特許5727652IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

基礎杭上に配設した免震装置を介して上部構造物支持させる杭頭免震構造に関するものである。

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】地震に対する杭頭部の過大な回転と変形を押さえ、杭頭に生ずる曲げモーメントにより杭頭部と免震装置に損傷を与えないようにすると共に、地震後に残留変形を生じない基礎を提供する。
【解決手段】基礎杭の杭頭部に免震装置を介して上部構造体が支持される免震構造物であって、前記基礎杭の杭頭部から所要深さまで緊張材が配置され、該緊張材に所要の緊張導入力を与えて緊張定着することにより杭頭部にプレストレスが付与されることを特徴とする杭頭免震構造としたことにより、杭頭部の曲げ耐力が大幅に向上され、杭頭部曲げモーメントによる杭頭部の回転および変形を小さく押さえることができ、杭頭部および免震装置の損傷を防止することができる。
【選択図】図6

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

前記第1の従来技術においては、基礎杭上に底盤が設けられ、該底盤上で杭頭部に対応する位置に上部構造体を支持する免震装置を取り付けたものであるが、地盤に対する杭頭部の回転を拘束しない構成になっているため、巨大地震により杭頭部に掛かる過大な回転と変形量とを制御することができず、それに伴って免震装置も過大な変形が生じて免震機能が実質的に低下してしまい、杭頭部とともに免震装置が損傷する危険性が高いという問題点を有している。 また、前記第2の従来技術においては、杭頭部に杭頭キャピタルを設けると共に、隣接する杭頭キャピタル間に、扁平つなぎ梁を設置して杭頭キャピタル同士を連結することによって、各杭頭部から杭頭キャピタルに伝達された杭頭曲げモーメントを、扁平つなぎ梁により曲げ戻して杭頭回転を抑制するように構成しているのであり、全部の杭頭キャピタルを扁平つなぎ梁で連結させることが不可欠であるため、施工手間が掛かるばかりでなくコスト高になるという問題点を有している。
また、巨大地震時に杭頭部に生じる曲げモーメントによる過大な回転と変形とに対して、扁平つなぎ梁の曲げ剛性が小さいため、地震後その回転と変形が残留したままで有害な変形となり、免震装置の機能を損傷させる危険性がある。 つまり、前記したいずれの従来技術の杭頭免震構造においては、以下の問題点が存するのである。
1.杭頭部の回転拘束をしないとする場合は、杭頭部の回転や変形が過大になる。
2.杭頭部の回転拘束を扁平つなぎ梁で拘束する場合は、曲げ剛性が小さいため、巨大地震時に繰り返しの地震力による杭頭部の回転と変形が残留する。 本発明は、地震に対する杭頭部の過大な回転と変形を押さえ、杭頭に生ずる曲げモーメントにより杭頭部と免震装置に損傷を与えないようにすると共に、地震後に残留変形を生じないようにし、合理的かつ経済的な杭頭免震構造を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

目的を達成するための具体的手段として、本発明は、基礎杭の杭頭部に免震装置を介して上部構造体が支持される免震構造物であって、前記基礎杭の杭頭部から所要深さまで自由長部とアンカー定着長部とで構成された緊張材が配置され、該緊張材の自由長部は杭頭部の曲げ変形反曲点から上部に配置され、アンカー定着長部は杭頭部の曲げ変形反曲点から下部に配置されて定着され、該緊張材に所要の緊張導入力を与えて緊張定着す・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明に係る杭頭免震構造によれば、以下の優れた効果を奏するものである。
1.緊張材の自由長部は杭頭部の曲げ変形反曲点から上部に配置され、アンカー定着長部は杭頭部の曲げ変形反曲点から下部に配置されて定着され、該緊張材にプレストレスが導入されることによって、杭頭部の曲げ耐力が大幅に向上され、杭頭部曲げモーメントによる杭頭部の回転および変形を小さく押さえることができ、杭頭部および免震装置の損傷を防止することができる。
2.緊張導入力は、緊張材の降伏荷重の40〜70%とすることによって、大地震時においても緊張材が降伏することなく弾性線形復元力の範囲内に保持され、地震後に杭頭がプレストレスの復元力によって元の状態に戻るので、残留変形がなく免震構造としても免震機能をフルに発揮することができる。
3.緊張材を杭頭部に所要深さまで配置するだけで、従来技術のような偏平つなぎ梁や基礎梁を設けなくても、杭頭部に発生する曲げモーメントに対する抵抗処理ができるから、工事の手間とコストを大幅に軽減することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の第1の実施の形態に係る杭頭免震構造における第1実施例において、(a)は杭頭部を形成する状況を示し、(b)(c)は緊張材の取り付け状況をそれぞれ略示的に示した側断面図である。

【図2】同実施の形態に係る第1実施例において、(a)は杭頭部にコンクリートを打設するための型枠形成と連結プレートの配置を示し、(b)はコンクリート打設後の状況をそれぞれ略示的に示した側断面図である。

【図3】同実施の形態に係る第1実施例において、(a)はコンクリート打設後に緊張材を緊張した状態を略示的に示した側断面図であり、(b)は取り付けられた連結プレートの平面図である。

【図4】同実施の形態に係る第1実施例において、(a)は緊張材を緊張した後にシース内にグラウトを充填した状況を略示的に示した側断面図であり、(b)はグラウト充填状況の一部を拡大して示した側断面図である。

【図5】同実施の形態に係る第1実施例において、形成された杭頭部に免震装置を取り付けた状態を示す側断面図である。

【図6】同実施の形態に係る第1実施例において、杭頭部に取り付けられた免震装置に上部建物を建造した状態を示す側断面図である。

【図7】同実施の形態に係る第2実施例において、(a)は形成された杭頭部に免震装置を取り付けた状態を示す側断面図であり、(b)は取り付けられた連結プレートの平面図であり、(c)は緊張材を緊張定着するための定着部材を拡大して示した側断面図である。

【図8】同実施の形態に係る第3実施例において、(a)は形成された杭頭部に免震装置を取り付けた状態を示す側断面図であり、(b)は取り付けられた連結プレートの平面図である。

【図9】本発明の第2の実施の形態に係る杭頭免震構造において、(a)は杭頭部を形成する状況を示し、(b)は杭頭部にコンクリートを打設するための型枠形成と連結プレートの配置を略示的にそれぞれ示した側断面図である。

【図10】同実施の形態に係る杭頭免震構造において、(a)はコンクリート打設後の状況を示し、(b)はシース内に緊張材を挿通した状態を示した側断面図である。

【図11】同実施の形態に係る杭頭免震構造において、(a)はシース内のアンカー定着部にグラウトを注入する状況を示し、(b)は注入したグラウトが固化した後に緊張材の余剰部分を除去し定着部にグラウト等を充填して防錆処理した状態を示した側断面図である。

【図12】同実施の形態に係る杭頭免震構造において、(a)は形成された杭頭部に免震装置を取り付けた状態を示し、(b)は緊張材のアンカー定着部における定着状況を拡大して示した側断面図である。

【図13】本発明の第3の実施の形態に係る杭頭免震構造において、(a)は杭頭部を形成する状況でアンカー定着部となる緊張材の配設状況を示し、(b)はアンカー定着部の緊張材と杭頭部に全体に渡る緊張材とを接続配設する状況を示した側断面図である。

【図14】同実施の形態に係る杭頭免震構造において、(a)は杭頭部にコンクリートを打設するための型枠形成と連結プレートの配置を示し、(b)ははコンクリート打設後の状況を示した側断面図である。

【図15】同実施の形態に係る杭頭免震構造において、(a)は緊張材を緊張してシース内のアンカー定着部にグラウトを注入する状況を示し、(b)は注入したグラウトが固化した後に緊張材の余剰部分を除去し定着部にグラウト等を充填して防錆処理した状態を示した側断面図である。

【図16】同実施の形態に係る杭頭免震構造において、(a)は形成された杭頭部に免震装置を取り付けた状態を示し、(b)はコンクリート内における緊張材の定着状況を拡大して示した側断面図である。

【図17】本発明に係る杭頭部に導入されたプレストレスによる復元力を示した概念図である。

【図18】同概念図において、杭頭部に導入されたプレストレスが、地震力によって杭頭部に生ずる曲げモーメントと、軸ずれ分に対抗して、復元力を発揮するかを説明するための説明図である。

選択図 図6出願人が指定した本件の代表的な図

1 基礎杭   1a 杭頭部   2、2b シース   2a、33 ジョイントシース   3 補強鋼管   4 緊張材   5 グラウト   6 定着部   7 連結プレート   8 コンクリート打設孔   9、28 アンカー材   10、22 ボルト受部材   11 ラップル基礎   12 マットスラブ   13 下部基礎   14、29 定着具   15 免震装置   16 下部ベースプレート   17、23 取付ボルト   18 建造物   19 上部ベースプレート   20 上部連結プレート   21 アンカー材   24 フーチング   25 基礎梁   26 柱   27 定着部材   30、31 PC鋼棒   32 カプラー   a アンカー定着長部   b 型枠形成仮線

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