特許第5728111号(P5728111)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5728111容器回転型混合機における容器内圧力調整機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5728111
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】容器回転型混合機における容器内圧力調整機構
(51)【国際特許分類】
   B01F 9/02 20060101AFI20150514BHJP
   B01F 15/00 20060101ALI20150514BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   B01F9/02 A
   B01F15/00 Z
   B01F15/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-96492(P2014-96492)
(22)【出願日】2014年5月8日
【審査請求日】2014年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000152136
【氏名又は名称】株式会社徳寿工作所
(74)【代理人】
【識別番号】100171354
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 隆
(72)【発明者】
【氏名】吉田 泰三
(72)【発明者】
【氏名】堀内 稔
(72)【発明者】
【氏名】朝日 正三
【審査官】 仲村 靖
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−013534(JP,U)
【文献】 特開平03−188932(JP,A)
【文献】 実開昭58−075720(JP,U)
【文献】 特開平11−033380(JP,A)
【文献】 特開2001−170468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 9/02
B01F 15/00
B01F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意に密閉可能な回転密閉容器本体内にあらかじめ被混合物を導入し該回転密閉容器本体を回転させながら液体や気体を連続的に注入することにより回転密閉容器本体内の被混合物と前記注入液体の均一な混合や不活性雰囲気で混合するタイプの容器回転型混合機において、
前記回転密閉容器本体は駆動モータに連結された回転軸により支承されており、該回転密閉容器本体は回転軸の中心軸上で回転可能であり、該回転密閉容器本体の外形部や筒体には密閉容器本体の外部と連通する開口部を設け、該開口部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設し、該配設した内圧排気口の位置を前記回転密閉容器本体の回転軸または回転する回転密閉容器本体に取り付けた位置検知センサーにより感知可能に構成し、該内圧排気口の位置が回転する回転密閉容器本体の中心軸より上向きのときに内圧排気口の排気バルブを開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体内の圧力上昇を抑えることを特徴とする容器回転型混合機における容器内圧力調整機構。
【請求項2】
前記回転密閉容器本体の形状はダブルコーン型の外形部を有する回転密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型の回転密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する回転密閉容器本体の外形部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設したことを特徴とする請求項1に記載の容器回転型混合機における容器内圧力調整機構。
【請求項3】
前記回転密閉容器本体の形状はV型の筒体を有する回転密閉容器本体を形成し、該V型の回転密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する回転密閉容器本体の筒体に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設したことを特徴とする請求項1に記載の容器回転型混合機における容器内圧力調整機構。容器回転型混合機における容器内圧力調整機構。
【請求項4】
前記回転密閉容器本体の形状はダブルコーン型やV型の外形部や筒体を有する回転密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型やV型の回転密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する回転密閉容器本体の被混合物導入口密閉蓋部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を併設配設したことを特徴とする請求項1に記載の容器回転型混合機における容器内圧力調整機構。
【請求項5】
前記回転密閉容器本体の形状はダブルコーン型やV型の外形部や筒体を有する回転密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型やV型の回転密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する回転密閉容器本体の混合物排出口密閉蓋を排気バルブとして兼用し、該混合物排出口密閉蓋兼排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を併設配設したことを特徴とする請求項1に記載の容器回転型混合機における容器内圧力調整機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する密閉容器内部に被混合物と混合する液体や容器内部の空気置換並びにエアーシール用の気体を連続的に注入して均一に混合する容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0002】
本発明は、化学品、医薬品、電子材料、冶金材料、食品等の被処理物の混合処理や反応処理を行う際に用いられる容器回転型混合機に係るものであり、特に本発明に係る容器回転型混合機は、実開昭59−184925号公報(以下、特許文献1と称する)に記載された回転容器の形状において、ダブルコーン型混合機やV型混合機、並びに特許文献1が提案する非対象に円錐体を合わせて形成した斜円筒型混合機に用いられてその機能を発揮する容器回転型混合機における容器内圧力調整機構に関するものである。
【0003】
また、本発明の構成は、回転密閉容器の形状が、上記ダブルコーン型やV型、並びに斜円筒型を有する容器回転型混合機において、回転する密閉容器に自動排気バルブを設け、該自動排気バルブを前記容器回転型混合機に取付けた位置検知センサーに接続することにより、その自動排気バルブが上向きの時に自動で回転密閉容器内の排気を行い、回転密閉容器内の圧力上昇を確実、且つ迅速に抑えることができる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構に関するものである。
【背景技術】
【0004】
容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を採用したV型混合機の従来例は、特開昭61−67701号公報(以下、特許文献2と称する)により開示されている。特許文献2の発明は、超合金粉末の処理に係り、特に金属粉末を混合すると同時に脱ガスをすることに係るものである。
【0005】
而して、上記特許文献2の発明に対しては、当該関係図を図5として記載し、従来装置としてその概要を説明する。
特許文献2の発明において、ダブルシェル型ブレンダシェル(20)は二つのV字の脚部に分割されており、第一の脚部は封止部材(22)にて終わっており、第2の脚部は封止部材(24)にて終わっている。これらの封止部材はシェル(20)にボルト締結又は他の要領にて固定された蓋である。ブレンダのV型の頂点には第三の封止部材(30)が設けられている。この封止部材(30)は他の封止部材と同様シェル(20)に取付けられているが、封止部材(30)は円錐形に似た内部形状を有しており、ブレンダが図に示された位置に停止された場合に粉末を垂直下方へ排出するに適した弁を備えた小孔(32)を有している。
【0006】
また、ブレンダはそれがシェル(20)の両側に設けられた軸受(34)及び(36)に装着されていることにより水平軸線(C)の周りに回転する。円筒形のヒータハウジング(38)がシェル(20)の壁に溶接されており、シェル(20)の内部より外部へ延在している。ヒータハウジング(38)内にはヒータ(60)が配置されている。ヒータハウジング(38)にはフランジを備えたシャフト(40)がボルト締結されており、シェル(20)が軸受(36)に支持された状態にて回転することを可能ならしめる中空シャフトを与えている。シェル(20)の反対側にはヒータハウジング(38)と同様にガスチューブハウジング(42)がシェル(20)に溶接されている。ガスチューブハウジング(42)は大径の冷却ジャケット部(54)と軸受(34)により支持されたシャフトを構成する小径部(44)とを有している。モータ(43)がガスチューブハウジング(42)のシャフト部に固定されたギア(47)を回転駆動するようになっている。かくしてブレンダはその水平軸線Cの周りに回転する。
【0007】
そして、ガスチューブ(45)がガスチューブハウジング(42)内に回転可能に配置されている。ガスチューブ(45)はシェル(20)の内部にガスを導入し又はシェル(20)の内部よりガスを排出することを可能成らしめる内部通路(46)を有している。ガスチューブ(45)のフランジを備えた外端部(48)は真空ポンプ、不活性ガス供給源、又はシェル以外の他の固定点に接続されている。ガスチューブ(45)の内端部(50)はブレンダの回転軸(C)に対しある角度にて上方へ湾曲されており、該内端部には粉末が内部通路部(46)へ侵入することを阻止すべくエンドキャップ(52)が設けられている。ガスチューブ(45)は水冷式のハウジング内に設けられた軸受(56)及び(56‘)により支承されている(簡明化の目的でスリップリング接続部及び水導管は省略されている。また、軸受(56’)にはガスシールが設けられている)。かくしてシェル(20)が回転しても、ガスチューブは静止状態に留まり、ガスチューブ(45)の内端部(50)は常に上向きの状態を維持する。重力作用により粉末の塊(18)はブレンダの中心線よりも下方に維持されるので、内端部(50)は常に粉末層よりも上方に存在する。
【0008】
また、ガスチューブ(45)は粉末の塊(18)の温度を測定する手段を与えている。図5の従来例に於いては、シールされた金属スリーブの内部に配置されたサーミスタの如き温度プローブ(58)がガスチューブ(45)の内端部(50)とは実質的に反対の方向へガスチューブ(45)より下方へある角度にて突出している。温度プローブ(58)への導線(48)がガスチューブ(45)の内部通路内をシェル(20)の外部まで延在している。
【0009】
斯くして、特許文献2の発明の一つの目的は、金属粉末を混合すると共に脱ガスし得るV型混合機を提供するものであり、このための機構として、前記ガスチューブハウジング(42)内に回転可能にガスチューブ(45)が配置されており、該ガスチューブ(45)は、シェル(20)の内部にガスを導入し、又はシェル(20)の内部よりガスを排出することを可能成らしめる内部通路(46)を有している。そして、ガスチューブ(45)のフランジを備えた外端部(48)は真空ポンプ、不活性ガス供給源、又はシェル以外の他の固定点に接続され、ガスチューブ(45)の内端部(50)は、ブレンダの回転軸(C)に対してある角度を有して上方へ湾曲した形状で、内端部の先端部には粉末が内部通路部(46)へ侵入することを阻止すべくエンドキャップ(52)が設けられているとしている。
【0010】
然しながら、図5に示す特許文献2の発明は、シェル(20)を回転させるためのガスチューブハウジング(42)は大径の冷却ジャケット部(54)と軸受(34)により支持されたシャフトを構成しており、該ガスチューブハウジング(42)内には、ガスシールを介して回転しないガスチューブ(45)が設けられ、該ガスチューブ(45)はシェル(20)の内部にガスを導入し、又はシェル(20)の内部よりガスを排出することを可能成らしめる内部通路(46)を有しているとともに、ガスチューブ(45)の内端部(50)は、ブレンダの回転軸(C)に対してある角度を有して上方へ湾曲した形状で、内端部の先端部には粉末が内部通路部(46)へ侵入することを阻止すべくエンドキャップ(52)が設けられている他、サーミスタの如き温度プローブ(58)がガスチューブ(45)の内端部(50)とは実質的に反対の方向へガスチューブ(45)より下方へある角度にて突出している複雑な構成をしているので、真空ポンプを使用しなければガスを排出できず、更には真空ポンプの排気能力以上のシェル(20)の突然の圧力上昇には確実、且つ迅速に対応できない欠点を有している。
【0011】
また、ガスチューブハウジング(42)の構造は、大径の冷却ジャケット部(54)やガスシールを介してのガスチューブ(45)、該ガスチューブ(45)内に設けた内部通路部(46)及び温度プローブ(58)への導線(48)等、軸シール部材やパッキン部材を用いた2重または3重回転軸構造を構成しており、該ガスチューブハウジング(42)部分における故障や、ガスチューブハウジング(42)のシール部分やパッキン部分がコンタミネーション(contamination)の発生原因を作り出す欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実開昭59−184925号公報
【特許文献2】特開昭61−67701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
斯くして、本発明は、回転するダブルコーン型やV型、並びに斜円筒型を有する密閉容器内部に液体や空気を連続的に注入する容器回転型混合機において、前記回転する密閉容器内に液体や空気を連続的に注入する流路とは分離して、自動排気バルブを設けることにより、液体や空気の注入による密閉容器内の圧力上昇を確実、且つ迅速に押さえることができる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0014】
また、本発明において、回転する密閉容器内に注入する液体とは水や油、香料などが対象であり、また、回転する密閉容器内に注入する気体とは空気や不活性ガスなどが対象で、該液体や気体の密閉容器内への注入は常に回転密閉容器内の圧力上昇を抑えた状態にて、回転密閉容器内に設けられるスプレーノズルを用いて被混合物に連続的に注入、噴霧することにより均一な加液分散混合物や不活性雰囲気を得ることのできる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0015】
更に、本発明は、回転する密閉容器内に液体や空気を連続的に注入する流路とは分離して、自動排気バルブを有する内圧排気口を設ける構造とすることにより、例えば特許文献2の発明のガスチューブハウジングの如く密閉容器内に導入、設置する種々の機構を複雑に配置した従来装置に比較して、故障の少ないシンプルな装置を提供できる他、前記従来装置のガスチューブハウジングのシール部分をエアーシールに改良し、パッキン部分をなくすことにより、コンタミネーションの発生原因を抑制した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は任意に密閉可能な密閉容器内にあらかじめ被混合物を導入し該密閉容器を回転させながら液体や気体を連続的に注入することにより密閉容器内の被混合物と前記注入液体の均一な混合や不活性雰囲気で混合するタイプの容器回転型混合機において、前記密閉容器は駆動モータに連結された回転軸により支承されており、該密閉容器は回転軸の中心軸上で回転可能で、該回転する密閉容器本体の外形部や筒体には密閉容器本体の外部と連通する開口部を設け、該開口部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設し、該配設した内圧排気口の位置を前記密閉容器の回転軸または回転する密閉容器本体に取り付けた位置検知センサーにより感知可能に構成し、該内圧排気口の位置が回転する密閉容器の中心軸より上向きのときに内圧排気口の排気バルブを開口してエアー抜きを行い密閉容器内の圧力上昇を抑える容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0017】
また、本発明において、前記回転する密閉容器の形状は、ダブルコーン型の外形部を有する密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型の密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する密閉容器本体の外形部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0018】
更に、本発明において、前記回転する密閉容器の形状は、V型の筒体を有する密閉容器本体を形成し、該V型の密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する密閉容器本体の筒体に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0019】
そして、本発明において、前記回転する密閉容器の形状は、ダブルコーン型やV型の外形部や筒体を有する密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型やV型の密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する密閉容器本体の被混合物導入口密閉蓋部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を併設配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供する。
【0020】
また、本発明の他の実施例において、前記回転する密閉容器の形状は、ダブルコーン型やV型の外形部や筒体を有する密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型やV型の密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する密閉容器本体の混合物排出口密閉蓋を排気バルブとして兼用し、該混合物排出口密閉蓋兼排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を併設配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供する。
【発明の効果】
【0021】
斯くして、本発明は、回転するダブルコーン型やV型、並びに斜円筒型を有する密閉容器内部に液体や空気を連続的に注入する容器回転型混合機において、回転する密閉容器内に液体や空気を連続的に注入する流路とは分離して、排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を設けることにより、密閉容器の回転操作中において液体や空気の注入による密閉容器内の圧力上昇を確実、且つ迅速に押さえることができる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供可能である。
【0022】
また、本発明において、回転する密閉容器内に注入する液体とは水や油、香料などが対象であり、また、回転する密閉容器内に注入する気体とは空気や不活性ガスなどが対象で、該液体や気体の密閉容器内への注入は常に回転密閉容器内の圧力上昇を内圧排気口の開閉動作にておいて抑えることができ、回転密閉容器内に回転軸内径部を介して設けられたスプレーノズルを用いて被混合物に連続的に注入、噴霧することにより均一な加液分散混合物を得ることのできる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供可能である。
【0023】
更に、本発明は、回転する密閉容器内に液体や気体を連続的に注入する流路とは分離して、回転密閉容器の外形部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を設けることにより、例えば特許文献2の発明のガスチューブハウジングのような回転軸の如く、回転密閉容器内に導入、設置する種々の機構を複雑に配置した従来装置に比較して、故障の少ないシンプルな装置を提供できる他、前記従来装置のガスチューブハウジングの様な回転軸部のシール部分をエアーシールに改良して、コンタミネーションの発生原因を抑制した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供可能である。
【0024】
そして、本発明は、前記特許文献2の発明の如く回転密閉容器内部に排気フィルターを設け、該排気フィルターの排気管をガスチューブハウジングのような回転軸部を介して外部に設けた真空ポンプに接続して回転密閉容器内の気圧を吸引する必要がないので、真空ポンプが不要となり、且つ、回転密閉容器を耐圧性能の高い容器とする必要がないので製造コストが安価で安全性の高い容器回転型混合機を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施例1を示す説明図。
図2】本発明の実施例2を示す説明図。
図3】本発明の実施例3を示す説明図。
図4】(A)本発明の実施例4を示す説明図。 (B)図4(A)の要部拡大図。
図5】従来例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、回転するダブルコーン型やV型、並びに斜円筒型を有する密閉容器内部に液体や空気を連続的に注入する容器回転型混合機において、前記回転する密閉容器内に液体や空気を連続的に注入する流路とは分離して、自動排気バルブを設けることにより、液体や空気の注入による密閉容器内の圧力上昇を確実、且つ迅速に押さえることができる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0027】
本発明において、回転する密閉容器内に注入する液体とは水や油、香料などが対象であり、また、回転する密閉容器内に注入する気体とは空気や不活性ガスなどが対象で、該液体や気体の密閉容器内への注入は常に回転密閉容器内の圧力上昇を抑えた状態にて、回転密閉容器内に設けられるスプレーノズルを用いて被混合物に連続的に注入、噴霧することにより均一な加液分散混合物や不活性雰囲気を得ることのできる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0028】
而して、本発明は、回転する密閉容器内に液体や空気を連続的に注入する流路とは分離して、自動排気バルブを有する内圧排気口を設ける構造とすることにより、例えば特許文献2の発明のガスチューブハウジングの如く密閉容器内に導入、設置する種々の機構を複雑に配置した従来装置に比較して、故障の少ないシンプルな装置を提供できる他、前記従来装置のガスチューブハウジングのシール部分やパッキン部分をエアーシールに改良して、コンタミネーションの発生原因を抑制した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供するものである。
【0029】
本発明は任意に密閉可能な密閉容器内にあらかじめ被混合物を導入し該密閉容器を回転させながら液体や気体を連続的に注入することにより密閉容器内の被混合物と前記注入液体の均一な混合や不活性雰囲気で混合するタイプの容器回転型混合機において、前記密閉容器は駆動モータに連結された回転軸により支承されており、該密閉容器は回転軸の中心軸上で回転可能で、該回転する密閉容器本体の外形部や筒体には密閉容器本体の外部と連通する開口部を設け、該開口部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設し、該配設した内圧排気口の位置を前記密閉容器の回転軸または回転する密閉容器本体に取り付けた位置検知センサーにより感知可能に構成し、該内圧排気口の位置が回転する密閉容器の中心軸より上向きのときに内圧排気口の排気バルブを開口してエア抜きを行い密閉容器内の圧力上昇を抑える構成の容器回転型混合機における容器内圧力調整機構であることが好ましい。
【0030】
また、本発明において、前記回転する密閉容器の形状は、ダブルコーン型の外形部を有する密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型の密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する密閉容器本体の外形部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構であることが好ましい。
【0031】
更に、本発明において、前記回転する密閉容器の形状は、V型の筒体を有する密閉容器本体を形成し、該V型の密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する密閉容器本体の筒体に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構であることが好ましい。
【0032】
そして、本発明において、前記回転する密閉容器の形状は、ダブルコーン型やV型の外形部や筒体を有する密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型やV型の密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する密閉容器本体の被混合物導入口密閉蓋部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を併設配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構であることが好ましい。
【0033】
また、本発明の他の実施例において、前記回転する密閉容器の形状は、ダブルコーン型やV型の外形部や筒体を有する密閉容器本体を形成し、該ダブルコーン型やV型の密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する密閉容器本体の混合物排出口密閉蓋を排気バルブとして兼用し、該混合物排出口密閉蓋兼排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を併設配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構であることが好ましい。
【0034】
斯くして、本発明は、回転するダブルコーン型やV型、並びに斜円筒型を有する密閉容器内部に液体や空気を連続的に注入する容器回転型混合機において、回転する密閉容器内に液体や空気を連続的に注入する流路とは分離して、排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を設けることにより、密閉容器の回転操作中において液体や空気の注入による密閉容器内の圧力上昇を確実、且つ迅速に押さえることができる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供できる。
【0035】
また、本発明において、回転する密閉容器内に注入する液体とは水や油、香料などが対象であり、また、回転する密閉容器内に注入する気体とは空気や不活性ガスなどが対象で、該液体や気体の密閉容器内への注入は常に回転密閉容器内の圧力上昇を内圧排気口開閉動作にておいて抑えることができ、回転密閉容器内に回転軸内径部を介して設けられたスプレーノズルを用いて被混合物に連続的に注入、噴霧することにより均一な加液分散混合物や不活性雰囲気を得ることのできる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供できる。
【0036】
更に、本発明は、回転する密閉容器内に液体や気体を連続的に注入する流路とは分離して、回転密閉容器の外形部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を設けることにより、例えば特許文献2の発明のガスチューブハウジングのような回転軸の如く、回転密閉容器内に導入、設置する種々の機構を複雑に配置した従来装置に比較して、故障の少ないシンプルな装置を提供できる他、前記従来装置のガスチューブハウジングの様な回転軸部のシール部分をエアーシールに改良して、コンタミネーションの発生原因を抑制した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供できる。
【0037】
そして、本発明は、前記特許文献2の発明の如く回転密閉容器内部に排気フィルターを設け、該排気フィルターの排気管をガスチューブハウジングのような回転軸部を介して外部に設けた真空ポンプに接続して回転密閉容器内の気圧を吸引する必要がないので、真空ポンプが不要となり、且つ、回転密閉容器を耐圧性能の高い容器とする必要がないので製造コストが安価で安全性の高い容器回転型混合機を提供できるものである。
【実施例1】
【0038】
図1は、本発明の実施例1を示す説明図であり、図1において、1は回転密閉容器本体、該回転密閉容器本体1はコーン形状の円錐外形部2a、2bを中央部で一体化したダブルコーン型の外形部を有する回転密閉容器本体であり、該ダブルコーン型の円錐外形部2aの円錐頂部には回転密閉容器本体1内に被混合物(図示せず)を導入するための被混合物の導入口3を設けており、他のダブルコーン型の円錐外形部2bの円錐頂部には処理済み混合物を排出するための処理済み混合物の排出口4が設けられている。
【0039】
而して、前記コーン形状の円錐外形部2a、2bと被混合物導入口3と処理済み混合物排出口4からなる回転密閉容器本体1は、中心軸C(水平軸)上で回転する回転軸5a、5bにより支承され、該回転軸5a、5bは架台6上に設けられた軸受け7a、7bにて回転可能に支持されおり、回転軸5a側には駆動モータ8よりベルト9を介して動力が伝達されて前記回転密閉容器本体1が回転可能であり、他端の回転軸5bは、軸受け7bにて回転可能に支持されていて、前記回転密閉容器本体1の片側を回転可能に支承している。
【0040】
また、他端の回転軸5bの内径部には非回転シャフト10が外部側より前記回転密閉容器本体1内部にまで貫通して設けられており、該非回転シャフト10の内導管11は回転密閉容器本体1内部で前記中心軸Cの上方にある角度を有して湾曲しており、その先端部にスプレーノズル12を設けている。前記非回転シャフト10の内導管11の他端は、外部に設けられた液体または気体導入ボンベ13に、電磁弁14や液体または気体中のゴミ取り用機器となるストレーナ15、そして安全弁16を介して連繋しており、回転密閉容器本体1が回転動作中において、任意に電磁弁14を操作して、液体または気体導入ボンベ13内の混合剤を回転密閉容器本体1内に連続して噴霧、注入することができる。
【0041】
尚、図1において、17はエアーシールであり、該エアーシール17は、前記回転軸5bと該回転軸5bの内径部を貫通する非回転シャフト10の内導管11間をシールするためのシール機構である。エアーシール17は、外部側に設けられた圧縮空気ボンベ18に電磁弁19、圧力計20、安全弁21を介して連繋されており、前記回転密閉容器本体1が回転動作中において、任意に電磁弁19を操作して圧縮空気をエアーシール17内に送りこみ回転密閉容器本体1内と外部間の軸シール部分において、コンタミネーションの発生を抑えて良好な容器回転型混合機を提供する。
【0042】
そして、前記回転軸5bの軸受け7bには位置検知センサー22が取付けられており、該位置検知センサー22は、回転軸5bの回転角度信号を感知し、該信号はロータリージョイント(図示せず)を介して前記回転密閉容器本体1のダブルコーン型の円錐外形部2aに配設された排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25における排気バルブ23のアクチュエータ26に入力され、該内圧排気口25の位置が回転する回転密閉容器本体1の中心軸Cより上向き方向にあるときに内圧排気口25の排気バルブ23を開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体1内の圧力上昇を自動的に抑えるものである。
【0043】
従って、前記排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25の円錐外形部2aへの取付け位置は、混合処理終了後、回転密閉容器本体1を処理済み混合物排出位置(例えば図1に示す状態)にて停止させた際に該排気バルブ23内に混合物が残留しないように回転密閉容器本体1の円錐頂部に設けられた被混合物導入口3の開口部中心線aより内圧排気口25への取付け中心線bが略45度以上の傾斜を持ち、且つ、前記回転密閉容器本体1の回転軸5a、5bの中心軸Cより最大限外部側に位置する円錐外形部2a上に配設されている。
【0044】
斯くして、実施例1は、任意に密閉可能な回転密閉容器本体1内にあらかじめ被混合物を導入し該回転密閉容器本体1を回転させながら液体や気体を連続的に注入することにより回転密閉容器本体1内の被混合物と前記注入液体の均一な混合や不活性雰囲気で混合するタイプの容器回転型混合機において、前記回転密閉容器本体1は駆動モータ8に連結された回転軸5a、5bにより支承されており、該回転密閉容器本体1は回転軸5a、5bの中心軸C上で回転可能であり、該回転密閉容器本体1の円錐外形部2aには回転密閉容器本体1の外部と連通する開口部を設け、該開口部に排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25を配設し、該配設した内圧排気口25の位置を前記回転密閉容器本体1の回転軸5bに取り付けた位置検知センサー22により感知可能に構成し、該内圧排気口25の位置が回転する回転密閉容器本体1の中心軸Cより上向きのときに内圧排気口25の排気バルブ23を開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体1内の圧力上昇を抑える容器回転型混合機における容器内圧力調整機構である。
【0045】
また、実施例1において、前記回転密閉容器本体1の形状はダブルコーン型の円錐外形部2a、2bを有する回転密閉容器本体1を形成し、該ダブルコーン型の回転密閉容器本体1を支承する回転軸5a、5bの中心軸Cより最大限外部側に位置する回転密閉容器本体1の円錐外形部2aに排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25を配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構でもある。
【実施例2】
【0046】
図2は、本発明の実施例2を示す説明図であり、図2において、1は回転密閉容器本体、該回転密閉容器本体1は円筒形状の筒体27a、27bをV型に接続して一体化した回転密閉容器本体であり、該V型を形成する筒体27a、27bの頂部には回転密閉容器本体1内に被混合物(図示せず)を導入するための被混合物の導入口3a、3bを設けており、V型の底辺部には処理済み混合物を排出するための処理済み混合物の排出口4が設けられている。
【0047】
而して、前記V型形状の筒体27a、27bと被混合物導入口3と処理済み混合物排出口4からなる回転密閉容器本体1は、中心軸C(水平軸)上で回転する回転軸5a、5bにより支承され、該回転軸5a、5bは架台6上に設けられた軸受け7a、7bにて回転可能に支持されおり、回転軸5a側には駆動モータ8よりベルト9を介して動力が伝達されて前記回転密閉容器本体1が回転可能であり、他端の回転軸5bは、軸受け7bにて回転可能に支持されていて、前記回転密閉容器本体1を回転可能に支承している。
【0048】
また、他端の回転軸5bの内径部には非回転シャフト10が外部側より前記回転密閉容器本体1内部にまで貫通して設けられており、該非回転シャフト10の内導管11は回転密閉容器本体1内部で前記中心軸Cの上方にある角度を有して湾曲しており、その先端部にスプレーノズル12を設けている。そして、前記非回転シャフト10の内導管11の他端は、外部に設けられた液体または気体導入ボンベ13に電磁弁14、ストレーナ15、安全弁16を介して連繋しており、回転密閉容器本体1が回転動作中において、任意に電磁弁14を操作して、液体または気体導入ボンベ13内の混合剤を回転密閉容器本体1内に連続して噴霧、注入することができる。
【0049】
尚、図2において、17はエアーシールであり、該エアーシール17は、前記回転軸5bと該回転軸5bの内径部を貫通する非回転シャフト10の内導管11間をシールするためのシール機構である。エアーシール17は、外部側に設けられた圧縮空気ボンベ18に電磁弁19、圧力計20、安全弁21を介して連繋されており、前記回転密閉容器本体1が回転動作中において、任意に電磁弁19や安全弁21を操作して圧縮空気をエアーシール17内に送りこみ回転密閉容器本体1内と外部間の軸シールにおいて、コンタミネーションの発生を抑えて良好な容器回転型混合機を提供する。
【0050】
そして、前記筒体27aの回転軸5a近辺には位置検知センサー22が取付けられており、該位置検知センサー22は、V型形状の回転密閉容器本体1の回転角度信号を感知し、該信号はロータリージョイント(図示せず)を介して前記回転密閉容器本体1のV型の筒体27aの頂部付近に配設された排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25における排気バルブ23のアクチュエータ26に入力され、該内圧排気口25の位置が回転する回転密閉容器本体1の中心軸Cより上向き方向にあるときに内圧排気口25の排気バルブ23を開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体1内の圧力上昇を自動的に抑えるものである。
【0051】
従って、前記排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25の筒体27aへの取付け位置は、前記回転密閉容器本体1の回転軸5a、5bの中心軸Cより最大限外部側に位置する筒体27a上に配設されている。
【0052】
斯くして、実施例2は、任意に密閉可能な回転密閉容器本体1内にあらかじめ被混合物を導入し該回転密閉容器本体1を回転させながら液体や気体を連続的に注入することにより回転密閉容器本体1内の被混合物と前記注入液体の均一な混合や不活性雰囲気で混合するタイプの容器回転型混合機において、前記回転密閉容器本体1は駆動モータ8に連結された回転軸5a、5bにより支承されており、該回転密閉容器本体1は回転軸5a、5bの中心軸C上で回転可能であり、該回転密閉容器本体1の外形部となる筒体27aには回転密閉容器本体1の外部と連通する開口部を設け、該開口部に排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25を配設し、該配設した内圧排気口25の位置を常に回転する回転密閉容器本体1に取り付けた位置検知センサー22により感知可能に構成し、該内圧排気口25の位置が回転する回転密閉容器本体1の中心軸Cより上向きのときに内圧排気口25の排気バルブ23を開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体1内の圧力上昇を抑える容器回転型混合機における容器内圧力調整機構である。
【0053】
そして、実施例2において、前記回転密閉容器本体1の形状はV型の筒体27a、27bを有する回転密閉容器本体1を形成し、該V型の回転密閉容器本体1を支承する回転軸5a、5bの中心軸Cより最大限外部側に位置する回転密閉容器本体1の筒体27aに排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25を配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構でもある。
【実施例3】
【0054】
図3は、本発明の実施例3を示す説明図であり、図3において、1は回転密閉容器本体、該回転密閉容器本体1は円筒形状の筒体27a、27bをV型に接続して一体化した筒体27a、27bを有する回転密閉容器本体であり、該V型を形成する筒体27a、27bの頂部には回転密閉容器本体1内に被混合物(図示せず)を導入するための被混合物の導入口3a、3bを設けており、V型の底辺部には処理済み混合物を排出するための処理済み混合物の排出口4が設けられている。
【0055】
而して、前記V型形状の筒体27a、27bと被混合物導入口3と処理済み混合物排出口4からなる回転密閉容器本体1は、中心軸C(水平軸)上で回転する回転軸5a、5bにより支承され、該回転軸5a、5bは架台6上に設けられた軸受け7a、7bにて回転可能に支持されおり、回転軸5b側には駆動モータ8bよりベルト9bを介して動力が伝達されて前記回転密閉容器本体1が回転可能であり、該回転軸5aの同軸上には駆動モータ8aよりベルト9aを介して動力が伝達されて回転軸5aとは逆方向に回転するチョッパー28がエアーシール17を介して前記回転密閉容器本体1内部に設けられており、該チョッパー28の回転は、前記被混合物を回転密閉容器本体1内にて攪拌混合する役割を担っている。
【0056】
また、回転軸5b側には駆動モータ8bよりベルト9bを介して動力が伝達されて回転密閉容器本体1が回転可能に構成されており、該回転軸5bの内径部には非回転シャフト10が外部側より前記回転密閉容器本体1内部にまで貫通して設けられており、該非回転シャフト10の内導管11は回転密閉容器本体1内部で前記中心軸Cの上方にある角度を有して湾曲しており、その先端部にスプレーノズル12を設けている。そして、前記非回転シャフト10の内導管11の他端は外部に設けられた液体または気体導入ボンベ13に電磁弁14、ストレーナ15、安全弁16を介して連繋しており、回転密閉容器本体1が回転動作中において、任意に電磁弁14を操作して、液体または気体導入ボンベ13内の混合剤を回転密閉容器本体1内に連続して噴霧、注入することができる。
【0057】
尚、17はエアーシールであり、該エアーシール17は、前記回転軸5aのチョッパー28と、回転軸5bの内径部を貫通する非回転シャフト10の内導管11間をシールするためのシール機構であり、図3における二つのエアーシール17、17は、外部側に設けられた圧縮空気ボンベ18に電磁弁19、圧力計20、安全弁21を介して連繋されており、前記回転密閉容器本体1が回転動作中において、任意に電磁弁19や安全弁21を操作して圧縮空気をエアーシール17内に送りこみ回転密閉容器本体1内と外部間の軸シール部分において、コンタミネーションの発生を抑えて良好な容器回転型混合機を提供する。
【0058】
そして、前記筒体27aの回転軸5a近辺には位置検知センサー22が取付けられており、該位置検知センサー22は、V型形状の回転密閉容器本体1の回転角度信号を感知し、該信号はロータリージョイント(図示せず)を介して前記回転密閉容器本体1のV型の筒体27aの頂部付近に配設された排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25における排気バルブ23のアクチュエータ26に入力され、該内圧排気口25の位置が回転する回転密閉容器本体1の中心軸Cより上向き方向にあるときに内圧排気口25の排気バルブ23を開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体1内の圧力上昇を自動的に抑えるものである。
【0059】
従って、前記排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25の筒体27aへの取付け位置は、前記回転密閉容器本体1の回転軸5a、5bの中心軸Cより最大限外部側に位置する筒体27a上に配設されている。
【0060】
斯くして、実施例3は、任意に密閉可能な回転密閉容器本体1内にあらかじめ被混合物を導入し該回転密閉容器本体1を回転させながら液体や気体を連続的に注入することにより回転密閉容器本体1内の被混合物と前記注入液体の均一な混合や不活性雰囲気で混合するタイプの容器回転型混合機において、前記回転密閉容器本体1は駆動モータ8に連結された回転軸5a、5bにより支承されており、該回転密閉容器本体1は回転軸5a、5bの中心軸C上で回転可能であり、該回転密閉容器本体1の筒体27aの被混合物導入口密閉蓋部29には回転密閉容器本体1の外部と連通する開口部を設け、該開口部に排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25を配設し、該配設した内圧排気口25の位置を常に回転する回転密閉容器本体1に取り付けた位置検知センサー22により感知可能に構成し、該内圧排気口25の位置が回転する回転密閉容器本体1の中心軸Cより上向きのときに内圧排気口25の排気バルブ23を開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体1内の圧力上昇を抑える容器回転型混合機における容器内圧力調整機構である。
【0061】
また、実施例3において、前記回転密閉容器本体1の形状は、ダブルコーン型やV型の筒体27a、27bを有する回転密閉容器本体1を形成し、該ダブルコーン型やV型の回転密閉容器本体を支承する回転軸の中心軸より最大限外部側に位置する回転密閉容器本体1の被混合物導入口密閉蓋部29に排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25を併設配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構でもある。
【実施例4】
【0062】
図4(A)は、本発明の実施例4を示す説明図であり、図4(B)は図4(A)における処理済み混合物の排出口4部分の拡大説明図である。図4(A)、(B)において、1は回転密閉容器本体、該回転密閉容器本体1は円筒形状の筒体27a、27bをV型に接続して一体化した回転密閉容器本体であり、該V型を形成する筒体27a、27bの頂部には回転密閉容器本体1内に被混合物(図示せず)を導入するための被混合物の導入口3a、3bを設けており、V型の底辺部には処理済み混合物を排出するための混合物排出口密閉蓋29が設けられている。
【0063】
前記V型形状の筒体27a、27bと被混合物の導入口3a、3b及び混合物排出口密閉蓋29からなる回転密閉容器本体1は、中心軸C上で回転する回転軸5a、5bにより支承され、該回転軸5a、5bは架台6上に設けられた軸受け7a、7bにて回転可能に支持されおり、回転軸5a側には駆動モータ8よりベルト9を介して動力が伝達されて前記回転密閉容器本体1が回転可能であり、他端の回転軸5bは、軸受け7bにて回転可能に支持されていて、前記回転密閉容器本体1を回転可能に支承している。
【0064】
また、他端の回転軸5bの内径部には非回転シャフト10が外部側より前記回転密閉容器本体1内部にまで貫通して設けられており、該非回転シャフト10の内導管11は回転密閉容器本体1内部で前記中心軸Cの上方にある角度を有して湾曲しており、その先端部にスプレーノズル12を設けている。そして、前記非回転シャフト10の内導管11の他端は、外部に設けられた液体または気体導入ボンベ13に電磁弁14、ストレーナ15、安全弁16を介して連繋しており、回転密閉容器本体1が回転動作中において、任意に電磁弁14を操作して、液体または気体導入ボンベ13内の混合剤を回転密閉容器本体1内に連続して噴霧、注入することができる。
【0065】
尚、図4(A)において、17はエアーシールであり、該エアーシール17は、前記回転軸5bと該回転軸5bの内径部を貫通する非回転シャフト10の内導管11間をシールするためのシール機構である。エアーシール17は、外部側に設けられた圧縮空気ボンベ18に電磁弁19a、19b、19c、圧力計20、安全弁21を介して連繋されており、該電磁弁19aはエアーシール17における軸シール用エアーの電磁弁、19b、19は排気バルブ23のアクチュエータ駆動用の電磁弁であり、前記回転密閉容器本体1が回転動作中において、任意に電磁弁19aを操作して圧縮空気をエアーシール17内に送りこみ回転密閉容器本体1内と外部間の軸シールにおいて、コンタミネーションの発生を抑えて良好な容器回転型混合機を提供する。
【0066】
また、前記回転軸5bには位置検知センサー22が取付けられており、該位置検知センサー22は、回転軸5bの回転により回転密閉容器本体1の回転角度信号を関知し、該信号は電磁弁19b、19cに入力され任意に電磁弁19b、19cを操作することにより、ロータリージョイント(図示せず)を介して送られるエアーにより前記回転密閉容器本体1の混合物排出口密閉蓋29に配設された排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25における排気バルブ23のアクチュータ26を操作して、該内圧排気口25の位置が回転する回転密閉容器本体1の中心軸Cより上向き方向にあるときに内圧排気口25の排気バルブ23を開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体1内の圧力上昇を自動的に抑えるものである。
【0067】
図4(B)は、混合物排出口密閉蓋29部分の拡大断面図であり、30は前記筒体27a、27bが一体化されて形成した回転密閉容器下部、23は排気バルブ、24はフィルター、26は排気バルブのアクチュエータであり、前記回転密閉容器下部30と排気バルブ23は夫々の縁部に設けられたリブを介して固定バンド31にて着脱自在に締結されており、また、排気バルブ23上部とフィルター24は夫々の縁部に設けられたリブを介して固定バンド33にて着脱自在に締結されている。従って、実施例4における排気バルブ23とフィルター24は前記混合物排出口密閉蓋29の密閉蓋の役割を果たしており、前記排気バルブ23とフィルター24からなる内圧排気口25の混合物排出口密閉蓋29への取付け位置は、前記回転密閉容器本体1の回転軸5a、5bの中心軸Cより最大限外部側に位置する回転密閉容器下部30に配設されている。
【0068】
斯くして、実施例4は、任意に密閉可能な回転密閉容器本体1内にあらかじめ被混合物を導入し該回転密閉容器本体1を回転させながら液体や気体を連続的に注入することにより回転密閉容器本体1内の被混合物と前記注入液体の均一な混合や不活性雰囲気で混合するタイプの容器回転型混合機において、前記回転密閉容器本体1は駆動モータ8に連結された回転軸5a、5bにより支承されており、該回転密閉容器本体1は回転軸5a、5bの中心軸C上で回転可能であり、該回転密閉容器本体1の処理済み混合物の排出口4の混合物排出口密閉蓋29を排気バルブ23として兼用し、その混合物排出口密閉蓋兼排気バルブ33には、混合物排出口密閉蓋兼排気バルブ33とフィルター24からなる内圧排気口25を配設し、該配設した内圧排気口25の位置を常に回転する回転密閉容器本体1に取り付けた位置検知センサー22により感知可能に構成し、該内圧排気口25の位置が回転する回転密閉容器本体1の中心軸Cより上向きのときに内圧排気口25の排気バルブ23を開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体1内の圧力上昇を抑える容器回転型混合機における容器内圧力調整機構である。
【0069】
また、実施例4は、流動性の悪い紛体混合において、前記実施例1〜3の如く排気バルプの直径が細い際に発生すると予見される排気バルプ23内への被混合物の詰まりを回避するための容器回転型混合機における容器内圧力調整機構である。
【0070】
更に、実施例4は、回転密閉容器本体1の形状において、前記ダブルコーン型やV型の外形部や筒体を有する回転密閉容器本体1を形成し、該ダブルコーン型やV型の回転密閉容器本体1を支承する回転軸5a、5bの中心軸Cより最大限外部側に位置する回転密閉容器本体1の混合物排出口密閉蓋29を排気バルブ23として兼用し、該混合物排出口密閉蓋兼排気バルブ33として兼用し、該混合物排出密閉蓋兼排気バルブ33とフィルター24からなる内圧排気口25を併設配設した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構でもある。
【0071】
斯くして、本発明は、回転するダブルコーン型やV型、並びに斜円筒型を有する密閉容器内部に液体や空気を連続的に注入する容器回転型混合機において、回転する密閉容器内に液体や空気を連続的に注入する流路とは分離して、排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を設けることにより、密閉容器の回転操作中において液体や空気の注入による密閉容器内の圧力上昇を確実、且つ迅速に押さえることができる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供可能である。
【0072】
また、本発明において、回転する密閉容器内に注入する液体とは水や油、香料などが対象であり、また、回転する密閉容器内に注入する気体とは空気や不活性ガスなどが対象で、該液体や気体の密閉容器内への注入は常に回転密閉容器内の圧力上昇を内圧排気口開閉動作にておいて抑えることができ、回転密閉容器内に回転軸内径部を介して設けられたスプレーノズルを用いて被混合物に連続的に注入、噴霧することにより均一な加液分散混合物や不活性雰囲気を得ることのできる容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供可能である。
【0073】
更に、本発明は、回転する密閉容器内に液体や気体を連続的に注入する流路とは分離して、回転密閉容器の外形部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を設けることにより、例えば特許文献2の発明のガスチューブハウジングのような回転軸の如く、回転密閉容器内に導入、設置する種々の機構を複雑に配置した従来装置に比較して、故障の少ないシンプルな装置を提供できる他、前記従来装置のガスチューブハウジングの様な回転軸部のシール部分やパッキン部分をエアーシールに改良して、コンタミネーションの発生原因を抑制した容器回転型混合機における容器内圧力調整機構を提供可能である。
【0074】
そして、本発明は、前記特許文献2の発明の如く回転密閉容器内部に排気フィルターを設け、該排気フィルターの排気管をガスチューブハウジングのような回転軸部を介して外部に設けた真空ポンプに接続して回転密閉容器内の気圧を吸引する必要がないので、真空ポンプが不要となり、且つ、回転密閉容器を耐圧性能の高い容器とする必要がないので製造コストが安価で安全性の高い容器回転型混合機を提供可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 回転密閉容器本体
2a、2b 円錐外形部
3、3a、3b 被混合物の導入口
4 処理済み混合物の排出口
5a、5b 回転軸
6 架台
7a、7b 軸受け
8 駆動モータ
9 ベルト
10 非回転シャフト
11 内導管
12 スプレーノズル
13 液体または気体導入ボンベ
14 電磁弁
15 ストレーナ
16 安全弁
17 エアーシール
18 圧縮空気ボンベ
19 電磁弁
19a 軸シール用エアーの電磁弁
19b アクチュエータ駆動用の電磁弁
19c アクチュエータ駆動用の電磁弁
20 圧力計
21 安全弁
22 位置検知センサー
23 排気バルブ
24 フィルター
25 内圧排気口
26 アクチュエータ
27a、27b 筒体
28 チョッパー
29 混合物排出口密閉蓋
30 回転密閉容器下部
31 固定バンド
32 固定バンド
33 混合物排出口密閉蓋兼排気バルブ
C 中心軸
a 被混合物導入口の開口部中心線
b 内圧排気口の取付け中心線
【要約】
【課題】ダブルコーン型やV型、並びに斜円筒型を有する密閉容器内部に液体や空気を連続的に注入する容器回転型混合機において、回転する密閉容器内に液体や空気を連続的に注入する流路とは分離して、自動排気バルブを設けることで、液体や空気の注入による密閉容器内の圧力上昇を確実、且つ迅速に押さえる。
【解決手段】回転密閉容器本体の外形部や筒体には密閉容器本体の外部と連通する開口部を設け、開口部に排気バルブとフィルターからなる内圧排気口を配設し、該配設した内圧排気口の位置を回転密閉容器本体の回転軸または回転する回転密閉容器本体に取り付けた位置検知センサーにより感知可能に構成し、該内圧排気口の位置が回転する回転密閉容器本体の中心軸より上向きのときに内圧排気口の排気バルブを自動開口してエアー抜きを行い回転密閉容器本体内の圧力上昇を抑える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5