羅あげの回数等を比較調査した。
【0032】
その結果、本発明による酸化防止処理を最初に行った食用油では、使用に耐える天婦羅あげの回数を、未処理の食用油の場合に比較して1,5〜2倍にできることが、確認されている。尚、当該比較試験においては、天婦羅作業の途中に於ける油の継ぎ足しや補給は、一切行なわれていないことは勿論である。
【0033】
図3は、本発明の第3実施形態を示すものであり、図1における第1の整流素子3の他に第2の整流素子3を設け、第1の整流素子3としてPN型ダイオード9aを、又、第2の整流素子3として,PN型ダイオード9bを用いるようにしたものであり、導電体製支持体4から電源装置1側へ流入する電流iを全波整流の波形とするようにした点のみが、図2の実施例と異なる。
【0034】
図4は、本発明の第4実施形態を示すものであり、電源装置1が、交流電源2と、これに直列に接続したLC共振回路10とから形成されており、交流電源2の一方は接地出力端子2bへ接続されている。
また、交流電源2の非接地側出力端子2aは、前記LC共振回路10の一方の接続点10aへ直列状に接続されており、LC共振回路10の他方の接続点10bは電源装置1の非接地出力端子3bへ接続されている。
【0035】
更に、上記LC共振回路10は、容量Cの可変により周波数2KHz〜2000KHzの外部空間に存在する外部電磁波に共振し、当該共振周波数の交番電圧v’を誘起する。そして、周波数2〜200Hzの交流電源2の交番電圧vと前記共振周波数の交番電圧v’との重畳電圧voが、接地出力端子2と非接地出力端子3b間に出力される。尚、図4において、Rは安全抵抗である。
【0036】
正弦波交流電源2を作動させると共にLC共振回路10を同調させると、端子3b,2b間に前記重畳電圧voが発生し、リード線7と導電体製電極板4と漂遊容量C’を通して、重畳電圧voによる交番電流が流通する。
また、導電体製電極板4に重畳電圧voによる交番電流が流通することにより、その電位が変動するとともに電場が変動することになり、これによって食用油8の酸化防止処理が、前述の通り行なわれる。
【0037】
尚、図4においては、LC共振回路10としてLC並列共振回路を用いているが、これに代えて、図4の点線で示したようなLC直列共振回路を用いることも可能である。
【0038】
また、この第4実施形態では、LC共振回路10の容量Cを調整することにより外部電磁波を選択利用し、所要の周波数の交番電圧v’をLC共振回路10に誘導させると共に、当該誘導起電力v’と交流電源2の電圧vとの重畳電圧voを電源装置1の出力電圧とするものである。
尚、電源装置1の交流電源2の周波数は、2から200Hz,又、LC共振回路10の共振周波数は、2〜2000KHzに選定される。
【0039】
図5は、本発明の第5実施形態を示すものであり、電源装置1を全波整流型とした点のみが、図4の第4実施形態と異なるだけであり、その他の点は、図4の第4実施形態の場合と全く同一である。
【0040】
本発明は上述の如く、導電体製電極板4にマイナスの電位変動や電場変動を発生させることにより、食用油の酸化防止を簡単且つ高効率で行えるものであり、優れた実用的効用を奏するものである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、あらゆる種類の食用油に適用することができ、更に、水や食料品関係のみならず、燃料産業分野へも適用可能なものである。
【符号の説明】
【0042】
1 電源装置
1a ケース
2 交流電源
2a 非接地側出力端子
2b 接地出力端子
3 整流素子
3a 電源側端子
3b 非接地出力端子
4 導電体製電極板
4a 端子
5 金属製容器
6 アース点
7 リード線
8 食用油
9・9a・9b PN型ダイオード
10 LC共振回路(LC並列共振回路又はLC直列共振回路)
10a・10b 接続点
e 電子
i 電流
v 正弦波電圧
v’ 誘導起電力
C’ 漂遊容量
C 静電容量
L コイル
【要約】
本発明は、簡単な装置と少ない消費エネルギーでもって、安価に効率よく食用油の酸化を防止できるようにする。
本発明は、一方の出力端子を接地した交流電源と、当該交流電源の非接地出力端子に直列に一端が接続されて非接地出力端子からの電流の流出を阻止する整流素子とを備えた電源装置を用い、当該電源装置の前記非接地出力端子に導電体製電極板を接続すると共に、当該導電体製電極板を金属製容器内の食用内に直接浸漬するか又は金属製容器の外側面に配置して、前記交流電源の印加によって前記導電体製電極板にマイナスの電位変動を与えて電場変動を発生させることにより、金属製容器内の食用油の酸化防止を図る。
図1
図2
図3
図4
図5