特許第5727654号(P5727654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5727654
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】三脚
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20060101AFI20150514BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   G03B17/56 A
   H04N5/222 B
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-165641(P2014-165641)
(22)【出願日】2014年8月18日
【審査請求日】2014年8月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】712010083
【氏名又は名称】宮岡 秀士
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 秀士
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/083615(WO,A1)
【文献】 特開2002−250968(JP,A)
【文献】 特開平08−297325(JP,A)
【文献】 特開平07−313313(JP,A)
【文献】 特開2003−301995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
H04N 5/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを高い位置に置いて撮影するための伸縮可能な三本の脚部を有する三脚であって、前記三本の脚部のうちの二本の支持用脚が回動可能に取り付けられ、前記二本の支持用脚を結合する第一の支持台と、記第一の支持台に回動可能に結合されるとともに、前記三本の脚部のうちの前記二本の支持用脚ではない一本の操作用脚が回動可能に取り付けられ、前記カメラを搭載するための第二の支持台と、を備えた三脚。
【請求項2】
脚は支持台に近くなるほど細くなるように構成した請求項1記載の三脚。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真、ビデオ撮影用の三脚に使用するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の大型三脚は移動の少ない屋内での撮影、屋外での使用では据えやすく搬入にも障害が無い場所などに限定され、気軽に携行して撮影に出かけられるような代物ではない。それは一般三脚に比べ重量が数倍あり収納のため縮めても1m近い長さであるからだ。また実際の撮影となると撮影者は脚立など別途足代を用意しカメラの撮影画面の確認をしなければならず、屋外での撮影など頻繁に移動する場合は気軽に利用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-170919
【特許文献2】特開2010-014702
【特許文献3】登録実用新案3143391号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大型三脚並みの高さを有し軽量で携行でき、目前の障害物が在ってもその障害物を越えた位置からの撮影を可能とするとともに左右への首振り撮影が簡単にできる三脚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明は次のような構成を採用した。
請求項1の発明では、伸縮可能な二本の脚を有する第一の支持台と、上記第一の支持台に回動可能に結合され、伸縮可能な一本の脚を有しカメラを搭載するための第二の支持台を備えた。
【0006】
請求項2の発明では、脚は支持台に近くなるほど細くなるように構成した。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、高所からの撮影や障害物が在る場合の撮影において従来の三脚には無い左右への首振り撮影ができることで撮影範囲が広くなることと撮影動作の軽減が図られ創作活動に貢献できる。
カメラはデジタル化によりファインダーを覗かなくても携帯電話、タブレット端末機器のモニター画面で確認できることとピント合わせやシャッターも切れるようになっている。このことから本発明により一般撮影はもとより、高所からの俯瞰撮影あるいは障害物を越えての撮影が可能となる。
【0008】
請求項2の発明によれば、据えた三脚の上部に懸かる重量は脚を細くしたため従来の三脚に比べて軽く、反面足元は重くなり安定性が高まる。このため脚段数を増やしても安定性の高い大型三脚並みの高さを確保できる。また二脚を立て一脚を手で支えて撮影するとき前後への移動操作および左右への画面展開は摩擦抵抗の高い太い脚部を握ることで伝達力が良くなり細やかな操作ができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の三脚の支持台の分解斜視図
図2】同三脚の支持台と三脚の斜視図
図3】同三脚を開いて据えた時の斜視図
図4】同三脚の支持台の可動域を示す俯瞰図
図5】同三脚の障害物の上部からの俯瞰撮影時の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第一実施形態について図1を用いて具体的に説明する。
1は第一支持台で、金属或はプラスチック、カーボン樹脂などで構成され、中央部に孔4が設けられている。3は締付け用の螺子である。支持台1の両端下部にそれぞれ脚取付用孔5−1を備えた脚ヒンジ5と同様の構成の脚ヒンジ6が設けられている。
2は第二支持台で、金属或はプラスチック、カーボン樹脂などで構成され、中央部に孔10が設けられている。第二支持台2の一端下部に脱落防止の螺子9−1を備えた回動軸9を設け他端下部に脚取付用孔7−1を有するヒンジ脚7−2を備えた台ヒンジ7が設けられている。
11は雲台取付用螺子台で下部に脱落防止の螺子12−1を備えたエレベーター棒12が設けられている。8は締付け用の螺子で孔10を上下するエレベーター棒12を任意の高さで固定する。
第一支持台1の孔4に第二支持台2の回動軸9を貫通し螺子9−1で脱落防止を行う。このとき脚用ヒンジ5、6、7を通る平面は雲台取付用螺子台11上面に平行となるように構成する。
【0011】
図2は第一支持台1と第二支持台2を組み合わせて一体とした状態を示すとともに各段脚部を少し伸張した状態の脚15、16、17の上部を示す斜視図である。
18はキャップで一体に構成され孔18A −2を備えた脚ヒンジ18A−1と孔18B−2を備えた脚ヒンジ18B−1が設けられている。脚ヒンジ18A−1と18B−1で第二支持台2の台ヒンジ7を挟むように組立て孔18A−2と孔18B−2にボルト13を貫通しナット14で締結する。19は一段目の脚で最も細く一段目ロックナット20で伸張長さを調整する。21は二段目の脚で二段目ロックナット22で伸張長さを調整する。
同様の構成で第一支持台1の台ヒンジ5、6(図示せず)を脚16、17へボルト(図示せず)とナット(図示せず)で締結する。
【0012】
図3は脚全てを縮め三脚を開いて据えた状態を示し、これを用いて具体的に説明する。
24は脚15の三段目のロックナット、26は四段目のロックナットでそれぞれ伸張長さを調整する。27は五段目の脚で最下段の脚であるが仕様により段数を増すこともできる。また脚の足元を安定させるための石突28を備える。脚16、17も同様に構成されている。
【0013】
図4は第一支持台1と第二支持台2を組み立てた状態から第二支持台の可動域を示し、これを用いて具体的に説明する。
図は第一支持台1に第二支持台2を固定したもので、実線の位置は通常の使用状態を示す。高所撮影の場合ここから固定用螺子3を緩めた状態にして第二支持台2を右へ回動させた状態が点線2−1であり、左へ回動させた状態が点線2−2である。その可動域の範囲は約45度になり撮影範囲を広げられる。
【0014】
図5は、本発明の三脚を使用して障害物越しの撮影状態を示す。
23は三段目の脚、25は四段目の脚、29はカメラ、30は雲台、31は障害物、32は撮影者を示す。
障害物31が在る場面で、脚15,16,17全てを伸張し開脚の状態で第一支持台1にある脚16と脚17を被写体(図示せず)に対し正対するように据え第二支持台2にある脚15はその後方に据えた状態で携帯電話(図示せず)、タブレット端末機器のモニター画面(図示していない)で撮影画面の状態を確認し、前方の障害物31が撮影画面内にある場合、撮影者32は脚15を両手で操作し三脚全体を前方に押し出し撮影画面から障害物31をクリアーできたことをモニター画面(図示せず)で確認する。左右への調整は次のように行う。あらかじめ固定螺子3を緩めておくことで手にしている脚15の操作で第二支持台2を回動させて、左右の調整を決定しモニター画面(図示せず)でピント合わせを行いリモートコントロールスイッチ(図示せず)でシャッター(図示せず)を押せる状態である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
カメラを三脚に固定して撮影する場合や俯瞰撮影を行う場合。
【符号の説明】
【0016】
1 第一支持台
2 第二支持台
3 軸固定用螺子
4 孔(軸受け用)
5 台ヒンジ(脚受け用)
5-1孔(脚用)
6 台ヒンジ(脚受け用)
7 台ヒンジ(脚受け用)
7-1孔(脚用)
7-2ヒンジ脚
8 固定螺子(エレベータ用)
9 回動軸
9-1.螺子(回動軸用)
10 孔(エレベータ用)
11 雲台取付螺子台
12 エレベーター棒
12-1螺子(エレベータ用)
13 ボルト
14 ナット
15 脚
16 脚
17 脚
18 キャップ
18A-1脚ヒンジ
18A-2孔(脚ヒンジ用)
18B-1脚ヒンジ
18B-2孔(脚ヒンジ用)
19 一段目脚
20 一段目ロックナット
21 二段目脚
22 二段目ロックナット
23 三段目脚
24 三段目脚ロックナット
25 四段目脚
26 四段目脚ロックナット
27 五段目脚
28 石突
29 カメラ
30 雲台
31 障害物
32 撮影者










【要約】
【課題】
本発明は、大型三脚並みの高さを有し軽量で携行でき、目前の障害物が在ってもその障害物を越えた位置からの撮影を可能とするとともに左右への首振り撮影が簡単にできる三脚を提供することを目的とする。
【解決手段】
上記課題を解決するため本発明は次のような構成を採用した。
伸縮可能な二本の脚を有する第一の支持台と、上記第一の支持台に回動可能に結合され、伸縮可能な一本の脚を有しカメラを搭載するための第二の支持台を備えた三脚。
また、伸縮できる細い脚部を上部に取り付け太い脚部を下部に設けることで、三脚上部の重量が軽減され下部の重量が増すことによって据えた場合の安定性を高めた。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5