特許第5728037号(P5728037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5728037
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】引き出し式収納ケース
(51)【国際特許分類】
   A47B 67/04 20060101AFI20150514BHJP
   B65D 6/06 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   A47B67/04 A
   B65D6/06
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-14544(P2013-14544)
(22)【出願日】2013年1月29日
(65)【公開番号】特開2014-144143(P2014-144143A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2013年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】593010213
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・イー・ジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】原 祐一
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3012338(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3012553(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/04
A47B 88/00
A47B 47/00−47/05
B65D 6/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後左右の四隅に設けた支柱を介して受板を上下複数段設けた構成若しくは更に前記支柱を介して最上部に天板を設けた構成の本体部と、この本体部の前記受板間若しくは受板と天板との間に引き出し自在に設けた引き出しケースとから成る引き出し式収納ケースにおいて、前記受板の中央開口部に、複数の前記支柱を分離自在に前記受板と同時成形し、この受板と同時成形された支柱を受板の中央開口部から取り外し、この支柱の下側の差し込み端部を前記受板上面側の差し込み係合部に差し込み、上側の差し込み端部をこの受板の上側に配設する上側の受板若しくは前記天板の裏面側の差し込み係合部に差し込み前記本体部を組み付け構築するように構成し、少なくとも前記受板の前後の前記差し込み係合部の形状を異ならせると共に、前後に配設する前記支柱の差し込み端部の形状をこれに対応して前後で異ならせて、受板の各差し込み係合部にこれに対応した形状の差し込み端部を有する支柱を差し込み立設することで、上側の受板若しくは天板を前後逆に配しようとしても前記支柱の上側の差し込み端部の形状と差し込み係合部の形状とが合致しないために差し込めず、前後向きが正しい場合にこの差し込みができ組み付け構築できるように構成し、前記支柱及び前記受板の前後の差し込み係合部に、前記支柱の差し込み端部と前記受板の差し込み係合部との対応関係を示して各支柱の差し込み位置を識別させる差し込み対応関係表示を樹脂成形により表出する溝,孔,凹部若しくは凸部で形成したことを特徴とする引き出し式収納ケース。
【請求項2】
前記支柱の上側の差し込み端部の形状と下側の差し込み端部の形状を同一に設定すると共に、この各差し込み端部が差し込まれる前記受板の上面側の差し込み係合部と裏面側の差し込み係合部の形状を同一に設定したことを特徴とする請求項1記載の引き出し式収納ケース。
【請求項3】
前記受板の中央開口部の縁部にランナー部を設けて、この中央開口部内に架設状態に前記支柱を複数並設状態に設け、前記ランナー部は、前記中央開口部の縁部から先端側程径小となる膨出状態に突出する形状に設定した膨出先端部で構成し、この膨出先端部から直接若しくは更に先端側程径小となる小突起状の小ランナー部を介して前記支柱に溶融樹脂が支柱用キャビティーに注入され支柱が受板と同時に樹脂成形されるように構成し、このランナー部を前記膨出先端部により構成したことで、前記支柱を回動させることでこの膨出先端部若しくは膨出先端部に設けた小ランナー部の先端から切断分離され、この膨出先端部又は膨出先端部及び小ランナー部を前記受板の中央開口部の縁部に残したまま各支柱を取り外せるように構成したことを特徴とする請求項1記載の引き出し式収納ケース。
【請求項4】
前記受板の前後のいずれか一方の前記差し込み係合部、及びこれに差し込んで立設する支柱に、夫々同じ図形若しくは数字である前記差し込み対応関係表示を形成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース。
【請求項5】
前記支柱の前記差し込み端部が前記差し込み係合部内に差し込まれ、差し込み端部は差し込み係合部内に隠れるように構成し、前記差し込み対応関係表示を前記差し込み係合部の底部及び前記差し込み係合部内に隠れる前記差し込み端部に形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱を介して受板を上下複数段設けた本体部(棚枠部)の受板間に、引き出しケースを引き出し自在に設けた引き出し式収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
衣類や雑貨などを整理収納する引き出し式収納ケースは、一般に以下のような構成である。
【0003】
前後左右の四隅に設けた支柱を介して受板(棚板)を上下複数段設け、更に支柱を介して最上部に天板を設けた構成の本体部(棚枠部)と、この本体部の前記受板間及び受板と天板との間に引き出し自在に設けた引き出しケースとから成る構成で、受板上に引き出しガイド部を設けて受板上に引き出しケースを引き出し自在に載置する構成、又は受板間の側部に引き出しガイド部を設けて受板上に浮上状態に引き出しケースを引き出し自在に構成している。
【0004】
この受板の上面の前後左右四隅に支柱の下端の差し込み端部を差し込んで立設する差し込み係合部を設け、受板の裏面や天板の裏面にはこの支柱の上端の差し込み端部を差し込む差し込み係合部を設けて、この支柱を介して受板上に受板を複数段組み付け、最上部には天板を組み付けて本体部を組み付け構築する構成としている。
【0005】
従来、このような引き出し式収納ケースでは、受板を樹脂形成する際に、材料削減や軽量化のために中央開口部を設けた枠板状に構成する場合があるが、生産効率を高め、また梱包や輸送の効率化のために、この受板の中央開口部スペースを利用し、この中央開口部間に支柱を架設状態にして分離自在に同時成形した構成としている。
【0006】
即ち、この中央開口部間に例えばこの受板の前後左右の四隅に立設する支柱を並設状態にして受板と同時に樹脂成形し、本体部を組み立てる際には、この支柱を取り外して受板の四隅の差し込み係合部に順次差し込んで立設するように構成している。
【0007】
しかしながら、支柱の前後左右に区別を付けずに、いずれの支柱もいずれの差し込み係合部に差し込み係合して本体部を組み付け構築できるようにした場合、組み立て作業をスピーディーに行えるが受板の前後向きを逆向きに組み付けてしまう場合がある。
【0008】
受板には前述のように引き出しガイド部を設け、またストッパー部を設けるなどする構成のため、前後逆向きに取り付けてしまうと引き出しケースを引き出し自在に設けることができない場合がある。
【0009】
そのため、受板の前後向きを間違えないように受板の前側を示す表示を施したりしているものもあるが、目立つ表示にすることがためらわれるために、受板の前後向きを間違えて組み付けてしまうことを完全に防止できていない。
【0010】
特に支柱を圧入係合したり、抜け止め係止部により嵌め殺し係合させる構成である場合には、もしこのように受板を一旦逆向きに組み付けてしまうと、再び支柱を抜き取り受板の向きを正しく直すことは容易でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような現状に鑑み、支柱や差し込み係合部の形状を前後で異ならせ、支柱の差し込み端部もこれに対応させてすべて同一形状とせず、前後では異なる形状とし、そして、その対応関係がわかるように差し込み対応関係表示を樹脂成形によって形成して、この差し込み対応関係表示を確認しながら、その対応する受板の差し込み係合部に差し込んで立設すれば、その支柱上端部の差し込み端部に受板の差し込み係合部を差し込んで受板を組み付けると常に正しい向きに組み付けでき、誤って逆向きに組み付けようとしても組み付けできないようにして、簡易な構成で効率良く支柱及び差し込み対応関係表示を形成でき、受板の向きを間違えることも確実にして容易に防止できる画期的な引き出し式収納ケースとなる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0013】
前後左右の四隅に設けた支柱1を介して受板2を上下複数段設けた構成若しくは更に前記支柱1を介して最上部に天板3を設けた構成の本体部4と、この本体部4の前記受板2間若しくは受板2と天板3との間に引き出し自在に設けた引き出しケース5とから成る引き出し式収納ケースにおいて、前記受板2の中央開口部6に、複数の前記支柱1を分離自在に前記受板2と同時成形し、この受板2と同時成形された支柱1を受板2の中央開口部6から取り外し、この支柱1の下側の差し込み端部7を前記受板2上面側の差し込み係合部8に差し込み、上側の差し込み端部7をこの受板2の上側に配設する上側の受板2若しくは前記天板3の裏面側の差し込み係合部8に差し込み前記本体部4を組み付け構築するように構成し、少なくとも前記受板2の前後の前記差し込み係合部8の形状を異ならせると共に、前後に配設する前記支柱1の差し込み端部7の形状をこれに対応して前後で異ならせて、受板2の各差し込み係合部8にこれに対応した形状の差し込み端部7を有する支柱1を差し込み立設することで、上側の受板2若しくは天板3を前後逆に配しようとしても前記支柱1の上側の差し込み端部7の形状と差し込み係合部8の形状とが合致しないために差し込めず、前後向きが正しい場合にこの差し込みができ組み付け構築できるように構成し、前記支柱1及び前記受板2の前後の差し込み係合部8に、前記支柱1の差し込み端部7と前記受板2の差し込み係合部8との対応関係を示して各支柱1の差し込み位置を識別させる差し込み対応関係表示9を樹脂成形により表出する溝,孔,凹部若しくは凸部で形成したことを特徴とする引き出し式収納ケースに係るものである。
【0014】
また、前記支柱1の上側の差し込み端部7の形状と下側の差し込み端部7の形状を同一に設定すると共に、この各差し込み端部7が差し込まれる前記受板2の上面側の差し込み係合部8と裏面側の差し込み係合部8の形状を同一に設定したことを特徴とする請求項1記載の引き出し式収納ケースに係るものである。
【0015】
また、前記受板2の中央開口部6の縁部にランナー部10を設けて、この中央開口部6内に架設状態に前記支柱1を複数並設状態に設け、前記ランナー部10は、前記中央開口部6の縁部から先端側程径小となる膨出状態に突出する形状に設定した膨出先端部10Aで構成し、この膨出先端部10Aから直接若しくは更に先端側程径小となる小突起状の小ランナー部10Bを介して前記支柱1に溶融樹脂が支柱用キャビティーに注入され支柱1が受板2と同時に樹脂成形されるように構成し、このランナー部10を前記膨出先端部10Aにより構成したことで、前記支柱1を回動させることでこの膨出先端部10A若しくは膨出先端部10Aに設けた小ランナー部10Bの先端から切断分離され、この膨出先端部10A又は膨出先端部10A及び小ランナー部10Bを前記受板2の中央開口部6の縁部に残したまま各支柱1を取り外せるように構成したことを特徴とする請求項1記載の引き出し式収納ケースに係るものである。
【0016】
また、前記受板2の前後のいずれか一方の前記差し込み係合部8、及びこれに差し込んで立設する支柱1に、夫々同じ図形若しくは数字である前記差し込み対応関係表示9を形成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケースに係るものである。
【0017】
また、前記支柱1の前記差し込み端部7が前記差し込み係合部8内に差し込まれ、差し込み端部7は差し込み係合部8内に隠れるように構成し、前記差し込み対応関係表示9を前記差し込み係合部8の底部及び前記差し込み係合部8内に隠れる前記差し込み端部7に形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケースに係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、支柱や差し込み係合部の形状を前後で異ならせ、支柱の差し込み端部もこれに対応させてすべて同一形状とせず、前後では異なる形状とし、そして、その対応関係がわかるように差し込み対応関係表示を樹脂成形によって形成して、この差し込み対応関係表示を確認しながら、その対応する受板の差し込み係合部に差し込んで立設すれば、その支柱上端部の差し込み端部に受板の差し込み係合部を差し込んで受板を組み付けると常に正しい向きに組み付けでき、誤って逆向きに組み付けようとしても組み付けできないようにして、簡易な構成で効率良く支柱及び差し込み対応関係表示を形成でき、受板の向きを間違えることも確実にして容易に防止できる画期的な引き出し式収納ケースとなる。
【0019】
また、請求項2記載の発明においては、受板の向きを間違えて組み付けることを一層確実にして容易に防止できる優れた引き出し式収納ケースとなる。
【0020】
また、請求項3記載の発明においては、支柱を手で回すなどして簡単に取り外しでき、またこの取り外した支柱側にランナー部やバリが残りにくく、支柱を差し込み操作する際に操作の妨げとなるようなこのランナー部やバリがなく組み付け操作が極めてスムーズに行える一層優れた引き出し式収納ケースとなる。
【0021】
また、請求項4,5記載の発明においては、容易に識別でき、使用時には目立つことない差し込み対応関係表示を容易に形成できる一層優れた引き出し式収納ケースとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施例の斜視図である。
図2】本実施例の分解斜視図である。
図3】本実施例の受板の組み立て前の斜視図である。
図4】本実施例の受板の組み立て前の平面図である。
図5】本実施例の図4に示すA−A線断面図である。
図6】本実施例の図4に示すランナー部の拡大平面図である。
図7】本実施例の図4に示すランナー部の拡大側面図である。
図8】本実施例の支柱を分離した際の分離部分の拡大説明斜視図である。
図9】本実施例の受板の上面側の差し込み係合部の拡大説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
受板2の中央開口部6に同時形成されている支柱1を取り外し、この支柱1の差し込み対応関係表示9を確認してこの差し込み対応関係表示9に対応する受板2の差し込み係合部8に支柱1の下端の差し込み端部7を差し込み立設する。
【0025】
このように各支柱1を受板2に立設し、この支柱1の上端の差し込み端部7を受板2若しくは天板3の差し込み係合部8に差し込み組み付けることで、この受板2若しくは天板3の向きは常に正しく組み付けられる。
【0026】
即ち、もし受板2や天板3の向きを前後逆向きに組み付けようとしても、支柱1の上端の差し込み端部7は受板2や天板3の裏面の差し込み係合部8に差し込むことができない構成(形状設定)となっているため組み付けができないことから、向きが間違っていることに気付き、正しい向きに向き直して組み付け係合することになり、誤って組み付けてから、支柱を抜き外す厄介な作業を要するような逆向き取り付けを確実にして容易に防止できることとなる。
【実施例】
【0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
前後左右の四隅に設けた支柱1を介して受板2を上下複数段設け、更に前記支柱1を介して最上部に天板3を設けた構成の本体部4と、この本体部4の前記受板2間と受板2と天板3との間に引き出し自在に設けた引き出しケース5とから成る構成で、前記受板2の中央開口部6に、四本の前記支柱1を分離自在にこの受板2と同時成形し、この受板2と同時成形された支柱1をこの受板2の中央開口部6から取り外し、この支柱1の下側の差し込み端部7を前記受板2上面側の差し込み係合部8に差し込み、上側の差し込み端部7をこの受板2の上側に配設する上側の受板2若しくは前記天板3の裏面側の差し込み係合部8に差し込み前記本体部4を組み付け構築するように構成している。
【0029】
本実施例では、受板2上面に引き出しガイド部11を設けると共に、後側端部にストッパー部12を設けた構成で、この受板2の四隅に角筒状の連結筒を一体成形し、この連結筒の途中に底部を形成して、上面側と裏側に前記支柱1のこれと同形に形成した差し込み端部7を内側に差し込む差し込み係合部8を設けている。
【0030】
即ち、本実施例では、受板2の上面側の差し込み係合部8とその裏面側の差し込み係合部8とを同形とすると共に、これに差し込み係止する支柱1の下端の差し込み端部7も上端の差し込み端部7も同形とした構成としている。
【0031】
また、この差し込み係合部8とこの内側に差し込む差し込み端部7には、係止部とこれが係合する係止孔とを設け、この係止により抜け止め係止されるように構成している。
【0032】
本実施例では、少なくともこのように受板2の前後の差し込み係合部8の形状を異ならせると共に、前後に配設する前記支柱1の差し込み端部7の形状をこれに対応して前後で異ならせて、受板2の各差し込み係合部8にこれに対応した形状の差し込み端部7を有する支柱1を差し込み立設することで、上側の受板2若しくは天板3を前後逆に配しようとしても前記支柱1の上側の差し込み端部7の形状と差し込み係合部8の形状とが合致しないために差し込めず、前後向きが正しい場合にこの差し込みができ組み付け構築できるように構成している。
【0033】
具体的には、本実施例では、前後の一方側、具体的には左右前側の差し込み係合部8及びこれに対応する差し込み端部7はいずれも方形形状とし、左右後側を角形とせず左右で対称形のR形状を有する変形形状(略D形形状)に設定している。
【0034】
即ち、受板2の前後左右の差し込み係合部8のうち、前側左右の差し込み係合部8は同一形状としいずれもR形状を有しない単なる方形形状の角孔の差し込み係合部8とし、後側の左右の差し込み係合部8は同一形状でなく左右対称形状でR形状を有する変形形状(D形形状)に設定し、方形形状の角孔差し込み係合部8に差し込む差し込み端部7は前記R形状を有する変形形状(D形状)には差し込めないように構成している。
【0035】
また、本実施例では、ユーザーが組み付け構築し易いように、前述のように支柱1の上側の差し込み端部7の形状と下側の差し込み端部7の形状を同一に設定すると共に、この各差し込み端部7が差し込まれる前記受板2の上面側の差し込み係合部8と裏面側の差し込み係合部8の形状を同一に設定している。
【0036】
従って、本実施例では、前側の左右を共通とし、前側の支柱1(2本)と、後側の右側支柱1と後側の左側支柱1との3種類合計4本の支柱1を、その受板2の中央開口部6スペースを利用して受板2と共に同時成形し、組み付け構築する際にこれら支柱1を取り外して順次受板2に差し込み係止して構築するように構成している。
【0037】
また、受板2の上面側及び受板2及び天板3の裏面側の差し込み係合部8の形状もこの支柱1の形状に夫々合致するように3種類とし、前述のように上面側もその裏面側も同一形状とし、前側の左右については同一の方形形状とし、後側の右側の差し込み係合部8と左側の差し込み係合部8とは向きが180度異なったR形状を有するD形形状として、受板2の各差し込み係合部8にこれに対応した形状の差し込み端部7を有する支柱1を差し込み立設することで、上側の受板2若しくは天板3を前後逆に配しようとしても前記支柱1の上側の差し込み端部7の形状と差し込み係合部8の形状とが合致しないために差し込めず、前後向きが正しい場合にこの差し込みができ組み付け構築できるように構成している。
【0038】
また、前記支柱1及び前記受板2の前後の差し込み係合部8に、前記支柱1の差し込み端部7と前記受板2の差し込み係合部8との対応関係を示して各支柱1の差し込み位置を識別させる差し込み対応関係表示9を樹脂成形により表出する溝,孔,凹部若しくは凸部で形成している。
【0039】
具体的には、前記受板2の前後のいずれか一方の前記差し込み係合部8、及びこれに差し込んで立設する支柱1に、夫々同じ図形若しくは数字である前記差し込み対応関係表示9を形成している。
【0040】
更に本実施例では、前述のように前記支柱1の前記差し込み端部7が前記差し込み係合部8内に差し込まれ、差し込み端部7は差し込み係合部8内に隠れるように構成し、前記差し込み対応関係表示9を前記差し込み係合部8の底部及び前記差し込み係合部8内に隠れる前記差し込み端部7に形成し、組み付けに際して識別し易く、且つ隠れる位置に表示して目立たないようにしている。
【0041】
例えば、本実施例では3種類の形状に異ならせているため、前側左右の差し込み係合部8とこれに差し込む支柱1の上側及び下側の差し込み端部7に数字1を溝により形成し、後側の右側,左側の差し込み係合部8及びこれに差し込む差し込み端部7には夫々数字2,3を溝により表示形成している。
【0042】
また、本実施例では、前記受板2の中央開口部6の縁部にランナー部10を設けて、この中央開口部6内に架設状態に前記支柱1を複数並設状態に設け、前記ランナー部10は、前記中央開口部6の縁部から先端側程径小となる膨出状態に突出する形状に設定した膨出先端部10Aで構成し、この膨出先端部10Aから更に先端側程径小となる小突起状の小ランナー部10Bを介して前記支柱1に溶融樹脂が支柱用キャビティーに注入され支柱1が受板2と同時に樹脂成形されるように構成している。
【0043】
このランナー部10を前記膨出先端部10Aにより構成したことで、中央開口部6の縁部と支柱1の端部とを離間させながらもこのランナー部10が必ず縁部側に残るように構成している。
【0044】
即ち、前記支柱1を回動させることでこの膨出先端部10A若しくは膨出先端部10Aに設けた小ランナー部10Bの先端から切断分離され、この膨出先端部10A及び小ランナー部10Bを前記受板2の中央開口部6の縁部に残したまま各支柱1を取り外せるように構成している。
【0045】
更に説明すると、中央開口部6スペースを利用して四本の支柱1をランナー部10を介して受板2と共に同時形成するが、成形後支柱1を取り外し操作し易いように、中央開口部6と支柱1との間隔を保つものの、支柱1のゲート部分を近づけるために、ランナー部10として膨出先端部10Aを形成するが、この膨出先端部10Aを先端側程径大となる膨出形状とすることで、支柱1を取り外す際にこの支柱1を回動する際に伝わるねじれ強度を大きくしてこの膨出先端部10Aがバリとして支柱1の方に残らずに中央開口部6の縁部に残るようにしている。
【0046】
具体的には膨出先端部10Aを円弧状に盛り出たような形状とし、更にはその突出縁に円弧状にリブ13を形成して、その剛性を高め、ねじれ強度を大きくし、支柱1へのゲート部分(突出するランナー部10)が支柱1に近づくようにしつつねじれ強度を上げて、決して支柱1のバリとしてこのゲート部分(ランナー部10)が支柱1と一緒に取り去られないようにしている。
【0047】
しかも本実施例では更にこの膨出先端部10Aの突出先端部に先端側程径小な小ランナー部10Bを設けて、この小ランナー部10Bを介して支柱1に溶融樹脂を送り込むようにしているため、非常に支柱1を回し取り易く、バリが残らずきれいに取り外せるようにしている。
【0048】
即ち、この大きな膨出先端部10Aはねじれ強度を高めて中央開口部6の縁部との接合強度を高くすることで、この膨出先端部10Aは縁部から取り外れず必ず縁部に残るように構成して、たとえバリが出るとしてもこれよりも極めて径小で短い小ランナー部10Bとしている。
【0049】
しかも本実施例では、この小ランナー部10Bも小さく短い形状ながらも膨出先端部10A側が太く、支柱1先端面側を細くしているため、この小ランナー部10Bも膨出先端部10A側に残り支柱1と共に外れてバリとならないように構成し、支柱1を手で回し易くすると共に、確実に全くバリが生じずきれいに手で回し取れるようにしている。
【0050】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0051】
1 支柱
2 受板
3 天板
4 本体部
5 引き出しケース
6 中央開口部
7 差し込み端部
8 差し込み係合部
9 差し込み対応関係表示
10 ランナー部
10A 膨出先端部
10B 小ランナー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9