(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。本発明を説明するに当って、関連する公知機能または構成要素についての具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特別に他の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく他の構成要素をさらに含みうるということを意味する。
【0024】
図面中で、実質的に同じ機能構成を持つ構成要素については、たとえ他の図面上に表示されていても、なるべく同じ参照番号及び符号を付与して重複説明を省略し、当該図面についての説明時、必要な場合に他の図面の構成要素を引用できるということを予め明らかにしておく。また図面上で各構成要素の大きさは、説明の明瞭性のために誇張していることがある。
【0025】
以下、説明の便宜上、DVB−T及びDVB−T2規格を支援するデジタル放送受信機について重点的に記述するが、本発明はその技術思想から逸脱せずに現在または未来のあらゆるデジタル放送規格に適用できる。
【0026】
図1は、複数の放送規格120を備えるチャンネルの構成の一例を示す図である。
図1を参照すれば、従来のアナログ放送規格は、一つの物理チャンネル110に一つの放送コンテンツ150のみを伝送できたが、デジタル放送規格は、一つの物理チャンネル110に伝送ストリームまたは基本ストリーム(ES;Elementary Stream)によって論理的に区切られる複数の下位チャンネル、すなわち、論理チャンネル140を通じて複数の放送コンテンツ150を伝送できる。ここで放送コンテンツ150とは、放送局で製作して伝送する放送内容をいう。一般的にチャンネルという用語は、物理チャンネル110、論理チャンネル140、及び放送コンテンツ150をいずれも示すところ、以下、これらを区切るために、それぞれ物理チャンネル、放送チャンネル、及びコンテンツと称する。
【0027】
前記のように、2世代放送規格は一つの物理チャンネル110に複数の伝送ストリーム130を伝送でき、各伝送ストリーム130は複数の放送チャンネル140を備えることができる。
【0028】
図2は、一つのデジタル放送規格のみを支援する既存の地上波/ケーブル放送受信機のチャンネルスキャンメニューの一例を示す図である。
図2を参照すれば、既存の地上波/ケーブル放送受信機のチャンネルスキャンメニュー200は、アナログチャンネルスキャン、デジタルチャンネルスキャン、及びアナログ/デジタルチャンネルスキャンで構成されている。ユーザがアナログチャンネルスキャンを選択すれば、全体放送帯域でアナログ放送のみを検索して保存し、ユーザがデジタルチャンネルスキャンを選択すれば、全体放送帯域でデジタル放送のみを検索して保存し、ユーザがアナログ/デジタルチャンネルスキャンを選択すれば、全体放送帯域でアナログ放送とデジタル放送とをいずれも検索して保存する。スキャンが完了すれば、検索されたアナログ放送の数または検索されたデジタル放送の数を表示できる。
【0029】
従来技術は、デジタル放送規格が一つであり、一つの物理チャンネル内に一つの伝送ストリームが伝送されるという仮定下で構成されたものである。したがって、複数のデジタル放送規格のうち、所望の規格の放送のみを検索する機能を提供できない。
【0030】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機のチャンネルスキャンメニューを示す図である。
図3Aを参照すれば、本発明の一実施形態よるデジタル放送受信機のチャンネルスキャンメニュー300は、従来の受信機のチャンネルスキャンメニュー200のように、アナログチャンネルスキャン、デジタルチャンネルスキャン、及びアナログ/デジタルチャンネルスキャンを含むか、デジタルチャンネルスキャンがDVB−Tチャンネルスキャン、DVB−T2チャンネルスキャン、DVB−T/T2統合チャンネルスキャンに分けられて、ユーザが選択できるようになっている。
【0031】
実施形態によって、2つ以上のアナログ放送方式または3つ以上のデジタル放送方式を支援でき、実施形態によって
図3Bのように、各放送方式別にスキャン如何を選択できるように構成してもよい。
【0032】
実施形態によって、スキャン対象放送方式は、前記のようにユーザの入力によって選択されてもよく、ネットワークに連結された他の装置によって選択されてもよく、受信機が一定基準によって自ら選択してもよく、または受信機の製造時に決定されてもよい。以下で記述する各種選択可能な事項はいずれも同様である。
【0033】
実施形態によって、メニュー方式ではなくディップスイッチによって検索対象放送方式が選択されるように具現し、メーカーまたは流通社が販売地域によってディップスイッチを設定して販売した後、今後ユーザが変更できるようにしてもよい。
【0034】
実施形態によって、受信機の位置によって該当地域で使われる放送方式が選択されるようにしてもよい。受信機の位置は、GPSを用いるか、またはネットワークを通じて位置情報を受信するなどの方法を用いて決定でき、一般的にモバイル受信機は前者が、家庭用受信機は後者が望ましい。実施形態によって、受信機に供給される交流電源の電圧及び/または周波数によって該当地域で使われる放送方式が選択されるようにすることができる。
【0035】
チャンネルスキャンが始まれば、デジタル放送受信機の受信範囲内の各物理チャンネルに対して放送信号を受信し、受信された放送信号で、前記選択された放送方式に対して放送チャンネルを検索する。実施形態によって、一つの物理チャンネルに対してスキャン対象方式をいずれも検索した後、次の物理チャンネルに移行する方式、または、受信範囲内のあらゆる物理チャンネルに対して一つの放送方式を検索した後、次の放送方式に移行する方法を採用できる。
【0036】
検索結果で見つけられた放送チャンネルのチャンネル情報をメモリに保存し、スキャン完了後、各方式別に検索された放送チャンネルの数を表示装置に出力できる。
【0037】
本発明の他の実施形態によるデジタル放送受信機は、直接放送信号を受信してチャンネルスキャンを行う代わりに、ネットワークに連結された他のデジタル放送受信機からチャンネル情報データを受信できる。したがって、新たな受信機を購入した場合、放送信号の新たな検索なしに既存受信機のチャンネル情報を用いるか、一定のユーザ集団同士でチャンネル情報を共有するなどの機能が可能になる。実施形態によって、受信されたチャンネル情報データをそのままメモリに保存するか、または受信されたチャンネル情報データ内で、前記選択された放送方式に対する放送チャンネルを検索して保存することができる。
【0038】
実施形態によって、放送信号またはチャンネル情報データで検索された放送チャンネルのチャンネル情報をいずれもメモリに保存するか、またはそのうち一部のみを選択して保存するか、またはそのうち一部を変形して保存することができる。検索された放送チャンネルのチャンネル情報のうち一部を選択するか、または変形して保存する方法は、後述する。
【0039】
DVB−TとDVB−T2方式は互いに互換されないので、DVB−T/T2放送が混在する国家は、同一コンテンツをDVB−TとDVB−T2との2つの方式で伝送する場合が発生しうる。すなわち、
図1の例から分かるように、KBS1がPAL、DVB−T、DVB−T2の3つの方式で伝送されうる。このような場合、各放送チャンネルを独立したチャンネルに保存してもよいが、ユーザの選好度など一定条件によって一つを選択して保存することが望ましい。
【0040】
したがって、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、相異なる放送方式に対して同じコンテンツの放送チャンネルが探知された場合に、特定放送方式の放送チャンネル、大画面放送チャンネル、モバイル放送チャンネル、画面の解像度がさらに高い放送チャンネル、移動性のさらに高い放送チャンネル、特定変調パラメータを持つ放送チャンネル、または信号品質のさらに優秀な放送チャンネルなどを選択して保存できる。実施形態によって、2つ以上の放送チャンネルが選択されることもある。
【0041】
大画面放送は、家庭で視聴し適するように画面の解像度が高い放送を意味し、実施形態によって放送チャンネルの解像度が一定値以上であるかどうか、またはデータ伝送率が一定値以上であるかどうかを判断して決定するか、放送局など外部装置から大画面放送であることを表す情報を受信して判断できる。
【0042】
モバイル放送は、モバイル受信機で受信できる放送を意味し、これは、実施形態によって変調パラメータから判断するか、または放送局など外部装置からモバイル放送であることを表す情報を受信して判断できる。
【0043】
図4は、DVB−T2方式の最大伝送量の一例を示す表である。
図4を参照すれば、帯域幅、FFT(Fast Fourier Transform)サイズ、保護区間(GI;Guard Interval)サイズ、パイロットパターン、変調方式、コード伝送率などの変調パラメータから、ビット伝送率または擬似無エラー(QEF;Quasi−Error−Free)の受信のための搬送波対ノイズ比(Carrier−to−Noise Ratio)が分かり、実施形態によってビット伝送率、搬送波対ノイズ比、またはこれらの組み合わせを用いてモバイル放送如何を判断できる。例えば、ビット伝送率が7Mbps以下ならば、モバイル放送であると判断できる。
【0044】
移動性の高い放送チャンネルとは、移動装置に適した放送チャンネルであって、ビット伝送率より低い放送チャンネルまたはモバイル受信機に有利な変調方式を使用した放送チャンネルなどと定義できる。信号品質は、受信信号の強度またはビットエラー率(Bit Error Rate)などを用いて判断できる。変調パラメータは、帯域幅、SISO/MISO情報、変調方式、コード伝送率、ビット伝送率、入力モード(Input Mode)A/B、拡張搬送波モード(Extended Carrier Mode)、デジッタバッファ(De−jitter Buffer)状態、FFTサイズ、保護区間サイズ、パイロットパターン、またはT2フレームを構成するシンボルの数などを含むことができ、これは、当業者に知られている公知の技術であって、これについての具体的な説明は、本発明の要旨を不明にする恐れがあって詳述しない。
【0045】
実施形態によって前記のような条件を組み合わせ、優先順位を付与して使用してもよい。例えば、解像度の高い放送チャンネルを優先的に選択するが、解像度の同じ放送チャンネルが複数存在する場合、そのうち信号品質の良い放送チャンネルを選択でき、またはモバイル放送チャンネルのうち最も信号品質の良い放送チャンネルを選択できる。
【0046】
図5に、重なるコンテンツに対するユーザ選択基準が放送方式、解像度、及び信号品質を含む場合のユーザ選択メニュー500の一実施形態が図示されている。
【0047】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、相異なるコンテンツの放送チャンネルのうちでも一部のみを選択、すなわち、フィルタリングして保存することができる。
【0048】
例えば、家庭で使用する受信機では、解像度の低い放送チャンネルを再生するのに適していないため、一定解像度以上または一定伝送率以上の放送チャンネルのみを保存することが望ましい。一方、モバイル受信機では、解像度よりは安定した受信品質を持つ放送チャンネルが好適であるため、一定伝送率以下または一定信号品質以上の放送チャンネルのみを保存することが望ましい。
【0049】
実施形態によって、保存対象放送チャンネルは、放送方式、解像度、移動性、変調パラメータ、信号品質、コンテンツ特性、またはユーザ選好チャンネル如何などを考慮して選択できる。
【0050】
コンテンツ特性は、コンテンツの種類、コンテンツの視聴等級、コンテンツの暴力性または扇情性、コンテンツのオーディオ言語または字幕言語、コンテンツの推薦対象視聴者、コンテンツの有料如何、またはコンテンツの地上波放送如何などを含むことができる。したがって、地上波放送用コンテンツまたは未成年者視聴等級のコンテンツのみを選択するが、有料チャンネル及びホームショッピングチャンネルは除外して保存するなどの機能が可能になる。コンテンツ特性は、放送局など外部装置からコンテンツの特性を表す情報を受信して判断できる。
【0051】
ユーザ選好チャンネルは、デジタル放送受信機のユーザが自分の好むチャンネルを便利に選択して視聴するために、あらかじめ指定しておくチャンネルであって、これは、当業者に知られている公知技術であるところ、詳述しない。
【0052】
図6に、保存対象放送チャンネルに対するユーザ選択基準が大画面放送如何及びモバイル放送如何を含む場合の、ユーザ選択メニュー600の一実施形態が図示されている。
【0053】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、既存にメモリにチャンネル情報が保存された状態でチャンネルスキャンを行った場合、既存に保存されたチャンネル情報のうち一部を維持させることができる。例えば、放送局の送信チャンネル変更、ユーザの引越し、またはモバイル受信機の地域移動などによって同じコンテンツの放送が他のチャンネルに変更された場合、既存のチャンネル番号をそのまま使用することによって、ユーザが新たなチャンネル番号または新たなチャンネル順序に適応せねばならない不便さを低減させることができる。
【0054】
実施形態によって、デジタル放送のチャンネル番号は一つの番号で構成されてもよく、物理チャンネル番号及び放送チャンネル番号の組み合わせで構成されてもよい。例えば、
図1で、物理チャンネル7番のKBS1のチャンネル番号は7−1、物理チャンネル8番のKBS1及びKBS2のチャンネル番号はそれぞれ8−1、8−2、物理チャンネル9番のMBC1−3のチャンネル番号はそれぞれ9−1、9−2、9−3になりうる。
【0055】
実施形態によって、チャンネル番号は、物理チャンネル番号、伝送ストリーム番号及び放送チャンネル番号の組み合わせで構成されることもある。例えば、
図1で、物理チャンネル8番のKBS1及びKBS2のチャンネル番号はそれぞれ8−1−1、8−1−2、物理チャンネル9番のMBC1−3のチャンネル番号はそれぞれ9−1−1、9−2−1、9−2−2になりうる。
【0056】
既存のチャンネル番号を再使用する場合、実際放送信号のチャンネル番号とユーザ指定チャンネル番号とが一致しないため、これらをそれぞれ別途に保存して、チャンネル切り換え、すなわち、チャンネルザッピング(Zapping)時に、二つの番号とも使用可能にすることが望ましい。
【0057】
実施形態によって、ユーザ選好チャンネル如何を維持することもできる。すなわち、既存にある放送チャンネルがユーザ選好チャンネルに指定された場合、チャンネルスキャン後、それと同じコンテンツの放送を自動的にユーザ選好チャンネルと指定することによって、ユーザがチャンネルスキャン後にユーザ選好チャンネルを再入力する不便さを低減させることができる。
【0058】
実施形態によって、既存に保存されていた放送チャンネルと同じコンテンツの放送チャンネルが複数見つけられた場合、一定の条件によってそのうち一つまたは二つ以上を選択して既存のチャンネル情報を割り当てるようにできる。チャンネル情報を割り当てる放送チャンネルは、放送方式、解像度、移動性、変調パラメータ、信号品質、または優先順位が付与されたこれらの組み合わせなどによって選択できる。
【0059】
実施形態によって、重複コンテンツに対するチャンネル番号維持対象選択条件と、前記の重複コンテンツに対する保存対象選択条件とが互いに衝突する場合、いずれか一つを優先的に適用するように設定できる。
【0060】
実施形態によって既存に保存されていた放送チャンネルと同じコンテンツが見つけられない場合には、それと類似したコンテンツの放送チャンネルを選択して既存のチャンネル情報を割り当てることができる。
【0061】
図7に、チャンネル番号維持対象放送チャンネルに対するユーザ選択基準が放送方式、解像度、及び信号品質を含む場合の、ユーザ選択メニュー700の一実施形態が図示されている。
【0062】
従来の受信機に比べて複数のデジタル放送方式を支援する受信機は、複数のデジタル放送方式信号を検索せねばならないため、チャンネルスキャン時間が長くなるが、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、一部検索を省略することによってチャンネルスキャン時間を短縮する。
【0063】
例えば、一つの物理チャンネルでいずれかの放送方式の放送信号が見つけられたならば、その物理チャンネルに対して他の放送方式の放送信号をこれ以上検索する必要がない。したがって、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、チャンネルスキャン途中で現在物理チャンネルで放送チャンネルが既に見つけられたならば、現在物理チャンネルに対するこれ以上の検索を省略し、次の物理チャンネルに移行することでチャンネルスキャン時間を短縮する。
【0064】
また、現在物理チャンネルで放送チャンネルが既に見つけられなかったとしても、現在物理チャンネルの放送信号、伝送ストリーム、または基本ストリームの特徴を用いて一部検索を省略できる。ここで放送信号、伝送ストリーム、または基本ストリームの特徴は、放送方式、解像度、移動性、変調パラメータ、または信号品質などを含むことができる。
【0065】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、現在物理チャンネルの放送信号が特定放送方式に該当するかどうかを判別して、該当しない場合にその放送方式に対応になる検索過程を省略でき、該当する場合に他の放送方式に対する検索を省略できる。
【0066】
図8に、本発明の一実施形態によって、ヨーロッパの地上波放送DVB−T、DVB−T2及びケーブル放送DVB−C2を判別する方法が簡略に図示されている。
【0067】
DVB−T、DVB−T2、及びDVB−C2は互いに互換されない方式であるが、この系列のデータシンボルは、保護区間(Guard Interval)と有効シンボル区間(Useful Symbol)とで形成され、保護区間は、有効シンボル区間の最後の部分と同一に作られる前置循環(Cyclic Prefix)の形態で構成されるという点は同一である。したがって、保護区間と有効シンボル区間との相関特性(Correlation Property)を利用すれば、DVB−T/T2/C2信号が伝送されるチャンネルであるかどうかが、復調段階で予め分かる。すなわち、データシンボルをFFTサイズほど遅延させた後、元来のデータシンボルとの相関度(Correlation)を求めた後、これを累積して一定周期内に臨界値を超過すれば、DVB−T/T2/C2信号が伝送されると判断できる。
【0068】
もし、DVB−T/T2/C2信号ではないと判断されれば、DVB−T/T2/C2方式に該当する3つの検索過程を省略でき、もし、DVB−T/T2/C2信号であると判断されれば、DVB−T/T2/C2方式に対する検索を行って、他の放送方式に対する検索を省略できる。
【0069】
米国の地上波放送8−VSBとモバイル放送ATSC−M/Hの場合、この系列の伝送信号は、周期的にフィールド同期(Field Sync)信号とセグメント同期(Segment Sync)信号とを含んでいる。したがってフィールド信号が検出されるか、またはセグメント同期信号が検出されれば、8−VSBまたはATSC−M/H方式信号であることが、復調段階で予め分かる。
【0070】
中国の地上波放送DTMBの場合、この系列の伝送信号は、擬似ノイズシーケンス(PN sequence)を周期的に含んでいる。したがって、特定の形態のPNシーケンスが検出されれば、DTMB方式信号であることが、復調段階であらかじめ分かる。
【0071】
チャンネルスキャン過程でどの放送方式に対する検索を先ず行うか、またはどの放送方式に対する判別を先ず行うかによって、省略される検索過程が変わるため、スキャン時間が変わりうる。したがって、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、一定の条件によって各放送方式を検索または判別する順序を決定することによって、スキャン時間を短縮できる。
【0072】
例えば、アナログ放送方式のように検索時間の速い放送方式を先ず検索することでスキャン時間を短縮することもでき、放送方式判別時間の速い放送方式を先ず判別することによってスキャン時間を短縮することもでき、デジタル放送受信機が位置している地域で多く使われる放送方式に対して先ず検索するか、または判別することでスキャン時間を短縮することもできる。再スキャン時は、既存にメモリに保存されたチャンネル情報を参照して多く使われた放送方式を先ず検索するか、または判別することでスキャン時間を短縮することもできる。また一回の判別で多くの放送方式を区別できる判別を先ず行うことでスキャン時間を短縮することもできる。
【0073】
実施形態によって、復調段階で受信信号の品質、移動性、各種変調パラメータ、解像度などが一定の条件に該当するかどうかを判断して、その判断結果によって、現在の放送信号、伝送ストリーム、または基本ストリームに対する検索を省略することでチャンネルスキャン時間を短縮できる。
【0074】
従来の受信機は、チャンネルスキャン完了後に検索されたアナログ放送チャンネルの数またはデジタル放送チャンネルの数を画面に出力するが、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、各放送方式別に検索された放送の数だけでなく検索された放送チャンネルの制御情報、すなわち、ネットワーク識別子、放送方式識別子、伝送ストリームの数、伝送ストリーム識別子、放送チャンネルの数、放送チャンネル識別子、コンテンツ特性、解像度、移動性、変調パラメータ、または信号品質などを画面に出力することによって、ユーザにさらに多くの情報を提供できる。例えば、検索された放送チャンネルのうち、大画面放送の数及びモバイル放送の数を出力できる。
【0075】
実施形態によって前記制御情報をメモリに保存することができ、再生中にチャンネルを切り換える時、またはチャンネル情報を出力せよとの命令が入力された場合に、メモリから前記制御情報を読み込んで出力できる。
【0076】
デジタル放送は、伝送パラメータの検出にかかる時間のため、アナログ放送よりチャンネル切り換え時間が長い。例えば、DVB−T2方式は、最悪の場合に切り換え時間が1.5〜2秒ほどかかると予想される。このように長い時間はユーザに不便さを引き起こすため、改善が必要である。
【0077】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、前記のようにチャンネルスキャン時に探知された放送チャンネルの制御情報をメモリに保存した後、チャンネル切り換え時にこれを用いて放送チャンネルを再生することによって、チャンネル切り換え時間を短縮できる。
【0078】
例えば、ヨーロッパの2世代地上波放送DVB−T2方式の場合、復調が成功的に行われるためには、FFTサイズ、保護区間サイズ、パイロットパターン、SISO/MISO情報、及びT2フレームを構成するシンボルの数などが必要であるが、かかる情報は、P1シンボル、P2シンボルに含まれてT2フレーム単位で伝送される。したがって、チャンネル切り換え時にかかる情報を新たに獲得するためには、少なくとも2つのT2フレームが必要であり、通常T2フレームが200msecほどの長さを持つので、2つのT2フレームを受信するためには、400msec時間がかかる。したがって、前記情報をあらかじめメモリに保存した後、チャンネル切り換え時にこれを利用すれば、最大400msecのチャンネル切り換え時間を短縮できるようになる。
【0079】
ヨーロッパの1世代地上波放送DVB−T方式と日本の地上波放送ISDB−Tの場合、変調パラメータを得るためにフレーム同期を獲得しなければならない。したがって、チャンネル切り換え時に保存された変調パラメータを利用すれば、フレーム同期にかかる時間ほどチャンネル切り換え時間を短縮できるようになる。
【0080】
例えば、DVB−T方式の場合、変調方式、階層(Hierarchy)情報、内部コード伝送率(Inner Code Rate)などがデータ復調のために必要であり、かかる情報は68個OFDMシンボル周期でTPS(Transmission Parameters Signaling)信号に載せられて伝送される。したがって、これらのパラメータをメモリに保存した後、チャンネル切り換え時にこれを利用すれば、TPSフレーム同期を獲得する必要がないので、チャンネル切り換え時に最大60msecほどの時間を短縮できる。
【0081】
実施形態によって、チャンネル切り換え時にメモリに保存された制御情報を用いて放送チャンネルを再生できない場合には、現在受信される放送信号の制御情報を用いて放送チャンネルを再生できる。
【0082】
前記で説明したように、チャンネルスキャン結果見つけられた放送チャンネルのうち一部のみを、一定の条件によって選択してメモリに保存できるが、保存対象ではない放送チャンネルも、ユーザがチャンネル番号を直接入力することによって再生できるところ、保存対象ではない放送チャンネルの制御情報もメモリに保存しておけば、チャンネル切り換えを速く行える。
【0083】
したがって、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、チャンネルスキャン結果見つけられたあらゆる放送チャンネルの制御情報をメモリに保存し、見つけられた放送チャンネルのうち、一定の条件によって選択された放送チャンネルのみを活性化することによって、チャンネル番号の増加/減少命令が入力された場合に前記選択された放送チャンネルのみ再生させることができる。放送チャンネルの活性化如何は、各放送チャンネル別に活性化フラッグをメモリに保存するか、または活性化した放送チャンネル目録をメモリに保存する方式等で具現できる。
【0084】
実施形態によって、保存された放送チャンネルを削除せよとの命令が入力された場合に、該当放送チャンネルのチャンネル情報をいずれも削除するものではなく、該当チャンネルを非活性に設定することによって、削除された放送チャンネルもチャンネル番号を直接入力する時に速く再生可能にする。
【0085】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、ユーザのチャンネルスキャン命令がなくても一定の条件が満たされれば、自動的にチャンネルをスキャンできる。
【0086】
例えば、コンテンツの新設、消滅、または変更などによってチャンネル情報が変更された場合、自動的にチャンネルをスキャンさせれば、ユーザが手動でチャンネルスキャンを行う必要がなく、ユーザが新設されたコンテンツがあるということを知らなくて視聴できない場合を防止できる。チャンネル情報変更如何は、現在受信される放送信号のチャンネル情報とメモリに保存されたチャンネル情報とを比較するか、放送局など外部装置からチャンネル情報変更を知らせる情報を受信することによって判断できる。実施形態によって、チャンネル消滅が検出された場合には、一時的な放送中断如何を判断するために、一定期間待機しうる。
【0087】
また受信機の位置が変更された場合、または受信機の電源供給が遮断されてから再供給された場合に自動スキャンを行うことによって、ユーザの引越しなどによってチャンネル情報が変更された場合にも、ユーザが手動でスキャンする不便さを低減させることができる。
【0088】
ユーザが放送を視聴中に自動スキャン条件が満たされた場合、自動スキャンによって視聴が妨害されることを防止するために、ユーザが受信機の電源を消す時に自動スキャンが行われるようにすることができる。実施形態によって複数のチューナを備える受信機の場合、休み中のチューナを用いてスキャンを行える。
【0089】
自動スキャンが進められる途中でユーザが視聴を始めるか、またはPIP(Picture in Picture)またはEPG(Electronic Program Guide)受信機能を使用するなど、スキャン中のチューナを使用しようとする場合には、これまでスキャンされた結果を臨時でメモリに保存しておいてスキャンを中止した後、今後ユーザに妨害されない時にスキャンを続けることができる。
【0090】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、ユーザが放送を視聴中に手動スキャンまたは自動スキャンが行われた場合、スキャン完了後に、ユーザの視聴中であったコンテンツに該当する放送チャンネルを自動的に再生できる。
【0091】
特にモバイル受信機の場合、ユーザの視聴中であったコンテンツが地域移動によって受信が不可能になった場合、速く該当コンテンツを探知して再生せねばならないので、スキャン途中に該当コンテンツが見つけられれば、直ちにスキャンを中断して該当コンテンツを再生することが望ましい。
【0092】
実施形態によって、ユーザが選好チャンネルをザッピングしつつ視聴可能にするために、ユーザ選好チャンネルに該当するコンテンツがいずれも見つけられるやいなやスキャンを中断することによって、ユーザのスキャン待機時間を短縮することもできる。
【0093】
一般的に放送局で類似したコンテンツ同士で隣接するようにチャンネル番号を割り当てることもできるが、性格の異なるコンテンツ同士で隣接するようにチャンネル番号を割り当てる場合もある。例えば、視聴率の高い地上波コンテンツの間にホームショッピングコンテンツを挿入することによって、視聴者が地上波コンテンツを視聴しながらチャンネル番号の増加/減少ボタンでチャンネルザッピングする時に、自然にホームショッピングコンテンツを視聴するように誘導する場合がある。かかる場合、視聴者は類似したコンテンツ同士で隣接するようにチャンネル番号を割り当てることを希望することができる。
【0094】
したがって、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、スキャン結果見つけられた放送チャンネルに、一定の順序によってチャンネル番号を割り当てることができる。チャンネル番号割り当て順序は、放送方式、解像度、移動性、変調パラメータ、信号品質、コンテンツ特性、ユーザ選好チャンネル如何、または優先順位の付与されたこれらの組み合わせを含むことができる。前記のように、コンテンツ特性はコンテンツの種類、コンテンツの視聴等級、コンテンツの暴力性または扇情性、コンテンツのオーディオ言語または字幕言語、コンテンツの推薦対象視聴者、コンテンツの有料如何、またはコンテンツの地上波放送如何などを含むことができる。
【0095】
したがって、ユーザは地上波コンテンツをチャンネル番号の前方に位置させ、かつホームショッピングコンテンツを後方に位置させるか、解像度が高いか、または受信品質の良い放送チャンネルを前方に位置させるなどの設定を行える。
【0096】
実施形態によって特定コンテンツのチャンネル番号を直接指定するか、地上波コンテンツは0番台に、映画コンテンツは10番台に、スポーツコンテンツは20番台に割り当てるなどの設定をすることもできる。
【0097】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、放送チャンネルを一定の条件によってグループに分類して管理できる。グループ分類条件は、放送方式、解像度、移動性、変調パラメータ、信号品質、コンテンツ特性、ユーザ選好チャンネル如何、または優先順位が付与されたこれらの組み合わせを含むことができる。
【0098】
チャンネルスキャン、保存、または削除などの多様なチャンネル管理がグループによって行われ、本発明で開示されたあらゆる機能がグループ情報に基づいて行われうる。例えば、グループ順序によって放送チャンネルのチャンネル番号を割り当てることができ、チャンネル番号は、グループ番号とグループ内の放送チャンネル番号との組み合わせで割り当ててもよい。実施形態によって、ユーザはチャンネル番号の増加/減少ボタンで特定グループ内のみでチャンネルザッピングを行える。実施形態によって、ユーザは特定グループをユーザ選好グループと設定でき、ユーザ選好グループに該当する放送チャンネルはユーザ選好チャンネルと指定される。チャンネルスキャンによって新たな放送チャンネルが見つけられた場合、該当放送チャンネルがユーザ選好グループに該当する場合、自動的にユーザ選好チャンネルと指定されうる。
【0099】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、ユーザ情報、すなわち、ユーザプロファイルを入力され、これに基づいてチャンネルを管理できる。ユーザ情報は、ユーザの名前、性別、年齢、住所、職業、国家、言語、プログラム選好度、またはユーザグループなどを含むことができる。本発明で開示されたあらゆる機能がユーザ情報に基づいて行われうる。
【0100】
例えば、チャンネルスキャン結果を保存する時、ユーザの年齢に該当する等級のコンテンツのみをフィルタリングして保存でき、ユーザの性別、年齢、居住地域や職業などによって勧められるコンテンツに前方のチャンネル番号を割り当てるか、または選好チャンネルまたは選好チャンネルグループと指定できる。実施形態によって複数のユーザに関する情報を入力されて、ユーザ別チャンネル情報を別途に管理することもできる。
【0101】
本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、探知対象放送方式、放送方式探知順序、探知対象コンテンツ、チャンネル情報データ提供受信機、自動探知条件、保存対象放送チャンネル、重複コンテンツ選択条件、既存チャンネル情報維持条件、チャンネル番号、チャンネル番号割り当て条件、ユーザ選好チャンネル、チャンネルグループ割り当て条件、チャンネルグループ番号割り当て条件、ユーザ選好チャンネルグループ、またはユーザ情報など本発明に開示されたあらゆる機能についての設定事項を含むチャンネル設定関連情報を、ネットワークに連結された他の受信機から受信することができ、USBメモリやSDメモリなど移動式記録媒体から受信することができる。したがって、ユーザは新たな受信機を購入するか、自分の家以外の他の場所で受信機を使用する時、チャンネル設定関連情報をいちいち入力しなくても既存、または自分の家で使用したことと同じチャンネル環境で放送を視聴可能になる。
【0102】
図9は、本発明の一実施形態によるチャンネル管理方法のフローを概略的に示すフローチャートである。
図9を参照すれば、本発明の一実施形態によるチャンネル管理方法は、デジタル放送受信機の受信範囲内の物理チャンネルそれぞれに対して、複数のデジタル放送方式から選択された一つ以上の放送方式に該当する放送チャンネルを探知する段階(S910)、及び探知された放送チャンネルのチャンネル情報をメモリに保存する段階(S920)を含む。
【0103】
図10は、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機の構成を概略的に示す図である。
図10を参照すれば、本発明の一実施形態によるデジタル放送受信機は、放送信号受信部1110、チャンネル情報受信部1120、ユーザ入力部1130、制御部1140、探知部1150、及びメモリ1160を備える。
【0104】
放送信号受信部1110は、受信範囲内の物理チャンネルに対して放送局1200から送出する放送信号を受信し、チャンネル情報受信部1120は、他のデジタル放送受信機または携帯用記録媒体1300からチャンネル情報またはチャンネル設定関連情報を受信する。ユーザ入力部1130は、チャンネル設定関連情報をユーザ1400から入力され、探知部1150は、受信された放送信号またはチャンネル情報に対してチャンネルスキャンを行い、制御部1140は、探知部1150を制御して探知結果をメモリ1160に保存し、探知結果または受信された放送信号から再生されたコンテンツを、TVまたはモニターなどの表示装置1500に出力する。
【0105】
前記のように、本発明によるデジタル放送受信機は、複数のデジタル放送規格環境で効率的かつ便利なチャンネル管理方法を提供する。
【0106】
本発明はまた、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードとして具現することができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムにより読み取られるデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例には、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがあり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じる伝送)の形態で具現されるものも含む。
【0107】
これまで本発明について図面に図示された望ましい実施形態を中心に詳細に説明した。このような実施形態は、この発明を限定しようとするものではなく例示的なものに過ぎず、限定的な観点ではない説明的な観点で考慮されねばならない。本明細書に特定の用語が使われたが、これは単に本発明の概念を説明するための目的で使われたものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。したがって、当業者ならば、本発明がたとえ本明細書に明確に説明または図示されていないが、特許請求の範囲で請求する本発明の本質的な技術思想を逸脱しない範囲で、本発明の原理を具現する多様な変形形態及び均等な他の実施形態で具現されるということを理解できるであろう。
【0108】
本発明の真の技術的保護範囲は、前述した説明ではなく特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならず、それと同等な範囲内にあるあらゆる構造的及び機能的均等物は本発明に含まれていると解釈されねばならない。このような均等物は、現在公知された均等物だけではなく、今後開発される均等物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を行うように発明されたあらゆる構成要素を含むと理解されねばならない。