(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る端末特定システムのハードウェア構成を示す模式図である。
【0022】
図1に示す端末特定システムは、主として、端末11及び12を含む複数の端末(通信端末)と、サーバ装置(端末特定装置)20とから構成される。
【0023】
図1に示す端末11及び12は、例えばスマートフォン、フィーチャー・フォン(feature phone)及びタブレット端末等を含み、例えば異なるユーザによって利用される。なお、
図1においては、端末21及び22以外の端末については省略されている。
【0024】
端末11及び12を含む複数の端末は、例えばインターネットのようなネットワーク30を介してサーバ装置20と通信可能に接続されている。
【0025】
サーバ装置20は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)のような外部記憶装置(図示せず)を備える。この外部記憶装置は、サーバ装置20のコンピュータによって実行されるプログラムを格納する。
【0026】
本実施形態において、サーバ装置20は、当該サーバ装置20と通信可能に接続される複数の端末の中から互いに相手方となる複数の端末(例えば、2つの端末)を特定する機能を有する。このようにサーバ装置20によって特定された複数の端末間では、各種情報の送受信(やりとり)を行うことができる。
【0027】
なお、本実施形態において、端末11及び12を含む複数の端末は、その機種固有のハードウェア構成、採用しているOS、インストールされているアプリケーションプログラム等が多岐に渡るものとし、サーバ装置20はそれら多様な端末に対応した各種アプリケーションプログラムを配信可能であるものとする。
【0028】
ここで、
図2及び
図3を参照して、
図1に示す端末11について説明する。
図2及び
図3では、便宜的に、端末11について説明するが、他の端末(例えば、端末12)についても同様である。
【0029】
図2は、端末11の外観を示す図である。なお、
図2では、端末11が例えばスマートフォンである場合を示している。
【0030】
端末11は、近接センサ100を備える。近接センサ100は、検出対象物の接近を検出する機能を有する。この近接センサ100により、例えば端末11及び12が互いに接近した場合に、端末11において端末12の接近を検出することができる。
【0031】
また、端末11は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)と通信を行うことによって、GPS衛星からの信号(GPS信号)を受信するGPS受信機を備える。
【0032】
また、端末11は、
図2には示されていないが、当該端末11の加速度を検出する加速度センサを内蔵している。端末11では、この加速度センサによって検出された加速度に基づき当該端末11の向き等を判別することが可能である。
【0033】
図3は、端末11の主として機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、端末11は、検出対象物検出部111、日時情報取得部112、位置情報取得部113、加速度検出部114、方向情報取得部115及び送受信部116を含む。
【0034】
なお、本実施形態において、これらの各部111〜116は、端末11内に予め格納されているプログラムを当該端末11のコンピュータが実行することにより実現されるものとする。このプログラムは、例えばネットワーク30を介して端末21にダウンロードされる。
【0035】
検出対象物検出部111は、端末11に備えられる近接センサを用いて、当該端末11に対する検出対象物の接近を検出する。具体的には、検出対象物検出部111は、例えば端末11及び12が互いに接近した場合に、当該端末12の接近を検出する。
【0036】
日時情報取得部112は、検出対象物検出部111によって端末12の接近が検出された場合、当該接近が検出された日時を示す情報(以下、日時情報と表記)を取得する。
【0037】
位置情報取得部113は、検出対象物検出部111によって端末12の接近が検出された場合、当該接近が検出された際の端末11の位置を示す情報(以下、位置情報と表記)を取得する。この場合、位置情報取得部113は、上述した全地球測位システムと通信することによって端末11に備えられるGPS受信機で受信されたGPS信号に基づいて位置情報を取得する。
【0038】
加速度検出部114は、検出対象物検出部111によって端末12の接近が検出された場合、端末11に備えられる加速度センサを用いて、端末11の加速度を検出する。
【0039】
方向情報取得部115は、加速度検出部114によって検出された加速度に基づいて、端末11の画面が向いている方向を判別する。方向情報取得部115は、判別された端末11の画面が向いている方向を示す方向情報を取得する。
【0040】
送受信部116は、サーバ装置20と各種情報を送受信するための機能部である。送受信部116は、日時情報取得部112によって取得された日時情報、位置情報取得部113によって取得された位置情報及び方向情報取得部115によって取得された方向情報をサーバ装置20に送信する。このとき、送受信部116は、端末11(を利用するユーザ)を識別する識別情報(以下、ユーザ識別子と表記)をこれらの情報とともに送信する。
【0041】
なお、ここでは端末11の構成について説明したが、上述したように端末12も同様の構成を有するものとする。以下、端末12の構成についても適宜
図2及び
図3を用いて説明する。なお、以下の説明では、例えば端末11に含まれる検出対象物検出部111については単に端末11の検出対象物検出部111と称し、端末12に含まれる検出対象物検出部111については単に端末12の検出対象物検出部111と称する。他の機能部等についても同様であるものとする。
【0042】
次に、
図4を参照して、
図1に示すサーバ装置20について説明する。
図4は、サーバ装置20の主として機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ装置20は、送受信部21、端末情報格納部22、端末特定部23及び情報取得部24を含む。
【0043】
本実施形態において、これらの送受信部21、端末特定部23及び情報取得部24は、サーバ装置20に備えられている外部記憶装置に格納されているプログラムを実行することにより実現されるものとする。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にあらかじめ格納して頒布可能である。また、このプログラムは、ネットワーク30を介してサーバ装置20にダウンロードされても構わない。また、端末情報格納部22は、サーバ装置20に備えられている外部記憶装置に格納される。
【0044】
送受信部21は、端末11及び12を含む複数の端末と各種情報を送受信するための機能部である。送受信部21は、例えば端末11及び12の各々の送受信部116によって送信されたユーザ識別子、日時情報、位置情報及び方向情報を受信する。
【0045】
端末情報格納部22は、端末11及び12を含む複数の端末によって送信された情報を格納する機能を有する。具体的には、端末情報格納部22は、送受信部21によって受信された日時情報、位置情報及び方向情報をユーザ識別子に対応づけて格納する。
【0046】
端末特定部23は、端末情報格納部22を参照して、例えば同一の日時に同一の位置(場所)で接触した複数の端末(例えば、2つの端末)を特定する。具体的には、端末特定部23は、同一の日時を示す日時情報及び同一の位置を示す位置情報のそれぞれに対応づけて端末情報格納部22に格納されている2つのユーザ識別子によって識別される(ユーザによって利用される)端末を特定する。
【0047】
ここで、端末特定部23によって端末11及び12が特定された場合、情報取得部24は、端末11または12(を利用するユーザ)に関する情報を取得する。なお、情報取得部24によって取得される情報は、サーバ装置20内部に格納されていてもよいし、外部のシステムに格納されていてもよい。
【0048】
情報取得部24によって取得された端末11に関する情報は、送受信部21を介して端末12に送信される。一方、情報取得部24によって取得された端末12に関する情報は、送受信部21を介して端末11に送信される。
【0049】
ここで、
図5は、
図4に示す端末情報格納部22のデータ構造の一例を示す。
図5に示すように、端末情報格納部22には、端末(を利用するユーザ)を識別するためのユーザ識別子に対応づけて、日時情報、位置情報(緯度情報及び経度情報)及び方向情報が格納される。
【0050】
日時情報は、対応づけられているユーザ識別子によって識別される端末が他の端末と接触した日時(つまり、当該ユーザ識別子によって識別される端末において他の端末の接近を検出した日時)を示す。
【0051】
緯度情報及び経度情報からなる位置情報は、対応づけられているユーザ識別子によって識別される端末が他の端末と接触した際の位置(つまり、当該ユーザ識別子によって識別される端末において他の端末の接近を検出した際の位置)を示す。なお、緯度情報は端末が存在する位置の緯度を示し、経度情報は端末が存在する位置の経度を示す。
【0052】
方向情報は、対応付けられているユーザ識別子によって識別される端末が他の端末と接触した際の画面が向いている方向(つまり、当該ユーザ識別子によって識別される端末において他の端末の接近を検出した際の画面の向き)を示す。なお、方向情報には、端末の画面が向いている方向が上であることを示す「up」及び端末の画面が向いている方向が下であることを示す「down」等が含まれる。
【0053】
図5に示す例では、端末情報格納部22には、例えばユーザ識別子「A10DKD342FUAK779」に対応づけて日時情報「2012/08/01 12:00:23」、緯度情報「35.65861」、経度情報「139.745447」及び方向情報「up」が格納されている。これによれば、ユーザ識別子「A10DKD342FUAK779」によって識別される端末が2012年8月1日の12:00:23に、緯度が「35.65861」であって経度が「139.745447」の位置で画面が上を向いている状態で他の端末と接触した(当該他の端末の接近を検出した)ことが示されている。
【0054】
ここでは、ユーザ識別子「A10DKD342FUAK779」及び当該ユーザ識別子に対応づけられている日時情報、位置情報(緯度情報及び経度情報)及び方向情報についてのみ説明したが、他についても同様であるため、その詳しい説明を省略する。
【0055】
なお、
図5に示す例では、ユーザ識別子「A10DKD342FUAK779」及び「B20DasdfK5D243ag」の各々に対応づけられている日時情報によって示される日時及び位置情報によって示される位置が同一であるため、当該ユーザ識別子「A10DKD342FUAK779」及び「B20DasdfK5D243ag」によって識別される2つの端末が接触したことが特定される。
【0056】
以下、
図6のシーケンスチャートを参照して、本実施形態に係る端末特定システムの処理手順について説明する。
【0057】
ここでは、サーバ装置20と接続される複数の端末のうちの端末11に関する情報(以下、対象情報と表記)を端末12に対して送信しようとしているものとする。この場合、端末11及び12においては、事前準備としてGPSと通信可能な状態にし、更に近接センサ100が検出対象物を検出可能な状態にしておく。
【0058】
また、端末11及び12では、例えば対象情報を利用するための所定のアプリケーションプログラムが実行され、サーバ装置20に対して互いに相手方となる端末を特定させるためのモード(以下、端末特定モードと表記)が設定される。
【0059】
ここで、端末11及び12を利用(所持)するユーザは、当該端末11及び12を接近させる。
【0060】
具体的には、
図7及び
図8に示すように、端末11及び12の互いの画面を向き合わせるように当該端末11及び12に備えられる近接センサ同士を接近させる。なお、この場合、端末11及び12のいずれか一方の画面が下向き(つまり、端末11及び12間の位置関係としての上側)になるようにし、他方の画面が上向き(端末11及び12間の位置関係としての下側)になるようにする。これにより、後述するように対象情報の受信側となる端末を特定することができる。
図7及び
図8に示す例では、端末11が上側(画面は下向き)であり、端末12が下側(画面は上向き)となっている。
【0061】
なお、上記したように端末11及び12を接近させる場合、
図7及び
図8に示すように、互いの近接センサ100同士を接近させる方が好ましい。これによれば、端末11及び12の各々に備えられる近接センサ100によって他方の端末の接近が検出される時刻(日時)のずれを防止することができる。
【0062】
再び
図6に戻ると、上記したように端末11及び12を接近させた場合、端末11に備えられる近接センサ100は、検出対象物としての端末12の接近を検出することができる。これにより、端末11の検出対象物検出部111は、端末12の接近を検出する(ステップS1)。
【0063】
端末11の検出対象物検出部111によって端末12の接近が検出された場合、端末11の日時情報取得部112は、当該端末12の接近が検出された日時を示す日時情報を取得する(ステップS2)。
【0064】
次に、端末11の位置情報取得部113は、端末12の接近が検出された際の端末11の位置を示す位置情報を取得する(ステップS3)。この位置情報は、上記したようにGPSと通信することによって取得される。
【0065】
また、端末11の加速度検出部114は、端末12の接近が検出された際の端末11の加速度を検出する(ステップS4)。なお、端末11の加速度検出部114は、端末11に内蔵されている加速度センサを用いて加速度を検出する。
【0066】
端末11の方向情報取得部115は、端末11の加速度検出部114によって検出された加速度に基づいて、端末11の画面が向いている方向(端末12の接近が検出された際の端末11の画面が向いている方向)を示す方向情報を取得する(ステップS5)。
【0067】
端末11の送受信部116は、取得された日時情報、位置情報及び方向情報を、端末11(を利用するユーザ)を識別するユーザ識別子とともに送信する(ステップS6)。
【0068】
なお、互いの画面を向き合わせるように端末11及び12を接近させる場合、上記したように端末11及び端末12のいずれか一方が上側、他方が下側に位置している。このため、端末11の方向情報取得部115によって取得された方向情報によって示される端末11の画面が向いている方向が下である場合には、当該画面が向いている方向が下であることを示す方向情報に代えて、当該端末11が端末12に対して上側に位置することを示す情報(位置関係情報)が送信されても構わない。
【0069】
上記したように端末11及び12を接近させた場合、端末11においてステップS1〜S6の処理が実行されるが、これと並行して、端末12においてもステップS1〜S6の処理に相当するステップS7〜S12の処理が実行される。
【0070】
具体的には、端末11及び12を接近させた場合、端末12の検出対象物検出部111は、端末11の接近を検出する(ステップS7)。
【0071】
次に、端末12の位置情報取得部113は、端末11の接近が検出された際の端末12の位置を示す位置情報を取得する(ステップS8)。
【0072】
また、端末12の加速度検出部114は、端末11の接近が検出された際の端末12の加速度を検出する(ステップS10)。
【0073】
端末12の向き情報取得部115は、端末12の加速度検出部114によって検出された加速度に基づいて、端末12の画面が向いている方向を示す方向情報を取得する(ステップS11)。
【0074】
端末12の送受信部116は、取得された日時情報、位置情報及び方向情報を、端末12(を利用するユーザ)を識別するユーザ識別子とともに送信する(ステップS12)。なお、上記したステップS6において説明したように、方向情報に代えて、位置関係情報が送信されても構わない。
【0075】
なお、上記したステップS2及びS8においては単に互い端末の接近が検出された日時を示す日時情報が取得されるものとして説明したが、当該日時情報は、上記したように端末11及び12において端末特定モードが設定された場合にサーバ装置20によって送信された日時情報に基づいて取得されるものとする。具体的には、端末11及び12において端末特定モードが設定された場合、当該端末特定モードが設定された日時が端末11及び12に送信される。端末11及び12では、サーバ装置20から送信された日時に対する経過時間から日時情報を取得する。これにより、端末11及び12の各々に内蔵される内部時計等に基づいて日時情報を取得する場合と比較して、誤差を軽減することが可能となる。なお、ここで説明したものは一例であり、他の方法で日時情報が取得されても構わない。
【0076】
サーバ装置20に含まれる送受信部21は、上記したように端末11(の送受信部116)によって送信された日時情報、位置情報及び方向情報を、ユーザ識別子とともに受信する。送受信部21によって受信された日時情報、位置情報及び方向情報は、ユーザ識別子に対応づけて端末情報格納部22に格納される。詳細な説明は省略するが、端末12によって送信された各情報についても同様である。
【0077】
次に、端末特定部23は、端末情報格納部22を参照して、互いに相手方となる2つの端末を特定する(ステップS13)。
【0078】
ここで、ステップS13の処理について具体的に説明する。まず、端末特定部23は、端末情報格納部22に格納された日時情報のうち、当該日時情報によって示される日時が同一である2つの日時情報が存在するか否かを判定する。
【0079】
日時が同一である2つの日時情報が存在すると判定された場合、当該2つの日時情報の各々に対応づけて端末情報格納部22に格納されている2つの位置情報によって示される位置が同一であるか否かを判定する。
【0080】
2つの位置情報によって示される位置が同一であると判定された場合、当該2つの位置情報の各々に対応づけて端末情報格納部22に格納されている2つのユーザ識別子によって識別される2つの端末を互いに相手方となる端末であるとして特定する。
【0081】
なお、上記したように端末11及び12を接近させた場合には、当該端末11及び12の各々によって送信される日時情報及び位置情報はそれぞれ一致するため、当該端末11及び12は互いに相手方となる端末として特定される。
【0082】
このとき、互いに相手方となる端末として特定された端末11及び12のうち、端末情報格納部22において画面が向いている方向が上であることを示す方向情報(つまり、「up」)に対応づけられているユーザ識別子によって識別される端末を情報の送信先端末とする。ここでは、端末12が対象情報の送信先端末であるものとする。
【0083】
次に、情報取得部24は、対象情報(端末11に関する情報)を取得する(ステップS14)。この対象情報は、サーバ装置20内部に保持されている情報であってもよいし、端末11から受信された情報であっても構わない。なお、対象情報は、例えば上記したように端末11及び12において実行されているアプリケーションプログラムに応じた情報である。
【0084】
送受信部21は、情報取得部24によって取得された対象情報を、送信先端末である端末12に送信する(ステップ15)。なお、単に情報取得部24によって取得された対象情報を送信するのではなく、当該対象情報に対して所定の処理が実行され、当該処理結果が端末12に送信されるような構成であっても構わない。
【0085】
ここでは、端末11に関する情報が端末12に対して送信されるものとして説明したが、例えば端末11及び12を接近させる際に、端末12を上側(つまり、画面を下向き)にし、端末11を下側(つまり、画面を上向き)にした場合には、端末12に関する情報を端末11に対して送信することができる。
【0086】
本実施形態においては、上記したような処理が実行されることによって、サーバ装置20に対してインターネットのようなネットワーク30を介して接続されている膨大な数の端末の中から端末11に関する情報の送信先となる端末(ここでは、端末12)を特定し、当該対象情報を当該端末12に適切に送信することが可能となる。
【0087】
ここで、例えば端末11及び12の各々に備えられる近接センサ100の感度によっては検出対象物を検出するタイミングにずれが生じるため、当該端末11及び12を接近させた場合であっても当該端末11及び12の各々によって取得される日時情報(によって示される日時)が完全に一致しない場合がある。同様に、一般的にGPSでは誤差が生じる場合があり、端末11及び12がGPSと通信することによって取得される位置情報(によって示される位置)も完全に一致しない場合がある。このため、上述した
図6に示す処理においては日時情報(によって示される日時)及び位置情報(によって示される位置)がそれぞれ一致する2つの端末(端末11及び12)を互いに相手方となる端末として特定するものとして説明したが、これらの誤差を考慮して当該日時情報及び位置情報がそれぞれ予め定められた範囲内であれば、当該日時情報及び位置情報がそれぞれ一致したものとして端末11及び12を互いに相手方となる端末として特定することが好ましい。
【0088】
以下、
図9を参照して、本実施形態に係る端末特定システムの動作について具体的に説明する。ここでは、端末11及び12においてソーシャルゲームが行われている際に本実施形態が適用される場合ついて説明する。
【0089】
このソーシャルゲームでは、例えば端末11を利用するユーザ(以下、ユーザAと表記)は当該ユーザAの仮想空間内(ユーザAの部屋等)で当該ユーザAのキャラクタを育成することができ、端末12を利用するユーザ(以下、ユーザBと表記)は当該ユーザBの仮想空間内(ユーザBの部屋等)で当該ユーザBのキャラクタを育成することができるものとする。また、このソーシャルゲームにおいては、ユーザA及びBのキャラクタは、他のユーザの仮想空間を訪問することができるものとする。
【0090】
なお、この場合、サーバ装置20は、上記したソーシャルゲームを制御するゲーム制御装置として動作する。
【0091】
このようにソーシャルゲームが行われる場合、端末11では当該ソーシャルゲームを行うためのアプリケーションプログラム(以下、ゲームプログラムと表記)が実行される。なお、このゲームプログラムには、上記した端末11及び12において上記した
図6において説明した処理を実行するためのプログラムが組み込まれているものとする。
【0092】
ここで、端末11を利用するユーザAが端末11を介して例えばユーザID及びパスワード等を入力することによって、端末11は、当該ユーザID及びパスワード等を含むログイン要求をサーバ装置20に送信する(ステップS21)。
【0093】
サーバ装置20は、端末11によって送信されたログイン要求に応じてユーザAを認証し、当該サーバ装置20に対するユーザAのログインを許可する。サーバ装置20においてユーザAのログインが許可された場合、その旨が端末11に通知される(ステップS22)。
【0094】
同様に、端末12では上記したゲームプログラムが実行される。端末12を利用するユーザBが端末12を介して例えばユーザID及びパスワード等を入力することによって、端末12は、当該ユーザID及びパスワード等を含むログイン要求をサーバ装置20に送信する(ステップS23)。
【0095】
サーバ装置20は、端末12によって送信されたログイン要求に応じてユーザBを認証し、当該サーバ装置20に対するユーザBのログインを許可する。サーバ装置20においてユーザBのログインが許可された場合、その旨が端末12に通知される(ステップS24)。
【0096】
上記したようにユーザA及びBのログインが許可された場合、当該ユーザA及びBは、端末11及び12を用いて、サーバ装置20と通信を行いながらソーシャルゲームを行うことができる。
【0097】
ここで、ユーザAが当該ユーザAのキャラクタをユーザBの仮想空間に訪問させようとしているものとする。このとき、ユーザA及びBは、当該ユーザA及びBが利用(保持)している端末11及び12を接近させることが可能な位置にいるものとする。
【0098】
この場合、ユーザAが利用する端末11において、当該ユーザAのキャラクタを他のユーザの仮想空間に訪問させることを要求するモード(例えば、往訪モード)を起動する(ステップS25)。
【0099】
一方、ユーザBが利用する端末12において、他のユーザのキャラクタの訪問を受け付けるモード(例えば、来訪モード)を起動する(ステップS26)。
【0100】
このように端末11及び12のそれぞれにおいて往訪モード及び来訪モードが起動された状態で、ユーザA及びBは、端末11及び12を接近させる。このとき、往訪モードが起動されている端末11を上側(つまり、画面は下向き)、来訪モードが起動されている端末12を下側(つまり、画面は上向き)にして、当該端末11及び12を接近させる。
【0101】
これにより、端末11においては端末12(検出対象物)の接近が検出される(ステップS27)。このように端末11において端末12の接近が検出されると、端末11は、ユーザA(によって利用される端末11)を識別するためのユーザ識別子とともに、日時情報、位置情報及び方向情報をサーバ装置20に送信する(ステップS28)。
【0102】
一方、端末12においても同様に端末11(検出対象物)の接近が検出される(ステップS29)。このように端末12において端末11の接近が検出されると、端末12は、ユーザB(によって利用される端末12)を識別するためのユーザ識別子とともに、日時情報、位置情報及び方向情報をサーバ装置20に送信する(ステップS30)。
【0103】
なお、ステップS28及びS30において端末11及び12からサーバ装置20に対して送信される各情報については上述した通りであるため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0104】
サーバ装置20は、端末11及び12の各々によって送信された日時情報及び位置情報を参照し、当該端末11及び12が互いに相手方となる端末であることを特定する(ステップS31)。なお、このステップS31の処理については上述した通りであるため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0105】
なお、本実施形態においては、上記したように方向情報(端末11及び12の位置関係)をサーバ装置20に送信しているため、サーバ装置20は、上側に位置する端末11を利用するユーザAのキャラクタが端末12を利用するユーザBの仮想空間に訪問しようとしていることを認識することができる。
【0106】
このようにサーバ装置20において互いに相手方となる端末として端末11及び12が特定された場合、サーバ装置20は、例えばサーバ装置20内に格納されているユーザA及びBの仮想空間やキャラクタの情報を用いてユーザAのキャラクタがユーザBの仮想空間に往訪していることを表す画像を作成し、当該画像をユーザAによって利用される端末11に送信する(ステップS32)。これにより、端末11では、サーバ装置20から送信された画像(往訪状態の画面)が表示される(ステップS33)。
【0107】
また、サーバ装置20は、例えばサーバ装置20内に格納されているユーザA及びBの仮想空間やキャラクタの情報を用いてユーザAのキャラクタがユーザBの仮想空間に来訪していることを表す画像を作成し、当該画像をユーザBによって利用される端末12に送信する(ステップS34)。これにより、端末12では、サーバ装置20から送信された画像(来訪状態の画面)が表示される(ステップS35)。
【0108】
ここでは、端末11に関する情報としてユーザAのキャラクタがユーザBの仮想空間に来訪していることを表す画像が端末12に送信されているが、上記したステップS33において説明したように対応する情報(ここでは、ユーザAのキャラクタがユーザBの仮想空間に往訪している画像)が端末11側に送信されても構わない。
【0109】
このようにユーザAのキャラクタがユーザBの仮想空間を訪問した場合には、例えば当該ユーザA及びB(のキャラクタ)間で各種コミュニケーションを行うことができる。このとき、ユーザAのキャラクタがユーザBの仮想空間を訪問したことに対して所定のインセンティブが当該ユーザA及びBに付与されるようにしても構わない。
【0110】
ここで、ユーザBの仮想空間を訪問していたユーザAのキャラクタが当該ユーザAの仮想空間に戻るものとする。
【0111】
この場合、ユーザA及びBは、例えば端末11及び12においてキャラクタが自身の仮想空間に戻る際のモードを起動し、端末11及び12を接近させる。このとき、キャラクタを自身の仮想空間に戻すユーザによって利用される端末(ここでは、ユーザAによって利用される端末11)を下側、他のユーザのキャラクタを送り出すユーザによって利用される端末(ここでは、ユーザBによって利用される端末12)を上側にして、当該端末11及び12を接近させる。
【0112】
これにより、端末11においては端末12(検出対象物)の接近が検出される(ステップS36)。このように端末11において端末12の接近が検出されると、端末11は、ユーザAを識別するためのユーザ識別子とともに、日時情報、位置情報及び方向情報をサーバ装置20に送信する(ステップS37)。
【0113】
一方、端末12においても同様に端末11(検出対象物)の接近が検出される(ステップS38)。このように端末12において端末11の接近が検出されると、端末12は、ユーザBを識別するためのユーザ識別子とともに、日時情報、位置情報及び方向情報をサーバ装置20に送信する(ステップS39)。
【0114】
サーバ装置20は、端末11及び12の各々によって送信された日時情報及び位置情報を参照し、当該端末11及び12が互いに相手方となる端末であることを特定する(ステップS40)。
【0115】
ここでは、端末11を下側、端末12を上側にして、当該端末11及び12を接近させているため、サーバ装置20は、上側に位置する端末12を利用するユーザBの仮想空間から下側に位置する端末11を利用するユーザAの仮想空間に、当該ユーザAのキャラクタが戻ろうとしていることを認識することができる。
【0116】
ここで、端末11及び12で行われているソーシャルゲームでは、例えばユーザAのキャラクタがユーザBの仮想空間を訪問し、当該ユーザAの仮想空間に戻る際、当該ユーザBからアイテム等が貰えるような仕組みが存在するものとする。
【0117】
この場合、サーバ装置20は、例えばサーバ装置20内に格納されているユーザA及びBの仮想空間、キャラクタの情報やユーザBが有するアイテム等の情報を用いてユーザAのキャラクタが例えばソーシャルゲームで用いられるユーザBが有するアイテム等を持ち帰ったことを表す画像を作成し、当該画像(端末12に関する情報)をユーザAによって利用される端末11に送信する(ステップS41)。これにより、端末11では、サーバ装置20から送信された画像(つまり、ユーザBのアイテムを持ち帰ったような画面)が表示される(ステップS42)。
【0118】
上記したような処理が実行されると、端末11においては、例えばユーザAの仮想空間の画面が表示される。同様に、端末12においては、例えばユーザBの仮想空間の画面が表示される。
【0119】
ここで、
図10〜
図12を参照して、上記したソーシャルゲームの概要について簡略的に説明する。ここでは、端末11及び12の画面遷移について主に述べる。
【0120】
また、端末11及び12の画面にはユーザA及びBの仮想空間等の種々のオブジェクト(アイテムやキャラクタ等)が表示されるが、
図10〜
図12においてはこれらは便宜的に省略し、上述した
図9において説明した処理におけるユーザAのキャラクタの移動に関してのみ説明する。
【0121】
まず、端末11及び12においてゲームプログラムが実行され、ユーザA及びBのログインが許可された場合、
図10に示すように、ユーザAによって利用される端末11の画面には、ユーザAのキャラクタが表示されているものとする。
【0122】
ここで、端末11を上側、端末12を下側にして端末11及び端末12を接近させた場合、
図11に示すように、端末11に表示されていたユーザAのキャラクタは、ユーザAの仮想空間からユーザBの仮想空間に移動する(つまり、ユーザBの仮想空間を訪問する)。
【0123】
次に、端末11を下側、端末12を上側にして端末11及び端末12を接近させた場合、
図12に示すように、端末12に表示されていたユーザAのキャラクタは、ユーザBの仮想空間からユーザAの仮想空間に戻ってくる。このとき、ユーザAのキャラクタは、ユーザBのアイテム(例えば、キャラクタの着せ替えのおもちゃ等)300をおみやげとして持ち帰ることができる。
【0124】
このようにソーシャルゲームにおいて本実施形態を適用することで、キャラクタを2つの端末間で移動させるようなゲーム要素を取り入れて参加者の興味を引くことにより当該ソーシャルゲームの参加者の増加を図ることができるとともに、仮想空間内でのキャラクタを介したコミュニケーションのみならず、現実世界におけるユーザ間でのコミュニケーションを行うことが可能となり、当該ソーシャルゲームの継続的な利用を促すことができる。
【0125】
なお、上記したソーシャルゲームにおいてユーザのキャラクタを移動させる以外にも、例えば相互に相手方となる2つの端末として特定された一方の端末(を利用するユーザ)から他方の端末(を利用するユーザ)に対して単にメッセージを送信する、友達申請をする、アイテム等をプレゼントするような構成とすることも可能である。
【0126】
すなわち、ソーシャルゲームにおいて本実施形態を適用した場合には、SNSで行われる「友達登録」、「ユーザエリアへのアクセス」及び「ユーザ同士の対戦」の際に必要な互いに相手方となる2つの端末を特定する際の操作を簡易にすることができる。
【0127】
上記したように本実施形態においては、端末11及び12が互いに接近することによって端末11において端末12の接近が検出された場合に当該端末11が日時情報及び位置情報を取得し、端末12において端末11の接近が検出された場合に当該端末12が日時情報及び位置情報を取得し、当該取得された日時情報の各々によって示される日時が同一または予め定められた範囲内であり、当該取得された位置情報の各々によって示される位置が同一または予め定められた範囲内である場合、サーバ装置20が端末11及び12を互いに相手方となる端末として特定する構成により、単に端末11及び12を接近させるのみで、インターネットのようなネットワーク30を介してサーバ装置20に接続されている膨大な数の端末の中から相手方となる端末を特定することができる。
【0128】
つまり、本実施形態によれば、例えばソーシャルゲーム等において「固有キーの通知」、「ユーザ名等を用いた検索」及び「友達一覧からの選択」等の操作を行うことなく容易かつ迅速に相手方となる端末を特定することができる。
【0129】
また、本実施形態においては、上記したように互いに相手方となる端末11及び12を特定することができるため、端末11に関する情報を端末12に送信する、または端末12に関する情報を端末11に送信することが可能となる。
【0130】
また、本実施形態においては、端末11の加速度に基づいて端末11の画面が向いている方向を判別し、端末12の加速度に基づいて端末12の画面が向いている方向を判別し、当該方向情報(端末11及び12間の位置関係)に基づいて情報を送信する構成により、端末11及び12を利用するユーザ側で情報の送信先を明確に指定することができる。なお、本実施形態においては、下側に位置する端末を情報の送信先とするものとして説明したが、例えば上側に位置する端末を情報の送信先としても構わない。
【0131】
なお、本実施形態においては、互いに相手方となる2つの端末として端末11及び12が特定された場合、例えば端末11に関する情報を端末12に送信するものとして主に説明したが、例えば端末11に関する情報に対応する端末12に関する情報が端末11にも送信されるような構成としても構わない。例えば端末11に関する情報として端末11に割り当てられているメールアドレスが端末12に送信された場合には、端末12に割り当てられているメールアドレスが端末11に対して送信されても構わない。
【0132】
また、互いに相手方となる2つの端末が特定された後の処理については、本実施形態において説明したものに限られない。すなわち、本実施形態は、サーバ装置20と通信可能に接続される例えば2つの端末を特定して任意の処理が行われるような場合であれば適用可能である。
【0133】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。