【実施例】
【0018】
図1は、本発明の実施例に係るドライブプレート10の斜視図であり、
図2は、ドライブプレート10の平面図であり、
図3は、ドライブプレート10の取付状態を示す断面図である。これらの図面に示すドライブプレート10は、車両に搭載された原動機としての図示しないエンジン(内燃機関)から出力される動力を動力伝達対象である流体伝動装置3へと伝達するのに用いられる。実施例において、動力伝達対象としての流体伝動装置3は、原動機としてのエンジンを備えた車両に発進装置として搭載されるトルクコンバータである。すなわち、流体伝動装置3は、
図3に示すように、ドライブプレート10を介してエンジンのクランクシャフト2に連結されるフロントカバー30や、フロントカバー30に密に固定されるポンプシェル31aを含むポンプインペラ31、ポンプインペラ31と同軸に回転可能な図示しないタービンランナ、図示しない変速装置のインプットシャフトに固定されると共にタービンランナに接続される図示しないタービンハブ、タービンハブに接続されたダンパ機構32、フロントカバー30とダンパ機構32とを係合させる(連結する)と共に両者の係合(連結)を解除することができる単板摩擦式のロックアップクラッチ33等を含む。実施例のロックアップクラッチ33は、フロントカバー30の径方向に延びる内面30aと摩擦係合可能な摩擦材34を有するロックアップピストン35を含む。
【0019】
図1〜
図3に示すように、実施例のドライブプレート10は、エンジンのクランクシャフト2に固定されるプレート部材11と、外周にリングギヤ120を有すると共にプレート部材11に締結可能であり、かつ流体伝動装置3に固定される環状のリングギヤ部材12とから構成される。すなわち、実施例のドライブプレート10は、エンジン側に取り付けられるプレート部材11と、流体伝動装置3に取り付けられるリングギヤ部材12とに2分割され得る。従って、エンジンのクランクシャフト2にプレート部材11を予め取り付けておくと共に流体伝動装置3にリングギヤ部材12を予め取り付けておいた上で、プレート部材11とリングギヤ部材12とを締結することができる。
【0020】
プレート部材11は、例えば冷間圧延鋼板といった可撓性を有する板材から形成され、
図4に示すように、その中心に形成された中心孔110と、当該中心孔110の周囲に等間隔に配設された複数(実施例では、6個)のクランクシャフト連結孔111と、それぞれ中心部から外方かつ放射状に延びると共に径方向外側の端部近傍に形成された締結孔112aを有する複数(実施例では、6個)の放射状部112とを含む。
図3に示すように、プレート部材11の中心孔110には、クランクシャフト2の先端が嵌合され、クランクシャフト2の先端中心に形成された孔部には、流体伝動装置3のフロントカバー30の外面中央に固定された入力側センターピース4が嵌合される。また、クランクシャフト2とプレート部材11とは、プレート部材11の表面側および裏面側に配置されるスペーサを介してクランクシャフト連結孔111に挿通されたボルトにより締結される。
【0021】
リングギヤ部材12は、
図5に示すように、エンジンをクランキングする図示しないセルモータのロータに連結されると共にエンジン始動時にドライブプレート10に向けて移動されるピニオンギヤと噛合可能なリングギヤ120と、リングギヤ120が外周に固定されると共にプレート部材11に締結可能であり、かつ流体伝動装置3のフロントカバー30に固定される略円環状の環状支持部材121とを含む。実施例において、リングギヤ120は、
図6からわかるように、例えば既存のリングギヤ製造設備を利用して環状支持部材121とは別に製造され、環状支持部材121の外周に圧入、カシメあるいは溶接により固定される。
【0022】
環状支持部材121は、例えば冷間圧延鋼板といった可撓性を有する板材から形成され
図7に示すように、それぞれプレート部材11の複数の放射状部112に対応するように内周部から径方向内側(中心側)に延出された複数(実施例では、6個)の締結部121aを有する。各締結部121aには、プレート部材11の放射状部112に形成された締結孔112aにそれぞれ対応するように締結孔121bが形成される。そして、プレート部材11とリングギヤ部材12とは、プレート部材11の各放射状部112の締結孔112aとリングギヤ部材12の環状支持部材121の各締結孔121bとに挿通されるボルト15とナット16とにより締結される。ここで、実施例では、ナット16として、環状支持部材121の締結部121aを形成(プレス加工)する際に、ナットそれ自体で締結部121aに締結孔121bを穿設可能であると共に当該締結部121aにカシメ固定されるもの(例えば「ピアスナット」)が用いられる。
【0023】
また、環状支持部材121は、内周部の互いに隣り合う締結部121a同士の間からクランクシャフト2や流体伝動装置3の軸方向かつ流体伝動装置3側へと延出された複数(実施例では、6個)の延出溶接部121cを有する。各延出溶接部121cは、
図3に示すように、適宜折り曲げ加工されると共にそれぞれの遊端部が流体伝動装置3のフロントカバー30の外周部30bと当接するように形成される。そして、各延出溶接部121cの遊端部とフロントカバー30の外周部30bとは、両者の当接部に沿って互いに溶接される。各延出溶接部121cの遊端部とフロントカバー30の外周部30bとの溶接長さは、エンジンからフロントカバー30に伝達されるトルクに耐えることができるように定められる。従って、必ずしも延出溶接部121cの遊端部とフロントカバー30との当接部全体に沿って両者を溶接する必要はない。
【0024】
上述のように構成されるドライブプレート10は、プレート部材11をエンジンのクランクシャフト2に固定すると共にリングギヤ部材12を流体伝動装置3のフロントカバー30に固定し、更にプレート部材11とリングギヤ部材12とを締結することによりエンジンのクランクシャフト2と流体伝動装置3との間に介設される。そして、エンジンから出力された動力は、クランクシャフト2、プレート部材11、リングギヤ部材12の環状支持部材121、および環状支持部材121の各延出溶接部121cを介して流体伝動装置3のフロントカバー30へと伝達され、更に流体伝動装置3により図示しない変速装置へと伝達される。また、エンジンをセルモータによりクランキングして始動させる際には、セルモータからのクランキングトルクが、当該セルモータのピニオンギヤと噛合したリングギヤ120、環状支持部材121およびプレート部材11を介してエンジンのクランクシャフト2へと伝達される。
【0025】
次に、
図8〜
図10を参照しながら、実施例のドライブプレート10を構成するプレート部材11およびリングギヤ部材12の製造手順ならびに流体伝動装置3に対するドライブプレート10の組付手順について説明する。
【0026】
ドライブプレート10を構成するプレート部材11およびリングギヤ部材12の製造に際しては、まず、
図8に示すように、例えば冷間圧延鋼板といった板材20からリングギヤ部材12の環状支持部材121の元となる環状体21(
図7中のハッチングが付されていない部分)を切り出し、板材20から環状体21を切り出すことによりプレート部材11の元となる残部22を環状体21と共に得る。これにより、少なくともリングギヤ部材12の環状支持部材121とプレート部材11とを、いわゆる親子取りにより作成することができるので、板材20を有効に利用して歩留まりを向上させることが可能となる。次いで、板材20から切り出された環状体21にプレス加工等を施して締結部121aや延出溶接部121c等を成形することにより、
図7に示す環状支持部材121を得る。また、
図9に示すように、板材20から環状体21を切り出して得られた残部22に切削加工を施してプレート部材11の元となる部材23を得た後、部材23にプレス加工等を施すことにより、
図4に示すプレート部材11を得る。
【0027】
そして、環状支持部材121とは別に製造された
図6に示すリングギヤ120の内周に環状支持部材121を圧入したり、両者をカシメあるいは溶接により固定すれば、
図5に示すリングギヤ部材12を得ることができる。ここで、エンジンのクランキングに際しては、セルモータからリングギヤ120や環状支持部材121に対してさほど大きなトルクが印加されない。従って、リングギヤ120と環状支持部材121とを圧入やカシメにより固定しても、両者を長期間にわたり強固に固定しておくことが可能であり、リングギヤ120と環状支持部材121とを溶接により固定する場合には、両者間の溶接箇所(溶接長さ)を大幅に削減することできる。なお、リングギヤ120は、環状体21を切出した後の板材20の残部(環状体21の外側部分)を元に作成されてもよい。
【0028】
上述のように製造されたドライブプレート10を構成するプレート部材11およびリングギヤ部材12のクランクシャフト2および流体伝動装置3に対する組付手順を
図10に示す。実施例のドライブプレート10を構成するプレート部材11は、例えばエンジンの組立工場等において表裏に配置されるスペーサを介してクランクシャフト連結孔111に挿通されたボルトによりクランクシャフト2に締結される(
図10における一点鎖線参照)。また、実施例のドライブプレート10を構成するリングギヤ部材12は、例えば流体伝動装置3の組立工場等において環状支持部材121の各延出溶接部121cの遊端部をフロントカバー30の外周部30bに溶接することにより流体伝動装置3に対して固定される(
図10における二点鎖線参照)。このように、リングギヤ部材12のリングギヤ120よりも内周側の部分すなわち環状支持部材121の内周側の部分から流体伝動装置3側へと複数の延出溶接部121cを延出すると共に各延出溶接部121cの遊端部を流体伝動装置3のフロントカバー30の外周部30bに溶接することで、フロントカバー30の径方向に延びる部分すなわちロックアップピストン35の摩擦材34と対向するフロントカバー30の径方向に延びる内面30aを含む部分への溶接による熱の影響を低減すると共に、延出溶接部121cの遊端部と流体伝動装置3のフロントカバー30との溶接部とリングギヤ120との間隔を充分に確保してリングギヤ120への溶接による熱の影響を低減することができる。
【0029】
こうしてエンジン側に取り付けられたプレート部材11と、流体伝動装置3に取り付けられたリングギヤ部材12とは、例えば車両の組立工場等においてプレート部材11の各締結孔112aおよびリングギヤ部材12の各締結孔121bにボルト15を挿通すると共に各ボルト15を環状支持部材121に固定されたナット16に螺合することにより互いに締結される。なお、実施例のリングギヤ部材12において各ナット16は、環状支持部材121のプレス加工時等に締結部121aにカシメ固定されるものであるが、
図10では、ドライブプレート10の構造を解りやすくするために、各ナット16を環状支持部材121(締結部121a)から分離して示す。また、エンジンと流体伝動装置3との間にドライブプレート10を介設する手順は上述のものに限られるものではなく、プレート部材11とリングギヤ部材12とを互いに固定した後、ドライブプレート10をエンジンと流体伝動装置3との間に介設してもよい。
【0030】
以上説明したように、実施例のドライブプレート10は、エンジンのクランクシャフト2に固定されるプレート部材11と、リングギヤ120を外周に有すると共にプレート部材11に締結される環状部材であるリングギヤ部材12とから構成される。そして、リングギヤ部材12は、それぞれリングギヤ120よりも内周側でプレート部材11に締結される複数の締結部121aと、それぞれリングギヤよりも内周側から動力伝達対象である流体伝動装置3側へと延出されると共に流体伝動装置3の構成部材であるフロントカバー30の外周部30bに溶接される遊端部を有する複数の延出溶接部121cとを含む。
【0031】
このように、リングギヤ部材12のリングギヤ120よりも内周側の部分から流体伝動装置3側へと複数の延出溶接部121cを延出すると共に各延出溶接部121cの遊端部を流体伝動装置3のフロントカバー30の外周部30bに溶接することで、ロックアップピストン35の摩擦材34と対向するフロントカバー30の径方向に延びる部分(内面30a)への溶接による熱の影響を低減することができる。従って、実施例のドライブプレート10によれば、ロックアップクラッチ33の作動時におけるフロントカバー30の熱歪みに起因したジャダーを良好に抑制することが可能となる。また、実施例のドライブプレート10によれば、リングギヤ部材12の各延出溶接部121cの遊端部と流体伝動装置3のフロントカバー30(外周部30b)との溶接部とリングギヤ120との間隔を充分に確保してリングギヤ120への溶接による熱の影響を低減することができる。更に、実施例のドライブプレート10では、セットブロックを用いることなくリングギヤ部材12をフロントカバー30(流体伝動装置3)に固定することができるので、部品点数を削減することが可能となる。また、このようにセットブロックが不要となることで、流体伝動装置3のフロントカバー30とドライブプレート10との間にセットブロックの配置スペースを確保する必要がなくなる。更に、実施例のドライブプレート10によれば、流体伝動装置3の外径に応じて延出溶接部121cの長さや延出方向(角度)等を調整するだけでドライブプレート10を様々なサイズ(外径)の流体伝動装置3に対応させることができるため、ドライブプレート10の流体伝動装置3への取付に関してより自由度を高くすることが可能となる。加えて、実施例のドライブプレート10は、プレート部材11とリングギヤ部材12とを含む2分割構造を有することから、ドライブプレート10によれば、セルモータによりエンジンをクランキングする際の音色をより好ましいものとすることができる。
【0032】
また、実施例のドライブプレート10を構成するリングギヤ部材12は、複数の締結部121aおよび複数の延出溶接部121cを内周側に有すると共にリングギヤ120が外周に固定される環状支持部材121を含む。このように、リングギヤ部材12を環状支持部材121とリングギヤ120とに2分割することにより、環状支持部材121とは別に作成されたリングギヤ120を当該環状支持部材121に固定可能となるので、リングギヤ部材12の外周にギヤを形成する工程を省略してリングギヤ部材12の製造を容易にすることができる。更に、リングギヤ120は、エンジンから流体伝動装置3への動力の伝達に寄与するものではなく、しかもエンジンのクランキングに際してリングギヤ120に対してはさほど大きなトルクが印加されないことから、リングギヤ120を圧入やカシメにより環状支持部材121に固定したり、リングギヤ120を環状支持部材121に溶接により固定する場合には両者間の溶接箇所(溶接長さ)を大幅に削減したりすることもできる。これにより、リングギヤ120の熱による鈍り(軟化)を良好に抑制することが可能となる。加えて、上記実施例のようにリングギヤ部材12を環状支持部材121とリングギヤ120とに2分割すれば、ドライブプレート10は、プレート部材11と環状支持部材121とリングギヤ120とを含む3分割構造を有することになるので、ドライブプレート10によれば、セルモータによりエンジンをクランキングする際の音色をより一層好ましいものとすることができる。ただし、リングギヤ部材12をリングギヤ120と環状支持部材121とに2分割する代わりに、環状支持部材121の外周に直接リングギヤを形成することにより、リングギヤ120と環状支持部材121とを一体の部材として構成してもよいことはいうまでもない。
【0033】
更に、上記実施例では、リングギヤ部材12の締結部121aに、それ自体で締結部121aに締結孔121b(ボルト孔)を穿設可能なナット16がカシメ固定される。これにより、リングギヤ部材12の成形時(例えばプレス加工時)に、プレート部材11とリングギヤ部材12との締結に必要なボルト15が挿通される締結孔121b(ボルト孔)を締結部121aに形成しつつ、ナット16を締結部121aに対して容易に固定することが可能となる。また、実施例のリングギヤ部材12を構成する環状支持部材121は、板材20から切り出される環状体21を加工することにより構成され、プレート部材11は、板材20から環状体21を切り出して得られる内側の残部22を加工することにより構成される。これにより、プレート部材11と環状支持部材121(リングギヤ部材12)とを、いわゆる親子取りにより作成することができるので、板材20を有効に利用して歩留まりを向上させることが可能となる。
【0034】
なお、上記実施例のドライブプレート10では、リングギヤ部材12の各延出溶接部121cがフロントカバー30の外周部30bに溶接されるが、流体伝動装置3へのリングギヤ部材12の固定態様はこれに限られるものではない。すなわち、
図11に示す変形例のドライブプレート10Bのように、環状支持部材121の各延出溶接部121cを流体伝動装置3のフロントカバー30の外周部30bに嵌合すると共にフロントカバー30とポンプシェル31aとの接合部まで延出し、当該接合部で各延出溶接部121cの遊端部、フロントカバー30およびポンプシェル31aを溶接してもよい。これにより、フロントカバー30、ポンプシェル31aおよびリングギヤ部材12の複数の延出溶接部121cを同時に溶接することが可能となるので、溶接工程を削減することができる。更に、かかる構成によれば、フロントカバー30、ポンプシェル31aおよびリングギヤ部材12の複数の延出溶接部121cとの溶接部とフロントカバー30の径方向に延びる内面30aとの間隔や、当該溶接部とリングギヤ120との間隔を充分に取ることが可能となるので、フロントカバー30の径方向に延びる内面30aを含む部分やリングギヤ120への溶接による熱の影響をより一層低減することができる。
【0035】
また、
図12に示す変形例のドライブプレート10Cのように、環状支持部材121の各延出溶接部121cを流体伝動装置3のフロントカバー30の外周部30bに嵌合すると共にフロントカバー30とポンプシェル31aとの接合部の手前まで延出し、フロントカバー30とポンプシェル31aとの接合部よりもエンジン側(図中右側)で各延出溶接部121cの遊端部とフロントカバー30の外周部30bとを変速装置側(図中左側)から溶接してもよい。更に、
図13に示す変形例のドライブプレート10Dのように、環状支持部材121の各延出溶接部121cを流体伝動装置3のフロントカバー30の外周部30bに嵌合すると共にフロントカバー30とポンプシェル31aとの接合部の手前まで延出し、各延出溶接部121cの遊端部の内周面とフロントカバー30の外周部30bとをエンジン側(図中右側)から溶接してもよい。また、
図12の構成と
図13の構成とを組み合わせ、
図14に示す変形例のドライブプレート10Eのように、フロントカバー30とポンプシェル31aとの接合部よりもエンジン側(図中右側)で各延出溶接部121cの遊端部とフロントカバー30の外周部30bとを変速装置側(図中左側)から溶接すると共に、各延出溶接部121cの遊端部の内周面とフロントカバー30の外周部30bとをエンジン側(図中右側)から溶接してもよい。
【0036】
また、プレート部材11とリングギヤ部材12とを締結するためにナット16を用いる代わりに、ボルト15が挿通される環状支持部材121の各締結孔121bの周囲にバーリング加工を施してもよい。更に、ドライブプレート10,10Bが適用される動力伝達対象は、フロントカバー30と、フロントカバー30の径方向に延びる内面30aと摩擦係合可能なロックアップピストン35を有する単板式のロックアップクラッチ33とを含む流体伝動装置3に限られるものではない。すなわち、ドライブプレート10,10B〜10Eが適用される動力伝達対象は、エンジンからの動力が伝達されるものであれば、摩擦式クラッチや電磁クラッチといった他の如何なる形式のものであっても構わない。
【0037】
ここで、上記実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。すなわち、上記実施例等においては、エンジンをクランキングするセルモータのピニオンギヤと噛合可能なリングギヤ120を有すると共に、エンジンからの動力を流体伝動装置3へと伝達するドライブプレート10,10B〜10Eが「ドライブプレート」に相当し、エンジンのクランクシャフト2に固定されるプレート部材11が「プレート部材」に相当し、リングギヤ120を外周に有する環状部材として構成されると共に、それぞれリングギヤ120よりも内周側でプレート部材11に締結される複数の締結部121aと、それぞれリングギヤ120よりも内周側から流体伝動装置3側へと延出されると共に流体伝動装置3のフロントカバー30の外周部30bに溶接される遊端部を有する複数の延出溶接部121cとを含むリングギヤ部材12が「リングギヤ部材」に相当し、複数の締結部121aおよび複数の延出溶接部121cを内周側に有すると共にリングギヤ120が外周に固定される環状支持部材121が「環状支持部材」に相当し、フロントカバー30と、フロントカバー30の径方向に延びる内面30aと摩擦係合可能なロックアップピストン35を有する単板式のロックアップクラッチ33とを含む流体伝動装置3が「流体伝動装置」に相当する。
【0038】
ただし、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載された発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載された発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
【0039】
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。