(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キッチンキャビネットの上方開口部から下方に挿入されて、前面部を前記キッチンキャビネットの前面開口に臨ませた状態に組み付けられる調理器本体における前記前面部の横端部側部分に、上方側運転操作部と下方側運転操作部とが並設され、
前記下方側運転操作部が、前記調理器本体の内方に引退させた引退位置と前記調理器本体の前方に突出させた突出位置とに出退自在に構成され、
前記上方側運転操作部の前面を覆う上側操作部カバー及び前記下方側運転操作部の前面を覆う下側操作部カバーが、前記調理器本体の横端部と前記前面開口との間の隙間を覆うべく前記調理器本体の横外方に張り出す状態で設けられ、
前記上方側運転操作部を覆う状態に前記上側操作部カバーを固定する固定手段が、固定状態と固定解除状態とに切換え自在に設けられた加熱調理器であって、
前記固定手段が、前記下側操作部カバーにおける前記調理器本体の横外方に張り出す下側張出部分の背部側箇所に位置する操作部にて、少なくとも前記固定状態から前記固定解除状態に操作されるように構成されている加熱調理器。
前記固定手段が、前記上側操作部カバーにおける前記調理器本体の横外方に張り出す上側張出部分の背面部に上下方向にスライド自在に装備された固定作用部材を、固定位置と固定解除位置とに上下方向にスライドさせることによって、前記固定状態と前記固定解除状態とに切換え自在に構成され、
前記操作部が、前記固定作用部材の下端部に連なる状態で設けられて、前記固定作用部材を前記固定位置と前記固定解除位置とにスライド操作自在に構成されている請求項1記載の加熱調理器。
前記固定作用部材に、前記固定位置において前記上方側運転操作部の横幅方向の外方側端部に設けた外方側係止部に対して前方側への移動不能に係止されかつ前記固定解除位置にて前記外方側係止部による係止が解除される被係止部が設けられ、
前記上側操作部カバーの横幅方向の内方側端部に、前記上方側運転操作部の横幅方向の内方側端部に設けた内方側係止部に対して前方側への移動不能に係止されるカバー側被係止部が設けられている請求項2記載の加熱調理器
前記上側張出部分の背面部に、前記固定作用部材を前記固定位置と前記固定解除位置とに亘るスライド範囲から外れた装着位置に位置させた状態において、前記固定作用部材の前記上側張出部分の背面部に対する遠近方向の移動を許容し、かつ、前記固定作用部材を前記上側張出部分の背面部に接近させた状態で前記スライド範囲に移動させることにより、前記固定作用部材を前記上側張出部分に保持する保持部、及び、前記スライド範囲に位置する前記固定作用部材が前記装着位置に移動することを受け止め阻止する牽制部が設けられ、
前記固定作用部材に、前記固定作用部材を前記装着位置から前記スライド範囲に移動させるときには、前記牽制部との接当により弾性後退変位して、前記牽制部の装着部を通過し、かつ、前記スライド範囲に位置する前記固定作用部材が前記装着位置に移動することを前記牽制部との接当により牽制する弾性変位式の被牽制部が設けられている請求項2又は3記載の加熱調理器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の加熱調理器は、キッチンキャビネットのカウンタトップと上方側運転操作部との間に、固定手段の操作部が配置されるものであるから、固定手段に対する操作が行い難いため、改善が望まれるものであった。
すなわち、カウンタトップの下面と上方側運転操作部の上面とに囲まれた空間は、狭い空間であるため、その狭い空間に対して手指を挿入しながら、固定手段の操作部を操作することは行い難いものであった。
【0012】
ちなみに、固定手段の操作部を、例えば、上側操作部カバーに形成した挿通孔を通して前方に突出させる状態で設けるようにする等、固定手段の操作部を、上側操作部カバーの前方側に位置させるようにして、固定手段に対する操作を行い易くすることが考えられるが、この場合、調理器本体の前面部の外観が悪くなるばかりでなく、固定手段の操作部を誤って操作して、不必要に固定手段を固定解除状態に操作する虞もあり、実用できないものである。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、固定手段の操作部に対する操作の容易化を図るようにしながらも、調理器本体の前面部の外観を美麗にでき、かつ、固定手段の操作部の誤操作を回避できる加熱調理器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の加熱調理器は、キッチンキャビネットの上方開口部から下方に挿入されて、前面部を前記キッチンキャビネットの前面開口に臨ませた状態に組み付けられる調理器本体における前記前面部の横端部側部分に、上方側運転操作部と下方側運転操作部とが並設され、
前記下方側運転操作部が、前記調理器本体の内方に引退させた引退位置と前記調理器本体の前方に突出させた突出位置とに出退自在に構成され、
前記上方側運転操作部の前面を覆う上側操作部カバー及び前記下方側運転操作部の前面を覆う下側操作部カバーが、前記調理器本体の横端部と前記前面開口との間の隙間を覆うべく前記調理器本体の横外方に張り出す状態で設けられ、
前記上方側運転操作部を覆う状態に前記上側操作部カバーを固定する固定手段が、固定状態と固定解除状態とに切換え自在に設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記固定手段が、前記下側操作部カバーにおける前記調理器本体の横外方に張り出す下側張出部分の背部側箇所に位置する操作部にて、少なくとも前記固定状態から前記固定解除状態に操作されるように構成されている点を特徴とする。
【0015】
すなわち、上方側運転操作部を覆う状態に上側操作部カバーを固定する固定手段の操作部が、下側操作部カバーにおける調理器本体の横外方に張り出す下側張出部分の背部側箇所に位置されているから、下方側運転操作部を突出位置に位置させると、固定手段の操作部が露出するものとなり、下方側運転操作部を引退位置に位置させると、固定手段の操作部が下側操作部カバーの下側張出部分にて覆われるものとなる。
【0016】
したがって、固定手段の操作部を操作するときには、下方側運転操作部を突出位置にすることにより、露出した固定手段の操作部を良好に操作することができ、固定手段の操作部を操作しないときには、下方側運転操作部を引退位置に位置させることにより、固定手段の操作部を下側操作部カバーの下側張出部分にて覆うことによって、調理器本体の前面部の外観を美麗にできる。
【0017】
しかも、固定手段の操作部を操作するためではなく、下方側運転操作部を操作するために、下方側運転操作部を突出位置に位置させたときにも、固定手段の操作部が露出するものとなるが、固定手段の操作部は、下方側運転操作部の横外方に位置するものであるから、固定手段の操作部が露出する状態となっても、下方側運転操作部や上方側運転操作部を操作する使用者によって、固定手段の操作部が誤操作される虞は少ないものとなる。
【0018】
ちなみに、固定手段を操作部にて固定状態と固定解除状態とに切換えるように構成される場合には、操作部にて、固定手段を固定状態と固定解除状態とに切換えることになるが、固定手段が固定状態に復帰付勢されて、上方側運転操作部を覆う状態に上側操作部カバーを装着すると、固定手段が自動的に固定状態になるように構成される場合においては、操作部にて、固定手段を固定状態から固定解除状態とに切換えるようにすることになる。
【0019】
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、固定手段の操作部に対する操作の容易化を図るようにしながらも、調理器本体の前面部の外観を美麗にでき、かつ、固定手段の操作部の誤操作を回避できる加熱調理器を提供できる。
【0020】
本発明の加熱調理器の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記固定手段が、前記上側操作部カバーにおける前記調理器本体の横外方に張り出す上側張出部分の背面部に上下方向にスライド自在に装備された固定作用部材を、固定位置と固定解除位置とに上下方向にスライドさせることによって、前記固定状態と前記固定解除状態とに切換え自在に構成され、
前記操作部が、前記固定作用部材の下端部に連なる状態で設けられて、前記固定作用部材を前記固定位置と前記固定解除位置とにスライド操作自在に構成されている点を特徴とする。
【0021】
すなわち、固定手段が、上側操作部カバーにおける調理器本体の横外方に張り出す上側張出部分の背面部に、固定作用部材を上下方向にスライド自在に装備して、その固定作用部材を、固定位置と固定解除位置とに上下方向にスライドさせることによって、固定状態と固定解除状態とに切換えられるように構成されている。
【0022】
そして、固定手段の操作部が、固定作用部材の下端部に連なる状態で設けられて、固定作用部材を固定位置と固定解除位置とにスライド操作するように構成されている。
【0023】
つまり、上側操作部カバーの上側張出部分の後方側には、調理器本体が存在しない点に着目して、上側張出部分の背面部を、固定手段を構成する固定作用部材の設置箇所として有効利用するものであるから、固定手段を構成する固定作用部材の設置構成を、制約の少ない状態で設計できるものとなるため、固定手段の製作の容易化を図ることができる。
【0024】
しかも、固定手段の操作部を、単に、固定作用部材の下端部に連なる状態で設けるものであるから、固定手段の操作部の設置構成の簡素化により、固定手段の簡素化を図ることができる。
【0025】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、固定手段の製作の容易化及び簡素化を図ることが加熱調理器を提供できる。
【0026】
本発明の加熱調理器の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記固定作用部材に、前記固定位置において前記上方側運転操作部の横幅方向の外方側端部に設けた外方側係止部に対して前方側への移動不能に係止されかつ前記固定解除位置にて前記外方側係止部による係止が解除される被係止部が設けられ、
前記上側操作部カバーの横幅方向の内方側端部に、前記上方側運転操作部の横幅方向の内方側端部に設けた内方側係止部に対して前方側への移動不能に係止されるカバー側被係止部が設けられている点を特徴とする。
【0027】
すなわち、上側操作部カバーの上側張出部分の背面部に装着した固定作用部材を、固定位置に位置させると、固定作用部材に設けた被係止部が、上方側運転操作部の横幅方向の外方側端部に設けた外方側係止部に対して前方側への移動不能に係止されることにより、上側操作部カバーの横幅方向の外方側部分が、上方側運転操作部に対して、前方側への移動不能に係止されることになる。
【0028】
また、上側操作部カバーの横幅方向の内方側端部に設けたカバー側被係止部が、上方側運転操作部の横幅方向の内方側端部に設けた内方側係止部に対して前方側への移動不能に係止されることにより、上側操作部カバーの横幅方向の内方側部分が、上方側運転操作部に対して、前方側への移動不能に係止されることになる。
【0029】
つまり、上側操作部カバーの横幅方向の内方側部分及び外方側部分を、上方側運転操作部に対して、前方側への移動を規制するように支持させた状態、換言すれば、上側操作部カバーの両端側部分を、上方側運転操作部に対して、前方側への移動を規制するように支持させた状態で、上側操作部カバーを上方側運転操作部に装着するものであるから、上側操作部カバーを上方側運転操作部に対して的確に装着できるものとなる。
【0030】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第2特徴構成による作用効果に加えて、上側操作部カバーを上方側運転操作部に対して的確に装着できる加熱調理器を提供できる。
【0031】
本発明の加熱調理器の第4特徴構成は、上記第2又は第3特徴構成に加えて、
前記上側張出部分の背面部に、前記固定作用部材を前記固定位置と前記固定解除位置とに亘るスライド範囲から外れた装着位置に位置させた状態において、前記固定作用部材の前記上側張出部分の背面部に対する遠近方向の移動を許容し、かつ、前記固定作用部材を前記上側張出部分の背面部に接近させた状態で前記スライド範囲に移動させることにより、前記固定作用部材を前記上側張出部分に保持する保持部、及び、前記スライド範囲に位置する前記固定作用部材が前記装着位置に移動することを受け止め阻止する牽制部が設けられ、
前記固定作用部材に、前記固定作用部材を前記装着位置から前記スライド範囲に移動させるときには、前記牽制部との接当により弾性後退変位して、前記牽制部の装着部を通過し、かつ、前記スライド範囲に位置する前記固定作用部材が前記装着位置に移動することを前記牽制部との接当により牽制する弾性変位式の被牽制部が設けられている点を特徴とする。
【0032】
すなわち、固定作用部材を上側張出部分に組付ける際には、固定作用部材を装着位置に対応する位置に位置させた状態で上側張出部分に接近させ、その後、スライド範囲に移動させることになる。
ちなみに、装着位置に位置する固定作用部材をスライド範囲に移動する際には、被牽制部が牽制部に接当しながら弾性後退変位して、牽制部の装着部を通過することになる。
【0033】
そして、固定作用部材がスライド範囲に移動されると、固定作用部材が、保持部にて上側張出部分に保持されることになり、かつ、牽制部と被牽制部との接当により、スライド範囲から装着位置に固定作用部材が移動することが牽制されることになる。
【0034】
また、固定作用部材を上側張出部分から取り外す際には、被牽制部を手指にて把持しながら弾性後退変位させて、牽制部と接当しない状態にすることを維持しながら、固定作用部材をスライド範囲から装着位置にスライドさせ、装着位置に位置する固定作用部材を上側張出部分から離れる側に移動させる。
【0035】
このように、固定作用部材を上側張出部分に組付ける際には、固定作用部材を装着位置に対応する位置に位置させた状態で上側張出部分に接近させ、その後、スライド範囲に移動させるだけでよく、また、固定作用部材を上側張出部分から取り外す際には、被牽制部を手指にて把持しながら弾性後退変位させて、牽制部と接当しない状態にすることを維持しながら、固定作用部材をスライド範囲から装着位置にスライドさせるだけでよいから、固定作用部材を上側張出部分に組付けことや、固定作用部材を上側張出部分から取り外すことを、特別な工具を要することなく、容易に行える。
【0036】
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記第2又は第3特徴構成による作用効果に加えて、固定作用部材の上側張出部分に対する組付けや取り外しの容易化を図ることができる加熱調理器を提供できる。
【0037】
本発明の加熱調理器の第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記下方側運転操作部が、横倒れ姿勢の枢支軸にて下端部が支持されて、前記枢支軸を中心とした前後揺動により前記引退位置と前記突出位置とに切換え自在に構成され、
前記下側操作部カバーが、前記枢支軸にて下端部が支持されて、前記枢支軸を中心とした前後揺動により前記下方側運転操作部に対して開閉されるように構成されている点を特徴とする。
【0038】
すなわち、下方側運転操作部が、枢支軸を中心とした前後揺動により引退位置と突出位置とに切換えられることになり、そして、下側操作部カバーが、下方側運転操作部を枢支する枢支軸にて下端部が支持されて、枢支軸を中心とした前後揺動により下方側運転操作部に対して開閉されることになる。
【0039】
つまり、下側操作部カバーを、メンテナンス等のために開閉することが、下方側運転操作部を枢支する枢支軸を中心とした前後揺動により行われることになるから、下方側運転操作部と下側操作部カバーとの相対関係が枢支軸により適正関係に維持されるため、下側操作部カバーを下方側運転操作部に対して良好に開閉することができる。
【0040】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記第1〜第4特徴構成による作用効果に加えて、下側操作部カバーを下方側運転操作部に対して良好に開閉することができる加熱調理器を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
〔実施形態〕
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1及び
図2に示すように、加熱調理器としてのガスコンロGCが、調理器本体Hの上面部に、コンロバーナ1として、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを備え、且つ、調理器本体Hの横幅方向中央部にグリル部Gを備える形態に構成されている。
【0043】
調理器本体Hは、上部が開口された箱状の金属製のケーシング2を主要部として構成されるものであって、ケーシング2の内部には、図示は省略するが、グリル部Gを構成するグリル庫、コンロバーナ1の混合管、グリル部Gに装備したグリルバーナの混合管等、種々の機器類が装備されている。
ちなみに、ケーシング2の内部における前面側の左右両側部には、後述する運転操作部Mを構成するために、合成樹脂製の操作部装着枠B(
図4参照)が組付けられることになる。
【0044】
調理器本体Hの上部には、ガラス製の天板3が配置され、調理器本体Hの上面部の後部側には、グリル部Gの燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が形成されている。
また、天板3の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等の調理容器を載置するための五徳5が、3つのコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
【0045】
このガスコンロGCは、ビルトインタイプとして構成されるものであり、具体的には、調理器本体Hが、
図17及び
図18に示すように、キッチンキャビネットKNの上方開口部K1から下方に挿入されて、調理器本体Hの前面部をキッチンキャビネットKNの前面開口K2に臨ませた状態に組み付けられるように構成されている。
尚、詳述はしないが、調理器本体Hの上部の周縁部には、キッチンキャビネットKNの上面に載置する鍔部が形成されている。
【0046】
また、調理器本体Hの横端部と前面開口K2との間の隙間を塞ぐ左右一対の隙間挿入部材Pが、調理器本体Hの横側壁における前方側箇所に装着されている(
図1参照)。
ちなみに、隙間挿入部材Pは、ABS樹脂又はPBT樹脂等の樹脂を射出成型して、柱状に構成されている。
【0047】
図1及び
図2に示すように、調理器本体Hにおける前面部の左方側の横端部部分及び右方側の横端部部分には、運転操作部Mが設けられ、左右の運転操作部Mの夫々には、上方側運転操作部MUと下方側運転操作部MSとが並設されている。
そして、左右両側の下方側運転操作部MSが、調理器本体Hの内方に引退させた引退位置(
図1参照)と調理器本体Hの前方に突出させた突出位置(
図2参照)とに出退自在に構成されている。
つまり、左右両側の下方側運転操作部MSが、運転操作指令部Nを上面部に備える出退式操作部に構成されている。
【0048】
また、左右両側の上方側運転操作部MUには、前面を覆う上側操作部カバー6が装備され、左右両側の下方側運転操作部MSには、前面を覆う下側操作部カバー7が装備されている。
そして、左右の上側操作部カバー6及び左右の下側操作部カバー7が、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットKNの前面開口K2との間を覆うべく調理器本体Hの横外方に張り出す状態で設けられている。
【0049】
つまり、左右の上側操作部カバー6には、調理器本体Hの横外方に張り出す上側張出部分6Aが設けられ、左右の下側操作部カバー7には、調理器本体Hの横外方に張り出す下側張出部分7Aが設けられている(
図3参照)。
そして、上側張出部分6A及び下側張出部分7Aが、上述した隙間挿入部材Pの前部相当箇所を覆う状態で、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットKNの前面開口K2との間を覆うように構成されている(
図18参照)。
【0050】
左右の上方側運転操作部MUの夫々には、押し操作式の点消火ボタン8、及び、コンロ横幅方向に沿ってスライド操作されるスライド操作式の火力調節具9が配設されている。
すなわち、左方の上方側運転操作部MUには、押し操作式の点消火ボタン8として、標準火力バーナ1Aに対する点火及び消火を指令する標準火力用点消火ボタン8A、及び、小火力バーナ1Bに対する点火及び消火を指令する小火力用点消火ボタン8Bが、コンロ横幅方向に沿って並ぶ状態で装備されている。
【0051】
加えて、左方の上方側運転操作部MUには、スライド操作式の火力調節具9として、標準火力バーナ1Aの火力を調節する標準火力用火力調節具9A、及び、小火力バーナ1Bの火力を調節する小火力用火力調節具9Bが、コンロ横幅方向に沿って並ぶ状態で装備されている。
【0052】
また、右方の上方側運転操作部MUには、押し操作式の点消火ボタン8として、大火力バーナ1Cに対する点火及び消火を指令する大火力用点消火ボタン8C、及び、グリルバーナに対する点火及び消火を指令するグリル用点消火ボタン8Dが、コンロ横幅方向に沿って並ぶ状態で装備されている。
加えて、右方の上方側運転操作部MUには、スライド操作式の火力調節具9として、大火力バーナ1Cの火力を調節する大火力用火力調節具9Cが装備されている。
ちなみに、グリルバーナの火力は、右方の上方側運転操作部MUに設けた火力切替スイッチSW(
図3及び
図4参照)にて変更調節されることになる。
【0053】
図15及び
図16に示すように、点消火ボタン8は、後端側上部の揺動軸心Qを中心にコンロ後方側に押し込み操作されて、コンロ前方側に復帰付勢された器具栓スライダ10を押し移動するように構成されている。
すなわち、図示は省略するが、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B、大火力バーナ1C、及び、グリルバーナの夫々に対応させて、ガス燃料の供給を断続しかつガス燃料の供給量を調節する器具栓が設けられており、各器具栓に装備した器具栓スライダ10が、標準火力用点消火ボタン8A、小火力用点消火ボタン8B、大火力用点消火ボタン8C、及び、グリル用点消火ボタン8Dにて押し移動させるように構成されている。
【0054】
器具栓スライダ10は、コンロ前後幅方向の前方側位置に位置する状態(
図15参照)から、点消火ボタン8にて後方側位置に押し移動されると(
図16参照)、その後方側位置に保持され、後方側位置から後方側に向けて点消火ボタン8にて少しだけ押し移動されると、保持が解除されて、点消火ボタン8を押し移動させながら前方側位置に復帰移動するように構成されるものであり、そして、器具栓は、器具栓スライダ10が前方側位置に位置するとガス燃料の供給を停止する状態となり、器具栓スライダ10が後方側位置に位置するとガス燃料を供給する状態となるように構成されるものであるが、器具栓スライダ10の構成や器具栓の構成は周知であるので、本実施形態においては詳細な説明を省略する。
【0055】
ちなみに、標準火力用火力調節具9A、小火力用火力調節具9B、及び、大火力用火力調節具9Cは、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B、及び、大火力バーナ1Cに対応する器具栓に、コンロ横幅方向に揺動自在に枢支されて、その揺動により、ガス燃料の供給量を調節するように構成されている。
尚、図示は省略するが、グリルバーナに対応する器具栓には、火力調節用の電磁弁が装備されて、この電磁弁の作動を制御する制御手段(図示せず)が、火力切替スイッチSWの指令に基づいて、火力調節用の電磁弁を作動させることになる。
【0056】
左方の下方側運転操作部MSの運転操作指令部Nは、標準火力バーナ1A及び小火力バーナ1Bに対する運転情報を指令するものであって、具体的には、燃焼している標準火力バーナ1A及び小火力バーナ1Bを設定時間が経過すると自動的に消火するタイマ運転や、やかん等の被加熱容器に収納した湯水が沸騰すると、燃焼している標準火力バーナ1A及び小火力バーナ1Bを自動的に消火する湯沸し運転等、各種の運転を実行するための運転情報を指令することになる。
【0057】
右方の下方側運転操作部MSの運転操作指令部Nは、大火力バーナ1C及びグリルバーナに対する運転情報を指令するものであって、具体的には、大火力バーナ1Cについては、標準火力バーナ1A及び小火力バーナ1Bと同様に、タイマ運転や湯沸し運転等の各種の運転を実行するための運転情報を指令することになる。
また、グリルバーナについては、燃焼しているグリルバーナを設定時間が経過すると自動的に消火するタイマ運転や、燃焼排気温度に基づいて被調理物が焼き上がりであることを推定すると、燃焼しているグリルバーナを自動的に消火する自動運転等、各種の運転を実行するための運転情報を指令することになる。
【0058】
(運転操作部の構成)
次に、左右の運転操作部Mの夫々に設けた上方側運転操作部MU及び下方側運転操作部MSについて詳述するが、左右の上方側運転操作部MUは同様に構成され、左右の下方側運転操作部MSは同様に構成されるものであるため、以下、右方側の運転操作部Mに設けた右方の上方側運転操作部MU及び右方の下方側運転操作部MSを代表として説明する。
【0059】
図3〜
図5、
図8に示すように、ケーシング2の前面側の右側部には、前述した合成樹脂製の操作部装着枠Bが装備されている。
操作部装着枠Bは、コンロ前後幅方向に向かう角筒状に構成された下方側部分BSと、平面視形状がコの字状に構成された上方側部分BUとを備える形態に構成されている。
そして、操作部装着枠Bの上方側部分BUに、点消火ボタン8等が組み付けられて、上方側運転操作部MUが構成され、操作部装着枠Bの下方側部分BSに、下方側運転操作部MSが組み付けられている。
【0060】
操作部装着枠Bにおける下方側部分BSの左右の側壁部分12の間に、枢支軸11が横倒れ姿勢で架設されている。
そして、下方側運転操作部MSが、
図3に示すように、コンロ前後幅方向視にて逆U字状に構成され、その左右の壁部分13の下端部が、枢支軸11に前後揺動自在に枢支されている。
つまり、下方側運転操作部MSが、枢支軸11を中心とした前後揺動により引退位置と突出位置とに切換え自在に構成されている。
【0061】
また、下方側運転操作部MSには、前面部を開閉する内蓋14が設けられている。
この内蓋14は、枢支軸11に下端部が支持されて、枢支軸11を中心とした前後揺動により開き状態と閉じ状態に切換え自在に構成されている。
尚、操作部装着枠Bの下方側部分BSには、電池収納ボックス15がコンロ前後幅方向に沿って出退操作自在に設けられており、内蓋14には、電池収納ボックス15を挿脱する挿脱用開口14Aが形成されている。
【0062】
下側操作部カバー7が、枢支軸11にて下端部が支持されて、枢支軸11を中心とした前後揺動により下方側運転操作部MSに対して着脱されるように構成されている。
すなわち、下側操作部カバー7の下端縁部の左右両側に、枢支軸11に外嵌する係合部7aが設けられており、これらの係合部7aが枢支軸11に外嵌することにより、下側操作部カバー7が枢支軸11を中心に前後揺動するように構成されている。
【0063】
図4に示すように、下側操作部カバー7の下端縁部の係合部7aが、一部を開口させたU字状に形成されており、下側操作部カバー7をコンロ前後方向に移動させながら、係合部7aを枢支軸11に対して係脱できるように構成されている。
【0064】
下側操作部カバー7の上方側には、左右一対の弾性変形自在な舌片7bが、後方側に向けて突出する状態で設けられ、それらの舌片7bの先端部には、下方側運転操作部MSの左右の壁部分13に形成した係合孔16に係合自在な係合突起17が設けられている。
そして、開き状態の下側操作部カバー7(
図3参照)を上方側に揺動させるに伴って、舌片7bが、下方側運転操作部MSの左右の壁部分13と内蓋14との間を通して、下方側運転操作部MSの内部に進入し、舌片7bの先端の係合突起17が、下方側運転操作部MSの左右の壁部分13に形成した係合孔16に係合することによって、下側操作部カバー7が、閉じ状態に保持されるように構成されている。
【0065】
尚、閉じ状態の下側操作部カバー7を開き状態に切換え操作する際には、下側張出部分7A等を把持して、下側操作部カバー7を下側に向けて開き操作することにより、舌片7bの先端の係合突起17が、下方側運転操作部MSの左右の壁部分13に形成した係合孔16から外れて、下側操作部カバー7を開き状態に切換えることができる。
【0066】
このように、下側操作部カバー7を開閉できるものであるから、電池収納ボックス15に収納した電池を交換する電池交換作業や、操作部装着枠Bの下方側部分BSの内方側箇所に装備した電子機器等の機器類の点検を行う機器点検作業を行う際等においては、下側操作部カバー7を開き状態にすることになる。
尚、機器点検作業を行う際には、内蓋14を開くことになる。
【0067】
また、下側操作部カバー7の開き状態において、下側操作部カバー7の下端縁部の係合部7aを枢支軸11に対して係脱しながら、下側操作部カバー7を着脱できるものであるから、
図17及び
図18に示すように、調理器本体HをキッチンキャビネットKNに装着する際には、下側操作部カバー7を外しておき、調理器本体HをキッチンキャビネットKNに装着した後において、下側操作部カバー7を、下方側運転操作部MSを覆う状態に装着できる。
【0068】
ちなみに、図示は省略するが、下方側運転操作部MSは、突出位置に復帰付勢され、そして、引退位置に押し移動させることによって、引退位置に自動的に保持され、かつ、引退位置から後方側に少し押し移動させることにより保持が解除されて、突出位置に復帰移動するように構成されることになるが、その構成は周知であるので、本実施形態では説明を省略する。
【0069】
図4及び
図5に示すように、操作部装着枠Bの上方側部分BUの前面部を形成する上方側前壁部分18には、上述の火力切替スイッチSWや、各種の表示ランプ類LPが装備され、また、
図5に示すように、点消火ボタン8としての、大火力用点消火ボタン8C及びグリル用点消火ボタン8Dを前方に突出させるためのボタン挿通口19、及び、火力調節具9としての、大火力用火力調節具9Cを前方に突出させるための調節具挿通口20が形成されている。
【0070】
ちなみに、点消火ボタン8は、
図15及び
図16に示すように、操作部装着枠Bの上方側部分BUの上方側前壁部分18の背部側箇所に、揺動軸心Qを中心に揺動できるように支持されることになる。
そして、本実施形態の点消火ボタン8には、点消火ボタン8が後方側に押し移動されても後方側に移動しないように牽制するチャイルドロック用の牽制部材21が、牽制作用位置と牽制解除位置とに切換え操作自在に装備されて、この牽制部材21が、器具栓スライダ10を押し作用するように構成されているが、本実施形態においては、牽制部材21の構成や牽制部材21を牽制作用状態と牽制解除状態に切換える構成についての説明は省略する。
【0071】
尚、
図3及び
図4に示すように、点消火ボタン8としての、大火力用点消火ボタン8C及びグリル用点消火ボタン8Dの間には、コンロ横幅方向視において、点消火ボタン8の前端側部分と同形状の中間部材22が配設されている。この中間部材22は、操作部装着枠Bとは別体に成型されて、操作部装着枠Bの前面部に組み付けられている。
【0072】
上側操作部カバー6には、
図3及び
図6に示すように、操作部装着枠Bの上方側前壁部分18の構成に対応させて、点消火ボタン8としての、大火力用点消火ボタン8C及びグリル用点消火ボタン8Dをコンロ前方に突出させるボタン用開口25、火力調節具9としての、大火力用火力調節具9Cをコンロ前方に突出させる調節具用開口26、火力切替スイッチSWを挿通させるスイッチ用開口27、及び、複数の表示用開口28等が形成されている。
【0073】
上側操作部カバー6が、操作部装着枠Bの上方側部分BUに対して着脱自在に装備されて、
図17及び
図18に示すように、調理器本体HをキッチンキャビネットKNに装着する際には外しておき、調理器本体HをキッチンキャビネットKNに装着した後において、上方側運転操作部MUを覆う状態に装着できるように構成されている。
また、上側操作部カバー6を操作部装着枠Bの上方側部分BUに対して着脱できるものであるから、操作部装着枠Bの上方側前壁部分18に装着した火力切替スイッチSWや各種の表示ランプ類LP等の点検作業を行う際にも、上側操作部カバー6を操作部装着枠Bの上方側部分BUに対して着脱できるようになっている。
【0074】
(上側操作部カバーの装着構成)
上側操作部カバー6を着脱する構成について説明を加えると、
図8及び
図9に示すように、上側操作部カバー6を操作部装着枠Bの上方側前壁部分18に固定する固定手段Dが、固定状態と固定解除状態とに切換え自在に設けられており、固定手段Dを固定解除状態に切換えることにより、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18から外すことができ、固定手段Dを固定状態に切換えることにより、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18に装着した状態に維持できるように構成されている。
【0075】
すなわち、
図8、
図9及び
図11に示すように、上側操作部カバー6の横幅方向の内方側端部に、上方側前壁部分18の横幅方向の内方側端部に設けた上下一対の内方側係止部31に対して前方側への移動不能に係止される上下一対のカバー側被係止部32が設けられている。
固定手段Dが、
図9、
図12及び
図14に示すように、上方側前壁部分18の横幅方向の外方側端部に設けた上下一対の外方側係止部33(
図5、
図8参照)に対して前方側への移動不能に係止される被係止部34を備えて、被係止部34が外方側係止部33に係止されると固定状態(
図14(b)参照)となり、外方側係止部33による被係止部34の係止が解除されると固定解除状態(
図14(a)参照)となるように構成されている。
【0076】
そして、
図8に示すように、上側操作部カバー6の上下一対のカバー側被係止部32を上方側前壁部分18の上下一対の内方側係止部31に係止させ、その状態で、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18に近づけるように移動させて、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18に密着させ、その密着状態において、被係止部34が外方側係止部33に係止される固定状態に切換えることにより、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18に装着できるように構成されている。
【0077】
また、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18に装着した状態において、外方側係止部33による被係止部34の係止が解除される固定解除状態に切換えた後、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18から離れる側に移動させ、その後、上側操作部カバー6の上下一対のカバー側被係止部32を上方側前壁部分18の上下一対の内方側係止部31から外すことにより、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18から取外すことができるように構成されている。
【0078】
ちなみに、
図6に示すように、上側操作部カバー6の裏面におけるカバー横幅方向の外方側箇所には、上下方向に並ぶ3つの位置決め用の舌片状凸部35、及び、上側操作部カバー6の裏面におけるカバー上下幅方向の中央側箇所には、位置決め用のピン状凸部36が形成されている。
そして、
図5に示すように、操作部装着枠Bの上方側前壁部分18には、舌片状凸部35が嵌合する角状凹部37、及び、ピン状凸部36が嵌合する長孔状凹部38が形成されている。
【0079】
したがって、上側操作部カバー6を上方側前壁部分18に装着した状態においては、舌片状凸部35が角状凹部37に嵌合し、かつ、ピン状凸部36が長孔状凹部38に嵌合することにより、上側操作部カバー6が上方側前壁部分18に対する適正位置に位置決めされるように構成されている。
【0080】
(固定手段の構成)
固定手段Dが、
図9、
図10及び
図14に示すように、上側操作部カバー6における調理器本体Hの横外方に張り出す上側張出部分6Aの背面部に上下方向にスライド自在に装備した固定作用部材41を、固定位置(
図14(b)参照)と固定解除位置(
図14(a)参照)とに上下方向にスライドさせることによって、上述した固定状態と固定解除状態とに切換えるように構成されている。
【0081】
すなわち、
図6及び
図7に示すように、固定作用部材41が上下方向に沿う帯板状に形成され、固定作用部材41には、上述した被係止部34が、横外方に張り出す状態で上下一対設けられている。
尚、被係止部34が、固定作用部材41の左右両側に張り出す状態に設けられて、左方側の運転操作部Mにおける上方側運転操作部MUに対して上側操作部カバー6を装着する際にも、固定作用部材41を兼用できるようになっている。
【0082】
そして、固定作用部材41を固定位置と固定解除位置とにスライド操作する操作部41Aが、固定作用部材41の下端部に連なる状態で設けられている。
つまり、操作部41Aは、固定手段Dを固定状態と固定解除状態とに切換え操作する操作部として機能するものであり、そして、その操作部41Aが、下側操作部カバー7における調理器本体Hの横外方に張り出す下側張出部分7Aの背部側箇所に位置するように構成されている。
【0083】
したがって、固定手段Dを固定状態と固定解除状態とに切換えるべく、固定作用部材41を固定位置と固定解除位置とに切換え操作する際には、下側操作部カバー7を備えた下方側運転操作部MSを突出位置に位置させて、操作部41Aを露出させることにより、操作部41Aの操作を良好に行えるように構成されている。
尚、操作部41Aが、後方側に突出する状態となっているため、詳述はしないが、上述した隙間挿入部材Pには、操作部41Aが突入する凹部が形成されることになる。
【0084】
図6及び
図8に示すように、上側操作部カバー6の上側張出部分6Aの背面部に、固定作用部材41を上側張出部分6Aに保持する保持部として、L字状の6個の保持片42が、固定作用部材41の両横側箇所に、上下方向に沿って3個ずつ並べる状態で設けられている。
図13に示すように、固定作用部材41を固定位置と固定解除位置とに亘るスライド範囲から上方側に外れた装着位置に位置させた状態において、6個の保持片42のうちの上方の4個の保持片42と固定作用部材41の横側縁部の切欠形成した切欠部43(
図7参照)とが対応することにより、6個の保持片42が、上側張出部分6Aの背面部に対する固定作用部材41の遠近方向の移動を許容するように構成されている。
尚、6個の保持片42のうちの下方の2個の保持片42は、操作部41Aの前方に位置する。
【0085】
ちなみに、本実施形態においては、固定作用部材41のスライド範囲の上端側が固定解除位置であり、スライド範囲の下端側が固定位置であるため、装着位置は、固定解除位置よりも上方側の位置となる。
【0086】
装着位置に位置する固定作用部材41を、上側張出部分6Aの背面部に接近させた状態で下方に移動させて、スライド範囲に移動させると、
図14に示すように、固定作用部材41の横側縁部の切欠形成した切欠部43が保持片42から外れた状態となり、6個の保持片42が、固定作用部材41を上側張出部分6Aに保持するように構成されている。
尚、このとき、6個の保持片42のうちの下方の2個の保持片42は、操作部41Aの上端側部分に形成した挿通部41a(
図6、
図7参照)を通過して、固定作用部材41の後面側に位置する状態となる。
【0087】
図6及び
図8に示すように、上側張出部分6Aの背面部に、スライド範囲に位置する固定作用部材41が装着位置に移動することを受け止め阻止する牽制部として、固定作用部材41の左右両側に位置させる状態で一対の起立片44が設けられている。
そして、固定作用部材41に、固定作用部材41を装着位置からスライド範囲に移動させるときには、起立片44との接当により弾性後退変位して、起立片44の装着部を通過し、かつ、スライド範囲に位置する固定作用部材41が装着位置に移動することを起立片44との接当により牽制する弾性変位式の被牽制部として、左右一対の弾性揺動片45が設けられている。
【0088】
一対の弾性揺動片45は、
図14(a)に示すように、自由状態において、スライド範囲に位置する固定作用部材41が装着位置に移動することを起立片44との接当により牽制する牽制姿勢に復帰するものであり、そして、固定作用部材41を装着位置からスライド範囲に移動させるときには、起立片44との接当により、固定作用部材41に接近する側に向けて弾性後退変位して、起立片44の装着部を通過するように構成されている。
ちなみに、
図7及び
図13に示すように、弾性揺動片45の先端部には、起立片44との接当により、弾性揺動片45を固定作用部材41に接近する側に向けて弾性後退変位させるための傾斜部45aが形成されている。
【0089】
ちなみに、本実施形態においては、
図14(a)に示すように、弾性揺動片45と起立片44との接当により、固定作用部材41のスライド範囲の上端側端部(固定解除位置)を規制するように構成され、そして、
図14(b)に示すように、上側張出部分6Aの背面部に形成した上下一対のピン状突起46が、固定作用部材41に形成した長孔状挿通孔47の上端部に接当することにより、固定作用部材41のスライド範囲の下端側端部(固定位置)を規制するように構成されている。
【0090】
また、
図9に示すように、固定作用部材41の上方側部分に、上下両端部が固定作用部材41に接続され且つ左右両側部分が固定作用部材41から分離された弾性変位部48が設けられ、その弾性変位部48の裏面部に、
図7に示すように、位置規制用突部48aが形成されている。
そして、
図10に示すように、上側張出部分6Aの背面部に、固定作用部材41のスライド移動に伴って位置規制用突部48aが接当しながら乗り越える形態で通過自在な突状部49が、固定作用部材41が固定位置と固定解除位置との間の途中に位置するときに、位置規制用突部48aと接当する位置に位置させた状態で設けられている。
【0091】
したがって、本実施形態においては、ピン状突起46と長孔状挿通孔47の端部との接当、及び、位置規制用突部48aと突状部49との接当により、固定作用部材41を固定位置に相当する位置に保持できるように構成され、弾性揺動片45と起立片44との接当、及び、位置規制用突部48aと突状部49との接当により、固定作用部材41を固定解除位置に相当する位置に保持できるように構成されている。
【0092】
以上の通り、本実施形態においては、上方側運転操作部MUを覆う状態に上側操作部カバー6を固定する固定手段Dに対する操作部41Aが、下側操作部カバー7における調理器本体Hの横外方に張り出す下側張出部分7Aの背部側箇所に位置されているから、下方側運転操作部MSを突出位置に位置させると、固定手段Dの操作部41Aが露出するものとなり(
図2参照)、そして、下方側運転操作部MSを引退位置に位置させると、固定手段Dの操作部41Aが下側操作部カバー7の下側張出部分7Aにて覆われるものとなる(
図1参照)。
【0093】
したがって、固定手段Dの操作部41Aを操作するときには、下方側運転操作部MSを突出位置にすることにより、露出した固定手段Dの操作部41Aを良好に操作することができ、そして、固定手段Dの操作部41Aを操作しないときには、下方側運転操作部MSを引退位置に位置させることにより、固定手段Dの操作部41Aを下側操作部カバー7の下側張出部分7Aにて覆うことによって、調理器本体Hの前面部の外観を美麗にできる。
【0094】
ちなみに、固定手段Dの操作部41Aを操作するためではなく、下方側運転操作部MSを操作するために、下方側運転操作部MSを突出位置に位置させたときにも、固定手段Dの操作部41Aが露出するものとなるが、固定手段Dの操作部41Aは、下方側運転操作部MSの横外方に位置するものであるから、固定手段Dの操作部41Aが露出する状態となっても、下方側運転操作部MSや上方側運転操作部MUを操作する使用者によって、固定手段Dの操作部41Aが誤操作される虞は少ないものとなる。
【0095】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0096】
(1)上記実施形態においては、調理器本体Hの前面部における左右両側の横端部側部分に、上方側運転操作部MUと下方側運転操作部MSとが並設される場合を例示したが、調理器本体Hの前面部における左右両側のうちの一方側の横端部側部分にのみ、上方側運転操作部MUと下方側運転操作部MSとが並設される場合にも、本発明は適用できるものである。
【0097】
(2)上記実施形態においては、操作部41Aによって、固定手段Dを固定状態と固定解除状態とに操作する場合を例示したが、固定手段Dが固定状態に復帰付勢されて、上側操作部カバー6を上方側運転操作部MUに装着するに伴って、固定手段Dが自動的に固定状態になるように構成される場合には、操作部41Aは、固定手段を固定状態から固定解除状態に操作することのみに使用されることになる。
【0098】
(3)上記実施形態では、固定手段Dとして、上側操作部カバー6における調理器本体Hの横外方に張り出す上側張出部分6Aの背面部に、固定作用部材41を上下スライド自在に装備する形態の固定手段Dを例示したが、固定手段Dの具体構成は各種変更できる。
【0099】
(4)上記実施形態では、下方側運転操作部MSが、下端部を中心とした前後揺動によって、引退位置と突出位置とに切換えられる場合を例示したが、例えば、下方側運転操作部MSを前後方向にスライド移動自在に支持して、そのスライド移動によって、引退位置と突出位置とに切換えるようにする等、下方側運転操作部MSを引退位置と突出位置とに切換える形態は各種変更できる。
【0100】
(5)上記実施形態では、後方上方側の揺動軸心Qを中心にして揺動する点消火ボタン8を装備する形態のガスコンロGCを例示したが、前後にスライド移動する点消火用の操作具を装備する形態や、回動操作式の点消火用の操作具を装備する形態等、各種の形態のガスコンロGCに対して本発明は適用できるものである。
【0101】
(6)上記実施形態では、加熱調理器として、加熱手段としてコンロバーナ1やグリルバーナを備えるガスコンロGCを例示したが、加熱手段として電磁誘導加熱部を備えた電磁調理器にも本発明は適用できるものである。