(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記各特許文献に開示されたプラットホームドア装置では、ガイドボックスに表示装置が設けられているため、乗降客にとっては便利なものとなるが、ガイドボックスが当該ガイドボックス内に収納された駆動装置等の機器のメンテナンス作業が可能な構成となっていないため、メンテナンス作業が繁雑になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガイドボックスに表示装置が設けられた構成のプラットホームドア装置において、ガイドボックス内に収納された機器のメンテナンス作業が煩わしくならないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明は、プラットホームに設置されるガイドボックスと、前記ガイドボックスの一端から外に向かって進出可能に支持される第1ドアパネルと、前記ガイドボックスの他端から前記第1ドアパネルの進出方向とは逆方向に進出可能に支持される第2ドアパネルと、
第1モータと、前記第1モータの駆動軸に設けられた第1駆動プーリと、第1従動プーリと、前記第1駆動プーリ及び前記第1従動プーリに巻き掛けられた第1ベルトとを有し、前記第1ドアパネルを駆動するための第1駆動装置と、前記第2ドアパネルを駆動するための第2駆動装置と、を備え、前記ガイドボックス
には、ホーム側の一側面
に表示装置が設けられるとともに、前記表示装置以外の部分に、蓋部によって開閉可能なメンテナンス用開口
が設けられ、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置は、前記第1ドアパネル及び前記第2ドアパネルの通過領域よりも前記一側面寄りに配置され
るよう
に設けられ
、前記第1モータ及び第1従動プーリは、前記表示装置の両側に分かれて前記メンテナンス用開口に対応する位置に配置され、前記第1ベルトは、ホーム側から見て前記表示装置の裏側を通るように配置されているプラットホームドア装置である。
【0008】
本発明によるプラットホームドア装置では、ガイドボックスにおいてホーム側の一側面のメンテナンス用開口を開閉可能に構成されているので、このメンテナンス用開口を開放することにより、ガイドボックス内に配設された駆動装置等の機器のメンテナンスをすることができる。しかも、第1駆動装置及び第2駆動装置の何れもが第1ドアパネル及び第2ドアパネルに対して前記一側面寄りに配設されているので、駆動装置のメンテナンス時には、ドアパネルがどの位置に移動していたとしてもドアパネルが邪魔になることはない。さらに、ガイドボックスのホーム側の側面において、開放されたメンテナンス用開口を塞がないように表示装置が設けられているので、表示装置がガイドボックスに設けられるとしても、メンテナンス作業の邪魔になることはない。したがって、本発明によれば、ガイドボックスに表示装置が設けられたプラットホームドア装置においても、ガイドボックス内に収納された機器のメンテナンス作業が煩わしくならないようにすることができる。
【0009】
ここで
、前記第2駆動装置は、前記メンテナンス用開口に対応する位置に配置された第2モータ及び第2従動プーリを有していてもよく、この場合には、前記表示装置は
、前記第2モータと前記第2従動プーリとの間の位置に配置されているのが好ましい。
【0010】
この態様では、表示装置が第1モータ又は第2モータのメンテナンス作業や第1従動プーリ又は第2従動プーリのメンテナンス作業の邪魔になることはない。
前記好ましい態様において、前記メンテナンス用開口には、前記第1モータに対応する第1領域と、前記第1従動プーリに対応する第2領域とが含まれており、前記蓋部には、前記メンテナンス用開口の前記第1領域を開閉する第1蓋部と、前記メンテナンス用開口の前記第2領域を開閉する第2蓋部とが別個に設けられていてもよい。
【0011】
前記好ましい態様において、前記第1モータ及び前記第2モータが、前記ガイドボックス内において前記一端部側又は前記他端部側の隅に配置される場合には、前記表示装置は、前記ホーム側の一側面の中央部に配置されていてもよい。
【0012】
この態様では、第1モータ及び第2モータがガイドボックス内において同じ側に配置されているため、両モータを同時にメンテナンスする際の作業性を向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、ガイドボックスに表示装置が設けられた構成のプラットホームドア装置において、ガイドボックス内に収納された機器のメンテナンス作業が煩わしくならないようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、実施形態に係るプラットホームドア装置10は、正面視で略矩形状のケーシング13を有するガイドボックス12を備えている。ガイドボックス12は、プラットホームに固定されるものであり、一対のドアパネル15,16を移動可能に支持するとともに、後述するように駆動装置51,52(
図3参照)等の機器が収納されている。
【0019】
図1は、プラットホームドア装置10をプラットホーム内側(以下、ホーム側という)から軌道側に向かって見た外観図であり、ガイドボックス12の幅方向の両端部から第1ドアパネル15及び第2ドアパネル16が外側に向かって進出するように構成されている。ガイドボックス12がプラットホームの縁部に沿って間隔をおいて配設されることにより、プラットホームは軌道側とホーム側とに仕切られる。そして、隣のガイドボックス12との間の領域がドアパネル15,16により開閉される乗降通路17,18となる。
【0020】
ガイドボックス12は、幅方向の一端部(
図1の右端部)から第1ドアパネル15が外側(右側)に向かって進出可能となっており、また幅方向の他端部(
図1の左端部)から第2ドアパネル16が外側(左側)に向かって進出可能となっている。
【0021】
ケーシング13は、ドアパネル15,16の長さ(移動方向の長さ)よりも少し長い横幅を有している。したがって、両ドアパネル15,16がガイドボックス12内に引き込まれた開き位置にある状態では、両ドアパネル15,16がガイドボックス12の厚み方向に並ぶ状態となる。
【0022】
図2に示すように、第1ドアパネル15は、ケーシング13内における軌道側の領域に配設され、第2ドアパネル16は、ケーシング13内において第1ドアパネル15の通過領域よりもホーム側に配設されている。言い換えると、ガイドボックス12内において、第2ドアパネル16は、第1ドアパネル15に対してホーム側の領域を通過するように配置されている。
【0023】
ガイドボックス12のケーシング13は、
図1及び
図3に示すように、ホーム側の側面に形成された開口30aを有するケーシング本体21と、この開口30aを塞ぐようにケーシング本体21に着脱可能に設けられる蓋部22と、を備えている。蓋部22を取り外すことより、ケーシング本体21のホーム側の開口30aを開放でき、これにより、ケーシング13内に収納された機器のメンテナンス作業等を行うことができる。すなわち、開口30aは、
後述の表示装置85以外の部分がメンテナンス用開口として機能する。
【0024】
開口30aは、ケーシング本体21の中央部に設けられた表示装置85の右側の領域(右側領域)、表示装置85の下側の領域(中央領域)及び表示装置85の左側の領域(左側領域)を含む。蓋部22は、開口部30aの右側領域を開放可能な第1蓋部22aと、開口部30aの左側領域を開放可能な第2蓋部22bと、開口部30aの中央領域を開放可能な第3蓋部22cとを備えている。第1蓋部22a〜第3蓋部22cは、ケーシング本体21に対して別個に着脱可能となっている。第1蓋部22a及び第2蓋部22bは、ケーシング本体21の高さ方向のほぼ全体に亘る大きさに形成されており、第3蓋部22cは、第1蓋部22a及び第2蓋部22bよりも背が低い大きさに形成されている。
【0025】
第3蓋部22cには、中央部付近に略矩形状の開口部が形成されている。この開口部は、ケーシング13内部に設けられた個別操作盤23を露出させている。個別操作盤23には、駅員がこのプラットホームドア装置10を単独で動作させる際に操作するための操作部が収納されている。
【0026】
図3は、ケーシング13内をホーム側から見た図である。同図に示すように、ケーシング本体21は、プラットホームに固定される左右一対の台座部(第1台座部25及び第2台座部26)と、これらの台座部25,26上に架渡されるように配置された平面視で略矩形状の底部27と、ガイドボックス12の幅方向における底部27の一端部(例えば
図3の右端部)から立ち上がる第1側壁部28と、ガイドボックス12の幅方向における底部27の他端部(例えば
図3の左端部)から立ち上がる第2側壁部29と、ガイドボックス12の厚み方向における底部27の一端部(ホーム側の端部)から立ち上がり、前記開口30aが形成されているホーム側壁部30(
図4及び
図5参照)と、ガイドボックス12の厚み方向における底部27の他端部(軌道側の端部)から立ち上がる軌道側壁部31(
図4及び
図5参照)と、これら側壁部28〜31の上端部を接続するように設けられる天部32と、を備えている。
【0027】
また、ケーシング本体21の内側には、レール台37と、中間高さ位置でガイドボックス12の幅方向に延びるように配設される梁部材38と、左右方向に互いに間隔をおいて配設される支柱部材87,88と、が設けられている。
【0028】
レール台37は、角筒状の部材であって、ガイドボックス12の幅方向に延びる姿勢で設けられている。そして、レール台37は、第1台座部25及び第2台座部26に跨るように配置されている。レール台37は、後述する第1ガイドレール57及び第2ガイドレール58を固定するための部材であり、後述のスライダ78,80二つ分の幅を有する。レール台37は、L字形のブラケット47によって第1台座部25及び第2台座部26に固定されている(
図4及び
図5参照)。
【0029】
梁部材38は、その一端部において補強板45とともにホーム側壁部30に固定されており、また他端部において補強板46とともにホーム側壁部30に固定されている。したがって、梁部材38は、ガイドボックス12内においてホーム側に寄せた状態で配設されている。梁部材38は、中空の形材によって構成されており、その中に信号線等の配線が配設される。
【0030】
図3〜
図6に示すように、ガイドボックス12内には、第1ドアパネル15を開閉駆動するための第1駆動装置51と、第2ドアパネル16を開閉駆動するための第2駆動装置52と、第1駆動装置51と第1ドアパネル15とを連結する第1連結部材55と、第2駆動装置52と第2ドアパネル16とを連結する第2連結部材56と、第1ドアパネル15を案内するための第1ガイドレール57と、第2ドアパネル16を案内するための第2ガイドレール58と、第1ドアパネル15の振れ止めとして機能する第1ガイド部材59と、第2ドアパネル16の振れ止めとして機能する第2ガイド部材60と、第1及び第2駆動装置51,52を制御するための制御盤62と、が配設されている。
【0031】
第1駆動装置51は、駆動源としてのモータ(第1モータ)51aと、モータ51aの駆動軸に設けられる駆動プーリ(第1駆動プーリ)51bと、従動プーリ(第1従動プーリ)51cと、駆動プーリ51b及び従動プーリ51cに巻き掛けられる巻き掛け部材であるベルト(第1ベルト)51dと、を備えている。第2駆動装置52も第1駆動装置51と同様の構成であり、モータ(第2モータ)52aと駆動プーリ(第2駆動プーリ)52bと従動プーリ(第2従動プーリ)52cとベルト(第2ベルト)52dとを備えている。
【0032】
第1駆動装置51と第2駆動装置52とは高さ方向に位置ずれしている。すなわち、
図3に示すように、第1駆動装置51と第2駆動装置52とは、ガイドボックス12の厚み方向(
図4の左右方向)の同じ位置に配設されているが、第1駆動装置51の方が第2駆動装置52よりも上方に配置されている。このため、互いに干渉することはない。
【0033】
第1モータ51a及び第2モータ52aは、
図4に示すように、ガイドボックス12の厚み方向(
図4の左右方向)において、第2ドアパネル16の通過領域に重なる位置に配置されているが、第1側壁部28に近接したところに配置されるとともに、何れも縦長となる姿勢で配設されている。したがって、第2ドアパネル16がガイドボックス12内の最も奥まで移動したとき、即ち、全開位置まで移動したときでも、第2ドアパネル16と第1モータ51a及び第2モータ52aとの干渉を防止することができる。しかもガイドボックス12の幅が大きくなることを抑制することができる。
【0034】
そして、第1モータ51a及び第2モータ52aは、何れも駆動軸がホーム側を向く姿勢で配設されている。この結果、第1駆動プーリ51b及び第2駆動プーリ52bは、第1ドアパネル15及び第2ドアパネル16よりもホーム側に位置づけられている。
図5及び
図6に示すように、従動プーリ51c,52cについても同様である。したがって、第1ベルト51d及び第2ベルト52dは、第1ドアパネル15及び第2ドアパネル16よりもホーム側の位置でガイドボックス12の幅方向(ドアパネルの動作方向)に延びるように配設されている。なお、第1モータ51a及び第2モータ52aは、それぞれモータブラケット65によってケーシング本体21の第1側壁部28に固定されている。また、第1従動プーリ51c及び第2従動プーリ52cは、プーリブラケット66によってケーシング本体21の第2側壁部29に固定されている。
【0035】
第1及び第2ガイドレール57,58は、
図4〜
図6に示すように、何れもレール台37の上に並んで配置されている。すなわち、第1ドアパネル15の通過領域と第2ドアパネル16の通過領域とは、ガイドボックス12の厚み方向に位置ずれしている。そして、第1ドアパネル15は、ガイドボックス12内において軌道側(軌道側壁部31側)に寄せられており、第2ドアパネル16は、第1ドアパネル15よりもホーム側(ホーム側壁部30側)に配置されている。すなわち、ガイドボックス12内において、第2ドアパネル16は、第1ドアパネル15に対してホーム側の領域を通過するように配置されている。
【0036】
第1ガイド部材59は、ガイドボックス12内において、第1ドアパネル15の通過領域の上側に配置されており、第1ドアパネル15の移動方向に延びるように配置されている。第1ガイド部材59は、第1ガイドレール57の真上に位置している。
【0037】
第2ガイド部材60は、ガイドボックス12内において、第2ドアパネル16の通過領域の上側に配置されており、第2ドアパネル16の移動方向に延びるように配置されている。第2ガイド部材60は、第2ガイドレール58の真上に位置している。
【0038】
制御盤62は、表示装置85の下側の空間に配置されるとともに梁部材38に吊り下げられるようにして支持されており、梁部材38の配設幅に収まっている(
図5参照)。したがって、制御盤62は、第1ドアパネル15の通過領域及び第2ドアパネル16の通過領域に対して、ホーム側に位置している。
【0039】
ガイドボックス12に設けられた表示装置85は、ホーム側から見て、左右方向の中央部に配置されるとともに、ケーシング13のホーム側面に配置されている。表示装置85は、例えば、駅構内の案内、列車運行情報、路線図、時刻表、企業広告、イベント情報、ニュース・天気予報、乗降客に対する注意事項等、各種情報を表示することができる。
【0040】
ケーシング本体21の支柱部材87,88は、ケーシング13内におけるホーム側の端部に配置されるとともに、ケーシング本体21の底部27から立設されるように設けられており、支柱部材87,88の上端部は、ケーシング本体21の上端部に設けられた上側梁部材21bに固定されている。
【0041】
各支柱部材87,88は、制御盤62の両側に分かれて配置されている。
図3の右側の支柱部材87は、第1モータ51a、第2モータ52a、第1ドアパネル15が乗降通路17を閉じる位置にあるときの第1スライダ78よりも左側、すなわち、ホーム側から見た状態で、これらの機器と制御盤62との間に配置されている。
図3の左側の支柱部材88は、従動プーリ51c,52c、プーリブラケット66、第2ドアパネル16が乗降通路18を閉じる位置にあるときの第2スライダ80よりも右側、すなわち、ホーム側から見た状態で、これらの機器と制御盤62との間に配置されている。
【0042】
表示装置85は、両支柱部材87,88間に配置されており、表示装置85の左端部は左側の支柱部材88に固定され、表示装置85の右端部は右側の支柱部材87に固定されている。すなわち、表示装置85は、ホーム側から見て、モータ51a,52a、スライダ78,80,駆動プーリ51b,52b、従動プーリ51c,52c等のメンテナンスが必要となる機器からずれた位置となっている。また、表示装置85は、第1ベルト51d及び第2ベルト52dよりもホーム側、すなわち第1ドアパネル15及び第2ドアパネル16の通過位置よりもホーム側に配置されている。そして、表示装置85は、支柱部材87,88間のスペース内において制御盤62よりも上側の領域に配置されている。
【0043】
第1ドアパネル15は、正面視で略矩形状のドアパネル本体69と、ドアパネル本体69の戸尻側の端部に設けられる被ガイド部70,71とを備えている。ドアパネル本体69には、透明板69aが嵌め込まれている。第2ドアパネル16は、第1ドアパネル15と同様にドアパネル本体73と被ガイド部74,75とを備え、ドアパネル本体73に透明板73aが嵌め込まれた構成となっているが、第1ドアパネル15とは対称形に構成されている。
【0044】
被ガイド部70,71は、
図3〜
図7に示すように、ドアパネル本体69の上側部に設けられる上側被ガイド部70と、ドアパネル本体69の下側部に設けられ、上側被ガイド部70の下方に配置される下側被ガイド部71と、を有する。上側被ガイド部70と下側被ガイド部71とは、上下方向に間隔をおいて配設され、互いに平行に形成されている。
【0045】
第2ドアパネル16の上側被ガイド部74も第1ドアパネル15の上側被ガイド部70と同様の構成とであり、第2ドアパネル16の下側被ガイド部75も第1ドアパネル15の下側被ガイド部71と同様の構成である。
【0046】
第1ドアパネル15の上側被ガイド部70には、第1連結部材55が連結されており、第2ドアパネル16の上側被ガイド部74には、第2連結部材56が連結されている
図4に示すように、第1連結部材55は、平板状の部材を折り曲げ加工したものであり、第1ドアパネル15の上側の直状部材70aから上方に延びる第1部位55aと、第1部位55aの上端部から水平に延びる第2部位55bと、第2部位55bの端部から下方に延びる第3部位55cとを一体的に有する。第1部位55aは、第1ガイド部材59と第2ガイド部材60との間を通過して、第2ガイド部材60の上側まで延びている。第2部位55bは、第2ガイド部材60の上方に配置され、第3部位55cは、第2ガイド部材60よりもホーム側を上下方向に延びていて、下端部において第1ベルト51dに連結されている。このように、第1連結部材55は、第2ドアパネル16の通過領域を上方に避けるように配置されている。
【0047】
一方、第2連結部材56は、
図3及び
図5に示すように、第2ドアパネル16の上側被ガイド部74からホーム側に張り出すとともに下方に向かって延びており、第2ベルト52dに連結されている。
【0048】
第1ドアパネル15には、第1ガイドレール57に摺動する第1スライダ78と、第1ガイド部材59に沿って転動する第1ガイドローラ79とが設けられている(
図3及び
図4参照)。一方、第2ドアパネル16には、第2ガイドレール58に摺動する第2スライダ80と、第2ガイド部材60に沿って転動する第2ガイドローラ81とが設けられている(
図3、
図5、
図6参照)。第1スライダ78及び第2スライダ80は、下側被ガイド部71,75の下面(ドアパネルの下面)に固定されている。第1ガイドローラ79及び第2ガイドローラ81は、上側被ガイド部70,74の上面に固定されている。
【0049】
ここで、本第1実施形態に係るプラットホームドア装置10におけるメンテナンス作業について簡単に説明する。例えば、第1ベルト51d又は第2ベルト52dの張り具合の調整を行うには、ガイドボックス12の蓋部22(例えば、第1蓋部22a及び第2蓋部22b)をケーシング本体21から取り外す。これにより、ホーム側壁部30の開口30aを通して第1ベルト51d及び第2ベルト52dが露出する。第1従動プーリ51c及び第2従動プーリ52cは、何れも位置調整可能にプーリブラケット66に取り付けられているので、ベルト51d,52dの張り具合に応じて従動プーリ51c,52cを
図3の左右方向に位置調整すればよい。従動プーリ51c,52cは、何れも第1ドアパネル15及び第2ドアパネル16よりも手前側(開口30a側)に位置しており、しかもホーム側から見た状態で表示装置85に対して位置ずれしているので、メンテナンス作業において第1ドアパネル15、第2ドアパネル16及び表示装置85が邪魔になることはない。
【0050】
ガイドレール57,58への注油作業については、第3蓋部22cをも取り外せばよい。スライダ78,80及びガイドレール57,58が何れも第1ドアパネル15及び第2ドアパネル16よりも手前側(開口30a側)に位置しており、しかもホーム側から見た状態で表示装置85に対して位置ずれしているので、メンテナンス作業において第1ドアパネル15、第2ドアパネル16及び表示装置85が邪魔になることはない。また、制御盤62を操作しての動作確認及び動作調整の作業を行う場合においても、制御盤62が第1ドアパネル15及び第2ドアパネル16よりも手前側(開口30a側)に位置しており、しかもホーム側から見た状態で表示装置85に対して位置ずれしているので、第1ドアパネル15、第2ドアパネル16及び表示装置85が邪魔になることはない。
【0051】
以上説明したように、本実施形態では、ガイドボックス12においてホーム側の一側面の開口30aを開閉可能に構成されているので、この開口30aを開放することにより、ガイドボックス12内に配設された駆動装置51,52等の機器のメンテナンスをすることができる。しかも、第1駆動装置51及び第2駆動装置51の何れもが第1ドアパネル15及び第2ドアパネル16に対して前記一側面寄りに配設されているので、駆動装置51,52のメンテナンス時には、ドアパネル15,16がどの位置に移動していたとしてもドアパネル15,16が邪魔になることはない。さらに、ガイドボックス12のホーム側の側面において、開放された開口30aを塞がないように表示装置85が設けられているので、表示装置85がガイドボックス12に設けられるとしても、メンテナンス作業の邪魔になることはない。したがって、ガイドボックス12に表示装置85が設けられたプラットホームドア装置10においても、ガイドボックス12内に収納された機器のメンテナンス作業が煩わしくならないようにすることができる。
【0052】
また本実施形態では、表示装置85が開口30aの位置からずれたところに配置されており、しかも表示装置85が第1モータ51aと第1従動プーリ51cとの間の位置で且つ第2モータ52aと第2従動プーリ52cとの間の位置に配置されているので、表示装置85が第1モータ51a又は第2モータ52aのメンテナンス作業や第1従動プーリ51c又は第2従動プーリ52cのメンテナンス作業の邪魔になることはない。
【0053】
また本実施形態では、第1モータ51a及び第2モータ52aが、ガイドボックス12内において一端部側の隅に配置されている。すなわち第1モータ51a及び第2モータ52aがガイドボックス12内において同じ側に配置されている。このため、両モータ51a,52aを同時にメンテナンスする際の作業性を向上することができる。また第1及び第2モータ51a,52aが第2ドアパネル16の厚み領域の範囲内に配置されるとしても、第2ドアパネル16に干渉しない。このため、ガイドボックス12の薄型化に寄与することができる。
【0054】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。例えば、前記実施形態では、ガイドボックス12の側面が表示装置85の配設個所以外の全面が開放される構成としたが、これに限られるものではなく、その一部、すなわちメンテナンスに必要な大きさで開放できる構成であればよい。
【0055】
前記実施形態では、軌道側の第1ドアパネル15が正面視で右向きに移動して右側の乗降通路17を閉じ、ホーム側の第2ドアパネル16が正面視で左向きに移動して左側の乗降通路18を閉じる構成としたが、これと逆でもよい。すなわち、軌道側の第1ドアパネル15が左向きに移動して左側の乗降通路18を閉じ、ホーム側の第2ドアパネル16が右向きに移動して右側の乗降通路17を閉じる構成としてもよい。この場合において、第1モータ51a及び第2モータ52aは、第2側壁部29に近接する場所に配置されていれば、ガイドボックス12の厚みが厚くなることを防止できる。ただし、この構成に限られるものではない。
【0056】
前記実施形態では、第1連結部材55の第1部位55aが第1ガイド部材59と第2ガイド部材60との間を通過する構成としたが、これに代え、第1連結部材55の第1部位55aが第1ガイド部材59の軌道側を通って第2部位55bに繋がる構成としてもよい。
【0057】
前記実施形態では、軌道に沿う方向に見たときに
図4に示すように第1モータ51a及び第2モータ52aが第2ドアパネル16の通過領域に一部重なる配置としたが、これに限られるものではない。モータ51a,52aが第2ドアパネル16の通過領域よりもホーム側に配置される構成としてもよい。この場合には、第1モータ51a及び第2モータ52aは縦長の姿勢で配設される構成でなくてもよく、また、第1側壁部28に近接したところに配設される構成でなくてもよい。
【0058】
前記実施形態では、第1連結部材55が第2ドアパネル16の通過領域を上方に避ける形態で設けられている構成としたが、この構成に代え、第1連結部材55が第2ドアパネル16の通過領域を下方に避ける形態で設けられている構成としてもよい。この場合には、第2ドアパネル16のガイドレール(第2ガイドレール)58が第2ドアパネル16の上方に設けられるとともに、スライダ80が第2ドアパネル16の上面に設けられ、第2ドアパネル16がガイドレール58に吊持された形態となる。この構成では、第1ドアパネル15のガイドレール57及びスライダ78も第2ドアパネル16と同様の構成とするのが好ましい。
【0059】
前記実施形態では、1つの表示装置85が設けられる構成としたが、これに限られるものではなく、複数の表示装置85が設けられる構成としてもよい。
【0060】
前記実施形態では、表示装置85がケーシング本体21に設けられる構成としたが、
参考例として、表示装置85が蓋部22に設けられる構成
が示される。
【0061】
この態様では、ホーム側から見た状態で表示装置85が開口30aに重なる位置に配置されるが、蓋部22を開放操作することによって、収納機器のメンテナンスが可能となる。しかも、表示装置85が開口30aを開閉する蓋部22に設けられているので、開口30aをできるだけ大きく形成することができる。この場合、蓋部22を例えば左右に二分割された構成として、第1蓋部及び第2蓋部の少なくとも一方に表示装置が設けられる構成とすることができる。