特許第5727596号(P5727596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5727596流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5727596
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 7/06 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   G05D7/06 Z
【請求項の数】5
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-513905(P2013-513905)
(86)(22)【出願日】2012年4月5日
(86)【国際出願番号】JP2012002395
(87)【国際公開番号】WO2012153455
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2013年7月2日
(31)【優先権主張番号】特願2011-105265(P2011-105265)
(32)【優先日】2011年5月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】平田 薫
(72)【発明者】
【氏名】杉田 勝幸
(72)【発明者】
【氏名】土肥 亮介
(72)【発明者】
【氏名】西野 功ニ
(72)【発明者】
【氏名】池田 信一
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−246826(JP,A)
【文献】 特開2007−095042(JP,A)
【文献】 特開2009−277240(JP,A)
【文献】 特開2005−149075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 7/00−7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(1)又は(2)に記載の流量モニタ付圧力式流量制御装置を配管路へ取付けしたあと、先ずNガスを導入して圧力式流量制御部の制御流量出力Aと熱式流量モニタ部のモニタ流量出力B´との対比を行い、両者の差異が許容範囲内の場合には、次に実ガスを導入して各設定流量値に於ける熱式流量モニタ部のモニタ流量出力B´の初期値を検出並びにメモリした後、圧力式流量演算部の制御流量出力Aに対する熱式流量モニタ部のモニタ流量出力B´の対比を行い、両者の差異が許容範囲内にあれば、実ガスモニタ流量出力B´を出力すると共に、前記初期値メモリを有効なメモリとするようにした、流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法。
(1)流体の入口側通路と,入口側通路の下流側に接続した圧力式流量制御部を構成するコントロール弁と,コントロール弁の下流側に接続した熱式流量センサと,熱式流量センサの下流側に連通する流体通路に介設したオリフィスと,前記コントロール弁とオリフィスの間の流体通路近傍に設けた温度センサと,前記コントロール弁とオリフィスの間の流体通路に設けた圧力センサと,前記オリフィスに連通する出口側通路と,前記圧力センサからの圧力信号及び温度センサからの温度信号が入力され、オリフィスを流通する流体の流量値Qを演算すると共に演算した流量値と設定流量値との差が減少する方向に前記コントロール弁を開閉作動させる制御信号Pdを弁駆動部へ出力する圧力式流量演算制御部及び前記熱式流量センサからの流量信号が入力され、当該流量信号からオリフィスを流通する流体流量を演算表示する流量センサ制御部とから成る制御部と,から構成したことを特徴とする流量モニタ付圧力式流量制御装置。
(2)流体の入口側通路と,入口側通路の下流側に接続した圧力式流量制御部を構成するコントロール弁と,コントロール弁の下流側に接続した熱式流量センサと,熱式流量センサの下流側に連通する流体通路に介設したオリフィスと,前記コントロール弁とオリフィスの間の流体通路の近傍に設けた温度センサと,前記コントロール弁とオリフィスの間の流体通路に設けた圧力センサ(5)と,前記オリフィスに連通する出口側通路と,前記オリフィスの下流側の出口側通路に設けた圧力センサ(17)と,前記圧力センサ(5)及び圧力センサ(17)からの圧力信号及び温度センサからの温度信号が入力され、オリフィスを流通する流体の臨界膨張条件の監視やオリフィスを流通する流体の流量値Qを演算すると共に、演算した流量値と設定流量値との差が減少する方向に前記コントロール弁を開閉作動させる制御信号Pdを弁駆動部へ出力する圧力式流量演算制御部及び前記熱式流量センサからの流量信号が入力され、当該流量信号からオリフィスを流通する流体流量を演算表示する流量センサ制御部とから成る制御部と,から構成したことを特徴とする流量モニタ付圧力式流量制御装置。
【請求項2】
ガスを導入後、Nガスを用いて流量自己診断を行い、装置に異常が無いことを確認するようにした、請求項1に記載の流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法。
【請求項3】
実ガスを導入後、実ガスを用いて流量自己診断を行い、装置及び実ガスに異常が無いことを確認するようにした、請求項1又は請求項2に記載の流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法。
【請求項4】
ガス導入前及び/又は実ガス導入前において真空引きを行い、流量モニタ付圧力式流量制御装置の圧力センサ及び熱式流量センサの自動零点調整をするようにした、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法。
【請求項5】
予め定めた複数の圧力式流量制御部の設定流量毎に、熱式流量センサの流量出力を出力開始から予め定めた待ち時間t後に計測し、自動補正された前記計測値をメモリ又は確認するようにした請求項1に記載の流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法の改良に関するものであり、オリフィスを用いた圧力式流量制御装置に熱式質量流量センサを有機的に組合せすることにより、リアルタイムで作動中の圧力式流量制御装置の制御流量をモニタできると共に、流量制御の応答性や流量制御精度を高められるようにした流量モニタ付圧力式流量制御装置の実ガスモニタ流量初期値のメモリ方法及び実ガスモニタ流量の出力確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前から半導体制御装置用ガス供給装置では、オリフィスを用いた圧力式流量制御装置FCSが広く利用されている。
この圧力式流量制御装置FCSは、図16に示すようにコントロール弁CV、温度検出器T、圧力検出器P、オリフィスOL及び演算制御部CD等から構成されており、その演算制御部CDは、温度補正・流量演算回路CDa、比較回路CDb、入出力回路CDc及び出力回路CDd等から構成されている。
【0003】
前記圧力検出器P及び温度検出器Tからの検出値はディジタル信号に変換されて温度補正・流量演算回路CDaへ入力され、ここで検出圧力の温度補正及び流量演算が行われたあと、流量演算値Qtが比較回路CDbへ入力される。また、設定流量の入力信号QSが端子Inから入力され、入出力回路CDcでディジタル値に変換されたあと比較回路CDbへ入力され、ここで前記温度補正・流量演算回路CDaからの流量演算値Qtと比較される。そして、設定流量入力信号Qsが流量演算値Qtより大きい場合には、コントロール弁CVの駆動部へ制御信号Pdが出力され、コントロール弁CVが開放方向へ駆動されて、設定流量入力信号Qsと演算流量値Qtとの差(Qs−Qt)が零となるまで開弁方向へ駆動される。
【0004】
圧力式流量制御装置FCSそのものは上述の通り公知であるが、オリフィスOLの下流側圧力P(即ち、プロセスチャンバ側の圧力P)とオリフィスOLの上流側圧力P(即ち、コントロール弁CVの出口側の圧力P)との間にP/P≧約2の関係(所謂臨界膨張条件)が保持されている場合には、オリフィスOLを流通するガスGoの流量QがQ=KP(但しKは定数)となり、圧力Pを制御することにより流量Qを高精度で制御できると共に、コントロール弁CVの上流側のガスGoの圧力が大きく変化しても、制御流量値が殆ど変化しないと云う、優れた特徴を有している。
【0005】
しかし、従前の圧力式流量制御装置FCSは、微小な穴径のオリフィスOLを使用しているため、オリフィスOLの穴径が経年変化を起す可能性がある。その結果、圧力式流量制御装置FCSによる制御流量値と現実に流通するガスGoの実流量との間に差異を生ずることになり、これを検出するために所謂流量モニタを頻繁に行う必要があって、半導体製造装置の稼働性や製造した半導体の品質等に大きな影響を与えるという問題がある。
【0006】
そのため、従来から、熱式質量流量制御装置や圧力式流量制御装置の分野に於いては、流量制御が適正に行われているか否かをリアルタイムで簡単にモニタできるようにした流量制御装置の開発が進められている。例えば、図17及び図18はその一例を示すものであり、この質量流量制御装置(マスフローコントローラ)20は流路23と、上流側圧力の第1圧力センサ27aと、開閉制御弁24と、その下流側に設けた熱式質量流量センサ25と、その下流側に設けた第2圧力センサ27bと、第2圧力センサ27bの下流側に設けた絞り部(音速ノズル)26と、演算制御部28aと、入出力回路28b等から構成されている。
【0007】
前記熱式質量流量センサ25は流路23内に挿入された整流体25a、この流路23からF/Aの流量だけ分岐する分岐流路25bと、分岐流路25bに設けたセンサ本体25cとを有し、総流量Fを示す流量信号Sfを出力する。
また、絞り部26は、その一次側と二次側における圧力差が所定値以上であるときに一次側の圧力に応じた流量の流体を流す音速ノズルである。尚、図17及び図18に於いて、SPa、SPbは圧力信号、Pa、Pbは圧力、Fは流量、Sfは流量信号、Cpは弁開度制御信号である。
【0008】
前記演算制御部28aは、圧力センサ27a、27bからの圧力信号Spa、Spbおよび流量センサ25からの流量制御信号Sfをフィードバックして弁開度制御信号Cpを出力することで開閉弁24をフィードバック制御する。即ち、演算制御部28aへは入出力回路28bを介して流量設定信号Fsが入力され、質量流量制御装置20に流れる流体の流量Fが流量設定信号Fsに合うように調整される。具体的には、演算制御部28aが第2圧力センサ27bの出力(圧力信号Spb)を用いて開閉制御弁24をフィードバックしてその開閉を制御することにより、音速ノズル26を流れる流体の流量Fを制御すると共に、このときの熱式流量センサ25の出力(流量信号Sf)を用いて、実際に流れている流量Fの測定を行い、質量流量制御装置20の動作を確認するものである。
【0009】
ところで前記図17及び図18に示した型式の質量流量制御装置20に於いては、流量制御を行うための第2圧力センサ27bを用いた圧力式流量測定と、流量の監視を行うための熱式流量センサ25を用いた流量測定という二種の測定方式を演算制御部8aに組み込みしているため、制御流量(設定流量Fs)の流体が実際に流れているか否か、即ち制御流量と実流量と間に差があるか否かを簡単且つ確実にモニタすることができ、高い実用的効用を奏するものである。
【0010】
しかし、当該図17及び図18に示した質量流量制御装置20にも解釈すべき問題が多く残されている。
第1の問題は、演算制御部28aが、第2圧力センサ27bの出力SPbと熱式流量センサ25の流量出力Sfの両信号を用いて開閉制御弁24を開閉制御すると共に、第1圧力センサ27aの出力SPaを用いて熱式流量センサ25の流量出力Sfを補正する構成としており、第1圧力センサ27a及び第2圧力センサ27bの二つの圧力信号と熱式流量センサ25からの流量信号との三つの信号を用いて、開閉制御弁24の開閉制御を行うようにしている。
そのため、演算制御部28aの構成が複雑になるだけでなく、圧力式流量制御装置FCSとしての安定した流量制御特性や優れた高応答性が逆に低減されてしまうと云う問題がある。
【0011】
第2の問題点は、開閉制御弁24に対する熱式流量センサ25の取付位置が変ることにより、即ち、図17図18の質量流量制御装置20では、開閉制御弁24の開閉時の熱式流量センサ25の応答性、機器本体内のガス置換性及び真空引き特性が大きく変ると共に、質量流量制御装置20の小型化が図り難いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第4137666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本願発明は、図17及び図18に示した特許第4137666号の音速ノズルを用いた質量流量制御装置に於ける上述の如き問題、即ち、第1及び第2圧力センサ27a、27bの圧力信号と熱式流量センサ25の流量信号との2種類の異なる信号を用いて開閉制御弁24の開閉制御を行うようにしているため、演算制御部28aの構成が複雑化するだけでなく、圧力式流量制御装置が有する優れた応答特性や安定した流量制御特性が減殺される虞れがあること、質量流量制御装置20の大型化が避けられず、ガス置換性の低下や真空引き時間が長くなること等の問題を解決し、オリフィスを用いた圧力式流量制御装置FCSの流量制御部と、熱式流量センサを用いた熱式流量モニタ部とを一体に組み合せしたうえ、流量制御と流量モニタを夫々独立して行うようにすることにより、圧力式流量制御装置の優れた流量特性をフルに活用すると共に、熱式流量センサによる流量モニタをリアルタイムで行え、しかも演算制御部の簡素化、機器本体部の大幅な小型化によるガス置換性の向上等を可能にした流量モニタ付圧力式流量制御装置を提供するものである。
【0014】
また、本願発明は、流量モニタ付圧力式流量制御装置の本体構造に改良を加えると共に、流量制御装置本体内を流れる流体流量(即ち、熱式流量モニタ部1bで検出された流量)を、流量制御装置本体内の流体流路に於ける制御圧の傾きを用いて、圧力式流量制御装置1aで検出される流体流量に換算し、熱式流量センサ部1bの検出流量と圧力式流量制御部1aの検出流量との間の差異を補正することにより、モニタ流量精度を高めるようにした流量モニタ付圧力式流量制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願発明者等は、先ずオリフィスを用いた圧力式流量制御装置をベースにし、これの流量モニタをリアルタイムで行うために図6及び図7の点線枠内のような二種の構成のオリフィスを用いた流量モニタ付圧力式流量制御装置を構想した。
図6及び図7に於いて、1は流量モニタ付圧力式流量制御装置、2は熱式流量センサ、3はコントロール弁、4は温度センサ、5は圧力センサ、6はオリフィス、7は制御部、8は入口側流路、9は出口側流路、10は装置本体内の流体通路であり、図6に於ける熱式流量センサ2とコントロール弁3の取付位置を入れ替えしたものが図7の流量モニタ付圧力式流量制御装置である。
【0016】
尚、流量制御方式としてオリフィスを用いた圧力式流量制御装置を採用したのは、流量制御特性が良好なこと及びこれ迄の使用実績が多いこと等がその理由である。
また、熱式流量センサ2を流量モニタ用センサとしたのは、主として流量センサとしての使用実績と流量センサとしての優れた特性のためであり、また、リアルタイム測定の容易性、ガス種の変化に対する対応性、流量測定精度、使用実績等が他の流量測定センサよりも高い点を勘案した結果である。更に、オリフィスを用いた圧力式流量制御装置の装置本体内の流体通路10に熱式流量センサ2を一体的に組み付けしたのは、流量モニタが行い易く且つ流量モニタ付き圧力式流量制御装置の小型化が図り易いからである。
【0017】
即ち、上記図6及び図7に示した構成のオリフィスを用いた流量モニタ付圧力式流量制御装置1は、圧力制御式流量制御を基本とするものであり、供給圧力変動の影響を受けないこと、オリフィス上流側の圧力降下特性を利用してオリフィスの異常検知が可能なこと、装置本体に内蔵の圧力センサで供給圧力のモニタが可能なこと及び熱式流量センサで流量の連続監視が可能なこと、等の特徴を具備するものである。
【0018】
一方、問題点としては、先ず第1に、供給圧力の変化による熱式流量センサの出力の変動が考えられる。即ち、供給圧力の変化によって熱式流量センサの出力が変動するため、供給圧力変化時は制御流量との誤差が発生する可能性ある。そのため、熱式流量センサの応答性を遅延させて供給圧変化による出力変動を緩和する、等の対応が必要になる。
【0019】
第2の問題はゼロ点調整時の条件の点である。一般にゼロ点調整は、圧力センサでは真空引き下で実施され、また、流量センサでは封止状態下で実施される。従って、間違った条件下でゼロ調整が実施されないようにプロテクトする必要がある。
【0020】
第3の問題は、熱式流量センサのサーマルサイフォンの現象である。即ち、熱式流量センサの搭載により、設置方向を予め決めておくことが必要となり、その結果、ガスボックスの設計と並行して、圧力式流量制御装置の設置方向を検討する必要がある。
【0021】
第4の問題は、実ガス流量の校正の点である。一般に流量の測定に於いては、同一流量であってもガス種により、熱式流量センサや圧力式流量制御装置の流量出力値が異なって来る。その結果、当該圧力式流量制御装置の使用現場において熱式流量センサのコンバージョン・ファクタ(C.F値)や圧力式流量制御装置のフローファクタ(F.F値)を自動演算するシステムを付加する必要がある。
【0022】
第5の問題は、制御流量が異常時の対応である。現在の圧力式流量制御装置では、アラーム及び制御流量の誤差等がディスプレイ上に表示されるが、圧力式流量制御装置と熱式流量センサによるモニタ流量との出力差が所定のしきい値を越えると、異常と判断するシステムが必要になる。
【0023】
そこで、本願発明者等は、先ず図6及び図7の各流量モニタ付圧力式流量制御装置1について、新たに組み込みした熱式流量センサ2についてのその各種特性の評価試験を実施した。
【0024】
即ち、図6及び図7の如く、N容器から成る流体供給源11、圧力調整器12、パージ用バルブ13、入力側圧力センサ14を入口側流路8へ接続すると共に、データロガ(NR500)15を制御部7に接続し、更に、出口側流路9を真空ポンプ16により真空引きするようにした特性評価系を構成し、当該特性評価系を用いて、熱式流量センサ2のステップ応答特性、モニタ流量精度、供給圧変動特性、繰り返し再現性を評価した。
【0025】
上記ステップ応答特性は、所定の流量設定のステップ入力に対する熱式流量センサ出力の応答性を評価するものであり、設定流量を100%(フルスケール)F.S.=1000sccm)から20%、50%、100%にステップ変化させた場合の出力応答を評価した。図8図9及び図10は設定流量20%、50%、100%の場合のデータロガ15における圧力式流量制御装置1の流量設定入力A及びその時の流量出力Aと、熱式流量センサ出力B図6の場合)、熱式流量センサ出力B図7の場合)の測定結果を示すものである。
【0026】
図8図10からも明らかなように、熱式流量センサ2の出力は設定開始から約4sec以内で、設定出力の±2%以内に収束することが確認された。
【0027】
前記モニタ流量精度は、各流量設定から設定値をS.P.単位でずらしたときの、熱式流量センサ出力の変化量を測定評価したものであり、誤差設定条件は−0.5%S.P.、−1.0%S.P.、−2.0%S.P.及び−3.0%S.P.としている。
【0028】
図11及び図12からも明らかなように、熱式流量センサ2のモニタ流量精度は流量設定に応じて、セットポイント(S.P.)単位で変化して行くことが判明した。
【0029】
前記供給圧変動特性は、一定流量制御時に供給圧を変動させた場合の熱式流量センサ出力の変動状態を示すものであり、流量設定を50%とし且つ供給圧の変動条件を50kPaGとして測定した。
【0030】
図13はその測定結果を示すものであり、熱式流量センサ2をコントロール弁3の上流側(一次側)に設置した場合(図6の場合)には、供給圧変動による熱式流量センサ2の流量出力の変化は±0.5%F.S./divの範囲をはるかに越えるが、コントロール弁3の下流側(二次側)に設置した場合(図7の場合)には、流量出力の変化が±0.5%F.S./divの範囲内に納まること、即ちガス供給圧の変動の影響を受け難いことが判明した。
【0031】
前記繰返し再現性は、流量設定を20%及び100%として0%から設定流量までを繰返し入力し、熱式流量センサ出力B、Bの再現性を測定したものである。
【0032】
図14及び図15からも明らかなように、熱式流量センサ出力の繰り返し再現性は±1%F.S.及び0.2%F.S.の範囲内にあり、規則正しい正確な再現性を示すことが判明した。
【0033】
尚、前記図6及び図7に於いて使用した熱式流量センサ2は株式会社フジキン製のFCS-T1000シリーズに搭載されるセンサであり、所謂熱式質量流量制御装置(マスフローコントローラ)の熱式流量センサとして汎用されているものである。
【0034】
前記熱式流量センサ2に対する図6及び図7に基づく各評価試験(即ちステップ応答特性、モニタ流量精度特性、供給圧変動特性及び繰り返し再現性特性)の結果から、本願発明者等は、熱式流量センサ2の取付位置は、ステップ応答特性、モニタ流量精度特性及び繰返し再現性特性の点では、コントロール弁3の上流側(一次側)であっても下流側(二次側)であってもその間に優劣は無いが、供給圧変動特性の点から、熱式流量センサ2は圧力式流量制御装置のコントロール弁3の下流側(2次側)に設けるのが望ましい、即ち図7の構成とする方が望ましいことを見出した。
【0035】
また、本願発明者等は、熱式流量センサ2をコントロール弁3の下流側(2次側)に設けた場合には、コントロール弁3とオリフィス6間の内容積が大きくなることにより、ガスの置換性が低下することになり、小流量型の圧力式流量制御装置の場合には圧力降下特性が遅くなり(即ち、ガス抜け特性が悪化する)、これ等の点が問題となることを見出した。
【0036】
而して、上記図6乃至図10に示した各評価試験は、何れも最大制御流量が1000SCCMの流量モニタ付圧力式流量制御装置を用い且つ流体供給圧を350kPaGとした場合の結果であり、流量モニタ付圧力式流量制御装置の最大制御流量(フルスケール流量)が1000SCCM以外の場合については、どのような応答特性が得られるかが不明である。
そこで、本願発明者等は、図7に示した評価試験装置を用いて、最大制御流量が2000SCCM(以下F.S.2SLMと呼ぶ)及び最大制御流量が100SCCM(以下F.S.100SCCMと呼ぶ)の流量モニタ付圧力式流量制御装置を用いて、供給圧力300kPaGにおける応答特性試験を行った。
【0037】
図19は、制御流量設定を0−50−0%とした場合の応答試験結果を示すものであり、F.S.2SLMのモニタ付圧力式流量制御装置を用い、流体供給圧を300kPaG(N)とした場合の結果である。図19からも明らかなように、図1に於ける熱式流量制御部1bの出力B(即ち、熱式流量センサ2により検出したリアルタイムモニタ流量)は、検出開始から1秒間以内に安定検出値に達し、F.S.2SLMの場合には所謂オーバーシュート現象が見られない。
【0038】
一方、図20は、制御流量設定を0−50−0%とした場合のF.S.100SCCMの試験結果を示すものであり、熱式流量制御部1bの出力B(リアルタイムモニタ流量)は1秒間以内で安定検出値に達するが、過渡的に相当に大きなオーバーシュート(流れ込み)が発生する。
このように、流量容量の小さな圧力式流量制御部1aの場合には、熱式流量モニタ制御部1bの検出値にオーバーシュートが発生し、モニタ流量値の測定精度が低下すると云う問題があることが判明した。
【0039】
そこで、本願発明者等は、上記熱式流量制御部1bの検出値に過渡的なオーバーシュートが生ずる原因とその防止策を検討し、流量モニタ付圧力式流量制御装置本体の構造を、内部の流体通路容積(即ち図7に於けるコントロールバルブ3とオリフィス6間の通路容積)が可能な限り小さくなるようにした構造にすると共に、コントロールバルブ3とオリフィス6間の流体通路の制御圧力の傾きを用いて熱式流量制御部1bの検出値を補正することにより、熱式流量制御部1bと圧力式流量制御部1a間の検出流量差を減少させることを着想した。
【0040】
更に、流量モニタ付圧力式流量制御装置をガス供給装置等へ取付けした場合には、モニタ流量自己診断の基準となるガス種に応じた熱式流量制御部1bの所謂実ガス出力初期値(以下、実ガスMFM出力初期値と呼ぶ)をメモリさせる必要がある。
そのため、本願発明者等は、流量モニタ付圧力式流量制御装置を置き換えした場合をも含めて、流量モニタ付圧力式流量制御装置を実機取付けした場合の実ガスMFM出力初期値のメモリ手順を検討し、併せて実ガスMFM出力の確認方法等についても検討をし、実ガスMFM出力の初期値メモリ及び実ガスMFM出力の確認の自動化を図ることを着想した。
【0041】
本願請求項1乃至請求項5の発明は、本願発明者等の上記各評価試験の結果を基にして創作されたものであり、請求項1の発明は、下記の(1)又は(2)に記載の流量モニタ付圧力式流量制御装置を配管路へ取付けしたあと、先ずNガスを導入して圧力式流量制御部1aの制御流量出力Aと熱式流量モニタ部1bのモニタ流量出力B´との対比を行い、両者の差異が許容範囲内の場合には、次に実ガスを導入して各設定流量値に於ける熱式流量モニタ部1bのモニタ流量出力の初期値を検出並びにメモリした後、実ガス流量自己診断結果から圧力式流量演算部1aの制御流量出力Aに対する熱式流量モニタ部1bのモニタ流量出力B´の対比を行い、両者の差異が許容範囲内にあれば、実ガスモニタ流量出力B´を出力すると共に、前記初期値メモリを有効なメモリとすることを発明の基本構成とするものである。
(1)流体の入口側通路8と,入口側通路8の下流側に接続した圧力式流量制御部1aを構成するコントロール弁3と,コントロール弁3の下流側に接続した熱式流量センサ2と,熱式流量センサ2の下流側に連通する流体通路10に介設したオリフィス6と,前記コントロール弁3とオリフィス6の間の流体通路10の近傍に設けた温度センサ4と,前記コントロール弁3とオリフィス6の間の流体通路10に設けた圧力センサ5と,前記オリフィス6に連通する出口側通路9と,前記圧力センサ5からの圧力信号及び温度センサ4からの温度信号が入力され、オリフィス6を流通する流体の流量値Qを演算すると共に演算した流量値と設定流量値との差が減少する方向に前記コントロール弁3を開閉作動させる制御信号Pdを弁駆動部3aへ出力する圧力式流量演算制御部7a及び前記熱式流量センサ2からの流量信号2cが入力され、当該流量信号2cからオリフィス6を流通する流体流量を演算表示する流量センサ制御部7bとから成る制御部7と,から構成した流量モニタ付圧力式流量制御装置。
(2)流体の入口側通路8と,入口側通路8の下流側に接続した圧力式流量制御部1aを構成するコントロール弁3と,コントロール弁3の下流側に接続した熱式流量センサ2と,熱式流量センサ2の下流側に連通する流体通路10に介設したオリフィス6と,前記コントロール弁3とオリフィス6の間の流体通路10の近傍に設けた温度センサ4と,前記コントロール弁3とオリフィス6の間の流体通路10に設けた圧力センサ5と,前記オリフィス6に連通する出口側通路9と,前記オリフィス6の下流側の出口側通路9に設けた圧力センサ17と,前記圧力センサ5及び圧力センサ17からの圧力信号及び温度センサ4からの温度信号が入力され、オリフィス6を流通する流体の臨界膨張条件の監視やオリフィス6を流通する流体の流量値Qを演算すると共に、演算した流量値と設定流量値との差が減少する方向に前記コントロール弁3を開閉作動させる制御信号Pdを弁駆動部3aへ出力する圧力式流量演算制御部7a及び前記熱式流量センサ2からの流量信号2cが入力され、当該流量信号2cからオリフィス6を流通する流体流量を演算表示する流量センサ制御部7bとから成る制御部7と,から構成した流量モニタ付圧力式流量制御装置。
【0042】
請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、ガスを導入後、Nガスを用いて流量自己診断を行い、装置に異常が無いことを確認するようにしたものである。
【0043】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、実ガスを導入後、実ガスを用いて流量自己診断を行い、装置及び実ガスに異常が無いことを確認するようにしたものである。
【0044】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかの発明に於いて、Nガス導入前及び/又は実ガス導入前において、真空引きを行い流量モニタ付圧力式流量制御装置の圧力センサ5及び熱式流量センサ2の自動零点調整をするようにしたものである。
【0045】
請求項5の発明は、請求項1の発明に於いて、予め定めた複数の圧力式流量制御部の設定流量毎に、熱式流量センサの流量出力を出力開始から予め定めた待ち時間t後に計測し、自動補正された前記計測値をメモリ又は確認するようにしたものである。
【発明の効果】
【0046】
本願発明に於いては、流量モニタ付圧力式流量制御装置を圧力式流量制御部1aと熱式流量モニタ部1bとから形成し、熱式流量モニタ部1bの熱式流量センサ2を圧力式流量制御部1aのコントロール弁3の下流側に位置せしめて有機的に一体化させると共に、制御部7の方は、圧力式流量制御部1aのコントロール弁3の開閉駆動を制御する圧力式流量演算制御部7aと、熱式流量モニタ部1bの前記熱式流量センサ2からの流量信号によりオリフィス6を流通する実流体流量を演算表示する流量センサ制御部7bとを、相互に独立した状態で一体化することにより構成している。
【0047】
また、本願発明に於いては、前記流量センサ制御部7bに、熱式流量センサからの流量信号に基づいて演算したモニタ流量信号Bを補正するモニタ流量出力補正回路Hを設け、当該モニタ流量出力補正回路Hにより前記モニタ流量Bを流体制御圧の傾きΔP/Δtを用いてB´=B−C・ΔP/Δt(ただし、Cは変換係数)に補正し、補正後のモニタ流量B´をモニタ流量信号として出力する構成のとしている。
【0048】
その結果、単純な構成の制御部7でもって、簡単且つ正確に、しかも安定した圧力式流量制御を行うことができると共に、熱式流量センサ2による流量モニタを連続的に正確に且つリアルタイムで行うことができる。
【0049】
また、熱式流量センサ2をコントロール弁3の下流側に位置させると共に、コントロール弁3や熱式流量センサ2等の各機器本体を一つのボディに一体的に組み付けする構成としているため、装置本体の内部空間容積が大幅に減少し、ガスの置換性や真空引きの特性が悪化することもない。
【0050】
更に、流体供給源側の流体圧力に変動があっても、熱式流量センサ2の出力特性に大きな変動が発生せず、結果として流体供給側の圧力変動に対して安定した流量モニタと流量制御が行える。
【0051】
本発明の流量モニタ付圧力式流量制御装置では、装置本体30を4個の本体ブロックを組合せすることにより形成すると共に、各ブロック体に必要な流体通路等を形成し、更に第1ブロック体30aにコントロール弁3を、第2ブロック体30bと第1ブロック体30aの間にプレフィルタ29を、第3ブロック本体3cに層流素子2dとオリフィス6を収納し、各ブロック本体30a〜30d相互間を気密に連結する構成としているため、ボディ体30の小型化及びコントロール弁3の出口側とオリフィス6上流側の流体通路10の内容積(長さ及び断面積)の大幅な削減が可能となり、熱式流量センサ2のオーバーシュートが低減すること等により流量制御の応答性が向上すると共に、制御精度の大幅な向上が可能となる。
【0052】
また、熱式流量センサ2のモニタ流量出力補正回路Hを設け、これにより、モニタ流量検出値Bを、ボディ体30内の流体通路10に於ける制御圧力の傾きΔP/Δtを用いて補正し、この補正後のモニタ流量検出値B´をもってモニタ流量の適否を判断するようにしているため、より精度の高い且つ高応答性の流量モニタ及び流量制御を行うことができる。
【0053】
更に、熱式流量センサ2のモニタ流量出力補正回路Hにより補正したモニタ流量出力B´を初期メモリ値としているため、より精度の高い実ガスモニタ流量自己診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明の実施形態に係るオリフィスを利用した流量モニタ付圧力式流量制御装置の構成概要図である。
図2】流量モニタ付圧力式流量制御装置の他の例を示す構成概要図である。
図3】流量モニタ付圧力式流量制御装置の更に他の例を示す構成概要図である。
図4】熱式流量センサの構成の説明図である。
図5】熱式流量センサの動作原理の説明図である。
図6】本願発明者が着想した流量モニタ付圧力式流量制御装置の第1構想図である。
図7】本願発明者が着想した流量モニタ付圧力式流量制御装置の第2構想図である。
図8】熱式流量センサのステップ応答特性を示す曲線である(設定流量20%の場合)。
図9】熱式流量センサのステップ応答特性を示す曲線である(設定流量50%の場合)。
図10】熱式流量センサのステップ応答特性を示す曲線である(設定流量100%の場合)。
図11】熱式流量センサのモニタ流量精度特性を示す曲線である(設定流量100〜97%設定の場合)。
図12】熱式流量センサのモニタ流量精度特性を示す曲線である(設定流量20.0〜19.4%設定の場合)。
図13】熱式流量センサの供給圧変動特性を示す曲線である(設定流量50%の場合)。
図14】熱式流量センサの繰返し再現性特性を示す曲線である(設定流量100%の場合)。
図15】熱式流量センサの繰返し再現性特性を示す曲線である(設定流量20%の場合)。
図16】オリフィスを用いた圧力式流量制御装置の構成図である。
図17】特許第4137666号の第1実施例に係る質量流量制御装置の構成説明図である。
図18】特許第4137666号の第2実施例に係る質量流量制御装置の構成説明図である。
図19】流量容量2000SCCMの流量モニタ付圧力式流量制御装置の応答特性の一例を示すものであり、流量設定を0−50−0%とした場合の流量設定値A、流量出力A、熱式流量センサのモニタ流量出力Bを示すものである。
図20】流量容量100SCCMの流モニタ付圧力式流量制御装置の応答特性の一例を示すものであり、流量設定を0−50%とした場合を示すものである。
図21】流量モニタ付圧力式流量制御装置の構造を示す概要図であり、(a)は縦断正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
図22】熱式流量センサのモニタ流量出力補正回路のブロック構成図である。
図23】流量容量100SCCM、N2ガス供給圧300KPaGの場合のモニタ流量出力補正回路Hを用いた装置の応答特性の一例を示すものである(0→20→0%及び20→40→20%)。
図24図23の装置に於ける40→60→40%及び60→80→60%の応答特性を示すものである。
図25図23の装置に於ける80→100→80%及び0→100→0%の応答特性を示すものである。
図26】流量容量2000SCCMのモニタ流量出力補正回路Hを設けた流量モニタ付圧力式流量制御装置のNガスに対する流量制御特性を示す線図である。
図27図26の流量モニタ付圧力式流量制御装置に於いてガス種をOガスとした場合の流量制御特性及びガス種の変換係数(C.F)を考慮した補正後の流量制御特性を示すものである。
図28】ガス種をArガスとした場合の流量制御特性及びガス種の変換係数(C.F)を考慮した補正後の流量制御特性を示すものである。
図29】実ガスに対する熱式流量センサ流量出力の初期値メモリの処理フロー図である。
図30図30の(a)は、図29に於ける実ガスに対する熱式流量センサ流量出力の初期値メモリプロセスの概要説明図であり、(b)は熱式流量センサ流量出力の確認プロセスの概要説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明に係る流量モニタ付圧力式流量制御装置1の実施形態に係る構成概要図であり、流量モニタ付圧力式流量制御装置1は、圧力式流量制御部1aと熱式流量モニタ部1bとの二つの部分から構成されている。
【0056】
また、前記圧力式流量制御部1aは、コントロール弁3と温度センサ4と圧力センサ5とオリフィス6と制御部7を形成する圧力式流量演算制御部7aとから構成されている。
【0057】
更に、前記熱式流量モニタ部1bは、熱式流量センサ2と制御部7を形成する流量センサ制御部7bとから構成されている。
【0058】
前記圧力式流量制御部1aは、上述の通りコントロール弁3、温度センサ4、圧力センサ5、オリフィス6及び圧力式流量演算制御部7a等から構成されており、入力端子7aから流量設定信号が、また出力端子7aから圧力式流量制御部1aにより演算したオリフィスを流通する流体の流量出力信号が出力される。
【0059】
前記オリフィス6を用いた圧力式流量制御部1aそのものは、特許第3291161号等として周知の技術であり、オリフィス6を臨界膨張条件下で流通する流体の流量を圧力検出センサ5で検出した圧力を基にして圧力式流量演算制御部7aにて演算し、入力端子7aより入力した設定流量信号と演算した流量信号の差に比例する制御信号Pdをコントロール弁3の弁駆動部3aへ出力する。
【0060】
前記、圧力式流量制御部1aやその流量演算制御部7aの構成は、図16に記載のものと実質的に同じであるため、ここではその詳細な説明は省略する。
また、この圧力式流量制御部1aには、公知の零点調整機構や流量異常検出機構、ガス種変換機構(F.F値変換機構)等の各種付属機構が設けられていることは勿論である。
更に、図1に於いて8は入口側通路、9は出口側通路、10は機器本体内の流体通路である。
【0061】
前記流量モニタ付圧力式流量制御装置1を構成する熱式流量モニタ部1bは、熱式流量センサ2と流量センサ制御部7bとから構成されており、流量センサ制御部7bには入力端子7b及び出力端子7bが夫々設けられている。そして、入力端子7bからはモニタする流量範囲の設定信号が入力され、出力端子7bからは熱式流量センサ2により検出したモニタ流量信号(実流量信号)が出力される。尚、熱式流量モニタ部1bにも、ガス種変換機構(C.F.値変換機構)等の付属機構が設けられていることは勿論である。
【0062】
また、図1には表示されていないが、流量センサ制御部7bと圧力式流量演算制御部7aとの間では、前記モニタ流量信号や演算流量信号の入出力が適宜に行われ、両者の異同やその差の大きさを監視したり、或いは両者の差が一定値を越えた場合に警告を発したりしても良いことは勿論である。
【0063】
図2は、流量モニタ付圧力式流量制御装置1の他の例を示すものであり、コントロール弁3と熱式流量センサ2との間の流体圧力を圧力センサ5で検出するようにしたものである。尚、流量モニタ付圧力式流量制御装置1のその他の構成および動作は、図1の場合と全く同一である。
【0064】
図3は、流量モニタ付圧力式流量制御装置1の更に他の例を示すものであり、オリフィス6の下流側に圧力センサ17を別に設け、オリフィス6を流通する流体が臨界膨張条件下にあるか否かを監視して警報を発信したり、或いは、圧力センサ5と圧力センサ17の差圧を用いて流量制御を可能とするものである。
【0065】
前記熱式流量モニタ部1aは熱式流量センサ2と流量センサ制御部7bとから構成されており、図4及び図5はその構成の概要を示すものである。
【0066】
即ち、図4に示すように、熱式流量センサ2は、層流素子(バイパス群)2dとこれを迂回するセンサ管2eとを有しており、このセンサ管2eに、バイパス群2dと比較して少量のガス流体を一定の比率で流通させている。
【0067】
また、このセンサ管2eには直列に接続された制御用の一対の抵抗線R1、R4が巻回されており、これに接続されたセンサ回路2bによりモニタされた質量流量値を示す流量信号2cを出力する。
【0068】
前記この流量信号2cは、例えばマイクロコンピュータ等よりなる流量センサ制御部7bへ導入されて、上記流量信号2cに基づいて現在流れている流体の実質流量が求められる。
【0069】
図5は熱式流量センサ2のセンサ回路2bの基本構造を示すものであり、上記抵抗線R1、R4の直列接続に対して、2つの基準抵抗R2、R3の直列接続回路が並列に接続され、ブリッジ回路を形成している。このブリッジ回路に定電流源が接続されており、また、上記抵抗線R1、R4同士の接続点と上記基準抵抗R2、R3同士の接続点とを入力側に接続して差動回路が設けられており、上記両接続点の電位差を求め、この電位差を流量信号2cとして出力する構成となっている。
【0070】
尚、熱式流量センサ2及び流量センサ制御部7bそのものは公知の技術であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
また、本実施形態においては、熱式流量モニタ部1bとして、株式会社フジキン製のFCS-T1000シリーズに搭載される熱式流量センサを使用している。
【0071】
図21は、本発明に係る流量モニタ付圧力式流量制御装置1の構造を示す概要図であり、図21の(a)は縦断面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
【0072】
前記図1に示した圧力式流量制御部1aと熱式流量モニタ部11とから成る流量センサ付圧力式流量制御装置1は、ボディ体30と、制御部7と、前記ボディ体30に組み付けしたコントロール弁3と熱式流量センサ2と温度センサ4と圧力センサ5とオリフィス6等から形成されており、また、制御部7は圧力式流量制御部7aと流量センサ制御部7bとから形成されている。
【0073】
ボディ体30は第1本体ブロック30a、第2本体ブロック30b、第3本体ブロック30c及び第4本体ブロック30dとから形成されており、第1本体ブロック30a、第3本体ブロック30c及び第4本体ブロック30dは4本の固定ボルト34により、相互に連結固定されている。また、第2本体ブロック30bは2本の固定ボルト35により第1本体ブロック30aへ固定されている。
【0074】
更に、熱式流量センサ2の層流素子2dは第3本体ブロック30cの左側面側の内部に,圧力センサ5は第3本体ブロック30cの底面に、圧力センサ17は第4本体ブロック30dの上面側に、熱式流量センサ2のセンサ回路2b及び制御部7は第3本体ブロック3cの上面側に、コントロール弁3の駆動部は第1本体ブロック30aの上面側に、プレフィルタ29は第1本体ブロック30aと第2本体ブロック30bの間に、オリフィス6は第3本体ブロック3c内に、夫々配設固定されている。
【0075】
同様に、入口側通路8が第1本体ブロック30aに、流体通路10が第1及び第3本体ブロック30a、30cに、出口側通路9が第4本体ブロック体30dに夫々形成されており、特に流体通路10はその内容積が必要最小限となるように内径及び長さが選定されている。
また、第3本体ブロック3cにはセンサ管2eの収納孔2e´及び温度センサ4の収納孔4aが夫々穿設されている。
尚、図21中では省略されているが、各本体ブロック30a〜30d間並びに各本体ブロックと層流素子2d及びオリフィス6間がシール材を介して気密に連結されていることは、勿論である。
【0076】
ボディ体30を上述のように複数のブロック本体30a〜30dを連結組み合せした構造とすることにより、流体通路10の内容積を大幅に少なくすることができると共に、層流素子2dや圧力センサ5、オリフィス6等をボディ体30内へコンパクトに配設することができ、流量モニタ付圧力式流量制御装置の小型化及び熱式流量センサ部1bに於けるセンサ流量の過渡的なオーバーシュートのレベルを大幅に低減されることができる。
【0077】
前記図19及び図20等に示したモニタ流量(熱式流量センサ2の流量出力B)の過渡的なオーバーシュートは、モニタ流量出力Bと圧力式流量制御部1aの流量出力Aとの間に差異を生ずる原因となり、流量モニタ付圧力式流量制御装置1の流量制御精度や応答性能の低下を引き起す。
そのため、前記熱式流量センサ部1bに於ける流量出力B(熱式流量センサ2の流量出力B)のオーバーシュートを可能な限り少なくして、モニタ流量出力Bと圧力式流量制御部1aに於ける流量出力Aとの差を少なくする必要がある。
【0078】
そこで、本発明に於いては、図1の流体流路10に於ける前記オーバーシュートに起因する前記モニタ流量出力Bと流量出力Aとの差を少なくするために、オーバーシュートの発生時の流体流路10に於ける制御圧力の傾きΔP/Δtを圧力式流量制御部1aの流量出力Aの変化率から検出し、当該制御圧力の傾きΔP/Δtを用いて熱式流量センサ2の流量出力の検出値Bを補正し、これにより熱式流量モニタ部1bの流量出力B(熱式流量センサ2の流量出力B)と圧力式流量制御部1aの流量出力A間の差異を少なくしてモニタ流量精度の一層の向上を図る構成としている。
【0079】
図1を参照して、いま、装置本体内の流体通路10を流れる流体流量をFとすると、当該流体流量Fは熱式流量センサ2により検出される流体流量Bとなる。
また、オリフィス6の下流側通路(即ち、出口側通路9)を流れる流体流量をFとすると、当該流体流量Fは圧力式流量制御部1aに於ける流体制御流量Aとなる。
【0080】
即ち、上記圧力式流量制御部1aの制御流量Fは、F=KP(K=定数、P=オリフィス6上流側の圧力)で演算されるものであるため、上記流量差F−Fは流体流路10に於ける制御圧の上昇率(即ち、圧力式流量制御部1aの流量出力Aの上昇率)に比例することになる。
【0081】
その結果、F−F∝ΔP/Δtから、F=F−C(ΔP/Δt)(ただしCは制御圧の上昇率を流量に変換するための係数)と表すことができ、原理的には(ΔP/Δt)から流量Fの流量Fへの換算が可能となる。
尚、定常状態(即ち、流体流路10に圧力上昇が無くて制御圧が一定)の場合には、ΔP/Δt=0となり、F−F=0となる。
【0082】
図22は、上記熱式流量モニタ部1bに於けるモニタ流量Bを補正するための熱式流量センサ2のモニタ流量出力補正回路Hのブロック構成図であり、図22に置いて、36は圧力式流量制御部1aの制御流量出力Aの入力端子、37は熱式流量モニタ部1bのモニタ流量出力Bの入力端子、38は補正後のモニタ流量出力B´の出力端子、39は入力回路、40は微分回路、41は増幅回路、42は整形回路、43は補正回路である。
【0083】
圧力式流量制御部1aからの制御流量出力Aは入力回路39を経て微分回路40へ入力され、ここで制御流量出力Aの変化率即ち制御圧Pの変化率ΔP/Δtが検出される。
また、制御圧Pの傾き(変化率)ΔP/Δtは増幅回路41へ入力され、ここで増幅(増幅係数C)されたあと、波形の整形回路42を通して、入力端子37から入力される熱式流量モニタ部1bのモニタ流量出力Bにマッチングした波形に整形され、その後差動アンプより成る補正回路43へ入力される。
更に、補正回路43では、熱式流量センサ2からの前記モニタ流量出力Bから整形回路42より入力された補正流量C・ΔP/Δtが差引きされ、補正後のモニタ流量出力B´が補正出力端子38より出力されることになる。
【0084】
図23乃至図25は、上記図22に示したモニタ流量出力補正回路Hを用いた流量容量100SCCMの流量モニタ付圧力式流量制御装置1の、Nガス供給圧300kPaGの条件下に於ける応答特性試験結果を示すものである。尚、図23図25に於いて、Aは圧力式流量制御部1aの設定入力、Aは圧力式流量制御部1aの制御流量出力、Bは熱式流量制御部1bのモニタ流量出力、B´は熱式流量制御部1bの補正後のモニタ流量出力である。
【0085】
図23図25からも判るように、装置の立上げ時及び立下り時の両方に於いて、圧力式流量制御部1aの制御流量装置Aと熱式流量センサ部1bのモニタ流量出力Bの補正後の流量出力B´とは、近似した応答特性を示している。
即ち、本願発明に係るモニタ流量出力補正回路Hを用いることにより、モニタ流量Bにオーバーシュートが発生したとしても、比較的容易にその影響を排除して、高い応答性でもって高精度なモータ流量B´を得ることができる。
【0086】
流量モニタ付圧力式流量制御装置1に於いても、制御流体のガス種が変れば、従前の圧力式流量制御装置の場合と同様に所謂コンバージョンファクタC.Fに関係する流量制御特性の補正が必要になってくる。
図26図28は、上記図22に示したモニタ流量出力補正回路Hを設けた流量容量2000SCCMの、Nガスを基準として流量校正をした流量モニタ付圧力式流量制御装置1に於いて、制御流体のガス種を変更した場合のモニタ流量出力B及び補正後のモニタ流量出力B´と、圧力式流量制御部1aの設定流量Aとの関係を示すものであり、ガス供給圧は何れも300kPaGとしている。
【0087】
図26は、制御流体をNとして、補正をした後のモニタ流量Bと圧力式流量制御部1aの設定流量Aとの関係を示すものであり、設定流量Aとモニタ流量B´とは1:1の関係で対応している。
【0088】
これに対して、図27及び図28は、制御流体をO及びArとした場合を示すものであり、図26に示した流量特性を有するNを制御流体として校正をした流量モニタ付圧力式流量制御装置1に於いて、制御流体をOにすると、流量制御特性が直線Oのようになる。そのため、モニタ流量B´と設定流量Aとを1:1の対比とするためには、流量制御特性Oを直線O´のように再補正する必要がある。
【0089】
制御流体をArとした場合も同様であり、Arを制御流体とした場合には、流量制御特性が図28の直線Arのようになるため、モニタ流量B2´と設定流量Aとを1:1の対比とするためには、NとAr間のガス種の変換係数(C.F)を考慮して、流量特性Arを直線Ar´のように補正する必要がある。
【0090】
次に、本発明に係る流量モニタ付圧力式流量制御装置1の実用前の熱式流量センサ出力の初期値メモリについて説明する。
流量モニタ付圧力式流量制御装置1の圧力式流量制御部1a及び熱式流量モニタ部1bは、装置1の実用中に所謂流量自己診断を実施して、モニタ流量と現実の流体流量との間に差異が無いか否かをチェックする必要のあることは、従前の圧力式流量制御装置の場合と同じである。
【0091】
そのため、本発明の流量モニタ付圧力式流量制御装置1に於いても、これをガス供給系配管等へ取付けした場合には、先ず、実ガスを供給した初期の熱式流量モニタ部1bの設定流量値と流量出力値との関係(以下、実ガスモニタ流量出力初期値メモリと呼ぶ)をメモリしておく必要がある。
勿論、圧力式流量制御部1aについても実ガス流量出力の変換が必要であるが、これについては既に公知であるため、ここでは説明を省略する。
【0092】
上記熱式流量モニタ部1aの実ガスモニタ流量出力初期値メモリは、図29に示す如き処理フローに従って行われ、先ず、Nガスを用いて、装置1の制御流量Aに対する熱式流量センサ2の流量出力Bの関係がチェックされ、その後、実ガスを供給した場合の制御流量Aに対する熱式流量センサ2の流量出力Bがチェックされ且つメモリされる。
【0093】
図29を参照して、先ず、実機取付(ステップS)後、圧力式流量制御部1aへNのフローファクタF.F.値を入力し(ステップS)、管路内のNガスを真空排気(ステップS)する。
その後、圧力センサPの自動零点調整(ステップS)及び熱式流量センサ2の自動零点調整(ステップS)を行い、管路内へNガスを供給(ステップS)して、Nガスによる流量自己診断(ステップS)を行う。
更に、Nガスによる流量自己診断の結果をステップSで判定し、流量自己診断の結果が許容値の範囲内にあれば、ステップSで制御流量Aに対する熱式流量センサ2の流量出力Bをチェックして(ステップS10)、両者の差異が許容値範囲内であれば、Nガスによる処理フローを終了して、ステップS12の実ガスによる処理フローへ入る。
また、前記ステップSに於ける診断結果が許容値範囲外の場合には、装置1の異常と判断してステップS11で処理フローを終了する。
【0094】
ガスによる処理フローが終了すれば、圧力式流量制御部1aへ実ガスのフローファクタF.F.値を入力し(ステップS12)、配管内を真空引き(ステップS13)、圧力センサ5の自動零点調整(ステップS14)、熱式流量センサ2の自動零点調整(ステップS15)を行い、その後実ガスを配管路内へ供給し(ステップS16)、ステップS17で実ガス流量自己診断に於ける初期値メモリを行う。
尚、当該初期値メモリは、実ガスを供給した場合の供給初期に於ける圧力降下特性をメモリする処理であり、また、ステップS19の実ガス流量自己診断は、ステップS17でメモリした圧力降下特性をチェックするものである。
【0095】
上記ステップS18の実ガス流量自己診断により、初期値メモリ時と診断時との圧力降下特性の差異が許容値範囲内にあるか否かが判断され(ステップS19)、許容範囲内にあれば、ステップS20で熱式流量センサ2の流量出力の初期値メモリが行われ、続いてステップS21で熱式流量センサ2の流量出力Bが確認され、制御流量Aに対する熱式流量センサのモニタ流量Bの補正値B´が確認され(ステップS22)、両者の差異が許容範囲内であれば、実ガスに対する熱式流量センサ出力の初期値メモリ処理が完了する(ステップ28)。また、前記ステップS19に於ける実ガス流量自己診断結果が許容範囲外であれば、装置1が異常として処理フローが中止される(ステップS24)。
【0096】
前記ステップS20に於ける熱式流量センサ流量出力初期値メモリの処理は、具体的には図30(a)に示したように、各流量設定値Aにて流量制御を実行し、各流量設定値A毎の熱式流量センサの出力値Bから補正値B´を自動算出して、これをメモリする。
尚、各流量設定値Aに於ける待ち時間tや各設定値は、工場出荷前に予め装置1内にメモリされており、図30(a)の例では流量制御設定値Aを25%、50%、75%及び100%とし、且つ待ち時間tを10秒間として熱式流量センサ2のモニタ流量Bを計測し、その補正値B´を算出してメモリする構成としている。
【0097】
前記ステップS22に於ける実ガス供給時の熱式流量センサ流量出力Bの確認も同様であり、図3(b)に示すように、各流量設定値Aに於いて流量制御を実行し、所定の待ち時間の経過後熱式流量センサ出力Bを計測し、これに補正を加えたセンサ流量出力B´を出力し、制御流量Aとの比較を行う。
尚、圧力式流量制御部の各設定値Aとそのポイント数、待ち時間t、確認判定の基準値等は、予め工場出荷前に装置1内にメモリされており、図3(b)に於いては、制御流量設定値Aを定格の12%、37%、62%、87%とし、待ち時間tを10秒間とした場合を示すものである。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は半導体製造装置用が供給設備のみならず、臨界膨張条件下の流体の流量を制御する限り、化学品製造装置等の流体供給回路へも広く適用できるものである。
【符号の説明】
【0099】
1は 流量モニタ付圧力式流量制御装置
1aは 圧力式流量制御部
1bは 熱式流量モニタ部
2は 熱式流量センサ
2bは センサ回路
2dは 層流素子
2eは センサ管
2e´は センサ管と層流素子間の流路
3は コントロール弁
3aは 弁駆動部
4は 温度センサ
4aは 温度センサ収納孔
5は 圧力センサ
6は オリフィス
7は 制御部
7aは 圧力式流量演算制御部
7bは 流量センサ制御部
7aは 入力端子
7aは 出力端子
7bは 入力端子
7bは 出力端子
8は 入口側通路
9は 出口側通路
10は 機器本体内の流体通路
11は ガス供給源
12は 圧力調整器
13は パージ用バルブ
14は 入力側圧力センサ
15は データロガ
16は 真空ポンプ
17は 圧力センサ
Pdは コントロール弁の制御信号
Pcは 流量信号
は 流量設定入力
は 圧力式流量制御装置の流量出力
は 熱式流量センサ出力(図6・熱式流量センサが1次側の場合)
は 熱式流量センサ出力(図7・熱式流量センサが2次側の場合)
30は ボディ体
30aは 第1本体ブロック
30bは 第2本体ブロック
30cは 第3本体ブロック
30dは 第4本体ブロック
31は 流体入口
32は 流体出口
33は コネクター
34は 固定ボルト
35は 固定ボルト
Hは モニタ流量出力補正回路
36は 圧力式流量制御部の流量出力Aの入力端子
37は 熱式流量モニタ部のモニタ流量出力Bの入力端子
38は モニタ流量の補正出力B´の出力端子
39は 入力回路
40は 微分回路
41は 増幅回路
42は 整形回路
43は 補正回路
図1
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