特許第5727230号(P5727230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5727230
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】触媒粒子の固定装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/02 20060101AFI20150514BHJP
   B01J 8/00 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   B01J8/02 C
   B01J8/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-547072(P2010-547072)
(86)(22)【出願日】2009年1月23日
(65)【公表番号】特表2011-515204(P2011-515204A)
(43)【公表日】2011年5月19日
(86)【国際出願番号】EP2009000405
(87)【国際公開番号】WO2009103395
(87)【国際公開日】20090827
【審査請求日】2011年12月13日
(31)【優先権主張番号】102008010422.1
(32)【優先日】2008年2月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597014730
【氏名又は名称】ティッセンクルップ・ウーデ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ハーメル・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ローマン・トーレ
(72)【発明者】
【氏名】ゼムラウ・ローター
【審査官】 近野 光知
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−051437(JP,U)
【文献】 特開平01−281139(JP,A)
【文献】 特開昭58−174220(JP,A)
【文献】 特表平11−501249(JP,A)
【文献】 特開昭62−034099(JP,A)
【文献】 特開平01−201196(JP,A)
【文献】 特表2007−516074(JP,A)
【文献】 特表2004−524146(JP,A)
【文献】 特表2002−525190(JP,A)
【文献】 特表2003−529445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 8/00〜8/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒粒子の固定装置であり、この場合該触媒は、固体床充填物中に粒子の形態で存在し、この固体床充填物はガス流によって重力方向で貫流されることができる、前記装置であって、
前記触媒粒子の充填物(3)の上に、上に置かれた金属メッシュ(10)の少なくとも一つの層が設けられており、そしてその金属メッシュ(10)が、個々の、相互に堅固にからみ合った金属メッシュ要素(11)からなり、ここで、上記の金属メッシュ(10)、前記金属メッシュ要素(11)の開口部の自由横断面が、ぴんと張った状態でも、該触媒充填物中に存在する最小の粒子サイズよりも小さくなるように選択されており、そしてその際、前記金属メッシュ要素(11)が、楕円形状及び/又は環形状に形成されており、そして個々の相互に編まれた金属メッシュ要素(11)からなる金属メッシュ(10)の層が触媒粒子の充填物の上に設けられて、この金属メッシュ(10)自体の重量によって触媒粒子が下に押さえつけられることを特徴とする、前記触媒粒子の固定装置。
【請求項2】
前記金属メッシュ要素(11)のいずれもが、しっかりと閉じられて及び/又は溶接されて形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の固定装置。
【請求項3】
金属メッシュ(10a)の少なくとも1つの更なる層が、前記金属メッシュ(10)の第一の層の上に設けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の固定装置。
【請求項4】
前記金属メッシュ(10a)の更なる層の金属メッシュ要素(11)の開口部のぴんと張った際の最大可能な自由横断面が、前記金属メッシュ(10)の第一の層の前記金属メッシュ要素(11)の開口部のピンと張った際の最大可能な自由横断面と同じ、及び/又はそれより大きい、及び/又はそれより小さいことを特徴とする、請求項に記載の固定装置。
【請求項5】
前記金属メッシュ(10)の少なくとも1つの上に設けられた層が、複数の相互に結合されたセグメントからなることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の固定装置。
【請求項6】
前記セグメントが、実質的に縁を重ねないで継ぎ目において相互に結合されているか及び/又はその継ぎ目において部分的に重なり合っていることを特徴とする、請求項に記載の固定装置。
【請求項7】
前記金属メッシュ(10)が、触媒活性材料からなり、及び/又は触媒活性材料で被覆されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の固定装置。
【請求項8】
前記金属メッシュ(10)が、耐腐食性材料からなり、及び/又は腐食保護されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の固定装置。
【請求項9】
前記固定装置が、ブタン及び/又はプロパンの脱水素化のためのオキシ反応器(1)中で使用するために構成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の固定装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の固定装置を用いて触媒粒子を押さえつける方法であって、前記金属メッシュの少なくとも一つの層を、前記触媒粒子の充填物の上に設け、その結果前記触媒粒子を充填物中に固定することを特徴とする、上記方法。
【請求項11】
固定床充填物中の触媒粒子からなる触媒による気相反応のための反応器であって、請求項1〜9のいずれか一つに記載の固定装置によって前記触媒粒子が固定されることを特徴とする、上記反応器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒粒子の固定装置に関し、ここで、該触媒粒子は充填物中に存在しており、これは重力方向にガス流によって貫流されることができるように形成されている。
【背景技術】
【0002】
例えば、気相反応のための反応器における触媒は、固定床充填物中に粒子の形態で存在することができ、そこをガス流が重力方向に貫流する。この場合、望ましくない粒子の運動によって、摩損の形で摩滅現象が起こったり、あるいは粒子がより小さい粒子の断片になるフラグメント化によって損失したりする可能性があるため、そのような望ましくない粒子の運動を回避するために粒子を固定する必要がある。それによって、触媒床におけるより高い圧力損失が発生する可能性があるか、あるいはガス流によって運ばれた粒子の断片が下流に配置された装置部分中で望ましくない作用をもたらす可能性がある。
【0003】
触媒充填物中に導入する前にプロセスガス及び反応ガスを混合しなければならないような気相反応、例えば、プロパン又はブタンの脱水素化での状況下では上記の問題が大きくなる。このためには、例えば、量的により少ないガス流を、高速の別のガス流中へ投入し(eingeduest)、その際、多くの場合に、触媒充填物中に入る前の自由空間においてはガス混合物の非常に短い停滞時間(<100ms)しか許容され得ない。このことによって、流速が速いという他に、触媒表面からの混合ノズルの距離が短くなる。充填物表面に流入することよって生じた乱流は、場合によっては局所的に形成された渦及び逆流とさえなって、触媒粒子が望ましくない運動に陥るという結果を招く場合があり、このことは、長期的に、前述の磨耗及び/又は粒子の破損を招き得る。
【0004】
これらの不利な結果を回避するための様々な処置方法が知られている。例えば、非常に大きくそして目的の反応に対して大概は不活性の粒子の層を触媒床の上に設ける。これは、比較的大きなセラミック球体であることもでき、これは、大きな粒子と全く同じように、非常に小さい触媒粒子からなるその下に配置された充填物を固定する。ここでの問題は、特に上述の方法の場合、すなわち、触媒充填物の前の自由空間におけるガス混合物の短い停滞時間が必要な場合に、球体充填物中を貫流させるために、触媒層中へ進入する前のガス混合物の滞留時間が非常に長くなるということである。球体充填物の内部において局所的なチャンネル及び自由空間がさらなるガス混合を妨げるため、球体の上方で最適な混合が既に完了していなくてはならず、その結果、球体の貫流は単に滞留時間を長くするだけであって、混合区間としては働かない。
【0005】
触媒粒子と比較して大きな球体を使用する場合には、これは、産業的な反応器では、不規則な充填を招き、その際、ガスノズルの方に向いた球体充填物の表面も不規則になるのが問題である。大きな球体に起因した明らかにより粗でそしてランダムな構造を有する表面によって、局所的な渦及び再循環領域が形成される傾向が高められ、これは、ガス混合物の滞留時間にとってはさらに不利に作用する。
【0006】
触媒粒子を固定床充填物中に固定する更なる既知の方法は、充填物を堅固に取り付けられた穿孔板で覆うことである。この場合、触媒充填物が操業の間に沈下、沈定する恐れがあるという問題がある。そのようにしてプレートの下に局所的な空洞が生じることがあり、それらの空洞中で、またもや再循環領域及び類似の乱流が発生する場合があり、これが、またもや、上記の不利な結果を伴う粒子の運動を招く可能性がある。この影響は、その穿孔板中の孔を通る加速されたガスの流入によって、さらに強まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第10359744Al号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、特に、重力方向で貫流される固定床充填物において、触媒粒子の固定装置を提供することであり、該固定装置は、上述の欠点を回避し、そして、とりわけ僅かな比圧損失を示し、また、この固定装置は、起こり得る運転による汚染も低く留め、貫流するガスの滞留時間に対して僅かな影響しか示さず、流入速度が高い場合でも、触媒粒子を確実に押さえつけることを可能とし、そして充填物の変化に順応できるようある程度の柔軟性を有する。
【0009】
本発明は、請求項1に記載の特徴を有する触媒粒子の固定装置によって上記の課題を達成する。
【0010】
本発明による固定装置を用いることにより、例えば本出願人のドイツ国特許出願公開第10359744Al号明細書(特許文献1)中に記載されたような反応器中において、個々の相互に堅固に編まれた金属メッシュ要素からなる金属メッシュの層が触媒粒子の充填物の上に設けられる。この金属メッシュ自体の重量によって、粒子が下に押さえつけられる。加えて、その金属メッシュ内の粒子の最上層がつかえることによって、粒子の横向きの運動が妨げられる。
【0011】
金属メッシュの厚さは比較的薄く、そのため、ガスが触媒層中に流入する前にそのガスが該メッシュを貫流するのに要する時間が非常に短くなる。それの金属メッシュ横断面と材料の太さとの有利な比によって圧力損失が小さくなる。更に、該金属メッシュは柔軟性がよいために、触媒充填物が沈降しても、金属メッシュの裏面と触媒粒子の表面との接触が失われることはなく、そのため、このような場合でも、上述したような確実な固定が保たれたままとなる。
【0012】
本発明の有利な形態は従属請求項に記載される。金属メッシュ要素の最大可能な自由横断面が触媒粒子の最小の横断面よりも小さくなるように、金属メッシュが構成されることが企図される。これにより、触媒粒子が金属メッシュを通って上方に向かって舞い上がり、そして破壊される可能性が防止される。前述の傾けて配置した効果もまた、ここでは好ましく有利なやり方及び方法で達成され、その結果、貫流するガスの流速が高い場合にも粒子の確実な固定が保証される。
【0013】
個々の金属メッシュ要素が閉じた(geschlossene)形態を有することが企図され得る。それ自体閉じた金属メッシュ要素からなる金属メッシュは、自重に比して特に有利な柔軟性の関係を提供し、このことは、固定装置の機能に対して好ましい影響を有する。
【0014】
その際に、金属メッシュ要素を楕円形状及び/又は環形状に形成することが企図され得る。環形状の要素の絡み合いは、製造技術上の利点を有することができる。しかしながら、要素は楕円形状に形成されるか、あるいは、場合によりそれぞれの使用ケースに応じて好ましいその他の形態を有することもまた可能である。
【0015】
金属メッシュのいずれもがしっかりと閉じられているか及び/又は溶接して形成されていることが有利である。確かに、原理的には、圧縮だけを施した環からなる金属メッシュも考慮できるが、その場合、しばしば、達成可能な強度が十分ではなく、それゆえ、慣例の使用ケースの場合、環を恒久的に閉じるかもしくはそれを溶接することが好ましい。
【0016】
有利な形態において、金属メッシュの面の大きさは、触媒粒子の充填物の表面よりも大きい。このようにして、触媒粒子充填物の上へ金属メッシュを配置する場合の金属メッシュ中の応力が回避される。この緩い配置によって、充填物が沈降する際に金属メッシュがそれを追い、そしてさらに充填物の表面と全面接触することになる。金属メッシュの緩い配置によって、充填物表面の起こり得る局所的な起伏を簡単にならすことができるようになる。
【0017】
金属メッシュの面の大きさは、触媒粒子の充填物の表面の大きさの1.05〜2倍である場合有利である。触媒充填物の表面と比較した金属メッシュの大きさに関するこの値が、特に有利であることが判明している。
【0018】
金属メッシュの第一の層の上に、金属メッシュのさらなる層を少なくとも一つ設けることも有利であることができる。例えば、充填物の上方の流入速度が速いか、あるいは非常に微小な触媒粒子の使用に起因して、非常に目の細かい金属メッシュを使用しなければならない場合、金属メッシュのさらなる層を設けることによって、押しつける力、およびそれでもって最下層の金属メッシュの固定作用を著しく高めることができる。
【0019】
その際に、上にある金属メッシュのメッシュ幅は、下にある金属メッシュのメッシュ幅と一致していてはならない。有利には、そのさらなる金属メッシュの層の最大可能な自由横断面が、金属メッシュの第一の層の最大可能な自由横断面と同じ大きさである以外に、それよりも大きい及び/又はそれよりも小さい大きさであることが有利であり得る。
【0020】
とりわけ、より大きな自由横断面を有する金属メッシュを使用する場合、より粗な金属メッシュの第二の又はさらなる層による追加の重量による力を載せることによって押しつける作用を高めることができ、その際、粒子を固定するための小さい自由横断面を有する金属メッシュの最下層によって固定が行われる。金属メッシュを反応器の壁に対して固定することによって、それの安全な固定が可能となる。
【0021】
一形態において、金属メッシュの、上に配置された少なくとも一つの層は、複数の相互に連結されたセグメントからなることができる。金属メッシュの一体の形態の他に、製造技術的又は組み立ての理由から、相互に結合された、金属メッシュのより小さなセグメントを使用することが有利であることができる。その際に、セグメントは、実質的に縁を重ねないで継ぎ目において相互に結合されているか、又は継ぎ目において部分的に重なっている。これは、反応器の構造及び、特定の要求から生ずるさらなるパラメーターに依存する。
【0022】
有利には、それに加えて、金属メッシュを触媒活性材料から構成する及び/又は触媒活性材料で被覆することができる。いくつかの使用例において、触媒充填物の上のガス流の有効滞留時間をよりいっそう短縮することができる。
【0023】
有利には、金属メッシュが腐食耐性材料から構成される及び/又は腐食保護を与えられていることができる。これは、場合によっては合目的的に、実行中の操業において金属メッシュの磨耗を低減するために、これは使用例、とりわけ使用される反応ガス及び触媒材料に依存する。
【0024】
有利には、ブタン及び/又はプロパンを脱水素化するためのオキシ反応器において使用する固定装置が形成される。このような使用例において、本発明は、特に大きな効果を有することが判明した。
【0025】
本発明は、請求項15に記載の特徴を有する、上記で説明したような固定装置を用いて触媒粒子を押さえつける方法、並びに請求項16に記載の特徴を有する気相反応のための反応器にも関する。
【0026】
本発明を、以下において図面に基づいて例示的により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明による固定装置を備えた気相反応器の非常に簡略化された図である。
図2図2は、ぴんと張った状態にある本発明による金属メッシュの図式的な上面図である。
図3図3は、配置された、ぴんと張っていない状態にある本発明による金属メッシュの一例を示す図である。
図4図4は、本発明による金属メッシュの個々の構成要素の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に断面で略図的に描かれた一般に符号1で示される気相反応器は、ガス流入管2を有し、これは、水平に配置された触媒3の中央を貫通しており、ここで、反応器中の触媒床の上の方には、ガスドーム4が形成されている。
【0029】
中央のガス流入管2は、純粋な形の、空気としての、あるいは不活性ガス又は水蒸気との混合物された、酸素のための環状分配器5で周囲を取り囲まれており、その際、この環状の管路5は、流出口6を備えた多数の環状管7に供給し、それらは触媒3の上に配置されている。環状分配器5中へのO−導入は、単に矢印8で示されており、反応器からのガス排出も、おおよそが示されており、これには参照符号9が付されている。2種のガスが相互に混合される自由空間の下方に、本発明による金属メッシュ10の層がある。
【0030】
金属メッシュ10は、触媒充填物3の表面積の大きさよりも面積が大きく、それゆえ、充填物3の上で緩い状態で置かれ、そして局所的な起伏をならす。充填物3が凹んでいる場合でも、それは、なおもその表面上に全面に敷かれた状態にある。金属メッシュ10の第一の層の上には、更なる層である本発明による金属メッシュ10aの層があり、その際、この金属メッシュ10aは、金属メッシュの第一の層よりも大きな金属メッシュ要素11を有し、その自由横断面は、触媒粒子充填物中の粒子の最小の大きさよりも小さい。
【0031】
本発明による金属メッシュ10の上面図が図2及び図3により詳細に示されており、図2では、金属メッシュがぴんと張られた状態で描かれている。これは、触媒充填物のすぐ上に敷かれた金属メッシュ層であり、その際、金属メッシュにおける開口部の自由横断面は、これが、ピント張った状態でも、触媒充填物中に存在する最小の粒子サイズよりも小さくなるように選択される。
【0032】
図3に描かれている金属メッシュの使用例の場合、金属メッシュは緩い、すなわち、ぴんと張っていない状態で充填物の表面の上に敷かれる。
【0033】
このために、いずれの場合においても、金属メッシュ10の開口部の内側で粒子はつかえて、その結果、上に向かって舞い上がることだけでなく、ガス流の方向に垂直な粒子の横方向での運動も効果的に防ぐことができるため、触媒粒子の破損、並びにそれによる不利な結果が回避される。
【0034】
図4に描かれているように、本発明による金属メッシュ10の形態の一つは、結合箇所で溶接された、丸い、それ自体閉じた環形状の金属メッシュ要素11からなり、そのため、これらは、引張力の負荷時にも開くことがない。更に、環の太さに依存して、最小の自由横断面が個々の環状要素の半径開口サイズ(Radiusoeffnung)よりも小さいため、金属メッシュ環の径が、最小粒子サイズよりも必ずしも小さくものである必要はないことが分かり得る。
【0035】
当然ながら、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱することなく、いくつもの点で変更を加えることができ、特に、金属メッシュ、触媒粒子、並びに貫流に使用されるガス、ガス混合物などの材料は、請求項に記載の特徴を有する限り、異なる使用分野に合わせて選択することができそして本発明によって包含されるものであり、そのことは金属メッシュ自体の形態に関しても同様に適用される。
図1
図2
図3
図4