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特許5727670マルチインターフェース端末隣接トポロジー発見、協調通信方法及びマルチインターフェース端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5727670
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】マルチインターフェース端末隣接トポロジー発見、協調通信方法及びマルチインターフェース端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 40/32 20090101AFI20150514BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20150514BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20150514BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20150514BHJP
【FI】
   H04W40/32
   H04W8/00 110
   H04W88/06
   H04W84/18
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-510641(P2014-510641)
(86)(22)【出願日】2011年9月1日
(65)【公表番号】特表2014-517599(P2014-517599A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】CN2011079223
(87)【国際公開番号】WO2012155410
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2014年1月9日
(31)【優先権主張番号】201110129640.9
(32)【優先日】2011年5月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】孫 愛 芳
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−199742(JP,A)
【文献】 特表2009−518968(JP,A)
【文献】 特開2001−256583(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/033438(WO,A1)
【文献】 特表2012−503432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチインターフェース端末及び前記マルチインターフェース端末と同一のネットワークにアクセスするインターフェースが存在しない端末を含む複数の端末の間に用いられるマルチインターフェース端末隣接トポロジー発見方法であって、
マルチインターフェース端末がネットワークに参加した後、各インターフェースによってそれぞれのネットワークに近隣探索要求メッセージを放送し、前記近隣探索要求メッセージには隣接ホップ数が含まれることと、
前記ルチインターフェース端末が該端末の各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受し、近隣探索要求メッセージを傍受した時、傍受した近隣探索要求メッセージに含まれる隣接ホップ数が、該端末が最後のホップであると示していれば、前記近隣探索要求メッセージの中の関連情報を抽出し、該端末の隣接情報とネットワークトポロジー情報を更新し、前記隣接ホップ数が、該端末が最後のホップではないと示していれば、前記隣接ホップ数を修正した後、すべてのインターフェースによって前記近隣探索要求メッセージを転送し、前記近隣探索要求メッセージの中の関連情報を抽出し、該端末の隣接情報とネットワークトポロジー情報を更新することとを含み、
これによって前記マルチインターフェース端末が1ホップ又はマルチホップリンクによって前記マルチインターフェース端末と同一のネットワークにアクセスするインターフェースが存在しない端末である周辺端末に到達できるマルチインターフェース端末隣接トポロジー発見方法。
【請求項2】
前記マルチインターフェース端末が各インターフェースによってそれぞれのネットワークに近隣探索要求メッセージを放送するステップは、前記マルチインターフェース端末が周期的に各インターフェースによってそれぞれのネットワークに近隣探索要求メッセージを放送することを含み、
前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が該端末の各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受するステップは、前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が周期的に該端末の各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受することを含み、
周期的に前記放送メッセージを傍受する時間は、周期的に前記近隣探索要求メッセージを放送する時間より短い、請求項1に記載のマルチインターフェース端末隣接トポロジー発見方法。
【請求項3】
前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が該端末の各インターフェースにより受信された前記放送メッセージを統計し、指定時間内において一つのインターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを受信していなければ、該端末は該インターフェースを閉じるか休眠状態に移行させ、周期的に該インターフェースをウェークアップすることをさらに含む、請求項1または2に記載のマルチインターフェース端末隣接トポロジー発見方法。
【請求項4】
マルチインターフェース端末協調通信方法であって、マルチインターフェース端末が請求項1〜3のいずれか一項に記載の隣接トポロジー発見方法に基づいて、ネットワークトポロジー情報を取得し、前記マルチインターフェース端末協調通信方法はさらに、
前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が業務を要求する必要がある時、前記ネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得することと、
前記有効な通信リンクが1本より多い場合に、各有効な通信リンクの間の業務分流方式を確定することと、
該マルチインターフェース端末が前記業務分流方式に基づいて、各有効な通信リンクに対応する各インターフェースによって業務を要求し及び前記業務を並行伝送することと、を含む、マルチインターフェース端末協調通信方法。
【請求項5】
前記各有効な通信リンクの間の業務分流方式を確定するステップは、
前記各有効な通信リンクのリンク情報、要求される業務の業務情報及び各通信リンクに対応する各インターフェースのインターフェース情報におけるいずれか一項又はこれらの任意の組み合せに基づいて評価し、評価結果に基づいて前記業務分流方式を確定することを含む、請求項4に記載のマルチインターフェース端末協調通信方法。
【請求項6】
前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が業務を要求する必要がある時、前記ネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得できていない時、
該マルチインターフェース端末が各インターフェースによってそれぞれのネットワークに、目的端が含まれるリンクリレー要求メッセージをそれぞれ放送し、
周辺端末が前記リンクリレー要求メッセージを受信した時、前記リンクリレー要求メッセージにおける目的端が自分であるか否かを判断し、自分でなければ、自分のすべてのインターフェースによって前記リンクリレー要求メッセージを転送し、自分であれば、元経路にしたがってリンクリレー応答メッセージを、該リンクリレー要求メッセージを送信したマルチインターフェース端末に送り返し、
前記該リンクリレー応答メッセージを送信したマルチインターフェース端末が前記リンクリレー応答メッセージを受信した後、前記目的端と有効な通信リンクを確立する方式によって前記有効な通信リンクを取得することをさらに含む請求項4または5に記載のマルチインターフェース端末協調通信方法。
【請求項7】
マルチインターフェース端末及び前記マルチインターフェース端末と同一のネットワークにアクセスするインターフェースが存在しない端末を含む複数の端末の間に用いられるマルチインターフェース端末であって、ネットワーク層と、少なくとも2つの異なるインターフェースとを含み、さらに、マルチインターフェースアダプテーション層を含み、前記マルチインターフェースアダプテーション層はネットワークトポロジーモジュール及びインターフェース管理モジュールを含み、
前記ネットワークトポロジーモジュールは、前記マルチインターフェース端末がネットワークに参加した後、各インターフェースに近隣探索要求メッセージを送信し、前記近隣探索要求メッセージには隣接ホップ数が含まれ、及び、前記インターフェースにより転送された近隣探索要求メッセージを受信した後、前記インターフェースにより転送された近隣探索要求メッセージの中の関連情報を抽出し、隣接情報とネットワークトポロジー情報を更新し、
前記インターフェース管理モジュールは、前記インターフェースに対して制御と管理を行い、
前記インターフェースは、近隣探索要求メッセージを受信した後、所在するネットワークに該近隣探索要求メッセージを放送し、及び、該インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受し、近隣探索要求メッセージを傍受した時、該近隣探索要求メッセージに含まれる隣接ホップ数が、該端末が最後のホップであると示していれば、該近隣探索要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信し、前記隣接ホップ数が、該端末が最後のホップではないと示していれば、該近隣探索要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信し、該近隣探索要求メッセージの中の隣接ホップ数を修正した後、すべてのインターフェースによって該近隣探索要求メッセージを転送
これによって前記マルチインターフェース端末が1ホップ又はマルチホップリンクによって前記マルチインターフェース端末と同一のネットワークにアクセスするインターフェースが存在しない端末である周辺端末に到達できるマルチインターフェース端末。
【請求項8】
前記ネットワークトポロジーモジュールは、周期的に該端末の各インターフェースに近隣探索要求命令を送信し、
前記インターフェースは、周期的に該端末の各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受し、
周期的に前記放送メッセージを傍受する時間は、周期的に近隣探索要求メッセージを送信する時間より短い、請求項7に記載のマルチインターフェース端末。
【請求項9】
前記インターフェース管理モジュールはさらに、各インターフェースにより受信された放送メッセージを統計し、指定時間内においてインターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを受信していなければ、該インターフェースを閉じるか該インターフェースを休眠状態に移行させ、且つ、周期的にウェークアップする、請求項7または8に記載のマルチインターフェース端末。
【請求項10】
前記マルチインターフェースアダプテーション層はさらに、協同制御モジュールを含み、
前記協同制御モジュールは、前記ネットワーク層の業務要求命令を受信した時、前記ネットワークトポロジーモジュールに維持されるネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得し、前記有効な通信リンクが1本より多い場合に、各有効な通信リンクの間の業務分流方式を確定し、前記インターフェース管理モジュールに送信し、
前記インターフェース管理モジュールはさらに、前記業務分流方式に基づいて、各有効な通信リンクに対応する各インターフェースを制御して要求業務を行い及び前記業務を並行伝送する、請求項7〜9のいずれか一項に記載のマルチインターフェース端末。
【請求項11】
前記協同制御モジュールは、前記各有効な通信リンクのリンク情報、要求される業務の業務情報及び各通信リンクに対応する各インターフェースのインターフェース情報におけるいずれか一項又はこれらの任意の組み合せに基づいて評価し、評価結果に基づいて前記業務分流方式を確定する、請求項10に記載のマルチインターフェース端末。
【請求項12】
前記ネットワークトポロジーモジュールはさらに、前記ネットワーク層の業務要求命令を受信し、前記ネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得できていない時、各インターフェースに、目的端が含まれるリンクリレー要求命令を送信し、
前記インターフェースはさらに、前記リンクリレー要求命令を受信した後、それぞれのネットワークに、前記目的端が含まれるリンクリレー要求メッセージをそれぞれ放送し、及び、目的端から送り返されたリンクリレー応答メッセージを受信した後、前記協同制御モジュールに転送し、
前記協同制御モジュールはさらに、前記インターフェースにより転送されたリンクリレー応答メッセージを受信した後、前記目的端と有効な通信リンクを確立する、請求項10または11に記載のマルチインターフェース端末。
【請求項13】
前記インターフェースはさらに、他の端末により送信されるリンクリレー要求メッセージを受信した時、前記リンクリレー要求メッセージの中の目的端末が自分であるか否かを判断し、自分でない時、前記リンクリレー要求メッセージを前記インターフェース管理モジュールに転送し、自分である時、前記リンクリレー要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信し、
前記インターフェース管理モジュールはさらに、前記インターフェースにより転送された前記リンクリレー要求メッセージを受信した時、前記リンクリレー要求メッセージを転送するよう、前記マルチインターフェース端末のすべてのインターフェースに指示し、
前記ネットワークトポロジーモジュールはさらに、前記リンクリレー要求メッセージを受信した時、ネットワークトポロジー情報を更新し、元経路にしたがってリンクリレー応答メッセージを、リンクリレー要求を開始するソースマルチインターフェース端末に送り返すよう、各インターフェースに指示する、請求項10〜12のいずれか一項に記載のマルチインターフェース端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術分野に関し、特にマルチインターフェース端末隣接トポロジー発見、協調通信方法及びマルチインターフェース端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ユビキタス/モノのネットワーク環境の下では、複数種の通信技術が共存していて、マルチモード、マルチインターフェース、マルチチャンネルのインテリジェント端末が間違いなく重要な発展方向の一つとなっている。ユーザの周辺には、ますます多くのインテリジェント設備が現れ、人々の生活、仕事の空間に組み込まれている。多くの端末は、人々の多様化なネットワークに対する需要を満足するために、ブルートゥース、赤外線、WLAN(Wireless Local Area Network、ワイヤレスローカルエリアネットワーク)、WIMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス)などの非常に多いインターフェースを搭載し、マルチインターフェースのインテリジェント端末となっている。しかしながら、実際の応用において、マルチインターフェースインテリジェント端末の優位性は十分に反映されていない。それは多くの場合に、リンク品質が最適な通信回線を選択して情報交換を行うため、多くのインターフェースの使用率が非常に低く、マルチインターフェースによる協同通信の優位性が反映されていない。なお、異なるインターフェースを有する端末間は直接に通信することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術課題は、マルチインターフェース端末隣接トポロジー発見方法、協調通信方法及びマルチインターフェース端末を提供し、マルチインターフェースの使用率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明はマルチインターフェース端末隣接トポロジー発見方法を提供する。当該方法は、以下のステップを含む。
【0005】
マルチインターフェース端末がネットワークに参加した後、各インターフェースによってそれぞれのネットワークに近隣探索要求メッセージを放送し、前記近隣探索要求メッセージには隣接ホップ数が含まれることを含む。
【0006】
前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が該端末の各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受し、近隣探索要求メッセージを傍受した時、傍受した近隣探索要求メッセージに含まれる隣接ホップ数が、本端末が最後のホップであると示していれば、前記近隣探索要求メッセージの中の関連情報を抽出し、該端末の隣接情報とネットワークトポロジー情報を更新し、そうでなければ、前記隣接ホップ数を修正した後、すべてのインターフェースによって前記近隣探索要求メッセージを転送し、前記近隣探索要求メッセージの中の関連情報を抽出し、該端末の隣接情報とネットワークトポロジー情報を更新することを含む。
【0007】
好ましくは、上記方法はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0008】
前記マルチインターフェース端末が各インターフェースによってそれぞれのネットワークに近隣探索要求メッセージを放送するステップは、前記マルチインターフェース端末が周期的に各インターフェースによってそれぞれのネットワークに近隣探索要求メッセージを放送することを含む。
【0009】
前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が該端末の各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受するステップは、前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が周期的に該端末の各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受することを含む。
【0010】
周期的に前記放送メッセージを傍受する時間は、周期的に前記近隣探索要求メッセージを放送する時間より短い。
【0011】
好ましくは、上記方法はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0012】
前記ネットワークにおけるマルチインターフェース端末が該端末の各インターフェースにより受信された前記放送メッセージを統計し、指定時間内において一つのインターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを受信していなければ、該端末は該インターフェースを閉じるか休眠状態に移行させ、周期的に該インターフェースをウェークアップする。
【0013】
本発明はさらにマルチインターフェース端末協調通信方法を提供する。マルチインターフェース端末がネットワークトポロジー情報を取得した後、さらに、以下のステップを含む。
【0014】
前記マルチインターフェース端末が業務を要求する必要がある時、前記ネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得することを含む。
【0015】
前記有効な通信リンクが1本より多い場合に、各有効な通信リンクの間の業務分流方式を確定することを含む。
【0016】
該マルチインターフェース端末が前記業務分流方式に基づいて、各有効な通信リンクに対応する各インターフェースによって業務を要求し及び前記業務を並行伝送することを含む。
【0017】
好ましくは、上記方法はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0018】
前記各有効な通信リンクの間の業務分流方式を確定することは、前記各有効な通信リンクのリンク情報、要求される業務の業務情報及び各通信リンクに対応する各インターフェースのインターフェース情報における一項又はこれらの任意の組み合せに基づいて評価し、評価結果に基づいて前記業務分流方式を確定することを含む。
【0019】
好ましくは、上記方法はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0020】
マルチインターフェース端末が業務を要求する必要がある時、前記ネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得していない時、以下の方式によって前記有効な通信リンクを取得することを含む。
【0021】
該マルチインターフェース端末が各インターフェースによってそれぞれのネットワークに目的端が含まれるリンクリレー要求メッセージをそれぞれ放送する。
【0022】
周辺端末が前記リンクリレー要求メッセージを受信した時、前記リンクリレー要求メッセージにおける目的端が自分であるか否かを判断し、自分でなければ、自分のすべてのインターフェースによって前記リンクリレー要求メッセージを転送し、自分であれば、元経路にしたがってリンクリレー応答メッセージを、該リンクリレー要求メッセージを送信したマルチインターフェース端末に送り返す。
【0023】
前記該リンクリレー応答メッセージを送信したマルチインターフェース端末が前記リンクリレー応答メッセージを受信した後、前記目的端と有効な通信リンクを確立する。
【0024】
本発明はさらにマルチインターフェース端末を提供する。前記マルチインターフェース端末は、ネットワーク層と、少なくとも2つの異なるインターフェースを含み、さらに、マルチインターフェースアダプテーション層を含み、前記マルチインターフェースアダプテーション層はネットワークトポロジーモジュール及びインターフェース管理モジュールを含む。
【0025】
前記ネットワークトポロジーモジュールは、前記マルチインターフェース端末がネットワークに参加した後、各インターフェースに近隣探索要求メッセージを送信し、前記近隣探索要求メッセージには隣接ホップ数が含まれ、及び、前記インターフェースにより転送された近隣探索要求メッセージを受信した後、前記近隣探索要求メッセージの中の関連情報を抽出し、隣接情報とネットワークトポロジー情報を更新する。
【0026】
前記インターフェース管理モジュールは、前記インターフェースに対して制御と管理を行う。
【0027】
前記インターフェースは、前記近隣探索要求メッセージを受信した後、所在するネットワークに前記近隣探索要求メッセージを放送し、及び、該インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受し、近隣探索要求メッセージを傍受した時、前記近隣探索要求メッセージに含まれる隣接ホップ数が、該端末が最後のホップであると示していれば、前記近隣探索要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信し、そうでなければ、前記近隣探索要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信し、前記隣接ホップ数を修正した後、すべてのインターフェースによって前記近隣探索要求メッセージを転送する。
【0028】
好ましくは、上記マルチインターフェース端末はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0029】
前記ネットワークトポロジーモジュールは、周期的に本端末の各インターフェースに近隣探索要求命令を送信する。
【0030】
前記インターフェースは、周期的に各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受する。
【0031】
周期的に前記放送メッセージを傍受する時間は、周期的に前記近隣探索要求メッセージを送信する時間より短い。
【0032】
好ましくは、上記マルチインターフェース端末はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0033】
前記インターフェース管理モジュールはさらに、各インターフェースにより受信した放送メッセージを統計し、指定時間内においてインターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを受信していなければ、該インターフェースを閉じるか該インターフェースを休眠状態に移行させ、且つ、周期的にウェークアップする。
【0034】
好ましくは、上記マルチインターフェース端末はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0035】
前記マルチインターフェースアダプテーション層はさらに、協同制御モジュールを含む。
【0036】
前記協同制御モジュールは、前記ネットワーク層の業務要求命令を受信した時、前記ネットワークトポロジーモジュールが維持するネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得し、前記有効な通信リンクが1本より多い場合に、各有効な通信リンクの間の業務分流方式を確定し、インターフェース管理モジュールに送信する。
【0037】
前記インターフェース管理モジュールはさらに、前記業務分流方式に基づいて、各有効な通信リンクに対応する各インターフェースを制御して業務を要求し及び前記業務を並行伝送する。
【0038】
好ましくは、上記マルチインターフェース端末はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0039】
前記協同制御モジュールは、前記各有効な通信リンクのリンク情報、要求される業務の業務情報及び各通信リンクに対応する各インターフェースのインターフェース情報におけるいずれか一項又はこれらの任意の組み合せに基づいて評価し、評価結果に基づいて前記業務分流方式を確定する。
【0040】
好ましくは、上記マルチインターフェース端末はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0041】
前記ネットワークトポロジーモジュールはさらに、前記ネットワーク層の業務要求命令を受信し、前記ネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得できていない時、各インターフェースに、目的端が含まれるリンクリレー要求命令を送信する。
【0042】
前記インターフェースはさらに、前記リンクリレー要求命令を受信した後、それぞれのネットワークに、前記目的端が含まれるリンクリレー要求メッセージをそれぞれ放送し、及び、目的端から送り返されたリンクリレー応答メッセージを受信した後、前記協同制御モジュールに転送する。
【0043】
前記協同制御モジュールはさらに、前記インターフェースにより転送されるリンクリレー応答メッセージを受信した後、前記目的端と有効な通信リンクを確立する。
【0044】
好ましくは、上記マルチインターフェース端末はさらに、以下の特徴を有することができる。
【0045】
前記インターフェースはさらに、他の端末により送信されるリンクリレー要求メッセージを受信した時、前記リンクリレー要求メッセージの中の目的端末が自分であるか否かを判断し、自分でなければ、前記リンクリレー要求メッセージをインターフェース管理モジュールに転送し、自分であれば、前記リンクリレー要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信する。
【0046】
前記インターフェース管理モジュールはさらに、前記インターフェースにより転送された前記リンクリレー要求メッセージを受信した時、前記マルチインターフェース端末のすべてのインターフェースに指示して前記リンクリレー要求メッセージを転送する。
【0047】
前記ネットワークトポロジーモジュールはさらに、前記リンクリレー要求メッセージを受信した時、ネットワークトポロジー情報を更新し、各インターフェースを指示して元経路にしたがってリンクリレー応答メッセージを、リンクリレー要求を開始するソースマルチインターフェース端末に送り返す。
【発明の効果】
【0048】
上述のマルチインターフェース端末は、通信過程でユーザに対してネットワークのヘテロジニアス、インターフェースの差異をシールドし、十分に自端末のマルチインターフェースの優位性を利用する。このため、マルチインターフェースを協調通信して並行伝送することによって、効果的に通信効率を向上させることができる。また、異なるインターフェースを利用してマルチホップリレー伝送を構成することによって、効果的に端末の到達可能性及びネットワークのサービスエリアを拡大する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の実施形態により提供されるマルチインターフェース端末の構成模式図である。
図2】本発明の実施例にかかる隣接端末トポロジー発見方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施例にかかるマルチ端末協同通信のフローチャート図である。
図4】本発明の実施例にかかるマルチインターフェース端末によってヘテロジニアス端末間のマルチホップ接続の確立を実現する構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本実施形態の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下、図面を参照しながら実施例を詳しく説明する。ここで記述する具体的な実施例は本発明を解釈することのみに用いられ、本発明を限定するものではないと理解すべきである。なお、衝突しない場合に、本発明の実施例及び実施例の中の特徴は任意に組み合せることができる。
【0051】
本実施形態では、マルチインターフェース端末を提供する。前記マルチインターフェース端末は、移動端末を含む通信端末を含むが、これに限定されない。本実施形態に係るマルチインターフェース端末は、少なくとも2つのインターフェースを有し、複数種の無線インターフェースモードによって異なる無線ネットワーク、例えばWLAN、Internet、WIMAX、ZigBeeなどにアクセスできる。本実施形態に係るマルチインターフェース端末は、従来の無線ルータ及び既存のマルチインターフェース実現方式と異なる。本実施形態に係るマルチインターフェース端末に搭載される複数のインターフェースは、複数種のモードのヘテロジニアスネットワークに接続することができ、これによりヘテロジニアス端末間の相互接続および通信を実現する。
【0052】
前記マルチインターフェース端末は、MAC層とIP(ネットワーク)層との間にマルチインターフェースアダプテーション層を加える。こうすることによって、上層ネットワークシールドインターフェースに対しての多様化、互異性が実現でき、同時にインターフェースに高層の各種の応用サービスを提供する。
【0053】
本実施形態では、上記マルチインターフェース端末を利用して周辺端末を発見する、即ち隣接端末トポロジー発見方法を提供する。当該方法は、以下のステップを含む。
【0054】
マルチインターフェース端末がネットワークに参加した後、マルチインターフェースアダプテーション層によって周期的に各インターフェースに近隣探索要求メッセージを送信する。各インターフェースモードに対応するインターフェース(MAC層と物理層)が該メッセージを受信した後、該メッセージをカプセル化し無線インターフェースによって放送メッセージの方式(放送メッセージには隣接ホップ数が含まれ、隣接ホップ数の大きさはトポロジーに必要なネットワークの大きさにより決定される)で各自の所在ネットワークの無線チャンネルに伝達する。
【0055】
マルチインターフェースは、また、自身の各インターフェースによってチャンネルにおける他の端末の放送メッセージを傍受する。インターフェースが近隣探索要求メッセージを受信すれば、該近隣探索要求メッセージの中の隣接ホップ数を抽出する。そして、該隣接ホップ数が、カレント端末が最後のホップであると示していれば、前記近隣探索要求メッセージを前記マルチインターフェースアダプテーション層に送信し、そうでなければ、前記近隣探索要求メッセージを前記マルチインターフェースアダプテーション層に送信し、前記隣接ホップ数を修正した後、すべてのインターフェースによって前記近隣探索要求メッセージを転送する。具体的には、ホップ数が1より大きければホップ数から1を引いてマルチインターフェースアダプテーション層のネットワークトポロジーモジュールにアップロードし、及び、それぞれのインターフェースによって該メッセージを転送する。他方、ホップ数が1以下であれば、直接に近隣探索要求メッセージをネットワークトポロジーモジュールにアップロードする。
【0056】
マルチインターフェースアダプテーション層のネットワークトポロジーモジュールは、近隣探索要求メッセージを受信し、メッセージにおける有用情報を抽出し、且つ、隣接情報とネットワークトポロジー情報を更新維持する。
【0057】
特に、指定時間内において、マルチインターフェース端末のあるインターフェースモードがいずれかの他の端末の放送メッセージを受信していなければ、該インターフェースモードは無効であると判定される。パワー消費を減少させるために、該インターフェースを閉じるか休眠状態に移行させ、一定時間を間隔にウェークアップしてメッセージを受信させる。
【0058】
以上のステップを経ると、各端末は、1ホップ又はマルチホップリンクによって周辺のヘテロジニアス端末に到達でき、真にヘテロジニアス端末間の相互接続および通信を実現する。
【0059】
本実施形態は、さらに、ユーザ端末がある通信業務を完成するために開始した周辺端末と協同して完成する高い効率の通信方法を提供する。業務提供側としては、ある端末である可能性があるし、ネットワークサービスプロバイダからである可能性もある。当該通信方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0060】
ユーザ端末業務要求命令がマルチインターフェースアダプテーション層に伝達され、協同制御モジュールがネットワークトポロジーモジュールのネットワークトポロジー情報を呼び出し、且つ、目的端までの有効な通信リンクを検索する。前記目的端は、業務提供端末又はネットワークである。
【0061】
有効な通信リンクの数量が1本である場合に、直接にリンク接続を確立し、業務の要求及び伝送を行う。
【0062】
有効な通信リンクが1本より多い場合に、協同制御モジュールは、各有効な通信リンクのリンク情報、要求される業務の業務情報及び各通信リンクに対応する各インターフェースのインターフェース情報のいずれか1つ又はこれらの組み合せに基づいて評価する。また、評価結果に基づいて業務分流方式を確定し、業務分流方式に基づいて各有効な通信リンクに対応する各インターフェースによって業務を要求し及び前記業務を並行伝送する。ここで、前記複数本の通信リンクは、該マルチインターフェース端末の通信可能なインターフェースの数量と関連し、各本の通信リンクは、1つのインターフェースに対応する。各有効な通信リンクのリンク情報には、ネットワークの遅延、リンク帯域幅、渋滞情況、リンクエネルギー消費などが含まれる。なお、インターフェース情報には、インターフェース優先レベルなどが含まれ、業務情報には、業務種類などが含まれる。
【0063】
図1は、本発明の実施形態により提供されるヘテロジニアス端末間の相互接続および通信を実現できるマルチインターフェース端末の構成模式図である。該マルチインターフェース端末は、ネットワーク層101、マルチインターフェースアダプテーション層102及び各インターフェース103からなる。インターフェース103は、MAC層と物理層を含む。ネットワーク層101、インターフェース103は、一般的な端末と同様である。各インターフェースが異なるネットワークモードに対応するため、下層のネットワークプロトコルも互いに異なる。ヘテロジニアス端末間の相互接続および通信機能を完成するために、ネットワーク層101とインターフェース103との間にマルチインターフェースアダプテーション層102を加え、リソース管理スケジューリング、プロトコルアドレス変換などの機能を完成する。
【0064】
マルチインターフェースアダプテーション層102は、協同制御モジュール1021、ネットワークトポロジーモジュール1022及びインターフェース管理モジュール1023を含む。
【0065】
協同制御モジュール1021は、マルチインターフェース端末が協同通信、分散型協同リレー通信を実現するキーポイントである。協同制御モジュール1021は、ネットワークの遅延、伝送リンク帯域幅、渋滞情況、リンクエネルギー消費、インターフェース優先レベル、業務種類などを分析することによって、ネットワークトポロジーモジュールに記憶された通信リンクを分析し、合理で高い効率の協同通信方式を制定し、インターフェースを選択する。協同制御モジュール1021は、また、制御命令及び情報をインターフェース管理モジュール1023に伝達して伝送を実行する。
【0066】
ネットワークトポロジーモジュール1022は、主に近隣探索過程における隣接情報とネットワークトポロジー情報の記憶および更新を完成することに用いられ、周辺の隣接端末のインターフェース情報、アドレス、位置情報などを記憶する。ネットワークトポロジーモジュール1022は、ネットワークに対するロジックトポロジー及び物理トポロジー関係によって、目的端との間の通信リンクを制定する。
【0067】
インターフェース管理モジュール1023は、端末マルチインターフェースに対して制御及び管理を行い、使用頻度の低いインターフェースを閉じてパワーを節約し、且つ休眠ウェークアップメカニズムによって、ネットワークの正常通信に影響を及ぼさない前提下で、パワーの最大化利用を実現する。また、インターフェース管理モジュール1023には、さらにARP(Address Resolution Protocol、アドレス解決プロトコル)テーブルが記憶され、異なるインターフェースモード下での端末のMACアドレスを記憶し、且つアドレスを変換し、ユーザに対して統一のIPアドレスとして呈されることに用いられる。
【0068】
図2は、本発明の実施例にかかる隣接端末トポロジー発見方法のフローチャートである。当該方法は、以下のステップを含む。
【0069】
ステップ201、マルチインターフェース端末は、ネットワークに参加する。マルチインターフェースモードが存在するため、ここの端末は、領域内の複数のネットワークに参加要求を送信し且つ参加過程を完成する。この際、該マルチインターフェース端末には、隣接ノード情報が記憶されていない。
【0070】
ステップ202、ネットワークへの参加が成功した後、該マルチインターフェース端末のマルチインターフェースアダプテーション層は、周期的にインターフェースに近隣探索要求メッセージを送信する。該近隣探索要求メッセージには、隣接ホップ数が含まれる。
【0071】
本ステップにおいて、周期的に近隣探索要求メッセージを送信することは、端末自身が移動状態にあることが可能で、その周辺のネットワーク及びノード状況が常に変わっていると考慮するためである。また、端末の移動性が低くても、周囲ノードが不定期的にネットワークに参加、退出し、ネットワークトポロジーの位置関係が変化過程にあるためである。なお、近隣探索要求メッセージの周期は、ネットワーク変化に基づいて、適当に調整することができる。さらに、本ステップにおいて、隣接ホップ数は、該近隣探索要求メッセージがカバーできるネットワークの範囲である。1ホップは、直接に該端末と通信リンクを有する端末のみをカバーし、マルチホップは、間に複数の中継端末のリレー伝送を経て、より広い範囲をカバーする。小さい範囲のローカルエリアネットワークは、通常、3〜4ホップだけで全てのネットワークノードとの連結を完成できる。
【0072】
ステップ203、各インターフェースは、受信したマルチインターフェースアダプテーション層からの近隣探索要求メッセージをカプセル化し、且つ、すべてのインターフェースの無線チャンネルによって放送の方式で各インターフェースモードの所在ネットワークに伝送し、同時にタイマーを設定して定時に各インターフェースチャンネルにおける周辺の他の端末の放送メッセージを傍受する。
【0073】
本ステップにおいて、近隣探索要求メッセージは、各インターフェースの所在ネットワーク伝送プロトコルの要求にカプセル化されるとそれぞれのネットワークに伝送されることができる。また、設定したチャンネルを傍受するタイマーは、周期的の放送時間よりも小さくして、できるだけ放送メッセージの紛失を減少させる必要がある。
【0074】
ステップ204、インターフェースが近隣探索要求メッセージを傍受すると、アンパックしてその中の隣接ホップ数を抽出する。
【0075】
ステップ205、隣接ホップ数を判断し、隣接ホップ数が1(カレント端末が最後のホップであることを示す)であれば、直接にメッセージを伝送し、ステップ207に移行し、そうでなければ、ステップ206に移行する。
【0076】
ステップ206、ホップ数が1ではないため、遠隔端末に該近隣探索要求メッセージを伝送し続ける必要がある。隣接ホップ数から1を引いて、該近隣探索要求メッセージをバックアップし、且つ、該近隣探索要求メッセージをカプセル化して、すべてのインターフェースによって該近隣探索要求メッセージを、該インターフェースの所在ネットワークに転送する。
【0077】
ステップ207、該インターフェースは、近隣探索要求メッセージを上層に伝送し、マルチインターフェースアダプテーション層のネットワークトポロジーモジュールに伝送する。
【0078】
ステップ208、ネットワークトポロジーモジュールは、近隣探索要求メッセージの中の有用情報を抽出し、且つ記憶された隣接情報及びネットワークトポロジー情報を更新する。
【0079】
本ステップにおいて、有用情報は、隣接ノードのインターフェース情報、アドレス、位置情報などを含む。ネットワークトポロジー情報は、ネットワークトポロジーモジュールが周辺ノードの情報に基づいて最適化配置して得られたネットワーク全体のトポロジーであり、該端末からネットワークにおけるいずれかの端末までの最適な経路を含む。
【0080】
ステップ209、マルチインターフェースアダプテーション層のインターフェース管理モジュールは、各インターフェースが受信した放送メッセージの頻度を統計し、一定時間統計して、あるインターフェースが他の端末の放送メッセージを受信していなく、即ち、該インターフェースの所在ネットワークモード下で隣接端末がないと発見すれば、該インターフェースを閉じるか休眠させてパワー消費を節約する。ここまで1つの周期の近隣探索が終了する。
【0081】
以上の方法によれば、リアルタイムなネットワークトポロジー構成、及び端末からネットワークにおけるいずれかの端末までのマルチホップリンク及び最適なリンクを確立することができる。
【0082】
図3に示すフローチャートは、マルチインターフェース端末協同通信、並行伝送の処理過程を記述している。具体的には、以下のステップを含む。
【0083】
ステップ301、マルチインターフェース端末は、ある端末又はネットワークに業務を要求する必要がある時、業務要求命令を下に向ってマルチインターフェースアダプテーション層に伝送する。
【0084】
ステップ302、マルチインターフェースアダプテーション層の協同制御モジュールは、業務要求命令を抽出して目的端(目標ネットワーク又は目標端末)を取得し、ネットワークトポロジーモジュールが維持するネットワークトポロジー情報を呼び出し、且つ、ユーザ端末から目的端までの有効な通信リンクを取得する。
【0085】
ステップ303、協同制御モジュールは、各本の通信リンクのリンク品質、通信レート、帯域幅、業務種類、インターフェース優先レベルなどを評価し、評価結果に基づいて業務分流方式を制定し、インターフェース管理モジュールに送信する。
【0086】
ステップ304、インターフェース管理モジュールは、各有効な通信リンクに対応するインターフェースを制御して前記業務分流方式に応じて業務を要求し及び業務を並行伝送する。
【0087】
マルチインターフェース端末の特点を利用して、周囲のマルチインターフェース端末によってリレー伝送を形成し、ヘテロジニアス端末の情報交換を実現することができる。図4は本発明の実施例にかかるマルチインターフェース端末によってヘテロジニアス端末間でのマルチホップ接続の確立を実現する構成模式図である。
【0088】
図4に示すように、端末1、端末2及び端末3は、いずれも本実施形態の前記マルチインターフェース端末である。端末1は、3GモジュールとWIFIモジュールを有し、端末2は、ブルートゥースモジュールと赤外線モジュールを有し、両者には同一ネットワークにアクセスするインターフェースがないため、直接に通信できない。しかし、本実施形態に提案される協同通信方法によれば、マルチホップ接続を確立する方式で周辺端末によって通信リンクを確立することができる。具体的な実現方式は、以下のとおりである。
【0089】
ステップ401、端末1のマルチインターフェースアダプテーション層は、隣接端末の発見によってネットワークトポロジーモジュールのネットワークトポロジー情報を更新し、3GモジュールとWIFIモジュールインターフェースによってそれぞれのネットワークに、目的端(本実施例において端末2である)が含まれるリンクリレー要求メッセージを放送する。
【0090】
ステップ402、周辺端末(本実施例において端末3をもって通信過程を説明するが、実際の通信流れでは、リレー伝送を完成させる端末は複数あるかもしれない)のインターフェースは、リンクリレー要求メッセージ(端末3のWIFIモジュールインターフェース)を受信し、リンクリレー要求メッセージの中の目的端が自分であるか否かを判断し、自分でなければ、リンクリレー要求メッセージをカプセル化し、自分のすべてのインターフェース(WIFI、ブルートゥース、赤外線の3つのインターフェース)によって該リンクリレー要求メッセージを転送し続ける。具体的には、リンクリレー要求メッセージをインターフェース管理モジュールに送信し、インターフェース管理モジュールがすべてのインターフェースを制御して該リンクリレー要求メッセージを転送する。
【0091】
ステップ403、端末2のブルートゥースインターフェースと赤外線インターフェースは、端末3により転送されるリンクリレー要求メッセージを受信し、該メッセージを脱カプセル化して目的端が自分であると発見し、リンクリレー要求メッセージを端末2のマルチインターフェースアダプテーション層のネットワークトポロジーモジュールにアップロードし、ネットワークトポロジーモジュールがネットワークトポロジー情報を更新し、同時に元経路にしたがって2つのインターフェースによってリンクリレー応答メッセージを送り返す。
【0092】
前記リンクリレー応答メッセージには、目的端情報が含まれ、インターフェース情報、経ったホップ数、通信リンク帯域幅、渋滞情況などが含まれる。
【0093】
端末1のインターフェースは、端末2からのリンクリレー応答メッセージを受信し、端末1のマルチインターフェースアダプテーション層の協同制御モジュールに報告する。端末1の協同制御モジュールは、業務需要、通信リンク帯域幅などに基づいて、それぞれ2本の経路によって端末2と接続を確立して業務交換を行う。具体的に、端末1の協同制御モジュールは、業務分配決定を制定し、インターフェース管理モジュールに送信する。インターフェース管理モジュールは、該業務分配決定に基づいて、相応のインターフェースを制御して接続を確立し業務を伝送する。
【0094】
本実施形態は、マルチインターフェース端末を提供する。前記マルチインターフェース端末は、ネットワーク層と、少なくとも2つの異なるインターフェースとを含み、さらに、マルチインターフェースアダプテーション層を含む。前記マルチインターフェースアダプテーション層はネットワークトポロジーモジュール及びインターフェース管理モジュールを含む。
【0095】
前記ネットワークトポロジーモジュールは、前記マルチインターフェース端末がネットワークに参加した後、各インターフェースに近隣探索要求メッセージを送信し、前記近隣探索要求メッセージには隣接ホップ数が含まれ、及び、前記インターフェースにより転送された近隣探索要求メッセージを受信した後、前記近隣探索要求メッセージの中の関連情報を抽出し、隣接情報とネットワークトポロジー情報を更新する。
【0096】
前記インターフェース管理モジュールは、前記インターフェースに対して制御と管理を行う。
【0097】
前記インターフェースは、前記近隣探索要求メッセージを受信した後、所在するネットワークに前記近隣探索要求メッセージを放送し、及び、該インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受し、近隣探索要求メッセージを傍受した時、前記近隣探索要求メッセージに含まれる隣接ホップ数が、カレント端末が最後のホップであると示していれば、前記近隣探索要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信し、そうでなければ、前記近隣探索要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信し、前記隣接ホップ数を修正した後、すべてのインターフェースによって前記近隣探索要求メッセージを転送する。
【0098】
好ましくは、前記ネットワークトポロジーモジュールは、周期的に各インターフェースに近隣探索要求命令を送信する。
【0099】
前記インターフェースは、周期的に各インターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを傍受する。
【0100】
周期的に放送メッセージを傍受する時間は、前記周期的に近隣探索要求メッセージを放送する時間より短い。
【0101】
前記インターフェース管理モジュールはさらに、各インターフェースが受信した放送メッセージを統計し、指定時間内においてインターフェースの所在ネットワークにおける他の端末の放送メッセージを受信していなければ、該インターフェースを閉じるか該インターフェースを休眠状態に移行させ、且つ、周期的にウェークアップする。
【0102】
前記マルチインターフェースアダプテーション層はさらに、協同制御モジュールを含む。前記協同制御モジュールは、前記ネットワーク層の業務要求命令を受信した時、前記ネットワークトポロジーモジュールが維持するネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得し、前記有効な通信リンクが1本より多い場合に、各有効な通信リンクの間の業務分流方式を確定し、インターフェース管理モジュールに送信する。
【0103】
前記インターフェース管理モジュールはさらに、前記業務分流方式に基づいて、各有効な通信リンクに対応する各インターフェースを制御して業務を要求し及び前記業務を並行伝送する。
【0104】
前記協同制御モジュールは、前記各有効な通信リンクのリンク情報、要求される業務の業務情報及び各通信リンクに対応する各インターフェースのインターフェース情報のいずれか1つ又はこれらの組み合せに基づいて評価し、評価結果に基づいて前記業務分流方式を確定する。
【0105】
前記ネットワークトポロジーモジュールはさらに、前記ネットワーク層の業務要求命令を受信し、前記ネットワークトポロジー情報に基づいて、目的端までの有効な通信リンクを取得できていない時、各インターフェースに目的端が含まれるリンクリレー要求命令を送信する。
【0106】
前記インターフェースはさらに、前記リンクリレー要求命令を受信した後、それぞれのネットワークに、前記目的端が含まれるリンクリレー要求メッセージをそれぞれ放送し、及び、目的端から送り返されたリンクリレー応答メッセージを受信した後、前記協同制御モジュールに転送する。
【0107】
前記協同制御モジュールはさらに、インターフェースにより転送されるリンクリレー応答メッセージを受信した後、前記目的端と有効な通信リンクを確立する。
【0108】
前記インターフェースはさらに、他の端末により送信されるリンクリレー要求メッセージを受信した時、前記リンクリレー要求メッセージの中の目的端末が自分であるか否かを判断し、自分でなければ、前記リンクリレー要求メッセージをインターフェース管理モジュールに転送し、自分であれば、前記リンクリレー要求メッセージを前記ネットワークトポロジーモジュールに送信する。
【0109】
前記インターフェース管理モジュールはさらに、前記インターフェースにより転送された前記リンクリレー要求メッセージを受信した時、前記マルチインターフェース端末のすべてのインターフェースに指示して前記リンクリレー要求メッセージを転送する。
【0110】
前記ネットワークトポロジーモジュールはさらに、前記リンクリレー要求メッセージを受信した時、ネットワークトポロジー情報を更新し、各インターフェースに指示して元経路にしたがってリンクリレー応答メッセージを、リンクリレー要求を開始するソースマルチインターフェース端末に送り返す。
【0111】
上記実施例から、本実施形態のマルチインターフェース端末は、十分に自端末のマルチインターフェースの優位性を利用しているため、周辺端末と協調通信することによって、及びマルチインターフェース並行伝送することによって、効果的に通信効率を向上させることができる。また、異なるインターフェースを利用してマルチホップリレー伝送を構成することによって、効果的に端末の到達可能性及びネットワークのサービスエリアを拡大することができる。さらに、ヘテロジニアス端末インターフェースのリレー伝送によって、端末自身のヘテロジニアス性をシールドする。
【0112】
本実施形態は、マルチインターフェース端末に対する改良によって、その通信能力を強化し、マルチインターフェースの並行使用によって、各ネットワークの優位性を相補する。また、周辺のマルチ端末を利用して協同伝送の優位性を形成し、リソースの最適化配置及び情報の最大化伝送を実現する。本実施形態の上記方式によって実現した端末通信は、下層における各種のアクセス技術の差異をシールドすることができ、真にユーザ端末が任意の地点においても安定で、高い効率の情報伝送サービスを実現する。
【0113】
もちろん、本分野の技術者は、上記の実施形態の各モジュール又は各ステップが汎用の計算装置で実現でき、それらが単体の計算装置に集中してもよいし、或いは複数の計算装置からなるネットワークに分布してもよく、選択可能的に、それらは計算装置が実行できるプログラムコードで実現でき、従って、それらをメモリに記憶して計算装置で実行でき、或いはそれらをそれぞれの集積回路モジュールにそれぞれ製作し、或いはそれらの複数のモジュール又はステップを単体の集積回路モジュールに製作して実現することができると分かるはずである。このようにして、本発明はいずれかの特定のハードウェアとソフトウェアの結合にも制限されない。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の前記実施形態は、マルチインターフェース端末隣接トポロジー発見方法、協調通信方法及びマルチインターフェース端末を提供し、マルチインターフェースの使用率を向上させる。提供されたマルチインターフェース端末は、通信過程でユーザに対してネットワークのヘテロジニアス、インターフェースの差異をシールドし、十分にそのマルチインターフェースの優位性を利用する。このため、マルチインターフェースを協調通信して並行伝送することによって、効果的に通信効率を向上させることができる。また、異なるインターフェースを利用してマルチホップリレー伝送を構成することによって、効果的に端末の到達可能性及びネットワークのサービスエリアを拡大する。
図1
図2
図3
図4