(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第一実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、本発明に係る遊技機を、
図1に示すように、演出図柄表示装置104で複数の図柄を変動表示するパチンコ機に適用したものである。
まず、パチンコ機における遊技盤面102の構成を説明する。
図1は、パチンコ機における遊技盤面102の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
【0014】
図1に示すように、遊技盤面102のほぼ中央部には、3つの領域(図示せず)にそれぞれ演出図柄を独立に変動させながら表示する演出図柄表示装置104が設けられている。演出図柄表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置、モータの回転により可変表示するドラム等によって構成され、複数の数字や図柄等からなる演出図柄を変動表示する。本実施形態では、演出図柄表示装置104は、背景等の画像および複数の図柄を動画として表示可能な可変表示装置によって構成され、多彩な演出図柄を表示可能としている。
【0015】
演出図柄表示装置104の下方には、「0」から「9」までの1桁の数字等からなる普通図柄を変動させながら表示する普通図柄表示装置108が設けられている。普通図柄表示装置108は、例えば、7セグメントLED等によって構成される。
演出図柄表示装置104の左側には、普通図柄始動ゲート122が設けられている。普通図柄始動ゲート122は、遊技球が通過すると、パチンコ機内部の始動ゲートスイッチ(図示せず)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、普通図柄表示装置108の変動表示開始の契機を与える。普通図柄の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、抽選結果の通知や演出が行われる。また、普通図柄始動ゲート122の下方には、遊技球を常時入賞可能とする2つの一般入賞口124,125が設けられている。
【0016】
演出図柄表示装置104の下方には、始動入賞装置111が設けられている。入賞装置11は、常時開口している第一始動入賞口111aと、第一始動入賞口111aの下側に設けられた可動式の第二始動入賞口111bとを有している。第一始動入賞口111aは、始動入賞装置111への遊技球の入賞を常時可能としている。第二始動入賞口111bは、いわゆる電チュー(電動チューリップ)と称される入賞確率を変更することが可能な電動役物(可動部材)である。第二始動入賞口111bは、通常時は閉止状態であるが、普通図柄表示装置108に表示された数字が特定の態様となったときは、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする。始動入賞装置111は、遊技球が入賞すると、パチンコ機内部の始動入賞口スイッチ131(
図2参照)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置104における演出図柄の変動表示開始の契機および特別図柄表示装置106における特別図柄の変動表示開始の契機を与える。特別図柄および演出図柄の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、抽選結果の通知や演出が行われる。
【0017】
始動入賞装置111の右方には、2つの領域にそれぞれ特別図柄を独立に変動させながら表示する特別図柄表示装置106が設けられている。特別図柄表示装置106は、例えば、液晶ディスプレイまたはCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置等によって構成され、複数の数字や図柄等からなる特別図柄を変動表示する。本実施形態では、特別図柄表示装置106は、2桁の7セグメントLEDによって構成されている。ここで、特別図柄表示装置106に停止表示された特別図柄が特定の組み合わせとなって生起する遊技状態を「特賞状態」(大当たりまたは小当たり)といい、「特賞」とは、遊技状態が、遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する有利な状態に移行するポイントをいう。また、特別図柄は、演出図柄表示装置104で表示される演出図柄と対応している。
【0018】
特別図柄表示装置106の上側には、パチンコ機の状態を通知する遊技状態表示装置109が設けられている。遊技状態表示装置109は、例えばLEDからなる表示装置によって構成され、点灯や点滅等で遊技状態を通知する。遊技状態表示装置109は、特別図柄等の変動中に始動入賞装置111に入賞した各遊技球の情報を、主制御装置のRAM上にある各遊技球ごとの保留領域に記憶するのと連動して点灯または点滅し、連続して図柄変動可能な回数を表示する。また、遊技状態表示装置109は、普通図柄の抽選中に普通図柄始動ゲート122を通過した各遊技球の情報を、主制御装置のRAM上にある各遊技球ごとの保留領域に記憶するのと連動して点灯または点滅し、連続して普通図柄による抽選を実行可能な回数を表示する。
【0019】
始動入賞装置111の下方には、通常時は閉止状態であるが、特賞状態が生起されたときに所定パターンで開放状態となることによって遊技球を入賞可能とする大入賞口115が設けられている。大入賞口115は、特別図柄表示装置106に停止表示された特別図柄が特定の組み合わせとなったとき(すなわち、特賞となったとき)は、その後の特賞状態において、大入賞口115の前面に設置された開閉部材115aが開放および閉鎖の動作を行う。特賞状態の生起中は、開閉部材115aがほぼ水平に開き、多数の遊技球の入賞を受け付ける。大入賞口115は、遊技球が入賞すると、パチンコ機内部の大入賞口スイッチ132(図示せず)の検出信号により入賞した遊技球数を計数し、入賞に伴って賞球を払い出す。大入賞口115の開放は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(大入賞口入賞規定数、例えば10個等)の遊技球が入賞するまで継続する。大入賞口115の一回の開放をラウンドと呼ぶ。ラウンドは、1R→2R→・・・と継続し、最大ラウンドまで継続する。
【0020】
そして、大入賞口115の下方であって遊技盤面102の最下方には、上記入賞口等のいずれにも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口110が設けられている。
さらに、演出図柄表示装置104の右側には、報知手段120が配設されている。報知手段120は、本実施形態では、表面に文字がデザインされた板状体により形成されている。報知手段120の内部には、発光素子が組み込まれている。そして、報知手段120は、演出制御装置150の報知制御部168からの作動信号を受信することにより所定時間作動する。報知手段120は、報知制御部168からの作動信号を受信すると、発光素子により表面にデザインされた文字が発光するとともに、図示しない駆動手段により所定パターンで前後方向に揺動する。
【0021】
なお、以下、大当たりの終了後に大当たり抽選の当選確率が低確率(通常確率)となる遊技状態を「低確率状態」といい、大当たりの終了後に大当たり抽選の当選確率が低確率状態と比較して高確率(例えば、通常確率の10倍)となる遊技状態を「確率変動状態」という。また、特別図柄および演出図柄の変動時間が短縮する機能と、遊技球が普通図柄始動ゲート122を通過することに伴って抽選される普通図柄の抽選確率を通常時の抽選確率と比較して高確率(例えば、10倍)にするとともに第二始動入賞口111bの開放時間を通常時の開放時間と比較して延長する(開放時間が長くなる)機能の2つの機能(以下、時短機能という。)が作動する遊技状態を「時短作動状態」といい、時短機能が未作動となる遊技状態を「時短未作動状態」という。
【0022】
次に、パチンコ機における遊技制御装置200の構成を説明する。
図2は、遊技制御装置200の構成を示すブロック図である。
遊技制御装置200は、
図2に示すように、主に、主制御装置210、演出制御装置150および図柄制御装置152の3つの制御部から構成される。不正行為防止等のため、通常、各制御部は別々の基板に実装され、直接・間接的に接続されて相互にまたは一方向にデータが送信可能である。
主制御装置210は、始動入賞装置111への入賞による遊技球の検出に基づいて内部で発生させた乱数に応じて制御コマンドの送信および遊技全体の制御を行い、また、特別図柄表示装置106を直接制御する。
【0023】
演出制御装置150は、主制御装置210から送信される制御コマンド(第1の制御コマンド)に応じて図柄制御装置152を制御するための液晶制御コマンド(第2の制御コマンド)を送信する。
図柄制御装置152は、演出制御装置150から送信される液晶制御コマンド(第2の制御コマンド)に応じて演出図柄表示装置104を制御する。
主制御装置210は、CPU220、ROM230、RAM240、入力ポート250および出力ポート255を備える。
【0024】
出力ポート255は、特別図柄表示装置106への出力を行う特別図柄表示用出力ポートと、普通図柄表示装置108への出力を行う普通図柄表示用出力ポートと、演出制御装置150への出力を行う演出制御装置用コマンド出力ポートと、賞球払出装置に対して賞球の払出制御を行う賞球払出制御装置156への出力を行う賞球払出用コマンド出力ポートと、大入賞口115を開閉させる大入賞口ソレノイド158への出力を行う大入賞口ソレノイド出力ポートと、遊技状態表示装置109への出力を行う遊技状態表示用出力ポートと、外部のホールコンピュータへの出力を行う外部情報出力ポート256とからなる。
【0025】
外部情報出力ポート256は、図示しないが、少なくとも第1信号生成手段である第1信号生成部と、第2信号生成手段である第2信号生成部とを備える。第1信号生成部は、大当たり情報信号等のある状態を識別できるようにその状態中は出力されている信号を生成する。また、出力時間は、その状態等によって随時可変するものである。なお、確率変動状態が生起することを報知せずに確率変動状態が生起する特賞状態が決定された場合には、第1信号生成部は、前記特賞状態であることを識別可能な大当たり信号を出力しない(大当たり信号出力禁止設定)ので、確率変動状態を非報知状態とすることができる。第2信号生成部は、例えば、図柄確定回数情報信号等の状態の変化を検出して信号を生成する。また、出力時間は、その検出を知らせるものであるため、あらかじめ設定された期間(具体的には、検出のたびに248[ms]間出力し、出力された信号が連続しないように同一の間隔を設けて)出力されるものである。
【0026】
主制御装置210は、入力ポート250を介して、始動入賞口スイッチ131、大入賞口スイッチ132、その他各種入賞口スイッチ133から検出信号を入力し処理する。
主制御装置210は、出力ポート255を介して、特別図柄表示装置106、普通図柄表示装置108、大入賞口ソレノイド158、外部情報出力部および遊技状態表示装置109を制御する。なお、ここでの「制御」とは、例えば、主制御装置210が出力ポート255から特別図柄表示装置106に対して直接的に表示駆動に関わる制御信号を送ることにより特別図柄を変動させる処理のことであり、例えば、CPU220からの信号(命令)を他のCPUによる判断なしで直接送ることや、割り込み等による時間遅れ(タイムラグ)なしで制御することが含まれる。
【0027】
主制御装置210は、演出制御装置150に演出制御コマンド(図柄指定コマンド、変動パターンコマンド等の第1の制御コマンド)を送信して演出制御装置150をコマンド送信により制御する。ここで、図柄指定コマンドとは、演出図柄の停止図柄の組み合わせを指定するための制御コマンドである。また、変動パターンコマンドとは、演出図柄表示装置104に表示されるリーチ、はずれ、特賞等の画面変動の態様および演出時間を指定するための制御コマンドである。
【0028】
ROM230には、主制御装置210で実行されるパチンコ機を制御するためのプログラムが記憶される。ROM230には、さらに、演出制御装置150を制御するための図柄指定コマンド、変動パターンコマンドを始めとするパチンコ機を制御するための各種パラメータの値が格納されている。
RAM240は、主制御装置210に対する入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ等を一時記憶し、および各保留球の情報を記憶する保留メモリを有する。
RAM240には、出力予定の制御コマンドを所定領域に格納し、停電から復帰したときは、RAM240の内容を停電直前の状態に復元し、RAM240の出力予定の制御コマンドを出力することにより、電源遮断前の状態に遊技状態を復帰させる。
【0029】
主制御装置210には、電源供給を行うための電源回路212が接続されている。電源回路212は、主制御装置210全体に供給されていた電源ラインの電圧が所定の電圧値以下になったことを検出したときは、電源が遮断された旨を示す電源断検出信号をCPU220に出力する。電源断が検出された場合は、主制御装置210全体に供給されていた電源ラインから電源断に伴ってCPU220に直接つながる電源ラインに切り換えられる。これにより、RAM240には、CPU220に直接つながる電源ラインから電源が供給されるので、情報を保持することができる。
【0030】
演出制御装置150は、主制御装置210と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポートおよび出力ポートを備える。演出制御装置150は、主制御装置210から送信される演出制御コマンド(第1の制御コマンド)を受信し、受信した演出制御コマンドに従って、液晶表示制御コマンド(第2の制御コマンド)を生成し、図柄制御装置152に送信する。
【0031】
演出制御装置150は、スピーカ155から音声を出力する音声制御を行う音声制御部162と、ランプ153を点灯させるランプ制御を行うランプ制御部164と、報知手段を作動させる報知制御を行う報知制御部168とを備える。なお、音声制御部162、ランプ制御部164および報知制御部168は、演出制御装置150において内部コマンドによるコマンド通信により制御されるものである。しかしながら、コマンド通信によらず直接的な制御でも実現可能である。
【0032】
報知制御部168は、演出図柄表示装置104において演出図柄の停止表示が行われているときに、所定の確率(第一の発明に係る所定の確率、第三の発明に係る第二の確率)で報知手段を作動させる。すなわち、演出制御装置150は、主制御装置210から図柄停止コマンドを受信した後に、報知手段120を作動させるか否かを抽選により決定する。そして、演出制御装置150は、報知手段120を作動させることを決定した場合に、報知手段120に対して作動信号を送信する。
【0033】
このように、演出制御装置150は、液晶表示、ランプ点灯、効果音の生成等の演出に関する制御を専門的に行うことにより、主制御装置210の負荷を軽減するのに役立っている。
図柄制御装置152は、演出制御装置150から送信される液晶表示制御コマンド(第2の制御コマンド)を受信し、その液晶表示制御コマンドに従って演出図柄表示装置104において演出図柄を変動表示または停止表示させる。
【0034】
次に、特別図柄および演出図柄の停止図柄の態様を説明する。
図3は、特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
パチンコ機においては、
図3に示すように、大当たりまたは小当たりの種別として、「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「確変3大当たり」および「小当たり」の5つが規定されている。各種別は、当たり種別番号「0」〜「4」により識別される。
【0035】
通常大当たりとなったときは、特別図柄表示装置106において特別図柄を時短図柄で停止表示させるとともに演出図柄表示装置104において演出図柄を時短図柄で停止表示させるように制御する。時短図柄は、例えば、演出図柄表示装置104においては、「222」、「444」、「666」といった偶数のぞろ目からなる組み合わせとなる。また、通常大当たりとなったときは、大当たり時における大入賞口115の最高開放回数、すなわちラウンドの最高継続回数が15回となり、大当たり後の100回の抽選において時短作動状態となる。さらに、通常大当たりとなったときは、大当たり終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
【0036】
確変1大当たりとなったときは、特別図柄表示装置106において特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに演出図柄表示装置104において演出図柄を確変1図柄で停止表示させるように制御する。確変1図柄は、例えば、演出図柄表示装置104においては、「111」、「333」、「555」といった奇数のぞろ目からなる組み合わせとなる。また、確変1大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が15回となり、大当たり後の10000回の抽選において時短作動状態となる。さらに、確変1大当たりとなったときは、大当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0037】
確変2大当たりとなったときは、特別図柄表示装置106において特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに演出図柄表示装置104において演出図柄を確変2図柄で停止表示させるように制御する。また、確変2大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となり、大当たり後の10000回の抽選において時短作動状態となる。さらに、確変2大当たりとなったときは、大当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0038】
確変3大当たりとなったときは、特別図柄表示装置106において特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに演出図柄表示装置104において演出図柄を確変3図柄で停止表示させるように制御する。また、確変3大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となる。また、確変3大当たりとなったときは、大当たり時(大当たり発生を報知する図柄変動パターンが開始された時点)に時短未作動状態である場合は、大当たり後において時短未作動状態となり、大当たり時に時短作動状態である場合は、大当たり後において時短作動状態を継続させる(時短継続制御)ように制御する。さらに、確変3大当たりとなったときは、大当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0039】
確変2大当たり、確変3大当たりは、ラウンドとラウンドの間の大入賞口閉鎖時間が他の大当たりの時間と同様であるが、1ラウンドの期間(開放時間)が通常の大当たりと比較して短くラウンドの最高継続回数も2回しかないので、遊技者に対しては、大当たりとならずに確率変動状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。さらに、遊技店にとっても当たり時の確率と稼働とのバランスが作りやすいものとなる。また、大入賞口115の開放時間が数ms程度であり、通常大当たり、確変大当たりよりも極端に短い。
【0040】
小当たりとなったときは、特別図柄表示装置106において特別図柄を小当たり図柄で停止表示させるとともに演出図柄表示装置104において演出図柄を小当たり図柄で停止表示させるように制御する。確変3図柄および小当たり図柄は、演出図柄表示装置104においては、1または複数の特定の図柄の組み合わせからなり、両者を区別することができないようになっている。また、小当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となり、小当たり後において時短機能の作動・未作動が変化しないように制御する。さらに、小当たりとなったときは、小当たり終了後の遊技状態が、小当たり前の遊技状態と同じ遊技状態に設定される。
【0041】
次に、主制御装置210から演出制御装置150に出力される制御コマンドの構造および内容を説明する。
図4は、制御コマンドのデータ構造を示す図である。
制御コマンドは、
図4に示すように、制御コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のディジタルデータであるモード(MODE)と、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイト長のディジタルデータであるイベント(EVENT)とからなる。
【0042】
図5は、制御コマンドの入出力タイミングを示すタイミングチャートである。
主制御装置210では、
図5に示すように、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)データが出力され、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)データが出力される。これに対応して、演出制御装置150では、CPUにより、ストローブ信号(DUSTB)の入力に応じて割込を発生させ、割込処理によって演出制御コマンドが演出制御装置150のRAMに格納される。
【0043】
図6は、主制御装置210から演出制御装置150に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
演出制御コマンドには、
図6に示すように、はずれ演出図柄、時短図柄、確変1図柄、確変2図柄、確変3図柄および小当たり図柄のいずれかを指定するための停止図柄指定コマンドがある。停止図柄指定コマンドは、特別図柄の変動開始時に出力される。
演出制御コマンドには、さらに、n(n=1〜104)種類の変動パターンのうちいずれかを指定するための変動パターンコマンドがある。変動パターンは、遊技状態に対応している。例えば、変動パターン5は、ノーマルリーチを表示した後にはずれとなる遊技状態に対応し、主制御装置210でそのような遊技状態が決定されたときは、変動パターン5を指定するための変動パターンコマンドが出力される。変動パターンコマンドは、停止図柄指定コマンドとともに特別図柄の変動開始時に出力される。
【0044】
演出制御コマンドには、さらに、演出図柄の停止を指定するための図柄停止コマンドがある。図柄停止コマンドは、演出図柄の停止時に出力される。
演出制御コマンドには、さらに、m(m=1〜95)種類の15R大当たり(通常大当たり、確変1大当たり)の演出開始、確変2大当たりの演出開始、確変3大当たりの演出開始および小当たりの演出開始をそれぞれ指定するための演出開始コマンドがある。演出開始コマンドは、大当たり開始時および小当たり開始時に出力される。
演出制御コマンドには、さらに、時短の終了および開始をそれぞれ指定するための状態指定コマンドがある。状態指定コマンドは、時短の終了時および時短の開始時に出力される。
【0045】
次に、変動パターン決定テーブル440のデータ構造を説明する。
図7は、変動パターン決定テーブル440のデータ構造を示す図である。
ROM230には、
図7に示すように、変動パターンを決定するのに用いる変動パターン決定テーブル440が格納されている。
変動パターン決定テーブル440は、大当たり、小当たりおよびはずれのそれぞれに対応して設けられている。大当たりおよび小当たりに対応する変動パターン決定テーブル440については、さらに、現在の遊技状態(時短作動状態または時短未作動状態)、大当たりまたは小当たりの種別、入賞遊技球数(保留領域の記憶数)「0」〜「3」、およびリーチ抽選に用いる乱数(以下、リーチ決定乱数という。)の値に対応して複数設けられている。はずれに対応する変動パターン決定テーブル440ついては、現在の遊技状態、入賞遊技球数およびリーチ決定乱数の値に対応して複数設けられている。
【0046】
変動パターン決定テーブル440には、例えば、211個のレコードが登録されている。各レコードは、変動パターンを示す変動パターン番号を登録するフィールドを含んで構成されている。「0」〜「210」の数値範囲でいずれかの値を取り得る乱数(以下、変動パターン決定乱数という。)を取得し、取得した乱数値の順位のレコードから変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号により特定される変動パターンに決定する。例えば、乱数値が「30」である場合は、30段目のレコードから変動パターン番号を取得する。
図7の例では、変動パターン決定テーブル440から「18」が読み出されるので、変動パターン18に決定される。
【0047】
次に、主制御装置210で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU220は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、
図8のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
【0048】
初めに、遊技制御処理を説明する。
図8は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU220において実行されると、
図8に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、CPU220の初期化処理を実行し、ステップS102に移行して、
図9の割込処理を実行すべき割込許可命令をCPU220に対して出力する。これにより、
図9の割込処理は、所定の周期(例えば、2[ms])で遊技制御処理と並列に実行される。
【0049】
次いで、ステップS104に移行して、演出に関わる演出制御用乱数(例えば、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数、表示する図柄の種類を決定するための乱数)を更新する乱数更新処理を実行し、ステップS106に移行する。
ステップS106では、遊技制御処理が実行されてから
図9の割込処理が所定回数(例えば、2回)実行されたか否かを判定し、割込処理が所定回数実行されたと判定したとき(Yes)は、ステップS108に移行して、大当たりの判定を行うとともに図柄の変動パターンを決定する大当たり判定処理を実行し、ステップS110に移行する。
【0050】
ステップS110に移行して、大入賞口115を所定パターンで開放させる電動役物作動処理を実行し、ステップS112に移行して、賞球払出制御装置156に対して払出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM240の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行し、ステップS114に移行する。
ステップS114では、外部情報出力ポート256を介して、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータに出力する外部情報出力処理を実行し、ステップS116に移行する。
【0051】
ステップS116では、パチンコ機の検査に必要な遊技機検査信号を出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。ステップS116では、遊技機検査信号を出力するが、遊技店に設置される場合、パチンコ機は、遊技機検査信号を受信する制御部を備えていない。これは、検査機関での検査時に必要とされる信号であるためである。場合によっては、ステップS116の処理は省略することもできる。
【0052】
次いで、ステップS118に移行して、演出制御装置用コマンド出力ポートを介して、RAM240に格納した演出制御コマンドを演出制御装置150に出力するポート出力処理を実行する。演出制御装置150に対しては、まず、ストローブ信号を出力し、モードおよびイベントからなる制御コマンドを出力する。これにより、演出制御装置150に演出制御コマンド(第1の制御コマンド)が出力される。また、特別図柄表示装置106、大入賞口ソレノイド158、遊技状態表示装置109等へも主制御装置210からの制御情報がそのまま出力される。
次いで、ステップS120に移行して、電源回路212から電源断検出信号を入力したか否かを判定し、電源断検出信号を入力したと判定したとき(Yes)は、ステップS122に移行する。
【0053】
ステップS122では、RAM240の内容を復元するために必要な復帰情報を生成し、生成した復元情報をRAM240に格納し、CPU220を省電力モードに切り換えるバックアップ処理を実行する。バックアップ処理には、バックアップフラグを設定する処理およびチェックサムを行う処理が含まれる。
一方、ステップS120で、電源断検出信号を入力しないと判定したとき(No)、およびステップS106で、遊技制御処理が実行されてから割込処理が所定回数実行されていないと判定したとき(No)はいずれも、ステップS104に移行する。
【0054】
次に、割込処理を説明する。
図9は、割込処理を示すフローチャートである。
割込処理は、CPU220において実行されると、
図9に示すように、まず、ステップS150に移行する。
ステップS150では、出玉の決定等に直接関わる出玉制御用乱数(例えば、大当たりを生起させるか否かの大当たり抽選に用いる乱数(以下、当たり決定乱数という。)、大当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数)を更新する乱数更新処理を実行する。また、ステップS104で更新される演出制御用乱数も併せて更新する。
次いで、ステップS152に移行して、始動入賞口スイッチ131からの検出信号を入力して入賞をチェックする入賞スイッチ入力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0055】
次に、ステップS150の乱数更新処理を説明する。
図10は、乱数更新処理を示すフローチャートである。
乱数更新処理は、CPU220において実行されると、
図10に示すように、まず、ステップS172に移行する。
ステップS172では、当たり決定乱数を更新し、ステップS174に移行して、当たり決定乱数が所定の上限値(例えば、498)に達したか否かを判定し、所定の上限値に達したと判定したとき(Yes)は、ステップS176に移行して、当たり決定乱数の初期値を更新するための当たり決定乱数用初期値更新乱数を当たり決定乱数に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0056】
一方、ステップS174で、当たり決定乱数が所定の上限値に達しないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
これにより、当たり決定乱数が一巡するたびに初期値が変化するため、当たり決定乱数値を容易に予測することができない。
なお、図示は省略したが、大当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数その他の出玉制御用乱数を更新する処理もこれと同様にこの乱数更新処理にて行われる。
【0057】
次に、ステップS152の入賞スイッチ入力処理を説明する。
図11は、入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
入賞スイッチ入力処理は、ステップS152において実行されると、
図11に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、始動入賞口スイッチ131からの検出信号を、始動入賞口スイッチ131に対応する入力ポート250の所定のポートから読み込む入力ポート読込処理を実行し、ステップS202に移行して、ステップS200の処理結果に基づいて、始動入賞口スイッチ131から検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定したとき(Yes)は、ステップS204に移行する。
ステップS204では、始動入賞装置111への入賞遊技球数が「4」以上であるか否かを判定し、入賞遊技球数が「4」未満であると判定したとき(No)は、ステップS206に移行して、入賞遊技球数に「1」を加算し、ステップS208に移行する。
【0058】
ステップS208では、当たり決定乱数、大当たり種別決定乱数および停止図柄決定乱数を対応の乱数カウンタから取得し、ステップS210に移行して、取得した各乱数値を、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域にそれぞれ格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。ステップS210では、例えば、入賞遊技球数が「1」である場合は、取得した各乱数値を、RAM240の所定領域であって乱数値を格納するための領域の1番目にそれぞれ格納する。同様に、入賞遊技球数が「2」である場合は、取得した各乱数値を、乱数値を格納するための領域の2番目にそれぞれ格納する。
一方、ステップS204で、入賞遊技球数が「4」以上であると判定したとき(Yes)、およびステップS202で、始動入賞口スイッチ131から検出信号を入力しないと判定したとき(No)はいずれも、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0059】
次に、ステップS108の大当たり判定処理を説明する。なお、普通図柄表示装置108の判定処理については説明を省略する。
図12は、大当たり判定処理を示すフローチャートである。
大当たり判定処理は、所定確率(例えば、1/399)で特賞状態を生起させるために、所定の数値範囲(例えば、「0」〜「398」)に1個の大当たり値を設定し、始動入賞装置111に遊技球が入賞した入賞タイミングで乱数カウンタから当たり決定乱数を取得し、取得した乱数値と大当たり値とが一致しているときに特賞状態を生起させる処理であって、ステップS108において実行されると、
図12に示すように、まず、ステップS300に移行する。
【0060】
ステップS300では、演出図柄表示装置104において演出図柄が変動中か否かを判定し、演出図柄が変動中でないと判定したとき(No)は、ステップS302に移行して、入賞遊技球数が「1」以上であるか否かを判定し、入賞遊技球数が「1」以上であると判定したとき(Yes)は、ステップS306に移行する。
ステップS306では、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域から当たり決定乱数を読み出し、ステップS308に移行して、読み出した乱数値が大当たり値と一致しているか否かを判定し、それらが一致していると判定したとき(Yes)は、ステップS310に移行する。
【0061】
ステップS310では、大当たりの種別を決定する大当たり種別決定処理を実行する。大当たり種別決定処理では、複数の当たり種別番号を登録した大当たり種別決定テーブルを設定しておき、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域から大当たり種別決定乱数を読み出し、読み出した乱数値の順位の当たり種別番号を当たり種別決定テーブルから読み出すことにより大当たりの種別を決定する。これにより、通常大当たり、確変1大当たり、確変2大当たりおよび確変3大当たりの別が決定される。
【0062】
次いで、ステップS312に移行して、大当たりまたは小当たり時に停止させる特別図柄および演出図柄の組み合わせを決定する当たり時停止図柄決定処理を実行する。当たり時停止図柄決定処理では、例えば、演出図柄の停止図柄の組み合わせを示す停止図柄番号を複数登録した停止図柄決定テーブルを各当たり種別番号ごとにROM230に設定しておき、ステップS310、S328で決定または設定した当たり種別番号に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。そして、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域から停止図柄決定乱数を読み出し、読み出した乱数値の順位の停止図柄番号を停止図柄決定テーブルから読み出し、読み出した停止図柄番号に基づいて停止図柄指定コマンド(第1の制御コマンド)をRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して停止図柄指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0063】
特別図柄の停止図柄の組み合わせは、特定図柄の左側の数値および特別図柄の右側の数値を対応付けて複数登録した特別図柄決定テーブルに基づいて、演出図柄の場合と同様の処理により決定する。ただし、特別図柄は、演出図柄に決定に先立って決定される。すなわち、特別図柄を決定した後に、これに対応させて演出図柄を決定する。そのため、いずれも同一の停止図柄決定乱数値に基づいて停止図柄の組み合わせを決定する。特別図柄については、特別図柄の停止図柄の組み合わせを指定するための指令情報をRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して特別図柄表示装置106に指令情報が直接送信される。
【0064】
次いで、ステップS314に移行して、大当たりまたは小当たり時に変動表示する演出図柄の変動パターンを決定する当たり時変動パターン決定処理を実行する。当たり時変動パターン決定処理では、リーチ決定乱数を乱数カウンタから取得し、現在の遊技状態、ステップS310、S328で決定または設定した当たり種別番号、入賞遊技球数および取得したリーチ決定乱数の値に対応する変動パターン決定テーブル440を読み出す。そして、変動パターン決定乱数を乱数カウンタから取得し、取得した乱数値の順位の変動パターン番号を変動パターン決定テーブル440から読み出し、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して変動パターンコマンド(第1の制御コマンド)が演出制御装置150に送信される。
【0065】
次いで、ステップS316に移行して、大当たりまたは小当たりの場合は、大入賞口115の開放回数および開放時間を設定する。具体的には、当たり種別番号が「0」または「1」であるときは、ラウンド最高継続回数を開放回数に設定し、大入賞口115の開放時間を約30秒に設定する。また、当たり種別番号が「2」〜「4」であるときは、ラウンド最高継続回数を開放回数に設定し、大入賞口115の開放時間を約0.5秒に設定する。また、大当たり、小当たりおよびはずれにかかわらず、演出図柄の変動時間を設定する。演出図柄の変動時間は、ステップS314、S326で決定した変動パターン番号に基づいて決定する。
次いで、ステップS318に移行して、演出図柄表示装置104において演出図柄の変動を開始するための制御コマンドをRAM240の所定領域に格納する図柄変動開始処理を実行し、ステップS320に移行して、入賞遊技球数から「1」を減算し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0066】
一方、ステップS308で、読み出した乱数値が大当たり値と一致しないと判定したとき(No)は、ステップS322に移行して、ステップS306で読み出した乱数値があらかじめ設定した小当たり値と一致しているか否かを判定し、それらが一致しないと判定したとき(No)は、ステップS324に移行する。ステップS308、S322では、一つの乱数で大当たりの判定および小当たりの判定を行う。例えば、当たり決定乱数の値が「7」の場合は大当たり、「11」の場合は小当たりと判定する。これにより、それぞれ別個の乱数を設ける場合に比して、データ容量が少なくて済み、乱数更新処理も簡素となる。
【0067】
ステップS324では、はずれ時に停止させる演出図柄の組み合わせを決定するはずれ時停止図柄決定処理を実行する。はずれ時停止図柄決定処理は、ステップS312と同様に構成される。この決定により、演出図柄表示装置104で表示される具体的なはずれ演出図柄の組み合わせを指定するのではなく、当たり抽選の結果がはずれであるという旨の結果だけを指定するためのコマンドであるはずれ演出図柄指定コマンドが演出制御装置150を介して図柄制御装置152に出力される。図柄制御装置152は、はずれ演出図柄指定コマンドを入力したときは、はずれになる演出図柄の組み合わせを決定し、その内容を演出図柄表示装置104に表示する。
【0068】
次いで、ステップS326に移行して、はずれ時に変動表示する演出図柄の変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行する。はずれ時変動パターン決定処理は、ステップS314と同様に構成される。ただし、変動パターン決定テーブル440は、現在の遊技状態、入賞遊技球数およびリーチ決定乱数の値に対応するものを読み出す。ステップS326の処理が終了すると、ステップS316に移行する。
【0069】
一方、ステップS322で、読み出した乱数値が小当たり値と一致していると判定したとき(Yes)は、ステップS328に移行して、当たり種別番号を小当たりを示す「4」に設定し、ステップS312に移行する。つまり、小当たり決定時には、入賞遊技球数に対応したRAM240の所定領域に格納した大当たり種別決定乱数を読み出すことなく、あらかじめ設定された固定値である当たり種別番号「4」を設定するものである。
【0070】
一方、ステップS302で、入賞遊技球数が「0」であると判定したとき(No)、およびステップS300で、演出図柄表示装置104において演出図柄が変動中であると判定したとき(Yes)はいずれも、ステップS330に移行する。
ステップS330では、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定したとき(Yes)は、ステップS332に移行して、図柄停止コマンドをRAM240の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS330で、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過しないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0071】
次に、演出制御装置150で実行される処理を説明する。
演出制御装置150のCPUは、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、
図13のフローチャートに示す演出制御処理を実行する。
図13は、演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置150のCPUにおいて実行されると、
図13に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、演出制御装置150は、演出図柄の変動待ちを行う変動待ち処理を実行し、ステップS402に移行する。
【0072】
ステップS402では、演出制御装置150は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップS404に移行する。変動パターンコマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から変動パターンコマンドを受信し、受信した変動パターンコマンドに従って、液晶表示制御コマンド(第2の制御コマンド)を生成し、図柄制御装置152に送信する。そして、液晶表示制御コマンドを受信した図柄制御装置152は、演出図柄表示装置104において演出図柄の変動表示を開始させる。
【0073】
ステップS404では、演出制御装置150は、停止図柄指定コマンドを受信する停止図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップS406に移行する。停止図柄指定コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から停止図柄指定コマンドを受信し、受信した停止図柄指定コマンドを図柄制御装置152に送信する。
ステップS406では、演出制御装置150は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップS408に移行する。図柄停止コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から図柄停止コマンドを受信して、受信した図柄停止コマンドを図柄制御装置152に送信する。そして、図柄停止コマンドを受信した図柄制御装置152は、演出図柄表示装置104において演出図柄を停止表示させる。
【0074】
ステップS408では、演出制御装置150は、報知手段120を作動させるか否かを決定する報知手段制御処理を実行し、ステップS410に移行する。
ステップS410では、演出制御装置150は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、ステップS400に移行する。演出開始コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から演出開始コマンドを受信して、受信した演出開始コマンドに応じて大当たり演出を実行する。
【0075】
次に、ステップS404の停止図柄指定コマンド受信処理を詳細に説明する。
図14は、停止図柄指定コマンド受信処理を示すフローチャートである。
停止図柄指定コマンド受信処理は、ステップS404において実行されると、
図14に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、主制御装置210から停止図柄指定コマンドを受信したか否かを判定し、停止図柄指定コマンドを受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS502に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、停止図柄指定コマンドを受信するまでステップS500で待機する。
【0076】
ステップS502では、受信した停止図柄指定コマンドを図柄制御装置152に送信し、ステップS504に移行して、受信した停止図柄指定コマンドにより時短図柄が指定されているか否かを判定し、時短図柄が指定されていると判定したとき(Yes)は、ステップS506に移行して、次回移行する遊技状態を格納するための状態移行準備フラグに「低確率」情報を設定し、ステップS508に移行する。
一方、ステップS504で、時短図柄が指定されていないと判定したとき(No)は、ステップS508に移行する。
【0077】
ステップS508では、受信した図柄指定コマンドにより確変1図柄、確変2図柄または確変3図柄が指定されているか否かを判定し、確変1図柄、確変2図柄または確変3図柄が指定されていると判定したとき(Yes)は、ステップS510に移行して、状態移行準備フラグに「高確率」情報を設定し、ステップS512に移行する。
一方、ステップS508で、確変1図柄、確変2図柄または確変3図柄が指定されていないと判定したとき(No)は、ステップS512に移行する。
【0078】
ステップS512では、受信した停止図柄指定コマンドにより小当たり図柄またははずれ演出図柄が指定されているか否かを判定し、小当たり図柄またははずれ演出図柄が指定されていると判定したとき(Yes)は、ステップS514に移行して、状態移行準備フラグに現在の遊技状態フラグの内容を設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS512で、小当たり図柄またははずれ演出図柄が指定されていないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0079】
図15は、状態移行準備フラグの内容を示す図である。
状態移行準備フラグは、
図15に示すように、現在の遊技状態フラグの内容および停止図柄指定コマンドの内容に応じて設定される。
停止図柄指定コマンドの内容が確変1図柄、確変2図柄または確変3図柄の場合は、現在の遊技状態フラグの内容にかかわらず、状態移行フラグに「高確率」情報が設定される。
停止図柄指定コマンドの内容が時短図柄の場合は、現在の遊技状態フラグの内容にかかわらず、状態移行フラグに「低確率」が設定される。
停止図柄指定コマンドの内容が小当たり図柄またははずれ演出図柄の場合は、現在の遊技状態フラグの内容がそのまま状態移行フラグに設定される。
【0080】
次に、ステップS408の報知手段制御処理を説明する。
図16は、報知手段制御処理を示すフローチャートである。
報知手段制御処理は、ステップS408において実行されると、
図16に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、状態移行準備フラグに「高確率」情報が設定されているか否かを判定し、状態移行準備フラグに「高確率」情報が設定されていると判定したとき(Yes)は、ステップS602に移行する。
ステップS602では、報知手段120を作動させるか否かを決定する第一の報知抽選処理を実行し、ステップS604に移行する。具体的には、図柄停止コマンドの受信に基づいて所定領域から乱数を抽出し、高確率時用テーブルを参照して報知手段120を作動させるか否かを判定する。
【0081】
一方、ステップS600で、状態移行準備フラグに「高確率」情報が設定されていないと判定したとき(No)は、ステップS606に移行する。ここで、状態移行準備フラグに「高確率」情報が設定されていないと判定される場合とは、状態移行準備フラグに「低確率」情報が設定されている場合を意味する。
ステップS606では、報知手段120を作動させるか否かを決定する第二の報知抽選処理を実行し、ステップS604に移行する。具体的には、図柄停止コマンドの受信に基づいて所定領域から乱数を抽出し、低確率時用テーブルを参照して報知手段120を作動させるか否かを判定する。
【0082】
ステップS604では、ステップS602、S606の抽選結果に基づいて報知手段120を作動させるか否かを判定し、報知手段120を作動させると判定したとき(Yes)は、ステップS608に移行して、報知手段120に対して作動信号を送信し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
そして、報知手段120は、演出制御装置150の報知制御部168からの作動信号を受信すると、所定時間作動し、表面にデザインされた文字を発光させるとともに、所定パターンで前後方向に揺動する。この場合、報知手段120は、演出図柄表示装置104において演出図柄の停止表示が行われているときに所定時間作動する。
【0083】
一方、ステップS604で、報知手段120を作動させないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、ステップS602の第一の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率は、ステップS606の第二の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率と比較して高確率に設定されている。例えば、本実施形態では、ステップS602の第一の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率が1/2に、ステップS606の第二の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率が1/8に設定されている。
なお、ステップS600〜S608の処理は、演出制御装置150の報知制御部168が行う。
【0084】
次に、本実施形態に係るパチンコ機の動作を説明する。
まず、パチンコ機に電源が投入されると、主制御装置210により、遊技制御処理が実行され、遊技可能な状態となる。遊技者は、貸し出しを受けた遊技球をパチンコ機に装填し、発射ハンドルを操作して遊技球を遊技盤面102に発射することにより遊技を行うことができる。
遊技可能状態において、遊技盤面102に発射された遊技球が始動入賞装置111に入賞すると、始動入賞口スイッチ131により検出信号が出力される。主制御装置210では、始動入賞口スイッチ131から検出信号が入力されると、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数が取得される。このとき、取得された乱数値が大当たり値と一致していると判定されると、大当たりとなる。
【0085】
大当たりとなると、ステップS310〜S314を経て、大当たりの種別、特別図柄および演出図柄の停止図柄の組み合わせ、並びに大当たり時の変動パターンが決定される。そして、所定の変動パターンで演出図柄が変動表示され、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで停止する。演出図柄の停止後は、通常大当たり、確変1大当たり、確変2大当たりおよび確変3大当たりのいずれかが生起する。
【0086】
一方、取得された乱数値が大当たり値とは一致しないが小当たり値と一致していると判定されると、小当たりとなる。
小当たりとなると、ステップS328、S312、S314を経て、特別図柄および演出図柄の停止図柄の組み合わせ、並びに小当たり時の変動パターンが決定される。そして、所定の変動パターンで演出図柄が変動表示され、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで停止する。演出図柄の停止後は、小当たりが生起する。
【0087】
大当たりまたは小当たり中は、大入賞口115が所定の開閉パターンで開放制御され、大入賞口115に遊技球が入賞すると、1個当たりの入賞につき所定数の賞球が払い出される。
一方、取得された乱数値が大当たり値および小当たり値と一致しないと判定されると、はずれとなる。
はずれとなると、ステップS324、S326を経て、特別図柄および演出図柄の停止図柄の組み合わせ、並びにはずれ時の変動パターンが決定される。そして、所定の変動パターンで演出図柄が変動表示され、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで停止する。
【0088】
次に、主制御装置210による大当たり抽選の結果を遊技者に報知するときの動作を詳細に説明する。
主制御装置210は、大当たり抽選により、大当たり、小当たりおよびはずれのうちいずれかを生起させることを決定すると、演出図柄を変動し特定の組み合わせで停止させるため、停止図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドを演出制御装置150に送信する。
演出制御装置150は、停止図柄指定コマンドを受信すると、ステップS500〜S514を経て、受信した停止図柄指定コマンドを解析し、
図15に示すように、遊技状態フラグの内容および停止図柄指定コマンドの内容に応じて状態移行準備フラグを設定する。これにより、次回移行する遊技状態が更新される。なお、この場合の遊技状態とは、確率変動状態または低確率状態をいう。
【0089】
主制御装置210は、演出図柄を停止させるため、図柄停止コマンドを演出制御装置150に送信する。また、主制御装置210は、大当たりまたは小当たりの演出を開始させるため、図柄停止コマンドに続けて演出開始コマンドを演出制御装置150に送信する。
演出制御装置150は、図柄停止コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において演出図柄を停止表示させ、停止表示させた演出図柄によって大当たり抽選の結果を遊技者に報知する。また、演出制御装置150は、演出開始コマンドを受信すると、受信した演出開始コマンドを解析し、現在の遊技状態および演出開始コマンドの種別に応じて大当たりまたは小当たりの演出を実行する。
【0090】
また、演出制御装置150の報知制御部168は、ステップS600〜S608を経て、報知手段120を作動させるか否かを判定する。そして、演出制御装置150は、報知手段120を作動させると判定したときは、報知手段120に対して作動信号を送信する。
そして、報知手段120は、演出制御装置150の報知制御部168からの作動信号を受信すると、所定時間作動し、表面にデザインされた文字を発光させるとともに、所定パターンで前後方向に揺動する。この場合、報知手段120は、演出図柄表示装置104において演出図柄の停止が行われているときに所定時間作動する。
【0091】
ここで、演出制御装置150は、状態移行フラグに「高確率」情報が設定されている場合には第一の報知抽選処理により報知手段120を作動させるか否かを判定し、状態移行フラグに「低確率」情報が設定されている場合には第二の報知抽選処理により報知手段120を作動させるか否かを判定する。そして、第一の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率は、第二の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率と比較して高確率に設定されている。
【0092】
すなわち、演出制御装置150が報知手段120を作動させる確率は、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率が高確率に設定されている場合には、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率が低確率(通常確率)に設定されている場合と比較して高い確率に設定されている。
これにより、本実施形態に係るパチンコ機では、遊技状態が確率変動状態に設定されている期間中は、遊技状態が確率変動状態に設定されている期間中と比較して、高い確率で報知手段120が作動する。
したがって、本実施形態に係るパチンコ機によれば、報知手段120を通じて主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を遊技者に示唆することができ、当選確率を遊技者に予測させることで、遊技の趣向を向上することが可能となる。
【0093】
また、報知手段120は、演出図柄表示装置104において演出図柄の停止が行われているときに作動する。すなわち、本実施形態に係るパチンコ機では、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を示唆する演出(報知手段120の作動)および演出図柄表示装置104に表示される演出図柄による演出が、それぞれ異なるタイミングで実行される。したがって、本実施形態に係るパチンコ機によれば、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を示唆する演出を、遊技者に的確に伝達することが可能となる。
【0094】
次に、本発明の第二実施形態を図面を参照しながら説明する。
本発明の第二実施形態に係るパチンコ機は、第一実施形態に係るパチンコ機の基本構成と同一となっている。
本発明の第二実施形態に係るパチンコ機では、演出制御装置150で実行される演出制御処理が、第一実施形態に係る演出制御装置150で実行される演出制御処理と異なっている。
第二実施形態に係る演出制御装置150のCPUは、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、
図17のフローチャートに示す演出制御処理を実行する。
図17は、演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置150のCPUにおいて実行されると、
図17に示すように、まず、ステップS700に移行する。
【0095】
ステップS700では、演出制御装置150は、演出図柄の変動待ちを行う変動待ち処理を実行し、ステップS702に移行する。ステップS700の変動待ち処理は、
図13に示すステップS400の変動待ち処理と同一である。
ステップS702では、演出制御装置150は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップS704に移行する。ステップS702の変動パターンコマンド受信処理は、
図13に示すステップS402の変動パターンコマンド受信処理と同一である。
【0096】
ステップS704では、演出制御装置150は、停止図柄指定コマンドを受信する停止図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップS706に移行する。ステップS704の停止図柄指定コマンド受信処理は、
図13に示すステップS404の停止図柄指定コマンド受信処理と同一である。
ステップS706では、演出制御装置150は、主制御装置210による今回の大当たり抽選で大当たりが生起させる期待度を報知する期待度報知処理を実行し、ステップS708に移行する。
ステップS708では、演出制御装置150は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップS710に移行する。ステップS708の図柄停止コマンド受信処理は、
図13に示すステップS406の図柄停止コマンド受信処理と同一である。
【0097】
ステップS710では、演出制御装置150は、報知手段120を作動させるか否かを決定する報知手段制御処理を実行し、ステップS712に移行する。ステップS710の報知手段制御処理は、
図13に示すステップS408の報知手段制御処理と同一である。
ステップS712では、演出制御装置150は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、ステップS700に移行する。ステップS712の演出開始コマンド受信処理は、
図13に示すステップS410の演出開始コマンド受信処理と同一である。
【0098】
次に、ステップS706の期待度報知処理を説明する。
図18は、期待度報知処理を示すフローチャートである。
期待度報知処理とは、演出図柄表示装置104において演出図柄の変動表示が行われているときに、主制御装置210による今回の大当たり抽選で大当たりが生起させる期待度に応じた確率で報知手段120を作動させることによって、主制御装置210による今回の大当たり抽選で大当たりが生起させる期待度を報知する処理である。ここで、主制御装置210による今回の抽選とは、演出図柄表示装置104において行われている演出図柄の変動表示の契機となった大当たり抽選を意味する。
【0099】
期待度報知処理が実行されると、
図18に示すように、まず、ステップS800に移行する。
ステップS800では、演出制御装置150は、主制御装置210から受信した停止図柄指定コマンドを解析することによって大当たりが生起されるか否かを判定し、大当たりが生起されると判定したとき(Yes)は、ステップS802に移行する。この場合、演出制御装置150は、主制御装置210から受信した停止図柄指定コマンドにより時短図柄、確変1図柄、確変2図柄または確変3図柄が指定されている場合には、大当たりが生起されると判定する。一方、報知制御部168は、主制御装置210から受信した停止図柄指定コマンドにより小当たり図柄またははずれ演出図柄が指定されている場合には、大当たりが生起されないと判定する。
【0100】
一方、ステップS800で、大当たりが生起されないと判定したとき(No)は、ステップS804に移行する。
ステップS802では、演出制御装置150は、報知手段120を作動させるか否かを決定する第一の期待度報知抽選処理を実行し、ステップS806に移行する。具体的には、停止図柄指定コマンドの受信に基づいて所定領域から乱数を抽出し、大当たり時用テーブルを参照して報知手段120を作動させるか否かを判定する。
【0101】
ステップS804では、演出制御装置150は、報知手段120を作動させるか否かを決定する第二の期待度報知抽選処理を実行し、ステップS806に移行する。具体的には、停止図柄指定コマンドの受信に基づいて所定領域から乱数を抽出し、小当たりまたははずれ時用テーブルを参照して報知手段120を作動させるか否かを判定する。
ステップS806では、ステップS802、S804の抽選結果に基づいて報知手段120を作動させるか否かを判定し、報知手段120を作動させると判定したとき(Yes)は、ステップS808に移行して、報知手段120に対して作動信号を送信し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0102】
一方、ステップS806で、報知手段120を作動させないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、第一の期待度報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率は、第二の期待度報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率と比較して高確率に設定されている。例えば、本実施形態では、第一の期待度報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率が1/3に、第二の期待度報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率が1/10に設定されている。
【0103】
これにより、本実施形態に係るパチンコ機では、主制御装置210が大当たりを生起することを決定している場合には、主制御装置210が大当たりを生起しないことを決定している場合と比較して高い確率で報知手段120が作動する。
そして、報知手段120は、演出制御装置150の報知制御部168からの作動信号を受信すると、所定時間作動し、表面にデザインされた文字を発光させるとともに、所定パターンで前後方向に揺動する。この場合、報知手段120は、演出図柄表示装置104において演出図柄の変動表示が行われているときに所定時間作動する。
【0104】
したがって、本実施形態に係るパチンコ機によれば、報知手段120を通じて大当たりの期待度を遊技者に示唆することができ、遊技の趣向を向上することが可能となる。
また、報知制御部168は、演出図柄表示装置104において演出図柄の停止表示が行われているときに、主制御装置210による次回の抽選の当選確率を示唆する演出を報知手段120に行わせ、演出図柄表示装置104において演出図柄の変動表示が行われているときに、主制御装置210による今回の大当たり抽選で大当たりを生起させることが決定される期待度を示唆する演出を報知手段120に行わせる。
【0105】
すなわち、本実施形態に係るパチンコ機では、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を示唆する演出および主制御装置210による今回の大当たり抽選で大当たりを生起させることが決定される期待度を示唆する演出を、それぞれ異なるタイミングで実行している。
これにより、本実施形態に係るパチンコ機によれば、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を示唆する演出および主制御装置210による今回の大当たり抽選で大当たりを生起させることが決定される期待度を示唆する演出を、一つの報知手段120で遊技者に的確に伝達することが可能となる。
【0106】
次に、本発明の第三実施形態を図面を参照しながら説明する。
本発明の第三実施形態に係るパチンコ機は、第一実施形態に係るパチンコ機の基本構成と同一となっている。
本発明の第三実施形態に係るパチンコ機では、演出制御装置150で実行される演出制御処理が、第一実施形態に係る演出制御装置150で実行される演出制御処理と異なっている。
第三実施形態に係る演出制御装置150のCPUは、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、
図19のフローチャートに示す演出制御処理を実行する。
図19は、演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置150のCPUにおいて実行されると、
図19に示すように、まず、ステップS900に移行する。
【0107】
ステップS900では、演出制御装置150は、演出図柄の変動待ちを行う変動待ち処理を実行し、ステップS902に移行する。ステップS900の変動待ち処理は、
図13に示すステップS400の変動待ち処理と同一である。
ステップS902では、演出制御装置150は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップS904に移行する。ステップS902の変動パターンコマンド受信処理は、
図13に示すステップS402の変動パターンコマンド受信処理と同一である。
【0108】
ステップS904では、演出制御装置150は、停止図柄指定コマンドを受信する停止図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップS906に移行する。ステップS904の停止図柄指定コマンド受信処理は、
図13に示すステップS404の停止図柄指定コマンド受信処理と同一である。
ステップS906では、演出制御装置150は、確変報知処理を実行し、ステップS908に移行する。
ステップS908では、演出制御装置150は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップS910に移行する。ステップS908の図柄停止コマンド受信処理は、
図13に示すステップS406の図柄停止コマンド受信処理と同一である。
【0109】
ステップS910では、演出制御装置150は、報知手段120を作動させるか否かを決定する報知手段制御処理を実行し、ステップS912に移行する。
ステップS912では、演出制御装置150は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、ステップS900に移行する。ステップS912の演出開始コマンド受信処理は、
図13に示すステップS410の演出開始コマンド受信処理と同一である。
【0110】
次に、ステップS906の確変報知処理を説明する。
図20は、確変報知処理を示すフローチャートである。
確変報知処理とは、状態移行フラグに「高確率」情報が設定されている場合(主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率が高確率に設定される場合)に、所定の確率(第三の発明に係る第一の確率)で、演出図柄表示装置(第三の発明に係る第一報知手段)104に確率変動状態である旨を表示する処理をいう。
ここで、本実施形態では、
図12に示すステップS310の大当たり種別決定処理において、主制御装置210が、確変1大当たりまたは確変2大当たりを生起させることを決定した場合に、演出図柄表示装置104に確率変動状態が生起する旨を表示する。一方、
図12に示すステップS310の大当たり種別決定処理において、主制御装置210が、確変3大当たりを生起させることを決定した場合には、演出図柄表示装置104への確率変動状態が生起する旨の表示は行わない。
【0111】
確変報知処理は、演出制御装置150のCPUにおいて実行されると、
図20に示すように、まず、ステップS1000に移行する。
ステップS1000では、演出制御装置150は、主制御装置210から受信した停止図柄指定コマンドにより確変1図柄または確変2図柄が指定されているか否かを判定し、確変1図柄または確変2図柄が指定されていると判定したとき(Yes)は、ステップS1002に移行する。
【0112】
一方、ステップS1000で、確変1図柄または確変2図柄が指定されていないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS1002では、演出制御装置150は、確変報知演出を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。ここで、確変報知演出とは、演出図柄表示装置104に確率変動状態である旨を表示する演出をいう。この場合、確変報知演出は、演出図柄表示装置104において演出図柄の変動表示が行われているときに所定時間実行される。
【0113】
なお、本実施形態では、演出制御装置150は、確変3大当たりを生起させるときに、その確変3大当たりの終了後に時短未作動状態となる場合には、特別モード演出を演出図柄表示装置104に所定期間表示する。また、演出制御装置150は、小当たりを生起させるときに、その小当たりの終了後に時短未作動状態となる場合にも、特別モード演出を演出図柄表示装置104に所定期間表示する。ここで、上述したように、確変3大当たりが生起されるときに演出図柄表示装置104に表示される確変3図柄および小当たりが生起されるときに演出図柄表示装置104表示される小当たり図柄は、互いに区別することができないようになっている。また、確変3大当たりを生起させるときおよび小当たりを生起させるときは、ともに共通の特別モード演出が演出図柄表示装置104に表示される。さらに、確変3大当たりを生起させることを決定した場合には、演出図柄表示装置104への確率変動状態が生起する旨の表示は行われない。したがって、遊技者は、確変3大当たりおよび小当たりのうちどちらが生起されたのかを区別することができない。よって、遊技者は、生起された遊技状態を認識することができないが、確率変動状態に移行している可能性があるため、期待感を持って遊技を行うことができる。
なお、特別モード演出の終了契機は、何れかの大当たりまたは小当たりに当選するか、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、20回)に達するまでとなっている。
【0114】
次に、ステップS910の報知手段制御処理を説明する。
図21は、報知手段制御処理を示すフローチャートである。
報知手段制御処理は、ステップS910において実行されると、
図21に示すように、まず、ステップS1100に移行する。
ステップS1100では、演出制御装置150は、
図20に示すステップS1002の確変報知演出が実行された否かを判定し、確変報知演出が実行されたと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS1100で、確変報知演出が実行されていないと判定したとき(No)は、ステップS1102に移行する。
【0115】
ステップS1102では、状態移行準備フラグに「高確率」情報が設定されているか否かを判定し、状態移行準備フラグに「高確率」情報が設定されていると判定したとき(Yes)は、ステップS1104に移行する。
ステップS1104では、報知手段120を作動させるか否かを決定する第一の報知抽選処理を実行し、ステップS1106に移行する。具体的には、図柄停止コマンドの受信に基づいて所定領域から乱数を抽出し、高確率時用テーブルを参照して報知手段120を作動させるか否かを判定する。
【0116】
一方、ステップS1102で、状態移行準備フラグに「高確率」情報が設定されていないと判定したとき(No)は、ステップS1108に移行する。ここで、状態移行準備フラグに「高確率」情報が設定されていないと判定される場合とは、状態移行準備フラグに「低確率」情報が設定されている場合を意味する。
ステップS1108では、報知手段120を作動させるか否かを決定する第二の報知抽選処理を実行し、ステップS1106に移行する。具体的には、図柄停止コマンドの受信に基づいて所定領域から乱数を抽出し、低確率時用テーブルを参照して報知手段120を作動させるか否かを判定する。
【0117】
ステップS1106では、ステップS1104、S1108の抽選結果に基づいて報知手段120を作動させるか否かを判定し、報知手段120を作動させると判定したとき(Yes)は、ステップS1110に移行して、報知手段120に対して作動信号を送信し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
そして、報知手段120は、演出制御装置150の報知制御部168からの作動信号を受信すると、所定時間作動し、表面にデザインされた文字を発光させるとともに、所定パターンで前後方向に揺動する。この場合、報知手段120は、演出図柄表示装置104において演出図柄の停止表示が行われているときに所定時間作動する。
【0118】
一方、ステップS1106で、報知手段120を作動させないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、ステップS1104の第一の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率(第三の発明に係る第二の確率)は、ステップS1108の第二の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率(第三の発明に係る第二の確率)と比較して高確率に設定されている。例えば、本実施形態では、ステップS602の第一の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率が1/2に、ステップS606の第二の報知抽選処理で報知手段120を作動させると判定される確率が1/8に設定されている。
なお、ステップS1100〜S1110の処理は、演出制御装置150の報知制御部168が行う。
【0119】
したがって、本実施形態に係るパチンコ機によれば、確変報知演出が実行された場合(第一報知手段が作動された場合)には、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率が高確率に設定されていることが遊技者に報知される。一方、確変報知演出が実行されない場合でも、報知手段120が所定の確率で作動されることによって、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率が遊技者に示唆される。したがって、第三の発明に係る遊技機によれば、遊技の趣向を向上することが可能となる。
【0120】
また、本実施形態に係る遊技機では、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率が高確率に設定されていることを報知する演出図柄表示装置104と、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を示唆する報知手段120とを別個に備える構成により、報知手段104を通じた主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を示唆する演出を遊技者に的確に伝達することが可能となる。
【0121】
さらに、本実施形態に係る遊技機では、演出図柄表示装置104において演出図柄の停止表示が行われているときに、主制御装置210による次回の抽選の当選確率を示唆する演出を報知手段120に行わせ、演出図柄表示装置104において演出図柄の変動表示が行われているときに、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率が高確率に設定されていることを報知する確変報知演出を演出図柄表示装置104に表示する。すなわち、本実施形態に係るパチンコ機では、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を示唆する演出および主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率が高確率に設定されていることを報知する演出を、それぞれ異なるタイミングで実行している。これにより、本実施形態に係るパチンコ機によれば、主制御装置210による次回の大当たり抽選の当選確率を示唆する演出を遊技者にさらに的確に伝達することが可能となる。
【0122】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態においては、停止図柄指定コマンドに基づいて、次回移行する遊技状態を判定するように構成したが、これに限らず、変動パターンコマンドも当たり種別に対応しているので、変動パターンコマンドに基づいて、次回移行する遊技状態を判定するように構成することもできる。
【0123】
また、上記実施形態において、演出制御装置150は、主制御装置210からの演出制御コマンドに基づいて遊技状態を管理し、管理される遊技状態に基づいて演出制御を行うように構成したが、これに限らず、図柄制御装置152が同様の管理および制御を行うように構成することもできる。具体的には、図柄制御装置152は、主制御装置210からの演出制御コマンドに基づいて遊技状態を管理し、管理される遊技状態に基づいて図柄の表示制御を行う。
【0124】
また、上記実施形態において、
図8乃至
図12のフローチャートに示す遊技制御処理を実行するにあたってはいずれも、ROM230にあらかじめ格納されている遊技制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM240に読み込んで実行するようにしてもよい。
図13、
図14および
図16乃至
図21のフローチャートに示す処理についても同様である。
【0125】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんに関わらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
また、上記実施形態においては、パチンコ機である遊技機に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。