(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ロケット等の飛翔体は、操舵翼の角度を変えることで飛翔時の姿勢を変えることができるようになっており、操舵翼の角度を変えるべく操舵装置を備えている。飛翔体の操舵翼は、複数枚設けられることが一般的であり、その数に応じて複数の操舵装置が設けられる。これら複数の操舵装置は、飛翔体内に設けられている。しかし、操舵装置の周辺には、燃料タンク及び推進用燃焼室が設置されることが多く、複数の操舵装置をケーシングに取り付けて、飛翔体のケーシング内の中央に燃料タンク及び推進用燃焼室を設置するスペースを確保している。
【0003】
このように設けられる操舵装置として、例えば、特許文献1に記載の操舵装置がある。特許文献1に記載の操舵装置は、前記ケーシングに回動可能に取り付けられた操舵翼を支持する出力軸を有し、この出力軸がボールねじ機構を介してモータに接続されている。モータを駆動することで、ボールねじ機構により出力軸が回動して操舵翼が回動するようになっている。
【0004】
また、特許文献2に記載されるような操舵装置もある。この操舵装置は、飛翔体のケーシングに設けられるモータを有し、このモータが波動歯車機構を介して操舵翼がモータに接続されている。操舵装置は、モータを駆動することで、波動歯車機構により操舵装置が回動するようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の操舵装置は、ボールねじ機構により出力軸を回動させる構成であるため、モータの軸が揺動できるように構成しておかなければならず、モータを揺動可能にケーシングに取り付けなければならない。ところが、小型の無人ロケットのような飛翔体では、モータ等の部品をケーシング内に取付けする際に工具等をケーシング内にいれて作業する必要がある。それ故、前述のようにケーシングにモータを取り付ける作業は困難であり、この作業が飛翔体の組立を困難にしている。特許文献2の操舵装置についても同様であり、モータをケーシングに取り付けなければならず、モータの取付作業が困難であり、飛翔体の組立てを困難にしている。
【0007】
また、特許文献1及び2に記載の操舵装置は、モータをケーシングに設けることで操舵翼を回動させることができるような構造である。そのため、操舵装置をケーシングに設けなければ、性能試験を行なうことができず、性能試験は、飛翔体を収容できるような大きな設備でなければ行うことができず、試験設備の製造コストが高くなってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、飛翔体への取付けが容易であり、飛翔体の組立てを容易にする操舵ユニットを提供することを目的としている。
【0009】
また、本発明の他の目的は、飛翔体に設けずとも、性能試験を行うことができる操舵ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の飛翔体の操舵ユニットは、飛翔体の操舵翼が取り付けられ、該操舵翼の角度を変更可能な操舵装置と、前記操舵装置が固定される取付板とを有し、前記取付板は、前記飛翔体のケーシング内に取付可能な固定体に固定されるものである。
【0011】
本発明に従えば、操舵装置が固定された取付板を固定体に固定し、その固定体を飛翔体のケーシングに取り付けることで、操舵ユニットを飛翔体のケーシング内に組み込むことができる。このように、単に固定体に操舵ユニットを固定し、該固定体を飛翔体のケーシング内に取り付けるだけの作業であるので、操舵ユニットのケーシング内への組み込みが容易であり、飛翔体の組立作業が容易になる。
【0012】
また、操舵装置が取付板に固定される構成であるので、操舵ユニット単体で、操舵翼の性能試験を行なうことができる。従って、性能試験に用いる装置及び設備を小型化することができる。
【0013】
上記発明において、前記操舵装置は、前記取付板の前記操舵翼側に固定されていることが好ましい。
【0014】
上記構成に従えば、操舵翼と反対側の面を固定体に取り付けることで、取付板を固定体に取り付ける際に操舵装置が固定体に当たる等、該操舵装置が取付板の固定の邪魔になることがなく、操舵ユニットのケーシング内への組み込みが容易であり、飛翔体の組立作業が容易である。
【0015】
上記発明において、前記操舵装置は、前記取付板上に固定される固定軸と、前記操舵翼が固定され、前記固定軸に回動可能に外装される出力軸と、前記出力軸と直接的又は間接的に接続されるモータ軸を有し、前記モータ軸を回転させることで前記出力軸を前記固定軸周りに回動させる駆動モータとを有し、前記駆動モータは、前記モータ軸が前記固定軸に直交する方向に延びるように前記取付板に設けられていることが好ましい。
【0016】
上記構成に従えば、モータ軸が固定軸に直交する方向に延びるようにモータが配置されるので、モータが取付板に沿うように配置される。これにより、モータの取付板の厚み方向の高さ(以下、単に「高さ」ともいう)を低くすることができ、操舵装置の高さが固定軸及び出力軸の高さに応じて決められ、固定軸及び出力軸の高さを低くすることで操舵装置の高さを低くすることができる。即ち、操舵ユニットの小型化を達成することができる。
【0017】
上記発明において、前記出力軸の外周部には、ナット部材が設けられ、前記駆動モータのモータ軸は、ねじが螺刻されており、前記ナット部材と共にボールねじ機構を構成することが好ましい。
【0018】
上記構成に従えば、モータ軸と固定軸とが直交するようなモータの配置を実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の操舵ユニットによれば、飛翔体への取付けが容易であり、飛翔体の組立てを容易にすることができる。
【0020】
また、本発明の操舵ユニットによれば、飛翔体に設けずとも、性能試験を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態である操舵ユニット1及びそれを備える飛翔体2を説明する。
【0023】
図1に示す飛翔体2は、例えば、小型の無人ロケット等の飛翔可能な機体であり、一方向に延在する円筒状のケーシング3を有する。飛翔体2は、その軸線方向一端部が先鋭状になっており、他端部から燃焼させた燃料を噴射して推進力を得るようになっている。また、飛翔体2の他端部側には、複数の操舵翼4が設けられている。本実施形態では、4つの操舵翼4が設けられている。但し、操舵翼4の数は、2つ又は3つであってもよく、また5つ以上であってもよい。
【0024】
これら4つの操舵翼4は、各々に対して個別に設けられる操舵ユニット1に夫々取り付けられている。この操舵ユニット1は、操舵翼4の角度を変えることができ、操舵翼4の角度を変えることで飛翔体2の姿勢を変更するようになっている。
【0025】
以下では、
図2乃至5を参照して、操舵ユニット1の構成について説明する。なお、4つの操舵ユニット1は、同じ構成を有しているため、1つの操舵ユニット1についてだけ説明し、その他の操舵ユニット1の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】
操舵ユニット1は、基本的に、取付板11と、操舵装置12とを備えている。取付板11は、大略的に矩形状の平板であり、その表面11a及び裏面11bが平坦に形成されている。取付板11の表面11aには、操舵装置12が設けられている。操舵装置12は、主に、固定軸13、出力軸14、ボールねじ機構15及びモータ16を備えている。固定軸13は、有底筒状に形成されており、その開口部14aが取付板11の表面11aに向き、前記表面11aから立設するように前記取付板11に固定されている。この固定軸13の外周部には、ベアリング17(例えば、クロスローラーベアリング)を介して出力軸14が外装されており、出力軸14が固定軸13周り、即ち出力軸14の軸線L1を中心に回動するようになっている。出力軸14は、大略的に円筒状になっており、その一方の開口部14aから固定軸13が挿入され、他方の開口部14bに操舵翼4が固定される。操舵翼4は、その基端部に大略的に円板状の取付部4aを有し、この取付部4aを他方の開口部14bに固定することで、出力軸14に固定されるようになっている。
【0027】
また、出力軸14には、回転検出器19が設けられている。回転検出器19は、いわゆるポテンショメータであり、その入力軸19aが他方の開口部14bに固定部材18を介して固定されている。入力軸19aは、出力軸14の軸線L1に沿って設けられており、前記出力軸14と共に回動するようになっている。この入力軸19aは、回転検出器19に備わる回転検出器本体19bに回動可能に設けられている。回転検出器本体19bは、固定軸13内に固定され、その一部が固定軸13から出力軸14内へ突出しており、入力軸19aの回動量、即ち角変位量を検出できるようになっている。
【0028】
また、出力軸14の外周部には、半径方向外方に突出する一対のアーム14c,14dが設けられている。一対のアーム14c,14dは、出力軸14の軸線L1に平行なX方向に互いに離隔し、且つ互いに対向するように設けられている。一対のアーム14c,14dの間には、後述のねじ軸21と共にボールねじ機構15を構成するナット20が設けられている。
【0029】
ナット20は、大略的に筒状に形成されており、その軸線L2が固定軸13及び出力軸14の軸線L1に直交するように配置されている。また、ナット20の外周部には、X方向一方及び他方に夫々延びる一対のピン20a,20bが形成されている。これら一対のピン20a,20bは、一対のアーム14c,14dに回動可能に軸支されており、ナット20が軸線L1に平行な軸線L3を中心に回動するようになっている。また、ナット20の内周部には、雌ねじが螺刻されており、ねじ軸21が螺合されている。
【0030】
ねじ軸21は、棒状になっており、その外周部に雄ねじが螺刻されており、ナット20と共にボールねじ機構15を構成する。ねじ軸21は、モータ16の軸であり、モータ16を駆動することで回転するようになっている。モータ16は、いわゆるサーボモータであり、図示しない制御装置に電気的に接続されており、制御装置からの指令に応じてねじ軸21を回転させるようになっている。モータ16の他端部には、ピボット軸22が回動可能に設けられている。このピボット軸22は、取付板11に固定され、その表面11aから軸線L1に平行に延在している。モータ16は、このピボット軸22により取付板11に取り付けられ、且つピボット軸22を中心に揺動できるようになっている。
【0031】
このように構成された操舵ユニット1では、前述のようなボールねじ機構15を採用して、ねじ軸21を固定軸13及び出力軸14に直交するように配置している。ねじ軸21は、大略的に円筒状に形成されるモータ16のモータ軸であり、また、その軸線がモータ16の軸線と略一致する。それ故、モータ16は、取付板11の表面11aに沿わって配置され、モータ16の取付板11の厚み方向の高さ(以下、単に「高さ」ともいう)を低くなる。これにより、操舵装置12の高さは、固定軸13及び出力軸14の高さに応じて決まるようになり、これらの軸13,14の高さを抑えることで、操舵装置12の高さを低くすることができる。即ち、操舵ユニット1の高さを低くすることでき、操舵ユニット1の小型化を達成することができる。
【0032】
また、ねじ軸21は、その軸線L2が取付板11の長尺方向に対して傾斜するように設けられている。本実施形態では、操舵翼4の操舵角が0度のときに、取付板11の長尺方向に対して軸線L2が45度傾斜するように配置されている。但し、傾斜させる角度は、45度に限定されず、モータ16の設置スペースに応じて決められる。
【0033】
このように傾斜させて配置することで、モータ16が取付板11の長尺方向に対して傾斜するように配置され、取付板11の長尺方向の長さを短くすることができる。即ち、操舵ユニット1の外形寸法を小さくすることができ、操舵ユニット1の小型化を達成することができる。また、このように傾斜させて配置することで、モータ16を短尺方向の中間部に配置することができる。
【0034】
以下では、
図6を参照しつつ、操舵ユニット1の動作について説明する。なお、
図6の実線は、操舵翼4が角度θ度傾いた時、即ち操舵角がθ度傾いた時を示しており、二点鎖線は、操舵角が0度の時を示している。操舵ユニット1は、制御装置からの指令、例えば操舵角をθ度にすべき指令があると、モータ16を駆動してその操舵角θ度に応じた回転数だけねじ軸21を回転させる。ねじ軸21が回転すると、その回転に応じて、ナット20がねじ軸21に沿ってモータ16側へと移動する。
【0035】
この際、ナット20が出力軸14と共に軸線L1を中心として回動するが、このナット20の動きに合わせてモータ16がピボット軸22を中心に揺動し、またナット20自身もアーム14c,14dに対して回動する。そのため、ナット20が軸線L1を中心に回動しても、ナット20及びねじ軸21の軸線が同一軸線L2上にある状態が維持される。それ故、モータ16を駆動してねじ軸21を回転させると、ナット20がねじ軸21に沿って移動しながら軸線L1を中心に回動し、出力軸14を回動させることができる。このように、ボールねじ機構15により出力軸14を回動させることができる。
【0036】
このようにして回動する出力軸14は、ナット20の移動量に応じた回動量、即ちモータ16の回転量に応じた回動量の分だけ回動し、これにより操舵翼4の操舵角が変わる。出力軸14の回動量は、回転検出器19により検出されており、その検出結果が制御装置に伝送され、この検出結果に基づいて制御装置が、操舵翼4の操舵角がθ度になるように出力軸14の回動量をフィードバック制御する。
【0037】
以下では、このように構成される操舵ユニット1を飛翔体2に組み付けた場合について、
図2及び
図7を参照して説明する。操舵ユニット1は、飛翔体2のケーシング3内に設けられる固定体23に固定される。固定体23は、主に、一対の固定板24,24と、基枠25とを有する。一対の固定板24,24は、円環状に夫々形成されている。一対の固定板24,24の外径は、飛翔体2のケーシング3の内径と略一致しており、ケーシング3に嵌合可能になっている。一対の固定板24,24は、その厚み方向の一表面が互いに対向し、且つ互いに間隔をあけて配置され、それらの間に基枠25が設けられている。
【0038】
基枠25は、上下方向に長尺の直方体状の枠体であり、上下面の対角線の長さが固定板24の外径より短くなっている。基枠25の上下面には、一対の固定板24,24が夫々固定されている。また、基枠25の四側面は、平坦になっており、それらの側面が操舵ユニット1を固定するための取付部になっている。操舵ユニット1は、この基枠25の側面に取付板11の裏面11bを当て取付板11の長手方向を基枠25の上下方向と平行にして基枠25に固定される。
【0039】
操舵ユニット1では、操舵装置12の構成が取付板11の操舵翼4側、即ち取付板11の表面11aに設けられている。そのため、取付板11の裏面11bには、操舵装置12の構成が何ら設けられることなく、該裏面11bが平坦になっている。その裏面11bを固定体23の基枠25に固定するように構成することで、取付板11を固定体23に取り付ける際に操舵装置12が固定体23に当たる等、該操舵装置12が取付板11の固定の邪魔になることがなく、操舵ユニット1のケーシング3内への組み込みが容易であり、飛翔体2の組立作業が容易である。
【0040】
基枠25に操舵ユニット1を取り付けることで基枠25の側面が閉塞され、基枠25の間、即ち基枠25内にスペース26が形成される。基枠25の上下面が開口しているため、このスペース26は、一対の固定板24,24の開口に繋がっており、飛翔体2の延在方向に貫通する貫通空間27を成す。この貫通空間27は、4つの取付板11の裏面11bにより閉塞されているため、この貫通空間27に操舵装置12が突き出るようなことがない。それ故、貫通空間27を広く使用することができるため、種々の構成を収容することができるようになる。例えば、固定体23を飛翔体2のケーシング3内に取り付けて、貫通空間27に図示しない燃料通路、及び配線等を通したり、またバッテリー等を配置したりするが、その際に貫通空間28を広く使用することができる。
【0041】
操舵ユニット1が取り付けられた固定体23は、飛翔体2のケーシング3内に入れられてケーシング3に固定されている。また、ケーシング3の他端側の外周部には、固定体23に設けられる操舵ユニット1の数と同数、即ち4つの挿入孔28が形成されている。これら4つの挿入孔28は、ケーシング3を内外方向に貫通し、各操舵ユニット1の出力軸14の開口部14bに対応させて配置されている。このように配置することで、各操舵ユニット1の出力軸14の開口部14bが各挿入孔28に臨むようになっている。なお、本実施形態において、4つの挿入孔28は、周方向に等間隔をあけて配置されている。
【0042】
また、各挿入孔28は、操舵翼4の取付部4aよりも大径に形成されており、各挿入孔28からその先にある操舵ユニット1の出力軸14まで取付部4aが挿入できるようになっている。挿入された取付部4aは、前記出力軸14に固定される。これにより、操舵ユニット1が飛翔体2のケーシング3に組み込まれ、その操舵ユニット1に操舵翼4が取り付けられる。
【0043】
以下では、
図2乃至5を参照しつつ、操舵ユニット1の組立て、及び操舵ユニット1を飛翔体2に組み付ける際の手順について説明する。まず、操舵ユニット1の組み立てについて説明する。取付板11に固定軸13を固定し、取付板11に形成された連通孔11cから固定軸13内に回転検出器19を入れて該固定軸13に固定する。次に、固定軸13の外周部にベアリング17を介して出力軸14を外装し、この出力軸14に回転検出器19の入力軸19aを固定する。そして、出力軸14の一対のアーム14c,14dにナット20を軸支させ、このナット20にねじ軸21を螺合させる。最後に、このねじ軸21が設けられたモータ16に取付板11に固定されたピボット軸22を取り付ける。これにより、操舵ユニット1が組み立てられる。
【0044】
次に、操舵ユニット1の飛翔体2への組込みについて説明する。まず、前述のように組み立てられた操舵ユニット1を基枠25の各側面に1つずつ固定する。4つの操舵ユニット1を固定体23に固定した後、その固定体23をケーシング3内に入れてケーシング3の延在方向に動かす。各操舵ユニット1の出力軸14が挿入孔28に臨む位置、即ち固定位置まで固定体23が達すると、固定体23の移動を止めて固定体23の固定板24,24をケーシング3に固定する。次に、挿入孔28から操舵翼4の取付部4aを挿入して開口部14bに取付部4aを固定する。これにより、出力軸14に操舵翼4が固定される。このようにして、操舵ユニット1が飛翔体2に組み込まれ、飛翔体2に操舵翼4が取り付けられる。
【0045】
このような方法で操舵ユニット1をケーシング3に取り付けることにより、操舵ユニット1の固定体23への固定をケーシング3外で行うことができる。従って、操舵ユニット1の固定作業を広い場所で行うことができ、その固定作業が容易である。それ故、飛翔体2の組立工数を減少することができ、飛翔体2の組立が容易になる。また、操舵ユニット1を固定体23に固定してケーシング3に取り付ける構成であるため、操舵ユニット1に不具合があった場合でも、不具合のある操舵ユニット1を固定体23から取外して交換すればよく、交換作業が容易である。
【0046】
このように様々な利点を有する操舵ユニット1は、操舵装置12を取付板11に固定する構成であるので、性能試験の際、操舵ユニット1単体で行なうことができる。そのため、性能試験の装置及び設備を従来の技術ものより小型化することができる。なお、性能試験は、4つの操舵ユニット1を固定体23に固定した状態で行なってもよい。
【0047】
本実施形態では、出力軸14を回動させる機構にボールねじ機構15を採用しているけれども、ウォームギヤ機構を採用してもよい。この場合、出力軸14の外周部に歯を形成してウォームホイールとし、ねじ軸21をウォームに替えることで、ウォームギヤ機構を実現できる。ウォームギヤ機構を採用した場合も、ボールねじ機構15と同様の作用効果を達成できる。
【0048】
また、本実施形態では、ねじ軸21が斜めに配置されている操舵ユニット1について説明しているが、斜めではなくねじ軸21が上下方向又は左右方向に配置されている操舵ユニット1であってもよく、その場合もまた飛翔体2のケーシング3への取付が容易である。更に、基枠25が直方体状に形成されているが、円筒状の枠体であってもよい。この場合、取付板11は、円弧状に形成され、外周面が取付部となる。
【0049】
また、本実施形態では、前述のような操舵装置12を取付板11に取り付けているが、必ずしも操舵装置12を前述のような構成に限定するものではない。操舵翼4を回動させることができ、且つ取付板11の表面11aに固定できるものであればよい。また、飛翔体1の一例である小型の無人ロケットについて説明したが、必ずしもロケットに限定するものではなく、飛行機、及び飛行船等に適用してもよく、飛翔するもの全般に適用することができる。
【0050】
なお、本発明は、実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。