【実施例】
【0066】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。樹脂の性能試験において、屈折率、アッベ数、比重、離型性、透明性、耐熱性、染色性、染色均一性は、以下の方法により評価した。
屈折率(ne)、アッベ数(νe):プルフリッヒ屈折計を用い、20℃で測定した。
比重:アルキメデス法により測定した。
【0067】
離型性:成型モールドから成形体を離型する際、全く離型しなかったものあるいは、成形体の一部が欠けたり、成型モールドが割れたりしたものを「×」(離型性悪い)、そのようなことが全くなかったものを「○」(離型性良好)とした。
【0068】
透明性:得られた樹脂を暗所にてプロジェクターに照射して、成形体の曇り、不透明物質、テープからの粘着成分の溶出の有無を目視にて判断した。成形体の曇り、不透明物質、テープからの溶出が確認されないものを「○」(透明性あり)、確認されたものを「×」(透明性なし)とした。
【0069】
耐熱性:TMAペネートレーション法(50g荷重、ピン先0.5mmφ、昇温速度10℃/min)でのガラス転移温度を測定した。ガラス転移温度が90℃以上のものを「○」(耐熱性あり)、90℃以下のものを「×」(耐熱性なし)とした。
【0070】
染色性:純水2986gに、「FSP Red E−A」(双葉産業社製)1.0g、「FSP Yellow P−E」(双葉産業社製)1.0g、「FSP Blue AUL−S」(双葉産業社製)2.0g、「ニッカサンソルト#7000」(日華化学社製)4.0g、「DK−CN」(大和化学工業社製)4.0gを添加し、染料分散液を調整した。これを90℃に加熱した後に、厚さ9mmの成形体片を90℃にて5分間浸漬、染色した。染色した後の成形体片の波長565nmにおける透過率(%T)を測定した。染色後の透過率が40%以下のものを「○」(染色性良好)、60%以上のものを「×」(悪い)とした。
【0071】
染色均一性:中心厚1mm、径80mmの成形体を上記染色方法で染色し、目視にて外観確認を行った。均一に染色されているものを「○」(染色ムラなし)、一部に斑状、筋状等、不均一に染色ムラが観察されたものを「×」(染色ムラあり)とした。
【0072】
剛性:島津製作所製オートグラフ(型式AGS−J)を用いて、クロスヘッド等速条件(1.2mm/min)にて三点曲げ試験を実施した。得られた値をもとに下記数式により算出された値が大きいほど剛性が優れていると判断した。
(L
3×F)/(4bh
3×s)
F:最大点応力(N/mm
2)、s:ストローク(mm)、L:支点間距離(mm)、b:試験片幅(mm)、h:試験片厚さ(mm)。
【0073】
[実施例1]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物43.3g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)51.0g、シクロヘキサノン5.7g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)43、比重1.29、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は38%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は2340N/mm
2であった。比較例1と比較すると、ケトン化合物を添加することで数値が15%向上することを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0074】
[実施例2]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物43.6g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)51.4g、メチルイソブチルケトン5.0g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)43、比重1.29、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は40%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0075】
[実施例3]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物43.2g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)51.0g、イソホロン5.8g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)41、比重1.28、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は38%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0076】
[実施例4]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物42.0g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)49.5g、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−オン8.6g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.57、アッベ数(νe)43、比重1.29、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は31%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0077】
[実施例5]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物40.5g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)47.7g、2−アダマンタノン11.8g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)43、比重1.28、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は31%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0078】
[実施例6]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物39.3g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)46.3g、カンファー14.5g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)44、比重1.25、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は33%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0079】
[実施例7]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物41.0g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)48.3g、4,4'−ビシクロヘキサノン10.7g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)43、比重1.28、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は30%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0080】
[実施例8]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物42.7g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)50.3g、1,4−シクロヘキサンジオン7.0g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.57、アッベ数(νe)43、比重1.30、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は33%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0081】
[実施例9]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物25.5g、m−キシリレンジイソシアネート16.5g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)30.1g、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンとの混合物16.1g、カンファー11.8g、ジメチルチンジクロリド0.02g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.59、アッベ数(νe)39、比重1.29、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は40%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は2300N/mm
2であった。比較例2と比較すると、ケトン化合物を添加することで数値が9%向上することを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0082】
[実施例10]
ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン50.8g、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン33.7g、カンファー15.4g、ジブチルチンジクロリド0.3g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.58、アッベ数(νe)41、比重1.19、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は40%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は1780N/mm
2であった。比較例3と比較すると、ケトン化合物を添加することで数値が11%向上することを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0083】
[実施例11]
1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンと1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとの混合物45.1g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)20.8g、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン27.0g、カンファー7.1g、ジメチルチンジクロリド0.05g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.59、アッベ数(νe)40、比重1.26、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は39%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は1750N/mm
2であった。比較例4と比較すると、ケトン化合物を添加することで数値が11%向上することを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0084】
[実施例12]
イソホロンジイソシアネート38.7g、ヘキサメチレンジイソシアナート0.6g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)43.4g、カンファー17.3g、ジメチルチンジクロリド0.2g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.54、アッベ数(νe)44、比重1.20、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は37%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は2270N/mm
2であった。比較例7と比較すると、ケトン化合物を添加することで数値が14%向上することを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0085】
[実施例13]
ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン45.0g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)41.9g、カンファー13.1g、ジメチルチンジクロリド0.25g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.55、アッベ数(νe)44、比重1.20、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は30%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は1800N/mm
2であった。比較例8と比較すると、ケトン化合物を添加することで数値が30%向上することを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0086】
[実施例14]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物43.8g、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)45.9g、カンファー10.3g、ジメチルチンジクロリド0.1g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.005gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)43、比重1.30、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は38%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0087】
[実施例15]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物42.4g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)49.2g、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)1.0g、カンファー7.5g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)42、比重1.28、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は29%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0088】
[実施例16]
2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物36.7g、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンと4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアンと2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンを主成分とする混合物43.3g、カンファー20.0g、ジブチルチンジクロリド0.01g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.10gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.66、アッベ数(νe)27、比重1.32、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は32%Tと染色性は良好で、染色ムラなく、均一に染色されていることを確認した。評価結果は[表1]に示した。
【0089】
[比較例1]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物45.9g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)54.1g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.57、アッベ数(νe)42、比重1.31、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色した。染色ムラなく、均一に染色されているものの、染色後の565nmの透過率は60%Tであった。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は2030N/mm
2であることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0090】
[比較例2]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物28.9g、m−キシリレンジイソシアネート18.8g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)34.1g、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンとの混合物18.2g、ジメチルチンジクロリド0.02g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.60、アッベ数(νe)38、比重1.33、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色した。染色ムラなく、均一に染色されているものの、染色後の565nmの透過率は68%Tであった。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は2110N/mm
2であることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0091】
[比較例3]
ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン60.1g、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン39.9g、ジブチルチンジクロリド0.3g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.12gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.60、アッベ数(νe)39、比重1.23、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色した。染色ムラなく、均一に染色されているものの、染色後の565nmの透過率は61%Tであった。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は1600N/mm
2であることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0092】
[比較例4]
1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンと1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとの混合物48.6g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)22.3g、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン29.1g、ジメチルチンジクロリド0.05g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.60、アッベ数(νe)40、比重1.29、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色した。染色ムラなく、均一に染色されているものの、染色後の565nmの透過率は60%Tであった。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は1580N/mm
2であることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0093】
[比較例5]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物58.0g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)28.8g、2−メルカプトエタノール13.2g、ジメチルチンジクロリド0.05g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.12gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.57、アッベ数(νe)43、比重1.29、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は37%Tと染色性は良好であったものの、斑状に染色ムラがあり、染色状態は不均一であることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0094】
[比較例6]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物57.4g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)35.1g、1,4−ブタンジオール7.5g、ジブチルチンジクロリド0.05g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.25gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.60、アッベ数(νe)41、比重1.28、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。得られた成形体を染色し、染色後の565nmの透過率は37%Tと染色性は良好であったものの、斑状に染色ムラがあり、染色状態は不均一であることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0095】
[比較例7]
イソホロンジイソシアネート46.8g、ヘキサメチレンジイソシアナート0.7g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)52.5g、ジメチルチンジクロリド0.2g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.55、アッベ数(νe)42、比重1.24、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。しかし得られた成形体を染色したところ、染色後の565nmの透過率は77%Tと染色性は悪く、染色ムラもあることを確認した。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は2000N/mm
2であることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0096】
[比較例8]
ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン51.8g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)48.2g、ジメチルチンジクロリド0.25g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)43、比重1.24、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。しかし得られた成形体を染色したところ、染色後の565nmの透過率は73%Tと染色性は悪く、染色ムラもあることを確認した。また得られた成形体で三点曲げ試験を実施し、剛性は1390N/mm
2であることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0097】
[比較例9]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物44.3g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)52.4g、アセトフェノン3.3g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.57、アッベ数(νe)41、比重1.29、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。しかし得られた成形体を染色したところ、染色後の565nmの透過率は61%Tと染色性は悪く、染色ムラもあることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0098】
[比較例10]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物41.2g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)48.8g、チオカンファー10.1g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.57、アッベ数(νe)42、比重1.29、耐熱性も90℃以上あったが、着色が酷く、光学材料用透明樹脂としては不適であった。評価結果は[表2]に示した。
【0099】
[比較例11]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物43.7g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)51.8g、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド4.6g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.08gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)42、比重1.29、耐熱性も90℃以上あり、光学材料用透明樹脂として好適であった。しかし得られた成形体を染色したところ、染色後の565nmの透過率は55%Tであったが、染色ムラがあることを確認した。評価結果は[表2]に示した。
【0100】
[比較例12]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物41.1g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)48.7g、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド10.2g、ジメチルチンジクロリド0.03g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)1.5g、内部離型剤(三井化学社製、商品名MR用内部離型剤)0.1gを混合溶解し、均一溶液とした。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出した。モールド型からの樹脂から成る成形体の離型性は良好であった。得られた成形体をさらに120℃で2時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.56、アッベ数(νe)42、比重1.29、耐熱性も90℃以上あったが、着色が酷く、光学材料用透明樹脂としては不適であった。評価結果は[表2]に示した。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
i−1 : 2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物
i−2 : m−キシリレンジイソシアネート
i−3 : ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン
i−4 : 1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンと 1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとの混合物
i−5 : イソホロンジイソシアネート
i−6 : ヘキサメチレンジイソシアネート
i−7 : 2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物
【0104】
t−1 : ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
t−2 : 5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンとの混合物
t−3 : 4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン
t−4 : ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)
t−5 : エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)
t−6 : 1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンと4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアンと2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンを主成分とする混合物
【0105】
k−1 :シクロヘキサノン
k−2 :メチルイソブチルケトン
k−3 :イソホロン
k−4 :トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−オン
k−5 :2−アダマンタノン
k−6 :カンファー
k−7 :4,4'−ビシクロヘキサノン
k−8 :1,4−シクロヘキサンジオン
k−9 :アセトフェノン
k−10 :チオカンファー
【0106】
a−1 :2−メルカプトエタノール
a−2 :1,4−ブタンジオール
d−1 :シクロヘキサンカルボキシアルデヒド
d−2 :5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド
【0107】
以上の結果より、本発明の重合性組成物は、比較例に比べて、成形体の染色ムラを生じさせずに染色性が向上するとともに、機械強度が改善された成形体を得られることがわかる。また成型モールドからの離型性が向上するため、添加する内部離型剤の量を少なくすることができる。