特許第5727346号(P5727346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5727346溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部補修方法および溶接構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5727346
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部補修方法および溶接構造体
(51)【国際特許分類】
   C23C 28/00 20060101AFI20150514BHJP
   C23C 4/02 20060101ALI20150514BHJP
   C23C 4/06 20060101ALI20150514BHJP
   C23C 2/26 20060101ALI20150514BHJP
   C23C 2/06 20060101ALI20150514BHJP
   C22C 21/02 20060101ALI20150514BHJP
   C22C 18/04 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   C23C28/00 A
   C23C4/02
   C23C4/06
   C23C2/26
   C23C2/06
   C22C21/02
   C22C18/04
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-228448(P2011-228448)
(22)【出願日】2011年10月18日
(65)【公開番号】特開2012-107324(P2012-107324A)
(43)【公開日】2012年6月7日
【審査請求日】2013年12月19日
(31)【優先権主張番号】特願2010-237113(P2010-237113)
(32)【優先日】2010年10月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000200323
【氏名又は名称】JFE鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080687
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三
(74)【代理人】
【識別番号】100077126
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 盛夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 英嗣
(72)【発明者】
【氏名】大居 利彦
(72)【発明者】
【氏名】古田 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 進
【審査官】 伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】 特許第2828600(JP,B2)
【文献】 特開平07−003422(JP,A)
【文献】 特開2002−030406(JP,A)
【文献】 特開昭62−030867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/00− 6/00,
24/00−30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部の上層にAl−Si系合金を溶射して1層目の溶射層を形成し、その1層目の溶射層の上にZn−Al系合金を溶射して2層目の溶射層を形成することを特徴とする溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部補修方法。
【請求項2】
上記溶射層とその周辺部分の上に無機系および/または有機系の防錆処理層を被覆することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部補修方法。
【請求項3】
上記Al−Si系合金は、Si含有量が0.1〜20mass%のものであることを特徴とする請求項1または2に記載の溶接部補修方法。
【請求項4】
溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部の上層に、Al−Si系合金からなる1層目の溶射層が形成され、上記1層目の溶射層の上に、Zn−Al系合金からなる2層目の溶射層が形成されてなる溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接構造体。
【請求項5】
上記溶射層とその周辺部分の上に無機系および/または有機系の防錆処理層が被覆されてなることを特徴とする請求項4に記載の溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接構造体。
【請求項6】
上記Al−Si系合金は、Si含有量が0.1〜20mass%のものであることを特徴とする請求項4または5に記載の溶接構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木および建築用途等、広い分野で使用されている溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材を、アーク溶接、抵抗溶接、高周波誘導溶接、電子ビーム溶接、プラズマ溶接、ガス溶接、レーザー溶接等で接合した溶接部の補修方法と、その補修がなされた溶接構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板および溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板などの溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材は、耐食性に優れることから、土木・建築分野や自動車などの様々な分野で広く用いられている。これらの鋼材は、通常、鋼帯という帯状の形態で製造されることから、そのままで使われることはなく、例えば、所定の長さや幅に切断あるいはスリットした後、高周波溶接等で溶接して鋼管やH型鋼等に加工したり、鋼管やプレートにした後、アーク溶接してパレットや台車等に組み立てたり、打ち抜き加工やプレス加工した後、スポット溶接等して自動車部材や鋼製家具等に組み立てられて使用されるのが普通である。
【0003】
溶接部の形成方法としては、種々の方法があるが、鉄鋼材料では、材料の接合部を高温の熱によって溶かして接合したり、あるいは、接合部の材料と溶接棒(溶接ワイヤ)の両方を溶かして接合したりする溶融接合が一般的である。したがって、溶接部の温度は鉄の融点(1360℃)以上の温度となり、アーク溶接においては、さらに高い1800〜2000℃の温度にも達する。そのため、溶融した鉄が鋼板表面に露出し、表面を覆っていた亜鉛系のめっき層は蒸発消失するため、溶接部とその周辺部はめっき鋼板に由来する本来の耐食性は有さなくなる。
【0004】
斯かる耐食性に劣る溶接部を補修する方法としては、例えば特許文献1には、溶融亜鉛めっき鋼板を溶接したH型鋼の溶接ビード部付近に亜鉛吹付け塗装をして補修する方法が、また特許文献2には、電縫鋼管の溶接部のビードカット部に純Alを溶射し、次いでZn−Al系合金を溶射してめっき鋼材の表面を補修する方法が、また、特許文献3には、亜鉛めっきまたは亜鉛めっき鋼管の溶接部およびその周辺部にアルミニウムの単層か、アルミニウムと亜鉛との合金または亜鉛とアルミニウムとの複層かのいずれかを溶射コーティングする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2671758号公報
【特許文献2】特許第2828600号公報
【特許文献3】特開昭62−30867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1の溶接H型鋼の溶接ビード部付近に亜鉛吹付け塗装をする補修方法は、亜鉛吹付け塗装の被膜中の亜鉛含有量が70〜90%と多いため、密着性の高い被膜が得られ難い。また、液状の塗料であることから、アーク溶接のような表面が粗いビード部を補修した場合は、被膜の厚さにバラつきが生じて、被膜の薄い部分から短時間で赤錆が発生してしまうという問題がある。
また、特許文献2の溶接部に純Alを溶射し、次いでZn−Al系合金を溶射する方法では、下層となるAl溶射層の密着力が低くなりがちである。また、上記Zn−Al系合金の溶射層のみでは、熱影響を受けて耐食性が低下した溶接部周辺のめっき部を含めて、腐食電流が流れやすく、充分な耐食性を得られない。特許文献3の技術もまた同様の問題を抱えている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、従来技術が抱える上記問題点を解決し、補修材料の密着性に優れ、かつ、接合部およびその周辺部の耐食性にも優れる溶接部の補修方法を提案するとともに、その補修が施された溶接構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意検討を重ねた。その結果、溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部に、下地層としてA1−Si系合金を溶射し、次いで、その下地層の上層にZn−Al系合金を溶射することで、密着性と耐食性に優れる防食被膜を形成することができること、そしてさらに、上記溶射層形成部とその周辺部を含む上面に、無機系および/または有機系の防錆処理層を被覆することで、溶接部とその周辺部の導電性が抑えられ、より耐食性が向上することを見出し、本発明を開発した。
【0009】
上記知見に基づき開発した本発明は、溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部の上層にAl−Si系合金を溶射して1層目の溶射層を形成し、その1層目の溶射層の上にZn−Al系合金を溶射して2層目の溶射層を形成した後、上記溶射層とその周辺部分の上に無機系および/または有機系の防錆処理層を被覆することを特徴とする溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部補修方法である。
【0010】
本発明の溶接部補修方法は、上記溶射層とその周辺部分の上に無機系および/または有機系の防錆処理層を被覆することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の溶接部補修方法における上記Al−Si系合金は、Si含有量が0.1〜20mass%のものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部の上層に、Al−Si系合金からなる1層目の溶射層が形成され、上記1層目の溶射層の上に、Zn−Al系合金からなる2層目の溶射層が形成され、さらに上記溶射層とその周辺部分の上に無機系および/または有機系の防錆処理層が被覆されてなる溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接構造体である。
【0013】
本発明の溶接構造体は、上記溶射層とその周辺部分の上に無機系および/または有機系の防錆処理層が被覆されてなることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の溶接構造体における上記Al−Si系合金は、Si含有量が0.1〜20mass%のものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の溶接部補修方法によれば、補修材料(溶射層)の密着性に優れ、かつ、溶接部とその周辺部の耐食性にも優れる溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接構造体を提供することができるので、溶接鋼構造物の耐食性向上、品質向上に寄与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明が対象としている溶接部は、溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材を溶接接合したものであることが必要である。
ここで、上記溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材とは、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板および溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板等の鋼材のことをいう。上記亜鉛系めっき層中には、微量のMgやSi,Ni,Pb,Sb,Ti,希土類等が含まれていてもよい。
なお、上記めっきの付着量については、特に制限はない。また、上記めっき層は、その上に、保管中における防錆を目的として、クロム酸処理等の各種化成処理を施したり、塗油したものであってもよい。
【0017】
また、本発明の溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材からなる溶接構造体は、溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっきが施された鋼材が溶接されたものであればよく、鋼板、鋼管、形鋼などの形態は問わない。また、溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼材の溶接部(溶接構造体)を形成する方法としては、アーク溶接や抵抗溶接、高周波誘導溶接、電子ビーム溶接、プラズマ溶接、ガス溶接、レーザー溶接等の溶接方法を挙げることができ、特に制限はない。なお、上記溶接で得られた溶接部の表面は、後述する溶接補修を行う前に、溶接によって生じた飛散(スパッタ)や亜鉛かす等を取り除いておくことが好ましい。
【0018】
上記溶接部の上に施す溶接補修は、まず、溶接部の上にAl−Si系合金を溶射して1層目の溶射層を形成し、その1層目の溶射層の上にZn−Al系合金を溶射して2層目の溶射層を形成することが必要である。溶射の方法は、アルゴン−酸素混合フレーム方式、プラズマ方式等、いずれの方法でもよく、特に限定されるものではない。また、溶射時の雰囲気も、大気中、不活性ガス雰囲気中のいずれでもよい。また、溶接鋼管や溶接H型鋼などにおける溶接部の補修では、高周波誘導加熱による溶接に続けてAl−Si系合金およびZn−Al系合金の溶射を行うことが、溶接の潜熱を有効利用できる点で好ましいが、溶接部が冷却してから溶射してもよいことは勿論である。
【0019】
ここで、1層目に溶射されるAl−Si系合金は、Si含有量が0.1〜20mass%のものであることが好ましい。Si含有量が0.1mass%より少ないと、充分な密着性の向上効果が得られず、逆に、20mass%を超えると、却って密着性が低下してしまうからである。より好ましくは3〜12mass%の範囲である。
【0020】
また、1層目の溶射層の上に溶射する2層目のZn−Al系合金は、Alが含有されているものであれば1〜99mass%の範囲のいずれでもよく、Al含有量は特に限定されない。したがって、めっき鋼板のめっき組成に合わせたり、あるいは、仕上がり外観や作業性、要求される耐食性等に応じて、適宜Al含有量を選択することができる。
【0021】
なお、上記1層目および2層目の溶射層の厚さは、均一に被覆できかつ優れた防食効果を得るためには、それぞれ1μm以上とするのが好ましい。しかし、いずれも50μmを超えると、防食効果が飽和し、経済的にも不利となるので、上限は50μm程度とするのが好まししい。より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmの範囲である。なお、1層目および2層目の溶射層中には、溶射装置へのワイヤ送り等の作業性を考慮して添加されているFe,Cu,Mn,Mg,Cr,Ti,Zr,V,Mo等の異種金属が微量であれば含まれていてもよい。
【0022】
また、本発明の溶接部の補修方法は、上記1層目および2層目からなる溶射層の上に、その溶射層の周辺部分を含めて、無機系および/または有機系の防錆処理層を被覆することが好ましい。
この防性処理層は、腐食電流を流れ難くする絶縁性のものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、望ましい防錆処理層としては、SiやZr,Ti,Mo,V,Crなどの酸化物もしくは水和酸化物を複合してなる無機系被膜、あるいは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂組成物に、亜鉛粉末、アルミニウム粉末などの防錆剤を複数含む有機系被膜を挙げることができる。また、種類の異なる無機系被膜と有機系被膜を複数層積層してもよい。
【0023】
なお、上記防錆処理層を被覆する範囲は、基本的には溶射層とその周辺部分であることが必要である。ここで、上記周辺部分とは、溶接部の上に形成した溶射層の外周よりも広く、溶射層を完全に被覆できる範囲であればよいが、腐食電流を抑制する観点からは、溶射層の外周より30mm程度広い範囲とするのが好ましいが、特に限定されるものではない。また、処理層の厚さは、溶接部とその周囲を均一に被覆できる範囲であれば、各防錆処理の最適膜厚でよく、特に限定されない。
【0024】
また、防錆処理層を被覆する方法も、浸漬塗装、ロール塗装、スプレー塗装あるいは刷毛塗り等、いずれの方法でもよく、さらに必要に応じて、塗装後、乾燥・焼付処理を行ってもよい。また、防錆処理層を被覆するタイミングは、溶射層形成直後の高温時でも、冷却後でもよく、特に限定されないが、溶射部の表面温度が100℃以下に冷却された後の方が、防錆処理液の突沸による皮膜欠陥が発生しにくいので望ましい。
【実施例】
【0025】
表1に示した各種の溶融亜鉛−アルミニウムめっき鋼材を素材とし、各種溶接方法を用いて各種の溶接構造体を作製した。その後、その溶接部がまだ赤熱している状態で、アルゴン−酸素混合ガスフレーム方式の溶射装置を用い、大気雰囲気中で、表1に示した各種のSi含有量を有するAl−Si系合金を溶射して厚さが15μmの1層目の溶射層を形成し、次いで、その1層目の溶射層の上に、Zn−15mass%Al系合金を溶射して厚さが10μmの2層目の溶射層を形成した。なお、上記溶射層の厚さは、溶射線の供給速度をコントロールすることで同じ厚さに揃えた。また、溶射層を形成する範囲は、溶接部がすべて覆われる範囲とした。
次いで、上記1層目および2層目の溶射層を形成し、徐冷して十分に溶射補修部を冷却した後、上溶射層とその周辺部(溶射層の範囲+30mmの範囲)の上に、同じく表1に示したように、シラン化合物、チタン化合物およびバナジウム化合物からなる無機系、または、有機系の防錆処理液をスプレー塗装し、120℃の大気雰囲気の乾燥炉で、3〜180秒間乾燥処理して防錆処理層を被覆形成した。
【0026】
【表1】
【0027】
上記のようにして得られた各種溶接構造体を以下の評価試験に供した。
(1)溶射層の密着性
溶接補修部の上に、セロハンテープを密着させた後、強制剥離し、セロハンテープに付着した溶射層の剥離面積率を求め、以下の基準で密着性を評価した。
◎:溶射層の剥離面積率 0%
○:溶射層の剥離面積率 0%超え10%未満
△:溶射層の剥離面積率 10%以上25%未満
×:溶射層の剥離面積率 25%以上
【0028】
(2)溶接部の耐食性評価
上記溶接補修した溶接部から、長さ150mmの溶接部を含む耐食試験片を切断して採取し、切断面を塩ビ系塗料でシールした後、溶接部を含む面を評価面とし、JIS G0594に記載されたC法に準じて、5000時間の複合サイクル腐食試験を行い、溶接補修部に発生した赤錆の発生率を測定し、下記の基準で耐食性を評価した。
◎:赤錆の発生面積率 0%
○:赤錆の発生面積率 0%超え10%未満
△:赤錆の発生面積率 10%以上50%未満
×:赤錆の発生面積率 50%以上
【0029】
上記評価試験の結果を、表1中に併記した。この結果から、本発明に適合する条件で溶接部の補修方法を行うことにより、補修材料の密着性に優れ、かつ溶接部の耐食性にも優れる溶接構造体を得ることができることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の溶射材料は、密着性に優れるだけでなく、耐食性にも優れるので、溶接部の補修に限定されるものではなく、例えば、溶断や機械的な切断面等の鉄露出部の防錆補修にも適用することができる。