特許第5727232号(P5727232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5727232ゲートユニットおよびそれを有する高温炉
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5727232
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】ゲートユニットおよびそれを有する高温炉
(51)【国際特許分類】
   F27B 9/04 20060101AFI20150514BHJP
   F27D 7/06 20060101ALI20150514BHJP
   F27D 1/18 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   F27B9/04
   F27D7/06 A
   F27D1/18 N
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-547976(P2010-547976)
(86)(22)【出願日】2009年1月30日
(65)【公表番号】特表2011-514960(P2011-514960A)
(43)【公表日】2011年5月12日
(86)【国際出願番号】EP2009000602
(87)【国際公開番号】WO2009106199
(87)【国際公開日】20090903
【審査請求日】2012年1月26日
(31)【優先権主張番号】102008011749.8
(32)【優先日】2008年2月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510179146
【氏名又は名称】アイゼンマン アンラゲンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100110489
【弁理士】
【氏名又は名称】篠崎 正海
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー,カール
(72)【発明者】
【氏名】オープストフェルダー,ペーター
【審査官】 森井 隆信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−330244(JP,A)
【文献】 実開昭63−026098(JP,U)
【文献】 実開昭62−167090(JP,U)
【文献】 特開平03−102191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 9/00− 9/40
F27D 1/00− 1/18
F27D 7/00−15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温炉の内部で2つの隣接する高温ゾーンを気密に分離するためのゲートユニットであって、
a)開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な、ゲートパネル(34)と、
b)ガイド構造(66)であって、その内部でゲートパネル(34)が移動路に沿って移動可能である、ガイド構造と、
c)ゲートパネル(34)によって連動される、少なくとも1つのシール部材(58、60)と、
を有する、ゲートユニットにおいて、
d)保護手段(84)が設けられており、
保護手段が、ゲートパネル(34)の移動路の少なくとも一部にわたって、ゲートパネルによって連動可能であって、
保護手段によってシール部材(58、60)の少なくとも一部が、ゲートパネル(34)の移動路の少なくとも一部にわたって、シール部材(58、60)にとって有害な影響である熱放射に対して、遮蔽可能である、
ことを特徴とするゲートユニット。
【請求項2】
保護手段(84)が、冷却構造(84)として形成されており、
冷却構造によって、シール部材(58、60)の少なくとも一部が、熱放射に対して遮蔽可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲートユニット。
【請求項3】
冷却構造(84)が、冷却媒体によって貫流可能な中空プロフィール(84)である、
ことを特徴とする請求項2に記載のゲートユニット。
【請求項4】
保護手段(84)が、ゲートパネル(34)に対して移動可能である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のゲートユニット。
【請求項5】
シール部材(58、60)の少なくとも一部が、ゲートパネル(34)の閉鎖位置において、保護手段(84)から解放可能である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のゲートユニット。
【請求項6】
ゲートパネル(34)が、第1の主要面(36)と、それに対して平行に延びる第2の主要面(38)を有しており、
少なくとも1つの主要面(36、38)の少なくとも端縁領域内に、一周する溝(54、56)が形成されており、
溝内にシールリング(58、60)の形状のシール部材(58、60)が配置されている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のゲートユニット。
【請求項7】
シールリング(58、60)が、チューブ形状であり、膨らまし可能かつ弛緩可能である、
ことを特徴とする請求項6に記載のゲートユニット。
【請求項8】
シール部材(58、60)が、ガイド構造(66)によって形成される相手側面と協働する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のゲートユニット。
【請求項9】
ガイド構造(66)が、ゲートパネル(34)の移動方向に対して垂直に延びる収容部(78)を有しており、
ゲートパネルがその閉鎖位置を占めた場合に、ゲートパネル(34)がシール部材(58、60)の少なくとも一部と共に、前記収容部によって収容可能である、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のゲートユニット。
【請求項10】
ゲートパネル(34)の閉鎖位置において、保護手段(84)が、シール部材(58、60)の遮蔽すべき部分よりも、遮蔽すべき雰囲気の近くに配置されるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のゲートユニット。
【請求項11】
a)第1の高温ゾーン(18)と第2の高温ゾーン(20)を有する、炉トンネル(14)と、
b)第1と第2の高温ゾーン(18、20)の間の移行領域(22)内に配置されたゲートユニット(24)であって、ゲートユニットによって高温ゾーン(18、20)が互いに対して気密に分離可能である、ゲートユニットと、
を有する、高温炉において、
c)ゲートユニット(24)として、請求項1から10のいずれか1項に記載のゲートユニット(24)が設けられている、
ことを特徴とする高温炉。
【請求項12】
ゲートパネル(34)が、その開放位置を占めた場合に、ガイド構造(66)の、炉トンネル(14)の領域内に延びる部分(68、70、78)を、炉トンネル(18)内の雰囲気に対して遮蔽する、ガイド構造遮蔽手段(106、110)、
および/または、
ゲートパネル(34)が、その開放位置を占めた場合に、ゲートパネル(34)を炉トンネル(18)内の雰囲気に対して遮蔽する、ゲートパネル遮蔽手段(104)、
が設けられている、
ことを特徴とする請求項11に記載の高温炉。
【請求項13】
ガイド構造遮蔽手段(106、110)および/またはゲートパネル遮蔽手段(104)が、揺動可能な遮蔽フラップ(104;106a、106b;112、114)を有している、
ことを特徴とする請求項12に記載の高温炉。
【請求項14】
ガイド構造遮蔽手段(106)の遮蔽フラップ(106a、106b)および/またはゲートパネル遮蔽手段(104)は、ゲートパネル(34)がその閉鎖位置を占めた場合に、ゲートパネル(34)を炉ゾーン(18、20)内を支配する雰囲気に対して遮蔽する位置を占める、
ことを特徴とする請求項13に記載の高温炉。
【請求項15】
ガイド構造遮蔽手段(106、110)が、2つのフラップ(106a、106b;112、114)を備えた少なくとも1つの装置を有しており、
フラップが、ガイド構造(66)の、フラップ(106a、106b;112、114)によって遮蔽すべき部分(68、70;78)に対して平行に延びる回転軸を中心に、それぞれ揺動可能である、
ことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の高温炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温炉の内部で2つの隣接する高温領域を気密に分離するためのゲートユニットであって、
a)開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な、ゲートパネルと、
b)その内部でゲートパネルが移動路に沿って移動可能な、ガイド構造と、
c)ゲートパネルによって連動される、少なくとも1つのシール部材と、
を有する、ゲートユニットに関する。
【0002】
本発明は、さらに、
a)第1の高温ゾーンと第2の高温ゾーンを有する、炉トンネルと、
b)第2と第2の高温ゾーン間の移行領域内に配置された、高温ゾーンを互いに気密に分離することができる、ゲートユニットと、
を有する、高温炉に関する。
【背景技術】
【0003】
この種の高温炉は、対象を燃焼させるために真空炉の形式で使用され、その対象は、互いに連続する炉ゾーン内で種々のガス雰囲気において極めて低いガス圧で燃焼されなければならない。この種の高温炉内では、燃焼工程の際に、1800°までの高温が支配することがある。
【0004】
第1の炉ゾーンにおいて、第1のガス雰囲気内で燃焼され、その後第2の炉ゾーンへ移送されなければならず、その中で第2の、他のガス雰囲気内で燃焼することができる、燃焼物がある。互いに連続する炉ゾーン内で異なるガス雰囲気が支配する、燃焼工程の間、これら2つの炉ゾーンは、冒頭で述べたゲートユニットのゲートパネルによって気密に互いに分離されている。
【0005】
既知のゲートユニットにおいては、シール部材として、たとえば、240℃から最大300℃の温度耐性を有する、シリコーンシールが使用される。燃焼物が、1つの炉ゾーンから次の炉ゾーンへ移送されなければならない場合に、まず、互いに隣接する2つの炉ゾーンは、ゲートパネルを開放した時に、望まれないガス混合がもたらされないようにするために、まず排気されなければならない。場合によっては、ゲートパネルを開放する前に、炉ゾーンを不活性ガスで充填することができる。
【0006】
ゲートユニットが、真空炉内で使用されるか否かに関係なく、互いに隣接する2つの炉ゾーンは、ゲートパネルを開放する前に、同一の圧力水準にされなければならない。互いに隣接する2つの炉ゾーンが、燃焼工程の間異なる駆動ガスを注入される、低圧下で駆動されない炉においても、ロックチャンバを含めたこれら2つの炉ゾーンは、ゲートパネルの開放前に、排気されなければならない;次に、圧力補償が行われなければならず、そのために炉ゾーンは、場合によっては不活性ガスで満たすことができる。
【0007】
2つの互いに隣接する炉ゾーンの間のルートを解放するために、ゲートパネルがその開放位置へ移動された場合に、シールの少なくとも一部が熱い炉トンネルを通過する。
【0008】
その場合に、シールのこの部分が、それにとって有害な熱放射にさらされないようにするために、既知の高温炉の炉トンネル内の温度は、前もって、シリコーンシールが損傷を被ることのない温度に下げられる。その場合に、たとえば、シリコーンシールがこの温度に短時間だけさらされる場合に(これは、ゲートパネルが上昇し、あるいは下降する場合にそうなる)、まだ550℃までの温度が可能である。
【0009】
燃焼物が第1の炉ゾーンから第2の炉ゾーンへ移送された後に、ゲートパネルが再び閉鎖されて、炉は、再び1500℃から1800℃のその駆動温度へ加熱されなければならない。
【0010】
温度を下げて、それに続いて加熱することによって、燃焼物を1つの炉ゾーンから次の炉ゾーンへ移動させる工程は、比較的長く続き、さらに、それに応じてエネルギを消費する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の課題は、第1の炉ゾーンから第2の炉ゾーンへの燃焼物の移送を、より迅速かつより少ないエネルギ需要で行うことができる、冒頭で挙げた種類のゲートユニットと高温炉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、冒頭で挙げた種類のゲートユニットにおいて、
d)保護手段が設けられており、その保護手段が、ゲートパネルの移動路の少なくとも一部にわたってこのゲートパネルによって連動され、かつその保護手段によってシール部材の少なくとも一部が、ゲートパネルの移動路の少なくとも一部にわたって、シール部材によって有害な影響に対して、特に熱放射に対して遮蔽可能である、
ことよって解決される。
【0013】
有害な影響は、高温炉において、特に真空炉においては、シール部材に当接する可能性のある、熱放射によって与えられる。既知の真空炉において、放射出力は、500kW/m2にまで達する。
【0014】
シール部材の、ゲートパネルが下降または上昇する際に炉雰囲気にさらされる部分が、保護手段によって遮蔽されていることによって、ゲートパネルを開放位置と閉鎖位置の間で移動させることができるようになる前に、もはや炉温度をそれ以上下げる必要はない。従ってゲートパネルは、高温炉のノーマルな駆動温度において移動することができ、シール部材が損傷を被ることはない。それによって、燃焼物を第1の炉ゾーンからそれに隣接する第2の炉ゾーンへ移動させるために必要とされる時間全体が、短縮される。というのは、冷却相も、炉トンネルを再加熱するための相も、必要とされないからである。さらに、特に、これまで必要とされていた再加熱のために消費しなければならなかった、エネルギが節約される。
【0015】
他の展開が、下位請求項に記載されている。
【0016】
熱放射に対する遮蔽に関して、保護手段が冷却構造として形成されており、その冷却構造によってシール部材の少なくとも一部が、熱放射に対して遮蔽可能であると、特に効果的である。
【0017】
その場合に、冷却構造が、冷却媒体によって貫流可能な中空プロフィールであると、特に効果的であることが明らかにされている。冷却媒体として、好ましくは水が使用される。
【0018】
保護手段が、ゲートパネルに対して移動可能であると、効果的であり得る。これは、たとえば、シール部材の少なくとも一部が、ゲートパネルの閉鎖位置において保護手段から解放可能であるようにするために、用いることができる。すなわち、ゲートパネルの閉鎖位置において、シール部材の該当する部分は、ゲートパネルが使用される炉内に設けられている、冷却される相手側面のような、固定の構造的措置によって、熱放射に対して保護することができる。
【0019】
ゲートパネルが、第1の主要面とそれに対して平行に延びる第2の主要面とを有し、その場合に少なくとも1つの主要面の少なくとも端縁領域内に、一周する溝が形成されており、その溝内にシールリングが挿入されていると、効果的であることが、明らかにされている。
【0020】
シールリングが、チューブ形状であり、膨らまし可能かつ弛緩可能である場合に、シールリングは、空にされ、それによって弛緩した状態において、ゲートパネルの、該当する溝が形成されている主要面の下方に延びている。シールリングは、膨らまされた状態において、溝から、ゲートパネルの該当する主要面を越えて突出し、それによって該当する相手側面に対して密閉することができる。
【0021】
構造的に、シール部材が、ガイド構造によって形成される相手側面と協働すると、効果的である。ガイド構造が、たとえば、内側へ向かって開放したU字プロフィールを有するガイドレールとして形成されている場合に、U字プロフィールの内側面を、シール部材のための相手側面として用いることができる。
【0022】
シール部材の、ゲートパネルが炉トンネルを通過する際に炉雰囲気と接触する部分にも、ゲートパネルの閉鎖位置において、相手側面を提供するために、ガイド構造が、ゲートパネルの移動方向に対して垂直に延びる収容部を有しており、ゲートパネルがその閉鎖位置を占めた場合に、その収容部によってゲートパネルがシール部材の少なくとも一部と共に収容されると、効果的である。
【0023】
ゲートパネルの閉鎖位置においても、保護手段の遮蔽作用を維持するために、ゲートパネルの閉鎖位置において、保護手段がシール部材の保護べき部分よりも、遮蔽すべき雰囲気の近くに配置されていると、効果的である。
【0024】
冒頭で挙げた種類の高温炉に関して、上述した課題は、
c)ゲートユニットとして、請求項1から10のいずれか1項に記載のゲートユニットが設けられている、
ことによって解決される。
【0025】
それと結びついた利点は、ゲートユニットについて上述した利点に相当する。
【0026】
高温炉においては、ゲートパネルがその開放位置にある場合に、ガイド構造の、炉トンネルの領域内に延びる部分を、炉トンネル内の雰囲気に対して遮蔽する、ガイド構造遮蔽手段および/またはゲートパネルがその開放位置を占めた場合に、ゲートパネルを炉トンネル内の雰囲気に対して遮蔽する、ゲートパネル遮蔽手段が設けられていると、効果的である。
【0027】
このようにして、ガイド構造の、後に再びシール部材と接触して、熱くなりすぎた場合にはそれを破壊することになる部分が、熱放射によって加熱されることを、防止し、あるいは少なくとも回避することができる。ゲートパネルの遮蔽によって、ゲートパネルが熱放射自体によって−場合によっては端縁領域においてだけ−加熱されて、ゲートパネルによって連動されるシールが破壊される危険を減少させることができる。
【0028】
これは、好ましくは、ガイド構造遮蔽手段および/またはゲートパネル遮蔽手段が、揺動可能な遮蔽フラップを有していることによって、実現される。
【0029】
この遮蔽フラップは、好ましくは、ゲートパネルがその閉鎖位置を占めた場合に、ゲートフラップを、炉ゾーン内を支配する雰囲気に対して遮蔽する位置をとるように、配置することができる;特に、それによって、熱放射に対するゲートパネルの遮蔽も、保証することができる。表現を変えると、ゲートパネルがその閉鎖位置を占めた場合に、遮蔽フラップと閉鎖されたゲートパネルは、炉トンネルに沿ってサンドイッチ配置の形式で存在する。このようにして、炉ゾーンに比較してより冷たいゲートパネルあるいはゲートパネルの断熱材の外側に位置する、より冷たい表面が、その近傍あるいはそれらの近傍を冷却することが、より少なくなる。
【0030】
ガイド構造の、ゲートパネルの側面を形成する部分と、上述した収容部も遮蔽することができる、ガイド構造遮蔽手段に関して、ガイド構造遮蔽手段が、2つのフラップを備えた少なくとも1つの装置を有しており、それらのフラップが、ガイド構造の、フラップによって遮蔽すべき部分に対して平行に延びる軸を中心に、揺動可能であると、効果的である。
【0031】
以下、添付の図面を用いて、本発明の実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】真空炉の互いに連続する2つの炉ゾーンを互いに対して気密に分離することができる、ゲートパネルを有するゲートユニットの領域において、真空炉を示す縦断面図であって、ゲートパネルは、その開放位置で示されている。
図2図1の真空炉をその長手方向に対して垂直に示す断面図であって、ゲートパネルの断熱が、一部破断して示されている。
図3】真空炉の、図1に相当する縦断面図であって、ゲートパネルは、その閉鎖位置で示されている。
図4図3の真空炉を、その切断線IV−IVに沿って示す断面図である。
図5図3の真空炉を示す、図2と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図において、炉ハウジング12を有する排気可能な真空炉が、全体を符号10で示されている。炉ハウジングを通って、炉トンネル14が延びている。この炉トンネルは、矢印で示す移送方向16に互いに連続する種々の炉ゾーンを有しており、その中で、それ自体知られているように、部分的に極めて低いガス圧を有する異なるガス雰囲気が支配することができる。
【0034】
この種の種々のガスゾーンのうち、図1、3および4においては、移送方向16に互いに連続する、第1の炉ゾーン18と第2の炉ゾーン20の形式の2つの炉ゾーンが示されており、その間に移行領域22が配置されている。
【0035】
後に詳細に説明するゲートユニット24によって、炉ゾーン18と20の間の移行領域22は、選択的に解放または閉鎖することができ、閉鎖する場合には、炉ゾーン18と20は互いに対して気密に分離されている。
【0036】
炉トンネル14に沿って、移送方向16に対して垂直かつ水平に延びる、駆動可能なローラ26が配置されており、そのローラは、炉ハウジング12の外側に回転可能に軸承されている。ローラ26によって、燃焼物が炉トンネル14を通して移送され、そのために燃焼物は、直接ローラ26上に置かれるか、あるいは然るべき燃焼台または燃焼容器に入れて、真空炉10を通して案内することができる。
【0037】
炉ハウジング12は、炉トンネル14の領域において、内側を耐火性の材料28によって被覆されており、その材料が、1800℃までの真空炉10の駆動温度を可能にする。2つの炉ゾーン18と20の底水準は、共通の水平の底平面30内にあり、それに対して炉ゾーン18と20の間の移行領域22内の底32は、底30に対して下降されている。
【0038】
ゲートユニット24は、移送方向16に対して垂直に延びる、2つの対向する主要面36、38、2つの側端縁40、42および上方の端縁44と下方の端縁46を備えたゲートパネル34を有している。ゲートパネル34は、移行領域22内の底32に対向する、炉ハウジング12内の通路48を通って上方へ向かってゲートハウジング50内へ延びている。ゲートパネル34は、その上方の端縁44において、これ以上興味をひかない空気式の昇降装置52と結合されている。この昇降装置によって、ゲートパネル34は、図1と2に示すその開放位置と、図3から5に示すその閉鎖位置との間で、垂直に移動することができる。
【0039】
ゲートパネル34の主要面36と38内に、その外側端縁40、42、44および46に対してほぼ一定の間隔で、一周する溝54、56が形成されている。溝54と56内に、それぞれ弾性的なチューブ形状の膨らまし可能なシリコーンシール58、60が挿入されており、そのシリコーンシールは、最大約300℃までの温度に耐えることができる。シリコーンシール58、60は、ガスを貫流させることによって、膨らまされ、そのためそれぞれ、ここには示されない吹込みおよび吹出し接続端が設けられている。
【0040】
シリコーンシール58、60は、弛緩した状態において、従ってそれを通してガスが貫流しない状態において、ゲートパネル34の主要面36、38の下方で、溝54、56内に延びているように、寸法設計されている。シリコーンシール58、60は、膨らまされた状態においては、ゲートパネル34の主要面36、38を越えて突出する。
【0041】
ゲートパネル34は、その側端縁40と42においてガイドプレート62と64を支持しており、そのガイドプレートは、移送方向16に対して平行に延び、かつそれぞれゲートパネル34の主要面36と主要面38を越えて張り出しており、それが図4に示されている。
【0042】
ゲートパネル34は、このガイドプレート62と64によって、ガイド構造66の垂直の部分内に延びている。ガイド構造66の垂直の部分は、炉トンネル18の領域内で、ゲートパネル34の各側に配置された、それぞれ2つのガイドリブ68、70によって形成されており、それらガイドリブは、移送方向16に見て前と後ろでゲートパネル34の側面を形成している(図4を参照)。ゲートハウジング50の領域内で、ガイド構造66の垂直の部分は、ゲートパネル34の右と左に延びる溝72として、ここでは専用の参照符号を持たない、移送方向16に対して平行に延びる、ゲートハウジング50の側壁内に形成されている。ゲートパネル34内でシリコーンシール58、60の垂直に延びる部分は、ガイドリブ68、70(図4を参照)によって側面を形成され、あるいは溝72の内部に位置する。
【0043】
第1の炉ゾーン18と第2の炉ゾーン20の間の移行領域22内の底32において、炉ハウジング12の両側でそれぞれ対向するガイドリブ68、70が、炉ハウジング12の側壁間に延びる底リブ74と76によって結合されている。これらが底収容部78を形成し、その中へゲートパネル34の下方の端縁46をまず挿入することができ、かつその収容部が、ガイド構造66を完全なものにする。ゲートパネル34が底収容部内へ挿入された場合に、シリコーンシール58、60の下方の垂直の部分は、底リブ74、76によって側面を形成される。
【0044】
ゲートパネル34は、それ自体知られたやり方で、水冷される。そのために、冷却水によって貫流可能な通路システムが、ゲートパネルを通っているが、それはここでは詳しく図示されていない。
【0045】
ゲートパネル34の熱に敏感なシリコーンシール58、60を移行領域22内の炉トンネル14内へ挿入することができ、炉トンネル14内を1800℃までの温度が支配する場合に、シリコーンシール58、60が破壊されないようにするために、シリコーンシール58、60は、高温から保護されなければならない。
【0046】
そのために、ゲートユニット24は、2つの部分カバー82を備えた保護カバー80を有しており、その部分カバーのそれぞれが、ゲートパネル34の各主要面側に配置されている。各部分カバー82は、冷却構造としてU字状の中空プロフィール84を有しており、その一方の側方部分86の自由端部が、水供給部88と、その他方の側方部分90の自由端部が、水排出部92と接続されているので、中空プロフィール84に水を貫流させることができる。水供給部88と水排出部92は、フレキシブルなチューブとして形成されており、それによってそれらに対する保護カバー80の相対移動が可能である。
【0047】
中空プロフィール84の側方部分86、90を結合する下方の部分94は、ゲートパネル34の下方の端縁46に対して平行に延びている。中空プロフィール84の側方部分86、90は、シリコーンシール58の垂直の部分に対して内側へ変位して配置されている。中空プロフィール84とそれによって囲まれる領域は、たとえばグラファイトフェルトからなる熱保護マット96によって覆われており、その熱保護マットは、垂直方向に、中空プロフィール84の下方の部分94から、中空プロフィール84の側方部分86、90の水供給部88および水排出部92への接続箇所のすぐ下まで延びている。
【0048】
中空プロフィール84の側方部分86、90の上方の端面に、ゲートパネル34の主要面36に対して垂直に延びる保持プレート98が配置されている。
【0049】
熱保護マット96は、その上方の端縁に、突出するカバー100を支持している。耐火性の材料28からなる被覆は、炉ハウジング12内の通路48に対して同軸に、通路102を有しており、その横断面は、保護カバー80の熱保護マット90に対してわずかな間隔しか残らないように、選択されている。保護カバー80は、ゲートパネル34と一緒に垂直方向に移動することができるが、それ自体はゲートパネル34に対して垂直に移動することができる。そのために、各部分カバー82のために、見やすくするために図示されていない、操作モータが設けられている。
【0050】
図1に示すゲートパネル34の開放位置において、保護カバー80は、垂直の位置を占め、その位置において中空プロフィール84の下方の部分94の下は、ゲートパネル34の下方の端縁46と面一で終了している。その場合に、中空プロフィール84の下方の部分94は、シリコーンシール58の、ゲートパネル34の下方の端縁46に対して平行に延びる部分を覆っている。
【0051】
図1に示すゲートパネル34の開放位置において、このゲートパネルと保護カバー80は、炉ハウジング12内の通路48と耐火性の材料28内の通路102をわずかに越えて、炉トンネル14内の移行領域22内へ突出している。移行領域22内には、カバーフラップ104が設けられている。このカバーフラップは、図示されていない操作モータによって、水平の平面内で耐火性材料28内の通路102のすぐ下方に位置する、上方の位置(図1を参照)と、下方へ引き開けられた位置との間で揺動することができ、その引き開けられた位置においてカバーフラップは、保護カバー80を有するゲートパネル34が炉トンネル14内へ入る道を解放する(図3を参照)。カバーフラップ104の回転軸は、移行領域22内で第1の炉ゾーン18の側に配置されており、かつ水平の平面内に移送方向16に対して垂直に延びている。
【0052】
移行領域22内に、さらに、2枚羽根のドア106が配置されている。そのドアフラップ106a、106bは、それぞれ操作モータ108によって、移行領域22内の第2の炉ゾーン20の側に配置された垂直の回転軸を中心に、第1の位置と第2の位置の間で揺動することができる。第1の位置において、ドアフラップ106a、106bは、移送方向16に対して平行に配置されており(図1を参照)、それに対して第2の位置においては、移送方向16に対して垂直に配置されている(図3と4を参照)。
【0053】
底収容部78は、移行領域22内で2枚羽根の底フラップ110によって閉鎖および解放可能である。そのために、底フラップ110は、2つの湾曲された羽根フラップ112、114を有しており、それら羽根フラップは、その外側へ湾曲した表面が、炉トンネル14の内部を向くように、配置されている。羽根フラップ112、114は、底収容部78に沿って、炉トンネル14の各側に配置されたガイドリブ68、70の間に延びている。羽根フラップ112、114は、底フラップ110のカバー位置において、その対向する長手側が互いに添接し、それが図1に示されている。それぞれの添接側とは逆の長手側において、羽根フラップ112、114に、下方を向いたガイドバー116が取り付けられている。その、羽根フラップ112、114とは逆の端部は、移送方向16に対して垂直に延びる、水平の回転軸を中心に回転可能に軸承されている。
【0054】
操作モータ118によって、底フラップ110の羽根フラップ112、114は、図1に示すカバー位置と、図3に示す解放位置との間で揺動することができる。
【0055】
ゲートハウジング50は、通路122を備えた中間天井120を有しており、その通路を通ってゲートパネル34が移動する。中間天井120は、ゲートパネル34が図3に示す閉鎖位置を占めた場合に、シリコーンシール58、60の、ゲートパネル34の上方の端縁44に沿って延びる部分がそれぞれ隣接する、通路122の内側表面によって側面を形成されるような高さに配置されている。その場合に通路122は、膨らまされたシリコーンシール58、60が通路122の内側表面に対して密閉するように、寸法設計されている。
【0056】
中間天井120によって、ゲートハウジング50が、上方の空間124と下方の空間126に分割されている。下方の空間126内には、保護カバー80の保持プレート98と協働する2つの押圧部材130を備えた押え装置128が配置されている。押え装置は、さらに、位置測定ユニット132を有している。ゲートユニット24は、さらに、ゲートパネル34の連動位置を検出するためのセンサユニット134を有している。これらのコンポーネントの機能については、後にもう一度詳しく説明する。
【0057】
ゲートハウジング50内の上方の空間124は、単に図式的に示す導管136を介して排気することができ、また、ガス状の媒体を供給することができる。同様な導管138が、ゲートハウジング50内の下方の空間126へも通じており、その場合に下方の空間126の、ゲートパネル34の主要面36、38に隣接する各領域は、別々に排気または注入することができる。さらに、差圧測定装置140が設けられており、その差圧測定装置は、ゲートパネル34の主要面36の側におけるゲートハウジング50の下方の空間126内と第1の炉ゾーン18の圧力差を測定することができる。ゲートパネル34の主要面38の側におけるゲートハウジング50内の下方の空間126と第2の炉ゾーン20の間の圧力差を求めるために、同様な差圧測定装置142が存在している。
【0058】
上述した真空炉10は、以下のように機能する:
【0059】
冒頭で述べたように、真空炉10は、1800℃までの温度で駆動することができる。図1に示す、ゲートパネル34の開放位置において、第1の炉ゾーン18と第2の炉ゾーン20の間の移行領域22内のルートは、自由である。すなわち燃焼すべき材料は、ローラ26によって第1の炉ゾーン18から第2の炉ゾーン20へ移動することができる。カバーフラップ104、2枚羽根のドア106および底フラップ110の、炉トンネル14へ向いた外側面は、炉トンネル14内で発生される熱放射にさらされ、それに応じて高い温度を有する。カバーフラップ104は、その上方の位置において、保護カバー80の中空プロフィール84の、冷水によって貫流される部分を、炉トンネル14の熱い内部から十分に遮蔽するので、冷たい中空プロフィール84による熱損失が、大幅に回避される。
【0060】
炉ゾーン18と20に異なるガスを供給することができるようにするために、炉ゾーン18と20は、互いに対して気密に分離されなければならない。
【0061】
そのためにまず、カバーフラップ104が、付属の操作モータによって、図3に示す下方へ引き開けられた位置へ移動され、それによって炉ハウジング12内の通路48と耐火性材料28内の通路102が解放される。2枚羽根のドア106のドアフラップ106a、106bは、操作モータ108によって同様に図3に示す位置へ揺動され、その位置において移送方向16に対して垂直になる。
【0062】
そして、ゲートパネル34が、空気式の昇降装置52によって下方へ移動される。その場合に、保護カバー80が連動されて、冷却水によって貫流される中空プロフィール84の下方の部分94が常に、シリコーンシール58、60の、ゲートパネル34の下方の端縁46に対して平行に延びる部分における高さでその前に配置される。
【0063】
底フラップ110の羽根フラップ112、114が、操作モータ118によって揺動されるので、炉トンネル14の移行領域22内の底収容部78が解放される。
【0064】
ゲートパネル34と保護カバー80は、保護カバー80の中空プロフィール84の下方の部分94が、底収容部78の底リブ74、76上に来て、それによって保護カバー80の移動が停止されるまでの間、上述した相対位置で一緒に炉トンネル14内へ進入する。しかし、ゲートパネル34は、さらにわずかに下方へ移動されて、シリコーンシール58、60の、ゲートパネル34の下方端縁46に対して平行に延びる部分が、底収容部78の底リブ74、76によって側面を形成される。
【0065】
すでに上で述べたように、シリコーンシール58、60の、ゲートパネル34の側端縁40と42対して平行に延びる部分は、それぞれガイド構造66のガイドリブ68、70の間に位置している。中空プロフィール84の内側へ変位した側方部分86、90は、炉トンネル14からの熱放射に対するシールドを提供し、それによってシリコーンシール58、60の垂直部分の温度は、常にそれにとって最大限の最高温の下に維持される。
【0066】
同じ効果が、炉トンネル14を通過する際に、シリコーンシール58、60の水平の得分について、中空プロフィール84の下方の部分94によって得られる。
【0067】
下方へ引き開けられたカバーフラップ104と閉鎖された2枚羽根のドア106によって、炉ゾーン18、20は、水冷されるゲートパネル34および同様に水冷される保護カバー80に対して遮蔽されるので、炉ゾーン18、20内で移行領域22に隣接して配置されている、燃焼すべき対象は、冷却を受けず、あるいはほとんど受けない。
【0068】
この遮蔽は、特に、カバーフラップ104も2枚羽根のドア106のドアも、炉トンネル14の内部空間において、それらがどの位置にあるかに関係なく、燃焼物に常に同じ外表面を向ける理由から、効果的である。このようにして、炉トンネル14内の冷たい面またはより冷たい面が、大幅に回避される。
【0069】
ゲートパネル34が、その下方の端縁部分が底収容部78内へ進入する、図3に示す最も下の位置をとった場合に、シリコーンシール58、60が膨らまされるので、それらは、底リブ74、76、ガイドリブ78、70およびゲートハウジング50内の溝72の内壁面並びにゲートハウジング50の中間天井120の通路122の該当する内面によって形成される相手側面に対して圧接される。
【0070】
従ってシリコーンシール58、60が、ゲートハウジング50の中間天井120内の通路122も密閉するので、その上方の空間124とその下方の空間126は、互いに対して気密に分離されている。従ってゲートハウジング50の下方の空間126の、それぞれゲートパネル34の主要面34、38の側に位置する部分領域も、互いに対して絶縁されている。
【0071】
ゲートパネル34が下方へ移動する際に、ゲートハウジング50内に負圧が発生され、それによって熱いガスが炉トンネル14から炉ハウジング12内の通路48、102を通してゲートハウジング50内へ引き込まれることがある。しかしその場合に、熱いガスは、シリコーンシール58、60のそばを通過し、それがシリコーンシールを破壊してしまうことがある。
【0072】
この理由から、差圧測定装置140、142が設けられており、それらは、ゲートハウジング50内を支配する圧力を、第1の炉ゾーン18内、第2の炉ゾーン20内を支配する圧力と比較する。ここでそれ自体として示されていない制御を用いて、導管136、138内で圧力補償を行うことができるので、ゲートハウジング50の該当する領域内で、炉ゾーン18、20内よりも低い、あるいは高い圧力が支配することはない。
【0073】
ゲートパネル34と保護カバー80の下方の位置において、保護カバー80の熱保護マット96上のカバー100が、炉ハウジング12の通路48の領域内で、外側から耐熱材料28上へ載置される。それによって炉トンネル14に対する炉ハウジング50の遮蔽が補完される。
【0074】
図3から明らかなように、ゲートパネル34と保護カバー80の下方の位置において、押え装置128の押圧部材130は、上から保護カバー80の保持プレート98に対して圧接され、それによって部分カバー82がその下方の位置に保持されるように、配置されている。ゲートパネル34が、ある時に空気式の昇降装置52によって再び上方へ引き上げられた場合に、保護カバー80は、最初は絶対に連動しない。
【0075】
すなわち、保護カバー80が、たとえばエッジが引っかかった場合に、即座にゲートパネル34と共に上方へ移動することが、防止される。すなわち、この場合において中空プロフィール84の下方の部分94は、シリコーンシール58、60の、ゲートパネル34の下方の端縁46に対して平行に延びる部分の上方に配置されることになる。それによってゲートパネル34が上昇する場合に、シリコーンシール58、60は、熱い炉雰囲気と熱放射に直接さらされて、破壊されてしまう。ゲートパネル34が、シリコーンシール58、60の該当する部分が、保護カバー80の中空プロフィール84の下方の部分94によって側面を形成される距離だけ、上方へ移動した後に初めて、ゲートパネル34の連動位置を検出するために、然るべく位置決めされたセンサ134が、応答する。その出力信号に基づいて、押え装置128は、押圧部材120が図1に示す位置を占めて、保護カバー80の保持プレート98を解放するように、駆動される。それに続いて、保護カバー80がゲートパネル34と共に上方へ移動され、その場合に中空プロフィール84の下方の部分94が、常にシリコーンシール58、60を、熱い炉雰囲気に対し、かつそれによって炉トンネル14内で発生される熱放射に対して、遮蔽する。
【0076】
しかし、ゲートパネル34が、保護カバー80と共に上方へ向かってその解放位置へ移動されて、それによって燃焼物のために第1の炉ゾーン18から第2の炉ゾーン20へのルートが解放される前に、まず、チューブ形状のシリコーンシール58、60を通るガス流が中断される。シール58、60は弛緩して、もはやゲートパネル34の主要面36、38を越えて突出しない。
【0077】
ゲートパネル34が、その開放位置へ移動された場合に、カバーフラップ104が再び上方へ跳ね上げられるので、耐火材料28内の通路102とそれに伴って下方の端縁46と中空プロフィール84の冷たい下方の部分94が、熱放射に対して遮蔽される。移行領域22と炉ゾーン24の間のドア106も、再び開放される。ドア106のドアフラップ106aと106bが、図1に示す位置において、ガイド構造66のガイドリブ68、70を、熱い炉雰囲気と炉トンネル14内に発生される熱放射に対して遮蔽する。これは、ゲートパネル34がその開放位置を占めるまでの間、ガイドリブ68、70が加熱されることがないようにするために、必要である。そうでないと、ゲートパネル34が下降する際に、シリコーンシールが再びガイドリブ68、70内へ進入した場合に、ガイドリブ68、70の間の領域内に、ゲートパネル34のシリコーンシール58、60を破壊する温度が構築されることがある。同じ理由から、底収容部78を熱い炉雰囲気と熱放射に対して保護するために、底フラップ110が閉鎖される。
【0078】
底フラップ110によってさらに、燃焼物が第1の炉ゾーン18から第2の炉ゾーン20へ移送される場合に、その底フラップを越えて移動される燃焼物が、その下にあるより冷たい領域による、強すぎる冷却に対して遮蔽される。
【0079】
炉トンネル内の温度が、シリコーンシール58、60の最大許容作業温度よりもずっと高いにもかかわらず、ゲートパネル34と一緒に移動する保護カバー80によって、ゲートパネル34のシリコーンシール58、60を、炉トンネル14を通して移動させることができる。このようにして、炉ゾーン18と20の間の通路を解放することができ、そのために前もって炉トンネル14内の雰囲気を冷却する必要はない。
【0080】
膨張可能な2つのシール58、60の一方のみが故障した場合に、それにもかかわらず炉は、駆動し続けることができる。この種の駆動障害が、必然的に即座に製造障害をもたらすことはない。
【0081】
図示されない変形例において、ゲートパネル34は、その一方の主要面36または38だけに、シール58または60を設けて、そこにそれに応じた部分カバー82を設けることもできる。この場合において、ゲートユニット24は、たとえば真空炉10の入口または出口に使用することができる。
【0082】
同様に図示されない変形例において、膨張可能なシール58、60の代わりに、それぞれ膨張不可能なシールを設けることもできる。それを補完して、ゲートパネル34内へ圧接装置を統合することができ、それを用いてゲートパネル34の閉鎖位置においてシールが、ガイド構造66の然るべき相手側面に対して圧接され、それによってシール作用が得られる。
図1
図2
図3
図4
図5