(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用するとき、「液体食器手洗い洗剤組成物」とは、手作業による(すなわち、手による)食器の洗浄に使用される組成物を指す。このような組成物は、一般的には、起泡性又は発泡性が本質的に高い。本明細書で使用するとき、「洗浄」は、汚れ、グリース、付着物等の望ましくない残留物を除去する、及び/又は消毒するために、液体食器手洗い洗剤組成物を表面に適用することを意味する。
【0009】
本明細書で使用するとき、「食器」、「食器類」及び「皿類」とは、セラミック、陶器、金属、ガラス、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)、及び木で作製された、皿、グラス、深鍋、鍋、耐熱皿、及び平皿などの表面を意味する。
【0010】
本明細書で使用するとき、「グリース」は、少なくとも一部(すなわち、グリースの少なくとも0.5重量%)に、飽和及び不飽和の脂肪及び油脂、好ましくは牛肉及び/又は鶏肉のような動物性原料に由来する油脂及び脂肪を含む物質を意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「泡プロファイル」は、液体洗剤組成物の液体洗剤組成物の使用によりもたらされる、洗浄プロセス全体を通じた起泡の量(多い又は少ない)及び起泡の一貫性(泡がどれくらい長持ち又は持続するか)を意味する。本明細書で使用するとき、「高起泡性」又は「持続性の泡」は、ともに、多量の泡(すなわち、消費者に許容されると考えられる泡の量)を発生させ、且つ前記泡の量が食器洗い作業中に維持される液体食器手洗い洗剤組成物を指す。このことは、消費者が、高い起泡性を洗剤組成物の性能の指標として知覚することから、液体洗剤組成物に関して特に重要である。更に、消費者は、洗浄液がまだ活性洗剤成分を含有している指標としても、起泡プロファイルを使用する。消費者は、通常、泡が少なくなり始めたときに更に液体食器手洗い洗剤組成物を適用する。したがって、低起泡性の液体食器洗い洗剤組成物の製剤は、必要以上に頻繁に消費者によって使用される傾向がある。
【0012】
「未希釈の形態で」とは、前記組成物が、適用(直)前にユーザーにより著しく希釈されることなく、処理される表面上、又はブラシ、スポンジ、不織布材料、若しくは織布材料等の洗浄装置若しくは用具上に直接適用されることを意味する。また、「未希釈の形態で」は、例えば、洗浄装置上に水が存在していたり、又はボトルから組成物の残量を除去するために消費者が水を添加したりすることにより、僅かに希釈されたものも含む。したがって、未希釈の形態の組成物は、ユーザーの癖及び洗浄作業によって、50:50〜100:0、好ましくは70:30〜100:0、より好ましくは80:20〜100:0、更により好ましくは90:10〜100:0の比で組成物及び水を有する混合物を含む。誤解を避けるために、100:0の比が最も好ましい。
【0013】
「希釈された形態」とは、本明細書では、ユーザーにより典型的は水で希釈された前記組成物を意味する。「すすぐ」とは、本明細書では、前記食器上に液体組成物を適用する工程の後、組成物で洗浄された食器と相当量の水とを接触させることを意味する。「相当量」とは、通常は、1〜20リットルを意味する。
【0014】
本明細書で用いられる全てのパーセント、比、及び割合は、液体食器手洗い洗剤組成物の重量パーセントによるものである。全ての平均値は、特に明記しない限り、液体食器手洗い洗剤組成物の「重量」により計算される。
【0015】
食器を手洗いする方法及び食器を手洗いするための使用
液体食器手洗い洗剤組成物を用いて、汚れ又はグリースの量及び種類、並びに消費者の嗜好に応じて様々な方法により食器を洗浄することができる。
【0016】
本発明は、未希釈の形態の前記組成物と食器とを接触させる工程を含む、未希釈の液体洗剤組成物を適用する方法を提供する。前記組成物は、容器から食器に直接かけることができる。あるいは、まず、ブラシ、スポンジ、不織布材料、又は織布材料等の洗浄装置又は用具に組成物を適用してもよい。次いで、洗浄装置又は用具、ひいては未希釈の形態の液体食器洗い組成物を、汚れた食器のそれぞれの表面と直接接触させて、前記汚れを除去する。洗浄装置又は用具は、典型的に、1〜10秒間の範囲の期間それぞれの食器表面と接触するが、実際の適用時間は、食器の汚れの程度などの要因に依存する。前記洗浄装置又は用具と食器表面との接触は、磨き洗いとともに行うことが好ましい。あるいは、洗浄装置を収容できる小さな容器内で、装置又は用具を未希釈の形態の液体食器手洗い洗剤組成物に浸漬してもよい。
【0017】
前記組成物の適用前に、汚れた食器を水浴に浸漬するか又は流水下で保持して、食器表面を濡らしてもよい。
【0018】
方法は、液体洗剤組成物と食器とを接触させる工程の後、任意のすすぎ工程を含んでもよい。
【0019】
また、本発明は、直接適用食器手洗い方法中に持続性の泡プロファイルを提供するための、平均アルコキシル化度が1〜40である分枝状非イオン性界面活性剤を0.1〜5重量%含む液体洗剤組成物の使用を提供する。
【0020】
液体食器手洗い洗剤組成物
本発明の方法で用いられる液体食器手洗い洗剤組成物は、優れたグリース洗浄性と合わせて持続性の泡、並びに任意で汚れ除去、輝き、及びハンドケア等の他の効果を提供するように配合される。本発明の組成物は、少なくとも1つの分枝状、非イオン性、アルコキシル化界面活性剤を含む。
【0021】
本明細書における組成物は、更に、他の必須及び任意成分が溶解、分散、又は懸濁している、水を含む水性液体キャリアを30重量%〜80重量%含んでもよい。より好ましくは、本発明で用いられる組成物は、45%〜70%、より好ましくは45%〜65%の水性液体キャリアを含む。適切な任意成分としては、エトキシル化アニオン性界面活性剤、他のアニオン性界面活性剤、他の非イオン性界面活性剤、両性/双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される更なる界面活性剤;洗浄ポリマー;カチオン性ポリマー;酵素;保湿剤;塩;溶媒;ヒドロトロープ;高分子泡安定化剤;ジアミン;カルボン酸;パールエッセンス剤;キレート剤;pH緩衝剤;香料;染料;乳白剤;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
しかし、水性液体キャリアは、室温(20℃〜25℃)で液体であるか又は液体キャリアに溶解し、且つ不活性充填剤の機能に加えて他の幾つかの機能も有し得る他の物質を含有してもよい。
【0023】
液体洗剤組成物は、いかなる好適なpHを有してもよい。好ましくは、組成物のpHは、4〜14に調整される。より好ましくは、組成物は、6〜13、最も好ましくは6〜10のpHを有する。組成物のpHは、当該技術分野において既知のpH修正成分を使用して調整することができる。
【0024】
本発明の液体洗剤組成物は、好ましくは、澄んでいるか又は透明である。つまり、液体洗剤組成物は、5NTUから3000NTU未満、好ましくは1000NTU未満、より好ましくは500NTU未満、最も好ましくは100NTU未満の濁度を有する。
【0025】
アルコキシル化分枝状非イオン性界面活性剤
本発明の方法で用いられる液体食器手洗い洗剤組成物は、0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.2重量%〜3重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%のアルコキシル化分枝状非イオン性界面活性剤を含む。前記アルコキシル化分枝状非イオン性界面活性剤は、1〜40、好ましくは3〜20、より好ましくは7〜12の平均アルコキシル化度を有する。平均アルコキシル化度は、本発明のアルコキシル化分枝状非イオン性界面活性剤1モル当たりのアルキルオキシドのモル数の平均として定義される。好ましくは、分枝状非イオン性は、エトキシル化及び/又はプロポキシル化されている、より好ましくはエトキシル化される。
【0026】
非エトキシル化分枝状非イオン性界面活性剤を本組成物のエトキシル化アニオン性界面活性剤と併用すると、液体洗剤組成物の起泡性能が制限されることが見出されている。したがって、組成物は、10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満の非アルコキシル化分枝状アルコールを含む。界面活性剤を好適に表面活性にするために、分枝状非イオン性界面活性剤は、8〜24個、より好ましくは9〜18個、最も好ましくは10〜14個の炭素原子を含む。式I、式IIから選択されるアルコキシル化分枝状非イオン性アルコール、及びこれらの混合物が特に好ましい。
【0027】
【化1】
(式I中、
R1は、C5〜C16直鎖又は分枝状のアルキル鎖、好ましくは直鎖のアルキル鎖であり、
R2は、C1〜C8直鎖又は分枝状のアルキル鎖、好ましく直鎖のアルキル鎖であり、
R3は、H又はC1〜C4アルキル、好ましくはH又はメチルであり、
bは、1〜40、好ましくは5〜20、より好ましくは7〜12の数字である)、
【0028】
【化2】
(式II中、
R1は、C6〜C16直鎖又は分枝状のアルキル鎖、好ましくは直鎖のアルキル鎖であり、
R2は、C1〜C8直鎖又は分枝状のアルキル鎖、好ましく直鎖のアルキル鎖であり、
R3は、H又はC1〜C4アルキル、好ましくはH又はメチルであり、
bは、1〜40、好ましくは5〜20、より好ましくは7〜12の数字である)。
【0029】
前記分枝状非イオン性のアルコキシル化度は、好ましくは、存在する場合、エトキシル化アニオン性界面活性剤のエトキシル化度よりも大きい。アニオン性界面活性剤のエトキシル化度が増加するにつれて、液体食器手洗い洗剤組成物の粘度が上昇する。これは、界面活性剤系全体の親水性が上昇するためであると考えられる。更に、液体食器手洗い洗剤組成物は、一般的に、界面活性剤プレミックスを用いて作製される。アニオン性界面活性剤のエトキシル化度が増加するにつれて、加工中にこのような界面活性剤プレミックスがゲル化する可能性が高まる。しかし、アニオン性界面活性剤のエトキシル化度よりも高いアルコキシル化度を有する分枝状非イオン性界面活性剤を少量配合することにより、界面活性剤プレミックス及び得られた組成物の粘度を制御することができることが見出されている。
【0030】
アルコキシル化分枝状非イオン性界面活性剤は、比較的水不溶性又は比較的水溶性に分類することができる。特定のアルコキシル化分枝状非イオン性界面活性剤は、水不溶性であると考えることができるが、好適な更なる界面活性剤、特にアニオン性又は非イオン性界面活性剤を用いて本発明の液体食器手洗い洗剤組成物に配合することができる。
【0031】
式Iに係る好ましい分枝状非イオン性界面活性剤は、Ethylan(登録商標)1007&1008等の7又は8個のEOを有するGuerbet C10アルコールエトキシレート、並びに市販のLutensol(登録商標)XLシリーズ(Xl50、XL70等)等のGuerbet C10アルコールアルコキシル化非イオン性界面活性剤(エトキシル化及び/又はプロポキシル化されている)である。他の例示的なアルコキシル化分枝状非イオン性界面活性剤としては、BASF Corporationから入手可能な商品名Lutensol(登録商標)XP30、Lutensol(登録商標)XP−50、及びLutensol(登録商標)XP−80として入手可能なものが挙げられる。一般に、Lutensol(登録商標)XP−30は、3個の反復エトキシ基を有すると考えることができ、Lutensol(登録商標)XP−50は、5個の反復エトキシ基を有すると考えることができ、Lutensol(登録商標)XP−80は、8個の反復エトキシ基を有すると考えることができる。他の好適な分枝状非イオン性界面活性剤としては、Lutensol(登録商標)ON 50(5 EO)及びLutensol(登録商標)ON 70(7 EO)等のオキソ分枝状非イオン性界面活性剤が挙げられる。また、Sasol製のSafol(登録商標)アルコールから生成されるもの等の、最高50%の分岐(40%のメチル(モノ又はビ)、10%のシクロヘキシル)を含む、フィッシャー・トロプシュ反応から生じるエトキシル化脂肪族アルコール;Sasol製のIsalchem(登録商標)アルコール又はLial(登録商標)アルコールから生成されるもの等の、アルコールの少なくとも50重量%がC2異性体(メチルからペンチル)である、オキソ反応から生じるエトキシル化脂肪族アルコールも好適である。
【0032】
式IIに係る好ましい分枝状非イオン性エトキシレートは、アルコキシル化度が3〜40である商品名Tergitol(登録商標)15−Sとして入手可能なものである。例えば、平均アルコキシル化度が20であるTergitol(登録商標)15−S−20である。式IIに係る他の好適な市販物質は、Softanol(登録商標)M及びEPシリーズとして入手可能なものである。
【0033】
更なる界面活性剤
本発明で用いられる組成物は、エトキシル化アニオン性、他のアニオン性、他の非イオン性、両性/双極性、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される更なる界面活性剤を含んでもよい。本発明で用いられる液体食器手洗い組成物は、組成物の10重量%〜85重量%、好ましくは12.5重量%〜65重量%、より好ましくは15重量%〜40重量%の界面活性剤の総量を含んでもよい。界面活性剤の総量は、アルコキシル化分枝状非イオン性界面活性剤、並びに存在し得る任意のエトキシル化アニオン性界面活性剤、他のアニオン性、他の非イオン性、両性/双極性、及びカチオン性界面活性剤を含む、存在する全ての界面活性剤の合計である。
【0034】
1)エトキシル化アニオン性界面活性剤
本発明の方法で用いられる液体食器手洗い洗剤組成物は、平均アルコキシル化度が0.8〜4、好ましくは1〜2であるアニオン性界面活性剤を、2重量%〜70重量%、好ましくは5重量%〜30重量%、より好ましくは10重量%〜25重量%含んでもよい。平均エトキシル化度は、本発明のエトキシル化アニオン性界面活性剤1モル当たりのエチレンオキシドの平均モル数として定義される。使用する場合、エトキシル化アニオン性界面活性剤は、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも82重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%が直鎖である脂肪族アルコールから誘導される。直鎖とは、脂肪族アルコールが単一の炭素原子骨格を含み、分枝を含まないことを意味する。
【0035】
好ましくは、前記エトキシル化アニオン性界面活性剤は、以下の式のエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤である:
R
1−(OCH
2CH
2)
n−O−SO
3-M
+(式中、
R
1は、飽和又は不飽和のC
8〜C
16、好ましくはC
12〜C
14アルキル鎖であり、好ましくは、R
1は、飽和C
8〜C
16、より好ましくは飽和C
12〜C
14アルキル鎖であり、
nは、0.8〜4、好ましくは1〜2の数字であり、
M
+は、電気的中性を提供する好適なカチオン、好ましくは、ナトリウム、カルシウム、カリウム、又はマグネシウム、より好ましくはナトリウムカチオンである。
【0036】
好適なエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤としては、飽和C
8〜C
16アルキルエトキシサルフェート、好ましくは飽和C
12〜C
14アルキルエトキシサルフェートが挙げられる。
【0037】
直鎖であるR
1の割合は、出発脂肪族アルコールの少なくとも80重量%が直鎖であるような割合である。飽和アルキル鎖が好ましいが、その理由は、二重結合の存在が、特定の香料成分等の他の成分又は更には紫外線との化学反応を引き起こす恐れがあるためである。このような反応は、相の不安定さ、脱色、及び悪臭を引き起こす恐れがある。
【0038】
必要な炭素鎖長分布は、合成により調製された若しくは天然の原材料に由来する対応する鎖長分布を有するアルコール、又は対応する純粋な出発化合物を用いることにより得ることができる。好ましくは、本発明のアニオン性界面活性剤は、天然由来のアルコールから誘導される。植物又は動物エステル(ワックス)等の天然源を、様々な不飽和度とともに末端(一級)ヒドロキシルを有する直鎖アルコールを得るために用いてもよい。このようなC
8〜C
16のアルキル鎖を含む脂肪族アルコールは、脂肪酸又はメチルエステル、及び時にトリグリセリドから脂肪族アルコールを誘導する等の任意の公知の商業的プロセスにより調製することができる。例えば、高圧下及び好適な金属触媒の存在下において水素で処理することにより、脂肪酸のカルボキシル基に水素を付加して脂肪族アルコールを形成する。類似の反応により、グリセリド又はメチルエステルの水素化により脂肪族アルコールを調製することができる。メチルエステル還元は、飽和脂肪族アルコールを提供するための好適な手段であり、銅又はカドミウムオキシド等の特殊な触媒を用いる選択的水素化を、オレイルアルコールの生成に用いてもよい。チーグラー法等の合成又は石油系のプロセスは、好適な直鎖、偶数、飽和アルコールを生成するのに有用である。パラフィン酸化は、混合一級アルコールを作製するのに好適なプロセスである。脂肪族アルコールは、エチレンオキシドと反応して、エトキシル化脂肪族アルコールを得ることができる。次いで、対応するエトキシル化脂肪族アルコールのスルホン化により、式R
1−(OCH
2CH
2)
n−O−SO
3-M
+のエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を得ることができる。
【0039】
式R
1−(OCH
2CH
2)
n−O−SO
3-M
+のエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、ココヤシ油に由来し得る。ココヤシ油は、通常、化学的に加工されて、C
12〜C
18アルコールの混合物を得ることができるトリグリセリドを含む。高割合のC
12〜C
14アルキルサルフェートを含むアルキルサルフェートの混合物は、エトキシル化若しくはスルホン化工程前に対応するアルコールを分離するか、又は得られたエトキシル化アルコール若しくはエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を分離することにより得ることができる。
【0040】
本明細書における好ましいエトキシル化アニオン性界面活性剤は、アルキル鎖中に8〜18、好ましくは10〜16、より好ましくは12〜14個の炭素原子を有するエトキシル化アルキルサルフェートであり、且つ80〜100%が直鎖である。このような界面活性剤は、好適な原料を用いる任意の公知のプロセスにより作製することができる。例えば、好ましくは天然由来の直鎖脂肪族アルコールは、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、及びこれらの混合物等である。望ましい場合、このような界面活性剤は、合成源から誘導される直鎖アルキル部分を含有してもよく、軽く分岐している直鎖エトキシル化アルキルサルフェートの混合物、例えば、メチル分枝状類似体を含んでもよい。エトキシル化アルキルサルフェートは、そのナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はアルカノールアミン塩の形態であってもよい。エトキシル化アニオン性界面活性剤の好適なアルコール前駆体としては、チーグラー由来の直鎖アルコール、油脂化学物質の水素化により調製されるアルコール、及びShell製のNeodol(登録商標)又はDobanol(登録商標)等のオキソ由来アルコールの直鎖成分を濃縮することにより調製される80%以上直鎖のアルコールが挙げられる。好適な一級アルコールの他の例としては、Procter & Gamble Co.から市販されているもの等の天然の直鎖脂肪族アルコール;及び(a)パラフィンを酸化して脂肪族カルボン酸を形成する工程と、(b)前記カルボン酸を対応する一級アルコールに還元する工程とによるパラフィンの酸化に由来するものが挙げられる。他の好ましいエトキシル化アニオン性界面活性剤は、Sasolから商品名Alfol(登録商標)、Nacol(登録商標)、Nalfol(登録商標)、Alchem(登録商標)として販売されているものである。
【0041】
2)他のアニオン性界面活性剤
本発明の方法で用いられる組成物は、典型的に、2重量%〜70重量%、好ましくは5重量%〜30重量%、より好ましくは7.5重量%〜25重量%、最も好ましくは10重量%〜20重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0042】
本発明の方法の組成物で用いられる好適なアニオン性界面活性剤は、サルフェート、スルホスクシネート、スルホネート、及び/又はスルホアセテートであり、好ましくはアルキルサルフェートである。
【0043】
本明細書の組成物で使用するにあたって好適なサルフェート又はスルホネート界面活性剤としては、C
10〜C
14アルキル若しくはヒドロキシアルキル、サルフェート又はスルホネートの水溶性塩又は酸が挙げられる。好適な対イオンとしては、水素、アルカリ金属カチオン、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。ヒドロカルビル鎖が分枝状である場合、C
1〜4のアルキル分枝単位を含むことが好ましい。
【0044】
サルフェート又はスルホネート界面活性剤は、C
11〜C
18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C
8〜C
20一級分枝状及びランダムアルキルサルフェート(AS)、C
10〜C
18二級(2,3)アルキルサルフェート、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号で論じられる中鎖分枝状アルキルサルフェート、国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号で論じられる変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)から選択されてもよい。
【0045】
パラフィンスルホネートは、モノスルホネート又はジスルホネートであってよく、通常は、これらの混合物であり、10〜20個の炭素原子のパラフィンをスルホン化することによって得られる。好ましいスルホネートは、C12〜18の炭素原子鎖を有するものであり、より好ましくはC14〜17鎖のものである。パラフィン鎖に沿って分布するスルホネート基を有するパラフィンスルホネートは、米国特許第2,503,280号、同第2,507,088号、同第3,260,744号、同第3,372 188号、及び独国特許第735 096号に記載されている。
【0046】
更に好適なのは、Procter & Gambleの国際公開第06/014740号に記載のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤、即ち、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、及びこれらの混合物から選択される、オリゴマーのアルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤の混合物であり、ここで、モノマーの重量パーセントは、アルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤の混合物の0重量%〜60重量%である。
【0047】
他の好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル、好ましくは、ジアルキルスルホサクシネート及び/又はスルホアセテートである。ジアルキルスルホサクシネートは、C
6〜15直鎖又は分枝鎖ジアルキルスルホサクシネートであり得る。アルキル部分は、対称(すなわち、同じアルキル部分)であっても非対称(すなわち、異なるアルキル部分)であってもよい。好ましくは、アルキル部分は対称である。
【0048】
3)他の非イオン性界面活性剤
本発明の方法で用いられる液体食器手洗い洗剤組成物は、任意で、更なる非イオン性界面活性剤を含んでもよい。組成物は、好ましくは、2重量%〜40重量%、より好ましくは3重量%〜30重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0049】
好適な更なる非イオン性界面活性剤としては、1〜25モルのエチレンオキシドを有する脂肪族アルコールの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、一般的に、8〜22個の炭素原子を含有する。特に好ましいものは、8〜18個の炭素原子、より好ましくは9〜15個の炭素原子を含有するアルキル基を有し、アルコール1モルあたり2〜18モル、より好ましくは2〜15モル、最も好ましくは5〜12モルのエチレンオキシドを含有するアルコールの縮合生成物である。
【0050】
式R
2O(C
nH
2nO)
t(グリコシル)
x(式(I))を有するアルキルポリグリコシドも好適であり、式中、式(I)のR
2は、アルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、このアルキル基は、10〜18個、好ましくは12〜14個の炭素原子を含有し、式(I)のnは2又は3、好ましくは2であり、式(I)のtは0〜10、好ましくは0であり、式(I)のxは1.3〜10、好ましくは1.3〜3、最も好ましくは1.3〜2.7である。グリコシルは、好ましくはグルコースから誘導される。同様に、アルキルグリセロールエーテル及びソルビタンエステルもまた好適である。
【0051】
また好適なものは、式(II)を有する脂肪酸アミド界面活性剤であり、
【0052】
【化3】
式中、式(II)のR
6は、7〜21個、好ましくは9〜17個の炭素原子を含有するアルキル基であり、式(II)のR
7はそれぞれ、水素、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4ヒドロキシアルキル、及び−(C
2H
4O)
xHからなる群から選択され、式(II)のxは、1〜3まで幅がある。好ましいアミドは、C
8〜C
20アンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、及びイソプロパノールアミドである。
【0053】
本発明で使用するのに好ましい非イオン性界面活性剤は、脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物であり、市販の平均8個のEOユニットで修飾されたNeodol91−5又はNeodol91−8のような、例えば、平均5個のエチレンオキシド(EO)ユニットで修飾されたノニル(C9)、デシル(C10)ウンデシル(C11)アルコールの混合物などである。また、5個のEOで修飾されたC12、C13等のより長いアルキル鎖エトキシル化非イオン性界面活性剤(Neodol 23−5)も好適である。NeodolはShellの商標名である。更に好適なのは、7個のEOで修飾されたC12、C14アルキル鎖であり、商標名Novel 1412−7(Sasol)、又はLutensol A7 N(BASF)で市販されている。
【0054】
4)両性/双極性界面活性剤
両性/双極性界面活性剤は、優れた洗浄性を提供し、且つ手に優しいと同時に、起泡プロファイルを更に向上させることが見出されている。両性及び双極性界面活性剤は、液体食器手洗い洗剤組成物の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.2重量%〜15重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%の濃度で含まれ得る。好ましい両性及び双極性界面活性剤は、アミンオキシド界面活性剤、ベタイン界面活性剤、及びこれらの混合物である。
【0055】
最も好ましいものはアミンオキシドであり、特にココジメチルアミンオキシド又はココアミドプロピルジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中程度分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、式R
1−N(R
2)(R
3)→O、(式中、R
1はC
8〜18アルキル部分であり、R
2及びR
3は、独立して、C
1〜3アルキル基及びC
1〜3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される)の水溶性アミンオキシドが挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、及び3−ヒドロキシプロピルが挙げられる。直鎖アミンオキシド系界面活性剤としては、具体的には、直鎖C
10〜C
18アルキルジメチルアミンオキシド、及び直鎖C
8〜C
12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。好ましいアミンオキシドには、直鎖C
10、直鎖C
10〜C
12、及び直鎖C
12〜C
14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用するとき、「中分枝状」とは、アミンオキシドが、n
1の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分の1つのアルキル分枝が、n
2の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分における窒素からのα炭素に位置する。アミンオキシドのこの種類の分枝は、内在アミンオキシドとしても当該技術分野において知られている。n
1とn
2の総合計は、10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜20個、より好ましくは10〜16個である。1つのアルキル部分に対する炭素原子の数(n
1)は、1つのアルキル分枝(n
2)とおよそ同数の炭素原子であって、その1つのアルキル部分と1つのアルキル分枝とが対称となるようにされるべきである。本明細書で使用するとき、「対称」は、本明細書で用いられる中分枝状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%〜100重量%で、|n
1−n
2|が5個以下、好ましくは4個未満の炭素原子であることを意味する。
【0056】
アミンオキシドは、C
1〜3アルキル、C
1〜3ヒドロキシアルキル基、又は平均で1〜3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立に選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、2つの部分は、C
1〜3アルキルから選択され、より好ましくは、両方がC1アルキルとして選択される。
【0057】
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)及びホスホベタイン等のベタインが挙げられ、好ましくは、式(III)を満たす:
R
1−[CO−X(CH
2)
n]
x−N
+(R
2)(R
3)−(CH
2)
m−[CH(OH)−CH
2]
y−Y−(III)(式中、
R
1は、飽和又は不飽和のC
6〜22アルキル鎖、好ましくはC
8〜18アルキル鎖、より好ましくは飽和C
10〜16アルキル鎖、最も好ましくは飽和C
12〜14アルキル鎖であり;
Xは、NH、NR
4、O、及びSからなる群から選択され(式中、R
4は、C
1〜4アルキル鎖である)、
nは、1〜10、好ましくは2〜5、より好ましくは3の整数であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
R
2、R
3は、独立して、C
1〜4アルキル鎖、好ましくはメチル鎖から選択され、R
2、R
3は、また、ヒドロキシエチル又はヒドロキシメチル鎖のようにヒドロキシ置換されてもよく、
mは、1〜4、好ましくは1、2、又は3の整数であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR
5)O及びP(O)(OR
5)O(式中、R
5は、H又はC
1〜4アルキル鎖である)からなる群から選択される)。
【0058】
好ましいベタインは、式(IIIa)のアルキルベタイン、式(IIIb)のアルキルアミドベタイン、式(IIIc)のスルホベタイン、及び式(IIId)のアミドスルホベタインである;
R
1−N
+(CH
3)
2−CH
2COO
- (IIIa)
R
1−CO−NH(CH
2)
3−N
+(CH
3)
2−CH
2COO
- (IIIb)
R
1−N
+(CH
3)
2−CH
2CH(OH)CH
2SO
3- (IIIc)
R
1−CO−NH−(CH
2)
3−N
+(CH
3)
2−CH
2CH(OH)CH
2SO
3- (IIId)
(式中、R
1は、式IIにおける意味と同じ意味を有する)。特に好ましいベタインは、カルボベタイン(式中、Y
-=COO
-である)、特に式(IIIa)及び(IIIb)のカルボベタイン、より好ましくは式(IIIb)のアルキルアミドベタインである。
【0059】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は以下の通りである[INCIに従って表記している]。アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、キャノーラアミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチルダイズグリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、PG−ベタインのプロピルジメチコーン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、パルマムアミドプロピルベタイン、パルミタムアミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ仁アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタイン。
【0060】
好ましいベタインは、例えば、ココアミドプロピルベタイン(ココアミドプロピルベタイン)である。
【0061】
好ましい界面活性剤系は、1:1〜5:1、好ましくは1:1〜3.5:1の比のアニオン性界面活性剤と両性又は双極性界面活性剤との混合物である。
【0062】
5)カチオン性界面活性剤
組成物中に存在する場合、カチオン性界面活性剤は、有効量で、より好ましくは組成物の0.1重量%〜20重量%で存在する。好適なカチオン性界面活性剤は、好ましくはモノC
6〜C
16、より好ましくはC
6〜C
10N−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤からなる群から選択され、残りのN位はメチル、ヒドロキシエチル、又はヒドロキシプロピル基によって置換される四級アンモニウム界面活性剤である。別の好ましいカチオン性界面活性剤は、四級クロリンエステルのような、四級アンモニウムアルコールのC
6〜C
18アルキル又はアルケニルエステルである。より好ましくは、カチオン性界面活性剤は、式(V)を有する。
【0063】
【化4】
式中、式(V)のR
1は、C
8〜C
18ヒドロカルビル及びこれらの混合物、好ましくはC
8〜14アルキル、より好ましくはC
8、C
10又はC
12のアルキルであり、式(V)のX
-は、アニオン、好ましくは塩化物又は臭化物である。
【0064】
洗浄ポリマー
本明細書の食器手洗い用液体組成物は、所望により更に1つ以上のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーを含み得る。組成物には、国際公開第2007/135645号(Procter & Gamble Company)の2頁33行目〜5頁5行目に記載され、5〜7頁の実施例1〜4に例示されるように、組成物全体の0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜2重量%、より好ましくは0.1重量%〜1.5重量%、更により好ましくは0.2重量%〜1.5重量%のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーが含まれ得る。
【0065】
本組成物の修飾ポリエチレンイミンポリマーは、400〜10000、好ましくは600〜7000、より好ましくは3000〜6000の重量平均分子量を有するポリエチレンイミン主鎖を有する。
【0066】
ポリエチレンイミン主鎖の修飾としては、以下が挙げられる。(1)ポリエチレンイミン主鎖における、修飾が内部窒素原子又は末端窒素原子のいずれで起きるかによって窒素原子1個当たり1個又は2個のアルコキシル化修飾であって、修飾1個当たり平均で約1個〜約40個のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換からなり、アルコキシル化修飾の末端アルコキシ部分が、水素、C
1〜C
4アルキル、又はこれらの組み合わせによって末端保護されているアルコキシル化修飾、(2)ポリエチレンイミン主鎖における、置換が内部窒素原子又は末端窒素原子のいずれで起きるかによって窒素原子1個当たり1個のC
1〜C
4アルキル部分による置換、及び1個又は2個のアルコキシル化修飾であって、修飾1個当たり平均で約1個〜約40個のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換からなり、末端アルコキシ部分が、水素、C
1〜C
4アルキル又はこれらの組み合わせによって末端保護されているアルコキシル化修飾、又は(3)これらの組み合わせ。
【0067】
組成物は更にグラフトベースとしての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)、及びビニルエステル構成要素の重合により形成される側鎖(B)に基づく両親媒性グラフトポリマーを含むことができ、このようなポリマーは、BASFの国際公開第2007/138053号の、2頁の14行目〜10頁の34行目の記載、及び15〜18頁の例示にあるように、アルキレンオキシド単位50個あたり平均≦1のグラフト部位と、3,000〜100,000の平均モル質量Mwとを有する。
【0068】
カチオン性ポリマー
好ましい実施形態では、本明細書における液体食器手洗い洗剤組成物は、少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、カチオン性ポリマーとアニオン性界面活性剤との相互作用により、ポリマーリッチなコアセルベート相が組成物のバルク相から分離するコアセルベーションとして知られている相分離現象が生じると考えられる。コアセルベーションは、皮膚におけるカチオン性ポリマーの付着を強化し、このコアセルベート相に捕捉され得る疎水性皮膚軟化剤及び皮膚におけるこのような共付着物等の他の活性剤の付着に役立つ。このコアセルベート相は、食器手洗い用液体洗剤中にあらかじめ存在する場合もあり、あるいは洗浄組成物の希釈又はすすぎ時に形成される場合もある。
【0069】
典型的にはカチオン性ポリマーは、組成物全体の0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.05重量%〜1重量%の濃度で存在する。
【0070】
本発明での使用に好適なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウム又はカチオン性プロトン化アミノ部分のようなカチオン性窒素含有部分を含む。カチオン性ポリマーの平均分子量は、5000〜1000万、好ましくは少なくとも100000、より好ましくは少なくとも200000であるが、好ましくは約3000000を超えない。カチオン性ポリマーは、好ましくは、組成物の意図する用途のpHにおいて、0.1meq/g〜5meq/g、より好ましくは少なくとも約0.2meq/g、より好ましくは少なくとも約0.3meq/gのカチオン電荷密度を有する。電荷密度は、繰り返し単位当たりの正味電荷数を、繰り返し単位の分子量で除することにより計算される。正電荷は、ポリマーの骨格鎖上及び/又はポリマーの側鎖上に位置してもよい。一般的に、液体食器洗浄液のpH機能において(アミンの場合)、ポリマー中のアミン又は第四級アンモニウム部分の割合の加減は電化密度に影響する。ポリマーが、水及び本発明の組成物中に可溶性のままであり、且つ対イオンがこの組成物の必須成分に関して物理的及び化学的に安定であり、あるいは製品性能、安定性ないしは美観を過度に損なうことのない限り、任意のアニオン性対イオンをカチオン沈着ポリマーと会合させて使用することができる。こうした対イオンの非限定的な例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0071】
水溶性カチオン化ポリマーの具体例としては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化デンプン及びカチオン化グアーガム誘導体などのカチオン性多糖が挙げられる。同様に、ジアリル第四級アンモニウム塩ホモポリマー、ジアリル第四級アンモニウム塩/アクリルアミドコポリマー、第四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合体、ビニルイミダゾリウムトリクロリド/ビニルピロリドンコポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ビニルピロリドン/第四級化ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタムコポリマー、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレートコポリマー、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミンコポリマー(「Cartaretin」−Sandoz/USA製品)、及び任意選択的に、アルキルアミド由来の単位を介してポリマー主鎖に結合する、少なくとも1つの複素環式末端基を有する第四級化/プロトン化縮合ポリマー(結合は所望により(国際公開第2007 098889号、2〜19頁に記載のように)置換されたエチレン基を含む)などの合成的に誘導されるコポリマーが挙げられる。
【0072】
一般的に上記された市販の水溶性カチオン化ポリマーの具体的な非限定的な例としては、「Merquat 550」(アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウム塩とのコポリマー−CTFA名:ポリクオタニウム−7、ONDEO−NALCO製品)、「Luviquat FC370」(1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩とのコポリマー−CTFA名:ポリクオタニウム−16、BASF製品)、「Gafquat 755N」(1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー−CTFA名:ポリクオタニウム−11、ISPからの製品)、「Polymer KG」、「Polymer JRシリーズ」及び「Polymer LRシリーズ」(エポキシド置換したトリメチルアンモニウムとヒドロキシエチルセルロースとの反応生成物の塩−CTFA名:ポリクオタニウム−10,Amerchol製品)並びに「Jaguarシリーズ」(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、Rhodia製品)、又は「N−hanceシリーズ」(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、Aqualon製品)である。
【0073】
好ましいカチオン性ポリマーはカチオン性多糖であり、より好ましくはトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩であり、工業的(CTFA)にはポリクオタニウム−10(UCARE LR400又はUCARE JR−400(Dow Amerchol製)など)として参照される、更により好ましくは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなど(例えば、Jaguarシリーズ(Rhodia製)及びN−Hance polymerシリーズ(Aqualonより入手可能))のカチオン性グアーガム誘導体である。
【0074】
酵素
酵素は、組成物全体の0.00001重量%〜1重量%の酵素タンパク質濃度で、好ましくは組成物全体の0.0001重量%〜0.5重量%の酵素タンパク質濃度で、より好ましくは組成物全体の0.0001重量%〜0.1重量%の酵素タンパク質濃度で本発明の方法で用いられる組成物に配合され得る。
【0075】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、酵素、好ましくはプロテアーゼ及び/又はアミラーゼを含んでもよい。
【0076】
微生物起源のプロテアーゼが好ましい。化学的又は遺伝子学的に改変された変異型が含まれる。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、好ましくはアルカリ性微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼであり得る。
【0077】
本明細書での使用に好ましいプロテアーゼとしては、バチルス・レンタスの野生型酵素又はバチルス・アミロリケファシエンスの野生型酵素との同一性が、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、特に100%であることが実証されたポリペプチドが挙げられる。
【0078】
好ましい市販のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、及びEsperase(登録商標)でNovozymes A/S(Denmark)により販売されているもの、商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、PurafectPrime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、及びPurafect OXP(登録商標)でGenencor Internationalにより販売されているもの、及び商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)でSolvay Enzymesにより販売されているものが挙げられる。1つの態様では、好ましいプロテアーゼは、好ましくはY217L変異を含む、Bacillus amyloliquefaciens由来のサブチリシンBPN’プロテアーゼであり、Genencor Internationalより商品名Purafect Prime(登録商標)で市販されている。
【0079】
好適なアルファ−アミラーゼとしては、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学的又は遺伝子学的に改変された変異型(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼはバチルスの菌種から、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・ズブチルス、又は他のバチラス種、例えばバチルス種NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼには次のものが挙げられる。
(a)国際公開第94/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号、及び同第97/43424号に記載の変異体、特に、国際公開第96/23874号の配列番号2としてリストされた酵素に対して、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換された変異体。
(b)米国特許第5,856,164号及び国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号、及び同第06/002643号に記載の変異型、特に国際公開第06/002643号で配列番号12として記載のAA560酵素に対して、以下の位置:26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換された変異体であって、好ましくはD183
*及びG184
*の欠損を含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号での配列番号4(Bacillus SP722由来の野生型酵素)と少なくとも90%の同一性を呈し、特に位置183及び184で欠損を有する変異体、並びに本明細書に参照により組み込まれる国際公開第00/60060号に記載の変異体。
(d)バチルス種707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)からの野生型酵素と少なくとも95%の同一性を呈する変異体、特に以下の変異M202、M208、S255、R172及び/又はM261を1つ以上含むもの。好ましくはこのアミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。特に好ましくは、M202L又はM202T突然変異を含むものである。
【0080】
好適な市販のα−アミラーゼとしてはDURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標))、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S、Bagsvaerd、Denmark)、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH:Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto:California)及びKAM(登録商標)(花王:日本、103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号)が挙げられる。1つの態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0081】
保湿剤
好ましい実施形態では、組成物は、1以上の保湿剤を含んでもよい。保湿剤を含むこのような組成物は、更に手の皮膚に対して穏やかな効果を提供することが判明している。
【0082】
存在する場合、保湿剤は、典型的に、本発明の組成物全体の0.1重量%〜50重量%、好ましくは1重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%、更により好ましくは組成物全体の1重量%〜6重量%、最も好ましくは2重量%〜5重量%の濃度で存在する。
【0083】
本発明に従って使用できる保湿剤としては、水に対して結合性を示し、基材の、好ましくは皮膚の水の吸収作用を高める助けをする物質が挙げられる。特に好適な保湿剤の具体的な非限定的な例としては、グリセロール、ジグリセロール、ポリエチレングリコール(PEG−4)、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、(ジ)−プロピレングリコール、グリセリルトリアセテート、ポリアルキレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。他の好適な保湿剤は、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ピロリドンカルボン酸(PCA)及びその塩、ピドロ酸及びピドロ酸ナトリウムなどの塩、ソルビトール、キシリトール及びマルチトールなどのポリオール、又はポリデキストロースなどの高分子ポリオール、又はキラヤなどの天然抽出物、又は乳酸若しくは尿素であり得る。同様に、アルキルポリグリコシド、ポリベタインポリシロキサン、及びこれらの混合物も挙げられる。更なる好適な保湿剤は、例えば、ヒアルロン酸、キトサン及び/若しくはフルクトースに富む多糖(例えばSOLABIA SからFucogel(登録商標)1000(CAS−Nr 178463−23−5))として入手可能である、水溶性及び/又は水膨潤性多糖のファミリーの高分子保湿剤である。
【0084】
電解質及びキレート剤
電解質又はキレート剤は、液体洗剤組成物の5重量%未満、好ましくは0.015重量%〜3重量%、より好ましくは0.025重量%〜2.0重量%に制限することが好ましい。
【0085】
電解質は、水性界面活性剤の相挙動に影響を与え得る水溶性の一価又は多価非表面活性(すなわち、非界面活性)塩である。このような電解質としては、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、及びクエン酸塩が挙げられる。
【0086】
キレート剤は、例えば、沈殿又はスケール形成を導く、界面活性剤系の性能及び安定性に有害な効果を有する可能性のある、遷移金属イオンを含む金属イオンと結合させるか又は錯体を形成させるために用いられる。カルシウム及びマグネシウムイオン等のイオンを遮閉することにより、キレート剤は、乾燥中に縞を生じさせる恐れのある結晶成長も阻害する。しかし、キレート剤は、水性界面活性剤の相挙動に影響を与える場合もある。
【0087】
キレート剤としては、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、ポリ官能性置換芳香族キレート剤、及びこれらの混合物が挙げられる。キレート剤の例としては、以下が挙げられる:MEAクエン酸塩、クエン酸、アミノアルキレンポリ(アルキレンホスホン酸塩)、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩、及びニトリロトリメチレン、ホスホン酸塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(DDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシ−エチレン1,1ジホスホン酸(HEDP)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩(HEDTA)、ニトリロ三酢酸塩(NTA)、メチルグリシン二酢酸塩(MGDA)、イミノ二コハク酸塩(IDS)、ヒドロキシエチルイミノ二コハク酸塩(HIDS)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸塩(HEIDA)、グリシン二酢酸塩(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸塩(DTPA)及びこれらの混合物。
【0088】
溶媒
好適な溶媒としては、C
4〜14エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C
6〜C
16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化直鎖C
1〜C
5アルコール、直鎖C
1〜C
5アルコール、アミン、C
8〜C
14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、本発明の方法で用いられる液体洗剤組成物は、液体洗剤組成物の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の溶媒を含有する。これらの溶媒は、水などの水性液体キャリアと共に使用することができ、又はいずれの水性液体キャリアも存在させることなく使用することができる。
【0089】
ヒドロトロープ
本発明の方法で用いられる液体洗剤組成物は、液体洗剤組成物が水に適切に相溶するように、所望によりヒドロトロープを有効量で含んでもよい。本明細書で使用するのに好適なヒドロトロープとしては、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物、並びに米国特許第3,915,903号に開示されている関連する化合物が挙げられる。本発明の液体洗剤組成物は、典型的には、液体洗剤組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは3重量%〜10重量%のヒドロトロープ、又はその混合物を含む。
【0090】
高分子泡安定剤
組成物は、任意で高分子泡安定剤を含有してもよい。これらの高分子泡安定剤は、液体洗剤組成物の泡の体積及び泡持続時間の増大をもたらす。これらの高分子泡安定剤は、(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルエステルのホモポリマー、及び(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルアクリレートエステルのホモポリマーから選択することができる。従来のゲル浸透クロマトグラフィーによって判定される、高分子起泡増進剤の重量平均分子量は、1,000〜2,000,000、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜750,000、より好ましくは20,000〜500,000、更により好ましくは35,000〜200,000である。高分子泡安定化剤は、任意に、無機塩又は有機塩の塩の形態で存在することができる。
【0091】
1つの好ましい高分子泡安定化剤は、(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステルである。他の好ましい起泡増進高分子は、ヒドロキシプロピルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(HPA/DMAMコポリマー)である。
【0092】
組成物中に存在する場合、高分子起泡増進/安定化剤は、液体洗剤組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.05重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜5重量%で存在してもよい。
【0093】
他の好ましい高分子起泡増進剤の部類は、45,000未満の、好ましくは10,000〜40,000の、より好ましくは13,000〜25,000の数平均分子量(Mw)を有する疎水変性セルロースポリマーである。疎水変性セルロース系ポリマーとしては、非イオン性及びカチオン性のセルロース誘導体などの、水溶性セルロースエーテル誘導体が挙げられる。好ましいセルロース誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0094】
ジアミン
組成物の別の任意成分は、ジアミンである。液体洗剤組成物のユーザーの癖及びやり方は著しいばらつきを示すので、組成物は、前記組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.2重量%〜10重量%、より好ましくは0.25重量%〜6重量%、より好ましくは0.5重量%〜1.5重量%の、少なくとも1つのジアミンを含有してもよい。
【0095】
好ましい有機ジアミンは、pK1及びpK2が8.0〜11.5の範囲、好ましくは8.4〜11の範囲、更により好ましくは8.6〜10.75の範囲であるものである。好ましい物質としては、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン(pKa=10〜10.5)、1,3−プロパンジアミン(pK1=10.5、pK2=8.8)、1,6−ヘキサンジアミン(pK1=11、pK2=10)、1,3−ペンタンジアミン(DYTEK EP(登録商標))(pK1=10.5、pK2=8.9)、2−メチル1,5−ペンタンジアミン(ダイテックA(登録商標))(pK1=11.2、pK2=10.0)が挙げられる。他の好ましい材料としては、C
4〜C
8の範囲のアルキレンスペーサーを有する、第一級/第一級ジアミンが挙げられる。
【0096】
カルボン酸
液体洗剤組成物は、組成物のすすぎの感触を向上させるために、直鎖若しくは環式カルボン酸又はその塩を含んでもよい。アニオン性界面活性剤の存在は、特に組成物の15〜35重量%の範囲で多量に存在する場合に、ユーザーの手及び食器に滑りやすい感触を付与する組成物をもたらす。この滑りやすい感触は、本明細書で規定されるカルボン酸を用いる場合に減少する、すなわち、すすぎの感触が滑りやすくなる。
【0097】
本明細書で有用なカルボン酸としては、C
1〜6の直鎖状の酸、又は少なくとも3個の炭素を含有する環状の酸が挙げられる。カルボン酸又はその塩の、直鎖若しくは環状炭素含有鎖は、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、1〜6個の、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基、及びこれらの混合物からなる群から選択される置換基で、置換することができる。
【0098】
好ましいカルボン酸は、サリチル酸、マレイン酸、アセチルサリチル酸、3−メチルサリチル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシフマル酸、1,2,4ベンゼントリカルボン酸、ペンタン酸、及びこれらの塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるものである。カルボン酸が塩の形態で存在する場合、その塩のカチオンは、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミン、並びにこれらの混合物から選択される。
【0099】
カルボン酸又はその塩は、存在する場合、好ましくは組成物全体の0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜1重量%、最も好ましくは0.25重量%〜0.5重量%の濃度で存在する。
【0100】
粘度
本発明の組成物は、好ましくは、20s
-1及び20℃において、50〜4000センチポアズ(50〜4000mPa.s)、より好ましくは100〜2000センチポアズ(100〜2000mPa.s)、最も好ましくは1500〜1500センチポアズ(500〜1500mPa.s)の粘度を有する。本発明による粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmの平板の鋼製スピンドルを使用する、TA instruments製のAR550レオメーターを使用して測定される。20s
-1での高剪断粘度、及び0.05s
-1での低剪断粘度は、20℃において3分間の0.1s
-1〜25s
-1の対数剪断速度掃引から得ることができる。本明細書に記載される好ましいレオロジーは、内部に存在する洗剤成分による構造化を使用して、又は外的レオロジー変性剤を用いることによって、達成することができる。それゆえ、本発明の好ましい実施形態において、組成物はレオロジー変性剤を更に含む。
【0101】
濁度(NTU)測定
製造業者から提供された手順に従って調整されたHach 2100P濁度計を使用して、濁度(NTU:Nephelometric Turbidity Units(比濁度計濁度単位)で測定)を測定した。取扱説明書に従ってサンプルバイアルに15mLの代表サンプルを充填し、蓋をし、洗浄する。必要な場合、真空を適用するか又は超音波浴を使用することによって、サンプルを脱気してあらゆる気泡を除去する(手順に関する説明書を参照のこと)。自動範囲選択により濁度を測定する。
【実施例】
【0102】
予め濡らしておいたポリウレタン材料のスポンジに4グラムの未希釈組成物を直接添加し、次いで、4gの消費者平均牛脂(CABF)で汚れたプレートを洗浄するためにパネリストに使用させることにより、直接適用使用中の泡の寿命を参照洗剤に対して評価した。パネリストは、スポンジ上で泡が発生しなくなるまで、流水下で多数の汚れたプレートを洗った。洗ったプレートの数を記録し、参照組成物を用いたときと比較した。
【0103】
参照組成物は、本発明の分枝状エトキシル化アルコールを含まない。実施例1は、本発明に係る分枝状アルコキシル化アルコールを含有する。本発明の組成物は、界面活性剤(アルキルエトキシサルフェート及びアミンオキシド)の濃度が低いにもかかわらず、泡の寿命が著しく改善されることが分かった。
【0104】
【表1】
*染料、乳白剤、香料、保存剤、加工助剤、安定化剤、溶媒等
【0105】
実施例2〜5の組成物は、本発明の更なる実施形態を例証する。
【0106】
【表2】
【0107】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきでない。むしろ、特に断らない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記載された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。