(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項9に記載のバックライトユニットにおいて、前記第1分割基板及び前記第2分割基板は、同じ設計で構成され、相互に回転対象の位置関係にあることを特徴とするバックライトユニット。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
[基本構造]
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の基本構造を説明するための断面図である。
【0028】
液晶表示装置は、液晶表示パネル10を有する。液晶表示パネル10は、表示面(
図1で左面)及び表示面とは反対側の裏面(
図1で右面)を有する。液晶表示パネル10の裏面に対向するように、拡散シートやプリズムシートなどの複数の光学シート12が配置されている。
【0029】
液晶表示装置は、バックライト14を有する。
図2は、バックライト14の平面図である。液晶表示パネル10とバックライト14の間に、光学シート12が配置されている。バックライト14は、光源となる複数の発光ダイオード16を有する。複数の発光ダイオード16は、ガラスエポキシ樹脂などからなる基板18に搭載されている。基板18の複数の発光ダイオード16が搭載された面が、液晶表示パネル10の裏面(
図1で右面)と対向している。
【0030】
複数の発光ダイオード16を避けて、基板18の複数の発光ダイオード16が搭載された面に反射シート20が重ねられている。反射シート20は、基板18よりも大きく、基板18の全体が反射シート20の一部に重なっている。反射シート20は例えば樹脂からなる。反射シート20は、基板18とは熱膨張率の異なる材料からなる。反射シート20は、基板18の表面よりも光の反射率が高くなっている。反射シート20は、
図1に示すように、液晶表示パネル10の裏面(
図1で右面)に対して平行にならないように折り曲げられ又は屈曲している。これにより、反射シート20で反射した光の方向が調整されている。
【0031】
発光ダイオード16が搭載された基板18は、支持板22に取り付けられている。支持板22は、筺体24の内側に固定されている。筺体24の内側に、反射シート20の端部が取り付けられている。
【0032】
液晶表示パネル10及び基板18は、いずれも、共通する第1方向D
1(
図1で紙面の表裏方向、
図2で左右方向)の幅が、第1方向D
1に直交する第2方向D
2(
図1又は
図2で上下方向)の幅よりも長い形状を有する。例えば、液晶表示パネル10及び基板18は、いずれも平面形状が第1方向D
1に長い長方形である。
【0033】
基板18は、
図1に示すように、第2方向D
2の幅が、液晶表示パネル10の第2方向D
2の幅よりも短い。基板18の第2方向D
2の幅は、液晶表示パネル10の第2方向D
2の幅の1/3以下である。基板18は、液晶表示パネル10の第2方向D
2の両端部と対向することを避けて、液晶表示パネル10の両端部の間の中央部と対向する。
【0034】
本実施形態によれば、発光ダイオード16が搭載された基板18が搭載された基板18が小さいので、コスト削減及びバックライト14の小型化が可能になる。
【0035】
基本構造について上述した内容は、以下のいずれの実施形態にも該当する。
【0036】
[第1の実施形態]
図3は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置における複数の発光ダイオードの配列を説明するための図である。
【0037】
本実施形態では、複数の発光ダイオード116は、第1方向D
1に一列で配列されている。また、隣同士の発光ダイオード116のピッチが等しくなっている。
【0038】
図4は、第1の実施形態で説明した複数の発光ダイオード116の配列の変形例を説明するための図である。この例では、複数の発光ダイオード116は、不均等なピッチで配列されている。詳しくは、隣同士の発光ダイオード116のピッチは、基板118の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。
【0039】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置における複数の発光ダイオードの配列を説明するための図である。
【0040】
本実施形態では、複数の発光ダイオード216は、第1方向D
1に千鳥状(ジグザグ)に配列されている。また、千鳥状の配列方向に隣同士の(斜めに隣り合う)発光ダイオード216のピッチが等しい。
【0041】
図6は、第2の実施形態で説明した複数の発光ダイオード216の配列の変形例を説明するための図である。この例では、複数の発光ダイオード216は、不均等なピッチで配列されている。一例としては、千鳥状の配列方向に隣同士の発光ダイオード216のピッチは、基板218の第1方向D
1の中央付近で密になり、基板218の端付近では疎になっている。
【0042】
図7は、
図6に示すように発光ダイオード216が配列された構造に対応する反射シート220を示す図である。反射シート220は、複数の発光ダイオード216を1つずつ内側に配置するための複数の穴226を有する。複数の穴226は、
図6に示す発光ダイオード216の配列に対応して、第1方向D
1に千鳥状に配列されている。複数の穴226は、不均等なピッチで配列されている。詳しくは、千鳥状の配列方向に隣同士の穴226のピッチは、基板218の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。
【0043】
反射シート220は、基板218(
図6参照)に平行に対向する平坦領域228を有する。平坦領域228に複数の穴226が形成されている。反射シート220は、平坦領域228に斜めに接続する第1傾斜領域230を有する。第1傾斜領域230は、平坦領域228の第1方向D
1に延びる一対の辺のそれぞれに接続している。反射シート220が折り曲げられて、平坦領域228と第1傾斜領域230の境界が現れている。第1傾斜領域230は、基板218とは反対側の面(光が反射する面)が凹面になるように湾曲している。
【0044】
反射シート220は、平坦領域228に斜めに接続する第2傾斜領域232を有する。平坦領域228の第2方向D
2に延びる一対の辺のそれぞれに第2傾斜領域232が接続している。反射シート220が折り曲げられて、平坦領域228と第2傾斜領域232の境界が現れている。一対の第1傾斜領域230の間に1つの第2傾斜領域232が位置し、一対の第2傾斜領域232の間に1つの第1傾斜領域230が位置している。
【0045】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置における複数の発光ダイオードの配列を説明するための図である。
【0046】
本実施形態では、複数の発光ダイオード316は、第1グループ及び第2グループに分けられる。第1グループの発光ダイオード316aは、第1方向D
1に一列で配列されている。第1グループの発光ダイオード316aは、基板318の中央部を挟む両端部のそれぞれに配置されている。第1グループの発光ダイオード316aは、第1方向D
1に等ピッチで配列されている。
【0047】
第2グループの発光ダイオード316bは、第1方向D
1に千鳥状に配列されている。第2グループの発光ダイオード316bは、基板318の第1方向D
1の中央部に配置されている。第2グループの発光ダイオード316bは、千鳥状の配列方向に等ピッチで配列されている。
【0048】
図9は、第3の実施形態の変形例1を説明するための図である。この例では、基板320は、中央部320bの第2方向D
2の幅が、両端部320aのそれぞれの第2方向D
2の幅よりも広くなっており、この点で、
図8に示す基板318と異なる。
【0049】
図10は、第3の実施形態の変形例2を説明するための図である。この例では、第1グループの発光ダイオード316cの隣同士のピッチは、基板318の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。また、第2グループの発光ダイオード316dの千鳥状の配列方向に隣同士のピッチは、基板318の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。
【0050】
図11は、第3の実施形態の変形例3を説明するための図である。この例では、基板320は、中央部320bの第2方向D
2の幅が、両端部320aのそれぞれの第2方向D
2の幅よりも広くなっており、この点で、
図10に示す基板318と異なる。
【0051】
[第4の実施形態]
図12は、本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置における複数の発光ダイオードが搭載された基板を説明するための図である。
【0052】
本実施形態では、隣同士の発光ダイオード416のピッチは、基板418の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。また、基板418は、ピッチが最も小さい隣同士の発光ダイオード416の間で、第1分割基板438及び第2分割基板440に分割されている。第1分割基板438及び第2分割基板440は、同じ設計で構成され、相互に回転対象の位置関係にある。その場合の回転対象の回転の中心は、第1分割基板438及び第2分割基板440の間に位置する。
【0053】
第1分割基板438及び第2分割基板440の少なくとも一方(
図12の例では両方)は、一方の端部にケーブル434との接続用のケーブルコネクタ436を有している。そして、第1分割基板438及び第2分割基板440が、他方の端部同士を隣り合わせて配置されている。
【0054】
図13は、第4の実施形態で説明した基板418の変形例1を説明するための図である。この例では、第1分割基板446及び第2分割基板448の隣り合う端部は、相互に対向する面に凹部442及び凸部444を有している。第1分割基板446及び第2分割基板448は、一方の凹部442と他方の凸部444が対向するように配置されている。
【0055】
複数の発光ダイオード416は、少なくとも第1分割基板446及び第2分割基板448の凹部442及び凸部444が形成された端部の側では、第1方向D
1に千鳥状に配列されている。詳しくは、第1分割基板446及び第2分割基板448のいずれも、短辺方向の幅が広い部分450と狭い部分452とを有しており、広い部分450で、複数の発光ダイオード416は千鳥状に配列されている。第1分割基板446及び第2分割基板448のそれぞれの第1方向D
1で最も外側に位置する発光ダイオード416から、第1方向D
1に、凸部444が突出している。凸部444と凹部442は隣接して形成されており、両者を区画する辺が、第1方向D
1に平行に延びている。
【0056】
図14は、第4の実施形態で説明した基板418の変形例2を説明するための図である。この例では、複数の発光ダイオード416は、第1分割基板454の全体及び第2分割基板456の全体にわたって、第1方向D
1に千鳥状に配列されている。そのため、
図13の例とは異なり、第1分割基板454及び第2分割基板456は、それぞれ、短辺方向の幅が一定である。
図14において、凸部と凹部を区画する辺458は、第1方向D
1に交差するように斜めに延びている。
【0057】
[第5の実施形態]
図15は、本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置における複数の発光ダイオードが搭載された基板を説明するための図である。
【0058】
本実施形態では、隣同士の発光ダイオード516のピッチは、基板518の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。基板518は、隣同士の発光ダイオード516のピッチが最も小さい位置を避けて、隣同士の発光ダイオード516の間で、第1分割基板538及び第2分割基板540に分割されている。第1分割基板538及び第2分割基板540の少なくとも一方(
図15の例では両方)は、端部にケーブル534との接続用のケーブルコネクタ536を有している。第1分割基板538及び第2分割基板540が、端部同士が隣り合うように配置されている。
【0059】
[第6の実施形態]
図16は、本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置における複数の発光ダイオードが搭載された基板を説明するための図である。
【0060】
本実施形態では、隣同士の発光ダイオード616のピッチは、基板618の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。基板618は、ピッチが最も小さい位置を避けて、隣同士の発光ダイオード616の間で、第1分割基板638、第2分割基板640及び第3分割基板646に分割されている。
【0061】
第1分割基板638の一方の端部には、ケーブル634との接続用のケーブルコネクタ636が設けられている。第1分割基板638の他方の端部と第2分割基板640の一方の端部とは、第1接続コネクタ648によって電気的に接続されている。第2分割基板640の他方の端部と第3分割基板646の一方の端部とは、第2接続コネクタ650によって電気的に接続されている。
【0062】
図17は、第6の実施形態で説明した基板618の変形例1を説明するための図である。この例では、複数の発光ダイオード616は、第1方向D
1に千鳥状に配列されている。隣同士の発光ダイオード616のピッチは、千鳥状の配列方向に隣同士の発光ダイオード616のピッチである。
【0063】
図18は、第6の実施形態で説明した基板618の変形例2を説明するための図である。この例では、第1分割基板652及び第2分割基板654の相互に電気的に接続される端部は、相互に対向する面にそれぞれ凹部642及び凸部644を有している。第2分割基板654及び第3分割基板656の相互に電気的に接続される端部は、相互に対向する面にそれぞれ凹部642及び凸部644を有している。
【0064】
第1分割基板652、第2分割基板654及び第3分割基板656のそれぞれの第1方向D
1で最も外側に位置する発光ダイオード616から、第1方向D
1に凸部644が突出している。
【0065】
第1分割基板652及び第2分割基板654は、一方の凹部642と他方の凸部644が対向するように配置されている。第2分割基板640及び第3分割基板646は、一方の凹部642と他方の凸部644が対向するように配置されている。
【0066】
図19は、第6の実施形態で説明した基板618の変形例3を説明するための図である。この例では、第2分割基板660に配置された発光ダイオード616は、第1方向D
1に千鳥状に配列されている。隣同士の発光ダイオード616のピッチは、千鳥状の配列方向に隣同士の発光ダイオード616のピッチである。これに対して、第1分割基板658及び第3分割基板662のそれぞれに配置された発光ダイオード616は、第1方向D
1に一列で配列されている。
【0067】
図20は、第6の実施形態で説明した基板618の変形例4を説明するための図である。この例では、第2分割基板666の第2方向D
2の幅が、第1分割基板664及び第3分割基板668のいずれの第2方向D
2の幅よりも広い。
【0068】
[第7の実施形態]
図21は、本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置におけるバックライトを説明するための図である。
【0069】
本実施形態では、発光ダイオード716は、第1方向D
1に千鳥状に配列されている。バックライト714は、基板718に重ねられる第1反射シート778を有する。第1反射シート778は、複数の発光ダイオード716をそれぞれ内側に配置する複数の第1穴752を有している。
【0070】
バックライト714は、基板718に貼られた第2反射シート722を有する。第2反射シート722は、複数の反射ピース758に分割されている。第2反射シート722は、全体として、複数の発光ダイオード716をそれぞれ内側に配置する複数の第2穴754を有している。1つの反射ピース758が、1つの発光ダイオード716を内側に配置する1つの第2穴754を有している。それぞれの第1穴752の内側にいずれかの第2穴754の縁部の少なくとも一部が露出する。つまり、基板718に貼られた第2反射シート722(複数の反射ピース758)の上に第1反射シート778が重なっている。
【0071】
隣同士の発光ダイオード716のピッチは、基板718の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。そして、複数の反射ピース758は、最もピッチの小さい発光ダイオード716に対応した位置で、相互に重ならない大きさ及び形状である。
【0072】
図21に示す反射ピース758は矩形の外形を有するが、
図22に示すように六角形の外形を有する反射ピース724や、
図23に示すように円形の外形を有する反射ピース726を使用してもよい。
【0073】
図24は、第7の実施形態で説明したバックライトの変形例1を説明するための図である。この例では、隣同士の発光ダイオード716のピッチは、基板718の第1方向D
1の中央に近いほど小さくなっている。第2反射シート732は、第1反射ピース762と、複数の第2反射ピース764と、に分割されている。第1反射ピース762は、基板718の中央の第1領域756に配置されている。第1反射ピース762は、2つ又はそれ以上の第2穴754を有している。複数の第2反射ピース764は、基板718の第1領域756を挟む一対の第2領域760に配置されている。それぞれの第2反射ピース764は、1つの第2穴754を有している。
【0074】
図25は、第7の実施形態で説明したバックライトの変形例2を説明するための図である。この例では、第1反射ピース782は、2つ又はそれ以上の第2穴784を有している。それぞれの第2反射ピース786は、2つ又はそれ以上の第2穴788を有している。その他の内容は上記変形例1の内容が該当する。
【0075】
図26は、第7の実施形態で説明したバックライトの変形例3を説明するための図である。この例では、第2領域790に配置された発光ダイオード716は、第1方向D
1に一列で配列されている。
【0076】
図27は、第7の実施形態で説明したバックライトの変形例4を説明するための図である。この例では、第2反射シート792は、複数の反射ピース794に分割されている。それぞれの反射ピース794が、2つ又はそれ以上の発光ダイオード716を1つずつ内側に配置する2つ又はそれ以上の第2穴796を有している。基板798は、複数の分割基板800に分割されている。それぞれの反射ピース794は、貼り付けられる分割基板800と相似形の外形形状を有する。
【0077】
[第8の実施形態]
図28(A)は、本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置におけるバックライトを説明するための図である。
【0078】
本実施形態では、基板818の上方であって少なくとも1つの発光ダイオード816の上方にレンズ866が配置されている。基板818は、複数の発光ダイオード816とは反対側で支持板822によって支持されている。支持板822は基板818よりも大きい。
【0079】
レンズ866は、基板818の外側で支持板822に取り付けられている。例えば、接着剤868によってレンズ866は支持板822に接着されている。
図28(A)に示すように、120°回転した3個所にそれぞれ接着剤868を設けてもよいし、
図28(B)に示すように、180°回転した2個所にそれぞれ接着剤868を設けてもよいし、
図28(C)に示すように、90°回転した4個所にそれぞれ接着剤868を設けてもよい。
【0080】
図29は、第8の実施形態で説明したバックライトの変形例1を説明するための図である。この例では、支持板822にスペーサ870が設けられており、レンズ866は、スペーサ870を介して支持板822に支持されている。
【0081】
図30(A)は、第8の実施形態で説明したバックライトの変形例2を説明するための図である。この例では、複数の基板818が、複数の発光ダイオード816とは反対側で、基板818よりも大きい支持板822によって支持されている。それぞれの基板818の上方であって少なくとも1つの発光ダイオード816の上方にレンズ866が配置されている。レンズ866は、その下に配置される基板818の外側で支持板822に取り付けられている。
【0082】
レンズ866は、基板818の外側で支持板822に取り付けられている。例えば、接着剤868によってレンズ866は支持板822に接着されている。
図30(A)に示すように、120°回転した3個所にそれぞれ接着剤868を設けてもよいし、
図30(B)に示すように、180°回転した2個所にそれぞれ接着剤868を設けてもよいし、
図30(C)に示すように、90°回転した4個所にそれぞれ接着剤868を設けてもよい。
【0083】
図31は、第8の実施形態で説明したバックライトの変形例3を説明するための図である。この例では、支持板822にスペーサ880が設けられている。レンズ866は、スペーサ880を介して支持板822に支持されている。スペーサ880は、少なくとも、隣同士の基板818の間に分割されないように配置されている。一方の基板818の上方に位置するレンズ866と、他方の基板818の上方に位置するレンズ866と、の両方が、隣同士の基板818の間に配置されたスペーサ880で支持されている。
【0084】
図32は、第8の実施形態で説明したバックライトの変形例4を説明するための図である。この例では、スペーサ890は、第1分割スペーサ892と第2分割スペーサ894に分割されている。隣同士の基板818の間で、第1分割スペーサ892は一方の基板818に近く、第2分割スペーサ894は他方の基板818に近くなるように配置されている。一方の基板818の上方に位置するレンズ866は、第1分割スペーサ892に支持されている。他方の基板818の上方に位置するレンズ866は、第2分割スペーサ894に支持されている。
【0085】
上記いずれかの実施形態に記載された液晶表示装置を組み込んで、テレビジョン放送の電波を受信して映像を表示し音声を出すテレビ受像機を構成することができる。以下、液晶テレビ受像機の例を説明する。
【0086】
[第9の実施形態]
図33は、本発明の第9の実施形態に係る液晶テレビ受像機の分解斜視図である。
図34は、
図33に示す液晶テレビ受像機の反射シートよりも後方を示す図である。
図35は、
図33に示す液晶テレビ受像機の側面図である。
図36は、
図33に示す液晶テレビ受像機の縦断面概略図である。
【0087】
液晶テレビ受像機は、横長の画面を有する液晶表示パネル900を有する。液晶テレビ受像機の画面のアスペクト比(横寸法と縦寸法の比)は16対9である。液晶表示パネル900は、前方側(画像を表示する側)が上フレーム902に支持され、後方側がモールドフレーム904で支持されている。液晶テレビ受像機は、液晶表示パネル900に重なるバックライト906を有する。
【0088】
液晶表示パネル900、上フレーム902、モールドフレーム904及びバックライト906は、フロントキャビネット908及びバックキャビネット910からなるキャビネット912に収容される。フロントキャビネット908は樹脂から構成され、バックキャビネット910は塗装された金属又は樹脂からなる。キャビネット912は、台座914及び脚916からなるスタンド918で支持されている。
図35に示すように、キャビネット912の側面には表示するチャンネルの選択をしたり、音量を制御するスイッチ920が配置されている。
【0089】
バックキャビネット910の下部後方には、カバー922が取り付けられている。カバー922の内部には、スピーカ924及び回路基板926が配置されている。回路基板926は、様々な周波数の電波の中から特定の周波数の電波を選び出すための同調回路(チューナ)を備えている。
【0090】
バックライト906は、液晶表示パネル900に凹面が向くように湾曲部928を有する反射シート930を有する。反射シート930の湾曲部928は、キャビネット912から離れるように配置されている(
図36参照)。湾曲部928は、第1湾曲部932及び第2湾曲部934を含む。第1湾曲部932及び第2湾曲部934は、画面の縦方向で複数の点光源936を挟む両側にそれぞれ形成されている。湾曲部928とバックキャビネット910との間のスペースの下方に回路基板926が配置されている(
図36参照)。
【0091】
バックライト906は、液晶表示パネル900とは反対側で反射シート930に重なる基板938を有する。基板938の画面の縦方向の幅は、画面の縦方向の長さの半分以下である。基板938は、キャビネット912に固定される。基板938は、キャビネット912に直接固定されていてもよいし、放熱板940を介してキャビネット912に固定されていてもよい。
図33は後者の例であり、基板938が放熱板940に固定され、放熱板940がキャビネット912に固定された構造である。尚、基板938と放熱板940は、
図1の基板18と支持板22に相当する構成である。
【0092】
本実施形態では、画面のほぼ中央に対応する位置に、発光ダイオード942(
図36参照)を含む点光源936が、横方向に長い長方形の基板938上に搭載されている。基板938は、プリント配線基板を使用することができる。基板938は、バックキャビネット910にネジ止めされるか、アルミニウムなどの金属の放熱板940にネジ止めされ、さらに放熱板940がバックキャビネット910に止めるかの方法で固定される。発光ダイオード942は上下方向には千鳥状に2列で、横方向に延びるように配置されている。正面から見て、基板938の寸法YLは、液晶表示パネル900の画面の高さYHの1/3以下になるように設定されている。
【0093】
バックライト906は、基板938に搭載されて反射シート930を貫通して湾曲部928の凹面側に突出するように配置された複数の点光源936を有する。複数の点光源936は、画面の横方向に少なくとも一列で並べられ、画面の縦方向の幅が画面の縦方向の長さの半分以下である空間領域内に収まるように配列されている。それぞれの点光源936は、
図36に示すように、発光ダイオード942及びその外側に配置されたレンズ944を含む。基板938には、発光ダイオード942を覆うように、アクリル樹脂を用いたレンズ944が搭載されている。
【0094】
点光源936は、基板938に対して垂直の方向及び他の方向に光を放射し、垂直の方向よりも他の方向への光強度が強くなっている。レンズ944は発光ダイオード942からの放射光を正面方向に比べて視角方向により広げて放射する広配光特性を有する。点光源936のこのような光強度分布(指向特性)を
図37に示す。また、
図38は、レンズ944を出た光強度の測定結果を示す図である。なお、角度の数値は、点光源936からの光の出射方向を表すものであり、0°が液晶表示パネル900に対向する面側(基板938の平面の鉛直方向)であり、±90°は基板938の平面と平行な方向に相当する。
【0095】
液晶テレビ受像機の特徴の1つは、画面の縦方向に沿って、基板938の縦方向寸法YLが画面寸法YHの1/3以下と小さくしているにも関わらず、明るく、画面全体に輝度の均一性が高いと感じる高画質の性能を有していることである。
【0096】
従来の液晶テレビ受像機では、複数の発光ダイオードを配置した基板を複数配置し、基板間の領域でも輝度が均一もしくは輝度変化が滑らかになるようになっていた。具体的には発光ダイオードを多数用いて、発光ダイオード間隔を短くして輝度変化を滑らかにして、それぞれ個々の発光ダイオード配置が光学的に認識できないように配置されていた。広配向レンズを発光ダイオード上部に配置することで、複数の基板の間隔を広げる場合もあるが、基板の寸法は画面の半分より大きくなっていた。
【0097】
本実施形態では、縦方向に最も離れた一対のレンズ944の反対方向を向く外面の間の寸法が、画面寸法YHの1/3以下である。発光ダイオード942が横方向に1列に配置されている場合、レンズ944の縦方向の幅(直径)が画面寸法YHの1/3以下である。発光ダイオード942及びレンズ944は、コストを低減するため、基板938の外にはみ出さない寸法になっており、最小の寸法に設定されている。
【0098】
本実施形態では、基板938の縦寸法YLあるいは縦方向に2列に並んだレンズ944の外郭間の寸法は、画面の縦寸法の1/3以下となっている。これにより、発光ダイオード942の数を少なくしても、明るく輝度分布が自然で滑らかになるので、コストを大きく低減できる。
【0099】
本実施形態では、画面縦方向(画面の短辺方向)の寸法YHから、基板938の縦寸法YLを除いた長さの幅を有するように、反射シート930の湾曲部928が配置されている。湾曲部928の幅がYHの1/2以上であれば、画面の輝度分布が正面から見ても違和感がなく、しかも発光ダイオード942数を大幅に削減することができ、コストを低減することができる。すなわち、点光源936が収まる空間領域よりも、湾曲部928による反射領域を大きくすることで、コストを削減できることになる。
【0100】
基板938上に配置された発光ダイオード942から放射された光は、発光ダイオード942の上方に配置されたアクリル樹脂で構成されたレンズ944により広げられる。その配光特性は、正面方向より斜め方向への光強度が強くなっている。複数の発光ダイオード942それぞれに広配光のレンズ944が装着されているため、基板938から垂直方向(画面への方向)にある拡散板946までの距離(以下内厚Zdとする)の空間において、正面への放射光より、基板938から画面の周辺方向への放射光の光強度が大きくなっている。レンズ944から正面に放射された光の一部は拡散板946を透過し、液晶表示パネル900を通して画像として表示される。また一部の光は、拡散板946で反射し、反射シート930で反射して、正面でない方向へも放射される。また、レンズ944から直接反射シート930に入り、さまざまな方向に放射される光もある。レンズ944から放射された光は、湾曲部928を有する反射シート930と拡散板946間の空間で反射を繰り返し、拡散板946を通じて画面の概ね全面を透過する。
【0101】
上記構成の液晶テレビ受像機の輝度性能は、正面から測定した最大輝度を100%とすると周辺が30%程度と暗い状態である。画面正面の中央輝度と平均輝度の比は1.65となっている。しかし、反射シート930の湾曲部928がなだらかに湾曲しているため、基板938から画面の縦方向に輝度がなだらかに変化している。そのため、中央輝度と平均輝度が1.65と大きいにも関わらず、その分布に大きな変局点がないため違和感の少ない画像を提供することができる。
【0102】
中央輝度と平均輝度が1.65以上でも違和感のない滑らかな輝度分布が得られることは、逆に言えば、発光ダイオード942数を低減し、基板938幅を狭くすることができ、コストを低減できるということである。
【0103】
なお、中央の輝度が明るく、画面周辺に向かうにつれて、滑らかな輝度分布を以て輝度が低下する特性は、正面への光放射を遮断する構造を設けると実現することができない。その場合、中央に暗い状態となるので違和感のある表示分布となる。従って、個々の発光ダイオード942とそれに近いレンズ944を含む点光源936の光出射特性は、正面にも所定の出力がある。
【0104】
バックキャビネット910は、液晶テレビ受像機の最外表面を構成している。基板938は、放熱板940にネジ止めされ、発光ダイオード942からの熱を基板938及び放熱板940で放熱することで、発光ダイオード942の接合温度を所定の値に抑えている。放熱板940は、液晶テレビ受像機の仕様輝度が低い場合、除去可能である。この場合、基板938が直接バックキャビネット910に固定される。この場合で、発光ダイオード942の放熱は基板938のみによってなされるが、基板938の放熱効果でも、発光ダイオード942の接合温度を所定の値に抑えることが可能である。
【0105】
基板938と反射シート930は、バックキャビネット910に近接して固定されているので、液晶テレビ受像機の薄型化を実現することができる。この構造により、輝度性能を、違和感のない均一性を保つようにしながら、液晶テレビ受像機の厚さを薄くすることが可能になっている。
【0106】
従来のバックライト構造では、発光ダイオードを搭載する基板は、鉄やアルミニウムで構成された液晶表示装置のバックフレーム(図示せず)に固定され、このバックフレームの外部に発光ダイオードを駆動する電源や液晶表示パネルのゲート信号線やドレイン信号線を制御するタイミングコントローラの基板を配置し、さらにその外部にテレビ受像機のバックキャビネットが配置されていた。そのため、バックライトの拡散板と発光ダイオードの内厚距離に加えて、バックフレームとバックキャビネットの距離も必要になり厚くなっていた。
【0107】
本実施形態では、レンズ944から、正面よりも周辺により高い輝度で放射された光は、所定の空間(内厚Zd)を経て、拡散板946及び液晶表示パネル900を透過し、これにより画像が表示される。基板938と放熱板940は接触し、放熱板940とバックキャビネット910はネジで固定されているので、内厚Zd以外に不要な空間距離がなく液晶テレビ受像機の厚さは薄型化されている。
【0108】
液晶テレビ受像機の薄型化は、電源回路、映像回路、同調回路(チューナ)、液晶表示パネル900のタイミング回路を有する回路基板926の配置によっても実現されている。詳しくは、反射シート930の湾曲部928がバックキャビネット910から離れる方向に湾曲しているので、湾曲部928とバックキャビネット910の間に広いスペースを得ることができる。液晶テレビ受像機の下部には電源回路、映像回路、同調回路(チューナ)、液晶表示パネル900のタイミング回路を有する回路基板926がコンパクトに格納されている。これにより発光ダイオード942が搭載された基板938又は放熱板940とバックキャビネット910の間にスペースを取ることがない。このような構造により、湾曲した反射シート930を用いるにも関わらず、テレビ受像機として、薄型化を実現することが出来る。
【0109】
次に、液晶テレビ受像機の製造工程を、
図33〜
図36を参照して説明する。例えば、鉄を材料とする部材に塗装を施してなるバックキャビネット910に、内側より壁掛け金具948を取り付ける。壁掛け金具948はバックキャビネット910の強度を補強する。バックキャビネット910の背後から壁掛けする際の受けネジ穴が壁掛け金具948に形成されている。バックキャビネット910の内側には例えば、アルミニウムを材料とする放熱板940を固定する。
【0110】
次に、発光ダイオード942を搭載した基板938を放熱板940に取り付ける。発光ダイオード942上にはアクリルを用いた広配光のレンズ944をキャッピングし、これを接着材で固定してある。液晶テレビ受像機の輝度仕様に応じて、発光ダイオード942の接合温度に余裕がある場合、基板938をバックキャビネット910に直接取り付けても良い。ここで、基板938の表面には、発光ダイオード942周辺に、第7の実施形態の第2反射シート722で示したような反射シートが貼られている。発光ダイオード942から放射された光を再反射しやすいように、第2反射シート722のようなシートに代えて、基板938上に白レジストを塗布しておいてもよい。
【0111】
図34に示すコネクタ950は基板938上の点光源936に至る配線の電気的な接続部である。コネクタ950には、配線951が接続され、バックキャビネット910に形成された取り出し穴952を介して、バックキャビネット910の背面に引き出され、回路基板926へ接続される(
図36参照)。回路基板926は、発光ダイオード942を制御するインバータ回路が含まれる。また、取り出し穴952は、後述するカバー922と重複する位置に開けられている。これにより、バックキャビネット910内部に外部からの塵等が侵入することを防止している。
【0112】
次に、表面が光拡散性を有し、画面の縦方向で湾曲し、レンズ944を挿通するためにレンズ944直径より大きい穴を有する反射シート930を取り付ける。この上方に、厚さが1.5から3mmの拡散板946、プリズムシート950及び拡散シート952を配置する。基板938と拡散板946の裏面の空間(内厚Zd)で、発光ダイオード942からの直接光と反射シート930からの2次光である反射光を合成する。
【0113】
次に、光学シート類を、樹脂材料で作成した4分割されたモールドフレーム904で固定する。この上方に液晶表示パネル900を配置する。液晶表示パネル900は、2枚のガラス基板内に液晶を封入し一方の基板(TFT基板)にTFT(Thin Film Transistor)並びにドレイン信号線及びゲート信号線が形成され、他の基板にはカラーフィルタが形成された構成である。TFT基板上のゲート信号線及びドレイン信号線は、外部に引き出されて、ドライバIC及びこれが搭載されたドレイン基板に接続される。ガラス基板のそれぞれの表面には偏光板が貼られている。ドレイン基板は、フレキシブルケーブルで、映像信号を供給するタイミングコントロール回路に電気的に接続される。液晶表示パネル900の上方に、ドライバICからの電磁波を防止し、液晶表示パネル900を固定するための鉄で形成された上フレーム902を取り付ける。
【0114】
最終的に液晶テレビ受像機を完成するためには、上フレーム902の表面に樹脂材料で構成されたフロントキャビネット908を取り付け、キャビネット912の下に発光ダイオード942の制御回路、タイミングコントロール回路、映像回路に電源を供給する電源回路、外部との接続端子などが配置され、保護用の樹脂製のカバー922が取り付けられる。
【0115】
尚、本実施形態では、壁掛け金具948を用いた例を示したが、バックキャビネット910に充分な強度がある場合は、壁掛け金具948を用いなくても良い。
【0116】
[第10の実施形態]
図39は、本発明の第10の実施形態に係る液晶テレビ受像機の反射シートよりも後方を示す図である。
図40は、液晶テレビ受像機の縦断面概略図である。
【0117】
本実施形態に係る液晶テレビ受像機は、第9の実施形態よりも画面サイズの大きい液晶テレビ受像機である。したがって、1枚の基板に全ての発光ダイオード972を搭載すると基板が大きくなりコストが増加するため、本実施形態では、基板を複数に分割している。つまり、基板960は、画面の縦方向に並べられた複数の分割基板962からなる。
【0118】
複数の分割基板962にそれぞれ発光ダイオード972が搭載されており、隣同士の分割基板962の発光ダイオード972の中心点間隔がYYLになるように、両者の間隔が空けられている。複数の分割基板962は放熱板970に固定されている。寸法YYLは、点光源964の光分布において縦方向でむらが発生しない距離まで広げている。また、本実施形態の液晶テレビ受像機には壁掛け金具は搭載していない。
【0119】
複数の点光源964が収められる空間領域の縦方向の幅YLは、画面の縦寸法からYLを引いた距離、すなわち反射シート966の湾曲部968の縦方向の幅より小さい。これにより正面の輝度が高く、周辺に向かうことで輝度がなだらかに低下する輝度分布が得られる。この分布は、正面から見た場合に違和感のない輝度分布でありながら、周辺での輝度が小さくなっているので、液晶テレビ受像機に必要な光量総量を低減することができるので、コスト低減ができる。
【0120】
以上のように、本実施形態は、第9の実施形態に比べて、より大画面の液晶テレビ受像機のコストを低減することができる。本実施形態のその他の内容は、第9の実施形態で説明した内容が該当する。
【0121】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。