(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。なお、同じ機能を持つ構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
[プリンタの全体的な説明]
実施例1のプリンタの外観の斜視図は
図1と同様である。
図1に示すように、本実施例1のプリンタは大略して、蓋部20と本体部40とを含む。蓋部20は、本体部40に対して、開閉可能な構成となっている。蓋部20が本体部40に対して開いている状態の斜視図は
図2と同様である。蓋部20の裏側には、マーク検出手段60が配置されている。
【0012】
図5に、蓋部20が、本体部40に対して閉じている場合の断面図を示し、
図6に蓋部20が、本体部40に対して開いている場合の、
図1とは違う角度から見た斜視図を示す。
図5に示すように、プリンタには、主に、モータ42、印刷ヘッド44、マーク検出手段60、プラテンローラ48、FPC(フレキシブルプリント基板:Flexible Printed Circuits)50、第1回動軸52、第2回動軸54(
図6も参照)などが含まれている。
【0013】
本実施例のプリンタの第1回動軸52は、蓋部20が本体部40に対して(開閉可能)回動可能とされるように、第1係合手段62に係合されている。そして、操作者が、蓋部20を回動させることで、蓋部20を本体部40に対して開閉可能となる。また、第2回動軸54は、蓋部20が本体部40に対して回動可能とされるように、第2係合手段64に係合されている。第1回動軸52と、第2回動軸54と、第1係合手段62と、第2係合手段64とは、中継部材57により一体化されている。
【0014】
図7に、第1回動軸52を中心として、蓋部20が、本体部40に対して、離れる方向に回動され、蓋部20が開いている場合の断面図を示す。
図7に示すように、蓋部20には、プラテンローラ48とマーク検出手段60とが配置されている。マーク検出手段60は、用紙の裏側に予め付されたマーク73a(
図5参照)を検出するものである。マーク検出手段60が、マークを検出すると、マーク検出信号を出力する。
【0015】
図7の例では、マーク検出手段60は、蓋部20の端部に配置されている。また、マーク検出手段60から出力されたマーク検出信号は、FPC50により送信され制御部(図示せず)に到達する。
【0016】
また、送信手段とは、同軸ケーブルやFPC50(Flexible printed circuits)などである。この送信手段は、マーク検出手段60から、蓋部20の内部の外周に沿って配設され、制御部に接続される。以下では、送信手段をFPC50として説明する。
【0017】
また、蓋部20が、開いていることで、ロール紙収容部70が形成される。そして、操作者が、ロール紙収容部70にロール紙72を収容し(セットし)、蓋部20が閉じられる。蓋部20が閉じられると、印刷ヘッド44とプラテンローラ48とが圧接され、該圧接箇所が、印刷部として機能する。この印刷部は、用紙73の印刷面73aに対して文字などを印刷する。また、蓋部20が閉じられると、制御部の制御により、ロール紙72の先端が印刷部まで搬送される。
【0018】
そして、制御部が印刷ヘッド44に対して、印字処理を送信すると、用紙73の印刷面73aに印字処理がなされる。また、モータ42は、印刷ヘッド44への熱供給などの駆動源となる。
【0019】
[本実施例の第1係合手段などの説明]
図8に、第1係合手段62と第1回動軸52の拡大図を示す。
図8(A)に示すように、第1係合手段62は、貫通孔62aと、切り欠き部62bとを有する。また、切り欠き部62bが設けられることで、空隙62cが形成される。また、空隙62c間の距離(以下「空隙距離」という。)をLとする。第1回動軸52の径Rは、空隙距離Lより大きい。
図8(A)の状態では、第1回動軸52は第1係合手段62に、回動可能に係合されている。そして、上述のように、第1回動軸52が回動することで、蓋部20は本体部40に対して、回動する。また、第1係合手段62は、若干、弾力性のある素材であることから、空隙距離Lは若干広がる。
【0020】
そして、操作者が蓋部20を開く際に、過度な力(以下、「第5所定力」という場合がある。)で開けたとする。つまり蓋部20が開く方向に蓋部に過度な力が加えられたとする。そうすると、第1回動軸52が、空隙62cの方向(つまり、第1回動軸52が、第1係合手段62から離脱する方向)に第1所定力Fが加えられる。そうすると、
図8(B)に示すように、は空隙62c方向に移動しつつ空隙距離Lは広がり空隙距離L’となり、第1回動軸52は貫通孔62aから外れ、切り欠き部62bを通過して、第1係合手段62に係合されなくなる(離脱する)。つまり、第1回動軸52は、第1係合手段62に離脱可能に係合されている。
【0021】
ここで、第1回動軸52が、第1係合手段62から離脱される際に、第1回動軸52は、第1係合手段62の当接面62d(
図7(A)参照)と当接していることから、該当接面62dにより、第2所定力fが、第1所定力Fから吸収される。つまり、第1回動軸52が、第1係合手段62から離脱される際に、第1所定力Fから第2所定力fが吸収されることになる。
【0022】
第1回動軸52が、第1係合手段62に係合されなくなった場合の断面図を
図9に示し、背面から見た斜視図を
図10に示す。
図9、
図10に示すように、第1回動軸52が、第1係合手段62に係合されなくなった場合には、上述のように、第2回動軸54は、軸受手段64に回動可能かつ離脱不可能に軸受されていることから第2回動軸54が、蓋部20の開閉のための軸となる。また、上述のように、外部から加えられた第1所定力Fから、第2所定力f、吸収されるので、軸受手段64、第2回動軸54に加えられる力は第1所定力Fよりも小さいものとなる。従って、軸受手段64、第2回動軸54の破損を防ぐことが出来る。そして、第2回動軸54を中心として、蓋部20は回動される。
【0023】
このように、本実施例のプリンタでは、操作者が、過度な力(第5所定力)で蓋部20を開けた場合には、第1回動軸52が第1係合手段62から離脱する方向に、該第1回動軸52に第1所定力F1が加えられる。また、第1回動軸52から第1係合手段62から離脱される際には、加えられた第1所定力F1から、第2所定力f2吸収される。従って、第2回動軸54および軸受手段64に加えられる力は、緩和され、第2回動軸54および軸受手段64が破損されることはない。
【0024】
よって、第1回動軸52、第1係合手段62の破損を防ぎ、結果として、蓋部20と本体部40との分離を防ぐことができ、送信手段50(FPC50)の分離・断絶を防ぐことが出来る。更に、第2回動軸52が、第2係合手段62と係合されていることから、蓋部20は開閉可能な状態となっており、蓋部20は、通常のプリンタの蓋の役割を果たすことが出来る。
【実施例2】
【0025】
次に、実施例2のプリンタについて説明する。本実施例のプリンタの蓋部20が閉じられている状態の表面から見た斜視図は、
図1と同様である。また、本実施例の蓋部20が閉じられている状態のプリンタを背面から見た斜視図を
図11に示し、断面図を
図12に示す。
【0026】
実施例1で説明したプリンタの第1回動軸52と第2回動軸54はそれぞれ1つであったが、本実施例のプリンタでは、第1回動軸52と第2回動軸54との間に、N個の第3回動軸56
n(n=1,...,N)が配置される。
【0027】
また、第1係合手段62と軸受手段64との間には、N個の第3係合手段66
nが配置される。N個の第3回動軸56
n(n=1,...,N)は、それぞれ、N個の第3係合手段66
nに係合される。この説明では、N=2であるとして説明し、第3回動軸56
1、56
2は、この順番で、第1回動軸52から近い順に配列されている。そして、中継部材80により、第1回動軸52と、第3回動軸56
1、56
2と、第2回動軸54は一体化されている。
【0028】
また、
図11に示すように、第1回動軸52は、第1係合手段62に離脱可能にかつ回動可能に係合されている。また、第3回動軸56
1、56
2は、それぞれ第3係合手段66
1、66
2にそれぞれ離脱可能にかつ回動可能に係合されている。第1回動軸52、第3回動軸56
1、56
2の係合の構成は、
図8と同様なので、説明を省略する。つまり、第1回動軸52、第3回動軸56
1、56
2が離脱する際には、後述する力が吸収される。
【0029】
本実施例のプリンタは、外部からの力(第3所定力)が、蓋部20が開く方向に、蓋部20に加えられた際に、複数の回動軸を有することから、更に多くの該外部の力を吸収するものである。この吸収する力を第4所定力とする。第4所定力は、第2所定力(実施例1で説明)より大きな値であり(理由は後述する)、また第3所定力は、第1所定力(実施例で説明)よりも大きな力である。
【0030】
[(1)外部からの力が何ら加えられていない場合]
この場合に、第1回動軸52が第1係合手段62に、回動可能に係合されている。そして、第1回動軸52を中心として、蓋部20が本体部40に対して回動可能(開閉可能)となる。
図13に、第1回動軸52を中心として、蓋部20が本体部40に対して開いている状態の断面図を示し、
図14に背面側から見たプリンタの斜視図を示す。
図13、
図14に示すように、第3回動軸56
1、56
2はそれぞれ、第3係合手段66
1、66
2に係合されており、第3回動軸54は、軸受手段64により軸受されている。
【0031】
以下に、例えばユーザが、過度な力で蓋部20を開くなど、第3所定力Fが蓋部20に加えられた場合についてのプリンタの状態について説明する。そして、以下では、第3所定力の強度を段階的に分けて説明する。ただし、F
1・・・<F
n・・・<F
Nとする。この例では、F
1<F
2<F
3<F
4とする。また、上述のように、第3回動軸56
1、56
2(56
n(n=1〜N))は、第1回動軸52から近い順に配置されていることから、第3所定力Fの強度により、第3回動軸56
1、56
2(56
n(n=1〜N))は順次、第2係合手段66
1、66
2(66
n(n=1〜N))から離脱されることになる。
【0032】
[(2)外部から第3所定力F
1が加えられた場合]
この場合は、実施例1で説明したものと同様の処理であるが、再度説明する。この場合のプリンタの断面図を
図15に示し、プリンタの背面側の斜視図を
図16に示す。外部から蓋部20に第3所定力F
1が加えられると、
図15に示すように、第1回動軸52は、第1係合手段62から離脱し、第3回動軸56
1は、第3係合手段66
1からは離脱しない。また、第1回動軸52が第1係合手段62から離脱する際には、第3所定力F
1から第2所定力f
1が吸収される。そして、第3回動軸56
1を中心として蓋部20が本体部40に対して開閉可能となる。つまり、第3所定力F
1とは、第1回動軸52が、第1係合手段62から離脱し、かつ、第3回動軸56
1が、第3係合手段66
1から離脱しない程度の力である。
【0033】
[(3)外部から第3所定力F
2が加えられた場合]
この場合のプリンタの断面図を
図17に示し、プリンタの背面側の斜視図を
図18に示す。外部から所定力F
2が蓋部20に加えられると、
図17に示すように、第1回動軸52は、第1係合手段62から離脱すると共に、第3回動軸56
1は、第3係合手段66
1から離脱し、第3回動軸56
2は、第3係合手段66
2からは離脱しない。
【0034】
また、第1回動軸52が第1係合手段62から離脱する際には、第3所定力F
2から第2所定力f
1を吸収し、第3回動軸56
1が第3係合手段66
1から離脱する際には、第3所定力F
2から第2所定力f
2を吸収する。つまり、第3所定力F
2から第2所定力f
1および第2所定力f
2を吸収する(F
2−(f
1+f
2))。ここで、f
1+f
2を第4所定力とする。つまり、第4所定力は、[実施例1]で説明した第2所定力f
1よりも大きなものとなる。そして、第3回動軸56
2を中心として蓋部20が本体部40に対して回動可能となる。
【0035】
[(4)外部からの第3所定力F
3が加えられた場合]
この場合のプリンタの断面図を
図19に示し、プリンタの背面側の斜視図を
図20に示す。外部から第3所定力F
3が加えられると、
図19に示すように、第1回動軸52は、第1係合手段62から離脱すると共に、第2回動軸56
1、56
2はそれぞれ第2係合手段66
1、66
2から離脱する。また、第1回動軸52、第3回動軸56
1、第3回動軸56
2がそれぞれ、第1係合手段62、第3係合手段66
1、第3係合手段66
2から離脱される際には、それぞれ第2所定力f
1、第2所定力f
2、第2所定力f
3が吸収され、つまり、第4所定力f
1+f
2+f
3が吸収される。また、上述のように、第3回動軸54は、軸受手段64に、離脱不可能に軸受されている。従って、第3回動軸54を中心として蓋部20が本体部40に対して回動可能となる。
【0036】
[N個の第2回動軸、及びN個の第2係合手段を有する場合]
以下の説明に伴い、第1回動軸52、第2回動軸56
nがそれぞれの係合手段から離脱する際に、吸収される第2所定力を以下に示す。
離脱される回動軸 吸収される第2所定力
第1回動軸52 ・・・f
1
第3回動軸56
1 ・・・f
2
第3回動軸56
2 ・・・f
3
・
・
・
第3回動軸56
n ・・・f
n+1
第3回動軸56
n+1 ・・・f
n+2
・
・
・
第3回動軸56
N−1 ・・・f
N
第3回動軸56
N ・・・f
N+1
となる。
【0037】
プリンタに第3所定力F
1が加えられると、上記(1)の段落で説明したように、第1回動軸52は第1係合手段62から離脱し、第3回動軸56
1は第3係合手段66
1から離脱しない。また、第1回動軸52の離脱の際には、第4所定力としてf
1が第3所定力Fから吸収される。そして、第3回動軸56
1を中心として、蓋部20は本体部40に対して開閉可能となる。
【0038】
また、プリンタに所定力F
n(n=1,...,N−1)が加えられると(上記(2)(3)の説明に対応)、第1回動軸152
1は第1係合手段162
1から離脱し、第3回動軸56
1〜56
nは第2係合手段66
1〜66
nから離脱する。これらの離脱の際には、第4所定力は、
f
1(第1回動軸52の離脱の際に吸収される力)+(f
2+f
3+・・・f
n+f
n+1)(第3回動軸56
1〜56
nの離脱の際に吸収される力)となる。
【0039】
そして、第3回動軸56
n+1は、第3係合手段66
n+1に係合されていることから、第3回動軸56
n+1を中心として蓋部20が本体部40に対して開閉可能とされるようになる。
【0040】
また、プリンタに所定力F
Nが加えられると(上記(4)の説明に対応)、第1回動軸52は第1係合手段62から離脱し、全ての第3回動軸56
1〜56
Nはそれぞれ第3係合手段66
1〜66
Nから離脱する。これらの離脱の際の第4所定力は、
f
1(第1回動軸52の離脱の際に吸収される力)+(f
2+f
3+・・・f
N+f
N+1)である。(f
2+f
3+・・・f
N+f
N+1)は全ての第3回動軸56
1〜56
Nの離脱の際に吸収される力である。
【0041】
そして、第3回動軸54は、軸受手段64に軸受されたままであることから、第3回動軸54を中心として蓋部20が本体部40に対して回動可能とされる。
【0042】
このように、本実施例のプリンタであれば、離脱可能な第1回動軸52と離脱可能なN個の第3回動軸56n(n=1、...,N)とを有する。そして、これらN+1個の回動軸が離脱する際には、最高でf
1+f
2+f
3+・・・f
N+f
N+1の力を第4所定力として吸収することが出来る。従って、本実施例のプリンタであれば、外部から与えられた第3所定力Fから更に多くの力(第4所定力)を吸収することが出来る。
【実施例3】
【0043】
次に実施例3のプリンタについて説明する。
【0044】
[背景技術]
まず、背景技術から説明する。
図3、
図4に示すように、マーク検出手段6が蓋部2の端部に設けられている場合には、マーク検出手段6から出力されるマーク検出信号を制御部に送信させるために、送信手段(例えばFPC)7をマーク検出手段6と制御部(図示せず)とを接続させる必要があった。そして、
図3に示すような、蓋部2が湾曲した形状である場合には、蓋部2の形状に沿って、送信手段7を配設させる必要があった。
【0045】
[発明が解決しようとする課題]
図3、
図4に記載している通り、送信手段7は何らのゆとりもなく、配設されている。従って、蓋部2が閉じられている状態(
図3の状態)から、ユーザが過度な力を加えることで蓋部2を開けた場合、または、蓋部2が開いたまま(
図4の状態)で、ユーザが誤って、プリンタを落下させた場合に、蓋部2と本体部4とが分離すると共に、送信手段7も分離・断絶してしまう場合があるという問題がある。
【0046】
この実施例3のプリンタでは、上記のような問題を鑑みて、ユーザが過度な力で、蓋部2を開けた場合などに、蓋部2と本体部4とが分離したとしても、送信手段7も分離・断絶することを防ぐプリンタを提供することを目的とする。
【0047】
[発明の効果]
また、本願の、ユーザが過度な力で、蓋部2を開けた場合などに、蓋部2と本体部4とが分離したとしても、送信手段7も分離・断絶することを防ぐ。
【0048】
[実施例の説明]
次に、
図21に本実施例のプリンタの断面図を示す。
図21では、蓋部20が閉じられている状態の断面図である。
図21は、
図5と比較して、(i)第2回動軸54、軸受部材56がない点(ii)送信手段50がたるみ部501を有している点、(iii)たるみ部を有している送信手段50の部分が、収容部90に収容されている点で異なる。
【0049】
そして、
図21の例では、第1回動軸52は第1係合手段62に離脱可能に係合されている(
図8参照)が、第1回動軸52は軸受手段に離脱不可能に軸受されるようにしてもよい。
【0050】
図21に示すように、第1回動軸52近傍で、送信手段50はたるみ部501を有する。つまり、送信手段50は、第1回動軸近傍で、たるみを有している。また、たるみ部501は、矢印方向α方向(つまり、送信手段50の配設方向)に伸縮可能となっている。更に、送信手段50のうち、たるみ部501を有している部分は収容部90により収容されている。この収容部90は例えば、蛇腹形状であり、たるみ部501の伸縮方向αに沿って伸縮可能なものである。つまり、たるみ部501、収容部90共に、矢印α方向に伸縮可能となっている。そして、送信手段50のたるみ部を全て伸ばした長さをL1とし、収容部90を全て伸ばした長さをL2とすると、L1≧L2となる。
【0051】
そして、
図22に操作者が過度な力で、蓋部20を開き、第1回動軸52が第1係合手段62から離脱された場合の断面図を示す。そうすると、送信手段50はたるみ部を有していることから、たるみ部501は、矢印α方向に伸びる。それに伴い、収容部90も矢印α方向に伸びる。そして、L1≧L2となることから、収容部90が伸びきった場合でも、送信手段50は若干のたるみを有しているか、もしくは、送信手段50は全て伸びきった状態になる。
【0052】
このように、本実施例3のプリンタであれば、過度な力が加えられたなどにより、蓋部20と本体部40とが分離した場合であっても、送信手段50のたるみ部501および収容部90が伸びることで、送信手段50の分離・断絶を防ぐことが出来る。
【実施例4】
【0053】
次に実施例4のプリンタについて説明する。
【0054】
[背景技術]
マーク検出手段を有するプリンタにおいては、一般的に、蓋部にマーク検出手段が設けられる。その一方、マーク検出手段から、制御部まで送信手段を配設させる煩雑さを解消するために、マーク検出手段6を本体部4に配置させるプリンタも提案されている。蓋部2が開いており、本体部4にマーク検出手段6を設けた場合の、斜視図を
図23に示す。
【0055】
[発明が解決しようとする課題]
しかし、本体部4にマーク検出手段6を設けた場合には、マーク検出手段60が阻むことで、操作者が用紙ロールを用紙ロール収容部70に収容し難くなるという問題がある。
【0056】
この実施例4のプリンタでは、上記のような問題を鑑みて、本体部にマーク検出手段を設けた場合であっても、操作者が用紙ロール収容部に用紙ロールを収容し易くなるプリンタを提供することを目的とする。
【0057】
[発明の効果]
この実施例4のプリンタであれば、本体部にマーク検出手段を設けた場合であっても、操作者が用紙ロール収容部に用紙ロールを収容し易くすることが出来る。
【0058】
[実施例の説明]
図24に、蓋部20が閉じられている場合の、
図26に示す断面βで切った断面図を示す。
図24に示すように、蓋部20が閉じられている状態では、マーク検出手段60のマーク読取面60aは用紙73(
図5参照)の搬送経路(以下、「用紙搬送経路」という。)に対向するように、マーク検出手段60は配置される。このマーク読みとり面60aが用紙搬送経路に対向している位置、つまり、マーク検出手段60が、用紙73の裏面に付されたマークを検出できる位置を「検出可能位置」という。つまり、
図24の状態では、マーク検出手段60は検出可能位置に位置していることになる。
【0059】
また本実施例のプリンタは移動手段を有する。そして、操作者が、ロール紙収容手段70にロール紙72を収容する際に、操作者が保持しているロール紙が、ロール紙収容手段70に完全に収容(セット)されるまでの経路を用紙収容経路という。つまり、操作者は、新しいロール紙を収容する際に、該新しいロール紙を用紙収容経路を経由させて、ロール紙収容手段70に収容させる。
【0060】
そして、
図25に示すように、蓋部20が開くと、該移動手段により、検出可能位置に位置していたマーク検出手段60は、用紙収容経路の外に移動する。つまり、用紙収容経路には、何らの部品も存在しなくなり、ロール紙72の収容を阻むものがなくなる。従って、操作者は、蓋部20を開くと、ロール紙72をロール紙収容手段70に収容し易くなる。
【0061】
次に、移動手段の具体例について説明する。
図28、
図29に移動手段108の詳細を示す。移動手段の構成としては様々あるが、本実施例の移動手段108は、付勢手段106と押さえ手段102を含む。付勢手段106とは例えば、バネであり、以下の説明では、付勢手段をバネ106として説明するが、付勢力を有するものであれば、何でも良い。
【0062】
図28は、蓋部20が閉じている場合の本実施例のプリンタの断面図であり、
図29は蓋部20が開いている場合の本実施例のプリンタの断面図である。
【0063】
まず、
図28を用いて、マーク検出手段60について説明する。
図28に示すように、マーク検出手段60は例えば、屈曲を有する略「く」の字形状であるが、マーク検出手段60は、屈曲されている必要はなく、直線形状であってもよい。マーク検出手段60の屈曲している部分である途中部60dは、軸支部60dとして機能し、回動可能に軸支されている。そして、途中部60d(軸支部60d)を中心に、マーク検出手段の両端(一端60bと他端60c)は自由端となり、回動可能となる。
【0064】
マーク検出手段60の一端60bは、マーク読取面60aとなっている。また、バネ106の一端106aは、本体部40に設置されており、バネ106の他端106bは、マーク検出手段60の他端60cは、バネ106の他端106bに接続されている。そして、バネ106は、他端60cを上向き方向に付勢している。この上向き方向とは、マーク検出手段60を用紙収容経路の外に移動させる方向である。
【0065】
一方、蓋部20は、押さえ手段102が一体形成されている。この例では、押さえ手段102とは、蓋部20の内面から突出形成されている棒状のものである。また、押さえ手段102は、壁部104の外側に形成されている。壁部104は、用紙収容手段70の側壁である。押さえ手段102は、蓋部20が閉じている場合には、バネ106の付勢に逆らって、マーク検出手段60を検出可能位置に移動させる(押さえる)ものである。
図28の例では、押さえ手段102は、マーク検出手段60の途中部60dのマーク読取面60a側の近傍を押圧することで、マーク検出手段60を検出可能位置に位置させている。
図28の例では、押さえ手段102の押圧方向は、下方向である。
【0066】
次に、蓋部20が開いている場合について
図29を用いて説明する。蓋部20がユーザにより開かれると、押さえ手段102も蓋部20と共に、上方に移動する。そのため、押さえ手段102により、マーク検出手段60は押圧されなくなる。そうすると、マーク検出手段60は、バネ106の付勢により、マーク検出手段60の一端60b(マーク読取面60a)は上方向に回動されることで、マーク検出手段60は用紙収容経路の外に移動される。
【0067】
このような移動手段108を用いることで、蓋部20が閉じられると、マーク検出手段60は、検出可能位置に移動され、蓋部20が開かれると、マーク検出手段60は、用紙収容経路の外に移動される。
【0068】
本実施例のプリンタであれば、蓋部20を開くと、移動手段により、マーク検出手段60を用紙収容経路の外に移動させることが出来る。従って、操作者は、スムーズに用紙ロール72を用紙収容手段70に収容させることが出来る。
【実施例5】
【0069】
次に実施例5のプリンタについて説明する。
【0070】
[背景技術]
一般的に、
図4に示すように、マーク検出手段6は、蓋部2に設ける。しかし、マーク検出手段6からのマーク検出信号を制御部に送信させるために、送信手段10(FPC)をマーク検出手段6と制御部との間に配設させる必要がある。また、送信手段10の配設の煩雑さを解消させるために、本体部4に、マーク検出手段6を配置させるプリンタが提案されている。
【0071】
[発明が解決しようとする課題]
マーク検出手段6は、用紙8の裏側に予め付されたマークを検出するものである。そして、一般的に、マーク検出手段6は光学センサである。つまり、マーク検出手段6中の発光部が用紙8の裏側に向けて、光を発光する。そして用紙8の裏側で反射された反射光は、マーク検出手段6中の受光部(つまり、マーク検出手段6の読取面)が該反射光を受光する。マーク検出手段6はこの受光レベルを測定することで、マークの有無を判断する。
【0072】
つまり、マーク検出手段6の読取面と、用紙8の裏面とは完全に対向している必要がある。しかし、マーク検出手段6を本体部4に設けた場合に、マーク検出手段6の読取面と、用紙8の裏面とを完全に対向させる構成にすることは困難であるという問題があった。
【0073】
本実施例のプリンタであれば、本体部にマーク検出手段を設けつつ、適切に用紙の裏面に付されたマークを検出できるプリンタを提供する。
【0074】
[発明の効果]
本実施例のプリンタであれば、本体部にマーク検出手段を設けつつ、適切に用紙の裏面に付されたマークを検出できる。
【0075】
[実施例の説明]
図27に、本実施例のプリンタの蓋部20が閉じられている場合の断面図を示す。本実施例マーク検出手段60は、上述のように、光学センサである。該光学センサについて簡単に説明する。光学センサであるマーク検出手段60は、発光部と受光部とを有する。発光部が用紙の裏面に対して光を発光する。そして、用紙の裏面で反射した反射光を受光部(読取面)が受光する。また、用紙の裏側に付されたマークが黒色であり、用紙の裏側のマーク以外の領域が白色であるとする。そうすると、用紙のマーク以外の領域で反射された反射光は光量レベルは高くなり、用紙のマークの部分で反射された反射光は、光量レベルは低くなる。
【0076】
そして、予め光量レベルについて閾値を定め、光量レベルが、該閾値より高い場合には、該反射光はマーク以外の領域で反射されたものであると判断し、つまり、マーク検出手段60は、マークを検出しなかったことになる。また、光量レベルが、該閾値より低い場合には、該反射光はマークで反射されたものであると判断し、つまり、マーク検出手段60は、マークを検出したことになる。
【0077】
図27に示すように、本実施例のプリンタは、対向手段120を有し、また、マーク検出手段60は、本体部40側に設けられる。
図27の例では、対向手段120は、用紙73の裏面73cをマーク検出手段60の読取面60aに対向させる用紙ガイド120である。用紙ガイド120は、用紙搬送経路中に設けられる。用紙搬送経路とは、ロール紙72から、プラテンローラ48と印刷ヘッド44との圧接位置(つまり、印刷面73aに印刷する印刷部)までの経路である。また裏面73cとは、文字などが印字される印刷面73aとは反対側の面である。
図27に示すように、用紙ガイドの山部120aを有する。
【0078】
そして山部120aに沿って用紙73が搬送されることで、用紙73の裏面73cの向きを変更させることが出来、用紙73の裏面73cをマーク検出手段60の読取面60aと対向させることが出来る。
【0079】
このように、本実施例のプリンタであれば、本体側40にマーク検出手段60を配置させることが出来る。そして、対向手段120を設けることで、マーク検出手段60の読取面60aと、用紙73の裏面73cとを対向させることができる。その結果、マーク検出手段60は、適切に、用紙73の裏面73cに付されたマーク73aを検出できる。
【実施例6】
【0080】
次に実施例6のプリンタについて説明する。
【0081】
[背景技術]
一般的に、
図3、
図4に示すように、マーク検出手段6は、蓋部2に設けられる。
図30にマーク検出手段60の回路図を示す。
図30、
図3、
図4を用いて、従来のプリンタについて説明する。
【0082】
制御部110は、本体部40側に設けられる。そして、マーク検出手段6からのマーク検出信号を制御部110に送信させるために、送信手段10(FPC)をマーク検出手段6と制御部との間に配設させる必要がある。
【0083】
また、マーク検出手段6を駆動させるために、電源112から、制御部110に電流が供給される。そして、制御部110は、該供給された電流を電源供給ライン116によりマーク検出手段60に供給する。
【0084】
[発明が解決しようとする課題]
上述のように、送信手段10および電力供給ライン116を配設させる必要があるために、コスト高になるという問題が生じる。また、例えば、ユーザが、過度な力で蓋部20を開いた等、不測な事態のときに、軸支部材7が破損し、支軸5が軸支部材7に軸支されなくなる。そうすると、蓋部20と本体部40とが分離されると共に、FPC10も破損・分離される。FPC10が分離されると、マーク検出手段6からのマーク検出信号が制御部まで送信されなくなる場合があるという問題が生じる。また、この不測な事態により、電力供給ラインが断絶され、マーク検出手段6に電力が供給されなくなる場合があるという問題が生じる。
【0085】
本実施例のプリンタであれば、上記のような問題が生じることがないプリンタを提供する。
【0086】
[発明の効果]
本実施例のプリンタであれば、上記のような問題が生じないようなプリンタを提供することが出来る。
【0087】
[実施例の説明]
本実施例のプリンタでは、従来のように、電源供給ラインや送信手段を配設させる必要はなく、電流の供給およびマーク検出信号の送信は、無接点で行われる。従って、[発明の効果]で述べた効果を奏することができる。
【0088】
図31に、蓋部20を閉じた場合に、蓋部20を透過した本実施例のプリンタの機能構成例を示す。また、マーク検出手段60は、蓋部内に設けられている蓋部内回路202内に設けられている。また、制御部110は、本体部40内に設けられている本体部内回路402内に設けられている。
【0089】
そして、蓋部20が閉じられた場合には、一対の第1コイル110と一対の第2コイル112とが形成される。一対の第1コイル110は、第1−1コイル1102と第1−2コイル1104とが、電磁誘導が生じるように対向されて構成される。また、一対の第2コイルは、第2−1コイル1122と第2−2コイル1124とが電磁誘導が生じるように対向されて構成される。また、第1−1コイル1102と第2−1コイル1122とは本体部40に設けられる本体部側コイルである。第1−2コイル1104と第2−2コイル1124とは蓋部20に設けられる蓋部側コイルである。
【0090】
第1−1コイル1102および第2−1コイル1122の両端(一端及び他端)は、本体部内回路402に接続される。また、第1−2コイル1104および第2−2コイル1124の両端(一端および他端)は、蓋部内回路202に接続される。
【0091】
図32に、蓋部内回路202の回路図の一例を示す。
図32の例では、マーク検出手段60はフォトセンサであるとして説明するが、マーク検出手段60は、他のセンサ手段を用いても良い。
図32の例では、マーク検出手段60は、トランジスタ602とダイオード604とを含む。
【0092】
また、
図33に、マーク検出手段60に入出力される電流や磁界などを示す。以下では、
図32、
図33を用いて、本実施例のマーク検出手段60の駆動手法およびマーク検出手法について説明する。
【0093】
まず、マーク検出手段60の駆動手法について説明する。まず、電源112から制御部110に電流が供給される。制御部110は該供給された電流(以下、「第2駆動電流」という。)を第1−1コイル1102に供給する。ここで、第2駆動電流は交流である。
【0094】
そうすると、第2駆動電流が、交流であることから、第1−1コイル1102で磁界A(「第1の磁界」ともいう。)の変動が生じる。
図33では磁界Aを一方向のみ示しているが、短時間ごとに、磁界Aの向きは変動することになる。
【0095】
この磁界の変動により第1−1コイル1102と第1−2コイル1104との間で電磁誘導が生じる。この電磁誘導の結果、第1−2コイル1104から電流(以下、「第1駆動電流」という。)が発生する。発生された第1駆動電流は、抵抗2024を経由して、マーク検出手段60に入力される。マーク検出手段60は、該入力された第1駆動電流により、駆動する。より詳細には、第1駆動電流は、マーク検出手段60内のトランジスタ602およびダイオオード604(
図32参照)に入力される。
【0096】
なお、この電磁誘導により生じた第1駆動電流も交流になることから、マーク検出手段60に供給される第1駆動電流は間欠的なものとなり、マーク検出手段60はmsec単位で駆動することになる。しかし、マーク検出手段60はmsec単位で駆動したとしても、マークを検出する処理に関しては、問題は生じない。
【0097】
次に、マーク検出手段60のマーク検出手法について説明する。本実施形態のマーク検出手段60は光学センサとして機能する。そして、トランジスタ602が受光素子の役割を果たし、ダイオード604が発光素子をしての役割を果たす。第2駆動電流が、トランジスタ602及びダイオード604に供給されると、ダイオード602が、搬送中の用紙に対して発光する。そして、トランジスタ602が、用紙で反射された反射光を受光する。
【0098】
ここで、説明簡略化のために、用紙を白色とし、予め付されたマークを黒色とする。そして、マークを付された領域をマーク領域といい、用紙の全領域のうち、マーク以外の領域をマーク外領域」という。マーク領域は黒色であり、マーク外領域は白色である。マーク外領域で反射された反射光の光量レベルは高いものとなる。一方、マーク領域で反射された反射光の光量レベルは、低いものとなる。そして、受光素子であるトランジスタ602から反射光の光量レベルに応じた電流(以下、「第1検出電流」という。)が出力される。出力された第1検出電流は第2−2コイル1124に入力される。
【0099】
そうすると、ダイオード604がマーク外領域に発光している時から、ダイオード604がマーク領域に発光する時に移行した場合には、トランジスタ602が受光する反射光の光量レベルは変化する(光量レベルは、小さくなる)。この変化と共に、トランジスタ602から出力される第1検出電流も変化する(第1検出電流は小さくなる)。上述の通り、第1検出電流は、第2−2コイル1124に入力されていることから、磁界B(「第2の磁界」ともいう。)が発生するのであるが、この第1検出電流は、マークを検出するたびに、変化するので、発生される磁界Bも変化する。そして、この磁界Bの変化により、第2−1コイル1122と第2−2コイル1124との間で電磁誘導が生じる。この電磁誘導により、第2−2コイル1124では電流(以下、「第2検出電流」という。)が発生する。発生された第2検出電流は、制御部110に入力される。
【0100】
つまり、制御部110は、第2検出電流が入力された時が、マーク検出手段60がマークを検出した時であると認識する。
【0101】
なお、
図32では、電位差を設けるために、抵抗2026と抵抗2028が配置されている。
【0102】
本実施例のプリンタのように、電源供給ラインの代わりに一対の第1コイル110を設け、送信手段の代わりに一対の第2コイル112を設けた。この構成により、マーク検出手段60と制御部110との間を無接点(無線)にすることができ、結果として、[発明が解決しようとする課題]で述べた問題点を全て解決できる。
【実施例7】
【0103】
次に、実施例7のプリンタについて説明する。
【0104】
[背景技術]
一般的に、
図3、
図4に示すように、マーク検出手段6は、蓋部2に設けられる。制御部110は、本体部40側に設けられる。そして、マーク検出手段6からのマーク検出信号を制御部110に送信させるために、送信手段10(FPC)をマーク検出手段6と制御部との間に配設させる必要がある。
【0105】
[発明が解決しようとする課題]
例えば、ユーザが、過度な力で蓋部20を開いた等、不測な事態のときに、軸支部材7が破損し、支軸5が軸支部材7に軸支されなくなる。そうすると、蓋部20と本体部40とが分離されると共に、FPC10も破損・分離される。分離された蓋部20および本体部40を統合させようとした場合、および、破損・分離されたFPC10を接続(回復)させようとした場合には、非常に煩雑は処理が必要となる。
【0106】
本実施例では、このような問題を鑑みて、不測の事態により、蓋部20と本体部40とが分離した場合、および、FPC10が破損・分離した場合であっても、容易に接続させることが出来るプリンタを提供する。
【0107】
[発明の効果]
本実施例のプリンタであれば、不測の事態により、蓋部20と本体部40とが分離した場合、および、FPC10が破損・分離した場合であっても、容易に接続させることが出来る。
【0108】
[実施例の説明]
図34に、本実施例のプリンタの蓋部20を閉じている場合の断面図を示し、
図35に蓋部20が開いている場合の断面図を示す。本実施例のプリンタは、大略して、蓋部20と本体部40とを含む。蓋部20は回動軸52を有し、本体部40は係合手段62を有する。そして、蓋部20が本体部40に対して回動可能になるように、回動軸52は、係合手段62に離脱可能に係合されている。係合の詳細は、
図8に示した通りなので、説明を省略する。例えば、ユーザが過度な力で、蓋部20を開いた場合などには、回動軸52が係合手段62から離脱することで、蓋部20と本体部40とが分離される。また、本実施例のプリンタでは、マーク検出手段60は蓋部20の端部に設けられている。そして、マーク検出手段60は、用紙に予め付されたマークを検出すると、マーク検出信号を出力する。出力されたマーク検出信号を制御部(図示せず)に送信するために、送信手段(FPC)50は、蓋部20および本体部40に配設され、制御部に接続される。
【0109】
図36に、蓋部20と本体部40とが分離された場合の断面図を示す。
図36に示すように、蓋部20と本体部40とが分離された場合には、本実施例の送信手段(FPC)50は、予め分離されるように構成される。分離された送信手段50のうち、蓋部20に配設されている送信手段を第1送信手段501とし、本体部40に配設されている送信手段を第2送信手段502とする。第1送信手段501の、マーク検出手段60と反対側の端部を第1端子501aとする。また、第2送信手段502の、制御部と反対側の端部を第2端子502aとする。
【0110】
また、本実施例のプリンタは、接続手段を有する。ユーザが回動軸52を係合手段62に係合させる(つまり、分離した蓋部20を本体部40と統合させる)と共に、接続手段が分離された送信手段50を電気的に接続させることができる。ここで、「電気的に接続される」とは、「マーク検出手段60からのマーク検出信号が、送信されるように、接続される」という意味である。
【0111】
接続手段の構成として様々あるが、本実施例では2つの接続手段について説明する。
【0112】
[接続手段(その1)]
その1の接続手段を
図36に示す。1つ目の接続手段は、付勢手段である。
図36では、この付勢手段をバネ302であるとして示すが、付勢力があれば、他の部材であってもよい。また、以下の説明では、
図36に示すように、回動軸52が、係合手段62に対して係合される方向を係合方向という。
図36の例では、バネ302は回動軸52に巻かれている。そして、バネ302の一端302aは、蓋部20のフレーム(図示せず)に固定されている。バネ302の他端302bは、第1端子501aを係合方向に押圧している。つまり、回動軸52が係合手段62に係合される直前(
図36の状態)では、バネ302の押圧により、第1端子501aと第2端子502aとは、対向することになる。
図36では、バネ302の他端302bは、送信手段50を貫通しているが、貫通させなくても良い。
【0113】
送信手段規制手段304(
図36では、配線ストッパ304と記載)は、バネ302の過度な付勢により、第1端子501aが、第2端子502aと対向しない方向に向くことを防ぐために、第1端子501aを規制する部材である。送信手段規制手段304はなくても良い。
【0114】
そして、ユーザが、回動軸52を係合手段62に係合させると、
図35に示すようになる。上述のように、回動軸52が係合手段62に係合される直前では、バネ302の押圧により、第1端子501aと第2端子502aとは、対向することになる。そして、回動軸52が係合手段62に係合されると共に、第1端子501aと第2端子502aとは電気的に接続される。
【0115】
ここで、第1端子501aと第2端子502aとを確実に接続させるために、固定手段を用いる。固定手段とは、例えば、第1端子501aおよび第2端子502aをコネクタ形状とすることである。固定手段については、第1端子501aと第2端子502aとを確実に接続させることが出来るのであれば、他の手法を用いてもよい。そして、第1端子501aおよび第2端子502aをコネクタ形状とすることで、第1端子501aおよび第2端子502aとが着脱可能に接続されることになる。
【0116】
また、本実施例のプリンタでは、付勢手段規制手段306(
図35では、バネストッパ306と記載)が設けられている。付勢手段規制手段306を設けることで、蓋部20が閉じている状態(
図34の状態)、または、蓋部20が開いている状態(
図35の状態)であっても、バネ302が、不当な方向に付勢しないようにすることができる。付勢手段規制手段306はなくても良い。
【0117】
また、上記の説明では、バネ302により第1送信手段501を付勢した。しかし、第2送信手段501を付勢することで、第1端子501aと第2端子502aを対向させるようにしても良い。また、バネ302により、第1送信手段501および第2送信手段502aを付勢しても良い。
【0118】
この実施形態では、接続手段をバネ302であるとしたプリンタを説明した。この接続手段を有することにより、ユーザが、回動軸52を係合手段62に係合させると共に、第1端子501aと第2端子502aとを電気的に接続させることが出来る。
【0119】
[接続手段(その2)]
次に、その2の接続手段について説明する。
図37に蓋部20が閉じられている場合のプリンタの断面図を示す。
図37に示すように、この実施形態のプリンタは接続手段400を有する。接続手段400は導電性を有する。また、接続手段400は弾力性を有することが好ましい。ここで、「導電性を有する」とは、「マーク検出手段60からのマーク検出信号を導電させることが出来る」という意味である。また、上述のように、マーク検出手段60からのマーク検出信号を制御部まで送信するために、送信手段50を配設させる。本実施形態では、マーク検出信号は、「マーク検出手段60」→「蓋部20側に配設された第1送信手段501」→「接続手段400」→「本体部側に配設された第2送信手段502」→「制御部」の順番で送信される。本実施形態の送信手段50は、第1送信手段501と第2送信手段502と接続手段400とを含むものとする。
【0120】
また、この例では、接続手段400は、湾曲部400aを有し、略U字形状であるとする。この例では、接続手段400は、湾曲部400aが、回動軸52を囲むように配置されている。また、接続手段は一端400bおよび他端400cを有する。蓋部20が閉じられている状態では、一端400bは、第1端子501aと固定的に電気的接続されており、他端400cは、第2端子501bと離脱可能に電気的接続されている。従って、マーク検出手段60からのマーク検出信号を適切に制御部に送信させることが出来る。
【0121】
図38にユーザが、蓋部20を過度な力で開けることで、回動軸52が係合手段62から離脱した場合の断面図を示す。
図38に示すように、回動軸52が係合手段62から離脱されると共に、接続されていた第2端子502aと他端400cとが、離間される(電気的接続が解除される)。つまり、前記接続手段400の他端400cは、第2端子502aと解除可能に電気的接続されている。従って、蓋部20と本体部40とが分離したとしても、スムーズに送信手段50を分離させることが出来る。この実施形態での送信手段50の分離とは、「第1送信手段501と接続手段400」および「第2送信手段502」とが分離されることである。つまり、第1送信手段501と接続手段400とは、着脱不可能に電気的接続され、接続手段400と第2送信手段502とは、着脱可能に電気的接続されている。
【0122】
図39に、回動軸52を係合手段62に係合させた場合の断面図を示す。また、係合手段62には、貫通孔62hが形成されている。接続手段400は、貫通孔62hに貫通されるのであるが、貫通される部分を貫通部400dとする。そして、ユーザにより回動軸52を係合手段62に係合されると共に、接続手段400の貫通部400dは、貫通孔62hを貫通する(
図39参照)。なお、貫通部400dの先端が他端400cとなる。
【0123】
また、接続手段400の貫通部400dをスムーズに貫通孔62hに貫通させるために、貫通部400d(他端400cの近傍)にストッパ420が設けられる。ストッパ420により、接続手段400の他端400cを貫通孔62hに貫通させる直前に、他端400cの向きを貫通孔62hの入り口62iに向けることが出来る。また、上述のように、接続手段400は、弾力性を有する。従って、ユーザが、回動軸52を係合手段62に係合させると同時に、接続手段400の他端400cは、貫通孔62hを貫通することにより、
図39の状態になる。なお、蓋部2が開いている状態(
図39の状態)では、接続手段400と、第2端子502aと接触(電気的接続)されていない。これは、蓋部20が開いている場合には、マーク検出手段60は駆動させる必要はなく、マーク検出手段60からマーク検出信号が出力されることはないからである。蓋部20が開いている場合であっても、接続手段400と、第2端子502aと電気的接続させても良い。また、蓋部20が閉じている状態(
図37の状態)については、マーク検出手段60は駆動するために、マーク検出手段60からマーク検出信号が出力されるため、接続手段400と第2送信手段502は、電気的接続させておく必要がある。
【0124】
なお、
図39の状態で、ストッパ420が、係合手段62の当接面62iに当接される。蓋部20を開いている状態では、ストッパ420の当接により、接続手段400は固定される。
【0125】
本実施例のプリンタの回動軸52は、係合手段62に離脱可能に係合されている。また、送信手段50は、予め、分離可能に構成されている。そして、分離された送信手段50を接続させるための接続手段(上記の説明では、接続手段(その1)、接続手段(その2)が設けられている。従って、例えば、ユーザが過度な力で蓋部20を開け、蓋部20と本体部40とが分離したとしても、接続手段により容易に、分離した送信手段を回復(電気的接続)させることが出来る。