特許第5727377号(P5727377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5727377
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】統合式安全遮断を有する流体バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/44 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   F16K1/44 B
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-535580(P2011-535580)
(86)(22)【出願日】2009年9月24日
(65)【公表番号】特表2012-508849(P2012-508849A)
(43)【公表日】2012年4月12日
(86)【国際出願番号】US2009058200
(87)【国際公開番号】WO2010056422
(87)【国際公開日】20100520
【審査請求日】2012年9月6日
(31)【優先権主張番号】12/269,657
(32)【優先日】2008年11月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリーフ, デイヴィッド ジョセフ
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−192172(JP,A)
【文献】 実開昭60−189670(JP,U)
【文献】 特開2007−198463(JP,A)
【文献】 特開昭57−195970(JP,A)
【文献】 実開昭51−005036(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01498645(EP,A1)
【文献】 特開平10−299960(JP,A)
【文献】 実開昭51−086832(JP,U)
【文献】 実開昭61−166280(JP,U)
【文献】 実開平04−014871(JP,U)
【文献】 実公昭40−007249(JP,Y1)
【文献】 実開昭63−064972(JP,U)
【文献】 国際公開第2007/054131(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00−1/54,
F16K 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流れを制御するためのバルブであって、
入口ポートと、
出口ポートと、
前記入口ポートと出口ポートとを流体的に連結する流れ制御開口(214)
を画定するバルブ本体と、
第1閉止部材を備えた第1ボンネットと、
第2閉止部材を備えた第2ボンネットと、
を含み、前記第1ボンネットおよび前記第2ボンネットは、実質的に同軸で対向する、ボンネットアセンブリと、
前記流れ制御開口内に少なくとも一部が位置して、前記第1閉止部材と封止係合するバルブ本体内に第1弁座を形成するシートリングと、
前記バルブ本体内にて、前記第1弁座と対向し、前記第2閉止部材と封止係合する第2弁座とを備え、
前記第2弁座の座面は前記バルブ本体に画定された流れ制御開口内に位置しており、
前記第2弁座は、前記第2閉止部材の柔軟性シールと封止係合し、
前記第2閉止部材がバルブを通る流体流れが前記柔軟性シールに実質的に影響することを阻止するために使用されないときは、前記柔軟性シールは前記第2ボンネットのケージつまりガイド部の内孔内に位置する、バルブ。
【請求項2】
前記第2弁座のテーパ―表面は、前記第2閉止部材のテーパ―部分と封止係合し、該テーパ―表面に隣接する面は、前記第2閉止部材の柔軟性シールと封止係合する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記第2閉止部材が使用されていないとき、前記柔軟性シールは、ガイド又はケージの内面とスライド可能に係合する、請求項2に記載のバルブ。
【請求項4】
前記第1弁座が、シートリングの第1表面を含み、前記第2弁座が、前記バルブ本体の表面又は前記第1表面の反対側であるシートリングの第2表面の1つを備える、請求項3に記載のバルブ。
【請求項5】
通常動作では、前記第2閉止部材は前記バルブ本体の内面と実質的に同一面内にあり、前記第2閉止部材にて影響されない状態で、前記流体入口ポートと流体出口ポートの間で流体が流れることを可能にする、請求項3に記載のバルブ。
【請求項6】
前記第2閉止部材が、プラグを含む、請求項3に記載のバルブ。
【請求項7】
更に、蓄積エネルギ作動メカニズムを備えて、第2のバルブプラグつまり第2閉止部材が弁座の1つに封止係合するように作動させる、請求項3に記載のバルブ。
【請求項8】
前記ボンネットアセンブリは、上昇流れ配向又は下降流れ配向の1つを有する制御バルブに連結される、請求項3に記載のバルブ。
【請求項9】
前記柔軟性シールが、oリングである、請求項2に記載のバルブ。
【請求項10】
前記第2ボンネットが、使用現場で設置可能な、請求項3に記載のバルブ。
【請求項11】
前記第2閉止部材が、安全遮断機能を前記バルブに付与する、請求項3に記載のバルブ。
【請求項12】
前記第1ボンネットおよび前記第2ボンネットのそれぞれが、前記バルブ本体に着脱可能に結合する、請求項3に記載のバルブ。
【請求項13】
相反方向の弁座を有する制御バルブと共に使用するためのボンネットアセンブリであって、
前記制御バルブと結合する第2ボンネットと対向し、前記制御バルブと着脱可能に結合する第1ボンネットを含み、
前記第1ボンネットは、流れ制御開口の第1面上に配置され且つ前記制御バルブを通過する流体の流れを制御するための手段を、少なくとも部分的に取り囲み、
前記第2ボンネットは、ステムを受容して前記第2ボンネットに対して誘導する内孔を画定し、前記第2ボンネットは、前記流れ制御開口の、前記第1面とは反対側の第2面上に配置され、前記制御バルブを通過する前記流体の前記流れを制御するための手段を、少なくとも部分的に取り囲み、
前記流れ制御開口の第1面上に配置され、前記制御バルブを通過する流体の流れを制御するための手段は、弁座の1つに係合して前記制御バルブを通過する流体の流れを制御する第1閉止部材を備え、前記流れ制御開口の第2面上に配置され、前記制御バルブを通過する流体の流れを制御するための手段は、ステムに連結された第2閉止部材を備え、
第2閉止部材は他の弁座の1つに受け入れられて、前記制御バルブを通過する流体流れを制御し、
前記弁座の1つは、前記第2閉止部材の柔軟性シールに封止係合し、前記第2閉止部材がバルブを通る流体流れが前記柔軟性シールに実質的に影響することを阻止するために使用されないときは、前記柔軟性シールはガイド又はケージの内面とスライド可能に係合し、
前記第2閉止部材に係合するように構成された弁座の座面は、前記流れ制御開口内に少なくとも部分的に位置している、ボンネットアセンブリ。
【請求項14】
前記弁座の1つのテーパー表面は、前記第2閉止部材のテーパ―部分に封止係合し、該テーパ―表面に隣接する面は、前記第2閉止部材の柔軟性シールと封止係合する、請求項13に記載のボンネットアセンブリ。
【請求項15】
相反方向の座面を有する制御バルブと共に使用するためのボンネットアセンブリであって、
前記制御バルブと結合する第2ボンネットと対向し、前記制御バルブと着脱可能に結合する第1ボンネットを含み
前記第1ボンネットは、前記複数の座面の一つと係合し、前記制御バルブを通過する流体の流れを制御するための、第1閉止部材に隣接し、前記第2ボンネットは、シャフトを受容して前記第2ボンネットに対して誘導する内孔を画定し、
前記シャフトに結合し、前記複数の座面の他の一つによって受容され、前記制御バルブを通過する流体の流れを制御する、第2閉止部材と、を含み、
前記弁座の1つは、前記第2閉止部材の柔軟性シールに封止係合し、前記第2閉止部材がバルブを通る流体流れが前記柔軟性シールに実質的に影響することを阻止するのに使用されないときは、前記柔軟性シールは前記第2ボンネットのケージつまりガイド部の内孔内に位置し、前記第2閉止部材に係合するように構成された前記弁座の座面は、前記制御バルブの本体に形成された流れ制御開口内に少なくとも部分的に位置している、ボンネットアセンブリ。
【請求項16】
前記第2閉止部材は、他の弁座のテーパ―表面に係合するテーパ―表面を備える、請求項15に記載のボンネットアセンブリ。
【請求項17】
少なくとも、前記シャフト、および前記第2閉止部材が、安全統合システムハードウェアを含む、請求項15に記載のボンネットアセンブリ。
【請求項18】
前記第2閉止部材は、前記制御バルブに安全遮断機能を付与する、請求項15に記載のボンネットアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は、全般的には流体バルブに関し、より詳細には、統合式安全遮断を有する流体バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
制御バルブは、そのバルブに接続するパイプおよび/もしくは容器を通過する、流体(例えば、気体、液体)または他の任意の物質の流れを制御するために、加工処理プラント内で一般的に使用される。制御バルブは、典型的には、1つもしくは複数の、入口および出口から構成され、その入口と出口とを流体的に結合する開口を通過する流体流れを制御するように動作する、流れ制御要素または流れ制御部材(例えば、バルブゲート、ピストン、バルブプラグ、閉止部材など)を含む。閉止部材は、典型的には、バルブ本体に機械的に結合する(ボルト留め、クランプ締め、ネジ込み留めなど)バルブボンネットに結合される。典型的には、この閉止部材は、バルブを通過する流路を取り囲む封止構造(例えば、シートリング)と係合するように構成される。
【0003】
実際は、一部の加工処理プラントは、制御バルブに加えて、各制御バルブから上流側または下流側に配置され、例えばシステム障害に応えて、流体の流れを素早く停止させる、安全遮断バルブ(例えば、緊急遮断バルブ)を含む。これらの安全遮断バルブは、場合によっては、多くの利益を流体制御プロセスに提供する一方で、安全遮断バルブの組み込みに必要とされる追加的なスペースおよびシステムの長さ(例えば、パイプの連続長)は、加工処理プラントの設計において、特に、利用可能なスペースが極めて制限される場合には、いくぶん問題となる。
【0004】
以前には、多くの流体制御プロセスが、安全遮断バルブを備えずに設計された。しかしながら、それらのプロセスを、安全遮断バルブ(例えば、安全統合システムハードウェア(SIS))によって更新し、システム障害の適切な抑止を確実にすることへの要求が存在する。そうするためには、既設の配管を、安全遮断バルブに求められる追加的スペースに適合させるために、切断および/または経路変更しなければならない場合がある。あるいは、新たな流体プロセスを設計する際に、設計者は、安全遮断バルブを実装するスペースに制限を受ける場合があり、それゆえ、そうするために、流体制御プロセス内部にこうした安全遮断バルブを配置することは、困難または不可能である場合がある。
【発明の概要】
【0005】
相反方向の座面を有する制御バルブと共に使用する、例示的なボンネットアセンブリは、制御バルブに着脱可能に結合する第1ボンネットを含む。第1ボンネットは、第1バルブトリムの一部を受容するように適合され、複数の座面の一つと係合するように更に適合された第1内孔を有し、第1内孔と第1バルブトリムの部分との間に流体封止を提供する。加えて、第2ボンネットが、制御バルブに着脱可能に結合される。第2内孔を有する第2ボンネットは、第2バルブトリムの一部分を受容するように適合され、他の複数の座面の一つ係合するように更に適合された第2内孔を有し、第2内孔と第2バルブトリムの部分との間に流体封止を提供する。
【0006】
流体流れを制御するための例示的なバルブは、入口ポートおよび出口ポートを画定する、バルブ本体を含む。加えて、例示的なバルブは、第1ボンネットおよび第2ボンネットを含む、ボンネットアセンブリを含む。第1ボンネットおよび第2ボンネットは、実質的に同軸上で対向する。更に、例示的なバルブは、バルブ本体内部に、第1閉止部材と封止係合するための第1座面を含む。更にまた、例示的なバルブは、本体内部に、第1座面とは相反する向きの、第2閉止部材と封止係合するための第2座面を含み、第1座面および第2座面は、入口ポートと出口ポートとを流体的に結合する開口を取り囲む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】既知の制御バルブを示す図である。
図2】統合式安全遮断を有する、例示的な制御バルブを示す図である。
図3】統合式安全遮断が、バルブを通過する流体流れを制止するように動作している、図2の例示的な制御バルブを示す図である。
図4】統合式安全遮断を有する、別の例示的な制御バルブを示す図である。
図5図2図4に示す例示的なバルブを実装するために使用することができる、例示的なブランクボンネットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
特定の実施例を上記の図面において示し、以下で詳細に説明する。これらの実施例の説明において、同じまたは類似の要素を同定するために、同様または同一の参照番号を使用する。図面は必ずしも正確な縮尺通りではなく、明確性および/または簡潔性のために、図面の特定の機構および特定の表示は、縮尺または概略において誇張して示す場合がある。加えて、本明細書全体を通して、いくつかの実施例が記載されている。いずれの実施例のいずれの機構も、他の実施例の他の機構と、共に含まれてもよく、または他の実施例の他の機構の代わりになり得、またはその他の場合では、それらと組み合わされてもよい。
【0009】
本明細書に記載の例示的なボンネットアセンブリおよび例示的な制御バルブは、有利には、制御バルブに統合式安全遮断機能を提供し、これによって、対応する制御バルブから物理的に分離している既知のバルブおよび既知の安全遮断バルブで生じる問題が排除される。具体的には、本明細書に記載の例示的なボンネットアセンブリおよび例示的なバルブは、既知の制御バルブと同じ面間寸法を有しつつも、安全遮断の機構および機能もまた含むバルブの設置を可能にする、統合式安全遮断を提供する。その結果、安全遮断機能を備えていない既知の流体バルブを、本明細書に記載の例示的バルブに比較的容易に交換することができる。具体的には、本明細書に記載の例示的バルブは、既知の制御バルブと実質的に同じ面間寸法を有するため、既設の配管を切断および/または経路変更する必要がなく、このことによって設置時間およびコストが大幅に低減する。加えて、一部の実施例では、本明細書に記載の例示的バルブは、第1ボンネットに対向して配置され、通常動作中にバルブを通過する流体の流れを制御する、例示的なブランクボンネットを備える。このブランクボンネットは、例示的なバルブを、安全遮断機能をバルブに提供する第2ボンネット(以下で詳細に説明)によって、後に改修する(例えば、使用現場で、またはバルブを加工処理制御システム内に設置したままで)ことを可能にする。
【0010】
図1は、入口106と出口108との間に流体流れ通路104を有するバルブ本体102を有する、既知の制御バルブ100を示す。ボンネット110は、複数個の締結具112によってバルブ本体102に結合する。ボンネット110は、バルブパッキン120をステム114に対して封止係合するように付勢し、ステム114とバルブパッキン120との間のボンネット110から流体が流出することを実質的に防ぐ、パッキン押さえ118と共に、内孔116を含む。図示のように、パッキンフランジ122は、複数個の締結具126によってボンネット110に結合し、パッキン押さえ118は、パッキンフランジ122とバルブパッキン120との間に配置される。ステム114の端部128は、ボンネット本体124から延伸し、アクチュエータ(図示せず)と動作可能に結合する。加えて、ステム114の反対側端部130は、閉止部材132(例えば、プラグ)に結合する。
【0011】
バルブ本体102を通過する流体流れを制御するために、入口106と出口108との間にバルブトリム133が配置され、特定の流れ特性(例えば、制御バルブ100を通過する流体の流れによって発生する、騒音および/またはキャビテーションを低減するための)を提供する。バルブトリム133は、ケージ134、閉止部材132、およびステム114を含む。閉止部材132は、ケージ134の内側表面138に摺動可能に係合するように大きさが決められた、外側表面136を有する。加えて、閉止部材132は、少なくとも部分的に開口144内部に配置される弁座142(例えば、シートリング)に係合する座面140を有し、入口106と出口108との間の流体の流れを制御する。運用の際には、アクチュエータは、座面140が弁座142に係合して、流体が制御バルブ100を通過して流れることを防ぐ閉止位置と、閉止部材132が弁座142から離れて、流体が制御バルブ100を通過して流れることを可能にする、開放位置との間で、ステム114を移動させる。
【0012】
図2は、入口206と出口208との間に流体流れ通路204を有するバルブ本体202を有する、例示的な制御バルブ200を示す。例示的な制御バルブ200は、グローブバルブとして示されるが、本明細書に記載の実施例は、例えば、他の種類の摺動ステムバルブなどの、任意の他の種類のバルブとして実装することができる。
【0013】
ボンネットアセンブリ209は、第1ボンネット210および第2ボンネット216を含む。第1ボンネット210は、第1内孔211に隣接して配置され、入口206と出口208とを流体的に結合する流れ制御開口214の第1面上で、複数個の締結具212によって、本体202と結合する。第2ボンネット216(例えば、使用現場で着脱可能なボンネット)は、第2内孔217に隣接して配置され、第1ボンネット210と反対側の開口214の第2面上で、複数個の締結具218によって、本体202と結合する。第1内孔211は、第2内孔217と実質的に同軸である。
【0014】
第1ボンネット210は、第1バルブパッキン228を第1ステム222に対して封止係合するように付勢し、第1ステム222と第1バルブパッキン228との間の第1ボンネット210から流体が流出することを実質的に防ぐ、第1パッキン押さえ226と共に、第1ステムつまりシャフト222を、第1内孔224を介して受容する。第1内孔224および第1バルブパッキン228は、第1ボンネット210に対して、第1ステム222を誘導する。図示のように、第1パッキンフランジ230は、複数個の締結具234によって第1ボンネット本体232に結合し、第1パッキン押さえ226は、第1パッキンフランジ230と第1バルブパッキン228との間に配置される。第1ステム222の端部235は、第1ボンネット本体232から延伸し、第1アクチュエータ(図示せず)と動作可能に結合する。加えて、第1ステム222の反対側端部236は、第1閉止部材238に結合する。
【0015】
同様に、第2ボンネット216は、第2バルブパッキン246を第2ステム240に対して封止係合するように付勢し、第2ステム240と第2バルブパッキン246との間の第2ボンネット216から流体が流出することを実質的に防ぐ、第2パッキン押さえ244と共に、第2ステムつまりシャフト240を、第2内孔242を介して受容する。第2内孔242および第2バルブパッキン246は、第2ボンネット216に対して、第2ステム240を誘導する。図示のように、第2パッキンフランジ248は、複数個の締結具252によって第2ボンネット本体250に結合し、第2パッキン押さえ244は、第2パッキンフランジ248と第2バルブパッキン246との間に配置される。第2ステム240の端部254は、第2ボンネット本体250から延伸し、第2アクチュエータ(図示せず)と動作可能に結合する。加えて、第2ステム240の反対側端部247は、第2閉止部材258に結合する。第2ステム240は、第2閉止部材258を、第1閉止部材238とは独立して、開放位置と閉止位置との間で作動させる、任意の所望のデバイスと動作可能に結合し得ることを理解されたい。例えば、第2ステム240は、通常動作中は第2閉止部材258を開放位置に保持するが、例えばシステム障害などの所定条件の発生後には、第2閉止部材258を解放する、保持メカニズムおよび/またはラッチシステム(例えば、機械式もしくは油圧式制止)と共に、蓄積エネルギー作動メカニズム、例えば、コイルバネ、または束の皿バネなどと、動作可能に結合することができる。
【0016】
本体202を通過する流体流れを制御するために、入口206と出口208との間に第1ケージ260が配置され、特定の流れ特性(例えば、急速開放、等比率、ならびに/または制御バルブ200を通過する流体の流れによって発生する、騒音および/もしくはキャビテーションを低減するための)を提供する。一般的には、第1バルブトリムは、第1ステム222および第1閉止部材238を含む。第1閉止部材238は、第1ケージ260の内側表面264に摺動可能に係合するように大きさが決められた、外側表面262を有する。加えて、第1閉止部材238は、少なくとも部分的に開口214内部に配置されるシートリング269の第1弁座268に係合する第1座面266を有し、入口206と出口208との間の流体の流れを制御する。運用の際には、第1アクチュエータ(図示せず)は、第1座面266が第1弁座268に係合して、流体が制御バルブ200を通過して流れることを防ぐ閉止位置と、第1閉止部材238が第1弁座268から離れて、流体が制御バルブ200を通過して流れることを可能にする、開放位置との間で、第1ステム222を移動させる。
【0017】
加えて、制御バルブ200は、第1ケージ260に対向し、第2ボンネット216に隣接して配置される、第2ガイド部270を備えることができる。一般的には、第2バルブトリムは、第2ステム240および第2閉止部材258を含む。図示されていないが、一部の実施例では、第2ガイド部270は、第2ボンネット216と一体的に結合してもよく、または第2ボンネット216の一体的部分であってもよい。第2閉止部材258は、第2ガイド部270の内側表面274に摺動可能に係合するように大きさが決められた、外側表面272を有する。加えて、図2および図3に示すように、第2閉止部材258は、例えば、システム障害の間、入口206と出口208との間の流体の流れを制御するために、第1弁座268の反対側の第2弁座278に係合して、少なくとも部分的に開口214内部に配置される、第2座面276を有する。この実施例では、第1弁座268は、シートリング269の第1表面であり、第2弁座278は、シートリング269の、第1表面とは反対側の第2表面である。
【0018】
第2閉止部材258が移動して、第2弁座278に係合した場合(図3に示すように)、制御バルブ200を通過する流体流れは実質的に停止し、第2閉止部材258は、例えば、第2閉止部材258を開放位置に手動で戻すまでは、第2弁座278に着座したままで維持される。加えて、第2ボンネット216が、例示的な制御バルブ200のような、上昇流のバルブ内に実装される場合、制御バルブ200全体にわたる圧力損失および/または第2閉止部材258に対する流体力はそれぞれ、第2閉止部材258が第2弁座278に封止係合することを少なくとも部分的に補助し、それゆえ、第2閉止部材258の、第2弁座278に対する位置を維持するために必要な力は、比較的小さくてもよい(例えば、より小型のアクチュエータおよび/またはより軽量のアクチュエータを利用できる)。しかしながら、他の実施例では、本明細書に記載の実施例は、例えば下降流のバルブのような、任意の他のバルブ設計において実装することができる。
【0019】
第2ボンネット216は、動作の際には、第2バルブトリムの部分と共に、安全遮断機能を制御バルブ200に提供するが、その一方で、例示的な制御バルブ200を、既知の制御バルブ100と同じ面間寸法に維持することを可能にする。具体的には、別個の安全遮断バルブ、追加スペース、および/または配管の経路変更を必要とする、既知の流体制御プロセスとは対照的に、例示的な制御バルブ200は、通常動作中に制御バルブ200を通過する流体流れを制御する、第1閉止部材238、および、例えばシステム障害中に制御バルブ200を通過する流体流れを実質的に停止させるための安全遮断機能を提供する、第2閉止部材258の双方を含む。通常動作中には、第2閉止部材258は、第2閉止部材258の表面280が、制御バルブ200の内側表面282と実質的に同一平面上にあるように配置され、第2閉止部材258が使用されないときに、第2閉止部材258が制御バルブ200を通過する流体流れに影響を及ぼすことを実質的に防ぐ。実際には、第2閉止部材258が頻繁に利用されることはなく、それゆえ、第2ボンネット216および第2バルブトリムの構成要素は、比較的安価な材料、ならびに/または、耐摩耗性および/もしくは耐食性の材料から作製することができる。しかしながら、他の実施例では、第2閉止部材258は、所定の流れ特性を提供するように輪郭形成してもよい。例えば、表面280は、流れを妨害して、流れ内に乱流を誘発させ、再循環流を実質的に低減するための、輪郭または湾曲面(図示せず)を含んでもよい。
【0020】
制御バルブ200上の第2ボンネット216を交換するためには、制御バルブ200に結合するパイプおよび/または容器から流体圧を低減し(例えば、流体を排出し、制止し、および/または制御バルブ200から迂回させて経路変更してもよい)、次いで締結具218を第2ボンネット本体250から取り外す。第2ボンネット216を次いで制御バルブ200から取り外す。次に、別の第2ボンネット216を制御バルブ200に配置することができ、締結具218を再び締め付けて、第2ボンネット216の、本体202に対する適切な配置を確実にすることができる。
【0021】
あるいは、第2ボンネット216を制御バルブ200の本体202に結合させたままで、第2内孔242内に配置されたバネ284、および/または第2ボンネット216の第2バルブパッキン246を交換するためには、制御バルブ200に結合するパイプおよび/または容器から流体圧を低減し、締結具252を第2パッキンフランジ248から取り外す。次に、第2パッキン押さえ244、バネ284、および/または第2バルブパッキン246を取り外して交換する。次いで2パッキンフランジ248を、第2ボンネット本体250に対して再び配置することができ、締結具252は、バネ284を圧縮して、第2バルブパッキン246に対して力を加え、第2ステム240と第2バルブパッキン246との間に流体封止を作り出すように調節される。
【0022】
図4は、第1ボンネット402および第2ボンネット404を含む、別の例示的な制御バルブ400を示す。例示的な制御バルブ400は、図2および図3の例示的な制御バルブ200と実質的に同様である。しかしながら、例示的な制御バルブ200とは対照的に、例示的な制御バルブ400は、第2閉止部材418の、テーパー部分414および長手方向部分416にそれぞれ対応する、テーパー表面410と、テーパー表面410に隣接する表面412と、を有する第2弁座408を含む、バルブ本体406を有する。長手方向部分416は、シール422(例えば、oリング、柔軟性シール、クワッドリング、成形ディスク、リップシールなど)が溝420の中に配置される溝420を有する。通常動作中は、シール422は、第2ボンネット404または制御バルブ400のケージつまりガイド部423の内孔421内部に配置され、流体の流れがシール422に影響を及ぼすことを実質的に防ぐ。具体的には、流体の流れに対するシール422の曝露を制限することがシール422の耐用年数を延長させ、および/またはシール422が溝420内部から脱落することを実質的に防ぐという利点をもたらし得る。加えて、第2閉止部材418のテーパー部分414により、制御バルブ400を通過する流体の流れに対して第2閉止部材418が与える影響を、最小限に抑えることができる。
【0023】
第2閉止部材418が移動して、第2弁座408に係合すると、制御バルブ200を通過する流体流れは実質的に停止する。具体的には、溝420内部のシール422が、表面412に係合し、テーパー部分414が、テーパー表面410に係合する。一部の実施例では、テーパー表面410とテーパー部分414との間の相互作用は、シール422と表面412との間の流体封止に不具合があっても、制御バルブ400を通過する流体の流れを制限する、金属対金属の係合および/または封止である。
【0024】
図5は、例示的な制御バルブ200または例示的な制御バルブ400にブランクボンネット500を結合するための、複数個の締結具504を受容するフランジ502を有する、例示的なブランクボンネット500を示す。加えて、ブランクボンネット500は、第2内孔217または第2内孔428の直径に対応する直径を有する、細長部材すなわちプラグ506を含む。ブランクボンネット500が、制御バルブ200または制御バルブ400に実装された場合、細長部材506の表面508は、図2および図3の制御バルブ200の内側表面282、および/または図4の制御バルブ400の内側表面430と実質的に同一平面上にあって、細長部材506が、制御バルブ200または制御バルブ400を通過する流体の流れに影響を及ぼすことを実質的に防ぐ。
【0025】
実際には、ユーザによっては、初期には安全遮断機構を有さない、汎用流体制御プロセスを作り出すことに関心がある場合がある。しかしながら、こうしたユーザは、既知の制御バルブ100のようなバルブを含む流体制御プロセスにおける必要に応じて、既知の安全遮断バルブの設置に必要なスペースを作り出すために、配管を切断および/または経路変更することなく、将来、その流体制御プロセスを更新する能力を望む場合がある。そうした流体制御プロセスをユーザが作り出せるようにするために、例示的な制御バルブ200または例示的な制御バルブ400は、ブランクボンネット500と共に初期実装される。
【0026】
ブランクボンネット500を、第2ボンネット216または第2ボンネット404と交換、および/または使用現場で交換するためには、制御バルブ200もしくは制御バルブ400に結合するパイプおよび/または容器から流体圧を低減し、次いで締結具504をフランジ502から取り外す。ブランクボンネット500を次いで制御バルブ200または制御バルブ400から取り外す。次に、第2ボンネット216または第2ボンネット404を、制御バルブ200または制御バルブ400に配置することができ、締結具218を締め付けて、第2ボンネット216または第2ボンネット404の、バルブ本体202またはバルブ本体406に対する適切な配置を確実にすることができる。
【0027】
あるいは、例えば第2ボンネット216もしくは第2ボンネット404、および/または第2バルブトリムの修理のために、第2ボンネット216または第2ボンネット404を、ブランクボンネット500と一時的に交換するためには、制御バルブ200もしくは制御バルブ400に結合するパイプおよび/または容器から流体圧を低減し(例えば、流体を排出する)、次いで締結具218を制御バルブ200または制御バルブ400から取り外す。第2ボンネット216または第2ボンネット404を次いで制御バルブ200または制御バルブ400から取り外す。次に、ブランクボンネット500を、制御バルブ200または制御バルブ400に配置することができ、複数個の締結具504を締め付けて、ブランクボンネット500の、バルブ本体202またはバルブ本体406に対する適切な配置を確実にすることができる。
【0028】
特定の例示的な方法、装置、および製品が本明細書に記載されているが、本発明のカバーする範囲は、これらに限定されるものではない。反対に、本発明は、文言上、または均等論によって、添付の特許請求の範囲内に適正に包含される、全ての方法、装置、および製品をカバーする。
図1
図2
図3
図4
図5