特許第5727171号(P5727171)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5727171ガス排気方法及びガス排気を行う基板加熱装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5727171
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】ガス排気方法及びガス排気を行う基板加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   H01L21/30 567
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2010-182795(P2010-182795)
(22)【出願日】2010年8月18日
(65)【公開番号】特開2011-114339(P2011-114339A)
(43)【公開日】2011年6月9日
【審査請求日】2013年8月14日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0115557
(32)【優先日】2009年11月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】姜 声 求
(72)【発明者】
【氏名】金 良 洙
(72)【発明者】
【氏名】李 康 赫
(72)【発明者】
【氏名】南 俊
(72)【発明者】
【氏名】尹 起 天
(72)【発明者】
【氏名】金 珍 洙
(72)【発明者】
【氏名】閔 敬 善
(72)【発明者】
【氏名】李 鉉 中
【審査官】 秋田 将行
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−149020(JP,A)
【文献】 特開昭63−181321(JP,A)
【文献】 特開平03−209714(JP,A)
【文献】 特開平06−084781(JP,A)
【文献】 特開平07−078749(JP,A)
【文献】 特開平11−274151(JP,A)
【文献】 特開2001−311586(JP,A)
【文献】 特開2004−251534(JP,A)
【文献】 特開2005−019593(JP,A)
【文献】 特開2005−061645(JP,A)
【文献】 特開2005−083634(JP,A)
【文献】 特開2008−066645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給される熱風によって収納容器の収納空間に収納された被処理基板を加熱し、加熱された前記被処理基板から発生したガスを、前記収納容器の一面に形成された開口部に配置され、突出部が形成された加熱基板と前記加熱基板の突出部に接触する断熱基板とを有するシャッタを介して外部へ排気させるガス排気方法であって、
前記被処理基板を前記収納容器から外部に取り出すために前記シャッタが開くと、前記加熱基板と前記断熱基板との間の前記加熱基板の突出部によって形成された排出経路を介して前記ガスを排気させることを特徴とするガス排気方法。
【請求項2】
被処理基板を収納する収納空間を含み、外部から供給される熱風によって前記被処理基板を加熱する収納容器と、
前記収納容器の一面に形成された開口部に配置され、突出部を有し、前記収納空間内の熱風によって加熱される加熱基板及び前記加熱基板の突出部と接触する断熱基板を有するシャッタ部と、
前記シャッタ部と結合するように配置されて、前記シャッタ部を介して前記収納容器内のガスを排気させる排気部と、を含み、
前記シャッタ部は、前記加熱基板と前記断熱基板との間に、前記突出部によって形成された排出経路を有し、該排出経路を介して前記ガスを排気させることを特徴とする基板加熱装置。
【請求項3】
前記加熱基板は、収納空間に向かうように配置され、前記断熱基板は外部に向かって配置されることを特徴とする請求項に記載の基板加熱装置。
【請求項4】
前記シャッタ部を前記収納容器に固定させるメインフレームをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の基板加熱装置。
【請求項5】
前記加熱基板の突出部は、前記加熱基板の一部が前記断熱基板に向かって突出されることを特徴とする請求項に記載の基板加熱装置。
【請求項6】
前記加熱基板の突出部は、流線型を有することを特徴とする請求項に記載の基板加熱装置。
【請求項7】
前記断熱基板及び前記加熱基板は、表面張力を下げるためにフッ素コーティングされることを特徴とする請求項に記載の基板加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス排気方法及びガス排気を行う基板加熱装置に関し、より詳しくは内部に存在するヒューム(fume)を固着させずに効率的に排気させるガス排気方法及びガス排気を行う基板加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶ディスプレイを含むフラットパネルディスプレイを製造する工程は、基板上にフォトレジスト(photo resist)を塗布し、このフォトレジストをパターニング(patterning)し、その後パターンを維持させるため、パターンが形成された基板を基板加熱装置(oven)で硬化させている。
【0003】
フォトレジストは、基板加熱装置内で高温で長時間露出されると、フォトレジスト内の溶媒(solvent)が除去されてフォトレジストが基板上に固着化される。このとき、溶媒はヒューム(fume)として発生することになる。
【0004】
基板が基板加熱装置に収納されるまたは基板が基板加熱装置から外部に取り出されるため、基板加熱装置のシャッタを開閉するとき、ヒュームは外部の冷たい空気と接して凝結される。凝結されたヒュームは、シャッタ、シャッタ周辺または基板加熱装置内で固着する。シャッタ及びシャッタ周辺に固着したヒュームは、シャッタが開閉されるときの振動によって、基板加熱装置から外部に取り出される基板または基板加熱装置内に落下する。また、基板加熱装置内に固着したヒュームは、新しい基板が基板加熱装置に収納される際、基板に付着して2次的問題を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2004−0000103号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2003−0084032号公報
【特許文献3】特開2007−309569号公報
【特許文献4】韓国公開特許第2004−0071854号公報
【特許文献5】韓国公開特許第2003−0084032号公報
【特許文献6】韓国公開特許第2002−0081730号公報
【特許文献7】特開2004−251534号公報
【特許文献8】特開2000−274952号公開
【特許文献9】特開平11−238777号公開
【特許文献10】特開平06−326447号公開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、収納容器内部に存在するヒュームを基板加熱装置内に固着させずに効率的に排気させるガス排気方法を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、ガス排気を行う基板加熱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るガス排気方法は、外部から供給される熱風によって収納容器の収納空間に収納された被処理基板を加熱する。加熱された被処理基板から発生したガスを、前記収納容器の一面に形成された開口部に配置し、突出部が形成された加熱基板と前記加熱基板の突出部に接触する断熱基板とを有するシャッタによって外部へ排気させることを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置は、収納容器、シャッタ部、及び排気部を含む。前記収納容器は、被処理基板を収納する収納空間を含み、外部から供給される熱風によって前記被処理基板を加熱する。前記シャッタ部は、前記収納容器の一面に形成された開口部に配置し、突出部を有し前記収納空間内の熱風によって加熱される加熱基板及び前記加熱基板の突出部に接触する断熱基板を有する。前記排気部は、前記シャッタ部と隣接するように配置され、前記収納容器内のガスを排気させることを特徴とする。
【0010】
本発明の一実施形態に係る基板加熱装置は、収納容器、シャッタ部、第1排気部及び遮断部を含む。前記収納容器は、被処理基板を収納する収納空間を含み、外部から供給される熱風によって前記被処理基板を加熱する。前記シャッタ部は、前記収納容器の一面に形成された開口部に配置し、前記収納空間内の熱風によって加熱される加熱基板及び前記加熱基板と平行に配置される断熱基板を有する。前記第1排気部は、前記収納容器の一面上で前記開口部分以外の非開口部分に配置されて前記収納容器の前記被処理基板から発生したガスを排気させる。前記遮断板は、前記非開口部分の内部面と前記加熱基板に同時に接するように配置され、前記収納容器のガスが流出されることを遮断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、収納容器の収納空間にフォトレジストをベーキングすることによって発生するヒュームを、シャッタ部の周辺で基板加熱装置外部の冷たい空気との接触を遮断し、ヒュームがシャッタ部に固着することを防止して被処理基板の処理効率を向上させるガス排気方法及びガス排気を行う基板加熱方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置を示す斜視図である。
図2図1のガス排気を行う基板加熱装置をI−I’線に沿って切断した断面図である。
図3図1の第1シャッタを示す斜視図である。
図4図3の第1シャッタを示す分解図である。
図5図3及び図4の接触領域及び非接続領域を示す概略図である。
図6図1の第2シャッタを示す斜視図である。
図7図6の第2シャッタを具体的に示す分解図である。
図8図1に示すガス排気を行う基板加熱装置によってヒュームが排気される過程を示す部分断面図である。
図9図1に示すシャッタ部の動作を示す断面図である。
図10図1に示すシャッタ部の動作を示す断面図である。
図11図1に示すシャッタ部の動作を示す断面図である。
図12】本発明の他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置を示す斜視図である。
図13図12の第1シャッタの一例を示す部分斜視図である。
図14図12の第1シャッタ及び排気部の他の例を示す部分斜視図である。
図15】本発明のさらに他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置の斜視図である。
図16図15のガス排気を行う基板加熱装置をII−II’線に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の望ましい実施形態をより詳しく説明する。本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定の実施形態を図面に例示し、本明細書に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、ないしは代替物を含むことと理解されるべきである。各図面においては、同一の符号を、同一の構成要素に対して使用した。各図面において、構造物のサイズは本発明をより明確にするために実際より拡大して示した。第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するにあたって使用することができるが、各構成要素は使用される用語によって限定されるものではない。各用語は1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用されるものであって、例えば、明細書中において、第1構成要素を第2構成要素に置き換えることも可能であり、同様に第2構成要素を第1構成要素に置き換えてもよい。各構成要素の単数表現は文脈上、明らかに異なる意味を有しない限り、複数の表現を含むこととする。
【0014】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、1つまたはそれ以上の別の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置を示す斜視図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置1000は、収納容器100、シャッタ部200、排気部300、及びシャッタ駆動部400を含む。
【0017】
収納容器100は、収納空間110が形成された直方体状を有する。収納容器100は、直方体状の6つの面のうち、一面または一部を開口する。
【0018】
収納容器100は、熱風が供給される熱風流入口120をさらに有する。熱風流入口120は、収納容器100の側面または上面に形成され、外部から収納空間110に熱風を供給する。収納容器100内に収納される被処理基板は熱風流入口120を介して供給される熱風によってベーキング(baking)する。
【0019】
シャッタ部200は、収納容器100の開口された一面または開口された一部に装着される。シャッタ部200は複数のシャッタ200a、200bを含む。シャッタ部200のシャッタ200a、200bは、収納空間110から外部の空気が流入することまたは収納空間110からヒューム(fume)が流出することを最小化するために、シャッタ200a、200bを個別に開閉するか、或いは一体に開閉できる。
【0020】
排気部300は、シャッタ部200の上部に配置される。排気部300は、シャッタ部200に結合されてシャッタ部200がオープン(開口)するとき、シャッタ部200付近のヒュームを素早く排気させる。ヒュームは基板加熱装置1000でフォトレジスト(photo resist)が形成された基板をベーキング(baking)することによって発生するガスである。排気部300でヒュームを排気させることによって、ヒュームがシャッタ部200外部の冷たい空気と接してシャッタ部200の表面に固着することを防ぐ。
【0021】
シャッタ駆動部400は、収納容器100の外部及びシャッタ部200の側面に装着されて、シャッタ部200のシャッタ200a、200bを個別または一体にオープンさせる。シャッタ駆動部400は、複数のシリンダ及びピストンを含んでもよい。シャッタ駆動部400は、ピストンを往復運動させるか、またはシリンダに圧力を加えることによって、シャッタ200a、200bを個別または一体にオープンさせてもよい。
【0022】
図2は、図1のガス排気を行う基板加熱装置をI−I’線に沿って切断した断面図である。
【0023】
図1及び図2を参照すると、基板加熱装置1000は、収納容器100、シャッタ部200、排気部300、シャッタ駆動部400、及びメインフレーム500を含む。図1及び図2を参照して、収納容器100及びシャッタ部200の関係をさらに詳しく説明する。
【0024】
収納容器100は、収納空間110を複数のサブ収納空間111、112、113、114、115、116に分割する複数の基板支持台121、122、123、124、125を含む。収納空間111〜116には被処理基板900a、900b、900c、900d、900e、900f、または被処理基板が収納されたトレイ(traies)がそれぞれ収納される。
【0025】
例えば、第1収納空間111には、第1被処理基板900aが収納され、第2収納空間112には、第2被処理基板900bが収納され、第3収納空間113には、第3被処理基板900cが収納され、第4収納空間114には、第4被処理基板900eが収納され、第5収納空間115には、第5被処理基板900eが収納され、第6収納空間116には、第6被処理基板900fが収納される。
【0026】
ここで、サブ収納空間111〜116は、6つに分割されているが、サブ収納空間の数は、基板支持台の数を変更することによって任意に設定してもよい。
【0027】
シャッタ部200は、収納容器100の大きさまたは収納容器100が収納できる被処理基板の枚数によって第1シャッタ200aのみで構成するか、または第1シャッタ200a及び第2シャッタ200bを含み構成してもよい。シャッタ部200は少なくとも1つ以上の第2シャッタ200bを含んでもよい。また、収納容器100を大きくして第2シャッタ200bの数を増加させてもよい。
【0028】
シャッタ部200が複数のシャッタを含む場合、シャッタは個別にオープン(open)するか、或いは一体にオープンしてもよい。
【0029】
例えば、シャッタ部200が1つの第1シャッタ200a及び1つの第2シャッタ200bを含む場合、第1シャッタ200aを個別にオープンするか、または第2シャッタ200bと第1シャッタ200aとを一体にオープンしてもよい。
【0030】
また、シャッタ部200が1つの第1シャッタ200a及び2つの第2シャッタ200bを含む場合(説明の便宜のため2つの第2シャッタを上部シャッタ及び下部シャッタと称する)、第1シャッタ200aが個別にオープンするか、または2つの第2シャッタ200bのうち、上部シャッタを第1シャッタ200aと一体にオープンするか、または2つの第2シャッタ200bのうち、下部シャッタを上部シャッタ及び第1シャッタ200aと一体にオープンしてもよい。
【0031】
シャッタ部200に含まれる第1シャッタ200a及び第2シャッタ200bのそれぞれはサブ収納空間111〜116のそれぞれに対応して配置される。第1シャッタ200aをオープンすると、第1サブ収納容器111に収納された第1被処理基板900aを取り出してもよく、第2シャッタ200bをオープすると、第2収納容器112〜第6サブ収納容器116に収納された第2被処理基板900b〜第6被処理基板900fを取り出してもよい。
【0032】
メインフレーム500は、収納容器100にシャッタ部200を固定する。メインフレーム500は、収納容器100及びシャッタ部200のそれぞれの一面の縁に沿って形成され、フレーム(frame)状を有する。メインフレーム500は、シャッタ部200と結合する第1面と収納容器100と結合する第2面を有するように、L字状で形成してもよい。
【0033】
またメインフレーム500は、第1シャッタ200a、第2シャッタ200bに対して垂直に位置する、つまり、第1方向D1に移動するようにシャッタ部200と結合する第1面にレール(rail)のような移動補助手段を形成してもよい。
【0034】
図3は、図1の第1シャッタ200aを示す斜視図である。図4は、図3の第1シャッタ200aを示す分解図である。
【0035】
図1図4を参照すると、第1シャッタ200aは加熱基板210、第1断熱基板220及び第1補助フレーム240を含む。加熱基板210と第1断熱基板220は、互いに対向して配置される。
【0036】
加熱基板210は、第1シャッタ200aの第1面として、収納容器100の収納空間110に向かって配置される。加熱基板210は収納容器100内部の熱風によって加熱される。例えば、収納容器100が外部から熱風流入口120を介して供給される熱風によって加熱され、収納容器100の一面に装着された第1シャッタ200aの第1面である加熱基板210は収納容器100内で、対流現象によって循環する熱風によって加熱される。つまり、加熱基板210は、収納容器100内部の剰余熱によって加熱される。このとき、加熱基板210が加熱されるため、駆動装置は使用しない。
【0037】
加熱基板210は、複数の突出部211を有する。複数の突出部211は、加熱基板210の一部が第1断熱基板220に向かって突出して形成される。加熱基板210は突出部211によって第1断熱基板220と接触する。また、加熱基板210は突出部211によって第1断熱基板220に熱を伝達する。
【0038】
複数の突出部211は、収納容器100内で行うベーキング工程によって発生したヒュームが突出部211の角または端部などに滞留しないように、角または端部などを流線型で形成してもよい。
【0039】
第1断熱基板220は、第1シャッタ200aの第2面として、収納容器100の外部に向かって配置される。第1断熱基板220は、加熱基板210の突出部211と接触することによって収納容器100内の温度と実質的に同じ温度を維持する。
【0040】
第1断熱基板220は、少なくとも1つ以上の開口部221を含む。この開口部221の数は、被処理基板の大きさまたは基板加熱装置の大きさによって発生するヒュームの量を考慮して設定してもよい。開口部221は、第1断熱基板220の一部に形成される。開口部221は、加熱基板210と第1断熱基板220との間の非接触領域に形成されることが望ましい。非接触領域については下記においてより詳しく説明する。
【0041】
また、加熱基板210及び第1断熱基板220は、表面エネルギを下げるために表面処理を行ってもよい。加熱基板210及び第1断熱基板220に表面処理を行う場合、例えば、フッ素コーティング層(図8の符号350)をさらに含んでもよい。表面処理された加熱基板210及び第1断熱基板220は、長時間使用してもヒュームが表面に固着することを防ぐ。また、ヒュームが表面処理された加熱基板210及び第1断熱基板220の表面に固着しても、固着したヒュームの除去がより容易になる。
【0042】
第1補助フレーム240は、加熱基板210と第1断熱基板220を結合する。第1補助フレーム240はコ字状で形成され、加熱基板210の上端部、第1側端部及び第2側端部のそれぞれと断熱基板220の上端部、第1側端部及び第2側端部を結合させて第1シャッタ200aの上面、第1側面及び第2側面の一部で形成してもよい。
【0043】
第1補助フレーム240は、第1シャッタ200aの上面、第1側面及び第2側面を閉鎖させることによって、加熱基板210と第2断熱基板230との間に吸引されたヒュームが第1シャッタ200aの外部へ漏れることを防ぐ。
【0044】
図5は、図3及び図4の接触領域及び非接続領域を示す概略図である。
【0045】
図1図5を参照して、加熱基板210の突出部211が断熱基板220に接触する接触領域CAと、加熱基板210の突出部211が断熱基板220に接触しない非接触領域NAとについて説明する。
【0046】
加熱基板210は、一部が第1断熱基板220に向かって突出した複数の突出部211を有する。複数の突出部211のそれぞれは同一形状を有するかまたは異なる形状を有する。本実施形態においては、突出部211が互いに異なる形状を有することを例として以下に説明する。
【0047】
第1シャッタ200aは、加熱基板210の突出部211によって第1断熱基板220と接触する接触領域CAと、加熱基板210の突出部211によって第1断熱基板220と接触しない非接触領域NAを有してもよい。
【0048】
突出部211は、図2に示す第1方向D1に形成される。第1方向D1に形成された第1突出部211aは隣接する第2突出部211bと離隔して形成されることが望ましい。例えば、収納容器100の内部で発生されたヒュームが加熱基板210と第1断熱基板220との間の非接触領域NAに吸引されることによって特定部分に滞留する現象が発生しないように、第1突出部211aは隣接する第2突出部211bと離隔して形成してもよい。
【0049】
また、突出部211は、加熱基板210の幅Wの1/2または2/3の長さで形成してもよい。第3突出部211cを加熱基板210の幅Wの1/2または2/3の長さで形成することによって、第3突出部211cの下部に非接触領域NAの面積を増加させてもよい。非接触領域NAに対応する第1断熱基板220には開口部221を形成してもよい。
【0050】
また、突出部211は、ドット(dot)形状で形成してもよい。第4突出部211dをドット形状で形成することによって、加熱基板210と第1断熱基板220の接触面積を増加させることができる。例えば、ヒュームの循環の容易さと開口部221の位置を考慮した後、ヒュームの循環と開口部221の位置に関係ない部分に第4突出部211dをさらに形成してもよい。第4突出部211dは第1シャッタ200aの接触領域CAの面積を増加させる。
【0051】
図6は、図1の第2シャッタを示す斜視図である。図7は、図6の第2シャッタを示す分解図である。
【0052】
図1及び図5図7を参照すると、第2シャッタ200bは加熱基板210、第2断熱基板230及び第2補助フレーム250を含む。加熱基板210と第2断熱基板230は互いに対向して配置される。
【0053】
加熱基板210は、第2シャッタ200bの第1面として、収納容器100の収納空間110に向かって配置される。加熱基板210は収納容器100の内部の熱風によって加熱される。例えば、収納容器100が外部から熱風流入口120を介して供給される熱風によって加熱され、収納容器100の一面に装着された第2シャッタ200bの第1面である加熱基板210は収納容器100内で、対流現象によって循環する熱風によって加熱される。つまり、加熱基板210は、収納容器100内部の剰余熱によって加熱される。このとき、加熱基板210が加熱されるため、駆動装置は使用しない。
【0054】
加熱基板210は、複数の突出部211を有する。複数の突出部211は、加熱基板210の一部が第2断熱基板230に向かって突出して形成される。加熱基板210は突出部211によって第2断熱基板230と接触する。また、加熱基板210は、突出部211によって第2断熱基板230に熱を伝達する。
【0055】
複数の突出部211は、収納容器100内で行うベーキング工程によって発生したヒュームが突出部211の角または端部などに滞留しないように、角または端部を流線型で形成してもよい。
【0056】
第2断熱基板230は第2シャッタ200bの第2面として、収納容器100の外部に向かって配置される。第2断熱基板230は、加熱基板210の突出部211と接触することによって収納容器100内の温度と実質的に同じ温度を維持する。
【0057】
第2シャッタ200bは第1シャッタ200aのように、加熱基板210の突出部211によって第2断熱基板230と接触する接触領域CAと、加熱基板210の突出部211が断熱基板230と接触しない非接触領域NAとを有する。
【0058】
加熱基板210及び第2断熱基板230は表面エネルギを下げるために表面処理を行ってもよい。加熱基板210及び第2断熱基板230に表面処理を行う場合、例えば、フッ素コーティング層(図8の符号350)をさらに含んでもよい。表面処理された加熱基板210及び第2断熱基板230は長時間使用してもヒュームが表面に固着することを防ぐ。また、ヒュームが表面処理された加熱基板210及び第2断熱基板230の表面に固着しても、固着したヒュームの除去がより容易になる。
【0059】
第2補助フレーム250は、加熱基板210と断熱基板230を結合する。第2補助フレーム250は1字状で形成され、加熱基板210の側端部と断熱基板230の側端部を結合させて第2シャッタ200bの側面の一部を形成してもよい。
【0060】
第2補助フレーム250は、第2シャッタ200bの上面または側面の一部に形成することによって、加熱基板210と断熱基板230との間に吸引されたヒュームが第2シャッタ200bの外部へ漏れることを防ぐ。
【0061】
図8は、本実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置によってヒュームが排気される過程を示す部分断面図である。
【0062】
図1及び図8を参照して、本実施形態において、ヒュームがシャッタ200に固着せずに排気部300を介して排気される過程を説明する。
【0063】
図8は、第1シャッタ200aが第1方向D1に移動しながら第2シャッタ200bから徐々に離隔してオープンすることを示している。第1シャッタ200aがオープンするとき、シャッタ部200の外部から冷たい空気Cが流入される。
【0064】
従来のガス排気を行う基板加熱装置はシャッタ部がオープンするとき、シャッタ部の外部から流入される冷たい空気と収納容器100の収納空間110から流出される熱いヒュームがシャッタ部付近で接触している。冷たい空気と熱いヒュームがシャッタ部付近で接触することによってヒュームが凝結されてシャッタ部に固着する。固着したヒュームはシャッタ部が開口するたびに被処理基板上に落下して被処理基板の動作に悪影響を及ぼす。
【0065】
しかし、本実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置1000は、シャッタ200の構造によって上記従来の問題を、下記に説明するヒュームの流れで解決することができる。説明の便宜のために、ヒュームの位置によって符号を付してヒュームの流れを説明する。
【0066】
本実施形態に係るシャッタ部200の第1の断熱基板220、第2の断熱基板230は収納空間110から最も遠い位置に配置される。第1の断熱基板220、第2の断熱基板230が最も外側に配置されることによって、収納空間110から断熱基板220、230までの温度及び第1シャッタ200aと第2シャッタ200bとの間の温度は、収納空間110と同じ温度を維持する。従って、収納空間110から第1シャッタ200aと第2シャッタ200bとの間に流出する第1ヒュームF1は急激に冷却されず、収納空間110と同じ温度を維持する。
【0067】
ここで、第1シャッタ200aと第2シャッタ200bとの間に流出する第1ヒュームF1は第1方向D1に交差する方向、つまり、第2方向D2に移動して冷たい空気Cと接触することを防ぐために、基板加熱装置1000の外部装置(図示せず)によってヒュームを排気部300を介して吸引させることができる。例えば、外部装置が排気部300の圧力をシャッタ部200の圧力または第1シャッタ200aと第2シャッタ200bとの間の圧力より低くなるように調節することによって、第1シャッタ200aの加熱基板210と第1断熱基板220との間に圧力を発生させてもよい。
【0068】
第1シャッタ200aをオープンするとき、第1ヒュームF1は第1シャッタ200aと第2シャッタ200bとの間で第2方向D2より第1方向D1により移動させてもよい。
【0069】
大部分の第1ヒュームF1は第2方向D2に移動して、加熱基板210の突出部211と第1断熱基板220との間に形成された非接触領域NA(即ち、排出経路)に吸引される。第1ヒュームF1が非接触領域NAに吸引されると、第1ヒュームF1は断熱基板220に形成された開口部221を介して排気部300に吸引されるか、または非接触領域NA、つまり、加熱基板210の突出部211の間に移動させる。排気部300に吸引された第2ヒュームF2は外部に供給されて2次処理される。非接触領域NAに移動した第3ヒュームF3は第2方向D2に移動するかまたは排気部300に吸引される。
【0070】
例えば、第2シャッタ200bが第1シャッタ200aと結合して一体にオープンするとき、第3ヒュームF3が第2方向D2に移動する。第3ヒュームF3は排気されるため、第2シャッタ200bの加熱基板210と第2断熱基板230との間の非接触領域NAを通り過ぎて排気口300が結合された第1シャッタ200aまで移動する必要がある。その後、第3ヒュームF3は第2方向D2に移動し続けて排気口300を介して外部に排気される。
【0071】
図9図11は、シャッタ部の動作を示す断面図である。
【0072】
図1図11を参照して、シャッタ部200をオープンして収納空間110内に配置する被処理基板900a〜900fを取り出す過程を説明する。
【0073】
図9は、基板加熱装置1000の収納容器100の収納空間110に被処理基板900a〜900fを収納していることを示す。収納空間110は、複数のサブ収納空間111〜116に分割されている。サブ収納空間111〜116のそれぞれには複数枚の被処理基板900a〜900fがそれぞれ配置される。本実施形態において、被処理基板900a〜900fは液晶ディスプレイ用として使用される大型基板である。
【0074】
液晶ディスプレイの製造工程中、有機膜またはフォトレジスト(photo resist)を使用する際、被処理基板900a〜900fは基板加熱装置1000で長時間高温の条件下に置かれる。被処理基板900a〜900fが長時間高温の条件下に置かれることによって、フォトレジストの溶媒(solvent)を除去してフォトレジストを被処理基板900a〜900fに硬化させる工程を踏むことになる。このとき、除去された溶媒がヒュームの主成分として、パーティクル(particle)を発生させるなどの効率低下の主原因になる。
【0075】
図10は、シャッタ部200の第1シャッタ200aがオープンした状態を示す。第1シャッタ200aを第1方向D1にオープンすることによって、第1サブ収納空間111内に収納された第1被処理基板900aが取り出される。
【0076】
第1被処理基板900aは、被処理基板900a〜900fを移送するロボット(図示せず)のアーム(arm)によって基板加熱装置1000から第2方向Dに取り出される。
【0077】
このとき、ヒュームは第1シャッタ200aの加熱基板210及び第1断熱基板220との間に吸引されて排気部300から排気される。
【0078】
続いて、第1被処理基板900aを基板加熱装置1000から外部に取り出すと、シャッタ部200は図9の状態に復帰する。
【0079】
図11は、シャッタ部200の第2シャッタ200bがオープンした状態を示す。第2シャッタ200bを第1方向D1にオープンすることによって、第2サブ収納空間112内に収納された第2被処理基板900bが取り出される。このとき、第2シャッタ200bは、第1方向D1に移動して、第1シャッタ200aと結合して共に移動する。
【0080】
第2シャッタ200bをオープンするとき、第1シャッタ200aと共に第1方向D1に移動するが、サブ収納空間111〜116は取り出そうとする第2被処理基板900bが収納された第2サブ収納空間112のみがオープンされる。詳細には、第2シャッタ200b及び第1シャッタ200aが第1方向D1に共にオープンされるが、第1シャッタ200aが第1方向D1に移動する距離は、前述した第1サブ収納空間111のオープンのときと同一である。従って、第2シャッタ200aは第2サブ収納空間112がオープンされる時に移動して、かつ第1シャッタ200aの元の位置、つまり、第1サブ収納空間111に対応する位置に配置されることによって、第2サブ空間112のみがオープンされる。
【0081】
第2被処理基板900bは被処理基板900a〜900fを移送するロボットのアームによって基板加熱装置1000から第2方向D2に取り出される。ここで、第2被処理基板900bは第1被処理基板900aより低い所に収納される。従って、操作者は、ロボットの高さまたはロボットのアームの高さを調節して、第2被処理基板900bを基板加熱装置1000から取り出してもよい。または、基板加熱装置1000の収納容器100の下部に高さ調節機をさらに含むことによって、基板加熱装置1000の高さを調節して被処理基板900を取り出してもよい。
【0082】
このとき、ヒュームは第2シャッタ200bの加熱基板210及び第2断熱基板230との間に吸引されて加熱基板210及び第2断熱基板230との間の非接触領域NAを通り過ぎて第1シャッタ200aの加熱基板210及び第1断熱基板200との間に吸引される。ヒュームは第1シャッタ200aに結合された排気部300に排気させてもよい。
【0083】
続いて、第2被処理基板900bを基板加熱装置1000から取り出すと、シャッタ部200は図9の状態に復帰する。
【0084】
第3被処理基板900c〜第6被処理基板900fを収納容器100から取り出す工程は、図11に示す第2被処理基板900bの取り出す工程と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0085】
本実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置1000は、断熱基板220、230をシャッタ部200の外側に配置することによって、シャッタ200a、200bを開閉するとき、収納空間110から最も遠い所までの温度を収納空間110の温度と同様に維持させることによって、ヒュームがシャッタ部200に固着することを防ぐ。
【0086】
図12は、本発明の他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置を示す斜視図である。
【0087】
図12に示す本発明の他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置2000は、排気部300を第1シャッタ200aに配置する位置が図1に示す本実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置1000と相異していることを除いて同一構成要素を有するため、同一構成要素に対して同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0088】
図12を参照すると、本発明の他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置2000は、収納容器100、シャッタ600、排気部300、シャッタ駆動部400及びメインフレーム500を含む。
【0089】
シャッタ部600は、収納容器100の開口された一面に装着される。シャッタ部600は、第1シャッタ600aのみまたは第1シャッタ600a及び第2シャッタ200bで構成してもよい。シャッタ部600が複数のシャッタを含む場合、シャッタは個別にオープンするかまたは一体にオープンする。
【0090】
排気部300は、シャッタ部600の上部に配置される。排気部300は、シャッタ部600に結合されてシャッタ部600がオープンされるとき、シャッタ部600付近のヒュームを素早く排気させる。ヒュームがシャッタ部600外部の冷たい空気と接してシャッタ部600表面に固着されることを防ぐ。
【0091】
図13は、図12の第1シャッタの一例を示す部分斜視図である。
【0092】
図12及び図13を参照すると、第1シャッタ600aは加熱基板210、第2断熱基板230及び第1補助フレーム260を含む。加熱基板210と第2断熱基板230は互いに対向して配置される。
【0093】
加熱基板210は、第1シャッタ600aの第1面として、収納容器100の収納空間110に向かって配置される。加熱基板210は収納容器100内部の熱風によって加熱される。例えば、収納容器100は外部から供給される熱風によって加熱され、収納容器100の一面に装着された第1シャッタ600aの第1面である加熱基板210も収納容器100内部の剰余熱によって加熱される。このとき、加熱基板210が加熱されるため、駆動装置は使用しない。
【0094】
加熱基板210は、複数の突出部211を有する。複数の突出部211は、加熱基板210の一部が収納空間110に向かって突出されず、第2断熱基板230に向かって突出して形成される。加熱基板210は、突出部211によって第2断熱基板230と接触する。また、加熱基板210は突出部211によって第2断熱基板230に熱を伝達してもよい。
【0095】
複数の突出部211は、収納容器100内で行うベーキング工程によって発生したヒュームが容易に突出部211の角などに滞留しないように角などを流線型で形成してもよい。
【0096】
第2断熱基板230は、第1シャッタ600aの第2面として、収納容器100の外部に向かって配置される。第2断熱基板230は加熱基板210の突出部211と接触することによって、収納容器100内の温度と実質的に同じ温度を維持する。
【0097】
加熱基板210及び第2断熱基板230は表面エネルギを下げるために表面処理を行ってもよい。加熱基板210及び第2断熱基板230に表面処理を行う場合、例えば、フッ素コーティング層(図8の符号350)を含んでもよい。表面処理された加熱基板210及び第2断熱基板230は、長時間使用してもヒュームが表面に固着することを防ぐ。また、ヒュームが表面処理された加熱基板210及び第2断熱基板230の表面に固着しても、固着したヒュームを除去することがより容易になる。
【0098】
第1補助フレーム260は、加熱基板210と第2断熱基板230を結合する。第1補助フレーム260は、コ字状で形成されて加熱基板210の上端部、第1側端部及び第2側端部のそれぞれと第2断熱基板220の上端部、第1側端部及び第2側端部を結合させて第1シャッタ600aの上面、第1側面及び第2側面を形成してもよい。
【0099】
第1補助フレーム260は、第1シャッタ600aの上面、第1側面及び第2側面に形成することによって、加熱基板210と第2断熱基板230との間に吸引されたヒュームが第1シャッタ600aの外部に漏れることを防ぐ。
【0100】
また、第1補助フレーム260は、少なくとも1つ以上の開口部261を含む。開口部261の数は、被処理基板の大きさまたは基板加熱装置の大きさによって発生するヒュームの量を考慮して設定してもよい。開口部261は、第1補助フレーム260の一部に形成される。例えば、開口部261は第1補助フレーム260が成す第1シャッタ600aの上面の縁に形成される。
【0101】
図14は、図12の第1シャッタ及び排気部の他の例を示す部分斜視図である。
【0102】
図12及び図14を参照すると、第1補助フレーム260は、少なくとも1つ以上の開口部271を含む。開口部271の数は、被処理基板の大きさまたは基板加熱装置の大きさによって発生するヒュームの量を考慮して設定してもよい。開口部271は第1補助フレーム270の一部に形成される。例えば、開口部271は第1補助フレーム270が成す第1シャッタ600aの第1側面及び第2側面に形成してもよい。
【0103】
本発明の他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置2000は、排気部300をシャッタ部600の上面の縁または側面に結合することによって、シャッタ部600の第1側面及び第2側面に流出するヒュームを効率的に排気させることができる。
【0104】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置を示す斜視図である。
【0105】
図15に示す本発明のさらに他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置3000は、排気部及びシャッタ駆動部を形成する位置が図1に示す本実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置1000と相異していることを除いて同一構成要素を有するため、同一構成要素に対して同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0106】
図15を参照すると、本発明のさらに他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置3000は、収納容器100、シャッタ部700、排気部300、シャッタ駆動部400、及び気流遮断板800を含む。
【0107】
収納容器100は、収納空間110が形成された直方体状を有する。収納容器100の一面に開口部分130と非開口部分131が形成される。開口部分130にはシャッタ部700を配置し、非開口部分131には排気部300またはシャッタ駆動部400が配置される。本発明のさらに他の実施形態において、排気部300が非開口部分131に接して配置され、シャッタ駆動部400が排気部300に平行して配置される。
【0108】
収納容器100は、熱風を供給する熱風流入口120を有する。熱風流入口120は収納容器100の一面を除いた他の面に形成されて外部から収納空間110に熱風を供給してもよい。収納容器100内に収納される被処理基板は熱風流入口120を介して供給された熱風によってベーキングされる。
【0109】
図16は、図15のガス排気を行う基板加熱装置をII−II’線に沿って切断した断面図である。
【0110】
図15及び図16を参照して、シャッタ部700、排気部300、シャッタ駆動部400、及び気流遮断板800についてより詳細に説明する。
【0111】
シャッタ部700は、収納容器100の開口部分130をカバーするように配置される。例えば、シャッタ部700は開口部分130よりやや大きく形成され、開口部分130を完全にカバーし且つ非開口部分131の外部面131aとオーバーラップ(overlap)するように配置される。
【0112】
シャッタ部700は、少なくとも1つ以上の第3シャッタ700aを含む。第3シャッタ700aの数は、収納容器100の大きさ、開口部分130の大きさまたは収納容器100に収納される被処理基板の枚数によって設定してもよい。シャッタ部700が複数の第3シャッタ700aを含む場合、第3シャッタ700aは個別にオープンするかまたは一体にオープンしてもよい。第3シャッタ700aがオープンする工程は、図1に示す本実施形態と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0113】
第3シャッタ700aは、加熱基板210、第2断熱基板230及び補助フレーム270を含む。加熱基板210と第2断熱基板230は、互いに対向して配置される。
【0114】
加熱基板210は、第3シャッタ700aの第1面として、収納容器100の収納空間110に向かって配置される。加熱基板210は、収納容器100内部の熱風によって加熱される。例えば、収納容器100は、外部から供給される熱風によって加熱され、収納容器100の一面に装着された第3シャッタ700aの第1面である加熱基板210も収納容器100内部の剰余熱によって加熱される。このとき、加熱基板210が加熱されるため、駆動装置は使用しない。
【0115】
加熱基板210は、複数の突出部211を有する。複数の突出部211は、加熱基板210の一部が収納空間110に向かって突出せずに第2断熱基板230に向かって突出される。加熱基板210は、突出部211によって第2断熱基板230と接触する。また、加熱基板210は突出部211によって第2断熱基板230に熱を伝達する。
【0116】
また、突出部211は、収納容器100内で行うベーキング工程によって発生するヒュームが容易に突出部211の角または端部などに滞留しないように角または端部などを流線型で形成してもよい。
【0117】
また、加熱基板210は、突出部211を有しなくてもよい。この場合、加熱基板210は第2断熱基板230に接触する。
【0118】
第2断熱基板230は、第3シャッタ700aの第2面として、収納容器100の外部に向かって配置される。第2断熱基板230は、加熱基板210の突出部211と接触することによって収納容器100内の温度と実質的に同じ温度を維持する。
【0119】
補助フレーム270は、加熱基板210と第2断熱基板230とを結合する。補助フレーム270の断面はコ字状であってもよい。すなわち、補助フレーム270の第1面271は、加熱基板210に結合し、第1面271と平行する第2面272は第2断熱基板230に結合し、第1面271及び第2面272に垂直する第3面273は、外部に露出して第3シャッタ部700aの側面の一部になる。図15においては、補助フレーム270が加熱基板210の側端部と第2断熱基板230の側端部を結合させているが、加熱基板210の上端部または下端部と第2断熱基板230の上端部または下端部を結合させてもよい。
【0120】
排気部300は、シャッタ部700の側面701である非開口部分131に配置される。排気部300は、シャッタ部700の側面701に配置し、シャッタ部700が開口部分130にカバーしても発生する微小な隙間Aから流出されたヒュームを素早く排気させる。ヒュームがシャッタ部700の側面701で冷たい空気と接してシャッタ部700表面に固着することを防ぐ。
【0121】
排気部300は、排気支持台310によって配置される。排気部300は、第3シャッタ700aのそれぞれに対応する複数個の吸入口を有してもよい。
【0122】
シャッタ駆動部400は、シャッタ部700の側面701に配置してシャッタ部700を駆動させる。シャッタ駆動部400は、連結部401によってシャッタ部700に連結されている。シャッタ駆動部400は、第3シャッタ700aを個別または一体にオープンさせる。例えば、シャッタ駆動部400は、複数のシリンダを含み、シリンダに圧力を加えることによってシャッタを個別または一体にオープンさせてもよい。
【0123】
気流遮断板800は、非開口部分131とシャッタ部700との間の微小な隙間Aから流出されるヒュームを遮断する。気流遮断板800はS字状を有してもよい。例えば、気流遮断板800は、収納空間110内部で非開口部分131の内部面131bと接して配置される第1部分801、シャッタ部700の加熱基板210と接して配置される第2部分802、第1部分801、及び第1部分801と第2部分802とを接続する第3部分803を含む。
【0124】
気流遮断板800は、シャッタ部700のオープンの可否と関係なく、収納容器100がシャッタ部700によって完全に密閉されていないことによって、収納容器100とシャッタ部700との間の微小な隙間Aを遮断させる。従って、気流遮断板800は、基板加熱装置3000がベーキングされる際、ヒュームが微小な隙間Aから流出されて外部の冷たい空気と接触して固着することを防ぐ。
【0125】
本発明のさらに他の実施形態に係るガス排気を行う基板加熱装置3000は、収納容器100とシャッタ部700との間に気流遮断板800を配置することによって、シャッタ部700のオープンのと関係なく、収納容器100とシャッタ部700との間の微小な隙間Sを介して流入される外部の冷たい空気または流出される収納空間110のヒュームを接触させることを遮断することができる。
【0126】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと理解される。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本実施形態によれば、収納容器の収納空間にフォトレジストをベーキングすることによって発生するヒュームを、シャッタ部の周辺で、基板加熱装置外部の冷たい空気との接触を遮断することによって、ヒュームがシャッタ部に固着することを防止して被処理基板の処理効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0128】
100 収納容器
110 収納空間
120 熱風流入口
200、600、700 シャッタ部
300 排気部
400 シャッタ駆動部
500 メインフレーム
800 気流遮断板
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